JP3626426B2 - ガイド支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばガイドレールなどのガイド体に対し、引戸体などの被取付部材を移動可能に支持するガイド支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガイド支持装置としては、例えば特開平10−266680号公報に記載の構成が知られている。
【0003】
この特開平10−266680号公報に記載のガイド支持装置は、被取付部材としての引戸体の戸当り面の両側の上端角部にそれぞれ形成した埋設凹部にケース体が埋設されている。そして、このケース体に形成した嵌合孔には、ガイド調整部材が回動可能に嵌合されている。また、このガイド調整部材には、このガイド調整部材の回動中心から偏心した位置に嵌合孔が形成されており、この嵌合孔には、ガイド体としてのガイドレールに対する引戸体の建て付け位置を調整するガイドが嵌合されている。
【0004】
そして、このガイドには、ガイドレールに対する引戸体の建て付け位置を操作する操作部が設けられている。この操作部は、側方から六角スパナを嵌合させてこの操作部を回転させることができるように、横断面が正六角形状に形成されている。また、ガイドには、ガイドレールに対して移動可能に嵌合される受座体が取り付けられている。
【0005】
このため、六角スパナでガイドの操作部をケース体に対して回転させることにより、ガイド調整部材が回転するので、引戸体を建て付け調整する厚み方向に移動して引き戸体間が建て付け操作される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開平10−266680号公報に記載のガイド支持装置では、操作部に六角スパナを嵌合させるためには、この六角スパナを水平に位置させなければならない。このため、特に引戸体の高さ寸法が大きい場合には、操作部に六角スパナを嵌合させて、この六角スパナで操作部を回転させる操作が容易ではない。
【0007】
そこで、操作性を向上させるために、操作部の六角形のサイズを二面幅の広いタイプに変更したり、操作部を被取付部材の端部に移動させることも考えられるが、この操作部の六角形状の部分を軸方向に向けて長くしなければ操作性が向上することはない。結局、引戸体と被取付部材との間に隙間を確保しなければならず、外観上の見栄えが良くないという問題を有している。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、外観上の見栄えが良く、被取付部材を容易に建付け調整できるガイド支持装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のガイド支持装置は、ガイド体に対して被取付部材を移動可能に支持するガイド支持装置であって、前記被取付部材に取り付けられるケース体と、このケース体に回転可能に取り付けられ、前記ガイド体に係合するガイドが回転中心から偏心した調整体とを具備し、この調整体および前記ケース体には、このケース体に対する前記調整体の回転を段階的に回り止めする回り止め部が設けられ、前記調整体の周面には、前記回り止め部による前記調整体の回り止めに反して、前記ケース体に対して前記調整体を回転させる略凹溝状の係合凹部が設けられ、前記調整体は、前記ケース体に回動可能に嵌合され、前記ガイド体に摺動可能に嵌合される前記ガイドを有するガイド調整部材と、このガイド調整部材の前記ガイドが嵌挿され回転中心から軸中心が偏心した位置に設けられた挿通孔を有し、この挿通孔に前記ガイドを嵌挿した状態で、前記ケース体に回動可能に取り付けられ、周面に係合凹部が設けられた回動部材とを備えているものである。
【0010】
そして、この構成では、ガイド体に対して移動可能に支持される被取付部材にケース体を取り付ける。次いで、ガイド体に係合するガイドが回転中心から偏心した調整体を回転可能にケース体に取り付ける。この後、この調整体の周面に位置する係合凹部に、任意の工具などを係合させる。この状態で、この調整体およびケース体に設けた回り止め部によるケース体に対する調整体の段階的な回り止めに反して、調整体を回転する。すると、調整体のガイドが回転中心から偏心していることにより、ガイド体に対して被取付部材が建付け調整される。この結果、調整体に六角スパナなどを嵌合させてこの調整体を回転させることによりガイド体に対して被取付部材の建付け調整をする場合に比べ、ガイド体に対して被取付部材が容易に建付け調整可能となる。また、係合凹部に任意の工具などを係合させて調整体を回転させれば、ガイド体に対する被取付部材の建付け調整が可能となる。このため、この調整体がガイド体内に容易に収容可能となるから、この調整体が外部から見え難くなり、外観上の見栄えが良くなる。
