JP3625654B2 - 融雪処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は融雪処理装置に関し、より詳細には雪に圧力水を放射して融解させ、かつ水圧衝撃によって破砕するとともに、撹拌等による機械的作用を利用して雪を破砕しつつ、雪を部分融解して処理する融雪処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】
積雪地では冬期間における道路等の除雪が大きな問題である。除雪には従来、ロータリー車や建設機械等が利用されているがその経費および労力は莫大であり、雪をトラック等で運搬して排雪する処理にも多大な経費がかかっている。
このような除雪作業を容易にする方法として、路面に地下水を散水したりヒートパイプを敷設したりする方法も行われているが、地下水を利用することによる地盤沈下や、道路建設費用がかさむことから、すべての道路を融雪道路にすることはできない。
【0003】
また、雪塊を融かす融雪装置としては温水を利用する方法や、石油等の化石燃料を使用して融雪する方法もあるが、これらの融雪方法は非効率であり、経費高となって、ほとんど実用にならない。なお、これらの化石燃料等を利用する従来の融雪装置では雪を完全に融解する処理方法によるが、融雪処理では必ずしも雪を完全融解しなければならないものではない。雪を完全融解する場合は大きな熱エネルギーが必要となるのに対して部分融解による場合は熱エネルギーが少なくて済む点で効率的である。なお、部分融解とは雪を融解した際に雪の微細な芯部分が残った状態であっても良いとするものである。雪の芯部分は固く凝結しているから完全融解するには相当の熱エネルギーを要する一方、水とともにたやすく流動するから芯部分が残っていたとしても流水として排出することで容易に処理することが可能である。
【0004】
本発明は圧力水と機械的な作用による衝撃力を主に利用し、雪の部分融解によって融雪処理するものであり、化石燃料を主体として使用することなく効率的で実用的な融雪処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、被処理雪に放水して大量に水を含んだ含水雪とし、雪核が残る部分融解の状態で雪を融解して処理する融雪処理装置であって、被処理雪を融解処理する本体の上部に、被処理雪に向けて圧力水を放射する放水管を備えたホッパが設けられ、前記本体内に、メッシュ体により有底の筒状に形成され、軸線の回りで回転駆動されて前記ホッパから投入された被処理雪を遠心脱水するとともに、被処理雪に圧力水を放射する放水管、および内壁面に含水雪を圧擦して押しつぶすローラを備えた回転バケットが設けられたことを特徴とする。
また、前記ホッパの前段に、圧力水を放射する放水圧衝撃および貯溜水とともに撹拌する作用により、被処理雪を含水雪状とする集雪処理タンクを設けたことを特徴とする。
また、前記本体の下部に、融雪後の水を貯溜する貯水タンクを設け、該貯水タンクに貯溜された水を前記本体での放水用に使用する吸水ポンプ等の循環機構を設けたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
回動バケットに投入された雪は、放水管からの圧力水によって融解されるとともに水圧衝撃によって破砕される。回動バケットは回動機構によって回動駆動され、その遠心脱水作用をともなう機械的衝撃が被処理雪に作用し、メッシュ体によって破砕されるとともに、水分が取り除かれる。雪を破砕することにより表面積が増大し、回動バケット内での熱交換による融解が促進される。回動バケットにもうけた斜面壁部にローラ体を押接することにより、破砕された雪はさらに細かく押しつぶされ、表面積が増大して融解作用が促進されるとともに、雪の芯部分のみが残留する状態となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る融雪処理装置の実施形態について、添付図面とともに詳細に説明する。
