JP3630762B2 - 眼球像受光装置及び眼球像受光制御方法 - Google Patents

眼球像受光装置及び眼球像受光制御方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、視線検出等の機能を有したカメラや望遠鏡などの光学機器に具備される眼球像受光装置、及び、眼球像受光制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、撮影者が観察面上のどの位置を観察しているかを検出する、いわゆる視線(視軸)を検出する装置(例えばアイカメラ)が種々提供されている。例えば特開平1−274736号公報においては、光源からの平行光束を撮影者の眼球の前眼部へ投射し、角膜からの反射光による角膜反射像と瞳孔の結像位置を利用して注視点を求めている。また同公報において、注視点検出装置を一眼レフカメラに配設し、撮影者の注視点情報を用いて撮影レンズの自動焦点調節を行う例を開示している。
【0003】
図11は一眼レフカメラに配設された視線検出光学系の概略図である。
【0004】
同図において、1は撮影レンズ、2は主ミラー、7はピント板、8はペンタプリズムである。11は11aの部分が赤外光のみを反射する様なミラーになった部分を含む接眼レンズで、撮影者は該接眼レンズ11に目を近付けてファインダ内の被写体を観察する。13a,13bは各々撮影者に対して不感の赤外光を放射する発光ダイオード等の光源である。15は撮影者の眼である。
【0005】
前記光源13a,13bで発光した光は撮影者15の眼球で反射し、この赤外光の一部は接眼レンズ内の赤外反射ミラー部11aで反射され、受光レンズ12においてイメージセンサ14に集光する。
【0006】
図12(a)は上記イメージセンサ14に投影される眼球像の概略図であり、図中52a,52bは赤外発光ダイオード13a,13bの角膜反射像で、50は眼球の白目の部分、51は瞳孔、53は目の回りの皮膚の部分である。
【0007】
図12(b)は、図12(a)のイメージセンサ14のあるライン(E−E´)からの出力信号60の強度を示す図である。
【0008】
眼球像の特徴は、赤外発光ダイオード13a,13bの角膜反射の輝度が一番高いが面積的にはあまり大きくなく、瞳孔部分は反射率が非常に低いため輝度レベルが最低で、ある程度の面積を占めることである。白目部分は角膜反射と瞳孔部分の輝度レベルの中間になり、皮膚の部分は外光や照明条件により輝度が高かったり低かったりする。
【0009】
図13は視線検出原理を説明する為の図である。
【0010】
同図において、15は撮影者の眼球、16は角膜、17は虹彩である。また、図11に示した接眼レンズ11は説明には不用であるため省略してある。以下この図を用いて視線の検出方法を説明する。
【0011】
赤外発光ダイオード13bより放射された赤外光は、観察者の眼球15の角膜16を照射する。このとき、角膜16の表面で反射した赤外光の一部により形成される角膜反射像d(虚像)は受光レンズ12により集光され、イメージセンサ14上の位置d´に結像する。同様に赤外発光ダイオード13aにより放射された赤外光は、眼球15の角膜16を照明する。このとき、角膜16の表面で反射した赤外光の一部により形成された角膜反射像eは受光レンズ12により集光され、イメージセンサ14上の位置e´に結像する。
【0012】
又、虹彩17の端部a,bからの光束は、受光レンズ12を介してイメージセンサ14上の位置a´,b´に該端部a,bの像を結像する。受光レンズ12の光軸に対する眼球15の光軸の回転角θが小さい場合、虹彩17の端部a,bのx座標をxa,xbとすると、瞳孔19の中心位置cの座標xcは、
xc≒(xa+xb)/2
と表される。
【0013】
又、角膜反射像d及びeの中点のx座標と角膜16の曲率中心oのx座標xoとは略一致する。この為、角膜反射像の発生位置d,eのx座標をxd,xe、角膜16の曲率中心oと瞳孔19の中心cまでの標準的な距離をOCとすると、眼球15の光軸15aの回転角θxは、
OC*SINθx≒(xd+xe)/2−xc ……(1)
の関係式を略満足する。この為、図12(a)に示した様に、イメージセンサ14上に投影された眼球15の各特徴点(角膜反射像及び瞳孔の中心)の位置を検出することにより、眼球15の光軸15aの回転角θを求めることができる。
【0014】
眼球15の光軸15aの回転角は(1)式より、
β*OC*SINθx≒{(xpo−δx)−xic}*pitch ……(2)
β*OC*SINθy≒{(ypo−δy)−yic}*pitch ……(3)
と求められる。
【0015】
ここで、θxはz−x平面内での眼球光軸の回転角、θyはy−z平面内での眼球光軸の回転角である。又(xpo,ypo)はイメージセンサ14上の2個の角膜反射像の中点の座標、(xic,yic)はイメージセンサ14上の瞳孔中心の座標である。pitchはイメージセンサ14の画素ピッチである。また、βは受光レンズ12に対する眼球15の位置により決る結像倍率で、実質的には2個の角膜反射像の間隔の関数として求められる。δx,δyは角膜反射像の中点の座標を補正する補正項であり、撮影者の眼球を平行光ではなく発散光にて照明していることにより生じる誤差を補正する補正項、及び、δyに関しては、撮影者の眼球を下まぶたの方から発散光にて照明していることにより生じるオフセット成分を補正する補正項も含まれている。
【0016】
撮影者の眼球光軸の回転角(θx,θy)が算出されると、撮影者の観察面(ピント板)上の注視点(x,y)はカメラの姿勢が横位置の場合、