【0011】
さらに、ケース体にガイド調整部材を嵌合させ、このガイド調整部材のガイドをガイド体に摺動可能に嵌合させる。次いで、このガイド調整部材のガイドを回動部材の回転中心から軸中心が偏心した位置に設けられた挿通孔に嵌挿させた状態で、この回動部材をケース体に回動可能に取り付ける。そして、回動部材の周面に設けた係合凹部に、任意の工具などを係合させて、この回動部材を回動させることにより、ガイド体に対する被取付部材の建付け位置が調整される。この結果、ケース体からのガイド調整部材の脱離が回動部材にて防止され、調整体をガイド調整部材と回動部材とで構成したことにより、これらガイド調整部材および回動部材がそれぞれの特徴に合わせた材料により成形可能となる。
【0012】
請求項記載のガイド支持装置は、請求項1記載のガイド支持装置において、係合凹部は、ねじ回しにて調整体が回転可能な幅寸法を有するものである。
【0013】
そして、この構成では、調整体の係合凹部の幅寸法を、ねじ回しにてこの調整体が回転可能な幅寸法とすることにより、この調整体の係合凹部にねじ回しを係合させればこのねじ回しで調整体が回転される。よって、調整体に六角スパナを嵌合させてこの調整体を回転させる場合に比べ、この調整体とガイド体との隙間を少なくできる。また、比較的普及しているねじ回しにて調整体が回転可能であるから、ガイド体に対する被取付部材の建付け調整がより容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガイド支持装置の一実施の形態の構成を図1ないし図6を参照して説明する。
【0015】
図1ないし図6において、1はガイド支持装置で、このガイド支持装置1は、例えば、図2に示すように、建物の鴨居2の下面に長手方向に沿って取り付けられたガイド体としてのガイドレール3に移動可能に嵌合されている。また、このガイド支持装置1は、ガイドレール3に対向した位置に取り付けられた図示しない下ガイドレールに摺動可能に下端面が係合された被取付部材としての引戸体4の上端に埋設された状態で、取り付けられている。さらに、このガイド支持装置1は、ガイドレール3に対する引戸体4の建付け位置を調整する。
【0016】
そして、ガイドレール3の下端面には、複数、例えば2列の断面凹溝状の嵌合凹部5が長手方向に沿って並設されている。これら嵌合凹部5は、建物の鴨居2の長手方向に沿って形成されている。ここで、引戸体4は、矩形平板状であり、ガイドレール3と下ガイドレールとによって上端および下端それぞれが支持されてこの引戸体4の面方向に沿って摺動されて移動可能な下荷重式である。
【0017】
さらに、ガイド支持装置1は、図1、図4(b)および図5(b)に示すように、合成樹脂にて略有底円筒状に成形されたケース体11を備えている。このケース体11の外周面の周方向に沿って等間隔に離間した位置には、このケース体11の長手方向に沿った抜止凸部12が複数、例えば4つ突設されている。これら抜止凸部12それぞれは、ケース体11を引戸体4の上端面に埋設した際における抜け止めとなる。
【0018】
また、このケース体11の開口部13の開口外縁には、径方向に向けて突出する周方向に沿った円環状のフランジ部14が形成されている。このフランジ部14は、ケース体11を引戸体4の上端面に埋設した際における埋まり防止となる。さらに、このケース体11の開口部13の開口内縁には、互いの回転を段階的に回り止めする回り止め部としてのローレット15が形成されている。このローレット15は、それぞれがケース体11の軸方向に沿った複数の溝部により形成されている。
【0019】
