JPH11142231A - 騒音分析装置 - Google Patents

騒音分析装置

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JPH11142231A
JPH11142231A JP9325294A JP32529497A JPH11142231A JP H11142231 A JPH11142231 A JP H11142231A JP 9325294 A JP9325294 A JP 9325294A JP 32529497 A JP32529497 A JP 32529497A JP H11142231 A JPH11142231 A JP H11142231A
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JP
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noise
sound
frequency band
arrival
frequency
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JP9325294A
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Inventor
Hiroyuki Hoshino
博之 星野
Hiroyasu Kato
裕康 加藤
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車車室内等において、騒音の発生場所を精
度よく特定すること 【解決手段】複数のマイクロフォンによって騒音を検出
することにより、時間差および強度差を伴った複数の騒
音信号を得る。その複数の騒音信号に対して、人の両耳
聴信号モデルに基づいた相互相関分析および人の聴覚心
理モデルに基づいたマスクトスペクトル分析を行う。相
互相関分析は、騒音の到来方向を正確に算出し、マスク
トスペクトル分析は、聴感と合った騒音の計測およびそ
の到来方向を算出する。この両分析の結果を合わせる
と、人の聴感にあった騒音強度、音質、到来方向が明確
に精度よく求めることができるので、問題となる要素音
の特定とその方向が分かり、効率よく騒音対策ができ
る。また、これらの聴感に合った測定値を用いると、車
室の音響上の評価が精度よく測定でき、快適な車室内音
響を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、到来する騒音に関
し周波数毎に到来方向と人間の聴感上の音の大きさとを
決定するようにした騒音分析装置に関する。特に、走行
中の車両において運転者の耳へ到来する騒音を測定し、
車両における騒音発生源の特定に有効である。例えば、
走行中に車室内に到達する騒音、特に自動車エンジン
音、風切り音、路面音、車室内こもり音などの要素音
を、人間の聴感特性であるマスキング効果に基づいて算
出し、その要素音の到来方向と大きさを特定し、その特
定度から聴感上の不快度を評価する騒音評価装置として
用いることができる。
【0002】
【従来の技術】自動車室内騒音には、エンジン音、車室
内こもり音などエンジン爆発周期を基本とする次数成分
とエンジン爆発周期とは関係のない人が不快と感ずる風
切り音、路面音等に起因するランダムノイズ成分とが混
在しており、さらに自動車の走行状態によっては、運転
席窓、助手席窓からの空気の漏れ音なども騒音として知
覚されている。
【0003】従来、これらの騒音、特に風切り音、漏れ
音などの騒音測定方法として、特開平3−246426
号公報に記載された空力騒音の測定方法が知られてい
る。概略を次に説明する。空力騒音に対する影響が大き
いことが知られている運転席窓、即ち、サイドウィンド
に騒音検出手段であるマイクロフォンをマトリクス状に
多数取付け、その圧力感知面がガラス面から突出しない
ように面一に配置する。そのマトリクス状に並べられた
多数のマイクロフォンからは、走行中の圧力の変化が同
時に出力され、A/D変換器等を備えた計算機に取り込
まれ、記憶される。そして、その記憶された圧力変動デ
−タの中から、もっとも変動圧力レベルが高いマイクロ
フォンを基準マイクロホンとし、その出力を基準位置に
おける基準値P0とし、その基準値P0と多数のマイク
ロフォンから出された圧力デ−タPmと(m=1、2・
・)を基にし、その騒音の大きさと周波数特性である音
