JP3624996B2 - 清掃具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、清掃布を使用して手軽に拭き清掃を行うことができる清掃具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、室内清掃用の清掃具として、清掃機よりも静かで且つ手軽に清掃ができ、また、雑巾の様に水を使わずに使用できる乾式の清掃用シート製の清掃布を使用した清掃具が提案されている。
【0003】
本発明者らは、斯かる清掃具として、先端部に柔軟性素材からなるヘッド部を備えた柄と、挿入空間を有する扁平な袋状の清掃布とからなり、該清掃布を該挿入空間を介して該ヘッド部に装着してなる清掃具を提案している。
【0004】
ところで、斯かる清掃具においては、清掃布を、使用済みの面から未使用面に手軽に切り替えることができると便利である。
【0005】
従って、本発明の目的は、清掃布を使用済みの面から未使用面を手軽に切り替えて清掃を行うことができる、清掃具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、清掃布と、該清掃布の装着されるヘッド部を先端部に有する柄とを備えた清掃具において、上記ヘッド部を上記柄に対して上下反転可能に設けるとともに、上記清掃布を固定する固定部を上記ヘッド部の表面から窪むように設け、
上記清掃布を上記ヘッド部に装着させて上記固定部で固定させたときに、該ヘッド部の表面部を覆う該清掃布の表面が該固定部による該清掃布の固定部分において窪むようになしてあることを特徴とする清掃具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0007】
本発明に係る清掃具においては、ヘッド部が該柄に対して上下反転可能であるので、ヘッド部を上下に反転させることによって、簡単に清掃布の使用済み面と未使用面とを切り替えて清掃を行うことができる。また、清掃布の固定部分に埃等が付着することを抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
尚、本明細書で“清掃具”という場合、主として“清掃布の装着された清掃具”を意味するが、“清掃布の装着されていない状態の清掃具(該清掃具から清掃布を除外した器具部分のみ)”を意味する場合もある。
【0009】
本発明に係る清掃具は、先端部に柔軟性素材からなるヘッド部を備えた柄と、挿入空間を有する扁平な袋状の清掃布とから構成されるものである。
【0010】
上記ヘッド部を構成する柔軟性素材は、スポンジ状の多孔性の柔軟性素材、又はゴム状の柔軟性素材であって、C硬度が1〜60、好ましくは20〜35、特に20〜30のものである。ここで、C硬度とは、SRIS(日本ゴム協会規格)0101に基づき高分子計器株式会社製ゴム硬度計C型〔アスカー(商標)〕で測定した硬度である。上記柔軟性素材のC硬度が上記範囲の下限未満であると、清掃対象の形態に応じて変形する当該ヘッド部の先端がへたりやすく、こびりついた汚れが満足に落とせなくなる。また、上記柔軟性素材のC硬度が上記範囲の上限を超えると、清掃対象への密着性が悪くなり充分な掃除ができなくなったり、清掃対象を傷つけたりするほか、清掃中に清掃布が破れやすくなる。
【0011】
上記ヘッド部をスポンジ状の多孔性の柔軟性素材で作製する場合には、耐久性に優れた軟質の発泡させた合成樹脂からなる多孔性の柔軟性素材を使用することが特に好ましい。この様な性質を備えた好ましい多孔性の柔軟性素材としては、例えば、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の合成樹脂が挙げられる。
【0012】
また、上記ヘッド部を上記のような合成樹脂製の多孔性の柔軟性素材で作製する場合には、清掃布の装着・取り外しがスムーズに行えるように、その表面滑性を良好なものとしたり、変色を抑えるように表面処理を施すことが好ましい。このような表面滑性を良好にする方法としては、例えば、メルトーム加工(表面滑性を良好にする加工法)モールドコート加工等が挙げられ、また、変色を抑えるような表面処理方法としては、例えば、インモールドコート加工、黄変防止剤の練り込み、塗装等の処理方法が挙げられる。
