JP3626565B2 - 冷却用スプレーノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に連続鋳造機における鋳片の冷却用スプレーノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続鋳造機における鋳片冷却用スプレーノズルの流量制御範囲は、冷媒を供給するポンプ能力と配管圧損によって上限が決まり、下限流量は被冷却物である鋳片等への安定的に噴霧可能な流量で決定される。この下限流量はスプレーノズルの設置レイアウト(ノズル設置間隔と設置高さ)にも依存するものである。
【0003】
スプレーノズル単体性能は一般に冷媒の供給圧力により次式の如く決まる。 Q=K・√P
ここで、Qは流量、Pは圧力、Kはノズル定数を示す。つまり、ある型番(ノズル定数)のノズルを選択すると流量はその冷媒供給圧力によって一意に決まり、上述の上下限流量は上限の圧力と下限の圧力を規制していることになる。
【0004】
従来、ノズル単体の流量制御範囲より大きな流量制御が必要な場合には、冷却装置が許容する上限圧力を満足する大流量ノズルと噴霧特性上必要な下限流量を満足する小流量ノズルの複数型式ノズルを同一冷却装置内に配置し、制御する方法(特公平5−7448号公報)が提案されている。
【0005】
一方、単一ノズル型式で広範囲に流量制御する方法としては、二流体ノズル(気水ノズルとも呼ばれている)がある。これは冷却媒体となる一つの流体にもう一つの作動流体を搬送させて、上述の流体圧力を次式の如く可変させるものである。
Q=K・√(PW −PA )
ここで、PW は冷媒の圧力、PA は作動流体の圧力を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の特公平5−7448号公報の方法では、複数型式のノズルを設置する必要があるため冷却装置内に十分な設置スペースが必要であり、連続鋳造機の二次冷却設備のような狭い冷却装置には採用出来ないし、仮に設置スペースがあったとしても、配管及び制御システムが複数化することから設備費が高くなる欠点がある。
また、二流体方式のノズルも上述の一流体ノズル(スプレーノズル)に比べて流量制御範囲は一般に二倍程度と広いが、配管が複雑になり設置スペースの制約や設備コストが高くなることから、連続鋳造機においては限られた部位にしか採用されていない。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、冷媒流量を広範囲に制御可能にする鋼材冷却用スプレーノズルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、冷却用スプレーノズルにおいて、ノズルチップ内の冷媒通路面積が冷媒の供給圧力によって自動的に可変するオリフィスを有し、低流量時には通路面積が狭くなり、高流量時には広くなることによって、冷媒流量を広範囲に制御可能にすることを特徴とする冷却用スプレーノズルである。
【0009】
つまり、上述のノズル単体性能を示す式で説明すると次の如くである。
Q=KB ・√P
ここで、KB は冷媒の圧力によって自動的に可変するノズル定数であり、本発明の基本的考え方である。
【0010】
すなわち本発明は、鋼材冷却用スプレーノズルにおいて、ノズルチップ内の冷媒通路面積が冷媒の圧力によって自動的に可変するオリフィスを有し、低流量時には通路面積が狭くなり、高流量時には広くなることによって、冷媒流量を広範囲に制御可能にすることを特徴とする冷却用スプレーノズルである。
【0011】
本発明は、連続鋳造機における鋳片冷却用スプレーノズルにおいて、その噴霧流量を広範囲に制御することが可能であり、従来技術のように複数形式のノズルを複雑に組み合わせるとか、二流体ノズルを採用することなく、単一のノズル形式でシンプル且つ安価な配管設計を容易にし、連続鋳造機のような狭い設置スペースにも対応可能とする技術である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
図1は従来のスプレーチップを表わす図である。(a)は、スプレーチップを吐出口正面から見た図である。(b)は、(a)のA−A矢視図である。スプレーチップ1内には、冷媒が均一に吐出口2から噴出する目的でスプレーチップ内で冷媒が旋回流となるように半円形の二枚の邪魔板3をノズル軸方向に前後に各々傾斜させて設置している。これら半円形の邪魔板3は、流れ方向に垂直な方向からの投影図がX字状となるように接続したオリフィスの形となっている。
【0013】
図1(c)は、邪魔板3のみの斜視図である。図示するように、オリフィスのX字状の上下の三角状の隙間が冷媒の通路であり、この三角状の隙間面積の大小で冷媒流量が決まる。