質が所定の空力騒音方程式を用いて求められる。
【0004】具体的には、各マイクロフォンからの圧力
デ−タP0,Pmについて、それぞれFFT(高速フ−
リエ変換)などで、周波数分析し、その周波数帯域全体
をn=1〜30の帯域に分割し、それぞれの周波数帯を
Fn、その時の変動圧力値をPmFn、とするバンド構
造を持ったスペクトルで表わす。特に、周波数帯Fnの
基準マイクロフォンの圧力値P0Fnが周辺エリアに及
ぼす影響を、先の周辺のマイクロフォンの圧力PmFn
との相関から求め、面積のディメンジョンを持つ係数S
Fnで表わすと、基準マイクロフォンで測定されたある
周波数帯Fnが運転席に及ぼすその音の強さX、すなわ
ちサイドウィンドから放射される騒音の大きさは、空力
方程式によって、Yn=PFn・Fn・SFnの2乗平
均の和として求められるとするものでる。また、その時
の音質を評価するには、n=1〜30に対するYnの値
を比較し、最大のYn、あるいは突出したYnが存在す
れば、その周波数帯域Fnがその音質を代表するとして
いた。
【0005】
【発明が解決しようする課題】人の聴覚特性(聴覚心理
モデル)には、マスキング効果があることが知られてお
り、それは人の聴覚にある周波数帯の大きな音を与える
と、その近傍の周波数帯のあるレベル以下の音は聴こえ
ないか、聴こえにくくなるというものである。つまり、
空気の圧力変動を静電容量型のマイクロフォン等で機械
−電気変換して収集された騒音信号は、人の外耳、中
耳、内耳を経て末梢および中枢神経系で感ぜられる騒音
信号とは異なるものであり、従来例のように単に、多数
のマイクロフォンの出力によって、人の持つ聴覚のマス
キング効果を加味せず、サイドウィンドから放射される
騒音を測定評価しても、必ずしも聴感とあった計測とは
ならなかった。例えば、高速走行時の路面音と風切り音
を別々に測定すると、両者とも不快と感ぜられるため、
その評価はかなり低いものとなるが、両方同時に人に聴
かせた場合、相互にマスキングされ、特に風切り音の大
きさと路面音の大きさが2:1になると、かえってバラ
ンスの良い空間と評価されるのである。
【0006】また、人のもう一つの聴覚特性として、特
定の周波数を持つ騒音を、特定の方向に知覚した場合、
異音と判断し不快度を増すものであるが、上に挙げた従
来例の方法は、あくまで騒音の大きさと音質を求めるも
のであり、その方向までは、特定するものではなかっ
た。また、他に、同じく多数のマイクロフォンを使用し
て、騒音を収集し相互相関分析を行い異音の方向を検出
する方法も提案されているが、いずれも人の聴感特性を
踏まえてなされたものはなく、周波数帯域毎に方向を特
定するものでもなく、効率の悪い測定評価方法あるいは
測定装置であった。
【0007】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、到来する騒音に対して、各周波
数帯域毎に聴感上の大きさと到来方向とを特定すること
を目的とする。さらに、マイクロフォン等で得られた騒
音を人が感ずる聴感上の音響特性に近づける事によって
騒音を分析し、特に異音の発生方向を特定することで、
異音発生に対する対策を容易に講じることができるよう
にすることを目的とする。さらに、車両において、到来
する騒音を解析することで、より快適な車室音響の実現
を図ることであり、人間の聴感を反映させた実質的な騒
音評価装置を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の騒音分析装置は、到来する騒音を
分析して騒音の到来方向を決定する騒音分析装置におい
て、到来する騒音を同時刻に複数の個所で検出する騒音
検出手段と、騒音検出手段によって検出された複数の騒
音信号に対して、人の聴感上の大きさにに変換するため
の分析法であるバンドレベル分析およびマスクトスペク
トル分析を行い、聴感上の騒音の大きさを各周波数帯域
ごとに算出する聴感上騒音大きさ算出手段と、騒音検出
手段によって得られた複数の騒音信号に基づいて、各周
波数帯域毎に相互相関分析を行うことにより、騒音を形
成する要素音の到来方向を算出する要素音到来方向算出
手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】周波数帯域毎に到来方向を算出する1つの
具体的な方法は、両耳聴信号処理モデルにより各周波数
帯域毎に抽出された左右の耳で関知される信号の相互相
