JP3627494B2 - 自動車用ヘッドライトの配光制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ヘッドライトの光軸角を制御することで配光制御を行なう装置に関し、特に道路のカーブ状況や先行車両の位置に応じてヘッドライトの光軸を変化させる、自動車用ヘッドライトの配光制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用ヘッドライトはハイビームとロービームとの切替が可能に構成されており、このハイビーム/ロービームの切替によりドライバは道路状況に応じてヘッドライトの光軸角を選択できるようになっている。
ところが、このハイビーム/ロービームの切替は、縦方向の光軸角の切替のみを行なうものであり、横方向の光軸角については変化させることはなく、ヘッドライトの光軸は常に車両中心線方向に固定されている。このため、カーブ路等のように、車両が目指す前方道路方向と車両中心線とがずれる場合は、車両の進行しようとする前方の道路面を有効に照らすことができない。また、縦方向の光軸角についても、ハイビーム/ロービームの2段階の調整しか行なうことができず、状況に応じてより細かな光軸角の調整が望まれる。一方、光軸角の調整が細かくできるようになる程、手動による操作は煩わしく、また有効に利用することが難しい。
【0003】
そこで、このような要望や課題に対応するため、従来より、自動車用ヘッドライトの配光制御に関する様々な提案がなされている。特に、横方向の配光制御を行なう技術としては、特開平6−206491号公報において、カーブに対応してヘッドライトの横方向の光軸角を制御する技術(以下、第1従来技術という。)が開示されている。この技術では、角速度センサと車速センサとを用いて車両の旋回時の回転角速度と車速とを検出し、これらの検出値に基づいて算出されるカーブ半径に応じてヘッドライトの横方向の光軸角を変化させるものである。
【0004】
また、縦方向の配光制御を行なうものとしては、特開平1−278848号公報に開示された装置(以下、第2従来技術という。)がある。この装置では、先行車までの距離に応じて光軸の縦方向角度を制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、夜間の運転においては、ドライバは自車両の進行しようとする前方の道路面を有効に照射するとともに、より多くの外部情報が得られるように、できる限り遠くの前方走行車線まで照射されることを望む。つまり、前方の道路のカーブに対応して横方向光軸角及び縦方向光軸角を調整することにより、前方の道路がカーブ路であっても、前方道路のできるだけ遠方まで照射でいるようにしたい。
【0006】
しかし、前方に先行車両が存在する場合には、あまり遠くを照射するようヘッドライトの光軸を設定すると、先行車両のバックミラーに自車両のヘッドライトの光が映り込み、いわゆるグレアが発生してしまい、先行車両のドライバに眩しさを与え、運転に悪影響を与える虞もある。
このため、ヘッドライトの光軸角は先行車両にグレアを発生させない範囲で走行車線に沿って調整されることが望まれる。
【0007】
しかしながら、第1従来技術においては、カーブに対応してヘッドライトの横方向の光軸角を制御しているため、自車両の進行しようとする前方の道路面が例えカーブ路であってもこの道路面を有効に照射することはできるが、光軸の縦方向制御を積極的に行なうものではないため、その光軸角の設定は先行車両の存在とは無関係に行なわれ、先行車両にグレアが発生する虞は避けられない。
【0008】
一方、第2従来技術においては、先行車両との距離に応じて縦方向の光軸角を制御することができるが、横方向の光軸角については制御してないので、カーブに対応して光軸角を制御することはできない。また、対向車への照射を制限する遮光部材が設けられているが、先行車に関しては、自車両が走行する走行車線の先行車両のみを対象として光軸角を制御しているため、特にカーブ路においては、隣車線を走行する先行車にグレアを発生させてしまう虞がある。
【0009】
また、遮光によって対向車に対するグレアを防止する場合、光軸調整機構の他に、さらに遮光部材やこの遮光部材を駆動する機構が必要となりコスト増を招きやすい。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、先行車両にグレアを発生させることなく、車両の進行方向前方の走行車線を照射できるようにした、自動車用ヘッドライトの配光制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の自動車用ヘッドライトの配光制御装置(請求項1)では、先行車両検出手段により自車両前方を走行している先行車両を検出し、この検出情報に基づき先行車両位置算出手段により自車両に対する先行車両の相対位置を算出する。また、撮像手段により自車両前方の道路状態を撮像し、画像情報処理手段によりその撮像情報を処理して自車両の前方道路上の左右の白線位置を認識する。また、道路曲率算出手段により白線位置画像情報から自車両が走行している走行車線の道路曲率を算出する。また、グレア発生範囲設定手段により、先行車両の相対位置に応じてグレアが発生するグレア発生範囲を設定する。
【0011】
光軸角目標値算出手段では、道路曲率算出手段により算出された道路曲率を有する円弧を該自車両位置から延びるように描き、ヘッドライトが照射可能な範囲のうちグレア発生範囲設定手段で設定されたグレア発生範囲と干渉しない、円弧上の最遠方の地点を照射するための縦方向光軸角目標値及び横方向光軸角目標値を算出し、制御手段は光軸アクチュエータを介してヘッドライトの縦方向光軸角及び横方向光軸角がこの算出された縦方向光軸角目標値及び横方向光軸角目標値に等しくなるよう調整する。
【0012】
