JP3626435B2 - Polyester resin and molded product comprising the same - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出成形品および射出成形品に用いられるポリエステル樹脂に関し、さらに詳しくは、ポリエチレンテレフタレート樹脂よりも耐衝撃性に優れ、かつ透明性と耐熱性を有するポリエステル樹脂およびそれからなる押出成形品および射出成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと記す)に代表されるポリエステル樹脂は、優れた機械的特性、耐熱性、耐薬品性を有するためにボトル、フィルム、シート、繊維として広く使用されている。また、優れた透明性に注目して、波板やチューブなどの押出成形品や化粧品容器、ビールグラス、日用雑貨などの射出成形品として利用する試みがなされている。しかしながら、一般的なPET樹脂は耐衝撃性に劣り割れやすく、耐衝撃性を要望される押出成形品や射出成形品などの用途には用いることができない。
【0003】
一方、代表的な耐衝撃性を有する樹脂として軟質ポリ塩化ビニル樹脂が挙げられる。軟質ポリ塩化ビニル樹脂は、柔軟性、透明性、耐熱性、成形性に優れた樹脂として、シート、フィルム、チューブなどの押出成形品として広く利用されている。しかし、この優れた特性とは別に、材料内に塩素を多量に含んでいることからごみ焼却時のダイオキシン発生源として問題視されており、さらに耐衝撃性を持たせるために多量に添加されるフタル酸エステルをはじめとする可塑剤に対しても環境ホルモンとしての作用が疑われている。
【0004】
軟質塩化ビニル樹脂に代わる耐衝撃性樹脂として、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂がある。これらの樹脂は耐衝撃性に優れるものの、押出成形品や射出成形品に要求される透明性が得られない。
【0005】
また、特開昭57−192452号公報や特開平3−252419号公報には、ダイマー酸またはダイマージオールを共重合した耐衝撃性を有するポリエステル樹脂が提案されているが、長鎖の脂肪族化合物を使用することによる耐熱性の低下は避けられない。
【0006】
本発明者らは、耐衝撃性に優れ、かつ透明性と耐熱性を有するポリエステル樹脂の開発に取り組み、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、2−メチル−1,3−プロパンジオールと、1,4−シクロヘキサンジメタノールをジオール成分として用いることにより耐衝撃性に優れた透明耐熱ポリエステル樹脂が得られることを発見し本発明に到達した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、耐衝撃性に優れ、かつ透明性と耐熱性を有するポリエステル樹脂およびそれからなる成形品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、テレフタル酸をジカルボン酸成分として80モル%以上含有し、10〜90モル%の2−メチル−1,3−プロパンジオールと、10〜90モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールをジオール成分とするポリエステル樹脂によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステル樹脂の酸成分は主としてテレフタル酸を用いるが、少量の他のジカルボン酸成分を用いる事もできる。具体的には、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。これらは単独でも2種以上を使用することもできるが、ジカルボン酸成分全体の50モル%未満であることが好ましい。
【0010】
本発明のポリエステル樹脂は、10〜90モル%の2−メチル−1,3−プロパンジオールと、10〜90モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールをジオール成分として用いる。ジオール成分の組成は、好ましくは50〜70モル%の2−メチル−1,3−プロパンジオールと、30〜50モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールである。1,4−シクロヘキサンジメタノールの量が10モル%より少ない場合は、得られるポリエステル樹脂の耐熱性および耐衝撃性が不十分となり、90モル%より多い場合は結晶化速度が速くなるために得られるポリエステル樹脂成形品の透明性が低下する。
【0011】
本発明のポリエステル樹脂は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールとを主成分とする原料を、アンチモン、チタン、ゲルマニウム、スズ、亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素含有化合物を触媒として、エステル化反応工程、液相重縮合反応工程、必要に応じて固相重合反応工程により製造される。
【0012】
エステル化反応工程は、240〜280℃の温度で、20〜300kPaの圧力において行われる。この際、テレフタル酸とジオール成分とのエステル化反応によって生成した水のみ系外に放出される。このエステル化反応工程において、塩基性化合物を少量添加した場合、副反応生成物の少ないポリエステルが得られる。このような塩基性化合物として、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルメチルアミンなどの3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウムなどの4級アミンなどが挙げられる。
【0013】
液相重縮合反応工程は、アンチモン、チタン、ゲルマニウム、スズ、亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素含有化合物触媒の存在下、250〜300℃の温度で、13.3〜665Paの減圧下において行われる。液相重縮合反応工程では、上記エステル化反応工程において得られたテレフタル酸とジオール成分との低次縮合物から、未反応のジオール成分を系外に留去させる。
【0014】
本発明で用いられる重縮合反応触媒としては、二酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシドなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酒石酸アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物、テトラブチルチタネートなどのチタン化合物、酢酸スズなどのスズ化合物、酢酸亜鉛などの亜鉛化合物が挙げられる。中でも、重合反応速度の点でチタン化合物が好ましい。重縮合反応触媒は、所定触媒濃度の水溶液または2−メチル−1,3−プロパンジオール溶液として添加される。