関値を求め、この相関値が最も高くなる遅延時間から人
間の両耳の幾何学的配置と音源との関係からその周波数
帯域の音成分の到来方向を決定する方法がある。この
時、各周波数帯域毎に音源までの距離を求めても良い。
さらに、複数の検出信号において、各周波数帯域の聴感
上の音の大きさから到来方向を決定しても良い。例え
ば、左右の耳で検出される信号のマスクトスペクトル分
析による周波数帯域毎の音の大きさの比の関数により到
来方向を決定することができる。これは、高音領域では
この方法により、低音領域では相関分析により到来方向
を決定するようにしても良い。
【0010】また、上記の騒音分析装置に、さらに、要
素音到来方向算出手段によって算出された算出値および
聴感上騒音大きさ算出手段によって得られた算出値を基
に、聴感上の不快度を評価する聴感上不快度評価手段を
付加して、騒音評価装置を構成しても良い。聴感上不快
度評価手段の具体的な処理の例としては、各周波数帯域
毎の音の聴感上の大きさと到来方向が確定している程度
から不快度を求めても良い。即ち、人間の聴感特性とし
て、音の到来方向が明確に確定している場合には、音の
大きさが小さくとも不快と感じる程度が大きく、反対に
音の到来方向が確定していない場合には、音の大きさが
比較的大きくとも不快と感じる程度が小さいという特性
が知られている。この聴感特性を利用して聴感上の不快
の程度を求めるようにしても良い。
【0011】
【発明の作用】騒音検出手段の有する複数のマイクロフ
ォン等の収音器により複数の到来騒音が検出される。こ
れらの騒音信号は聴感上騒音大きさ算出手段に送られ、
まずバンドレベル分析によって各周波数帯ごとの複数の
周波数スペクトルに変換され、さらにマスクトスペクト
ル分析が行われることによって、人が知覚する聴感上の
騒音の大きさ、即ち、騒音のマスクトスペクトルにそれ
ぞれ変換される。また、騒音検出手段で得られた複数の
騒音信号は、要素音到来方向算出手段に送られる。要素
音到来方向算出手段では、送られてきた複数の騒音信号
に対して、各周波数帯域毎に相互相関分析が行われ、そ
れにより騒音を形成する要素音の到来方向が算出され
る。このようにして、騒音の各周波数帯域毎に聴感上の
音の大きさと到来方向とを決定することができる。この
要素音の到来方向の明確さは、異音認識と密接に関連し
ているので、この要素音の聴覚上の大きさと共に、不快
度の判定に用いることができる。
【0012】以上の一連の信号処理で示されるように、
複数のマイクロフォンによって、空気の機械的振動とし
て検出された到来騒音は、人の聴覚末梢神経系および中
枢神経系が感ずる心理的な聴感上の騒音に変換され、か
つその方向性が算出されるので、異音認識を含め、人の
感性に近いより実質的な計測評価ができる。
【0013】
【発明の効果】このように本発明装置によれば、各周波
数帯域毎に、音の到来方向とその聴感上の音の大きさを
求めているので、到来方向の確定度が向上する。この結
果、騒音源を特定することが容易にでき、騒音対策を講
じることができる。例えば、車両の走行時にある風切り
音を発生している箇所を特定でき、風切り音が発生しな
いように形状を変化させる等の騒音対策を講じることが
できる。
【0014】さらに、人の聴感がもつマスキング効果を
考慮した、マスクトスペクトル分析を用いているので、
従来に比べ極めて高い精度で、聴感上の要素音別計測お
よび要素音の到来方向計測を実現することができる。そ
の結果、高い精度で異音の発生場所あるいは原因を特定
できる。また、周波数帯域ごとの方向分析を行っている
ため、聴感上明確には、知覚できない音の種類、および
その到来方向も分析できるので、その結果、より快適な
車室内空間を提供することができる。また、さらに本発
明装置を用いて人間の聴覚の不快特性を用いて、聴覚上
の音の大きさ及びその到来方向の確定度とを考慮した不
快度を求める騒音評価装置を構成できる。例えば、到来
方向の確定度が大きい場合には、聴覚上の音の大きさが
比較的小さくとも不快度は大きく、逆に、到来方向の確
定度が小さい場合には、聴覚上の音の大きさが比較的大
きくとも不快度は小さい等の聴覚特性を用いた騒音評価
装置を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本実施形態の一例を
示す構成図である。本実施例の装置は、発明の騒音分析
装置を用いた騒音評価装置である。その騒音評価装置
は、騒音検出装置2、聴感上騒音大きさ算出装置4、要