x=m*(θx+△) …………(4)
y=m*θy …………(5)
と求められる。
【0017】
ここで、x方向はカメラの姿勢が横位置の場合の撮影者に対して水平方向、y方向はカメラの姿勢が横位置の場合の撮影者に対して垂直方向を示している。mは眼球の回転角からピント板上の座標に変換する変換係数、△は眼球光軸15aと視軸(注視点)とのなす角である。一般に眼球の回転角と観察者が実際に視ている視軸とは、観察者に対して水平方向に約5°ずれており、垂直方向には殆どずれていない事が知られている。
【0018】
この様な視線検出装置を、カメラや望遠鏡などのように野外や屋内のどちらでも使用する様な光学装置に搭載した場合、観察者の眼球が外光(太陽光)に照明されているときと全く照明されていないときとがあり、眼球像の明るさ、特に視線検出に用いる部分以外の目の回りの明るさやまつ毛等の反射が視線検出を行うための眼球像の画像に大変影響する。現在眼球像を検出するイメージセンサのダイナミックレンジは屋外での明るさと室内での明るさとの比よりもかなり狭く、必要な眼球像を得るために該イメージセンサの駆動条件を変化させる、いわゆるオートゲインコントロール(AGC)を行う必要がある。この為、眼球像を検出するイメージセンサの出力を複数の領域に分割し、その出力に一定の演算を行いAGCを行う必要がある。
【0019】
図14(a)は、従来例のイメージセンサのAGCの為のエリアの分割図である。
【0020】
簡単にAGCの方法を説明すると、最初に予め決まった蓄積制御でセンサ出力を得、センサの全領域の中央部分を6つの領域に分割し、その各々の領域を代表する輝度情報(A0〜A5)を求める。次に、最大値の閾値より大きい値と、最小値の閾値より小さい値を排除する。更に、残った値に特定の重み付け演算を行い、全体の輝度を代表する値を求める。この代表輝度値に従ってセンサの制御方法を決定する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14(c)の様に眼球中心がイメージセンサの中心に無いと〔図14(b)は眼球中心がイメージセンサの中心にある場合を示している〕、目の回りの部分の明るさでAGC制御されたり、眼球がファインダから遠い為にイメージセンサ上で眼球が小さくなってしまった場合には、眼球部分の明るさでAGC制御されない。この時に外光があれば実際より眼球が明るいと判断してしまうし、外光がなければ実際より眼球が暗いと判断してしまう。
【0022】
更に、図14(d)の様に、太陽光が部分的に目の付近を照明していたりした場合も眼球の瞳孔付近部分の明るさを正確に検出することができず、この場合実際より明るい眼球部であると判断し、AGC制御がうまく働かずに像信号出力が小さく制御されてしまう。
【0023】
いずれにせよ外光の影響を受け易くなり、適切な眼球像を得ることは困難であった。
【0024】
(発明の目的)
本発明の目的は、眼球中心が受光面の中心に無い場合や、眼球が観察面から遠い為に受光面上で眼球が小さくなってしまった場合や、太陽光が部分的に眼球を照明していた場合であっても、眼球部分の明るさを正確に検出し、外光や眼球の位置の影響を受けない適切な眼球像を得ることのできる眼球像受光装置及び眼球像受光制御方法を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1〜4及び記載の本発明は、観察者の眼球の反射像を検出する受光手段と、該受光手段で受光した眼球の反射像の特徴点を検出する特徴点検出手段と、前記受光手段により得られる受光出力が所定値以上であれば前記該特徴点検出手段により検出された特徴点情報を基に前記反射像の領域を複数に分割し、前記受光手段により得られる受光出力が所定値より小さければ前記特徴点情報を用いずに前記受光手段のセンサ中心を基に前記反射像の領域を複数に分割し、分割した領域にて得られる情報から前記反射像の輝度情報を検出する輝度検出手段と、該輝度検出手段によって検出された輝度情報を基に前記受光手段の駆動条件を設定する制御手段とを備えている。
【0026】
また、請求項5及び6記載の本発明は、観察者の眼球の反射像を検出する受光手段を制御して受光出力を得、該受光出力から反射像の特徴点を検出し、前記受光手段により得られる受光出力が所定値以上であれば前記特徴点情報を基に反射像の領域を複数に分割し、前記受光手段により得られる受光出力が所定値より小さければ前記特徴点情報を用いずに前記受光手段のセンサ中心を基に前記反射像の領域を複数に分割し、分割した領域の受光出力から反射像の輝度情報を検出し、該輝度情報から前記受光手段の駆動を制御する為の制御方法を決定し、該決定した制御方法で前記受光手段の駆動を制御するようにしている。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施例に係る眼球像受光装置を具備したカメラに内蔵された電気的構成の要部を示すブロック図である。
【0030】
カメラに内蔵された制御手段であるところのマイクロコンピュータの中央処理装置(以下、CPUと称す)100には、視線検出回路101,測光回路102,自動焦点検出回路103,信号入力回路104,LCD駆動回路105,LED駆動回路106,IRED駆動回路107,シャッタ制御回路108,モータ制御回路109が接続されている。また、撮影レンズ内に配置された焦点調節回路110,絞り駆動回路111とはマウント接点37を介して信号の伝達がなされる。該CPU100に付随した記憶手段としてのEEPROM100aは、フィルムカウンタ、その他の撮影情報を記憶可能である。
