JP3627794B2 - 加熱炉への空気侵入防止方法及び加熱炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱炉への空気浸入防止方法及び加熱炉に係わり、特に、回転炉床式加熱炉で圧延前の鋼鋳片を加熱するに際し、該鋼鋳片が温度低下や酸化を起こさないように、炉内への空気の浸入を防止する技術である。
【0002】
【従来の技術】
例えば、継目無鋼管は、1200〜1300℃に加熱された鋼鋳片(この場合、ビレット)に、種々の圧延機を用いて穿孔、拡管を施し、製造される。この鋼鋳片の加熱には、以前より、回転炉床式加熱炉が用いられることが多い。それは、図3に示すように、周囲を耐火物壁(図示せず)で覆った平断面が円形の炉に、回転式の炉床1を設けたものである。従って、高温雰囲気の炉内に、炉壁の一部に設けた開口部(装入口2という)から多数本の鋼鋳片3を、装入マニピュレータ13を用いて装入して床1上に載置し、床1の回転で該鋼鋳片3を移動させつつ加熱し、高温になった該鋼鋳片3を、上記同様に炉壁に別途設けた開口部(抽出口4という)から抽出マニピュレータ14で炉外へ抽出するようになっている。
【0003】
ところで、この抽出口4は、鋼鋳片3を炉外へ抽出する際、開口部のドア(開示せず)を開ける必要があるが、その際、空気5の浸入が避けられない。そのため、抽出口4の近傍には、図2(a)及び(b)に示すように、バッフルと称し、下部に鋼鋳片3が通過する隙間9を設けた隔壁6で炉内を抽出帯7及び均熱帯8に仕切り、均熱帯8側にまで該浸入した空気5が入り込むのを防止している。また、炉内の雰囲気を外気に対して正圧に保持し、浸入した空気5を削減する対策も施されている。
【0004】
しかしながら、隔壁6(バッフル)を設けても、その下部には隙間9があるので、浸入した空気5が均熱帯8に入り込むのを完全に防止できない。また、炉内圧の制御も、ドアの開放時の局所的、且つ急激な圧力変動に対応できず、浸入する空気5の完全防止は不十分である。そのため、鋼鋳片3の温度は、抽出口4に向け低下する傾向にあり、通常、目標の1250℃に対して表面温度が180℃程度低くなっている。これでは、特に鋼鋳片3が高合金鋼からなる場合、後工程のピアサ圧延機(図示せず)による穿孔作業に支障が生じる。また、炉内雰囲気の酸素濃度が上昇し、鋼鋳片3を酸化してスケール・ロスの増大や加熱用燃料の原単位の悪化を引き起こす。
【0005】
空気浸入防止に、他方式の加熱炉では、燃焼排ガスを循環させたり、空気を利用したガス・カーテン等を利用する技術もあるが(例えば、特開昭63−93829号公報、特開昭63−109116号公報)、シール面積の大きい回転式加熱炉では、成功した例がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、炉内への空気の浸入量を従来より格段に低減可能な加熱炉への空気浸入防止方法及び加熱炉を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、バーナの利用に着眼した研究を鋭意行ない、その成果を本発明に具現化した。
【0008】
すなわち、本発明は、鋼鋳片の装入用及び抽出用の開口を炉壁に備え、それら開口の近傍の炉内に、下方に鋼鋳片が通過する隙間を開けた隔壁を設けた回転炉床式加熱炉で、圧延前の鋼鋳片を加熱するに際して、前記開口と隔壁との間で、且つ炉床面と前記隔壁の下端高さとの間に、該回転炉床式加熱炉の幅方向に長炎を高速で噴射するバーナを対向する向きに複数設け、対向する向きに噴射した前記長炎で炉幅方向を完全に遮断するように、それら長炎を80m/sec以上の速度で、且つ長さを隔壁幅の60%以上とし、該開口から侵入する空気で該長炎中の未燃焼燃料を燃焼させることを特徴とする加熱炉への空気侵入防止方法である。
【0010】
鋼鋳片の装入用及び抽出用の開口を炉壁に備え、それら開口の近傍の炉内に、下方に鋼鋳片が通過する隙間を開けた隔壁を設けた回転炉床式の加熱炉であって、前記開口と隔壁との間で、且つ炉床面と前記隔壁の下端高さとの間に、該回転炉床式加熱炉の幅方向に長炎を80m/sec以上の速度で、且つ長さを隔壁幅の60%以上として、高速で噴射するバーナを対向する向きに複数設けたことを特徴とする加熱炉である。
