JP3626917B2 - 非定常騒音のノイジネス評価装置 - Google Patents

非定常騒音のノイジネス評価装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非定常騒音のノイジネス評価装置に関する。詳しくは、騒音評価に関し、人間の感覚器官(聴覚)で行なっている処理を、数学的処理で置き換えることにより、人間の感覚に近いうるささを評価するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の機械騒音は、騒音計測器による音量の大小によって騒音の大きさ、やかましさ等を判断して騒音対策が施され、音量を低減させることにより周囲の環境保全がなされてきた。
音量は通常「ホン」を単位とする評価基準が定まっており、騒音のホン数を測定することにより、その騒音を法令で定められたレベル以下にすることが騒音対策の目的であった。
【0003】
従来の騒音計による基本的な計測処理を図13に示す。
図13に示すように、マイクロホンにより計測され聴感補正された音圧を時刻刻みΔtで離散化した第iステップの音圧をP(i)とすると、基準音圧(P)により除算され無次元化されると共に二乗化され、一次遅れ系の演算回路を経て最終的にはレベル換算L(i)される。
一次遅れ系の時定数Tとしては、通常のFastモードでは125msecと設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、時間変化に伴い音圧が変動する非定常騒音については騒音計の動特性が人間の聴覚器官の動特性を正確に近似したものではないため、騒音を聴取した人間の聴覚と騒音計の指示値の傾向が異なる問題が発生する場合があった。
また、千差万別の非定常騒音を統一的に評価するためには、音圧(物理量)から一歩踏み込んだ聴覚内部情報(生理量)に関する信号処理が必要となる。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、人間の感覚のみに依存し聴感覚として定量化が困難であった非定常騒音を評価でき、聴感上の騒音の問題点の明確化及び人間の聴感覚に基づく騒音対策の立案、実施が可能となる非定常騒音のノイジネス評価装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、時々刻々変化する音圧を入力とし、聴覚内部で変化する神経パルス(神経伝達物質)を演算した後、パルス特徴量を求め、そして、複数のパルス特徴量を用いた線形式にてうるささ(Noisiness:ノイジネス)を演算・表示することを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決する本発明の請求項2に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理及び同期処理を実施し、それぞれ総和を求め、それらの平均値による重相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決する本発明の請求項3に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理及び同期処理を実施し、帯域データを用いてニューラルネットでノイジネスを演算し、表示することを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する本発明の請求項4に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定された騒音データに対して、リアルタイムで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理及び同期処理を実施し、それぞれ総和を求め、それらによる重相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する本発明の請求項5に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施し、総和を求め、単相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する本発明の請求項6に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、これらの総和を求め、これらを2変数とする重相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決する本発明の請求項7に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、それらの総和を求め、更に全てのパルスデータに対して発火同期処理による総和を求め、3変数の重相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決する本発明の請求項8に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