JP3625699B2 - 移動足場用仮設レール装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場や倉庫等の外壁板などを取付ける際に使用される移動足場を走行自在に支持する移動足場用仮設レール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、工場や倉庫等の建設現場において外壁板等を取付けるための移動足場を走行させる場合、移動足場の車輪の接地圧に耐えられるように走行面を転圧し、あるいは簡易舗装し、もしくは地盤面に敷設した軽量形鋼等からなるレールを使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、建設現場において足場を必要とするこの時期は、走行路に相当する基礎回りは掘削された状態か、埋め戻し直後であり、必要な地盤耐力を得ることは困難な状況にある。また、軽量形鋼等をレールとして使用するにしても、レール間隔を保持しつつ、レール勾配を水平に敷設・固定するには多大の労力を必要とする。
【0004】
本発明は、前述のような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、移動足場用の仮設レールをどのような地盤面に対しても簡単に、かつ精度良く敷設することができる移動足場用仮設レール装置を提供することにある。
【0005】
本発明は、移動足場を走行自在に支持する仮設レール装置であり、移動足場の走行方向に所定の間隔をおいて配設した建枠によりレール部材を支持し、該レール部材は角鋼管を用い、該角鋼管内に前記建枠の建地の上部を挿入し、前記建枠は建地内に上部を挿入したジャッキにより上下位置調整自在に支持したことを特徴とする(請求項1)。建枠によりレール間隔が簡単に確保され、ジャッキによりレール勾配を簡単に調整することができ、移動足場用のレールをどのような地盤面に対しても簡単に精度良く敷設することができる。
【0006】
レール部材は、移動足場走行方向と直交する方向に所定の間隔をおいて例えば2本(2本以上でもよい)配設されており、このレール部材により複数の建枠が一体化されるが、建枠同士(例えば建枠の横桟同士)を水平筋違により連結し(請求項2)、これにより複数の建枠をより強固に一体化し、レール間隔が規定値に保持されるようにする。
【0007】
建枠は、例えば上下2段で配置された横地および横桟の両端部に建地を垂直に一体取付けして構成されており、レール部材内に鞘管を設け、この鞘管に建枠の建地上部を着脱自在に嵌合させ(請求項3)、簡単にレール部材を取付け・取外しできるようにする。
【0008】
また、ジャッキにはネジ式ジャッキを用い、建枠の建地にネジ式ジャッキを下から挿入取付けし(請求項4)、スクリューロッドに螺合し建地の下面に当接するジャッキハンドルを回転させることで建地を上下位置調整し、比較的簡単な構造でレール勾配を調整できるようにする。
【0009】
さらに、所定長さのレール部材と所定数の建枠からユニットを形成し、各ユニットのレール部材同士を継目材を介して着脱自在に連結し(請求項5)、レールを簡単に延長できるようにし、さらに建設途上の建屋に出入りする際にレールが支障となる箇所を一時的に解体撤去できるようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施の形態に基づいて説明する。図1,図2は本発明における移動足場と仮設レール装置の1例を示したものである。図3は移動足場の下部と仮設レール装置を拡大して示したものである。図4はレール部材を示したものである。図5,図6は仮設レール装置とレールの継目材を示したものである。
【0011】
図1,図2において、本発明の移動足場の仮設レール装置1は、主として、移動足場20を走行可能に支持するレール部材2と、移動足場20の走行方向に所定の間隔をおいて配設されてレール部材2を支持する建枠(腰枠)3と、この建枠3の下部に取付けられるネジ式ジャッキ4からなり、建枠3によりレール間隔を保持し、ネジ式ジャッキ4でレール勾配を調整するように構成されている。
【0012】
移動足場20は、工場や倉庫等の外壁板を取付けるための移動足場であり、複数段の足場を有すると共に、下部にレール部材2上を転動可能な車輪21と移動後に移動足場20をレール部材2に固定するための固定装置22が設けられている。このような移動足場20は、図2に示すように、2つのタイプがあり、図2(a) では、下部20aを上部20bよりも幅広とすると共に反建屋側に突出させ、この下部20aの反建屋側にカウンターウェイト23を設けて横への転倒を防止している。図2(b) では、下部20aと上部20bを同じ幅とし、上端部の建屋側に建屋Aの案内レール等に移動可能に係合する転倒防止装置24を設けている。
【0013】
建枠3は、このような移動足場20の下部20bの幅に対応した長さのものが使用されるが、いずれの場合も、図3に示すように、移動足場の走行方向と直交する方向に延在する上部の横地(鋼管)5および下部の横桟(鋼管)6と、これら横地5および横桟6の両端部に垂直に一体取付けされる建地(鋼管)7と、横地5と横桟6を連結する束材(鋼管)8から構成されている。
【0014】