図1は融雪処理装置の本体30に被処理雪を投入する前段に設ける集雪処理タンク10の構成を示す。集雪処理タンク10は融雪処理装置の本体30での融雪処理を効率的に行うため屋根の雪などをあらかじめ含水雪状にするためのものである。集雪処理タンク10ではタンク内に貯溜した水および放水によって雪は大量に水を含んだ状態となる。
【0008】
集雪処理タンク10のタンク本体12は有底の円筒状に形成したもので、少なくとも2トン程度の水を貯溜する内容積に形成する。13はタンク本体12の上部に設けたホッパである。ホッパ13の傾斜した上部側の内面に放水管14を配置し、ホッパ13の下部に1次金網15aを、さらにその下方のタンク本体12内に2次金網15bを設ける。放水管14は1次金網15aに向けて圧力水を放射する。ホッパ13に投入された雪は1次金網15aでいったんせき止められるようになるが、放水管14からの放水圧衝撃により2次金網15b上に落下する。なお、1次金網15aのメッシュは20mm程度、2次金網15bのメッシュは16〜18mm程度である。
【0009】
タンク本体12の上部には内壁面に沿って円形に放水管16を配置し、2次金網15bに向けて圧力水を放射する。17は2次金網15bでの目詰まり防止用のブラシ17である。ブラシ17は2次金網15b上をブラッシングし、放水管16による放水圧衝撃と合わせて雪をメッシュ穴の大きさに破砕し、タンク12内に落下させる。
【0010】
20はタンク本体12の略中心位置で軸線方向に配置した回転シャフトである。22a、22b、22cはこの回転シャフト20の所定間隔をあけて所定高さ位置に取り付けた攪拌プロペラである。24は回転シャフト20を回転駆動する電動モータである。これらの攪拌プロペラ22a、22b、22cはタンク本体12内の貯溜水とともに雪を攪拌して、雪を融解するとともに雪の含水率を高める作用をなす。前記ブラシ17は回転シャフト20に固定されており、回転シャフト20とともに回転する。
【0011】
雪は水よりも軽いから、水面上に浮き上がろうとする。攪拌プロペラ22a、22b、22cは雪を攪拌する作用と同時にタンク本体12に投入された雪を下方に押しやる作用も有する。攪拌プロペラ22a、22b、22cは下にいくにしたがって回転半径が小さくなっているが、これは上方から下方に雪を押し下げやすくするためでもある。攪拌プロペラ22a、22b、22cは雪を押し下げるようにしながら比較的低速で螺旋流を生じさせるようにする作用を有する。
【0012】
最下部の攪拌プロペラ22cは4枚羽根構成である。タンク本体12の下部側面に複数個の側面プロペラを設け、対向する側面プロペラを逆回転駆動して、攪拌プロペラ22cとの相互作用によってタンク本体12の下部で流体の流れを攪乱させ、流体に圧力衝撃が加わるようにしてもよい。
また、タンク本体12の底部に高圧エアの放出管28を設け、タンク本体12内に気泡を多量に放出させる。流体の攪乱状態の中に気泡を巻き込ませ瞬発的に泡が破裂する威力を氷粒に吸収させることがねらいである。極寒地では高圧エアを温風にすることもよい。
【0013】
集雪処理タンク10では以上の構成によって、ホッパ13から投入された雪が1次金網15a、2次金網15bでの水圧衝撃によって破砕され、タンク本体12内での攪乱、攪拌の繰り返しによる流体運動から生じる抵抗熱の伝導により含水率の高い含水雪状態となる。軟らかい氷粒は水を含むことによって膨潤し、破壊、崩壊寸前の状態になる。この含水雪溶解液を吸水管29により融雪処理装置の本体30へ送り込む。融雪処理装置の本体30では十分に水を含んだ状態の雪を融雪処理することになる。
【0014】
なお、集雪処理タンク10に雪を投入する際には、上述したようにホッパ13から雪をそのまま投入する方法の他に、屋根の雪等の場合は、まず屋根の雪に放水して含水雪状としたものをポンプで吸集してタンク本体12にとり込む方法も可能である。18はポンプで吸集した含水雪の投入口であり、吸集ポンプを投入口18に接続して含水雪をタンク本体12にとり込むことができる。
