JP3630027B2 - 微細物体の捕捉装置および捕捉方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物や動植物細胞などの微細物体の捕捉操作を行う微細物体の捕捉装置および捕捉方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生化学分野等における各種試験や分析では、試料中に存在する微生物や動植物細胞などの微細物体の中から特定の微細物体を識別して捕捉し、採取する操作が行われる。近年微細物体の捕捉に光ピンセットが用いられるようになっている。この光ピンセットは集光された光の光圧力によって微細物体を捕捉可能な光学的トラップを形成するものであり、試料溶液中などに存在する微細物体をこの光学的トラップ内に捕捉するものである。この捕捉方法によれば、非接触・非破壊で微細物体を捕捉することができ、光を走査させることにより捕捉した微細物体を試料中の任意の位置に移動させることができるなど、多くの長所を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで前記光学的トラップでは、対象の微細物体を有効に捕捉できる捕捉範囲は極めて限られている。例えば10μm程度の径の球状物体を捕捉対象とする場合、対象物体を光学的トラップの中心位置に対して約6μm程度の微小距離範囲内に位置決めすることが求められる。しかしながら、液体試料中に浮遊状態で存在する捕捉対象の微細物体をこのような精度で位置決めすることは多くの場合困難である。これは液体試料内での対象微細物体の位置検出方法が、一般に三次元的に分布している微細物体の高精度位置検出に不向きな光学的位置検出手段によって行われることによるものである。
【0004】
そして位置決め精度が不十分で微細物体が前記捕捉範囲内に正しく位置していない場合には対象の微細物体を捕捉することが出来ず、捕捉採取に成功するまでには、位置決めの作業を試行錯誤的に何回も繰り返す必要があった。このように従来の光学的トラップによる微細物体の捕捉作業は極めて効率の悪いものであった。
【0005】
そこで本発明は、微細物体を光学的トラップにより効率よく捕捉することができる微細物体の捕捉装置および捕捉方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の微細物体の捕捉装置は、微細物体を含む液体を収納した容器を保持する容器保持部と、光を発光する光源と、この光源からの光を集光することにより光圧力によって微細物体の捕捉が可能な捕捉範囲を形成するレンズと、前記捕捉範囲を前記容器に対して相対的に移動させる移動手段と、この移動手段を制御することにより液体内の微細物体を前記捕捉範囲と前記レンズとの間に位置決めする制御手段とを備えた。
【0007】
請求項2記載の微細物体の捕捉装置は、請求項1記載の微細物体の捕捉装置であって、前記捕捉範囲と前記レンズとの間に位置決めされた微細物体を、前記光の光圧力によって前記捕捉範囲へ向けて移動させることにより、微細物体をこの捕捉範囲で捕捉する。
【0008】
請求項3記載の微細物体の捕捉装置は、請求項1記載の微細物体の捕捉装置であって、前記移動手段は、前記容器を前記レンズに対して相対的に移動させる。
【0009】
請求項4記載の微細物体の捕捉装置は、請求項1記載の微細物体の捕捉装置であって、前記移動手段は、前記レンズの中心線に対して垂直な面内でこのレンズと前記容器とを相対的に移動させる第1の移動手段と、前記捕捉範囲と前記レンズとの間の距離を光学的に変化させる第2の移動手段とを備えた。
【0010】
請求項5記載の微細物体の捕捉方法は、液体に含まれた微細物体をレンズで集光された光の光圧力を利用して捕捉する微細物体の捕捉方法であって、光を集光することによって形成される捕捉範囲と前記レンズとの間に捕捉しようとする微細物体を位置させる第1のステップと、前記微細物体に前記光による光圧力を作用させて前記捕捉範囲へ向かって移動させる第2のステップとを含む。
【0011】
請求項6記載の微細物体の捕捉方法は、請求項5記載の微細物体の捕捉方法であって、前記第2のステップにおいて、前記液体を収納する容器を前記捕捉範囲に対して相対的に移動させる動作を併用する。
【0012】
請求項7記載の微細物体の捕捉方法は、請求項6記載の微細物体の捕捉方法であって、前記容器の前記捕捉範囲に対する相対移動を、この容器を前記レンズに対して相対的に移動させて実現する。