素音到来方向算出装置6、聴感上不快度算出装置8で構
成される。騒音検出装置2は到来する各種の音(騒音)
を収音する複数のマイクロフォン21、22と収音した
音を記憶するDAT(デジタルオ−ディオテ−プ)等を
有する騒音信号収集装置20で構成されている。各マイ
クロフォン21、22は、車室内の複数の異なる位置に
設けられている。具体的には、人間の頭を模擬したダミ
ーヘッドの両耳に当たる部分にマイクロフォン21、2
2を取り付けて、その両耳に到来する騒音を検出して記
憶している。
【0016】本実施例は、図3(b)に示すBlaue
rtらが1983年に提唱した人間の両耳聴信号処理理
論をモデルにしている。そのモデルは、音波は外耳、中
耳、蝸牛を経て、細かく部屋状に分かれた有毛細胞群に
伝搬され、それら有毛の振動が電気信号として神経系を
伝わり、脳の中枢神経系で両耳相互相関により統合処理
されて、音質、強度、方向、快、不快などがパタン認識
によって判断されるとしたものである。
【0017】本発明では、要素音到来方向算出装置6に
おける演算アルゴリズムにおいて、検出された騒音を臨
界帯域フィルタで各周波数帯域に分割し、その各周波数
帯域における左右のマイクロフォンから検出される信号
波形(時間軸)の相互相関値を演算するのに、そのモデ
ルが使用されている。また、外耳、中耳、蝸牛、有毛細
胞までの信号処理モデルである臨界帯域フィルタ、半波
整流の機能は、聴感上騒音大きさ算出装置4におけるオ
クタ−ブレベル分析にも用いられている。聴感上騒音大
きさ算出装置4では、さらに、各周波数成分が他の周波
数成分をマスクする、たとえば、低周波成分が存在する
場合には高周波成分は聞こえ難いという人間の聴感特性
が用いられている。即ち、聴感上騒音大きさ算出装置4
ではマスクトスペクトル分析が行なわれている。また、
聴感上不快度算出装置8では、聴感上の各周波数帯域毎
の音の大きさ、各周波数帯域毎の到来方向の確定性の総
合評価として、不快度が算出されている。
【0018】騒音検出装置2では、静電容量型のセンサ
である複数本のマイクロフォン21、22で検出された
音が騒音信号収集装置20で時系列的に順次、ディデタ
ル変換されてDAT等の記録装置201(図4)に記憶
される。聴感上騒音大きさ算出装置4、要素音到来方向
算出装置6、聴感上不快度算出装置8は、ハードウエア
装置により構成することもできるが、図4に示すコンピ
ュータ装置によるソフトウエアで実現することも可能で
ある。図4に示す計算機システムは、本実施例装置おけ
る信号の処理プログラムや記録装置201に記憶されて
いる騒音データを記憶するハ−ドディスク装置等の記憶
装置32、演算処理をするためのCPU(中央演算処理
ユニット)30、作業領域であるRAM(ランダムアク
セスメモリ)31を備えている。
【0019】複数のマイクロフォン21、22は、具体
的には、助手席に設けられたダミ−ヘッドの両耳位置に
設置され、走行中の車室内騒音を検出し、図4に示す様
に、記録装置201に一旦時系列的にディジタル値とし
て左右のチャネル毎に記録される。記録装置201に録
音された車室内騒音データは、各チャンネル毎にコンピ
ュータシステムに取り込まれ、上述の記憶装置33、又
は、RAM31に記憶される。
【0020】通常、走行中の自動車室内で検出される騒
音には、エンジン爆発周期を基本周波数とする次数成分
と、路面あるいは風きり音など走行に起因するランダム
ノイズ成分があり、これらが混在している。例えばエン
ジンの気筒数を6、回転数を1800rpmとした場
合、2回転で6回爆発することから、その基本周波数は
90Hzとなり、エンジン音としては、その基本周波数
とその整数倍の周波数を持つ高調波成分(次数成分)が
検出される。これらの騒音信号が、左右両耳位置に設置
された、マイクロフォン21、22で収集される。
【0021】聴感上騒音大きさ算出装置4は、数値演算
プログラムに従って動作するCPU30により構成され
ている。この装置4では、騒音信号は、図2(a)に示
される様に、まずFFT(高速フ−リエ変換)によっ
て、周波数とその強度分布との関係を示す周波数スペク
トル分析がなされる。図2(a)には1チャンネルの周
波数スペクトルしか示さないが、この作業は、他方のチ
ャンネルの騒音信号に関しても行われる。
【0022】ところで、人の聴覚特性は、音の周波数及
びその強度に対して対数特性となっており、聴感上の処
理を行うに当たっては、上で得られた信号を全ての周波
