JP3627695B2 - 金属パネルの溶接方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一の金属パネルの端部を、高い溶接品質において他の金属パネルに溶接する、金属パネルの溶接方法及び金属パネルの溶接構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の金属パネルの接合方法においては、溶接品質を向上させるためには、金属パネル同士の隙間を所定の間隔に維持することが重要なポイントである。というのは、この隙間が大きすぎる場合には溶融金属が金属パネル間に流出して余分なアンダーカット部が形成されてしまい、逆に隙間が小さすぎる場合には溶接時に蒸発しためっき金属を拡散させることができずに溶接部分にブローホールが発生して溶接強度を低下させてしまうからである。
この要請に対して、金属パネルの溶接部を矯正ローラや矯正ピンによって抑えながら溶接を行う手法や、隅肉溶接を採用して金属パネルの端部を溶接される他の金属パネルに所定の角度をもって当接させて金属パネルの基部を浮かせた状態とし、蒸発金属の拡散路を確保しつつ溶接を行うという手法が提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の手法にあっては、金属パネルの端部を矯正ローラによって所定間隔を維持しつつ抑えるものの、金属パネル自体や設備等の環境を均一とすることは難しく、常時金属パネル同士の隙間を所定間隔に管理することは困難である。また、後者の手法にあっては、他の金属パネルに当接するように支えられた金属パネルは、金属パネル自体の剛性不足や、その端部の剛性不足により継ぎ手部分が変形し、当接角度を一定に保つことができず、金属パネル同士が接近しすぎてしまい、溶接時に生じる蒸発金属の拡散経路が閉ざされてブローホールの発生を防ぐことができないという問題があった。
【0003】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、溶接時に生じる蒸発金属の拡散経路を確保しつつ、金属パネル同士の位置関係を安定させることにより、溶接品質の高い金属パネルの溶接方法及び金属パネルの溶接構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、第1の金属パネルの端部を第2の金属パネルの一般面に溶接する金属パネルの溶接方法であって、第1の金属パネルの端部近傍を、第1の金属パネルの端部と当該端部以外の他の部分とが第2の金属パネルの一般面に接するように、第1の金属パネルと第2の金属パネルのうち、第1の金属パネル側に凸状の断面凸形状に形成し、第1の金属パネルの端部近傍の断面凸形状の表面に形成された凸状面を、第2の金属パネルに向かって押圧しながら、この第1の金属パネルの端部を第2の金属パネルに溶接する金属パネルの溶接方法が提供される
この溶接方法によれば、第1の金属パネルの端部と第2の金属パネルの一般面とが溶接される金属パネルの溶接構造体であって、第1の金属パネルの端部と当該端部以外の他の部分とが第2の金属パネルの一般面に接するように、第1の金属パネルの端部近傍が断面凸形状に形成された金属パネルの溶接構造体が提供される。
【0005】
この発明では、第1金属パネルの端部近傍を、第1の金属パネルの端部と当該端部以外の他の部分とが第2の金属パネルの一般面に接するように、第1の金属パネルと第2の金属パネルのうち、第1の金属パネル側に凸状の断面凸形状に形成し、この断面凸形状の形成後、第2の金属パネルに接する第1の金属パネルの端部に溶接処理が行われる。また、このように端部近傍に断面凸形状が形成された第1の金属パネルの端部と第2の金属パネルとが溶接された点を特徴とする金属パネルの溶接構造体を得ることができる。この発明において、第1の金属パネルの端部近傍に形成される断面凸形状の形は特に限定されることなく、凸曲面の形状であっても、台形形状であっても、波型の形状であってもよく、また、断面凸形状の幅、高さについても、第1の金属パネルの剛性、厚さ、その他の物性に応じて適宜決定することができる。すなわち、溶接時に第2の金属パネルに接触する限りにおいて、第1の金属パネルにおける端部と他の部分との位置関係は任意に決定することができ、直線状の端部に沿うように他の部分を設定してもよく、この他の部分は、線状に配置されても、所定の間隔をもって配置されても、点状であっても、線状に配置されてもよい。