、それらの総和を求め、更に全てのパルスデータに対して発火同期処理による総和を求め、これら三つの総和を切り換えて1,2又は3変数による相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する本発明の請求項9に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、それらの総和を求め、更に全てのパルスデータに対して発火同期処理による総和を求め、これら三つの総和を3変数とする重相関式によりノイジネスを演算し、更に、該ノイジネスと目標とする基準ノイジネスに対するノイジネス差分を求め、騒音レベルとノイジネスの関係を整理したノイジネス感度を前記ノイジネス差分に掛け合わせ、同時に演算した騒音レベルと足し合わせることにより、ノイジネス補正レベルを演算して、表示することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の信号処理の概念を図9及び24に示す。
本発明では、両図に示すように、外耳/中耳特性を経た非定常騒音は、聴覚に備わる周波数弁別機能により帯域数をn(通常32,64 等の2 の倍数) とすると帯域−1、帯域−2、帯域−3、…帯域−nに分けられ、それらは帯域音圧(基底膜振動に相当)で表され、更に有毛細胞モデルでは1stモデル、2ndモデル、3rdモデル、…N−thモデルとなり、神経パルス(神経伝達物質)、特徴抽出を経て、関数Fによりうるささ(ノイジネス)を求めるものである。
ここで、聴覚の周波数弁別とは、一般的には聴覚フィルタと称されるもので実現でき、例えば、ISO532Bでも規定されている臨界帯域或いは後に述べる等価矩形幅(ERB:Equivalent Rectangular Band−width,イギリス)をいい、また、外耳/中耳特性とはよく知られているように外耳の空洞の共鳴特性及び鼓膜と耳小骨で構成される系の振動伝達特性を言う。
尚、図9に示す例は、主として、後述する実施例2に示す音質判断ニューロを用いてノイジネスを求めるのに対し、図24に示す例は、主として後述する3変数による重相関式でノイジネスを求める点が異なる。
【0015】
〔実施例1〕
本発明の第1の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を図1に示す。
本実施例は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理と同期処理を実施し、それぞれ総和をとり、それらの総和により後述する手法によりノイジネスを演算する手法である。
即ち、本実施例の非定常騒音のノイジネス評価装置は、騒音計1、アナログ/ディジタル変換器2、データ記憶器3、外耳/中耳特性器4、聴覚フィルタ器5、パルス演算器6、SR演算器7、SS演算器8、総和演算器9、ノイジネス演算器10、ノイジネス表示器11により構成される。
ここで、SRは、spike rateの略語であり、平均発火率を意味する。
また、SSは、spike synchronyの略語で、同期性を意味する。
【0016】
騒音計1により騒音を計測し、その計測データをアナログ/ディジタル変換器2でディジタル量に変換してデータ記憶器3に一旦記憶する。
騒音計1により計測される騒音は、図10に示すように、時刻と共に音圧が変化する。
ディジタル量に変換されデータ記憶器3に記憶される音圧スペクトログラム及び音圧相当レベル変化は図11に示す形状となる。
その後、データ記憶器3に記憶された騒音データを外耳/中耳特性器4に入力する。
外耳/中耳特性器4は、図19に一例を示すが、周波数毎に異なるゲインを有するフィルタ器G,G,…,Gの集合であり、この例では、11.5kHz以上でゲインが「1」となる。
外耳/中耳特性器4を経た騒音データは聴覚フィルタ器5に入力する。
【0017】
聴覚フィルタ器5は、例えば、図4に示すように異なる特性を持つERBフィルタ器E,E,E,E,…En−3,En−2,En−1,Eの集合であり、それらは、中心周波数をf(kHz)とするとERB(Hz)は下記の数式に整理されている。
【0018】
【数1】
Figure 0003626917
【0019】
聴覚には、周波数領域においてマスキング等の固有な特性があり、その特性は信号処理により近似することが一般的であり、そのため、本実施例では、世界的に認知されているERBフィルタを使用するものである。
聴覚フィルタ器5を通過した音圧データは、それぞれパルス演算器6に入力される。
パルス演算器6は、異なる特性を持つパルス演算器P,P,…Pの集合であり、次のような神経発火処理を行なう。
【0020】
即ち、聴覚フィルタ器5を通過した音圧は基底膜上での振動伝搬に相当する。
膜上には正の音圧のみに反応する有毛細胞が存在し、この細胞は聴神経とシナプス結合している。
この結合の数学モデルは、Meddisにより開発され、下記のように定義されている。
即ち、図5のようなモデル上で、k(t)を透過率変化、s(t)を音圧刺激とすると、次の関係がある。
【0021】
【数2】
Figure 0003626917