数に渡って扱う必要はなく、通常、人の聴感に応じたオ
クタ−ブバンドレベル分析が行われる。オクタ−ブバン
ド分析とは、高域遮断周波数が低域遮断周波数の2倍に
あたる周波数帯域を通過帯域とするバンドパスフィルタ
を帯域が連続するように配置した時に各バンドパスフィ
ルタから得られる信号の電力の平均値を求める手法であ
る。このような手法により、聴感上意味のある信号だけ
が取り出されることになる。本実施例では、さらに詳細
に調べるため、1つの帯域を1/3オクターブに設定し
た1/3オクタ−ブ分析を採用した。
【0023】さらに、人の聴覚には、上述したようにマ
スキング効果と言われるもう一つの重要な特性がある。
それは、スペクトル空間上、互いに近傍にあるスペクト
ル、妨害音(マスカ)、信号音(マスキ−)は、相互に
影響を及ぼし合い、スペクトル強度の小さい方は知覚さ
れないかあるいは知覚しにくくなるというものである。
マスカの及ぼす影響は、妨害音周波数を中心にして図1
0(a)に示すように左右非対称となっている。図10
(a)は、365Hz〜455Hz、80dBの雑音信
号を入れた時の、各信号音の周波数に対する最小可聴曲
線と他のスペクトル線との関係を表わしたものであり、
この最小可聴曲線以上にある信号音(マスキ−)は、知
覚可能であり、以下にある信号は知覚不可能となる。ま
た、詳細は記さないが、この最小可聴曲線は一律ではな
く周波数依存性および強度依存性があり、人の聴覚特性
の基礎デ−タとして、その妨害音の中心周波数およびそ
の強度毎に最小可聴曲線が記憶装置32に記憶されてい
る。
【0024】また、マスキング現象における妨害音(マ
スカ)の周波数に関しては、臨界帯域幅というパラメ−
タが存在する。それは信号音周波数を中心にして、徐々
に妨害音(マスカ)の周波数幅を増やした場合、ある幅
以上に増加させてもマスキング効果が変わらない現象で
あり、それは、聴覚の持つ周波数バンド構造にほぼ一致
する。言い換えれば、聴覚では、同じバンドパスフィル
タを通過した成分どうしだけが、相互干渉(加減算)し
合うものであり、マスキング効果を考える上では、人の
聴感に応じたオクタ−ブバンドレベル分析が有効である
ことを示している。
【0025】従って、実際のマスクトスペクトル分析で
は、1/3オクタ−ブバンドレベル分析で算出されたそ
れぞれの周波数帯域(臨界帯域)内で、この妨害周波数
成分(マスカ)の及ぼす強度が上述の上記最小可聴曲線
により重み付けて積分され、その値が信号音強度から差
し引かれる。具体例として、バンド構造に変換されたス
ペクトルを図10(b)に示す。B3を信号音(マスキ
−)とみなした場合、信号音B3は、B1,B2,B4
の妨害音(マスカ)からそれぞれ妨害を受け、その周波
数帯内(B3内)で積分された雑音信号の強度が、信号
音強度を超える場合、その信号音は知覚できないので、
マスクトスペクトル分析の結果、B3の値はゼロと算出
される。また、妨害周波数成分の積分値が信号音強度を
下回る場合は、その差がマスクトスペクトル分析の結果
として算出される。このような処理が、各周波数帯(臨
界帯域)に対して行われるのが、マスクトスペクトル分
析である。
【0026】その結果、上記左右の両騒音信号は、図2
(b)、(c)に示されるように変換される。これが、
実際、人が左右の耳で知覚している車室内騒音の周波数
スペクトルであり、例えば、90Hz〜180Hzのス
ペクトル強度の強い周波数帯に着目すると、その右側は
マスキング効果で、そのスペクトル強度は、ほぼゼロと
なっている。また、そのスペクトル強度にも、騒音の到
来方向によって強度に差が生じる。例えば、図3(a)
に示すように、ある要素音がその波面と両耳を結ぶ線と
がなす角をθをもって到来した場合、両耳間への到達距
離の差が2r・sinθであるため、約2rsinθ/
v(vは、常温時の音速約340m/sec)の時間差
τをもって左耳に到達するとともに、右耳は、直接騒音
を感受するが、左耳は直接波が回り込んだ間接波を感受
することになるので、スペクトル強度は若干ながら、図
2の(c)に示すように例えば要素音スペクトルは小さ
くなる。逆に、ある周波数帯域(要素音)のマスクトス
ペクトルを相互に比較し、強度に差が生じていれば、強
度の強い方からその要素音が到来したことが、判別でき
る。この時に、左右の要素音の比率のある関数で方向を
特定することができる。例えば、比率が1であれば、正
面又は後方からその周波数帯域の音が到来していると判