【0006】
この発明によれば、第1の金属パネルは、その端部近傍において溶接される端部とそれ以外の他の部分において、第2の金属パネルと接することとなり、端部のみを当接させた状態よりも端部と第2の金属パネルとの位置関係を安定させることができる。これにより、第1の金属パネルの端部と第2の金属パネルとの隙間は一定に保たれることとなる。しかも、端部近傍は断面凸形状に形成されていることから端部と第2の金属パネルは所定の角度をもって接することが可能となり、溶接時に生じるめっき金属の蒸気の拡散経路が確保され、ブローホールの発生を防止することができる。加えて、この断面凸形状が端部近傍において形成されることにより、金属パネルの端部を含むパネル全体の剛性を向上させることができ、溶接される端部を所定の間隔をもって、かつ所定の角度をもって第2の金属パネルに接触させることができる。
【0007】
これにより、溶接時に生じる蒸発金属の拡散経路を確保しつつ、金属パネル同士の位置関係を安定させることにより、溶接品質の高い金属パネルの溶接方法及び金属パネルの溶接構造を提供することができる。
【0008】
(2)上記目的を達成するために、上記発明において、請求項2記載の発明によれば、第1の金属パネルの端部と端部以外の他の部分との間の略中央部に凸状面の頂点を設け、当該頂点を少なくとも押圧することを特徴とする金属パネルの溶接方法が提供される。これに関し、第1の金属パネルの端部近傍に形成された凸状面を、当該凸状面応じた凹状面により、第2の金属パネルに向かって押圧することが好ましく(請求項3)、第1の金属パネルの凸状面は、凸曲面であることが好ましい(請求項4)。さらに、第1の金属パネルの凸状面を押圧する凹状面は、凹曲面であり、当該凹曲面の曲率は、第1の金属パネルの凸曲面の曲率よりも大きいことが好ましい(請求項5)。
【0009】
この発明では、第1の金属パネルの端部近傍に形成された断面凸形状の表面に形成された凸状面を第2の金属パネルに対して押圧する。これにより端部は第2の金属パネルに所定の力で接触させられることとなり、より安定した位置関係を保つことができる。また端部近傍が断面凸形状となっていることから、与えられた力はこの断面凸形状の撓みを利用して端部と他の部分に均等に伝達され溶接される端部は、所定の距離、所定の角度をもって第2の金属パネルに接触する。特に、第1の金属パネルの端部と端部以外の他の部分との間の略中央部に凸状面の頂点を設け、頂点を少なくとも押圧する場合は、与えられた力はこの凸形状の撓みを利用して端部と他の部分に均等に伝達され、溶接される端部は所定の距離、所定の角度をもって第2の金属パネルに接触する。
【0010】
このように押圧力を与えて、第1の金属パネルの端部と第2の金属パネルとの位置関係を安定させるという観点から、さらに、発明者らはこの押圧力を第1の金属パネルに与える面を凸状面に応じた凹状面とすることを提案し、押圧力の伝達をより確実とさせることとした。この発明においても、先に述べたように断面凸形状の形は限定されないことから、これに応じる凹状面の形も限定されることはない。ただ、より好ましい態様として第1の金属パネルの断面凸形状の表面に形成される凸状面を凸曲面としたり、この凸状面を押圧する凹状面を凹曲面としたり、又はこの凹曲面の曲率を凸曲面の曲率よりも大きくすることを提案する。これにより、凸曲面と凹曲面は1点または1曲線において接触し、押圧により与えられる荷重が安定するため、第1の金属パネルの端部は、所定の距離、所定の角度をもって第2の金属パネルに接触することとなる。また、凸曲面と凹曲面の曲率の大小を規定したことから、断面凸形状部は、より曲率の大きい凹曲面に確実に保持され、溶接ラインにおいても第1の金属パネルの端部近傍が凹曲面から外れることはなく、安定した状態で溶接が行われ、得られる溶接状態も安定したものとなる。
【0011】
これにより、溶接時に生じる蒸発金属の拡散経路を確保しつつ、金属パネル同士の位置関係を安定させることにより、溶接品質の高い金属パネルの溶接方法及び金属パネルの溶接構造を提供することができる。
【0012】
(3)上記目的を達成するために、請求項6記載の発明によれば、第1の金属パネルと第2の金属パネルとは、第1の金属パネルへ向けて照射されるレーザによって溶接され、第1の金属パネルの端部は、レーザの照射方向に対して端部側へ正の角度をもって形成される端面を有する金属パネルの溶接方法が提供される。