【0022】
ここに、AとBは正の定数である(B>A)。
また、音圧刺激とはERBフィルタを透過した音圧であり、基準音圧に対する実際の音圧の比で表される。
次に、c(t)、w(t)を結合部及び物質貯蔵部の伝達物質量、rを物質貯蔵への帰還率、xを細胞への再生率、lを損失率、また、伝達物質の生成は「1」を上限とすると1−q(t)に比例し、yを生成率とすると、細胞内に自動的に供給される伝達物質量はy(1−q(t))となる。
従って、細胞内の伝達物質の変化率dq/dtは次式となる。
【0023】
【数3】
Figure 0003626917
【0024】
一方、同様に、結合部及び物質貯蔵部の伝達物質変化率dc/dt、dw/dtは次式となる。
【0025】
【数4】
Figure 0003626917
【0026】
従って、上記の連立微分方程式を微小時間での逐次積分法を用いて解析することにより音圧から神経パルス(ここではc(t))を予測することが可能となる。
なお、式中の各パラメーターは次のように設定されている。
A=5,B=300,g=2000,y=5.05,l=2500,x=663,r=6580
ここで、図6に単純な音圧入力に対する本モデルの神経パルス発火(c(t)に相当)の状態を示す。
【0027】
図6に示すように、入力は、1kHzで音圧40dBから80dB迄、5dBステップで250msのバースト音圧であるが、出力である神経パルスは音圧の開始部分で大きく立ち上がるのみで、その後の継続部分は急速に減衰する。
入力に対して極めて非線型性の強いモデルであり、人の聴覚に感じるうるささは、従来の音圧評価とは全く異なった評価になる。
【0028】
このように各周波数帯域で得られた時系列の神経パルスに対して、SR演算器7とSS演算器8により、特徴抽出処理を行なう。
SR演算器7は、周波数帯域毎の演算器R,R,…Rの集合であり、得られた神経パルス波について、図12の上段に示すような平均発火処理を行なう。
即ち、周波数帯域i(i=1,2,…,N)において、計算する時間フレームj(j=1,2,…,M)内での神経パルス波Cij(n)(n=1,2,…,L)に対して、次式に示す平均発火率SR(i)を求める。
【0029】
【数5】
Figure 0003626917
【0030】
同様に、SS演算器8は、周波数帯域毎の演算器F,F,…Fの集合であり、次式に示すように、同期性SS(i)を定量化することにより、図12の中段に示すような同期処理を行なう。
なお、TはあるERB帯域での中心周波数の周期である。
【0031】
【数6】
Figure 0003626917
【0032】
総和演算器9は、SR演算器7、SS演算器8により得られた信号を総和し、ノイジネス演算器10へ出力する。
ノイジネス演算器10は、総和演算器9から入力した総和に基づき重相関式により、図12の下段に示すようなノイジネスを評価し、その値をノイジネス表示器11で表示する。
図8(a)に示すように、ノイジネス演算器10で重相関式より求めたノイジネスを横軸とし、実験により求めたノイジネスを縦軸とすると、相関(Correlation)は0.881となる。なお、図中のIdleはフォークリフトのエンジンアイドル運転時、Runは走行時、Liftは荷役作業時のオペレータ騒音を示す。
【0033】
一方、従来の音圧評価では、図7に示すように、横軸に示す音圧と縦軸に示す実験により求めたうるささの相関は0.03に過ぎない。
尚、図7は、騒音レベルとノイジネスとを比較したものである。同図のように、代表的な騒音について−3dB(A)の低減を施しても75dB(A)の他の騒音よりもノイジネスが高い場合がある為、騒音レベル評価では非定常騒音の評価に相応しくない事を示している。
【0034】
このように説明したように本実施例は、騒音計1、アナログ/ディジタル変換器2を経て測定された騒音データをデータ記憶器3で記録し、外耳/中耳特性器4、聴覚フィルタ器5、パルス演算器6によりオフラインでパルス演算し、SR演算器7により平均発火処理を実施すると共にSS演算器8により同期処理を実施し、総和演算器9それぞれ総和をとり、それらの総和によりノイジネス演算器10でノイジネスを演算するため、人間の感覚に近いうるささを正確に評価することができ、しかも、汎用性が高いという利点がある。
【0035】
〔実施例2〕
本発明の第2の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を図2に示す。
本実施例は、実施例1と同様に平均発火/同期処理した後、帯域データを用いてニューラルネットでノイジネスを演算する点が異なる。
即ち、本実施例の非定常騒音のノイジネス評価装置は、騒音計1、アナログ/ディジタル変換器2、データ記憶器3、外耳/中耳特性器4、聴覚フィルタ器5、パルス演算器6、SR演算器7、SS演算器8、ノイジネス演算器10、ノイジネス表示器11、ニューラルネット器12により構成される。
【0036】
騒音計1による騒音の計測からSR演算器7による平均発火処理及びSS演算器8による同期処理までは実施例1と同様であり、実施例1と異なるのは、総和演算器9を省略し、ノイジネス演算器10に代えてニューラルネット器12を使用した点に特徴がある。