定でき、右の要素音/左の要素音が十分に大きい場合に
は、右方から到来し、右の要素音/左の要素音が十分に
小さい場合には、左方から到来していると判定できる。
また、右の要素音/左の要素音が十分に大きい値と1の
間であれば、その比率が1から増加するに連れて、到来
方向を正面又は後方から右方向に変化しているとするこ
とができる。さらに、右の要素音/左の要素音が十分に
小さい値と1の間であれば、その比率が1から減少する
に連れて、到来方向を正面又は後方から左方向に変化し
ているとすることができる。このような音の大きさによ
る到来方向の判定は、ある周波数(例えば、1120Hz) 以
上の周波数帯域の音に対して有効である。
【0027】また、さらに要素音の到来方向を詳細に調
べるために、要素音到来方向算出装置6が次の処理を実
行する。この装置6もCPU30による所定プログラム
によるソフトウエア上の処理により実現されている。要
素音到来方向算出装置6では、同時刻性を持った2つの
時間軸上の騒音データ列(チャンネル1とチャンネル
2)に対して、FFTを行い前述した1/3オクターブ
バンド毎にスペクトルを抽出し、抽出されたスペクトル
を逆FFT変換して、各1/3オクターブバンドパスフ
ィルタを通過した時間軸上の波形を求める。この周波数
帯域bにおける時間軸上のデータ列をXbi(i=1、・
・N=2048)、Ybi(i=1、・・・N=204
8)とする。
【0028】この2チャンネルの各周波数帯域のデータ
列に対して、次の相互相関演算が実行される。
【数1】 Cbk=Σ(Xbi・Ybi+k)/N (iで加算) …(1) 但し、bは周波数帯域の番号、Nは時間軸上のサンプリ
ング点数、kは位相差番号である。
【0029】(1)式により、各b毎に、kに対するC
bkの変化特性を演算する。次に各b毎にCbkが最大値を
とるkを演算する。これにより、2つの信号において、
最も相互相関値の大きい位相差番号kが求められる。こ
の位相差番号kとサンプリング周期から、2つの信号の
各周波数帯域毎の時間差が演算される。この様子を図5
に示す。図5の曲線がCbkを示し、黒丸点がCbkが各周
波数帯域での最大値を示し、その点の横軸の値が時間差
である。
【0030】図5では、それぞれの走行速度(1)60
mile/h,(2)70mile/h,(3)80m
ile/hに対して収音された騒音に対して解析された
結果が示されている。図5のバンド番号bが8,7,
6,5である風切り音に相当する周波数帯が、左側マイ
クロフォンで遅れているのが示されている。即ち、この
要素音は右側から到来しており、上述の時間差の式2r
sinθ/vよりその到来方向θが算出される。また、
同様に、他の要素音(こもり音、路面音、エンジン音)
に対しても、一連の処理で算出される。
【0031】さらに、これらの要素音は、風の方向ある
いは路面状態などによって、通常変動しているため、到
来方向の算出に当たっては、一定の時間(例えば1秒置
き)毎、上記分析が行われ、その頻度が求められる必要
がある。図6は、一秒置きに周波数帯域番号7番を分析
して得られた音の方向とその大きさを記したグラフであ
り、θが60°〜90°の範囲に多数発生しており、そ
の方向から騒音が到来したことが示されている。このよ
うに、車室内で測定される全ての周波数帯について、分
析すれば、その到来方向と大きさが分析されるので、各
周波数帯域を有する要素音の発生場所が特定できる。
(図7)
【0032】また、人の中枢神経系では、低周波の騒音
に関しては、上述の時間差で到来を感知し、高周波に関
してはスペクトルの強度差で方向を感知していることが
知られており、またその要素音の到来方向が明確な程、
異音すなわち不快音と認識する聴覚特性も知られてい
る。このような、中枢神経あるいは聴覚特性に従って、
上で得られた様々な算出値をもとに、聴感上不快度算出
装置8で、それぞれの要素音が評価される。
【0033】つまり、図8に示すような風切り音を評価
する場合、大きく2つの処理過程に分けられる。1つ
は、上述の聴感上大きさ算出装置4で得られた、騒音の
マスクトスペクトルのうち、1120Hz以上の高周波
帯の強度を得る過程であり、他方は、左右相関分析およ
び方向が明確な帯域算出過程を含む要素音到来算出装置
6による処理過程であり、そこで得られた1120Hz
以下の低周波帯の強度の総和(方向が30°〜90°)
を求めるものである。そして、両処理過程で得られた強