【0014】
【実施例】
[実施例1]
図2は、本発明の実施例の一つである。(a)は冷媒流量が比較的小流量のときの状態であり、(b)は大流量の状態である。本実施例では、邪魔板13自体の構成は、図1のものと同じであるが、該邪魔板13の上流側が通常の剛性のある板材13aで、下流側がゴムなどの弾性体13bでできており、各端部はスプレーチップ内壁に固定されている。このスプレーノズルを用いる場合、図2(b)のように冷媒供給路16からの冷媒の供給圧力が高くなった場合、この弾性体13bが下流側に膨らみ、冷媒通路である三角状隙間の面積が大きくなり、冷媒が大流量流れる。即ち、冷媒の供給圧力を変化させることにより冷媒流量を変化させることが出来る。図において、11はスプレーチップ本体、12は吐出口である。
【0015】
[実施例2]
図3は、本発明の他の一実施例である。各々の邪魔板は、その上流側の板13aの先端14はスプレーチップ本体11に固定しているが、下流側の弾性体の先端15は、固定せず可動としている。更に、下流側の邪魔板はゴムなどの弾性体13bで出来ている。従って、冷媒の供給圧力が大きくなると、邪魔板の弾性体部分13bは下流側に湾曲し(図3(b)参照)、冷媒の通路である三角状隙間の面積は大きくなり、冷媒の流量は、増大する。即ち、冷媒の供給圧力を変化させることにより冷媒流量を変化させることができ、この例では冷媒流量の変動範囲は図2の例より大きくなる。
【0016】
ここで、弾性体13bの弾性力は冷媒の必要流量制御範囲によって最適なものを選択する必要が有り、事前に噴霧試験等を実施して決定する。この弾性体の材質は圧縮永久歪みの少ないフッ素ゴム等が優れており、使用する環境に応じて、耐摩耗性・耐腐食性・耐温度等を考慮して決定する。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスプレーノズルによれば下記の効果が達成できる。図4に実施例で示したスプレーノズルのP−Q特性をA〜Eに示すが、何れも噴霧水量は冷媒のノズル背圧の平方根に比例しており、先に述べたQ=K・√Pの式に従う。
本発明のスプレーノズルは、上式のノズル定数Kが流量(圧力)によって変化するため、従来のスプレーノズルのP−Q特性を横断するような特性を示し、その流量制御範囲は二流体ノズルである気水ノズルをも超える非常に広い制御範囲を単一ノズルで実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のスプレーノズル構造。
【図2】本願発明の一実施例を表わす図。
【図3】本願発明の一実施例を表わす図。
【図4】スプレーノズルのP−Q特性。
【符号の説明】
11 スプレーチップ本体
12 吐出口
13 邪魔板
14 上流側の邪魔板の先端
15 下流側の弾性体の先端
16 冷媒供給路
Claims (2)
- 冷媒通路に内蔵のオリフィスが、半円状の板を互いに冷媒流れ方向に対して前後に傾斜させ、流れ方向に垂直な方向からの投影図がX字状となるように接続したオリフィスであって、前記傾斜した半円状の各々の板について冷媒の下流側の部位を弾性体とすることにより、前記オリフィスが冷媒の供給圧力によって冷媒通路断面積が自動的に可変し、低流量時には通路面積が狭くなり、高流量時には広くなることによって、冷媒流量を広範囲に制御可能としたことを特徴とする冷却用スプレーノズル。
- 冷媒通路に内蔵のオリフィスが、半円状の板を互いに冷媒流れ方向に対して前後に傾斜させ、流れ方向に垂直な方向からの投影図がX字状となるように接続したオリフィスであって、前記傾斜した半円状の各々の板について冷媒の上流側をスプレーチップ本体に固定し、下流側を可動とし、且つ、可動側の板の部位を弾性体とすることにより、前記オリフィスが冷媒の供給圧力によって冷媒通路断面積が自動的に可変し、低流量時には通路面積が狭くなり、高流量時には広くなることによって、冷媒流量を広範囲に制御可能としたことを特徴とする冷却用スプレーノズル。
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JPH10128164A JPH10128164A (ja) | 1998-05-19 |
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1996
- 1996-10-31 JP JP28944596A patent/JP3626565B2/ja not_active Expired - Fee Related
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