ニューラルネット器12には、各SR演算器R,R,…R及び各SS演算器F,F,…Fからの複数の信号に基づいてニューラルネットによりノイジネスを判定する。
【0037】
図8(b)に示すように、ニューラルネット器12により求めたノイジネスを横軸とし、実験により求めたノイジネスを縦軸とすると、相関は0.999となる。
上述したように本実施例は、ノイジネス演算器10に代えてニューラルネット器12を用いるため、実施例1よりも更に人間の感覚に近いうるささを正確に評価できるという効果を奏し、高精度であるという利点がある。
【0038】
〔実施例3〕
本発明の第3の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を図3に示す。
本実施例は、実施例1に比較すると、データ記録器3を省略して、騒音データ記録せずにリアルタイムにノイジネスを表示し、併せて、平均発火/同期によるノイジネスを分離して表示する手法である。
即ち、本実施例の非定常騒音のノイジネス評価装置は、騒音計1、アナログ/ディジタル変換器2、聴覚フィルタ器5、パルス演算器6、SR演算器7、SS演算器8、総和演算器9、ノイジネス表示器11、表示器13、SRノイジネス演算器14、SSノイジネス演算器15から構成される。
【0039】
本実施例では、騒音計1により騒音を計測し、その計測データをアナログ/ディジタル変換器2でディジタル量に変換し、直ちに、外耳/中耳特性器4、聴覚フィルタ器5に入力する点に特徴がある。
また、SRノイジネス演算器14、SSノイジネス演算器15により各総和演算器9により求められた値によりそれぞれ平均発火処理によるノイジネス、同期処理によるノイジネスを分離して表示する。
このように本実施例は、実施例1と同様に人間の感覚に近いうるささを正確に評価することができ、更に、データ記憶器3を省略したため、リアルタイム性があり、時刻暦評価が可能となる利点がある。
【0040】
〔実施例4〕
本発明の第4の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を図14に示す。
本実施例は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性補正、聴覚フィルタ処理後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施し、総和をとり、後述する手法によりノイジネスを演算する手法である。
即ち、本実施例の非定常騒音のノイジネス評価装置は、騒音計101、アナログ/ディジタル変換器102、データ記憶器103、外耳/中耳特性器104、聴覚フィルタ器105、パルス演算器106、tempSR演算器107、総和演算器110、1変数ノイジネス演算器器111、ノイジネス表示器115により構成される。
ここで、tempSRとは経時マスキング処理された神経パルスの平均発火率temporal Spike Rateの略である。
【0041】
騒音計101により騒音を計測し、その計測データをアナログ/ディジタル変換器102でディジタル量に変換してデータ記憶器103に一旦記憶する。
騒音計101により計測される騒音は、図24左に示すように、時刻と共に音圧が変化する。
その後、データ記憶器103に記憶された騒音データを外耳/中耳特性器104に入力する。
【0042】
外耳/中耳特性器104、聴覚フィルタ105、パルス演算器106は第一実施例と同じであり、tempSR演算器107に入力する。
【0043】
このように各ERB帯域で得られた時系列の神経パルスに対して、tempSR演算器107により、特徴抽出処理を行なう。
tempSR演算器107は、異なる特性を持つ演算器S,S,…Sの集合であり、得られた神経パルス波について、ある時間間隔での平均発火率を算出し、音圧刺激を受けた場合の聴覚反応を定量化する。
ここで、演算された神経パルス波は図20では破線に相当するが、感覚としては実線のように極大から指数関数的に減少する。この感覚は神経パルス波に対する閾値となり、閾値以下のパルスは認識されないという経時マスキング処理を行う。
【0044】
即ち、周波数帯域i( I=1,2,…,N) で計算した時間フレームj( j=1,2,…,M) 内での経時マスキング処理された神経パルス波TCij(n) (n=1,2,…,L) に対して、時間フレームに関する平均を求め、これをtempSR(i)とする。
【0045】
【数7】
Figure 0003626917
【0046】
総和演算器110は、tempSR演算器107により得られた信号を総和し、1変数ノイジネス演算器器111へ出力する。
1変数ノイジネス演算器器111は、総和演算器110から入力に基づき単相関式によりノイジネスを評価し、その値をノイジネス表示器115で表示する。
図21に示すように、1変数ノイジネス演算器器111で相関式より求めたノイジネスを横軸とし、実験により求めたノイジネスを縦軸とすると、相関(Correlation )は0.873となる。なお、図中の記号はフォークリフトのエンジンアイドル運転、走行時及び荷役作業時のオペレータ騒音の場合を示す。