【0015】
重縮合反応触媒の添加量は、得られるポリエステル樹脂の酸成分1モルに対して1×10−5〜1×10−3モルの量であることが、重縮合反応速度の点から好ましい。
【0016】
液相重縮合反応工程において、ポリエステル樹脂の熱分解などの副反応を防止するために安定剤を添加しても良い。安定剤としては、トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリフェニルリン酸などのリン酸エステル、亜リン酸、ポリリン酸などのリン化合物、ヒンダードフェノール系の化合物などが挙げられる。
【0017】
安定剤の添加量は、得られるポリエステル樹脂の酸成分1モルに対して1×10−5〜1×10−3モルの量であることが、熱分解防止効果および重縮合反応速度の点から好ましい。
【0018】
本発明の液相重縮合反応工程で得られるポリエステル樹脂の極限粘度は、0.40〜0.90dl/gである。
【0019】
本発明のポリエステル樹脂は、DSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度10℃/分にて測定したガラス転移温度が50℃以上のものである。ガラス転移温度が50℃より低い場合は、得られる成形品の耐熱性が不十分である。
【0020】
本発明のポリエステル樹脂は、密度が1.30g/cm以下のものであることが好ましい。密度がこの範囲にあることで、結晶化しにくく透明性に優れたポリエステル樹脂成形品が得られるために好ましい。
【0021】
本発明のポリエステル樹脂は、公知の方法によって押出成形品および射出成形品に成形される。例えば、シート押出成形品は、ポリエステル樹脂をベント付シート押出成形機に供給し、樹脂の溶融温度において所定のTダイからシート上に押出し、冷却ロールにより冷却固化することにより得られる。また、射出成形品は、ポリエステル樹脂を乾燥により水分率を100ppm以下とした後射出成形機に供給し、樹脂の溶融温度において所定形状の金型に射出成形し、金型内で冷却固化することにより得られる。
【0022】
【発明の効果】
本発明のポリエステル樹脂は、耐衝撃性に優れており、かつ透明性と耐熱性を有するために押出成形品および射出成形品として広く使用することができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。各物性の測定および評価は下記の方法に従った。
【0024】
(1)極限粘度(IV)
ポリエステル樹脂をフェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合液に溶かし、自動粘度測定装置(柴山科学製 SS−270LC)を用いて20℃にて測定した。
【0025】
(2)ガラス転移温度
パーキンエルマー社製DSC(示差走査熱量計)を用いて、昇温速度10℃/分にて測定した。
【0026】
(3)ポリエステル構成成分の定量(NMR測定)
ポリエステル樹脂をトリフルオロ酢酸とクロロホルムの1:1(重量比)混合溶液に溶解し、テトラメチルシランを標品として混合して、バリアン社製FT−NMR(型式300MG)を用いて測定した。
【0027】
(4)柔軟性(曲げ弾性率)
本発明のポリエステル樹脂を乾燥後、巾6.0±0.4mm、高さ13.0mm、長さ130mmの曲げ試験片に溶融成形し、曲げ試験機(オリエンテック社製テンシロン型式RTM−500)によりJIS K 7171に準じて測定した。
○:曲げ弾性率2.5MPa未満
×:曲げ弾性率2.5MPa以上
【0028】
(5)透明性(プレートへーズ)
本発明のポリエステル樹脂を乾燥後、厚み7mmの平板プレートに溶融成形し、ヘーズメーター(日本電色社製 ヘーズメーター300A)によりJIS K7105に準じて測定した。
○:ヘーズ1.0%未満
×:ヘーズ1.0%以上
【0029】
(6)耐熱性(熱変形温度)
本発明のポリエステル樹脂を乾燥後、巾6.0±0.4mm、高さ13.0mm、長さ130mmの曲げ試験片に溶融成形し、荷重たわみ温度試験機(東洋精機製作所製 ヒートデストーションテスタ 型式S3−MH)によりJIS K7207に準じて測定した。(昇温速度120℃/時間、荷重0.451MPa)
○:熱変形温度40℃以上。
×:熱変形温度40℃未満。
【0030】
(7)耐衝撃性(アイゾット衝撃強度)
本発明のポリエステル樹脂を乾燥後、厚さ6.35mmのノッチ付アイゾット衝撃試験片に溶融成形し、アイゾット衝撃試験機(上島製作所製 UFインパクトテスター)によりJIS K7110に準じて測定した。
【0031】
実施例1〜6、比較例1〜4
ポリエステルの製造工程
ステンレス製オートクレーブに表1〜3に示した所定量のジカルボン酸成分とグリコール成分を、グリコール成分が酸成分に対してモル比1.2となるように仕込み、250℃、300kPaにてエステル化反応を行った。エステル化反応終了後、所定量のチタニウムテトラブトキシドを重縮合触媒として加え、285℃、133Paの減圧下で重縮合反応を行なった。チタニウムテトラブトキシドは2重量%のグリコール溶液として添加した。重縮合反応後のポリエステルはガット状に押出した後、水中カッターを用いて切断した。得られたポリエステル樹脂のNMRによって解析した組成および物性評価結果を表1〜表3に示す。
【0032】
【表1】

Figure 0003626435
【0033】
【表2】
Figure 0003626435
【0034】
【表3】
Figure 0003626435
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyester resin used for an extrusion molded article and an injection molded article. More specifically, the present invention relates to a polyester resin that has better impact resistance than polyethylene terephthalate resin and has transparency and heat resistance, and an extrusion molded article comprising the same. The present invention relates to an injection molded product.