これにより、先行車両にグレアを発生させることなく、走行車線に沿ってヘッドライトの光軸が調整される。
また、画像情報処理手段による白線位置情報から、道路中心線に対する自車両の位置姿勢を検出する自車両位置姿勢検出手段を備えるとともに、光軸角目標値算出手段は、自車両が走行車線の道路中心線上を走行しているものと仮定して、横方向光軸角目標値を自車両の位置姿勢に応じて補正することが好ましい(請求項)。
これにより、自車両の道路中心線に対する位置姿勢に係わらず、常に道路中心線上を的確に照射するようヘッドライトの光軸角を制御される。
また、自車両の横加速度と車速とに基づいて代用道路曲率を算出する代用道路曲率算出手段を備え、光軸角目標値算出手段は、画像情報処理手段による白線認識が不調の場合には、道路曲率算出手段によって算出された道路曲率に代えて代用道路曲率を採用することが好ましい(請求項)。
つまり、画像情報処理手段による白線認識が不調の場合には、光軸角目標値算出手段が、代用道路曲率とグレア発生範囲とに基づいて縦方向光軸角目標値及び横方向光軸角目標値を算出するように構成することで、例えば、路面が濡れている場合や路面上に多数の水溜りが存在する場合や白線が途中で破綻していたり不鮮明である場合等の道路状態による白線認識の不調により配光制御が不連続になってドライバが違和感を感じることが防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1〜図8は本発明の一実施形態としての自動車用ヘッドライトの配光制御装置を示すものである。
本配光制御装置は、図1に示すように、走行レーン(走行車線)に対する自車両の位置を認識するために、車両の前方の道路状態を撮像する撮像手段としてのカメラ2と、カメラ2からの画像情報を適宜処理して前方道路上の左右の白線位置を認識する画像情報処理手段3と、この画像情報処理手段3による白線位置画像情報から車両の走行レーンの道路曲率ρを算出する道路曲率算出手段4Aとをそなえている。
【0014】
また、本配光制御装置は、道路曲率を算出する手段として、白線位置画像情報に基づいて算出する道路曲率算出手段4Aの他に、車両の横加速度Gと車速Vとに基づいて道路曲率(推定道路曲率ρ′)を算出する代用道路曲率算出手段25をそなえている。
なお、道路曲率算出手段4Aは、自車両の走行レーンの基準位置からの横ずれ量ΔYを算出する横ずれ量算出手段4Bと自車両の走行レーンに対するヨー角βを算出するヨー角算出手段4Cとともに、自車両に対する走行レーン(走行車線)の相対位置を推定する走行レーン推定手段4内の機能要素としてそなえられている。
【0015】
さらに、本配光制御装置は、自車両に対する先行車両の相対位置を認識するために、自車両の前方の先行車両の存在を検出する検出手段としてのレーダ(先行車両検出手段)26と、レーダ26からのレーダ情報を適宜処理して自車両に対する先行車両の相対位置、即ち、自車両と先行車両との距離Lと自車両中心線に対する先行車両の偏角θとを算出する先行車両位置算出手段27とをそなえている。
【0016】
そして、本配光制御装置は、道路曲率算出手段4Aにより算出された道路曲率ρ又は代用道路曲率算出手段25により算出された推定道路曲率ρ′と、先行車両位置算出手段27により算出された自車両と先行車両との距離L,自車両に対する先行車両の偏角θとに基づいて、縦方向光軸角目標値θ及び横方向光軸角目標値θを算出する光軸角目標値算出手段5と、ヘッドライト9の光軸を動かす光軸アクチュエータ8と、ヘッドライト9の光軸角がこの光軸角目標値算出手段5で算出された光軸角目標値θ,θに等しくなるように光軸アクチュエータ8を制御する制御手段(コントローラ)7とをそなえている。
【0017】
なお、画像情報処理手段3,走行レーン推定手段4(道路曲率算出手段4A,横ずれ量算出手段4B,ヨー角算出手段4C),代用道路曲率算出手段25,先行車両位置算出手段27,光軸角目標値算出手段5,コントローラ7は、CPU,入出力インタフェース,ROM,RAM等をそなえてなる電子制御ユニットとして構成される。
【0018】
まず、走行レーンの道路曲率ρの算出について説明する。
画像情報処理手段3では、まず、図2に示すように、カメラ2からの原画像3Aを取り込み、この原画像3Aから道路白線を抽出して、抽出した道路白線の画像を、鉛直上方から見たような平面視画像3Bに変換する。ここで、白線12L,12Rの認識について図3を参照しながら説明する。なお、ここでは、走行レーン左端の路側線としての白線12Lの認識について説明するが、走行レーン右端の白線12Rを基準とする場合についても同様であるため、左端の白線12Lについては単に白線12と称することにする。
【0019】
画像情報認識手段3では、図3(a)に示すように、車両にそなえられたカメラ2により平地において車両前方の範囲の白黒画像情報を取り込み、この画像情報から画面上で縦方向の画像を一部省略する。そして、この画面上で等間隔になるような複数の水平線11を設定する。
この白黒画像情報の取り込みは、微小な制御周期毎に更新されるようになっており、図3(b)に示すように、それぞれの水平線11上において前回の画面での白線位置の左右の所要の範囲〔ここでは、左右50画素(dot)〕を白線探査エリア(処理対象領域)10として設定する。また、初回の画面は、直線路における白線位置を前回の画面データとして利用する。
【0020】
そして、図3(c)に示すように、各水平線の明度をそれぞれ左から横方向に微分する。また、図中の符号14はガードレールである。
ところで、通常の路面は輝度が低く、輝度変化も小さい。これに対して、白線12は通常の路面に比較して輝度が非常に高いので、このように道路の明度を微分すると、通常の路面から白線12への境界点で輝度変化がプラス、白線12から通常の路面への境界点で輝度変化がマイナスとなるような微分データが得られる。このような微分データの一例を図3(d)に示す。