【0047】
このように説明したように本実施例は、騒音計101、アナログ/ディジタル変換器102を経て測定された騒音データをデータ記憶器103で記録し、外耳/中耳特性器104、聴覚フィルタ器105、パルス演算器106によりオフラインでパルス演算し、tempSR演算器107により経時マスキング処理を実施し、総和演算器110で総和をとり、それらの総和によりノイジネス演算器でノイジネスを演算するため、人間の感覚に近いうるささを正確に評価することができ、しかも、汎用性が高いという利点がある。
【0048】
〔実施例5〕
本発明の第5の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を図15に示す。
本実施例は、実施例4と同様にtempSR処理すると共に、SD演算し、それぞれの総和から2変数でノイジネスを演算する点が異なる。
即ち、本実施例の非定常騒音のノイジネス評価装置は、騒音計101、アナログ/ディジタル変換器102、データ記憶器103、外耳/中耳特性器104、聴覚フィルタ器105、パルス演算器106、tempSR演算器107、SD演算器108、2変数ノイジネス演算器器112、ノイジネス表示器115により構成される。
【0049】
騒音計101による騒音の計測からtempSR演算器107による経時マスキング処理までは実施例4と同様であり、実施例4と異なるのは演算された神経パルス波を用い、発火変化率(SD:Spike Differential)を演算する点である。
【0050】
即ち、tempSR演算と同様に、周波数帯域i( I=1,2,…,N) で計算した時間フレームj( j=1,2,…,M) 内での神経パルス波Cij(n) (n=−L/2,…,L/2) に対して、時間フレーム内での回帰分析を行う。つまり、Sij(n)を回帰線aijn+bijで近似する為に最小二乗法を適用すると、傾きaijは次のようになる。そして、時間フレームに関する平均SD(i)とし、次式のようにする。
【0051】
【数8】
Figure 0003626917
【0052】
SD演算器108は周波数毎の演算器D,D,…,Dが集合したものであり、各演算器が計算したSDを総和演算器110へ入力する。
総和演算器110はそれらの総和を計算し、tempSR演算による総和と共に、2変数ノイジネス演算器器112へ入力する。
2変数ノイジネス演算器器112は2つの総和を入力として、ノイジネスを演算して、ノイジネス表示器115で表示する。
上述したように本実施例は、1変数ノイジネス演算器器111に代えて2変数ノイジネス演算器器112を用いるため、実施例4よりも更に人間の感覚に近いうるささを正確に評価できるという効果を奏し、高精度であるという利点がある。
即ち、図22に示すように、2変数ノイジネス演算器器112で重相関式より求めたノイジネスを横軸とし、実験により求めたノイジネスを縦軸とすると、相関(Correlation )は0.938となる。第4実施例よりも相関係数が上がっており、精度が高くなっている。
【0053】
〔実施例6〕
本発明の第6の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を図16に示す。
本実施例は、実施例5と同様にtempSR演算とSD演算すると共に、ACG演算し、それぞれの総和から3 変数でノイジネスを演算する点が異なる。
即ち、本実施例の非定常騒音のノイジネス評価装置は、騒音計101、アナログ/ディジタル変換器102、データ記憶器103、外耳/中耳特性器104、聴覚フィルタ器105、パルス演算器106、tempSR演算器107、SD演算器108、ACG演算器109、3変数ノイジネス演算器113、ノイジネス表示器115により構成される。
【0054】
騒音計101による騒音の計測からtempSR演算器107による経時マスキング処理及びSD演算器108によるSD演算は実施例5と同様であり、実施例5と異なるのは演算された神経パルス波に含まれる周期成分の有無を調べるために、ある時間間隔での全てのパルスデータに対して自己相関の平均値の平方根を取る処理を行う。このパラメータはオートコレログラム(ACG:Autocorrelogram)とする。
【0055】
即ち、周波数帯域i( i=1,2,…,N) で計算した時間フレームj( j=1,2,…,M) 内での神経パルス波Cij(n) (n=1,2,…,L/2) に対して、サンプル間隔h(M/2以下で間隔数をHとする)とした場合の自己相関の平均値の平方根を時間フレームに関して平均をとったものを次式のようにACG(i)とする。
【0056】
【数9】
Figure 0003626917
【0057】
ACG演算器109は周波数毎の演算器A,A,…,Aが集合したものであり、各演算器が計算したACGを総和演算器110へ入力する。
総和演算器110はそれらの総和を計算し、tempSR演算及びSD演算による総和と共に、3変数ノイジネス演算器113へ入力する。