【0013】
請求項8記載の微細物体の捕捉方法は、請求項6記載の微細物体の捕捉方法であって、前記容器の前記捕捉範囲に対する相対移動を、前記捕捉範囲と前記レンズとの間の光学的距離を変化させて実現する。
【0014】
本発明によれば、微細物体を光学的トラップによって捕捉する際に、光を集光させることにより形成される捕捉範囲とレンズとの間に微細物体を位置決めして微細物体を自動的に捕捉範囲に向かって移動させることにより、効率よく微細物体を捕捉できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の微細物体の捕捉装置の断面図、図2は同微細物体の捕捉装置の部分断面図、図3は同微細物体の捕捉装置による捕捉範囲の説明図、図4は同微細物体捕捉処理のフロー図、図5は同微細物体捕捉処理の工程説明図である。
【0016】
まず図1を参照して微細物体の捕捉装置の構造を説明する。図1において、透明な容器1中には試料である液体2が収納されており、液体2中には微生物や動植物細胞などの微細物体3が多数浮遊状態で存在している。これらの微細物体3は、捕捉や移動などの操作対象となるものである。容器1は保持テーブル4上に載置され保持されており、保持テーブル4は容器保持部となっている。
【0017】
保持テーブル4は移動ステージ5に装着されている。移動ステージ5はXステージ5x、Yステージ5yおよびZステージ5zにより構成されており、XYZドライバ6によって駆動される。移動ステージ5を駆動することにより、容器1中の液体2はX方向、Y方向およびZ方向に移動する。なお、ここで用いられるXYZ座標は、以下に説明する光学系に固定されており、容器1はこの座標系に対して相対的に移動する。すなわち、容器1の底面のZ座標ZsはZステージ5zの移動によって変化し、光学系の光軸の容器1内におけるX方向、Y方向の位置は、Xステージ5x、Yステージ5yの移動によって変化する。
【0018】
保持テーブル4の下方には、レーザトラップ部10が配設されている。レーザトラップ部10の光学ケース11の上部には対物レンズ12(各請求項記載のレンズに該当する)が装着されており、対物レンズ12の下方にはハーフミラー13が斜め方向に配設されている。光学ケース11の側部にはレンズ14,15より成るレーザ光学系が設けられており、レンズ15には光源であるレーザ照射部16から照射されたレーザ光が入射する。このレーザ光はレーザ光学系を介してハーフミラー13に水平方向から入射し、上方に反射されて対物レンズ12に入射する。
【0019】
保持テーブル4に設けられた開口部4aを対物レンズ12に対して位置合わせした状態で、レーザ照射部16からレーザ光を照射することにより、対物レンズ12に入射したレーザ光は透明な容器1の底面を透して液体2内に入光する。そしてこのレーザ光は液体2中で集光し、この集光したレーザ光によって光学的トラップによる捕捉範囲(後述)が形成される。この捕捉範囲では、微細物体3を光圧力によって非接触で捕捉することができる。
【0020】
ハーフミラー13の下方には撮像レンズ17およびカメラ18が配設されている。カメラ18は、対物レンズ12およびハーフミラー13を透して容器1の液体2中の微細物体を撮像する。この撮像時のカメラ18のピントは、前述の捕捉範囲付近に設定される。この捕捉範囲は、光学系に固定のXYZ座標系上で固定されており、捕捉範囲の代表点位置を示す捕捉位置(xt,yt,zt)の周辺で所定の広がりを持つ領域である。
【0021】
カメラ18には画像処理部19が接続されており、カメラ18によって得られた撮像データは画像処理部19に送られる。そしてここで撮像データを画像処理することにより、液体2中の微細物体3を識別し、複数の微細物体の中から目的とする微細物体を特定する探索処理を行う。この探索処理により、捕捉対象の微細物体3の液体2中での位置が検出される。この位置検出結果は制御部20に送られ、この位置検出結果に基づいて制御部20によってXYZドライバ6を制御して移動ステージ5を駆動することにより、容器1内の捕捉対象の微細物体3を所定位置に位置決めすることができる。また、移動ステージ5を駆動することにより、レーザトラップ部10によって液体2中に形成された捕捉範囲に対して容器1を相対的に移動させることができる。すなわち、移動ステージ5は捕捉範囲を容器1に対して相対的に移動させる移動手段となっている。