さらに、このケース体11の開口部13には、図1、図4(b)および図5(b)に示すように、調整体21が周方向に向けて回動可能に挿入されている。この調整体21は、ケース体11の内周形状と略合致した外周面を有する円筒状のガイド調整部材22を備えている。このガイド調整部材22は、炭素鋼の線材などにて成形されている。また、このガイド調整部材22の軸方向における先端には、このガイド調整部材22の外径寸法より径小な外径寸法を有する略円柱状のガイド23が突設されている。このガイド23は、ガイド調整部材22の回転中心から軸中心が偏心した位置に、ガイド調整部材22の軸方向に沿って突設されている。さらに、このガイド23の先端部の外周面には、断面凹溝状の嵌合溝部24が周方向に沿って形成されている。
【0020】
また、ケース体11の開口部13には、この開口部13に挿入されたガイド調整部材22の離脱を防止して、このガイド調整部材22をケース体11の開口部13に対して保持する回動部材31が取り付けられている。この回動部材31は、合成樹脂などにて略有底円筒状に成形されている。そして、この回動部材31の下方側に位置する開口部32の内周縁における周方向に沿って等間隔に離間した位置には、図3(a)、図3(b)、図3(c)および図3(d)に示すように、この開口部32にケース体11の開口部13を嵌合させた際に、このケース体11のフランジ部14の外周縁に回動可能に嵌合する複数、例えば3つの嵌合爪部33が突設されている。これら嵌合爪部33は、回動部材31の底部34の面方向に沿って突出しており、基端から先端に向けて肉薄に形成されている。
【0021】
そして、回動部材31の上端面を形成する底部34には、ケース体11にガイド調整部材22の基端側を挿入させてこのケース体11のフランジ部14に回動部材31の嵌合爪部33を嵌合させた際に、ガイド調整部材22のガイド23が挿通する挿通孔35が穿設されている。この挿通孔35は、回動部材31の回転中心から軸中心が偏心した位置に、この回動部材31の軸方向に沿って穿設されている。また、この挿通孔35は、ガイド23の外径寸法より若干大きい内径寸法を有している。
【0022】
また、回動部材31の底部34の下端面における略中心域には、図3(a)、図3(b)および図3(d)に示すように、この回転部材31の開口部32側に向けて突出した突出部36が設けられている。この突出部36の外周面には、回動部材31の嵌合爪部33をケース体11のフランジ部14の外周縁に嵌合させた際に、このケース体11のローレット15に係合して、ケース体11に対する回動部材31の回転を段階的に回り止めする回り止め部としての係合凸部37が、等間隔に離間された位置に複数、例えば3つ設けられている。
【0023】
さらに、嵌合爪部33と対向した回動部材31の底部34には、図1、図3(a)、図3(b)、図3(c)および図3(d)に示すように、この嵌合爪部33より若干大きい型抜孔38がそれぞれ穿設されている。これら型抜孔38それぞれは、回動部材31の互いに対向した上下方向に沿った型抜きを可能とする。また、この回動部材31の底部34の上端面側における挿通孔35の開口縁が回動部材31の軸中心に最も近接する位置には、この回動部材31の任意の径方向を示す目印部39が形成されている。この目印部39は、回動部材31の底部34の上端面に正三角形を表示させて設けられている。
【0024】
そして、回動部材31の外周面には、この回動部材31の係合凸部37とケース体11のローレット15とによるガイド調整部材22の回り止めに反して、ケース体11に対してガイド調整部材22を回転させる略凹溝状の係合凹部41が複数設けられている。これら係合凹部41は、回動部材31の軸方向に沿って、この回動部材31の外周面全域に設けられている。この結果、この回動部材31は、この回動部材31を周方向に向けて回動可能なギア形状に形成されている。
【0025】
ここで、この回動部材31の各係合凹部41の先端の幅寸法は、図4(b)および図5(b)に示すように、一般的なねじ回し43および十字ねじ回し44の先端を係合させることにより、この回動部材31が回転可能となる幅寸法を有している。具体的には、この係合凹部41の先端の幅寸法は、図4(c)に示すように、ねじ回し43の先端部45の幅寸法aより大きいことが好ましい。また、この係合凹部41の先端の幅寸法は、図5(c)に示すように、十字ねじ回し44の先端域に位置するねじ回し部46の各嵌合片47の最も高さ寸法が大きい部分における厚さ寸法より大きいことがより好ましい。
【0026】