【0011】
本発明によれば、鋼鋳片の装入用及び抽出用の開口から空気が侵入しても、高速噴射バーナからの火炎に巻き込まれて燃焼したり、吹き飛ばされるので、隔壁から炉内への空気の浸入はほぼ完全に防止されるようになる。その結果、抽出時に鋼鋳片の温度が低下したり、あるいは酸化が従来より大幅に低減される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
まず、本発明に係る加熱炉は、前記図2及び3に示した従来通りの構造を基本とする。すなわち、周囲を耐火物壁で覆った平断面が円形の炉に、回転式の炉床1が設けられ、その高温雰囲気の炉内に、鋼鋳片3を装入したり、抽出するための開口2、4を備えている。また、それら開口2、4の近傍の炉内には、下方に鋼鋳片3が通過する隙間を開けた隔壁6を設けてある。
【0014】
かかる構造の加熱炉において、本発明では、前記開口2,4と隔壁6との間で、且つ炉床1面と前記隔壁6の下端高さとの間に、長炎11を高速で噴射するバーナ10を設けるようにしたのである。つまり、図1(a)及び(b)に示すように、被加熱材である鋼鋳片3の進行方向については、抽出口4(あるいは装入口2)と隔壁6との間で、高さ方向に対しては、床1面と隔壁6下端との間に相当する位置の炉内に火炎11が届くように、炉壁12にバーナ10を設けた。これによって、抽出口4から空気5が侵入しても、隔壁6を通過して均熱帯8に入り込む前に、該火炎11中の未燃燃焼燃料が侵入空気5によって燃焼され、該空気5は無害化する。また、該空気5は、火炎11によって吹き飛ばされて、隔壁6を通過することができない。
【0015】
従って、本発明で用いるバーナ10は、少なくとも隔壁6(又は炉床1)の幅の60%以上の長さに火炎11が届くものであれば、いかなるバーナでも良い。バーナ10は、炉壁12の両側に設けることができるからである。また、バーナ10の本数は、抽出口4前空間の内容積に応じて定めれば良いので、本発明では特に限定するものではない。さらに、本発明で用いるバーナ10は、侵入した空気5が隔壁6の方向へ近ずかないように、噴射する火炎11が80m/sec以上の高速であることが必要である。これ以下では、効果がないからである。そのためには、バーナ10のノズルがストレート又は先端絞りの形状で、且つ燃料ガスの流速を早めるものであれば良い。
【0016】
なお、本発明に係る加熱炉への空気浸入防止方法は、上記本発明に係る加熱炉を用いて、鋼鋳片3を加熱することであるので、説明は省略する。
【0017】
【実施例】
長さ4000mm、直径300mmの円柱状の鋼鋳片3を、本発明に係る加熱炉と従来の加熱炉で、別々に加熱し、加熱状態を比較した。用いた加熱炉は、炉床1が外径11m,内径7m、つまり炉床幅4mのドーナツ状であり、移動速度0.5m/minで回転するものである。また、抽出口4の近傍には、前記隔壁6が設けられ、該隔壁6の下端と床1面間の隙間9は500mmである。炉内雰囲気は、炉壁及び天井に、別途、多数配置したガス・バーナによって、1300℃に昇温した。なお、本発明に係る空気侵入防止方法の実施に際しては、炉壁12の両側に長炎を高速で噴射するバーナ10をそれぞれ1本ずつ配置し、該バーナ10から常時火炎11を噴射させた。ちなみに、これらのバーナ10の仕様は、以下の通りである。なお、本発明に係る空気浸入防止方法の実施中は、均熱帯内の雰囲気中の酸素濃度がほぼ1容量%で、従来の5〜6容量%より格段に低下していた。
バーナの燃料種類;LNG
その流量;20Nm3/hr
補助空気流量;220Nm3/hr
火炎長さ;1.0m
火炎噴射速度;130m/sec