【0013】
また、上記ヘッド部には、先端部に進むにつれて肉厚が薄くなるようにテーパーを設けたり、幅方向に進むにつれて側部の肉厚が薄くなるようにテーパーを設ける(例えば、断面形状を台形状や凸レンズ状の形状に設ける)ことが好ましく、この様な形態とすることで、コーナー部や隅部に当該肉厚が薄くなった先端部や側縁部を押し当てて清掃布を密着させることができ、埃などがたまりやすいこれらの部分の清掃を確実に行うことができる。また、ヘッド部の下面部(底面部)は平坦とすることが好ましいが、その一部又は全面に凹凸を設けても良い。
【0014】
上記柄は、先端部にヘッド部を装着可能で且つ後端部に握り手の部分を備えたもので、握り手の部分が上記ヘッド部を装着したときに当該ヘッド部よりも高くなるように湾曲ないし屈曲させて設けたものが好ましい。また、上記柄は、握り手の部分を備えた柄本体と、上記ヘッド部を装着する部分備えた装着部材とで構成し、これらを組立・分解可能に設けることが好ましい。
【0015】
上記柄は、伸縮自在・伸縮不能のいずれのもので構成してもよいが、上述のように柄を湾曲ないし屈曲させた形態とする場合において伸縮自在とするときには、握り手の部分を伸縮自在且つ所定位置で係止可能としたり、ヘッド部を装着する部分を伸縮自在且つ所定位置で係止可能とすることが好ましい。
【0016】
上記柄は、塩化ビニル、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート、アルミ若しくはその合金、木、竹製のものが、軽量で丈夫且つ低コストであるので好ましい。
【0017】
上記ヘッド部又は上記柄には、ヘッド部に装着した清掃布を固定する固定部を設ける。固定部は、ヘッド部の表面より窪むように配設し、当該固定部に清掃布を固定させたときに、当該清掃布の表面が、ヘッド部の表面部を覆う清掃布の表面より窪むようにする。清掃布は袋状のものが好ましく、この場合、清掃布の開口部近傍が該固定部により固定される。当該固定部の上記ヘッド部の表面からの窪み量は、好ましくは0.1〜10mm、更に好ましくは0.5〜5mmである。また、固定部は、清掃布を最初に装着した場合と、清掃布の上下面を反転して入れ換えて装着した場合とにおいて、当該清掃布の開口部近傍の同じ部分で固定できるように配設する。このように清掃布の開口部近傍のを同じ部分で固定できるようにすることで、固定部に固定した開口部近傍への埃等の付着を抑えることができるとともに当該清掃布を裏返して再度固定するときに固定部に埃が付着したり詰まったりすること、また、固定作業時の手の汚れ等を防ぐことができる。
【0018】
固定部を柄に設ける場合には、ヘッド部の上下両面部における、当該ヘッド部に装着した清掃布の開口部近傍を臨む箇所に、開口部又は切欠部を設けておき、当該開口部又は切欠部から柄に設けた固定部を露呈させるように設けることが好ましい。特に、前述のように、柄を柄本体と装着部材とで構成する場合には、固定部は装着部材に配設することが好ましい。
また、固定部をヘッド部を構成する柔軟性素材に設ける場合には、ヘッド部の上下両面部における、当該ヘッド部に装着した清掃布の開口部近傍を臨む箇所に、凹部を設け、この凹部内に固定部を設けることが好ましい。
【0019】
上記固定部の形態は、清掃布の開口部近傍を確実に固定できるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、菊座と称される放射状のスリットを形成する可撓性の複数の片部を備えたもの、ファスナー付きテープを備えたもの、又は、嵌合凹所及び該嵌合凹所に対応した嵌合突起を備えた挟持板をヒンジを介して設けたもの等の種々の形態が挙げられる。
【0020】