そして、ケース体11の開口部13に係合させた回動部材31の挿通孔35から挿通させたガイド調整部材22のガイド23には、ガイドレール3の嵌合凹部5の幅寸法より若干小さい外径寸法を有する円盤状の回転ローラ51が回転自在に取り付けられている。この回転ローラ51の回転中心には、軸孔52が軸方向に沿って穿設されており、この軸孔52にガイド23が挿通されている。この結果、この回転ローラ51は、回動部材31の回動方向に沿って回転自在となるとともに、係合凹部41を含めた回動部材31の最大外径寸法より径大な外径寸法を有している。
【0027】
また、この回転ローラ51の軸孔52の上端側の開口縁には、周方向に沿った段状の埋設凹部53が設けられている。この埋設凹部53には、回転ローラ51の軸孔52に挿通させたガイド23を抜止する略C型平板状の抜止ストッパ61が位置している。この抜止ストッパ61は、回転ローラ51の軸孔52に挿通させたガイド23の嵌合溝部24に内周縁が嵌合される。そして、この抜止ストッパ61の厚さ寸法は、回転ローラ51の埋設凹部53の深さ寸法より小さい。この結果、この抜止ストッパ61は、ガイド調整部材22のガイド23を回転ローラ51の軸孔52に挿通させてこのガイド23の嵌合溝部24に嵌合された際に、回転ローラ51の埋設凹部53に埋設された状態となる。
【0028】
次に、上記一実施の形態の組み立て動作を説明する。
【0029】
まず、回動部材31の下端側からこの回動部材31の挿通孔35にガイド調整部材22のガイド23を挿通させる。
【0030】
この状態で、このガイド23の先端を回転ローラ51の軸孔52に挿通させた後、このガイド23の嵌合溝部24に抜止ストッパ61を嵌合する。
【0031】
次いで、ガイド調整部材22の基端側をケース体11の開口部13に挿入するとともに、回動部材31の嵌合爪部33をケース体11のフランジ部14に嵌合させてガイド支持装置1を組み立てる。
【0032】
このとき、ケース体11のローレット15に回動部材31の係合凸部37それぞれが係合して、ケース体11に対して回動部材31が回り止めされる。
【0033】
この後、このガイド支持装置1のケース体11を、引戸体4の上端面に埋設した後、このガイド支持装置1の回転ローラ51を、建物の鴨居2の下端面に取り付けたガイドレール3の嵌合凹部5に摺動可能に嵌合するとともに、この引戸体4の下端面を下ガイドレールに摺動可能に係合させる。
【0034】
この結果、ガイドレール3の長手方向に沿って引戸体4が走行可能となる。
【0035】
次に、上記一実施の形態の作用を説明する。
【0036】
まず、図4(a)および図4(b)に示すように、ガイドレール3の嵌合凹部5に対する引戸体4の建付け位置が、図4(a)および図4(b)における左側に寄っている場合には、これら図4(a)および図4(b)おける右側下方から、ねじ回し43または十字ねじ回し44を挿入し、これらねじ回し43または十字ねじ回し44の先端を回動部材31の係合凹部41に係合させる。
【0037】
この状態で、ねじ回し43または十字ねじ回し44を用いて、回動部材31を回動させる。すると、回動部材31の挿通孔35の中心が図4(a)および図4(b)における右側に移動するので、ガイドレール3の嵌合凹部5に対する引戸体4の建付け位置が調整される。
【0038】
また、図5(a)および図5(b)に示すように、ガイドレール3の嵌合凹部5に対する引戸体4の建付け位置が、図5(a)および図5(b)における右側に寄っている場合には、これら図5(a)および図5(b)おける左側下方から、ねじ回し43または十字ねじ回し44を挿入し、これらねじ回し43または十字ねじ回し44の先端を回動部材31の係合凹部41に係合させる。
【0039】
この状態で、ねじ回し43または十字ねじ回し44を用いて、回動部材31を回動させる。すると、回動部材31の挿通孔35の中心が図5(a)および図5(b)における左側に移動するので、ガイドレール3の嵌合凹部5に対する引戸体4の建付け位置が調整される。
【0040】
さらに、図2および図6に示すように、引戸体4の木口面6側からガイドレール3の嵌合凹部5にねじ回し43または十字ねじ回し44を挿入して、このねじ回し43または十字ねじ回し44を回動部材31の係合凹部41に係合させて、このねじ回し43または十字ねじ回し44で回動部材31を回動させても、ガイドレール3の嵌合凹部5に対する引戸体4の建付け位置が調整される。
【0041】