【0021】
そして、各水平線11のデータそれぞれについて、微分値のピークが左からプラス,マイナスの順に並んで現れ、且つそれぞれのピークの間隔が白線12として妥当と思われる程度(プラスのピークからマイナスのピークまでの間隔が例えば30dot以内)に納まっている組み合わせを白線候補として抽出し、通常は、図3(e)に示すように、その中点Mを白線候補点15として保存する。
【0022】
そして、これらの白線候補点15のうち、画面中心に最も近いもののみを最終候補点として残す。
これは、例えば車両が左側通行の場合、探索エリア10の中の右側が通常輝度変化の少ない道路面であり、この通常の道路面に最も近い白線候補点15が白線12と判断できる。したがって白線12よりもさらに左側に、ノイズの原因となる物体(例えばガードレール14等)が存在する場合であっても、カメラ2により撮像された画像情報から白線12を確実に認識することができる。
【0023】
そして、図3(f)に示すように、最後に各水平線データにおける白線候補点15の上下方向の連続性を画面の下方から順次検証していく。
まず、事前に前画面での白線12の上下端間の傾きを計算しておく。そして、最下点15Aを白線12とすると、一本だけ上の水平線11上の候補点15Bが、前回の白線12の傾き分±50dotの範囲内(誤差範囲内)に入っているかを検証する。
【0024】
候補点15Bがこの範囲内に入っていればこれを白線とし、入っていないときは候補点15Bは却下されて、上述の傾きから補間計算した座標が白線位置としてみなされる。そして、この検出を各水平線について同様の作業を行なうことにより、連続した白線12を認識することができるのである。
このような白線認識の作業は、所要の周期で継続して行なわれ、その都度白線12の認識が更新されるようになっている。
【0025】
走行レーン右端の路側線としての白線12Rの認識についても、これと同様に行なわれる。
ところで、上述のように誤差範囲内に収まらない候補点15が存在する場合でも、前画面での白線12の上下端間の傾きから補間計算することにより白線12を認識できるようになってはいるが、画面上の候補点15の多数が誤差範囲内に収まらずに却下されるような場合は、有効に路面上の白線を認識できているとは言えず、このような白線12に基づいては正確な制御は期待できない。そこで、画像情報処理手段3では、一定数以上の候補点15が却下された場合は、白線認識が不調であるとして認識ロスト信号を光軸角目標値算出手段5に出力するようになっている。ただし、左右の白線12L,12Rの何れか一方が有効に認識できている場合は、その有効に認識されている白線12に基づいて制御が行なえるため、認識ロスト信号は出力しない。
【0026】
なお、このように白線12を認識できない場合としては、路面が濡れている場合や、多数の水溜まりが存在する場合がある。このような場合は、光が反射され易いため路面の輝度が高くなり、白線12との間の輝度差が小さくなってしまうため、白線12と通常の路面との識別が難しくなるのである。また、白線12が途中で破綻していたり不鮮明であったり、白線12の近傍に白色に近い表示や物体が存在する場合にも、当然ながら白線認識は行なえないことがある。
【0027】
走行レーン推定手段4では、このように各認識周期で認識された原画像3A上の白線12R,12Lを平面視画像3Bに変換して、走行レーン左端の白線12Lから推定しうる道路中心線LCと走行レーン右端の白線12Rから推定しうる道路中心線LCとに基づいて、道路中心線LCの推定を行なうようになっている。そして、この道路中心線LCに基づいて、道路曲率算出手段4Aにより車両前方の走行レーンの道路曲率ρを算出するようになっている。
【0028】
道路曲率算出手段4Aでは、図4(a)に示すように、曲率の異なる複数の照合用円弧パターン30が記憶されており、これらの照合用円弧パターン30を平面視画像3B上の道路中心線LCに重ね合わせて一致するか否か照合するようになっている。
照合方法としては、例えば、曲率が0の円弧パターン(即ち、直線)から順に平面視画像3B上の道路中心線LCに重ね合わせていく。そして、図4(b)に示すように、例えば、最小二乗法を用いて、画面の下方から順に水平線11上における照合用円弧パターン30と道路中心線LCとの間の距離(2点間のドット数)を二乗して積算していき、最上方の水平線11まで積算された所でその積算値を前回照合を行なった照合用円弧パターン30における積算値と比較する。
【0029】
このとき、今回の照合用円弧パターン30における積算値の方が小さい場合は、再び次の照合用円弧パターン30との照合を行なうようになっている。一方、今回の照合用円弧パターン30における積算値の方が大きい場合は、前回の照合用円弧パターン30が道路中心線LCと一致する円弧パターンと見なして、この円弧パターンの曲率を道路曲率ρとするようになっている。
【0030】
横ずれ量算出手段4B,ヨー角算出手段4Cでは、道路中心線LCの画像情報とこの道路中心線LCに対する自車両の位置情報とに基づいて、それぞれ横ずれ量ΔY,ヨー角βを算出するようになっている。
つまり、横ずれ量算出手段4Bは、図5に示すように、車両1に最も近い道路中心線LC上の地点である第1検出点(LC1)と自車両中心線との横方向距離(道路幅方向、即ちカメラ画像の横方向の距離)を横ずれ量ΔYとして算出し、また、ヨー角算出手段4Cは、道路中心線LCの第1検出点(LC1)における接線と自車両中心線とがなす角をヨー角βとして算出するようになっている。
【0031】
一方、代用道路曲率算出手段25では、次のようにして推定道路曲率ρ′を算出するようになっている。
つまり、車両に作用する遠心力に基づく横加速度をGとし、その時の車両の速高速度の大きさをVとすると、現在、走行中の道路部分の推定道路曲率ρ′は次式で算出される。
【0032】