上記柄と上記ヘッド部とは、着脱不能に固定してもよく、着脱可能としてもよい。また、ヘッド部は、当該ヘッド部を柄に装着した状態において、柄(柄本体)に対して上下反転可能に設ける事が好ましく、特に、前述のように、柄を柄本体及び装着部材の二部材で構成する場合には、ヘッド部を柄に装着した状態で当該ヘッド部を水平軸まわりに回転可能且つ所定角度で係止可能に設け、ヘッド部が柄本体に対して上下反転が可能なように設けることが好ましい。また、柄本体に、所定角度でロック可能な公知の多関節機構を採用し、ヘッド部の高さ位置を握り手の部分に対して上下動できるように設け、ヘッド部の高さ位置に応じて握り手の部分を反転させるようにしてもよい。このように、ヘッド部を柄に装着した状態において、当該ヘッド部を上下反転可能に設けると、未使用面と使用済み面との切り替えが簡単に行え、清掃布を無駄なく使用することができる上で効果的である。
【0021】
本発明の清掃具は、上記ヘッド部を上記柄に装着した状態において、その重心を上記ヘッド部に位置させることが好ましい。このように清掃具の重心をヘッド部に位置させることによって、当該清掃具を載置した際に、柄の後端部が載置面に付き且つヘッド部の先端部が上方に持ち上がった不安定な状態となることを防ぐことができる。従って、載置した状態で握り手の部分を握りやすく、直ちに清掃を行うことが出来る。ヘッド部に重心を位置させる手法は、特に限定されるものではないが、例えば、柄の構造を中空構造にする、ヘッド部自体の密度を高くし重くする等の手法が挙げられる。特に、柄の構造を中空構造にすることは、柄を細くすることなく、握りやすい太さに保つことができる点、また、清掃具全体の軽量化がはかれる点で効果的である。
【0022】
上記清掃具において、上記ヘッド部に装着する清掃布は、上記ヘッド部に装着可能なものであればいずれのものも使用でき、シート状の清掃布でも良いが、不織布を貼り合わせて貼り合わせ部を設け、その内側に挿入空間を有する扁平な袋状に形成した清掃布であって、上記貼り合わせ部の外側に、非貼り合わせ部を設けたものが特に好ましい。
【0023】
上記清掃布を構成する不織布は、吸塵性に優れ且つ耐摩耗性に優れている繊維材料からなる不織布が特に好ましく使用される。この様な性質を備えた好ましい不織布としては、例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サクション不織布、ヒートボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられる。
不織布を形成する繊維組成は、貼り合わせの形態により適宜選定することができるが、後述のように、不織布をヒートシールにより貼り合わせて清掃布を形成する場合には、好ましい不織布として、例えば、清掃面側にポリエチレンテレフタレート(PET)繊維製の不織布を使用するとともに、貼り合わせ面側にPET/ポリエチレン(PE)(芯/鞘)複合繊維製の不織布を使用し、これらの不織布を、ポリプロピレン(PP)繊維を格子状に形成したPPネットを介しウォーターニードリングで不織布化したものを使用することが好ましい。この場合、特に、貼り合わせ面側に使用する不織布を構成する上記PET/PE(芯/鞘)複合繊維は、PEを10〜90wt%含むものを使用することが好ましい。
【0024】
上記清掃布は、装着時において、内部に挿入空間を有する扁平な袋状となる形態であればいずれの形態でも良いが、例えば、、二枚の不織布を重ね合わせ、所定の幅でシールして貼り合わせ部を設けた形態、一枚の不織布を折曲し、折曲箇所以外の部分を所定の幅でシールして貼り合わせ部を設け、ヘッド部の形態に対応した挿入空間を有する扁平な袋状に形成した形態が好ましい。特に、挿入空間をヘッド部の形態に対応させると、固定部に固定した清掃布の開口部近傍を除いた全面を余すことなく使用できるようにする上で効果的である。
【0025】
上記貼り合わせ部の形態は、上記ヘッド部の形態に応じた形態とすることが好ましく、例えば、先端部に角部を有する形態としたり、平面視してU字状、V字状等の形態とすることが好ましい。また、貼り合わせ部は、種々のシール法による他、縫合によっても設けることができる。シール法によって貼り合わせ部を設ける場合には、その幅を、20mm〜0.1mm、好ましくは10mm〜1mmとすることで、所望の強度を得ることができる。シール法には、超音波シール法、ホットメルト接着剤を用いたシール法、ヒートシール法等のシール法を採用することができる。これらのシール法によって貼り合わせ部を形成する場合のシールパターンは、特に限定されるものではないが、好ましいシールパターンとしては、例えば、ベタ、ストライプ、ドット等のシールパターンが挙げられる。また、縫合によって貼り合わせ部を設ける場合には、ミシン縫い等で用いられる通常の縫合法を採用することが好ましい。