この発明において、第1の金属パネルの端部の端面は、レーザの照射方向に対して端部側へ正の角度をもって形成されている。これにより、照射されるレーザは、第1の金属パネルにぶつかり、金属を溶融させる。このとき、正の角度が大きいほど溶融される金属の量は増えることから、溶接される端部と第2の金属パネルの間隔が多少大きくなった部分があったとしても、その隙間を十分な量の溶融金属が埋めることができ、部分的な溶接不良を起こす恐れがなく、より安定した溶接を行うことができる。
これにより、溶接時に生じる蒸発金属の拡散経路を確保しつつ、金属パネル同士の位置関係を安定させることにより、溶接品質の高い金属パネルの溶接方法及び金属パネルの溶接構造を提供することができる。
【0013】
(4)上記目的を達成するために、請求項7記載の発明によれば、第1の金属パネルの端部は、第2の金属パネルに対して、5°〜10°の角度で接触させた状態を保ちつつ溶接される金属パネルの溶接方法が提供される。また、第1の金属パネル又は第2の金属パネルの少なくともいずれか一方が、亜鉛めっき鋼板であることが好ましい(請求項8)。同様の観点から、本発明の金属パネルの溶接方法によって得られる金属パネルの溶接構造体に関し、第1の金属パネル又は第2の金属パネルの少なくともいずれか一方が、亜鉛めっき鋼板であることが好ましい。
【0014】
この発明では、第1の金属パネルの端部と、第2の金属パネルのなす角度を、5°〜10°とする。このような範囲を提案したのは、接触角度が5°以下では、溶接時に生じるめっき金属の蒸気を拡散させて逃がす経路を確保できず、ブローホール等が発生して溶接強度を低下させてしまうからである。また、10°以上とした場合には、第1の金属パネル1と第2の金属パネル2との間が空いてしまい、溶接時に生じる溶融金属が流れてしまい、アンダーカット部分が生じてしまうからである。
【0015】
さらに、この発明は、溶接される金属パネルが亜鉛めっき鋼板である場合に特に優れた技術的意義を奏することとなる。亜鉛めっき鋼板を溶接するに際しては亜鉛が気化しやすく、亜鉛蒸気が溶接部分に留まるとブローホールが生じ、溶接強度を低下させるという問題があるからである。よって、第1の金属パネルの端部と第2の金属パネルの接触角度が5°〜10°に保つことができれば、溶接部を隙間を所定量確保しながら、めっき金属蒸気の拡散経路を保つことができ、溶接品質をより向上させることができる。
【0016】
これにより、溶接時に生じる蒸発金属の拡散経路を確保しつつ、金属パネル同士の位置関係を安定させることにより、溶接品質の高い金属パネルの溶接方法及び金属パネルの溶接構造を提供することができる。
【0017】
【発明の効果】
請求項1〜記載の発明によれば、溶接時に生じる蒸発金属の拡散経路を確保しつつ、金属パネル同士の位置関係を安定させることにより、溶接品質の高い金属パネルの溶接方法及び金属パネルの溶接構造を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る金属パネルの溶接方法により得られた溶接構造体100を模式的に示す概要図である。第1の金属パネル1は、車両用のルーフパネルである。また、第2の金属パネル2は車両用のボディサイドパネルであり、この第2の金属パネル2は亜鉛めっき鋼板である。本実施形態における2枚の金属パネルは、溶接領域aにおいて(図上奥手へ向かって)、第1の金属パネル1の端部11に沿って隅肉レーザ溶接によって溶接される。矢印Lで示したのは溶接領域aへ向けて照射されるレーザ光の照射方向である。この金属パネルの溶接手段は特に限定されることなく、ガス溶接、アーク溶接、MAG溶接、MIG溶接、電子ビーム溶接その他の融接を利用することができる。第1の金属パネル1の端部領域10には、第1の金属パネルの端部11とこの端部以外の他の部分である接触部分12とが第2の金属パネル2の一般面接するように、断面凸形状となる凸形状部13が形成されている。端部11において、この凸形状部13と第2の金属パネル2とが形成する角度、5°〜15°に設定されている。
【0019】