[0002]
[Prior art]
Polyester resins typified by polyethylene terephthalate (hereinafter referred to as PET) are widely used as bottles, films, sheets, and fibers because they have excellent mechanical properties, heat resistance, and chemical resistance. Further, attention has been paid to excellent transparency, and attempts have been made to use it as an extrusion-molded product such as a corrugated sheet or tube, or as an injection-molded product such as a cosmetic container, beer glass, or daily goods. However, general PET resin is inferior in impact resistance and easily cracked, and cannot be used for applications such as extrusion molded products and injection molded products that require impact resistance.
[0003]
On the other hand, a soft polyvinyl chloride resin can be given as a representative resin having impact resistance. Soft polyvinyl chloride resins are widely used as extruded products such as sheets, films, and tubes as resins having excellent flexibility, transparency, heat resistance, and moldability. However, apart from this excellent characteristic, it is regarded as a problem as a source of dioxin generation at the time of waste incineration because it contains a large amount of chlorine in the material, and it is added in a large amount to give further impact resistance It is suspected of acting as an environmental hormone on plasticizers such as phthalates.
[0004]
As impact-resistant resins that can replace soft vinyl chloride resins, there are polyolefin resins such as polyethylene and polypropylene. Although these resins are excellent in impact resistance, the transparency required for extrusion molded products and injection molded products cannot be obtained.
[0005]
Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 57-192252 and 3-252419 propose a polyester resin having impact resistance obtained by copolymerization of dimer acid or dimer diol. A decrease in heat resistance due to the use of is inevitable.
[0006]
The present inventors worked on the development of a polyester resin having excellent impact resistance and transparency and heat resistance, using terephthalic acid as a main dicarboxylic acid component, 2-methyl-1,3-propanediol, It was discovered that a transparent heat-resistant polyester resin excellent in impact resistance can be obtained by using 4-cyclohexanedimethanol as a diol component, and the present invention has been achieved.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a polyester resin that eliminates the above-mentioned problems of the prior art, has excellent impact resistance, and has transparency and heat resistance, and a molded product comprising the same.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The purpose is to contain terephthalic acid as a dicarboxylic acid component in an amount of 80 mol% or more, 10 to 90 mol% 2-methyl-1,3-propanediol and 10 to 90 mol% 1,4-cyclohexanedimethanol. This is achieved by using a polyester resin as a diol component.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The acid component of the polyester resin of the present invention is mainly terephthalic acid, but a small amount of other dicarboxylic acid components can also be used. Specifically, aliphatic dicarboxylic acids such as adipic acid, oxalic acid, malonic acid, succinic acid, azelaic acid, sebacic acid, aromatic dicarboxylic acids such as isophthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, diphenyldicarboxylic acid, Examples thereof include alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid, and dimer acids. These may be used alone or in combination of two or more, but it is preferably less than 50 mol% of the entire dicarboxylic acid component.
[0010]
The polyester resin of the present invention uses 10 to 90 mol% 2-methyl-1,3-propanediol and 10 to 90 mol% 1,4-cyclohexanedimethanol as diol components. The composition of the diol component is preferably 50 to 70 mol% 2-methyl-1,3-propanediol and 30 to 50 mol% 1,4-cyclohexanedimethanol. When the amount of 1,4-cyclohexanedimethanol is less than 10 mol%, the resulting polyester resin has insufficient heat resistance and impact resistance, and when it exceeds 90 mol%, the crystallization rate is increased. The transparency of the molded polyester resin product is reduced.