【0031】
前記視線検出回路101は、イメージセンサ14(CCD−EYEとも記す)からの眼球像の出力をCPU100に送信する。CPU100は前記イメージセンサ14からの眼球像信号をCPU100内のA/D変換手段によりA/D変換し、この像情報を後述する様に視線検出に必要な眼球像の各特徴点を所定のアルゴリズムに従って抽出し、更に各特徴点の位置から撮影者の眼球の回転角を算出する。
【0032】
前記測光回路102は、測光センサ10からの出力を増幅後、対数圧縮し、各センサの輝度情報としてCPU100に送られる。 前記測光センサ10は画面内を複数に分割しており、それぞれ光電変換出力を出力する複数のフォトダイオードから構成されている。
【0033】
ラインセンサ6fは画面内の5つの測距点に対応した5組のラインセンサCCD−L2,CCD−L1,CCD−C,CCD−R1,CCD−R2から構成される公知のCCDラインセンサである。
【0034】
前記自動焦点検出回路103は、前記ラインセンサ6fから得た電圧をCPU100に送り、CPU100では内蔵されたA/D変換手段によってラインセンサ信号を順次A/D変換する。
【0035】
SW−1はレリーズ釦の第1ストロークでONし、測光,AF,視線検出動作を開始する為の測光スイッチ、SW−2はレリーズ釦の第2ストロークでONするレリーズスイッチ、SW−DIAL1とSW−DIAL2は不図示の電子ダイヤル内に設けたダイヤルスイッチで、信号入力回路104のアップダウンカウンタに入力され、電子ダイヤルの回転クリック量をカウントする。
【0036】
本発明のカメラの構成要素である制御手段は、CPU100及びEEPROM100aから成っており、CPU100はカメラの各機能部材に信号を送信して制御を行うと共に、各種の検出回路からの信号を受けてその信号処理を行う。
【0037】
また、前記特徴点検出手段は、CPU100,視線検出回路101,IRED駆動回路107,CCD−EYE14,眼球回転角検出手段から成る。
【0038】
次に、視線検出機能を具備したカメラの動作について、図2〜図4のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
まず、カメラの全体シーケンスの動作を、図2のフローチャートに従って説明を行う。なお、このフローではカメラの普通のシーケンスについて説明しており、特殊な動作や不慮の事故に対するトラブル処理については本発明とは関係ないので記述していない。
[ステップ#100] 不図示のモードダイアルを回転させてカメラを不作動状態から所定の撮影モードに設定すると(本実施例ではシャッタ優先AEに設定された場合をもとに説明する)、カメラの電源がONされ、ステップ#101より動作を開始する。
[ステップ#101] CPU100の視線検出に使われる変数がリセットされる。
[ステップ#102] レリーズ釦41が押込まれてスイッチSW−1がONされるまで待機し、レリーズ釦41が押込まれてスイッチSW−1がONされたことを信号入力回路104が検知するとステップ#103へ進む。
[ステップ#103] CPU100は視線検出を実行する。その詳しい内容は後述する。
[ステップ#104] 上記ステップ#103の結果をもとに、注視点の選択の判別を行う。視線が測距点のどれかを注視していればその測距点を選択し、測距点以外の部分を注視していたり、視線検出ができなかった場合は、測距点選択を次に行う焦点検出結果によって決定する測距点自動選択モードにする。
[ステップ#105] 視線検出によって測距点が選択されたならば、その測距点の焦点検出を実行する。測距点自動選択モードならば全ての測距点で焦点検出を行い、その演算結果により測距点を選択し、以後に続く合焦判定やレンズ駆動を行う。CPU100は焦点検出回路103に信号を送って焦点検出動作を行わせる。
[ステップ#106] 焦点検出結果が合焦であるかどうかを判定し、分岐を行うが、焦点検出結果が合焦かどうかは撮影レンズのデフォーカス量が所定以内かどうかで判定する。
【0040】
ここで、もし撮影レンズのデフォーカス量が所定より大きければ、ステップ#107へ分岐する。
[ステップ#107] CPU100はレンズ焦点調節回路110に信号を送って所定量撮影レンズ1を駆動させる。
【0041】
レンズ駆動後はステップ#105へ戻り、自動焦点検出回路103は再度焦点検出を行い、撮影レンズ1が合焦するまでステップ#105〜ステップ#107の動作を繰返す。
【0042】
上記ステップ#106において撮影レンズのデフォーカス量が所定以内であれば、合焦なのでステップ#108へ分岐する。
[ステップ#108] 選択された測距点において撮影レンズ1が合焦したので、CPU100はLCD駆動回路105に信号を送ってファインダ内LCD24(図1参照)の合焦マークを点灯させると共に、LED駆動回路106にも信号を送って合焦している測距点マーク(LED21)を合焦表示させる。
[ステップ#109] CPU100は測光回路102に信号を送信して測光センサ10を用いて測光を行わせる。測光は画面内を分割して行い、CPU100は各エリアの測光値から所定のアルゴリズムで評価測光を行い、合焦した測距点を含む測光領域に重み付けを行った露出値を決定する。
[ステップ#110] レリーズ釦41が押込まれてスイッチSW−2がONされているか否かの判定を行い、ONすることによりステップ#111へ進む。
[ステップ#111] 上記スイッチSW−2がONされたので、CPU100はシャッタ制御回路108,モータ制御回路109,絞り駆動回路111にそれぞれ信号を送信し、絞り31、モータM−1,M−2、マグネットMG−1,MG−2を用いて所定のレリーズ動作を行わせる。