上述したように、上記一実施の形態によれば、回動部材31の係合凹部41の先端間の幅寸法を、ねじ回し43の先端部45の幅寸法aより大きくし、または十字ねじ回し44の先端域に位置するねじ回し部46の各嵌合片47の最も高さ寸法が大きい部分における厚さ寸法より大きくしたので、これらねじ回し43または十字ねじ回し44の先端を回動部材31の係合凹部41に係合させて、この回動部材31を回動させることができる。
【0042】
このため、引戸体4の上端が摺動可能に嵌合されたガイドレール3の嵌合凹部5における側方または引戸体4の木口面6側から、ねじ回し43または十字ねじ回し44の先端を挿入して、このねじ回し43または十字ねじ回し44の先端を回動部材31の係合凹部41に係合させて、ケース体11のローレット15と回動部材31の係合凸部37との回り止めに反してこの回動部材31を回動させることにより、この回動部材31の挿通孔35に挿通したガイド23の中心軸が引戸体4における建付け方向に移動する。
【0043】
この結果、ガイドレール3の嵌合凹部5に対して引戸体4を建付け方向に移動することができるので、六角スパナなどをガイド調整部材に嵌合させてこの六角スパナでガイド調整部材を回動させてガイドレールの嵌合凹部に対する引戸体の建付け位置を調整する場合に比べ、ガイドレール3の嵌合凹部5に対する引戸体4の建付け調整を容易にできる。
【0044】
また、ガイド支持装置1の最大外径寸法、すなわち回転ローラ51の外径寸法がガイドレール3の嵌合凹部5の幅寸法より径小であり、さらには回動部材31の係合凹部41にねじ回し43または十字ねじ回し44の先端を係合させてこの回動部材31を回動させるだけで引戸体4を建付け調整できるから、六角スパナを嵌合させて、この六角スパナで回動部材を回動させるガイド支持装置に比べ、回動部材31の厚さ寸法を小さく、すなわち薄くすることが可能である。
【0045】
このため、回動部材31の厚さ寸法を小さくするとともに、ガイドレール3の嵌合凹部5の幅寸法より引戸体4の厚さ寸法を小さくすることにより、この引戸体4の上端に取り付けた回転ローラ51および回動部材31と、この引戸体4の上端それぞれとがガイドレール3の嵌合凹部5内に嵌合するように、この嵌合凹部5を設ければ、引戸体4の側方からガイド支持装置1を見えなくすることができる。よって、引戸体4をガイドレール3の嵌合凹部5に嵌合させた際における見栄えを向上できる。
【0046】
さらに、ケース体11のフランジ部14に回動部材31の嵌合爪部33を嵌合させることにより、このケース体11の開口部13に挿入したガイド調整部材22がこのケース体11の開口部13から離脱しなくなる。よって、ケース体11に対するガイド調整部材22および回動部材31の離脱を防止できる。また、調整体21をガイド調整部材22と回動部材31とにて構成したことにより、これらガイド調整部材22および回動部材31をそれぞれの特徴に合わせた材料で成形できる。
【0047】
また、回転ローラ51の軸孔52に挿通させたガイド23の嵌合溝部24に抜止ストッパ61を嵌合させた際に、この抜止ストッパ61が回転ローラ51の上端面に設けた埋設凹部53内に収容されるとともに、この回転ローラ51の軸孔52に挿通させたガイド23の先端もまた埋設凹部53内に収容されるので、この回転ローラ51の上端面からガイド23および抜止ストッパ61があまり突出しない。このため、ガイド支持装置1の回転ローラ51をガイドレール3の嵌合凹部5に嵌合させた際に、ガイド23および抜止ストッパ61がガイドレール3の嵌合凹部5内に当接しない。よって、ガイドレール3の嵌合凹部5に対する回転ローラ51の摺動および回転をより滑らかにできる。
【0048】
なお、上記一実施の形態では、下荷重式の引戸体4の上端面にガイド支持装置1を取り付けたが、上荷重式の引戸体4の下端面にこのガイド支持装置1を取り付けても、上記一実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
また、調整体21のガイド23の嵌合溝部24に抜止ストッパ61を嵌合させて、回動部材31に対してガイド23を回動可能に抜け止め保持しているが、回動部材31の挿通孔35にガイド23を挿通させた後、このガイド23の先端に図示しない円環状のワッシャを挿通させて、このガイド23の先端をかしめ固定して、このガイド23に回動部材31を回動可能に抜け止め保持させれば、このガイド23の嵌合溝部24が不要となる。