ρ′=G/V ・・・・・・・・・・・・・(1)
そこで、代用道路曲率算出手段25では、横加速度Gを横加速度センサ(横加速度検出手段)21により検出し、車速センサ(走行速度検出手段)20により車速(走行速度)Vを検出して、これらの検出値をもとに(1)式より推定道路曲率ρ′を算出するようになっている。
【0033】
次に、先行車両位置算出手段27における先行車両位置の算出について説明すると、先行車両位置算出手段27では、レーダ26による検出情報に基づいて、自車両前方の先行車両位置を検出するようになっている。
このレーダ26は車両の前面に方向を少しずつ左右にずらして複数個そなえられており、各レーダ26より指向性の高いエネルギ(例えば、レーザ,マイクロ波,超音波等)が車両前方に向かって常時所定の周期で発信及び受信されるようになっている。先行車両位置算出手段27は、レーダ26におけるエネルギの発信から先行車両からの反射エネルギの受信までの時間に基づいて自車両と先行車両との距離Lを測定するとともに、反射エネルギを受信したレーダ26の方向に基づいて自車両中心線に対する先行車両の偏角θを測定するようになっている。
【0034】
光軸角目標値算出手段5では、まず、上述のようにして算出される走行レーンの道路曲率ρ又は推定道路曲率ρ′及び先行車両の距離L,偏角θに基づいて縦方向光軸角目標値θ,横方向光軸角目標値θを算出する。
即ち、光軸角目標値算出手段5は、図6(a)〜(c)に示すように、自車両(原点)からの距離Lと自車両中心線(縦軸)に対する偏角θとで表される極座標系からなるマップを有しており、このマップにより光軸角目標値θ,θを設定するようになっている。つまり、このマップ上に任意の点を取ったとき、その点の縦軸に対する偏角θが横方向の光軸角目標値θとなり、また、その点と原点との距離Lがヘッドライト9の照射距離Lとなる。そして、照射距離Lはヘッドライト9の地上高と縦方向の光軸角θとで決まるため、このマップ上に照射目標点を取ることにより光軸角目標値θ,θを設定できるようになっている。例えば、図6(a)〜(c)に示す同心円弧に沿って照射目標点を取ると、縦方向の光軸角θを一定にしたまま横方向の光軸角目標値θを変化させることができる。
【0035】
なお、図6(a)〜(c)におけるθ,θはそれぞれ左右方向の横方向の光軸角目標値θの限界角度であり、円弧Lmax ,Lmin はそれぞれ照射距離Lの最長距離と最短距離とを示している。したがって、光軸角目標値θ,θはこれらの限界角度θ,θ,円弧Lmax ,Lmin で囲まれた扇形の範囲内(ヘッドライト9が照射可能な範囲に該当し、以下、照射可能範囲Sとする)で設定されることになる。なお、最長照射距離Lmax は、常に固定でもよく、また、車速Vに応じて変化させてもよい。
【0036】
光軸角目標値算出手段5では、図6(a)〜(c)に示すように、道路曲率算出手段4Aから入力される道路中心線LCの道路曲率ρの情報に応じて、マップ上に自車両位置から延びるように(ここでは、自車両のヨー角や横ずれ量を0と仮定して原点で縦軸に接するものとする)曲率ρの円弧を描き、これとともに、先行車両位置算出手段27から入力される先行車両の距離L,偏角θの情報に基づいて、先行車両が存在すると、その位置をマップ上にプロットする。この先行車両位置については、図6(b),(c)に示すように、マップ上にL,θに応じた点Cをとり、この点Cの周りの所定範囲A、例えば、点Cを中心とする直径dの範囲Aを先行車両にグレアが発生する範囲として設定するようになっている。
【0037】
まず、光軸角目標値算出手段5は、図6(a)に示すように、道路中心線LCと円弧Lmin との交点に制御点(ヘッドライトの照射目標点)Pの候補点Pをとり、原点0から候補点Pまでの間にグレア発生範囲Aが存在しないか検証する。この候補点Pにおいてグレア発生範囲Aと干渉していなければ、次は、円弧Lmin よりも僅かに大きい円弧と道路中心線LCとの交点を候補点Pとして、この候補点Pにおけるグレア発生範囲Aとの干渉を検証するようになっている。そして、このようにして道路中心線LCに沿ってグレア発生範囲Aとの干渉を検証していき、道路中心線LCと円弧Lmax との交点Pmax まで検証するようになっている。
【0038】
こうして道路中心線LCと円弧Lmin との交点から道路中心線LCと円弧Lmax との交点Pmax まで検証してグレア発生範囲Aとの干渉がなければ、道路中心線LCと円弧Lmax との交点Pmax を制御点Pとして決定し、この制御点Pに対応して光軸角目標値θ,θを設定するようになっている。このような場合としては、例えば、先行車両が存在しない場合や、先行車両が存在しても照射可能範囲Sよりも前方を走行していたり、自車両の走行車線よりも外側の走行車線を走行している場合が該当する。
【0039】
一方、図6(b),(c)に示すように、道路中心線LCと円弧Lmin との交点から道路中心線LCに沿って候補点Pを移動させ、グレア発生範囲Aとの干渉を検証していったときに、ある円弧Lと道路中心線LCとの交点に候補点Pをとったとき、その候補点Pにおいて、原点0から候補点Pまでの間にグレア発生範囲Aと干渉する部分がある場合は、その円弧Lの一つ前の円弧Ln−1 と道路中心線LCとの交点Pn−1 を制御点Pとし、この制御点Pに対応して光軸角目標値θ,θを設定するようになっている。このような場合としては、例えば、自車両の走行車線前方に先行車両が存在する場合〔図6(b)〕や、自車両の走行車線よりも内側の走行車線を走行している場合〔図6(c)〕が該当する。
【0040】
なお、図6(a)において、道路曲率ρが大きく、道路中心線LCに沿って候補点Pを移動させていったとき、左右の限界角度θ,θに達したときは、その点を制御点Pとし、この制御点Pに対応して光軸角目標値θ,θを設定するようになっている。つまり、この場合は横方向の光軸角目標値θは限界角度θ又はθとなる。