【0043】
ここで、このレリーズ動作について、図1を用いて簡単に説明する。
【0044】
先ず、モータM−2に通電し、主ミラー2をアップさせ、絞り31を絞り込む。その後、マグネットMG−1に通電してシャッタの先幕を開放する。ここで、絞り31の絞り値及びシャッタのシャッタスピードは、前記測光回路102にて検知された露出値とフィルムの感度から設定される。所定のシャッタ秒時が経過すると、マグネットMG−2に通電し、シャッタの後幕を閉じる。これにより、フィルムへの露光が終了する。
【0045】
次に、モータM−2に再度通電し、主ミラー2をダウンさせ、次いでシャッタチャージを行うと共にモータM−1にも通電し、フィルムの1駒送りを行い、一連のレリーズ動作を終了する。
【0046】
その後、カメラはステップ#101を介して再びスイッチSW−1がONされるまで待機する(ステップ#102)。
【0047】
なお、この図2のフローチャートには図示していないが、ステップ#103〜ステップ#110の間でSW−1がOFFされた場合は、ステップ#101に戻り、次に再びSW−1がONされるまでステップ#102において待機するようになっている。
【0048】
次に、図2のステップ#103において実行される視線検出について、図3のフローチャートを用いて説明する。
[ステップ#201] 図2のステップ#103においてサブルーチン視線検出がコールされると、プログラムがこのシーケンスに移り、CPU100は視線検出回路101に信号を出力し、視線検出を開始する。
[ステップ#202] 撮影者の眼球像を得る為のイメージセンサ14の蓄積時間及び読出し増幅率を決定するために、イメージセンサ14を所定の蓄積時間で電荷蓄積を行う(予備蓄積という)。
[ステップ#203] CPU100は視線検出回路101に信号を送って予備蓄積の蓄積電荷読出し、順次A/D変換を行い、所定のAGC計算を行う。AGC計算については、後で詳しく説明する。
[ステップ#204] ここでは本蓄積を行う。
【0049】
つまり、先ずCPU100は撮影者の眼を照明する為にIRED駆動回路107を介して赤外発光ダイオード(IREDとも記す)13a,13bを点灯し、上記ステップ#203のAGC計算で決定された蓄積時間及び出力増幅率により蓄積及びゲインの制御を行い、センサ出力を得る。そして、蓄積が終了すると共にIRED13a,13bを消灯する。
[ステップ#205] CPU100は蓄積の終了したイメージセンサ14から撮影者の眼球像を読出す。
[ステップ#206] 上記ステップ#205にて読出したイメージセンサ14の角膜反射像(P像とも記す)や瞳孔部の特徴抽出の処理を行う。この特徴抽出は上記のステップ#205の読出しと共に逐次的に行っても良い。
【0050】
なお、具体的には本出願人によって特願平3ー1219098号に詳述されているので、詳細な説明は省略するが、ここで簡単に説明すると、P像は眼球照明用IRED13a,13bの角膜反射像であるから、図12に示した様に、像信号中には光強度の強い輝度として現れるため、その特徴をもって1組のP像を検出し、その位置(xd´,yd´)、(xe´,ye´)を求めることが出来る。瞳孔の反射率は非常に低く画像上の低輝度で、かつ、一定の基準を満たす部分として検出することができる。このようにして瞳孔中心(xc´,yc´)及び瞳孔径(rc)の検出を行う。
[ステップ#207] 撮影者の眼球像の中からP像位置と瞳孔が検出されたので、ここでは撮影者の眼球光軸の回転各(θx,θy)を算出する。
[ステップ#208] 上記ステップ#207にて眼球の回転角が得られるので、ここでは前述の計算式(4),(5)を使って所定の演算を行い、ファインダ上の注視点の座標を求める。眼球回転角から注視点の座標の演算の所定数m及び△は、撮影者の個人の違いを求めておく。個人の補正データはキャリブレーションで求めるが、キャリブレーションについての説明は省略する。
[ステップ#209] 視線検出を終了し、図2のステップ#104へリターンする。
【0051】
次に、本実施例における主要部分であるAGCの計算について説明する。
【0052】
先ず、図5を使ってAGCの原理を説明する。
【0053】
図5(a)において、image はイメージセンサ全体を、MINはイメージセンサ出力の最低値、(Xmin ,Ymin )はその位置座標である。Area0 , Area1 , Area2 はAGCの計算エリアの最低輝度を中心に縦横szの大きさArea0 があり、それを取囲むようにArea1 , Area2 がある。このようにすると、イメージセンサ上の眼球像は図5(b)の様に瞳孔の位置が最低輝度となるため、AGC計算エリアArea0 は瞳孔を中心とした領域となり、眼球像を基準にしたAGC制御を行うことができる。
【0054】
更にAGC計算エリアで、大きさszを輝度により変化させ、輝度が高いほど小さくなるように設定すれば、図5(c)の様に、外光が強く瞳孔が小さくなった場合も、それに連動してAGC計算エリアを小さく設定できるので、外光の影響でAGCが狂うことがない。
【0055】
逆に外光が無くイメージセンサ全体の輝度が低い場合は、図5(d)の様に、瞳孔部分以外のところが最低輝度になる場合がある。このような時に、AGC計算エリアを最低輝度位置に連動させると、眼球像が本当より暗いと判断してしまい、AGCがうまく働く無くなってしまうので、イメージセンサ全体の輝度がある程度低い場合にはイメージセンサの中心をAGCエリアの中心に設定する。