度の和が、人の中枢神経系上での統合処理に匹敵し、最
終的な要素音の到来方向の明確度を表わす指標、すなわ
ち不快度を表わす指標となる。
【0034】このような処理で得られた風切り音の評価
値と、多数の被験者を通して得られた官能評価値との相
関を表わしたものが図9である。極めて高い相関係数
(r=0.95)を示しており、本発明による一連の処
理はきわめて有効であり、その算出された値は、新たに
騒音を評価する値として使用できる。
【0035】以上、本発明を表わす1実施例を示した
が、他にさまざまな変形例が考えられる。例えば、本実
施例では、複数のマイクロフォンからの騒音信号を一旦
DAT等の収録装置に取り込み、その後計算機により解
析するオフライン処理を行ったが、図11に示す様に、
複数のマイクロフォンからの騒音デ−タを直接A/D変
換計算機に取り込んで処理をする、所謂リアルタイム処
理としてもよい。また、聴感上騒音大きさ算出装置で
は、計算機を含めたFFT(高速フ−リエ変換)等のプ
ログラム手段を用いたが、図11に示す様に電子回路か
らなるFFTアナライザ−40を採用し、その出力を記
憶媒体に取り込んでもよい。
【0036】また、本実施例で使用したオクタ−ブバン
ドレベル分析も記憶媒体に取り込まれた騒音信号に対し
て、プログラム上でオクタ−ブバンドレベル以外の周波
数帯を取り除いたが、一旦、図示はしないD/A変換器
でアナログ信号として取り出し、電子回路で構成された
オクタ−ブバンドパスフィルタを通過させ、A/D変換
して再び計算機に取り込んでもよい。また、本実施例で
は、説明を簡略化するため、マイクロフォンをダミ−ヘ
ッドの耳位置に2個設置して、時間差、強度差を伴った
複数の騒音を取り込んだが、さらに頭部に第三のマイク
ロフォンを設け、上下方向をも探索できる騒音評価装置
としてもよい。また、到来方向のみ算出したが、3つの
マイクロフォンを用いて、3つの信号の各周波数帯域毎
の2つの時間差を上述のように演算し、音波の伝搬に関
する球面方程式を2つ立てて、これを解くことで、音源
の位置を特定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例装置に係る騒音評価装置を示
した構成図。
【図2】聴感上騒音大きさ算出装置によって、算出され
た周波数スペクトルと両耳が知覚する聴感上の信号スペ
クトルを表わす特性図。
【図3】到来した騒音が処理される両耳聴信号処理モデ
ルを示す説明図。
【図4】本実施例装置をコンピュータシステムで構成し
た場合のブロック図。
【図5】騒音到来方向算出装置で得られた各周波数帯域
毎の2つの音波の相関値曲線とその音波の時間差とを示
した特性図。
【図6】測定された騒音に対してある周波数帯の騒音が
到来する方向を求め、その方向の頻度を示した特性図。
【図7】測定された騒音に対して周波数帯毎の騒音の到
来する方向とその大きさを求めた結果を示した特性図。
【図8】要素音評価の一つである風切り評価の処理の流
れを示した説明図。
【図9】聴感上不快度算出装置で得られた値と官能評価
値との相関を表わす特性図。
【図10】マスクトスペクトル分析において、知覚され
る信号と知覚されない信号を説明した説明図。
【図11】本発明の他の変形例を示したブロック図。
【符号の説明】
2 騒音検出装置 4 聴感上騒音大きさ算出装置 6 要素音到来方向算出装置 8 聴感上不快度算出装置 20 騒音信号収集装置 21、22 マイクロフォン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】到来する騒音を分析して騒音の到来方向を
    決定する騒音分析装置において、 到来する騒音を同時刻に複数の個所で検出する騒音検出
    手段と、 該騒音検出手段によって検出された複数の騒音信号に対
    して、人の聴感上の大きさに変換するための分析法であ
    るバンドレベル分析およびマスクトスペクトル分析を行
    い、聴感上の騒音の大きさを各周波数帯域ごとに算出す
    る聴感上騒音大きさ算出手段と、 上記騒音検出手段によって得られた複数の騒音信号に基
    づいて、各周波数帯域毎に相互相関分析を行うことによ
    り、騒音を形成する要素音の到来方向を算出する要素音
    到来方向算出手段とを備えたことを特徴とする騒音分析
    装置。
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