含水雪よりも比重の軽い雪は放水してポンプ類で吸引するか、ベルトコンベヤでホッパ13に投入する。また、道路積雪のように凝固した雪はまず破砕機で粉砕した後、温水ジェット噴射衝撃を行うのがよい。低温水20℃程度でも十分である。
【0015】
図2は融雪処理装置の本体30の構成を示す。融雪処理装置の本体30は融水分離部32と融水分離部32の下部に設置する貯水タンク34とから成る。以下では、まず融水分離部32の構成について説明する。
32aは筒体状に形成した融水分離部32の外容器である。36はこの外容器32aの内部に外容器32aと同芯に配置した回動バケットである。回動バケット36は筒状に形成したメッシュ体38の上部と下部の各々の外側面にフランジ40a、40bを周設し、このフランジ40a、40bと外容器32aの内壁面に周設した支持プレート42a、42bとの間にベアリング44を配置して外容器32aに回転自在に支持している。
【0016】
回動バケット36の下部には下方が縮径する有底の斜面壁部46を設け斜面壁部46の底部にプーリ48を取り付ける。50は外容器32aの外側面に設置した電動モータである。52は電動モータ50の出力軸に取り付けたプーリ52であり、回動バケット36の下部に設けたプーリ48との間にベルトを掛け渡して回動バケット36を回転駆動する。なお、電動モータ50による回動バケット36の駆動は一定時間ごと、高速から低速への切り替え、正逆回転の切り替えが可能となっている。
斜面壁部46の側壁部分は厚さ6〜8mmのステンレス板にパンチングで1.5〜2mmの穴を多数個あけたものを使用している。斜面壁部46の底部分は厚さ8mmのステンレス板に2mm径の穴をパンチングしてあけたものである。
【0017】
53は回動バケット36に圧力水を放射する放水管である。放水管53はメッシュ体38の外方から回動バケット36内に圧力水を放射し、また、回転バケット36の上方から回転バケット36内に圧力水を放射する。
外容器32aの上部に設けた蓋54には被処理雪を投入するホッパ56を設ける。図3にホッパ56と被処理雪の破砕機構を示す。破砕機構は被処理雪が道路積雪のような凝固した雪やざらめ雪を処理する場合に、本体30に被処理雪を投入する前段で小さく破砕するために設ける。前述した集雪処理タンク10で含水雪としたものの場合には破砕機構を通さずにそのままホッパ56に投入すればよい。
【0018】
ホッパ56はメッシュによって形成した吊りバケット58を内部に吊持し、吊りバケット58に向けて放水管60から圧力水を放射する構成に形成する。吊りバケット58の底部は端面形状がV字形の波形にメッシュを折曲した形状とし、吊りバケット58を被処理雪が通過した際に破砕されやすくしている。放水管60からの水圧により被処理雪は破砕されながら融水分離部32の回動バケット36に落下する。
【0019】
ホッパ56の上部に取り付ける破砕機構は、図3に示すようにボックス62内に一対のロータリーギヤ64を配置し、被処理雪がロータリーギヤ64を通過するように構成する。ロータリーギヤ64は電動モータ等の駆動力を利用して凝固した雪を強制的に細かく粉砕する。ボックス62の内面には圧力水を放射するノズル66を設け、場合によってはノズル66から温水を放射して雪を融解させる。67は被処理雪を破砕機構に導入する導入部である。導入部67の側面には被処理雪導入する開口部が設けられ、開口部から内方に被処理雪を移送する導入コンベヤ68を設けている。導入部67は破砕機構のボックス62に装着するかわりに、ホッパ56に装着してもよい。
【0020】
図4は回動バケット36内での各部の構成を示す。69は吊りバケット60を通過した被処理雪を回動バケット36内に導入する誘導板である。
回動バケット36の側面を構成するメッシュ体38は金網で円筒状に形成したものである。70はこのメッシュ体38の内部で螺旋状に配置した螺旋放水管である。螺旋放水管70は蓋54の上面に設けたバルブ72を介して循環用の水を供給するパイプ(不図示)に連結する。螺旋放水管70にはメッシュ体38の内面に向けて水を噴射する複数個のノズル70aを配置する。
【0021】