【0050】
【発明の効果】
請求項1記載のガイド支持装置によれば、被取付部材に取り付けたケース体に調整体を回転可能に取り付け、この調整体の係合凹部に任意の工具などを係合させて、回り止め部によるケース体に対する調整体の段階的な回り止めに反して調整体を回転させれば、調整体のガイドが回転中心から偏心しているので、ガイド体に対して被取付部材を建付け調整できるから、ガイド体に対する被取付部材の建付け調整を容易にできるとともに、調整体をガイド体内に収容できるため、この調整体が外部から見え難くなり外観上の見栄えを向上できる。
【0051】
さらに、ガイド調整部材のガイドを回動部材の回転中心から軸中心が偏心した位置に設けられた挿通孔に嵌挿させてこの回動部材をケース体に回動可能に取り付け、このガイドをガイド体に摺動可能に嵌合させれば、この回動部材の係合凹部に任意の工具などを係合させてこの回動部材を回動することによりガイド体に対して被取付部材を建付け調整できるから、ケース体からのガイド調整部材の脱離を回動部材で防止でき、また、調整体をガイド調整部材と回動部材とで構成したので、これらガイド調整部材および回動部材をそれぞれの特徴に合わせた材料で成形できる。
【0052】
請求項記載のガイド支持装置によれば、請求項1記載のガイド支持装置の効果に加え、調整体の係合凹部の幅寸法をねじ回しにてこの調整体が回転可能な幅寸法とすることにより、この調整体の係合凹部に対するねじ回しの係合でこの回動部材を回動できるから、この調整体とガイド体との隙間を少なくでき、ガイド体に対する被取付部材の建付け調整をより容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガイド支持装置の一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】同上ガイド支持装置の取付状態を示す斜視図である。
【図3】同上ガイド支持装置の回動部材を示す平面図である。
(a) 回動部材の斜視図
(b) 回動部材の断面図
(c) 回動部材の正面図
(d) 回動部材の背面図
【図4】同上ガイド支持装置の建付け調整を示す平面図である。
(a) 引戸体が左側に寄った説明図
(b) (a)の断面図
(c) ねじ回しの一部の側面図
【図5】同上ガイド支持装置の建付け調整を示す平面図である。
(a) 引戸体が右側に寄った説明図
(b) (a)の断面図
(c) 十字ねじ回しの一部の側面図
【図6】同上ガイド支持装置の建付け調整を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ガイド支持装置
3 ガイド体としてのガイドレール
4 被取付部材としての引戸体
11 ケース体
15 回り止め部としてのローレット
21 調整体
22 ガイド調整部材
23 ガイド
31 回動部材
35 挿通孔
37 回り止め部としての係合凸部
41 係合凹部
43 ねじ回し
44 ねじ回しとしての十字ねじ回し

Claims (2)

  1. ガイド体に対して被取付部材を移動可能に支持するガイド支持装置であって、
    前記被取付部材に取り付けられるケース体と、
    このケース体に回転可能に取り付けられ、前記ガイド体に係合するガイドが回転中心から偏心した調整体とを具備し、
    この調整体および前記ケース体には、このケース体に対する前記調整体の回転を段階的に回り止めする回り止め部が設けられ、
    前記調整体の周面には、前記回り止め部による前記調整体の回り止めに反して、前記ケース体に対して前記調整体を回転させる略凹溝状の係合凹部が設けられ、
    前記調整体は、前記ケース体に回動可能に嵌合され、前記ガイド体に摺動可能に嵌合される前記ガイドを有するガイド調整部材と、
    このガイド調整部材の前記ガイドが嵌挿され回転中心から軸中心が偏心した位置に設けられた挿通孔を有し、この挿通孔に前記ガイドを嵌挿した状態で、前記ケース体に回動可能に取り付けられ、周面に係合凹部が設けられた回動部材とを備えている
    ことを特徴としたガイド支持装置。
  2. 係合凹部は、ねじ回しにて調整体が回転可能な幅寸法を有する
    ことを特徴とした請求項1記載のガイド支持装置。
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