レール部材2は、図3に示すように、角鋼管からなり、建地7の上部が嵌合挿入される鞘管(鋼管)9が挿入取付けされている。この鞘管9は下部がレール部材2から若干突出するように溶接で固定されている。建地7の中間部外周には鞘管9の下面が当接して位置決めを行うカラー10が溶接で取付けられている。このような鞘管9は、図4に示すように、レール部材2に建枠3の配設間隔をおいて配置されており、図5に示すように、一対のレール部材2により所定数の建枠3が一体化されることになる。また、建枠3,3同士は、水平筋違11で連結し、この水平筋違11と一対のレール部材2とで一体化を強固なものとし、レール間隔を規定値に保持できるようにする。なお、水平筋違11の端部はグラビティロック12(図3参照)で横桟6に取付けるようにする。
【0015】
ネジ式ジャッキ4は、図3に示すように、基板4a上に立設されたスクリューロッド4bと、このスクリューロッド4bに螺合するジャッキハンドル4cからなり、スクリューロッド4bを建地7内に下方から挿入し、ジャッキハンドル4cを回転させることで建地7を上下させ、建枠3の上下位置を調整する。
【0016】
図5に示すように、レール部材2は、所定長さのものを使用することにより、レール部材2と所定数の建枠3をユニット化し、各ユニットのレール部材2の端部同士を継目材13を介してボルト接合する。継目材13は、例えばアングル材を使用し、これをレール部材2の下部における左右両側の角部に添接し、ボルト14で固定する(図5,図6参照)。
【0017】
移動足場20の車輪21は、図3に示すように、レール部材2の上面を転動する車輪21aと、内側面を転動する車輪21bから構成され、移動足場20が左右一対のレール部材2から逸脱しないようにされている。
【0018】
以上のような構成において、移動足場の走行方向に間隔をおいて配置された複数の建枠3の両端にレール部材2を固定することで、レール間隔を簡単に確保することができ、ネジ式ジャッキ4で建枠3を上下位置調整することで、レール勾配を簡単に調整することができ、どのような地盤面に対しても、レールを簡単に精度良く敷設でき、安全に移動足場を走行させて作業を行うことが可能となる。また、レール部材2の端部同士を継目材13を介してボルト接合することにより、レール装置を簡単に延長することができ、さらに建設途上の建屋に出入りする際にレール部材2が邪魔となる場合には、その場所のレール部材2・建枠3等を一時的に簡単に解体撤去することができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果を奏することができる。
【0020】
(1) 建枠によりレール間隔が簡単に確保され、ジャッキによりレール勾配を簡単に調整することができ、移動足場用のレールをどのような地盤面に対しても簡単に精度良く敷設することができる。
【0021】
(2) レールを簡単に延長することができ、さらに建設途上の建屋に出入りする際にレールが支障となる箇所を一時的に簡単に解体撤去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における移動足場と仮設レール装置の1例を示したものであり、(a) は平面図、(b) は正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】本発明の移動足場の下部と仮設レール装置を一部分解して示した側面図である。
【図4】本発明のレール部材を示したものであり、(a) は正面図、(b) は底面図、(c) は断面図である。
【図5】本発明の仮設レール装置を示したものであり、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) はレールの継目材の側面図および正面図である。
【図6】本発明の仮設レール装置を示したものであり、(a) は継目部における正面図、(b) は横断面図である。
【符号の説明】
1……仮設レール装置
2……レール部材
3……建枠(腰枠)
4……ネジ式ジャッキ
5……横地
6……横桟
7……建地
8……束材
9……鞘管
10……カラー
11……水平筋違
12……グラビティロック
13……継目材
14……ボルト
20……移動足場
21……車輪
22……固定装置
23……カウンターウェイト
24……転倒防止装置

Claims (5)

  1. 移動足場を走行自在に支持する仮設レール装置であり、移動足場の走行方向に所定の間隔をおいて配設した建枠によりレール部材を支持し、該レール部材は角鋼管を用い、該角鋼管内に前記建枠の建地の上部を挿入し、前記建枠は建地内に上部を挿入したジャッキにより上下位置調整自在に支持したことを特徴とする移動足場用仮設レール装置。
  2. 請求項1に記載の仮設レール装置において、建枠同士が水平筋違により連結されていることを特徴とする移動足場用仮設レール装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の仮設レール装置において、レール部材内に鞘管を設け、この鞘管に建枠の建地上部を着脱自在に嵌合させたことを特徴とする移動足場用仮設レール装置。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3に記載の仮設レール装置において、建枠の建地にネジ式ジャッキを下から挿入取付けしたことを特徴とする移動足場用仮設レール装置。
  5. 請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の仮設レール装置において、所定長さのレール部材と所定数の建枠からユニットを形成し、各ユニットのレール部材同士を継目材を介して着脱自在に連結したことを特徴とする移動足場用仮設レール装置。
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