74は蓋54からメッシュ体38の内部に延設した温水管である。温水管74は蓋54の上部に取り付けたバルブ76を介して外部の温水供給装置に連通する。温水管74にもノズルを設け、温水管74から回動バケット36の内部に温水を放射できるようにする。温水管74からの温水の噴射、螺旋放水管70からの放水はバルブ72、76を制御することによってなされる。温水管74に供給する温水の温度は15℃〜20℃で、大気温が−7℃以下のときに温水を放出するようにする。
【0022】
78は蓋54の略中央から回動バケット36の内部に延設した主軸エアパイプである。主軸エアパイプ78は蓋54の上部でエアの供給機構に連通し、主軸エアパイプ78に設けたエア孔から回動バケット36の内部に大量のエアが送入される。上記の螺旋放水管70からの放水、温水管74からの温水の噴射、主軸エアパイプ78からのエアの吹き込み、回動バケット36の回転運動によって回動バケット36の内部は暴風雨状態に類似した状態となる。
【0023】
図5は回動バケット36の内部構造を示す。回動バケット36の側面部分は前述したようにメッシュ体38によって構成されるが、図示するように、メッシュ体38の内側に蛇腹状に折り曲げた蛇腹メッシュ体38aを設ける。これにより、回動バケット36の側面部分は円筒状に形成したメッシュ体38と蛇腹メッシュ体38aの2重構造となる。外側のメッシュ体38のメッシュサイズは2mm程度、蛇腹メッシュ体38aのメッシュサイズは3mm程度である。
【0024】
回動バケット36内に落下する被処理雪は相当量の水を含み、含水雪も水によって氷粒が膨潤した状態になっている。その状態で、回動バケット36の回転による遠心脱水作用によって水が回動バケット36から排出され、被処理雪中の氷粒が回動バケット36の内面に張りついて残るようになる。蛇腹メッシュ体38aは金網に張りついた氷粒に対し、蛇腹状金網によって放水圧の衝撃が時差的に繰り返し作用すること、蛇腹状金網による瞬発的な衝撃作用といった複雑な機械的作用によって氷粒が破砕され、氷粒の表面積が大きくなることによって熱交換が促進されて融解されやすくなる。
このように回動バケット36内では複雑な融水、脱水作用によって含水雪から水を分離するとともに、含水雪に含まれる膨潤した氷成分について好適に融解作用をなすことができる。メッシュ体38の外側に配置した放水管53はメッシュ体38の目詰まりを防止し融水作用を促進させる作用がある。
【0025】
蛇腹メッシュ体38aの下方に配置される斜面壁部46では、上方から落下する氷粒を圧擦してメッシュ穴から脱水、融水する。含水雪のうち、水と膨潤した氷粒は圧力水による衝撃、回動バケット36の回転による機械的作用によって効率的に融解されるが、雪の芯部分については容易に融解され難く、回動バケット36内に残留する。これらの氷粒については斜面壁部46で圧擦して押しつぶし、表面積を増大させて熱交換しやすくして融解を促進させる。
斜面壁部46には1.5〜2mmのパンチング孔46aが設けられており、斜面壁部46の内部まで延設した主軸エアパイプ78の下端に、ローラ体としてのゴムローラ84とブラシ86を有するインペラー88を取り付ける。
【0026】
図6は斜面壁部46と回動バケットの底面板47を上方から見た状態を示す。インペラー88は十字状に交差して設けたアームの両端にゴムローラ84とブラシ86を取り付けたものである。ゴムローラ84およびブラシ86は斜面壁部46の内面を常時押接するように付勢して設ける。主軸エアパイプ78は上部で蓋54に固定しているから、回動バケット36が回転することによってインペラー88が相対的に斜面壁部46に対して回転する。
【0027】
斜面壁部46に落下した氷粒は回動バケット36の回転によりゴムローラ84によって圧擦され小さく破砕される。ゴムローラ84による圧擦作用は氷粒の表面積を増大させて融解しやすくし、さらに摩擦によるエネルギーを微細な氷粒に伝導して融解を促進させる。
融水されなかった氷粒はさらに下方の底面板47に落下する。ブラシ86は斜面壁部46の内面をブラッシングしパンチング孔46aの目詰まりを防止する。
【0028】