【0041】
このようにして光軸角目標値θ,θの設定が行なわれるが、実際の走行においては、車両は必ずしも道路中心線LC上を走行しているとは限らず、図5に示すように、道路中心線LCから横ずれしていたり、道路中心線LCに対して傾いて走行していたりする。そこで、光軸角目標値算出手段5は、上述のようにして算出された光軸角目標値θ,θの内、特に、横方向光軸角目標値θを光軸角目標値補正手段5Aにより補正するようになっている。
【0042】
光軸角目標値補正手段5Aは、横ずれ量算出手段4Bで算出された車両の横ずれ量ΔYと、ヨー角算出手段4Cで算出された車両が道路中心線LCに対してなすヨー角βとに基づき、横方向光軸角目標値θの補正角dθを決定する。つまり、補正角dθは次式のように表される。
dθ=β−ΔY/L ・・・・・・・・・・・・・(2)
そして、光軸角目標値補正手段5Aは、この補正角dθを横方向光軸角目標値θから除算することにより、車両の道路中心線LCに対する横ずれ及び傾きに応じた補正を行なうになっている。
【0043】
光軸角目標値算出手段5は、このようにして設定された横方向光軸角目標値θと、縦方向光軸角目標値θとをコントローラ7へ入力するようになっている。
ところで、画像情報処理手段3による白線認識が不調のときは、画像情報処理手段3から光軸角目標値算出手段5へ認識ロスト信号が入力されるが、この認識ロスト信号が入力されている間は、道路曲線ρは精度の低い道路中心線LCの情報に基づいて算出されるため正確に道路中心線の曲率を表しているとは言いがたい。したがって、この道路曲線ρに基づいて横方向光軸角目標値θを算出してコントローラ7へ出力しても、有効に道路中心線LCに沿った光軸制御を行なえない可能性が大きい。
【0044】
そこで、光軸角目標値算出手段5は、画像情報処理手段3から認識ロスト信号が入力されると、光軸角目標値算出手段5の機能要素である切替手段5Bによって、道路曲率算出手段4Aで算出された道路曲率ρに基づいた横方向光軸角目標値θの算出から、代用道路曲率算出手段25で算出された推定道路曲率ρ′に基づいた横方向光軸角目標値θの算出へと切り替えるようになっている。
【0045】
また、光軸角目標値補正手段5Aにおける補正角dθも、画像情報に基づいて算出されているため認識ロスト信号が入力されている間はその精度に欠け、適切な補正が行なえるとは言いがたい。このため、光軸角目標値算出手段5は、認識ロスト信号が入力されている間は、光軸角目標値補正手段5Aによる横方向光軸角目標値θの補正を中止するようになっている。
【0046】
なお、道路曲率ρと推定道路曲率ρ′との誤差により、道路曲率算出手段4Aから代用道路曲率算出手段25への切り替え時には横方向光軸角目標値θは急激に変化する可能性がある。このような場合、ドライバは違和感を感じる虞があるが、これに対しては図1に示すように、光軸角目標値算出手段5とコントローラ7との間に介装されたローパスフィルタ6により平滑化処理することで対処している。また、光軸角目標値補正手段5Aによる補正を中止する際も、突然補正角dθを0にするのではなく、徐々に補正角dθの大きさを0に近づけていくことにより、横方向光軸角目標値θの急激な変化を防止するようになっている。
【0047】
本発明の一実施形態としての自動車用ヘッドライトの配光制御装置は、上述のように構成されているので、配光制御の処理は、例えば図7に示すように行なわれる。
まず、先行車両位置算出手段27により、レーダ26を介して先行車両を検出し、レーダ26からの情報を基に先行車両の位置、即ち、先行車両と自車両との距離Lと先行車両の自車両中心線に対する偏角θとを算出する(ステップS10)。
【0048】
先行車両との距離L,偏角θが算出されると、次は、画像情報処理手段3により、カメラ2から入力される車両前方の画像情報を適宜処理して前方道路上の左右の白線位置の認識を行なう(ステップS20)。
このとき、白線位置を有効に認識できた場合はステップS30〜S50の処理を行ない、有効に白線位置を認識できなかった場合(即ち、白線認識ロスト状態)では、ステップS70〜80の処理を行なう。
【0049】
まず、白線位置を有効に認識できた場合は、この白線位置画像情報を基に、道路曲率算出手段4Aにより道路曲率ρを算出する(ステップS30)。
つまり、図2に示すように、走行レーン推定手段4は、画像情報処理手段3で認識された原画像3A上の白線12R,12Lを鉛直上方から見たような平面視画像3Bに変換して、走行レーン左端の白線12Lから推定しうる道路中心線LCと走行レーン右端の白線12Rから推定しうる道路中心線LCとに基づいて、道路中心線LCの推定を行なう。
【0050】
そして、道路中心線LCが推定されると、道路曲率算出手段4Aは、照合用円弧パターン30をこの道路中心線LCに順次重ね合わせていく。そして、図4(b)に示すように、各照合用円弧パターン30について、画面の下方から順に水平線11上における照合用円弧パターン30と道路中心線LCとの間の距離(2点間のドット数)を二乗して積算していき、最上方の水平線11まで積算された所でその積算値を前回照合を行なった照合用円弧パターン30における積算値と比較する。このとき、今回の照合用円弧パターン30における積算値の方が大くなった場合は、前回の照合用円弧パターン30が道路中心線LCと一致する円弧パターンと見なして、この円弧パターンの曲率を道路曲率ρとする。
【0051】
こうして、先行車両との距離L,偏角θに加え道路曲率ρが算出されると、光軸角目標値算出手段5は、これらの情報を基に光軸角目標値θ,θを算出する(ステップS40)。
即ち、光軸角目標値算出手段5は、図6(a)〜(c)に示すように、道路曲率算出手段4Aからの道路中心線LCの道路曲率ρの入力に応じて、マップ上に原点で縦軸に接する曲率ρの円弧(道路中心線LC)を描く。そして、先行車両位置算出手段5から先行車両の距離L,偏角θが入力されると、図6(b),(c)に示すように、マップ上にL,θに応じた点Cをとり、この点Cの周りにグレア発生範囲Aを設定する。