【0056】
最低輝度が周辺部分の瞳孔中心以外の部分になってしまうのを防ぐ方法として、周辺部分に重み付けを行うこともできる。
【0057】
全体的に輝度がそれ程低くない場合でも、斜めにファインダを覗いた為に顔面とファインダの距離が離れて暗くなってしまったり、光学系の周辺光量落ちの影響で周辺部が最低輝度になってしまうからである。
【0058】
更に暗いときには、瞳孔が開いてイメージセンサ上の瞳孔の像も大きくなるため、AGC計算エリアの大きさszも大きく設定することにより、正しくAGC計算することができる。
【0059】
このようにしてAGC計算エリアが決定すると、それらの平均輝度を求める。エリアArea0 , Area1 , Area2 の平均輝度をそれぞれa0,a1,a2とする。平均輝度の計算は、高輝度や低輝度でリミットをかけて計算したり、エリアによってリミットの有無を変えてもよい。
【0060】
これらの値を重み付け加算することによって、AGCを決定する為の値AGを計算することができる。
【0061】
AG=m×a0+n×a1+o×a2
(m,n,oは重み付けの係数)
なお、AGの計算方法はこの式に限定される必要はなく、m,n,oの値を場合に変化させたりすることも可能である。更に、値を正規化するためにAGを(m+n+o)で除算しても良い。
【0062】
図4は、上記のAGC計算時の動作(図3のステップ#203において実行される)を示すフローチャートである。
[ステップ#301] 図3のステップ#203においてサブルーチンAGC計算視線検出がコールされると、プログラムがこのシーケンスに移り、CPU100はAGC計算を開始する。
[ステップ#302] CPU100は蓄積の終了したイメージセンサ14から撮影者の眼球像を読出す。
[ステップ#303] 予備蓄積の出力の最低輝度MIN,最高輝度MAX,平均輝度Aveを求める。最低輝度はセンサの位置(Xmin ,Ymin )も記憶する。これらの値の検出はイメージセンサ14の読出しと一緒に逐次的に行っても良い。
【0063】
次に、イメージセンサ信号をエリア別に分ける。先ず、エリアの中心を決定する。
[ステップ#304] イメージセンサ14の全体の平均輝度Aveと閾値Th1とを比較し、平均輝度Aveが低ければステップ#305へ分岐する。また、平均輝度Aveが閾値Th1より大きければステップ#306へ分岐する。
[ステップ#305] AGC計算エリアの中心(cx,cy)をセンサ中心に設定する。このステップ#305へは平均輝度Aveが低い場合に分岐してくるが、この場合全体的に真っ暗なことが多く、最低輝度の位置等をAGC計算エリアの中心にする必要がない。次にステップ#307へ進む。
[ステップ#307] AGCエリア計算の大きさszをs0に設定する〔例えば図5(d)の状態〕。
【0064】
AGC計算エリアの中心と大きさが決定したら、次にステップ#311へと進む。
【0065】
上記ステップ#304で平均輝度Aveが閾値Th1より大きい場合には、前述した様にステップ#306に分岐する。
[ステップ#306] ここではAGC計算エリアの中心(cx,cy)を最低輝度の座標(Xmin ,Ymin )に設定する。イメージセンサ14に眼球像がある場合、平均輝度Aveがある程度大きい時は眼球の瞳孔部分の輝度が最低になる。そこで、最低輝度を中心にAGC計算エリアを決めれば眼球の輝度を基準にしたセンサ制御が可能になる。次にステップ#308へ進む。
[ステップ#308] AGC計算エリアの大きさを決める為に再び平均輝度Aveと閾値Th2を比較する。もし閾値Th2より低ければステップ#309へ分岐し、大きければステップ#310へ分岐する。
[ステップ#309] AGC計算エリアの大きさszをs1に設定する〔例えば図5(b)の状態〕。
[ステップ#310] AGC計算エリアの大きさszをs2に設定する〔例えば図5(c)の状態〕。イメージセンサの平均輝度Aveが高い時は、屋外での撮影等で外光がある場合が考えられる。このような場合瞳孔の大きさが小さくなっているのでAGC計算エリアも小さくする。
【0066】
上記ステップ#307,ステップ#309,ステップ#310でAGC計算エリアの大きさが決定されたが、それらは「s0>s1>s2」の関係になっている。これは、輝度が高いほど瞳孔は絞られ、イメージセンサ14上の大きさが小さくなるのに合せてAGC計算エリアを小さくするようにしているからである。また、眼球がファインダから離れた場合も比較的外光が入り易く、平均輝度が大きくなる反面、センサから眼球が遠ざかるのでセンサ上の瞳孔の大きさも小さくなるからである。
【0067】
本例ではAGC計算エリアの大きさを閾値と順次比較して3種類のどれかに決定したが、輝度の関数として計算しても良い。
【0068】
AGC計算エリアの中心と大きさが決定したら、ステップ#311へ進む。
[ステップ#311] AGC計算エリアArea0 の平均輝度a0を求める。
【0069】
Area0 は(cx,cy)を中心とした大きさ「sz×sz」の領域である。Area1 の平均輝度を求める時の為にArea0 のTotal 輝度は記憶しておく。
[ステップ#312] AGC計算エリアArea1 の平均輝度a1を求める。
【0070】
Area1 は(cx,cy)を中心とした大きさ「(2sz)×(1.5 sz)」で、Area0 の部分を除くドーナツ状の領域である。Area1 の平均輝度を求めるには(cx,cy)を中心とした大きさ(2sz)×(1.5 sz)の領域のTotal 輝度からArea0 のTotal 輝度を減算し、画素数で除算することによって求めることができる。