底面板47は中央部が盛り上がった椀形に形成し、複数枚のかき上げ羽根80を配置するとともに、底面板47の中央に粉砕カッター82を上方に突出させるように配置する。かき上げ羽根80は回動バケット36の回転により氷粒を底面板47の中央部側に集めるためのものであり、粉砕カッター82は氷粒を攪拌して粉砕しながら、斜面壁部46に氷粒を遠心拡散する作用をなす。
斜面壁部46に放射された氷粒はゴムローラ84によって再び圧擦され、主軸エアパイプ78からのエア、螺旋放水管70からの放水を受けて融解が促進される。
【0029】
このように、回動バケット36の下部側の斜面壁部46では、含水雪のうち融解されなかった氷粒等に対して摩擦、衝撃を繰り返すことにより物理エネルギーの作用と熱伝導作用によって融解作用を行う。なお、ここでの融解作用は雪の芯部分を完全に融解することまでを目的とするものではない。芯部分が完全に融解されない場合でもきわめて微小な状態にまで圧擦されていれば排水処理になんら問題になることはない。
【0030】
以上のようにして融水分離部32で融解された雪は、部分融解によって雪の芯部分が残留していたとしても、ほぼ水状態となって融水分離部32の下部に設置した貯水タンク34に貯溜される。
貯水タンク34は外面を断熱材により包囲して形成し、外気温を遮断するとともにタンクからの放熱を防止する。さらに、貯水タンク34の外面材をセラミック材を2枚重ねとし、中間にゴムあるいは樹脂材等の電気的絶縁性材で絶縁した熱線を配置する。熱線による加温によりセラミック材の外面材が赤外線の放射体となる。
【0031】
また、貯水タンク34の側面に攪拌プロペラ90を設置するとともに、貯水タンク34の上部に水平方向に圧力水を放射する放水管92を配置する。攪拌プロペラ90および放水管92は貯水タンク34内の貯溜水を強制的に流動させ、流体衝撃、摩擦の相乗作用によってさらに融解を進める。なお、水中に残留している雪核は水よりも軽いから水面に浮かぶようになる。放水管92は水面下10cm程度と20cm程度の深さに配置して、水面に浮かんだ雪核を巻き込むようにする。
また、貯水タンク34の底部近傍に上向きにノズルを配置した高圧エア管94を配置する。高圧エア管94は貯水タンク34内に気泡を放出し、瞬間的に破裂エネルギーを作用させて雪核の破砕、融解を促進させる。
【0032】
貯水タンク34内の貯溜水は部分的に排出しながら、融水分離部32等での放水用として、また屋根の雪等への放水用として利用する。96は循環放水用の吸水ポンプ、98は外部放水用の吸水ポンプである。いずれの吸水ポンプ96、98も吸水部を二重ネットで覆い、泥や異物が混入しないようにする。
100んは吸水ポンプ96、98の前段に配置した防護壁である。防護壁100は上部がメッシュサイズ3mm程度、下部がメッシュサイズ6mmの網によって形成したもので、上部側では放水管92による流動水の防波作用をなし、下部側では巻き込み渦流を発生させるようにしている。
【0033】
こうして、貯水タンク34内でも水を強制的に流動させることによって摩擦抵抗による融解を促進させ、凍結することを防止している。流動した状態で水は凍結することはなく、また、雪核程度にまで微小に破砕した状態とすることによって、放水として十分に再利用することが可能となり、循環利用による効率的な融雪作用をなすことが可能となる。
貯水タンク34内の貯溜水の温度は5℃〜10℃前後であり、場合によっては、高圧エア管94から温風エアに切り替えて使用するようにしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の融雪処理装置は、回動バケット36を利用する融水分離部32と貯水タンク34とを処理装置の本体として構成したものであり、被処理雪に対して放水による水圧衝撃と回動バケット36による遠心脱水作用による機械的作用を併用して効果的な融解を行うものである。そして、融解作用に際しては、被処理雪の完全融解までは行わず、雪核が残る部分融解にて処理を行うことによって、融解水の循環利用を可能とし、不要融解水の排出をしながら融雪処理を行う。これによって、外部からの化石燃料等による加温を最小限にして有効に融雪することが可能となる。