この溶接構造体100を得るためには、まず、第1の金属パネル1の端部領域10に、第1の金属パネルの端部11とこの端部以外の他の部分である接触部分12とが第2の金属パネル2の一般面接するように、断面凸形状である凸形状部13を形成し、その後、この第1の金属パネル1を第2の金属パネル2に重ねて、第1の金属パネル1側からレーザ光Lを溶接領域a照射し、第1の金属パネル1の端部11を溶融させて、第1の金属パネル1と第2の金属パネル2とを溶接する。このとき、この凸形状部13と第2の金属パネル2とが形成する角度、5°〜15°に保たれることが好ましい。このように凸形状部13と第2の金属パネル2との接触角度を限定したのは、5°以下では、溶接時に生じるめっき金属の蒸気を拡散させて逃がす経路を確保できず、ブローホール等が発生して溶接強度を低下させてしまうからである。また、10°以上とした場合には、第1の金属パネル1と第2の金属パネル2との間が空いてしまい、溶接時に生じる溶融金属が流れてしまい、アンダーカット部分が生じてしまうからである。ちなみに、溶接領域aにおける第1の金属パネル1と第2の金属パネル2との継ぎ手間隔は0.2mm以下であることが好ましい。また、本実施形態に係る凸形状部13はレーザLが照射される方向に凸状となった凸曲面とした。この凸形状部13は、曲面に限定されることなく、鋭角又は鈍角の頂点を有していてもよいし、この頂点が一つであっても複数であっても、台形又は波型形状であってもよい。また曲面とした場合であっても、第1の金属パネル1の大きさ、厚さ、剛性等の諸条件に応じて曲面の曲率は適宜決定することができる。
【0020】
このように行われる溶接の際には、ローラ3が、第1の金属パネル1の凸形状部13を第2の金属パネル2へ向けて押圧する。このローラ3は、第1の金属パネル1の照射領域aに沿って、その端部11を所定の間隔をもって抑えてもよいし、その端部11の全部を抑えてもよい。また、ローラ3の形状は特に限定されることなく、ピン状のもの、棒状のもの、曲面を有するもの等のいずれの形状であってもよい。本実施形態においては、端部領域10の凸形状部13の凸曲面に応じた凹曲面とすることとした。また、その曲面の大きさ等は凸形状部13の形状、大きさに応じて適宜決定することが好ましい。
【0021】
この溶接の過程における作用を説明すると、第1の金属パネル1の端部領域10において、溶接される第1の金属パネルの端部11のみならず、この端部11以外の他の部分である接触部分12もが、第2の金属パネル2の一般面へ接するように断面凸状となる凸形状部13が形成されたことにより、第1の金属パネル1と第2の金属パネル2との位置関係が安定し、また端部領域10の剛性が向上する。このように剛性が向上した端部領域10においては、ローラ3から受けた押圧力は凸形状部13を介して端部11と接触部分12へ適切に伝達され、端部11と接触部分12において第1の金属パネル1と第2の金属パネル2との隙間の間隔を安定させる。具体的には、第1の金属パネル2の凸形状部13の端部11側と第2の金属パネル2とが形成する角度を5°〜15°に維持する。このように溶接領域aにおいて第1の金属パネル1と第2の金属パネル2とが所定の5°以上の角度を維持することにより隙間が形成され、亜鉛めっき鋼板である第2の金属パネル2を溶接する際に発生する亜鉛蒸気は、この隙間を拡散経路として逃がすことができブローホールの発生を防止することができる。また、第1の金属パネル1と第2の金属パネル2とが15°以下の角度を維持することにより、溶接領域aにおける第1の金属パネル1と第2の金属パネル2との隙間は所定範囲内(好ましくは0.2mm以下)となるため、溶接時に生じる溶融金属は溶接部分に留まって溶接に寄与し、流れ出してアンダーカット部を発生させることがない。
【0022】
続いて、溶接時において第1の金属パネル1を第2の金属パネル2に向かって押圧するローラ3を中心に、図2に基づいて説明をする。図2に示すローラ3の先端部31は、第1の金属パネル1の端部領域10に形成された凸形状部13の凸曲面に応じた凹曲面とした。さらに、このローラの先端部31の凹曲面の曲率R1は、凸形状部13の凸曲面の曲率R2よりも大きい曲率とした。これにより、ローラ3の先端部31の頂部と凸形状部13の頂部とは1点または1直線において接触することとなり、ローラ3から与えられる押圧力(荷重)は第1の金属パネル1の端部11及び接触部分12安定して伝えられる。その結果、第1の金属パネル1の端部11は、所定の位置関係を維持して第2の金属パネル2に接触し、安定した状態で溶接を行うことができるため、溶接部分の強度が均等となり、溶接構造体100全体としての強度向上させることができる。また、このような曲率を設定することにより、ローラ3の凹曲面の内側に凸形状部13が接触するため外れにくく、ローラ3の先端部31は確実に凸形状部13を保持し、溶接工程ラインにおいても安定した溶接を行うことができる。