3変数ノイジネス演算器113は3つの総和を入力として、ノイジネスを演算して、ノイジネス表示器115で表示する。
上述したように本実施例は、2変数ノイジネス演算器器112に代えて3変数ノイジネス演算器113を用いるため、実施例5よりも更に人間の感覚に近いうるささを正確に評価できるという効果を奏し、高精度であるという利点がある。
即ち、 図23に示すように、3変数ノイジネス演算器113で重相関式より求めたノイジネスを横軸とし、実験により求めたノイジネスを縦軸とすると、相関(Correlation )は0.976となる。第5実施例よりもさらに相関係数が上がっており、精度が高くなっている。
【0058】
〔実施例7〕
本発明の第7の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を図17に示す。
本実施例は、実施例6と同様にtempSR演算、SD演算及びACG演算し、それぞれの総和からノイジネスを演算する点では同じであるが、目的、場合に応じて、変数及び評価方法を切り替えて最適なノイジネス評価を行う点で異なる。
即ち、本実施例の非定常騒音のノイジネス評価装置は、騒音計101、アナログ/ディジタル変換器102、データ記憶器103、外耳/中耳特性器104、聴覚フィルタ器105、パルス演算器106、tempSR演算器107、SD演算器108、ACG演算器109、切替型ノイジネス演算器114、ノイジネス表示器115、切替器116により構成される。
【0059】
切替器116は実施例4から6で示した評価法(1変数、2変数、3変数)を切り替える事ができる。また、切替型ノイジネス演算器114は切替器116からの指示に応じてノイジネス演算式の重み係数等を変化させることができる。
【0060】
〔実施例8〕
本発明の第8の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を図18に示す。
本実施例は、実施例6と同様にtempSR演算、SD演算及びACG演算し、それぞれの総和からノイジネスを演算する点では同じであるが、目標とする基準ノイジネスに対する差分と、騒音レベルとノイジネスの関係を整理したノイジネス感度を用いて、ノイジネス差分を騒音レベル換算し、同時に演算する騒音レベルと足し合わせる事によりノイジネス補正の騒音レベルを演算する点で異なる。
即ち、本実施例の非定常騒音のノイジネス評価装置は、騒音計101、アナログ/ディジタル変換器102、データ記憶器103、外耳/中耳特性器104、聴覚フィルタ器105、パルス演算器106、tempSR演算器107、SD演算器108、ACG演算器109、総和演算器110、3変数ノイジネス演算器113、ノイジネス差分演算器117,基準ノイジネス入力器118、レベル換算器119,ノイジネス感度入力器120、ノイジネス補正レベル表示器121、聴感補正フィルタ器130,レベル演算器131、レベル表示器132により構成される。
【0061】
基準ノイジネス入力器118は、例えば、機械としてあるべきノイジネスを入力し、3変数ノイジネス演算器113で計算されたノイジネスとの差分をノイジネス差分演算器117で計算する。
さらに、ノイジネス感度入力器120は予め求めたノイジネス変化に伴う騒音レベルの変化量をノイジネス感度(単位:dB(A))として入力する。レベル換算器119ではノイジネス差分とノイジネス感度を掛け合わせる事により、ノイジネス差分と等価な騒音レベルを計算する。
一方、データ記憶器103の騒音データは従来の聴感補正フィルタ器130とレベル演算器131により騒音レベルが計算される。
この騒音レベルとノイジネスと等価な騒音レベルを足し合わせる事により、ノイジネス補正レベルを計算し、ノイジネス補正レベル表示器121で表示する。
【0062】
本実施例では、3変数ノイジネス演算に基づくノイジネスと基準ノイジネスにより、ノイジネスが基準よりも高い場合には騒音レベルを増加させ、低い場合には騒音レベルを低下させる事が可能となり、ノイジネスを騒音レベルに反映できる利点がある。
【0063】
【発明の効果】
以上、実施例に基づいて具体的に説明したように、本発明の請求項1に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、時々刻々変化する音圧を入力とし、聴覚内部で変化する神経パルスを演算した後、パルス特徴量を求め、そして、複数のパルス特徴量を用いた線形式にてうるささを正確に演算・表示することが可能となり、騒音対策が効率化できるという利点がある。
【0064】
また、本発明の請求項2に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理及び同期処理を実施し、それぞれ総和を求め、それらの平均値による重相関式によりノイジネスを演算し、表示するため、人間の感覚に近いうるささを正確に評価することができ、しかも、汎用性が高いという利点がある。
【0065】