【0035】
なお、上述したように、集雪処理タンク10と融雪装置の本体30とは常に連結して使用しなければならないものではない。屋根の雪を処理するような場合には集雪処理タンク10で含水雪状にして本体30に投入して処理するが、水分量の多い雪の場合や外気温が高い場合には本体30にそのまま雪を投入して処理すればよい。また、道路雪などのように凝固している場合には破砕機構により被処理雪を破砕してから融解するのがよい。
本発明に係る融雪装置では外部装置として、動力関係の発電機、各種水圧ポンプ、エアコンプレッサー、温水供給装置等を利用する。これらの装置と集雪処理装置10をトラックに積載し、また融雪処理装置の本体10もトラック等に積載することにより、所要場所に移動して融雪するように構成することも可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る融雪処理装置によれば、上述したように、被処理雪に放水して含水雪とし、この含水雪に放水圧衝撃作用、含水雪を圧擦して押しつぶす機械的作用、貯溜水とともに撹拌する撹拌作用等を施すことによって、被処理雪の融解を促進させることができる。また、融解水を被処理雪を融解する放水用として循環利用する循環機構を設けることによって、効率的に被処理雪を融解することができ、効率的な融雪処理が可能になる等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】集雪処理タンクの構成を示す説明図である。
【図2】融雪処理装置の本体の構成を示す説明図である。
【図3】ホッパとホッパに取り付ける破砕機構の構成を示す説明図である。
【図4】回動バケット内での放水管等の構成を示す説明図である。
【図5】回動バケットの内部構成を示す説明図である。
【図6】斜面壁部の底部とインペラーの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
10 集雪処理タンク
14、28 放水筒
22a、22b、22c 攪拌プロペラ
26 側面プロペラ
30 本体部
32 融水分離部
32a 外容器
34 貯水タンク
36 回動バケット
38 メッシュ体
38a 蛇腹メッシュ体
40a、40b フランジ
42a、42b 支持プレート
44 ベアリング
46 斜面壁部
46a パンチング孔
50 電動モータ
54 蓋
56 ホッパ
58 吊りバケット
60 放水管
64 ローターギヤ
70 螺旋放水管
74 温水管
78 主軸エアパイプ
80 掻き上げ羽根
82 サイドカッタ
84 ゴムローラ
86 ブラシ
88 インペラー
90 攪拌ペラ
92 放水管
94 高圧エア管
96、98 吸水ポンプ

Claims (3)

  1. 被処理雪に放水して大量に水を含んだ含水雪とし、雪核が残る部分融解の状態で雪を融解して処理する融雪処理装置であって、
    被処理雪を融解処理する本体の上部に、被処理雪に向けて圧力水を放射する放水管を備えたホッパが設けられ、
    前記本体内に、メッシュ体により有底の筒状に形成され、軸線の回りで回転駆動されて前記ホッパから投入された被処理雪を遠心脱水するとともに、被処理雪に圧力水を放射する放水管、および内壁面に含水雪を圧擦して押しつぶすローラを備えた回転バケットが設けられたことを特徴とする融雪処理装置
  2. 前記ホッパの前段に、圧力水を放射する放水圧衝撃および貯溜水とともに撹拌する作用により、被処理雪を含水雪状とする集雪処理タンクを設けたことを特徴とする請求項1記載の融雪処理装置
  3. 前記本体の下部に、融雪後の水を貯溜する貯水タンクを設け、該貯水タンクに貯溜された水を前記本体での放水用に使用する吸水ポンプ等の循環機構を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の融雪処理装置。
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