【0023】
さらに、第1の金属パネル1の端部11の形状について図3を参照しつつ説明をする。図3に示したのは第1の金属パネル1と第2の金属パネル2との溶接領域aである。矢印Lはレーザの照射方向を示している。レーザLは溶接領域aで示した部分の第1の金属パネル1を溶融し、この溶融した金属を利用して、第1の金属パネル1と第2の金属パネル2とを溶接する。本実施形態では、第1の金属パネル1の端部11が、レーザの照射方向Lに対して端部11側へ正の角度をもって形成される端面を有するように構成した。このようにすることで、照射されるレーザは確実に第1の金属パネル1にぶつかり所定量の金属を溶融させることができ、角度の設定いかんによって溶融する金属の量を増やすことができ、十分な強度をもって溶接を行うことができる。また、溶融金属が十分供給されることにより、第1の金属パネル1と第2の金属パネル2との間隔が微増しても、これに対応することができる。ちなみに、この正の角度は任意に決定することができるが、本実施形態にあっては、5°〜15°、すなわち、図中cで示した角度が直角となるようにした。これは第1の金属パネル1が板状体であって、その端部は直角であることに対応させたものである。
【0024】
以上のとおり、本実施形態に係る金属パネルの溶接方法によれば、溶接時に生じる蒸発金属の拡散経路を確保しつつ、金属パネル同士の位置関係を安定させることができるとともに、この溶接品質を高める溶接方法によって得られた溶接構造体は、ブローホールの発生がないため高い溶接強度であって、また、アンダーカットの発生がないため外観品質の高い溶接構造体を得ることができる。
【0025】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る溶接構造体を説明するための概要図である。
【図2】溶接時に第1の金属パネルを押圧するローラを説明するための図である。
【図3】第1の金属パネルの端面の形状を説明するための図である。
【符号の説明】
100…溶接構造体
1…第1の金属パネル
10…端部領域
11…端部
12…接触部分
13…凸形状部
2…第2の金属パネル
3…ローラ
31…ローラの先端部
a…溶接領域

Claims (8)

  1. 第1の金属パネルの端部を第2の金属パネルの一般面に溶接する金属パネルの溶接方法であって、
    前記第1の金属パネルの端部近傍を、前記第1の金属パネルの端部と当該端部以外の他の部分とが前記第2の金属パネルの一般面接するように、前記第1の金属パネルと前記第2の金属パネルのうち、前記第1の金属パネル側に凸状の断面凸形状に形成し、
    前記第1の金属パネルの端部近傍の断面凸形状の表面に形成された凸状面を、前記第2の金属パネルに向かって押圧しながら、この第1の金属パネルの端部を前記第2の金属パネルに溶接する金属パネルの溶接方法。
  2. 前記第1の金属パネルの端部と前記端部以外の他の部分との間の略中央部に前記凸状面の頂点を設け、当該頂点を少なくとも押圧することを特徴とする請求項1に記載の金属パネルの溶接方法。
  3. 前記第1の金属パネルの端部近傍に形成された凸状面、当該凸状面応じた凹状面により、前記第2の金属パネルに向かって押圧される請求項1又は2に記載の金属パネルの溶接方法。
  4. 前記第1の金属パネルの凸状面は、凸曲面である請求項3に記載の金属パネルの溶接方法。
  5. 前記第1の金属パネルの凸状面を押圧する凹状面は、凹曲面であり、
    当該凹曲面の曲率は、前記第1の金属パネルの凸曲面の曲率よりも大きい請求項4に記載の金属パネルの溶接方法。
  6. 前記第1の金属パネルと前記第2の金属パネルとは、前記第1の金属パネルへ向けて照射されるレーザによって溶接され、
    前記第1の金属パネルの端部は、前記レーザの照射方向に対して前記端部側へ正の角度をもって形成される端面を有する請求項1〜5のいずれかに記載の金属パネルの溶接方法。
  7. 前記第1の金属パネルの端部は、前記第2の金属パネルに対して、5°〜10°の角度で接触させた状態を保ちつつ溶接される請求項1〜6のいずれかに記載の金属パネルの溶接方法。
  8. 前記第1の金属パネル又は前記第2の金属パネルの少なくともいずれか一方が、亜鉛めっき鋼板である請求項1〜7のいずれかに記載の金属パネルの溶接方法。
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