[ステップ#313] AGC計算エリアArea2 の平均輝度a2を求める。
【0071】
Area2 は(cx,cy)を中心とした大きさ「(3sz)×(2sz)」で、Area0 , Area1 の部分を除くドーナツ状の領域である。Area2 の平均輝度を求めるには(cx,cy)を中心とした大きさ「(3sz)×(2sz)」の領域のTotal 輝度からArea0 , Area1 のTotal 輝度を減算し、画素数で除算することによって求めることができる。
【0072】
本実施例では
Area0 の大きさを「sz×sz」
Area1 の大きさを
「(2sz)×(1.5 sz)」 但しArea0 の部分を除く
Area2 の大きさを
「(3sz)×(2sz)」 但しArea0,Area1 の部分を除く
と設定したが、必ずしもこの大きさの比率である必要はなく、輝度の条件によって比率を変化させたりしても良い。
[ステップ#314] それぞれのエリアの平均輝度a0,a1,a2が計算されたので、これらの値を重み付け加算することによってAGCを決定する為の値AGを計算する。
【0073】
AG=(m×a0+n×a1+o×a2)/(m+n+o)
(m,n,oは重み付けの係数、例えばm=0,n=2,o=1)
なお、AGの計算方法はこの式に限定される必要はなく、m,n,oの値を場合に変化させたりすることも可能である。
【0074】
エリアの数や形は、本例に限定される必要はなく、もっと多くの領域に分割しても良いし、例えば同心円状の形状にしても良い。
[ステップ#315] センサの制御値(蓄積時間Tint 及びセンサの読出しゲインGn)を計算する。
【0075】
これらの値はAGの関数として計算するようにしても良いし、表を作ってテーブル検索して求めても良い。例えば、センサ信号を8ビットのA/D変換を行った場合、計算結果であるAGの値は0から255までの値となるから、図6の様に0から255までのテーブルを予め作っておき、それを検索してTint とゲイン及び出力特性(線形,非線形)を求める。
[ステップ#316] AGC計算を終了し、図3のステップ#204へリターンする。
【0076】
このように画像の最低輝度位置を中心にして、全体の輝度に応じた大きさのAGC計算エリアを設定することにより、眼球中心がイメージセンサ14の中心に無い場合や、眼球がファインダから遠い為にイメージセンサ14上で眼球が小さくなってしまった場合、更に、太陽光が部分的に眼球を照明していた場合、等でも眼球部分の明るさを正確に検出することができ、外光や眼球の位置の影響を受けない適切な眼球像を得ることができる。
【0077】
(第2の実施例)
上記の第1の実施例では、イメージセンサ信号全てをCPUの中に記憶してから処理を行っているが、メモリ容量の関係でそれができない場合がある。
【0078】
例えば眼球像を取込むイメージセンサの画素数は少なくとも「100×60」画素程度必要であるのに、これを処理する1チップマイコン内のRAMの容量は1K〜2Kバイト程度である。従って、マイコンに外付けのRAMを付けないで処理を行うとRAMが足りなくなってしまう。このように、通常イメージセンサ出力全てを記憶するためには大量のメモリが必要で、そのようなメモリが無い場合がある。
【0079】
そこで、イメージセンサ画像の全ての値を記憶してAGC計算するのではなく画素数を減らして演算する事もできる。例えば、センサ画素を小さなブロック毎に分けてその値でAGC計算をしてもよい。
【0080】
図7(a)は、「100×60」画素のイメージセンサに眼球像がある場合の例である。この画像全てをRAM上に記憶する為には、1画素1バイトとして6000バイトのメモリが必要である。
【0081】
そこで、図7(b)の様に、「5×5」画素のブロック毎にまとめてそのブロックの平均値(又は代表値)をRAMに記憶するようにすれば、イメージセンサ全体でも必要なメモリ容量は240バイトになる。
【0082】
図7(c)の様に、240バイトの中から最低輝度のブロックを選び、その中心位置をAGCエリアの中心にしてAGC制御を行うことができる。
【0083】
この動作を、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0084】
なお、カメラの構成及びAGC計算以外の部分は第1の実施例と同様なので、重複する部分の説明は省略する。
[ステップ#401] 図3のステップ#203においてサブルーチンAGC計算がコールされると、プログラムがこのシーケンスに移り、CPU100はAGC計算を開始する。
[ステップ#402] センサの出力をブロック毎にまとめてCPU100内のRAMに読込む。
【0085】
例えば、上述の様に「100×60」画素のイメージセンサ出力を「5×5」画素のブロック毎にまとめてそのブロックの平均値(又は代表値)をRAMに記憶するようにすれば、必要なメモリ容量は240バイトになる。イメージセンサの中にはブロック毎のセンサ出力の平均を出力をする事ができるものもあるが、このようなセンサではその機能を使ってブロックのデータを求める。そのような機能がない場合は、センサ画像全体を読み込みながら逐次処理を行ってブロック毎の値を計算しなければならない。ブロックの読出し中に最高輝度,最低輝度平均輝度,最低輝度位置を検出する。
[ステップ#403] AGC計算エリアを決定する。
【0086】