また、本発明の請求項3に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理及び同期処理を実施し、帯域データを用いてニューラルネットでノイジネスを演算し、表示するため、更に人間の感覚に近いうるささを正確に評価することができ、高精度であるという利点がある。
【0066】
また、本発明の請求項4に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定された騒音データに対して、リアルタイムで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理及び同期処理を実施し、それぞれ総和を求め、それらによる重相関式によりノイジネスを演算し、表示するため、リアルタイムでノイジネスを評価でき、また、記録器を省略できる利点もある。
【0067】
また、本発明の請求項5に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキング処理を実施し、総和を求め、単相関式によりノイジネスを演算し、表示するので、人間の感覚に近いうるささを正確に評価することができ、しかも、汎用性が高いという利点がある。
【0068】
また、本発明の請求項6に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、これらの総和を求め、これらを2変数とする重相関式によりノイジネスを演算し、表示するため、更に人間の感覚に近いうるささを正確に評価することができ、高精度であるという利点がある。
【0069】
また、本発明の請求項7に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、それらの総和を求め、更に全てのパルスデータに対して発火同期処理による総和を求め、3変数の重相関式によりノイジネスを演算し、表示するので、3変数ノイジネス演算に基づくノイジネスと基準ノイジネスにより、ノイジネスが基準よりも高い場合には騒音レベルを増加させ、低い場合には騒音レベルを低下させる事が可能となり、ノイジネスを騒音レベルに反映できる利点がある。
【0070】
また、本発明の請求項8に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、それらの総和を求め、更に全てのパルスデータに対して発火同期処理による総和を求め、これら三つの総和を切り換えて1,2又は3変数による相関式によりノイジネスを演算し、表示するので、目的、場合に応じて、変数及び評価方法を切り替えて最適なノイジネス評価を行う点で異なる。
【0071】
また、本発明の請求項9に係る非定常騒音のノイジネス評価装置は、測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、それらの総和を求め、更に全てのパルスデータに対して発火同期処理による総和を求め、これら三つの総和を3変数とする重相関式によりノイジネスを演算し、更に、該ノイジネスと目標とする基準ノイジネスに対するノイジネス差分を求め、騒音レベルとノイジネスの関係を整理したノイジネス感度を前記ノイジネス差分に掛け合わせ、同時に演算した騒音レベルと足し合わせることにより、ノイジネス補正レベルを演算して、表示するので、3変数ノイジネス演算に基づくノイジネスと基準ノイジネスにより、ノイジネスが基準よりも高い場合には騒音レベルを増加させ、低い場合には騒音レベルを低下させる事が可能となり、ノイジネスを騒音レベルに反映できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を示すブロック図である。
【図4】ERBフィルタの特性を示すグラフ(10帯域)である。
【図5】聴神経のシナプス結合モデルを示す説明図である。
【図6】シナプス結合モデルの応答を示す説明図である。
【図7】騒音レベルとノイジネスの関係を示すグラフである。
【図8】ノイジネスに関する推定値と実験値の対応を示すグラフである。
【図9】本発明の非定常騒音の評価に関する信号処理を示す説明図である。
【図10】音圧時刻歴波形を示すグラフである。
【図11】音圧スペクトルグラム及び音圧相当レベル変化を示すグラフである。
【図12】平均発火、同期及び総合ノイジネスを示すグラフである。
【図13】従来の騒音計による基本的な計測処理を示すブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を示すブロック図である。
【図15】本発明の第5の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を示すブロック図である。
【図16】本発明の第6の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を示すブロック図である。
【図17】本発明の第7の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を示すブロック図である。
【図18】本発明の第6の実施例に係る非定常騒音のノイジネス評価装置を示すブロック図である。
【図19】外耳/中耳特性を示すグラフ(20Hz〜8kHz)である。