加熱状態を、一括して表1に示す。表1は、本発明例及び従来例でそれぞれ100本の鋼鋳片3を加熱した時の平均値であるが、本発明に係る空気侵入防止方法によれば、従来より、加熱後の鋼鋳片3の温度が高く維持できることが明らかである。また、鋼鋳片3の1本あたりの重量も大きく、酸化ロスが低減したこともわかる。さらに、炉内雰囲気の昇温用燃料も、従来よりかなり低減している。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、回転炉床式加熱炉の隔壁下方から炉内への空気の浸入がほぼ完全に防止されるようになる。その結果、抽出時に鋼鋳片の温度が低下したり、あるいは酸化が従来より大幅に低減された。また、加熱用燃料の原単位も低減した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加熱炉の空気浸入防止方法を実施している状況を示す図であり、(a)は、平面を、(b)は(a)のB−B矢視である。
【図2】従来の加熱炉における空気浸入状況を示す図であり、(a)は、平面を、(b)は(a)のA−A矢視である。
【図3】回転炉床方式加熱炉の平断面を示す概略図である。
【符号の説明】
1 床(炉床)
2 装入口
3 鋼鋳片
4 抽出口
5 空気
6 隔壁(バッフル)
7 抽出帯
8 均熱帯
9 隙間
10 バーナ
11 火炎(長炎)
12 炉壁
13 装入マニピュレータ
14 抽出マニピュレータ
Claims (2)
- 鋼鋳片の装入用及び抽出用の開口を炉壁に備え、それら開口の近傍の炉内に、下方に鋼鋳片が通過する隙間を開けた隔壁を設けた回転炉床式加熱炉で、圧延前の鋼鋳片を加熱するに際して、
前記開口と隔壁との間で、且つ炉床面と前記隔壁の下端高さとの間に、該回転炉床式加熱炉の幅方向に長炎を高速で噴射するバーナを対向する向きに複数設け、対向する向きに噴射した前記長炎で炉幅方向を完全に遮断するように、それら長炎を80m/sec以上の速度で、且つ長さを隔壁幅の60%以上とし、該開口から侵入する空気で該長炎中の未燃焼燃料を燃焼させることを特徴とする加熱炉への空気侵入防止方法。 - 鋼鋳片の装入用及び抽出用の開口を炉壁に備え、それら開口の近傍の炉内に、下方に鋼鋳片が通過する隙間を開けた隔壁を設けた回転炉床式の加熱炉であって、
前記開口と隔壁との間で、且つ炉床面と前記隔壁の下端高さとの間に、該回転炉床式加熱炉の幅方向に長炎を80m/sec以上の速度で、且つ長さを隔壁幅の60%以上として、高速で噴射するバーナを対向する向きに複数設けたことを特徴とする加熱炉。
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JP04431399A JP3627794B2 (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | 加熱炉への空気侵入防止方法及び加熱炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04431399A JP3627794B2 (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | 加熱炉への空気侵入防止方法及び加熱炉 |
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JP2000239739A JP2000239739A (ja) | 2000-09-05 |
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JP04431399A Expired - Fee Related JP3627794B2 (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | 加熱炉への空気侵入防止方法及び加熱炉 |
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JP4167113B2 (ja) * | 2003-04-17 | 2008-10-15 | 株式会社神戸製鋼所 | 還元鉄の製造方法及び装置 |
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1999
- 1999-02-23 JP JP04431399A patent/JP3627794B2/ja not_active Expired - Fee Related
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