[0011]
The polyester resin of the present invention comprises a raw material mainly composed of terephthalic acid or an ester-forming derivative thereof, 2-methyl-1,3-propanediol and 1,4-cyclohexanedimethanol, antimony, titanium, germanium, Using at least one metal element-containing compound selected from the group consisting of tin and zinc as a catalyst, it is produced by an esterification reaction step, a liquid phase polycondensation reaction step, and, if necessary, a solid phase polymerization reaction step.
[0012]
The esterification reaction step is performed at a temperature of 240 to 280 ° C. and a pressure of 20 to 300 kPa. At this time, only water generated by the esterification reaction of terephthalic acid and a diol component is released out of the system. In this esterification reaction step, when a small amount of a basic compound is added, a polyester with few side reaction products is obtained. Examples of such basic compounds include tertiary amines such as triethylamine, tributylamine, and benzylmethylamine, and quaternary amines such as tetraethylammonium hydroxide, tetrabutylammonium hydroxide, and trimethylbenzylammonium hydroxide.
[0013]
The liquid phase polycondensation reaction step comprises 13.3 to 665 Pa at a temperature of 250 to 300 ° C. in the presence of at least one metal element-containing compound catalyst selected from the group consisting of antimony, titanium, germanium, tin, and zinc. Performed under reduced pressure. In the liquid phase polycondensation reaction step, unreacted diol component is distilled out of the system from the low-order condensate of terephthalic acid and diol component obtained in the esterification reaction step.
[0014]
Examples of the polycondensation reaction catalyst used in the present invention include germanium compounds such as germanium dioxide, germanium tetraethoxide, and germanium tetrabutoxide, antimony compounds such as antimony trioxide, antimony pentoxide, antimony tartrate, and antimony acetate, and tetrabutyl titanate. A titanium compound, a tin compound such as tin acetate, and a zinc compound such as zinc acetate. Among these, a titanium compound is preferable in terms of the polymerization reaction rate. The polycondensation reaction catalyst is added as an aqueous solution having a predetermined catalyst concentration or a 2-methyl-1,3-propanediol solution.
[0015]
The addition amount of the polycondensation reaction catalyst is preferably 1 × 10 −5 to 1 × 10 −3 mol per mol of the acid component of the polyester resin obtained from the viewpoint of the polycondensation reaction rate.
[0016]
In the liquid phase polycondensation reaction step, a stabilizer may be added to prevent side reactions such as thermal decomposition of the polyester resin. Examples of the stabilizer include phosphoric esters such as trimethyl phosphoric acid, triethyl phosphoric acid, and triphenyl phosphoric acid, phosphorous compounds such as phosphorous acid and polyphosphoric acid, hindered phenol compounds, and the like.
[0017]
The addition amount of the stabilizer is an amount of 1 × 10 −5 to 1 × 10 −3 mol with respect to 1 mol of the acid component of the obtained polyester resin, from the viewpoint of the thermal decomposition preventing effect and the polycondensation reaction rate. preferable.
[0018]
The intrinsic viscosity of the polyester resin obtained in the liquid phase polycondensation reaction step of the present invention is 0.40 to 0.90 dl / g.
[0019]
The polyester resin of the present invention has a glass transition temperature of 50 ° C. or higher measured by a DSC (differential scanning calorimeter) at a temperature rising rate of 10 ° C./min. When the glass transition temperature is lower than 50 ° C., the resulting molded article has insufficient heat resistance.
[0020]
The polyester resin of the present invention preferably has a density of 1.30 g / cm 3 or less. It is preferable for the density to be in this range since a polyester resin molded product that is difficult to crystallize and has excellent transparency can be obtained.
[0021]
The polyester resin of the present invention is molded into an extrusion molded product and an injection molded product by a known method. For example, a sheet extruded product is obtained by supplying a polyester resin to a vented sheet extruder, extruding the sheet from a predetermined T die onto the sheet at the melting temperature of the resin, and cooling and solidifying with a cooling roll. In addition, for injection-molded products, the polyester resin is dried to a moisture content of 100 ppm or less, then supplied to an injection molding machine, injection-molded into a mold with a predetermined shape at the resin melting temperature, and cooled and solidified in the mold. Is obtained.
[0022]
【The invention's effect】
The polyester resin of the present invention is excellent in impact resistance and has transparency and heat resistance, so that it can be widely used as an extrusion molded product and an injection molded product.