【0022】
制御部20には入力部21および出力部22が接続されている。入力部21はキーボードやマウスなどの入力手段を備えており、操作コマンドや各種データの入力を行う。表示部22は撮像された微細物体の画像を画面表示すると共に、操作入力時の操作画面を表示する。
【0023】
次に図2、図3を参照してレーザトラップ部10による容器1の液体2中での光学的トラップの捕捉範囲形成について説明する。図2(a)に示すように、対物レンズ12に下方から入射したレーザ光は、対物レンズ12によって集光された状態で容器1の液体2内に入射する。このレーザ光が液体2内の微細物体3に照射されると、微細物体3には光圧力が作用する。この光圧力によって一般には微細物体3を照射方向(レーザ光が進む方向)に移動させる方向の力が作用する。
【0024】
このとき、対物レンズ12として開口数NAの大きなレンズを用いてレーザ光を急激に集束させると、図2(b)に示すように、集光点Fの前方(対物レンズ12から遠ざかる方向)の特定位置には、微細物体3に作用する光圧力がつり合う領域、すなわちレーザ光の照射方向の光圧力と、照射方向と反対方向で集光点Fに向かう光圧力とがつり合う領域が生じ、この領域内に位置した微細物体3はレーザ光によりトラップされた状態となる。そしてこのトラップ状態でレーザ光を液体2内で走査させると、微細物体3はトラップ状態のまま移動する。このレーザ光によるトラップが可能な領域は、前述の捕捉位置(xt,yt,zt)の周辺で所定の広がりを持っており、微細物体3の捕捉範囲Tとなっている。
【0025】
図3は、捕捉範囲Tが形成される場合において、微細物体3が捕捉範囲Tの近傍に位置している場合の微細物体3の挙動を示すものである。図3(a)は、微細物体3が捕捉範囲Tのさらに前方(対物レンズ12から遠ざかる方向)に位置した状態を示している。この状態でレーザ光を照射すると、微細物体3には照射されたレーザ光の光圧力によって照射方向へ微細物体を移動させる力が作用する。この結果微細物体3は液体2中でレーザ光の照射方向(捕捉範囲Tから更に遠ざかる方向)に移動する。このとき、容器1を対物レンズ12に対して相対的に接近させる動作を併用することにより、レーザ光の照射のみによる移動と比較して、さらに効率よく微細物体3を液体2内で移動させることができる。
【0026】
図3(b)は微細物体3を捕捉範囲Tの手前側(捕捉範囲Tと対物レンズ12との間)に位置させた状態を示している。この状態でも微細物体3には照射されるレーザ光の光圧力により照射方向に移動させる力が作用するが、この場合には微細物体3の移動方向には捕捉範囲Tが位置しているため、時間の経過とともに微細物体3は捕捉範囲Tに接近しやがて捕捉範囲T内に移動して捕捉される。すなわち、図3(b)に示す状態に微細物体3を位置させれば、その後はレーザ光の照射を継続するのみで、微細物体3は自動的に捕捉範囲Tまで移動して捕捉される。
【0027】
言い換えれば捕捉範囲T内に微細物体3を正確に位置決めしなくても、図3(b)に示す捕捉範囲Tと対物レンズ12との間の捕捉準備範囲R内に微細物体3を位置させれば、後は微細物体3の捕捉は自動的に行うことができる。捕捉準備範囲Rは捕捉範囲Tよりもはるかに広いため、この自動捕捉を利用することにより、従来の光学的トラップによる捕捉時に求められた微細物体3と捕捉範囲Tとの位置決め精度を大幅に緩和することが可能となる。
【0028】
図3(c)はこの自動捕捉時の捕捉動作を促進する方法を示すものであり、レーザ光の照射を継続するとともに、捕捉範囲Tを微細物体3に対して相対的に近づける方向に移動させるものである。これにより、微細物体3のみを移動させる場合と比較して捕捉範囲Tに微細物体3が到達して捕捉されるのに要する時間を短縮できる。
【0029】
次にこの微細物体の捕捉装置による微細物体捕捉処理を図5を参照して図4のフローに沿って説明する。ここでは、容器1の液体2中に浮遊状態で存在する微細物体3を探索し、捕捉する処理を示している。図5は捕捉処理における表示部22の表示画面31の表示状態と、そのときの容器1内の微細物体3と捕捉範囲Tとの位置関係を示したものである。図5においては、実線で示すレーザ光Lのみが実際の照射状態を示しており、破線で示すレーザ光Lは捕捉範囲Tを図示するための仮想線である。
【0030】