【図20】経時マスキング効果を示す説明図である。
【図21】第1実施例を用いた場合のノイジネスに関する推定値と実験値の対応を示すグラフである。
【図22】第2実施例を用いた場合のノイジネスに関する推定値と実験値の対応を示すグラフである。
【図23】第3実施例を用いた場合のノイジネスに関する推定値と実験値の対応を示すグラフである。
【図24】本発明の非定常騒音の評価に関する信号処理を示す説明図である。
【符号の説明】
1,101 騒音計
2,102 アナログ/ディジタル変換器
3,103 データ記憶器
4,104 外耳/中耳特性器
5,105 聴覚フィルタ器
6,106 パルス演算器
7 SR演算器
8 SS演算器
9 総和演算器
10 ノイジネス演算器
11 ノイジネス表示器
12 ニューラルネット器
13 表示器
14 SRノイジネス演算器
15 SSノイジネス演算器
107 tempSR演算器
108 SD演算器
109 ACG演算器
110 総和演算器
111 1変数ノイジネス演算器
112 2変数ノイジネス演算器
113 3変数ノイジネス演算器
114 切替型ノイジネス演算器
115 ノイジネス表示器
116 切替器
117 ノイジネス差分演算器
118 基準ノイジネス入力器
119 レベル換算器
120 ノイジネス感度入力器
121 ノイジネス補正レベル表示器
130 聴感補正フィルタ器
131 レベル演算器
132 レベル表示器

Claims (9)

  1. 時々刻々変化する音圧を入力とし、聴覚内部で変化する神経パルスを演算した後、パルス特徴量を求め、そして、複数のパルス特徴量を用いた線形式にてうるささを演算・表示することを特徴とする非定常騒音のノイジネス評価装置。
  2. 測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理及び同期処理を実施し、それぞれ総和を求め、それらの平均値による重相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする非定常騒音のノイジネス評価装置。
  3. 測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理及び同期処理を実施し、帯域データを用いてニューラルネットでノイジネスを演算し、表示することを特徴とする非定常騒音のノイジネス評価装置。
  4. 測定された騒音データに対して、リアルタイムで外耳/中耳特性で補正し聴覚フィルタ処理した後パルス演算し、平均発火処理及び同期処理を実施し、それぞれ総和を求め、それらによる重相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする非定常騒音のノイジネス評価装置。
  5. 測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施し、総和を求め、単相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする非定常騒音のノイジネス評価装置。
  6. 測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、これらの総和を求め、これらを2変数とする重相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする非定常騒音のノイジネス評価装置。
  7. 測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、それらの総和を求め、更に全てのパルスデータに対して発火同期処理による総和を求め、これら三つの総和を3変数とする重相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする非定常騒音のノイジネス評価装置。
  8. 測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、それらの総和を求め、更に全てのパルスデータに対して発火同期処理による総和を求め、これら三つの総和を切り換えて1,2又は3変数による相関式によりノイジネスを演算し、表示することを特徴とする非定常騒音のノイジネス評価装置。
  9. 測定・記録された騒音データに対して、オフラインで外耳/中耳特性で補正し、聴覚フィルタで処理した後、パルス演算し、経時マスキングによる平均発火処理を実施すると共に発火変化処理を実施し、それらの総和を求め、更に全てのパルスデータに対して発火同期処理による総和を求め、これら三つの総和を3変数とする重相関式によりノイジネスを演算し、更に、該ノイジネスと目標とする基準ノイジネスに対するノイジネス差分を求め、騒音レベルとノイジネスの関係を整理したノイジネス感度を前記ノイジネス差分に掛け合わせ、同時に演算した騒音レベルと足し合わせることにより、ノイジネス補正レベルを演算して、表示することを特徴とする非定常騒音のノイジネス評価装置。
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