【0052】
まず、光軸角目標値算出手段5は、図6(a)に示すように、道路中心線LCと円弧Lmin との交点に制御点Pの候補点Pをとり、原点0から候補点Pまでの間にグレア発生範囲Aが存在しないか検証する。この候補点Pにおいてグレア発生範囲Aとの干渉がなければ、次は、円弧Lmin よりも僅かに大きい円弧と道路中心線LCとの交点を候補点Pとし、この候補点Pにおけるグレア発生範囲Aとの干渉を検証する。こうして、道路中心線LCに沿って順次グレア発生範囲Aとの干渉を検証していき、道路中心線LCと円弧Lmax との交点Pmax まで検証してグレア発生範囲Aとの干渉がなければ、道路中心線LCと円弧Lmax との交点Pmax を制御点Pとし、この制御点Pに対応して光軸角目標値θ,θを設定する。
【0053】
また、道路中心線LCに沿ってグレア発生範囲Aとの干渉を検証していったとき、ある円弧Lと道路中心線LCとの交点に候補点Pをとったとき、その候補点Pにおいて、原点0から候補点Pまでの間にグレア発生範囲Aと干渉する部分がある場合は、その円弧Lの一つ前の円弧Ln−1 と道路中心線LCとの交点Pn−1 を制御点Pとし、この制御点Pに対応して光軸角目標値θ,θを設定する。
【0054】
こうして光軸角目標値θ,θが設定されると、光軸角目標値算出手段5の機能要素である光軸角目標値補正手段5Aは、横ずれ量算出手段4B,ヨー角算出手段4Cによりそれぞれ算出された道路中心線LCに対する横ずれ量ΔY,ヨー角βに基づいて前記の(2)式から補正角dθを算出し横方向光軸角目標値θを補正する(ステップS50)。
【0055】
コントローラ7は、こうして得られた横方向光軸角目標値θと縦方向光軸角目標値θとに基づいて光軸アクチュエータ8を作動させる(ステップS60)。
一方、ステップS20において有効に白線位置を認識できなかった場合、つまり、画像情報処理手段3における白線認識処理において、白線12の候補点15の一定数以上がその誤差範囲内に収まらない状態となり却下された場合は、画像情報処理手段3から光軸角目標値算出手段5へロスト信号が入力される。光軸角目標値算出手段5の機能要素である切替手段5Bは、このロスト信号の入力に応じて道路曲率算出手段4Aから代用道路曲率算出手段25へと道路曲率の算出手段を切り替える(ステップS20)。
【0056】
代用道路曲率算出手段25は、実際に車両1に作用する横加速度G,車速Vをそれぞれ横加速度センサ21,車速センサ20で検出し、検出された横加速度G,車速Vに基づいて前記の(1)式より推定道路曲率ρ′を推定する(ステップS70)。
光軸角目標値算出手段5は、この推定道路曲率ρ′と先行車両位置算出手段27で算出された先行車両との距離Lと偏角θとに基づいて光軸角目標値θ,θを算出する(ステップS80)。
【0057】
つまり、光軸角目標値算出手段5は、ステップS40の処理において、道路曲率算出手段4Aからの道路曲率ρの入力の代わりに代用道路曲率算出手段25からの推定道路曲率ρ′の入力に応じて、マップ上に原点で縦軸に接する曲率ρ′の円弧(道路中心線LC)を描くとともに、先行車両位置算出手段5からの距離L,偏角θの入力に応じてマップ上にグレア発生範囲Aを設定する。
【0058】
そして、円弧Lmin との交点から円弧Lmax との交点まで道路中心線LCに沿って、原点と道路中心線LC上の候補点P とを結ぶ直線がグレア発生範囲Aと干渉しないか検証していき、干渉がなければ道路中心線LCと円弧Lmin との交点を制御点Pとし、途中で干渉があればその一つ手前の円弧と道路中心線LCとの交点を制御点Pとして、その制御点Pに対応して光軸角目標値θ,θを設定する。
【0059】
なお、画像情報処理手段3の白線認識が不調な場合は、光軸角目標値補正手段5Aにおける補正角dθも画像情報に基づいて算出されているため精度に欠け、適切な補正が行なえるとは言いがたいので、光軸角目標値算出手段5は、認識ロスト信号が入力されている間は、光軸角目標値補正手段5Aによる横方向光軸角目標値θの補正を中止する。そして、光軸角目標値補正手段5Aによる補正を中止する際は、突然補正角dθを0にするのではなく、徐々に補正角dθの大きさを0に近づけていく。
【0060】
こうして、光軸角目標値θ,θが算出されると、コントローラ7は、ヘッドライト9の光軸角が、算出された光軸角目標値θ,θに一致するように、光軸アクチュエータ8を作動させる(ステップS60)。
このように、本配光制御装置によれば、カメラ2からの道路画像情報を基に画像情報処理手段3で認識された道路上の白線から道路中心線LCを推定し、この推定された道路中心線LCに基づき算出された道路曲率ρに応じて光軸角目標値θ,θを算出しているので、車両前方の走行車線のカーブ状況に関わらず的確に道路中心線上を照射することができるという利点がある。
【0061】
そして、車両前方に先行車両が存在する場合は、レーダ26からのレーダ情報をもとに先行車両位置算出手段27が先行車両の自車両に対する位置を算出し、この算出された先行車両位置と画像情報から推定された道路中心線LCとを対照させながら光軸角目標値θ,θを算出するので、先行車両にグレアを発生させることなく道路中心線上の最遠方の地点を照射するようにヘッドライト9の光軸角目標値を制御することができるという利点がある。
【0062】