まず最初に、レーザ照射がOFFの状態で、目的となる微細物体3を探索する(ST1)。この探索は、移動ステージ5を駆動して撮像位置を移動させながらカメラ18によって撮像された微細物体3の画像を画像処理部9で認識し、識別することによって行う。図5(a)は探索の結果、目的となる微細物体3の画像33が表示画面31内で特定された状態を示している。表示画面31の中央には捕捉範囲の代表点である捕捉位置(xt,yt)を示すマーク32が表示されている。
【0031】
この後、探索され特定された微細物体3の位置座標(x0,y0,z0)を制御部20の記憶装置に記憶する(ST2)。なお、画像処理を用いて目的となる微細物体3の自動探索を行うかわりに、表示部22の表示画面上で作業者が目視により目的となる微細物体3を識別してティーチングして微細物体3aの位置座標を制御部20の記憶装置に記憶させてもよい。
【0032】
次に図5(b)に示すように、位置座標(x0,y0,z0)が、容器1の底(z=zs)と捕捉範囲との間に位置するように、移動ステージ5を移動させる(ST3)。この移動は次のようにして行われる。まず表示画面31上で、微細物体の画像33が捕捉位置を示すマーク32と一致するように移動させる。次に、捕捉範囲Tと容器1の底の間に微細物体3が位置する方向にZステージ5zを移動させる(表示画面31上で微細物体3の画像33の焦点がずれて輪郭が不明瞭となる)。これにより、図5(b)に示すように微細物体3は捕捉範囲と容器1の底との間、したがって捕捉範囲と対物レンズ12との間に位置する(第1のステップ)。
【0033】
この後、レーザ照射部16によるトラップ用レーザ照射をONにする(ST4)。これにより、図5(b)の位置にある微細物体3には照射されるレーザ光の光圧力が作用し、微細物体3は上方の捕捉範囲に向かって移動する(第2のステップ)。そしてある時間経過後には、図5(c)に示すように目的となる微細物体3はレーザ光の捕捉範囲Tに到達し自動的に捕捉される(ST5)。
【0034】
このとき移動ステージ5のZステージ5zを駆動し、容器1を対物レンズ12に対して相対的に移動させ、捕捉範囲Tを容器1中の微細物体3に近付ける動作を併用してもよい。これにより、微細物体3の捕捉動作をより速やかに行うことができる。この捕捉動作は、微細物体3が撮像レンズ17のピント位置に近づいて表示画面31上で微細物体3の像33がピンボケ状態からより明瞭に表れてくることによって確認することができる。
【0035】
上記説明したように、上記微細物体の捕捉動作においては、レーザ光を集光させることによって形成される捕捉位置と容器の底との間に、捕捉対象の微細物体を位置させることのみによって自動的に微細物体の捕捉が行えるため、従来は捕捉範囲内への微細物体の位置決めが困難で試行錯誤的な繰り返し作業が必要とされた微細物体の捕捉作業を容易にしかも効率よく行うことができる。
【0036】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2の微細物体の捕捉装置の断面図である。上記実施の形態1では、捕捉範囲の容器1に対する相対移動を、移動ステージ5のZステージ5Zによって容器1をレンズに対して相対移動させることにより行っているのに対し、本実施の形態2においては、捕捉範囲と対物レンズとの間の光学的距離を変化させることによって行うものである。
【0037】
図6において、保持テーブル4は、Xステージ5x、Yステージ5yにより成る移動ステージ5’に装着されている。保持テーブル4はXYドライバ6’に駆動されて,X方向およびY方向に、すなわち対物レンズ12の中心線に対して垂直な面内で移動可能となっており、移動ステージ5’は、対物レンズ12と容器1とを前記面内で相対的に移動させる第1の移動手段となっている。
【0038】
上記構成では、容器1は対物レンズ12に対してZ方向の位置が固定されている。したがって、この状態では、対物レンズ12によって集光されて形成される捕捉範囲を容器1に対してZ方向に相対的に移動させることができない。そこで、本実施の形態2では以下の構成により、捕捉範囲を容器1に対して相対的に移動させるようにしている。
【0039】