エリアの決定方法は図4と同様で、平均輝度が低ければ最低輝度位置とは関係なくセンサ中心をAGC計算エリアの中心にし、該エリアの大きさも大きめにする。平均輝度が一定以上であれば、AGC計算エリアの中心を最低輝度の位置にする。このときブロックでデータを読み込んでいるので、最低輝度を示すブロックの中心をAGC計算エリアの中心にしても良いし、ブロックのデータを作成するときに正確な最低輝度位置を記憶しておいても良い。更に、平均輝度値によってAGCのエリアサイズを決定する。
[ステップ#404] AGC計算エリアArea0 , Area1 , Area2 の平均輝度を計算する。エリアの境界がブロックの間に無い時は補完して求める。逆にエリアの大きさをブロック単位で決めても良い。各エリアArea0 , Area1 , Area2 の平均値をa0,a1,a2とする。
[ステップ#405] それぞれのエリアの平均輝度a0,a1,a2が計算されたので、これらの値を重み付け加算することによってAGCを決定する為の値AGを計算する。
【0087】
AG=(m×a0+n×a1+o×a2)/(m+n+o)
(m,n,oは重み付けの係数、例えばm=0,n=2,o=1)
なお、AGの計算方法はこの式に限定される必要はなく、m,n,oの値を場合に変化させたりすることも可能である。
[ステップ#406] AGの値からテーブル検索してセンサの制御値を決定する。
[ステップ#407] AGC計算を終了し、図3のステップ#204へリターンする。
【0088】
このように画像の全部をRAM上に記憶できなくてもデータ数をブロック毎にまとめて演算することにより、AGC計算をすることができる。
【0089】
次に、図9フローチャートを用いてブロックデータの読出しの説明を行う。
[ステップ#501] 図8のステップ#402においてサブルーチンブロック読出しがコールされると、プログラムがこのシーケンスに移り、ステップ#502以降の動作を開始する。
[ステップ#502] ブロック読出しに必要なパラメータの初期化を行う。最低値,最高輝度値,輝度のTotal 計算用のパラメータ、画像のラインカウント用パラメータ等を初期化する。
[ステップ#503] 1ラインのセンサ出力を読出す。
[ステップ#504] センサ出力を読出しながらセンサ最高輝度値,最低輝度値,輝度合計,最低輝度位置等を検出する。
[ステップ#505] ブロック毎の値を計算する為の1ライン分の処理を行う。1ライン分のブロック数のバッファに合計を加算する。
[ステップ#506] 読出しラインをカウントするカウンタ1のカウントアップを行う。
[ステップ#507] ラインの1ブロック分(ブロックの縦の大きさ)を読込んだかどうか判定し、読込んでいればステップ#508に分岐する。
し、そうでなければステップ#509へ進む。
[ステップ#508] ブロック1行分の平均を求める。次のブロックの値を計算する為に縦方向のカウンタjをカウントアップする。
【0090】
上記ステップ#507においてラインの1ブロック分(ブロックの縦の大きさ)を読込んでいなければ、ステップ#509に分岐する。
[ステップ#509] 全ラインの読出しが終了したかどうか判定し、終了していればステップ#510へ進み、終了していなければステップ#503へ戻り、次のラインの読出しを行う。
[ステップ#510] 全体の平均輝度を求める。
[ステップ#511] 図8のステップ#403へリターンする。
【0091】
このようにすると、第1の実施例と同様、最低輝度位置を中心にして全体の輝度に応じた大きさのAGC計算エリアを設定することにより、眼球中心がイメージセンサの中心に無い場合や、眼球がファインダから遠い為にイメージセンサ上で眼球が小さくなってしまった場合、更に、太陽光が部分的に眼球を照明していた場合、等でも眼球部分の明るさを正確に検出することができ、外光や眼球の位置の影響を受けない適切な眼球像を得ることができる。
【0092】
(変形例)
上記の第1及び第2の実施例では、AGC計算を行う為に予備蓄積を行い、センサの蓄積時間や読出しゲインを決定したが、センサの光電蓄積中にその時点の蓄積電荷をセンサの蓄積動作を妨げないで読出せるものがある。このようなセンサを使用する場合は、初めから本蓄積を行い、蓄積開始後一定時間(本蓄積で必要とする蓄積時間より短い時間)後に蓄積動作を続行したままセンサ出力を一旦読出してAGC計算を行っても良い。
【0093】
また、AGC計算エリアの中心を最低輝度の位置で決定したが、必ずしも最低輝度でAGC計算エリアの中心を決定する必要はない。例えば、センサ輝度の特定な閾値より低い値を示すエリアを求め、そのエリアの中心をAGC領域の中心としてもよい。
【0094】
図10はイメージセンサ上の眼球像とその断面図である。
【0095】
図10(b)は図10(a)の(E)−(E´)の断面図であり、最低輝度の位置は瞳孔の中心位置ではなく、少し右側にある。これに対し、一定の閾値より低いエリアの中心位置の方が実際の瞳孔中心に近い位置になるので、そこをAGC計算エリアの中心(cx)にする。
【0096】
同様に、図10(c)は図10(a)の(F)−(F´)の断面図である。この場合、最低輝度の位置は瞳孔の中心位置ではなく、少し下側にある。これに対し、一定の閾値より低いエリアの中心位置の方が実際の瞳孔中心に近い位置になるので、そこをAGC計算エリアの中心(cy)にする。
【0097】
このようにして(cx,cy)を求めることもできる。
【0098】
更に、センサの端の部分が暗くなって最低輝度を示してしまう場合もあるので、閾値以下になるエリアの大きさを判断して、エリアの大きさが大きすぎたり、小さすぎないエリアを選ぶようにしても良い。