なお、先行車両位置の検出に関しては、本実施形態のようにレーダ26による検出のみならず、カメラ2で得られた車両前方の道路画像情報に基づいて算出してもよい。つまり、図8に示すように、カメラ2により車両前方の範囲の白黒画像情報を取り込んだとき、先行車両40のテールランプ40R,40Lは、通常の路面よりりも輝度が断然高く、また白線12R,12Lに対しても輝度が非常に高い。このため、ある一定値の輝度を閾値として2値化処理することにより、先行車両40のテールランプ40R,40Lを認識することができる。したがって、こうして認識された左右のテールランプ40R,40Lの中心40Cを先行車両の中心位置とみなし、この先行車両中心40Cの自車両1に対する位置を計測することにより、自車両1との距離Lと自車両中心線に対する偏角θとを算出することができるのである。
【0063】
また、自車両の道路中心線に対する位置姿勢、即ち、横ずれ量ΔY,ヨー角βも、画像情報に基づいて把握することができるので、道路曲率ρに基づき算出される光軸角目標値θ,θをこれらの横ずれ量ΔY,ヨー角βに応じて補正することにより、車両の道路中心線に対する位置姿勢に係わらず、常に道路中心線上を的確に照射するようヘッドライト9の光軸角を制御することができるという利点がある。
【0064】
さらに、画像情報処理手段3における白線認識が不調の場合、例えば、路面が濡れている場合や、路面上に多数の水溜まりが存在する場合、又は白線が途中で破綻していたり不鮮明でる場合等には、画像情報に基づき道路曲率算出手段4Aで算出される道路曲率ρに代えて、横加速度Gと車速Vとに基づき代用道路曲率算出手段25で算出される推定道路曲率ρ′を光軸角目標値θ1,θ2の算出に代用するので、道路状態による白線認識の不調により配光制御が不連続になりドライバが違和感を感じることを防止することができるという利点がある。
【0065】
なお、代用道路曲率算出手段25では、横加速度センサ21により直接横加速度Gを検出する他、ドライバがハンドルを操舵する際の操舵角αに基づいて横加速度Gを算出し、この算出した横加速度Gに基づいて推定道路曲率ρ′を算出することもできる。
即ち、車両の図示しないステアリングシャフトに操舵角センサ22をそなえ、この操舵角センサ22によりハンドルの操舵角αを検出し、車速センサ20で検出した車速Vとともに次式により横加速度Gを算出する。
【0066】
G=〔α/(n×g)〕×(V/wb)/(1+a×V)・・(3)
そして、この(3)式を前記の(1)式に代入することにより、推定道路曲率ρ′が算出される。ただし、n,g,wb,aはそれぞれギヤ比,重力加速度,ホイールベース,スタビリティファクタを示す固定値である。
さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0067】
例えば、上記実施形態では、光軸角目標値θ,θの設定にあたり、図6(a)〜(c)に示すように、自車両が走行車線に対してヨー角や横ずれ量が0、即ち、自車両が走行車線の道路中心線CL上を走行しているものと仮定して、マップ上に道路中心線CLに対応する円弧を自車両中心線に接するように描き、この円弧上に照射目標の候補点Pをとって制御点(照射目標点)Pを設定し、この制御点Pに基づいて設定した光軸角目標値θ,θをヨー角や横ずれ量で補正するようにしているが、制御点Pの設定段階から自車両のヨー角や横ずれ量を加味するようにしてもよい。
【0068】
つまり、マップ上に道路中心線CLに対応する円弧を描く際に、自車両のヨー角や横ずれ量に基づいて円弧の位置や角度を補正するようにして、マップ上に描く道路中心線CLに対応する円弧が、実際の自車両と道路中心線CLとの相対関係に応じるようにするのである。このような円弧に基づいて候補点Pをとって制御点Pを設定し、この制御点Pに基づいて光軸角目標値θ,θを設定すれば、光軸角目標値θ,θをその後補正することなくそのまま制御に使用することができる。
【0069】
また、本実施形態では、道路中心線の道路曲率ρをカメラ2で得られた画像情報に基づいて算出しているが、例えば道路側に道路中心線の道路曲率情報を発する情報発信手段をそなえ、車両側にこの道路曲率情報を受信する情報受信手段をそなえるようにして、路車間通信により道路曲率情報を得て、光軸角目標値θ,θの設定を行なうようにしてもよい。
【0070】
この場合の情報の伝達は、電波によるものでもよいが、道路側の白線に道路曲率情報を含ませておき、車両1側のカメラ2でとらえた画像情報の処理過程で画像情報からこの道路曲率情報を抽出しこうして得た道路曲率情報に基づいて光軸角目標値θ,θの設定を行なうようにしてもよい。
さらに、道路側に磁気ネイルを備える場合には、この磁気ネイルに道路曲率情報を含ませておき、車両側の磁気センサでとらえた磁気情報の処理過程で磁気情報からこの道路曲率情報を抽出して光軸角目標値θ,θの設定を行なうようにしてもよい。
【0071】
また、予め道路位置情報を記憶手段に記憶しておき、GPSや自律航法により車両の位置情報を検出するようにして、検出した車両の位置情報と記憶された道路位置情報とから自車両に対する走行レーンの情報を得るようにしてもよい。
なお、このような場合でも、常に路車間通信が可能とは限らず、道路状態により道路側から道路曲率情報を得ることができなくなる場合もあるが、その場合は、前述のように車両に作用する横加速度Gや車速V等から道路曲率を推定することにより対処することができる。
【0072】
さらに、先行車両の位置検出においても、本実施形態では、レーダ26によるレーダ情報に基づいて自車両に対する先行車両の距離Lと偏角θとを算出しているが、例えば車両の前部及び後部に車両情報を発する情報発信手段とそれを受信する受信手段とをそなえ、車両間通信によりお互いの位置を把握するようにしてもよい。また、この場合、車両間通信情報に車両のサイズやバックミラーの高さ等のグレア発生に関する情報も含め、より的確に光軸角目標値θ,θの設定を行なうようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の自動車用ヘッドライトの配光制御装置(請求項1)によれば、撮像手段によって撮像された画像情報を処理し、白線位置画像情報から道路曲率算出手段で算出された車両前方の走行車線の道路曲率に応じて縦方向光軸角目標値及び横方向光軸角目標値を設定しているので、カーブ状況に関わらず的確に道路中心線上を照射することができる。