レーザ光学系を構成するレンズ14は、水平方向の移動機構23に装着されている。移動機構23をZドライバ24によって駆動することにより、レンズ14は水平方向に移動し、したがって、レンズ14は対物レンズ12に対して相対的に移動する。これにより、対物レンズ12に下方から入射するレーザ光の入射角が変化し、対物レンズ12によって集光されたレーザ光が形成する捕捉範囲と対物レンズ12との間の光学的距離が変化する。すなわち、レンズ14、移動機構23およびZドライバ24は捕捉範囲と対物レンズ12との間の距離を光学的に変化させる第2の移動手段となっている。
【0040】
このような構成を採用することにより、容器1をZ方向に固定した場合にあっても、対物レンズ12によって集光された光が形成する捕捉範囲と容器1とを相対的に移動させることができる。これにより、実施の形態1に示した例と同様の微細物体捕捉処理を行うことが可能となる。すなわち、実施の形態1のST3において、移動ステージ5を移動させる替わりに、移動機構23を駆動してレンズ14を移動させることにより、位置座標(x0,y0,z0)を、容器1の底(z=zs)と捕捉範囲との間に位置させることができる。したがって、本実施の形態2に示す構成によって、実施の形態1と同様の効果を得ることが可能となる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、微細物体を光学的トラップによって捕捉する際に、光を集光させることにより形成される捕捉範囲とレンズとの間に微細物体を位置させて微細物体を自動的に捕捉範囲に向けて移動させるようにしたので、効率よく微細物体を捕捉できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の微細物体の捕捉装置の断面図
【図2】本発明の実施の形態1の微細物体の捕捉装置の部分断面図
【図3】本発明の実施の形態1の微細物体の捕捉装置による捕捉範囲の説明図
【図4】本発明の実施の形態1の微細物体捕捉処理のフロー図
【図5】本発明の実施の形態1の微細物体捕捉処理の工程説明図
【図6】本発明の実施の形態2の微細物体の捕捉装置の断面図
【符号の説明】
1 容器
2 液体
3 微細物体
4 保持テーブル
5 移動ステージ
6 XYZドライバ
10 レーザトラップ部
12 対物レンズ
14 レンズ
20 制御部
23 移動機構
24 Zドライバ
T 捕捉範囲
Claims (8)
- 微細物体を含む液体を収納した容器を保持する容器保持部と、光を発光する光源と、この光源からの光を集光することにより光圧力によって微細物体の捕捉が可能な捕捉範囲を形成するレンズと、前記捕捉範囲を前記容器に対して相対的に移動させる移動手段と、この移動手段を制御することにより液体内の微細物体を前記捕捉範囲と前記レンズとの間に位置決めする制御手段とを備えたことを特徴とする微細物体の捕捉装置。
- 前記捕捉範囲と前記レンズとの間に位置決めされた微細物体を、前記光の光圧力によって前記捕捉範囲へ向けて移動させることにより、この微細物体を捕捉範囲で捕捉することを特徴とする請求項1記載の微細物体の捕捉装置。
- 前記移動手段は、前記容器を前記レンズに対して相対的に移動させることを特徴とする請求項1記載の微細物体の捕捉装置。
- 前記移動手段は、前記レンズの中心線に対して垂直な面内でこのレンズと前記容器とを相対的に移動させる第1の移動手段と、前記捕捉範囲と前記レンズとの間の距離を光学的に変化させる第2の移動手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の微細物体の捕捉装置。
- 液体に含まれた微細物体をレンズで集光された光の光圧力を利用して捕捉する微細物体の捕捉方法であって、光を集光することによって形成される捕捉範囲と前記レンズとの間に捕捉しようとする微細物体を位置させる第1のステップと、前記微細物体に前記光による光圧力を作用させて前記捕捉範囲へ向かって移動させる第2のステップとを含むことを特徴とする微細物体の捕捉方法。
- 前記第2のステップにおいて、前記液体を収納する容器を前記捕捉範囲に対して相対的に移動させる動作を併用することを特徴とする請求項5記載の微細物体の捕捉方法。
- 前記容器の前記捕捉範囲に対する相対移動を、この容器を前記レンズに対して相対的に移動させて実現することを特徴とする請求項6記載の微細物体の捕捉方法。
- 前記容器の前記捕捉範囲に対する相対移動を、前記捕捉範囲と前記レンズとの間の光学的距離を変化させて実現することを特徴とする請求項6記載の微細物体の捕捉方法。
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