【0099】
また、本発明は、一眼レフカメラに適用した例を述べたが、ビデオカメラ等のカメラに適用してもよく、更にはその他の光学機器や他の装置、更には構成ユニットとしても適用することができるものである。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、眼球の反射像の特徴点を検出し、受光手段により得られる受光出力が所定値以上であれば検出した特徴点情報を基に反射像の領域を複数に分割し、受光手段により得られる受光出力が所定値より小さければ特徴点情報を用いずに受光手段のセンサ中心を基に反射像の領域を複数に分割し、分割領域から得られる反射像の輝度情報を基に反射像に含まれる眼球像部分の信号が最適になるように受光手段の駆動制御を行うようにしている。
【0101】
よって、眼球中心が受光面の中心に無い場合や、眼球が観察面から遠い為に受光面上で眼球が小さくなってしまった場合や、太陽光が部分的に眼球を照明していた場合であっても、眼球部分の明るさを正確に検出し、外光や眼球の位置の影響を受けない適切な眼球像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るカメラの要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1のカメラの一連の動作を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップ#103での動作の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップ#203での動作の詳細を示すフローチャートである。
【図5】本実施例においてAGC計算エリアの設定について説明する為の図である。
【図6】本実施例においてセンサの蓄積時間,読出しゲインの関係を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例においてセンサの画素をブロックに分割してAGC計算エリアを設定する例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例においてサブルーチンAGC計算の動作を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップ#402での動作の詳細を示すフローチャートである。
【図10】本発明の各実施例とは別のAGC計算エリアの中心位置の決定方法について説明する為の図である。
【図11】一般的な視線検出機能を具備したカメラの光学系の配置図である。
【図12】図11のカメラにおいて検出される眼球像及びその出力信号の強度を示す図である。
【図13】一般的な視線検出原理を説明する為の図である。
【図14】従来の視線検出機能を具備したカメラにおいて行われるAGC計算エリアの中心位置の決定方法について説明する為の図である。
【符号の説明】
11 接眼レンズ
12 受光レンズ
13a,13b 赤外発光ダイオード
14 イメージセンサ
21 LED
100 CPU
100a EEPROM
101 視線検出回路
107 IRED駆動回路

Claims (7)

  1. 観察者の眼球の反射像を検出する受光手段と、該受光手段で受光した眼球の反射像の特徴点を検出する特徴点検出手段と、前記受光手段により得られる受光出力が所定値以上であれば前記特徴点検出手段により検出された特徴点情報を基に前記反射像の領域を複数に分割し、前記受光手段により得られる受光出力が所定値より小さければ前記特徴点情報を用いずに前記受光手段のセンサ中心を基に前記反射像の領域を複数に分割し、分割した領域にて得られる情報から前記反射像の輝度情報を検出する輝度検出手段と、該輝度検出手段によって検出された輝度情報を基に前記受光手段の駆動条件を設定する制御手段とを備えた眼球像受光装置。
  2. 前記受光手段は、複数の電荷蓄積型の光電変換素子から成るイメージセンサであることを特徴とする請求項1記載の眼球像受光装置。
  3. 前記制御手段は、前記イメージセンサの蓄積時間と前記イメージセンサから出力される出力信号の増幅特性のうちの少なくとも一方を、前記輝度検出手段にて検出された輝度情報を基に設定することを特徴とする請求項2記載の眼球像受光装置。
  4. 前記特徴点を基に分割された複数の分割領域は、それぞれ大きさが異なり、かつ、前記反射像の特徴点を含むものであることを特徴とする請求項1,2又は3記載の眼球像受光装置。
  5. 観察者の眼球の反射像を検出する受光手段を制御して受光出力を得、該受光出力から反射像の特徴点を検出し、前記受光手段により得られる受光出力が所定値以上であれば前記特徴点情報を基に反射像の領域を複数に分割し、前記受光手段により得られる受光出力が所定値より小さければ前記特徴点情報を用いずに前記受光手段のセンサ中心を基に前記反射像の領域を複数に分割し、分割した領域の受光出力から反射像の輝度情報を検出し、該輝度情報から前記受光手段の駆動を制御する為の制御方法を決定し、該決定した制御方法で前記受光手段の駆動を制御することを特徴とする眼球像受光制御方法。
  6. 前記反射像の特徴点は最低輝度であることを特徴とする請求項5記載の眼球像受光制御方法。
  7. 前記受光手段で受光した眼球の反射像の特徴点は最低輝度であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の眼球像受光装置
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