【0074】
そして、車両前方に先行車両が存在する場合は、先行車両検出手段からの検出情報をもとに先行車両位置算出手段が先行車両の自車両に対する位置を算出し、グレア発生範囲設定手段がその相対位置に応じてグレアが発生するグレア発生範囲を設定し、道路曲率算出手段で算出された道路曲率を有する円弧を該自車両位置から延びるように描き、ヘッドライトが照射可能な範囲のうちグレア発生範囲設定手段で設定されたグレア発生範囲と干渉しない、円弧上の最遠方の地点を照射する縦方向光軸角目標値及び横方向光軸角目標値を算出するので、先行車両にグレアを発生させることなく走行車線上の最遠方の地点を照射するように、正確にヘッドライトの縦方向光軸角及び横方向光軸角を制御することができる。
また、本発明の自動車用ヘッドライトの配光制御装置(請求項)によれば、自車両位置姿勢検出手段により、画像情報に基づいて、自車両の道路中心線に対する位置を把握することができるので、車両の道路中心線に対する位置姿勢に係わらず、常に道路中心線上を的確に照射するようヘッドライトの光軸角を制御することができる。
また、本発明の自動車用ヘッドライトの配光制御装置(請求項)によれば、道路状態による白線認識の不調により配光制御が不連続になりドライバが違和感を感じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用ヘッドライトの配光制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる走行レーン認識のための画像処理を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる走行レーン認識を(a)〜(f)の順で説明する模式図である。
【図4】走行レーンの道路曲率の算出について説明するための説明図であり、(a)は道路曲率算出のための照合用円弧パターンを示す図、(b)は照合例を示す図である。
【図5】横ずれ量とヨー角の算出について説明するための説明図である。
【図6】先行車両位置と道路曲率とに基づいた光軸角目標値の算出について説明するための説明図であり、(a)は先行車両が存在しない場合、(b)は自車両が走行する走行車線上に先行車両が存在する場合、(c)はカーブ内側の隣車線上に先行車両が存在する場合を示している。
【図7】本発明の一実施形態としての自動車用ヘッドライトの配光制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】画像情報に基づく自車両に対する先行車両の相対位置の算出について説明するための説明図である。
【符号の説明】
2 カメラ
3 画像情報処理手段
4 走行レーン推定手段
4A 道路曲率算出手段
4B 横ずれ量算出手段
4C ヨー角算出手段
5 光軸角目標値算出手段
5A 光軸角目標値補正手段
5B 切替手段
6 ローパスフィルタ
7 コントローラ(制御手段)
8 光軸アクチュエータ
9 ヘッドライト
20 横加速度センサ
21 車速センサ
22 操舵角センサ
25 代用道路曲率算出手段
26 レーダ(先行車両検出手段)
27 先行車両位置算出手段
LC 道路中心線

Claims (3)

  1. 自車両前方の走行車線のカーブ状況に応じてヘッドライトの光軸角を光軸アクチュエータを介して調整する自動車用ヘッドライトの配光制御装置であって、
    該自車両前方の先行車両の存在を検出する先行車両検出手段と、
    該先行車両検出手段の検出情報に基づいて該自車両に対する該先行車両の相対位置を算出する先行車両位置算出手段と、
    該自車両前方の道路状態を撮像する撮像手段と、
    該撮像手段からの画像情報を処理して該自車両前方道路上の左右白線位置を認識する画像情報処理手段と、
    該画像情報処理手段による白線位置画像情報から、該自車両の走行する走行車線の道路曲率を算出する道路曲率算出手段と、
    該先行車両位置算出手段で算出された該先行車両の相対位置に応じてグレアが発生するグレア発生範囲を設定するグレア発生範囲設定手段と、
    該道路曲率算出手段で算出された該道路曲率を有する円弧を該自車両位置から延びるように描き、該ヘッドライトが照射可能な範囲のうち該グレア発生範囲設定手段で設定された該グレア発生範囲と干渉しない、該円弧上の最遠方の地点を照射するための縦方向光軸角目標値及び横方向光軸角目標値を算出する光軸角目標値算出手段と、
    該ヘッドライトの縦方向光軸角及び横方向光軸角が該光軸角目標値算出手段で算出された該縦方向光軸角目標値及び該横方向光軸角目標値と等しくなるように該光軸アクチュエータを制御する制御手段と
    を備えた
    ことを特徴とする、自動車用ヘッドライトの配光制御装置。
  2. 該画像情報処理手段による白線位置情報から、道路中心線に対する自車両の位置姿勢を検出する自車両位置姿勢検出手段を備えるとともに、
    該光軸角目標値算出手段は、該自車両が該走行車線の該道路中心線上を走行しているものと仮定して、該横方向光軸角目標値を該自車両の位置姿勢に応じて補正する
    ことを特徴とする、請求項1記載の自動車用ヘッドライトの配光制御装置。
  3. 自車両の横加速度と車速とに基づいて代用道路曲率を算出する代用道路曲率算出手段を備え、
    該光軸角目標値算出手段は、該画像情報処理手段による白線認識が不調の場合には、該道路曲率算出手段によって算出された該道路曲率に代えて該代用道路曲率を採用する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動車用ヘッドライトの配光制御装置。
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