[0023]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail by way of examples. Each physical property was measured and evaluated according to the following methods.
[0024]
(1) Intrinsic viscosity (IV)
The polyester resin was dissolved in a mixed solution of phenol / tetrachloroethane = 60/40 (weight ratio) and measured at 20 ° C. using an automatic viscosity measuring device (SS-270LC manufactured by Shibayama Kagaku).
[0025]
(2) Glass transition temperature The glass transition temperature was measured using a DSC (differential scanning calorimeter) manufactured by Perkin Elmer Co., Ltd. at a temperature rising rate of 10 ° C./min.
[0026]
(3) Determination of polyester constituents (NMR measurement)
The polyester resin was dissolved in a 1: 1 (weight ratio) mixed solution of trifluoroacetic acid and chloroform, mixed with tetramethylsilane as a standard, and measured using FT-NMR (Model 300MG) manufactured by Varian.
[0027]
(4) Flexibility (flexural modulus)
After drying the polyester resin of the present invention, it is melt-molded into a bending test piece having a width of 6.0 ± 0.4 mm, a height of 13.0 mm, and a length of 130 mm, and a bending test machine (Tensilon type RTM-500 manufactured by Orientec Co., Ltd.). According to JIS K 7171.
○: Bending elastic modulus less than 2.5 MPa ×: Bending elastic modulus of 2.5 MPa or more
(5) Transparency (plate haze)
The polyester resin of the present invention was dried, melt-molded into a flat plate having a thickness of 7 mm, and measured according to JIS K7105 using a haze meter (Nippon Denshoku Co., Ltd., haze meter 300A).
○: Haze less than 1.0% ×: Haze 1.0% or more
(6) Heat resistance (heat distortion temperature)
After drying the polyester resin of the present invention, it is melt-molded into a bending test piece having a width of 6.0 ± 0.4 mm, a height of 13.0 mm, and a length of 130 mm, and subjected to a load deflection temperature tester (a heat distortion tester manufactured by Toyo Seiki Seisakusho). Measured according to JIS K7207 by model S3-MH). (Temperature increase rate 120 ° C / hour, load 0.451 MPa)
○: Thermal deformation temperature of 40 ° C. or higher.
X: Thermal deformation temperature of less than 40 ° C.
[0030]
(7) Impact resistance (Izod impact strength)
The polyester resin of the present invention was dried, melt-molded into a 6.35 mm thick notched Izod impact test piece, and measured according to JIS K7110 using an Izod impact tester (UF impact tester manufactured by Ueshima Seisakusho).
[0031]
Examples 1-6, Comparative Examples 1-4
Manufacturing process of polyester A stainless steel autoclave is charged with a predetermined amount of dicarboxylic acid component and glycol component shown in Tables 1 to 3 so that the glycol component has a molar ratio of 1.2 with respect to the acid component. The esterification reaction was performed. After completion of the esterification reaction, a predetermined amount of titanium tetrabutoxide was added as a polycondensation catalyst, and a polycondensation reaction was carried out under reduced pressure at 285 ° C. and 133 Pa. Titanium tetrabutoxide was added as a 2 wt% glycol solution. The polyester after the polycondensation reaction was extruded into a gut shape and then cut using an underwater cutter. Tables 1 to 3 show the composition and physical property evaluation results of the obtained polyester resin analyzed by NMR.
[0032]
[Table 1]
Figure 0003626435
[0033]
[Table 2]
Figure 0003626435
[0034]
[Table 3]
Figure 0003626435

Claims (2)

テレフタル酸をジカルボン酸成分として80モル%以上含有し、10〜90モル%の2−メチル−1,3−プロパンジオールと、10〜90モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールをジオール成分とするポリエステルであって、該ポリエステルのガラス転移温度が50℃以上であることを特徴とするポリエステル樹脂。 Containing 80 mol% or more of terephthalic acid as a dicarboxylic acid component, and 10-90 mol% 2-methyl-1,3-propanediol and 10-90 mol% 1,4-cyclohexanedimethanol as diol components A polyester resin, wherein the polyester has a glass transition temperature of 50 ° C. or higher. テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、10〜90モル%の2−メチル−1,3−プロパンジオールと、10〜90モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルであって、該ポリエステルのガラス転移温度が50℃以上であることを特徴とするポリエステル樹脂からなる成形品。A polyester comprising terephthalic acid as a main dicarboxylic acid component, and comprising 10 to 90 mol% of 2-methyl-1,3-propanediol and 10 to 90 mol% of 1,4-cyclohexanedimethanol, A molded article comprising a polyester resin having a glass transition temperature of 50 ° C or higher.
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