【0026】
また、貼り合わせ部の外側に設ける非貼り合わせ部の幅は、貼り合わせ部を上記シール法によって設ける場合には、不織布の周縁部から1mm〜50mm、好ましくは、5mm〜30mmとする。上記1mmよりも幅が狭いと、シールされた貼り合わせ部で清掃対象物を傷つけ易くなるほか、当該非貼り合わせ部での吸塵効果がほとんどなくなり、また、上記50mmを超えると、非貼り合わせ部の腰がなくなって清掃し辛くなる。また、上記貼り合わせ部を上記縫合により設ける場合には、不織布の周縁部から1mm〜50mm、好ましくは5mm〜30mmとする。1mmよりも狭いと、縫合糸がほつれやすくなるほか、当該非貼り合わせ部の吸塵効果がなくなり、また、50mmを超えると、非貼り合わせ部の腰がなくなって清掃し辛くなる。
【0027】
上記非貼り合わせ部は、貼り合わせ部に対応してその外側に設けることが好ましく、上述の如く、二枚の不織布から清掃布を形成した場合には、非貼り合わせ部は、開口部を除く清掃布の全周に設け、また、一枚の不織布から袋状に形成した場合には、清掃布の周縁部の一部に設けることが好ましい。なお、非貼り合わせ部は、貼り合わせ部に対応して設けることが好ましいが、貼り合わせ部の外側の一部に設けても良い。この貼り合わせ部の外縁部の形態は、特に限定されるものではないが、例えば、連続的な山型形状(鋸歯状)にカットした形態とすることが埃等を効果的に付着させる上で効果的である。
【0028】
上記清掃布の開口部に少なくとも一箇所以上のスリットを設けることは、当該清掃布の取付・取り外しを容易にする上で効果的である。この場合、スリットの長さは、10mm〜70mm程度とすることが好ましい。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0030】
図1〜図6は、本発明に係る清掃具の一実施例を示したものである。これらの図において、符号1は清掃具を示している。
【0031】
図1に示したように、上記清掃具1は、先端部に柔軟性素材からなるヘッド部2を備えた柄3と、挿入空間Sを有する扁平な袋状の清掃布4とからなり、清掃布4を挿入空間Sを介してヘッド部2に装着してなるものである。
【0032】
上記ヘッド部2は、表面にメルトーム加工が施された軟質エステル系ウレタンフォーム製の多孔性の柔軟性素材(C硬度=20〜30)から構成されている。上記ヘッド部2は、平面視したときの形状が先端部に二つの角部を有し且つ後方に進むにつれて幅広の六角形形状となるように設けられている(図4(a)参照)。また、上記ヘッド部2は、先端部に進むにつれて、また、幅方向に進むにつれてそれぞれ肉厚が薄くなるように設けられており、その断面形状は台形形状(図9(a)参照)になっている。そして、下面部21及びこれに連設する周面部22の作る角部の角度は直角又はそれより鋭角となっている。
【0033】
図2〜図4に示したように、ヘッド部2の上面部20及び下面部21の両面部の後方部には、後述のクリッパー(固定部)31aを露呈させるための、切欠部20a及び21aが形成されている。ヘッド部2の後端部には、また、凹部23(図5参照)が形成されており、この凹部23に、後述する柄3の装着部材31が接着固定できるようになしてある。
【0034】
上記柄3は、握り手部分を備えた柄本体30と、その先端部に装着される装着部材31とから構成されている。柄本体30は、装着部材31を組み付けて当該装着部材31に上記ヘッド部2を装着したときに、握り手の部分がヘッド部2よりも高く位置するように湾曲した形態に設けられている。また、柄本体30は、中空構造に設けられており、当該清掃具1の重心がヘッド部2に位置するよう設けられている。
【0035】
図5に示したように、柄本体30の先端部には、上記装着部31に当接する板部30aが形成されている。また、この板部30aの中央部には連結用の突起部30bが形成されているとともに、この連結用の突起部30bの両側には、係止突起30cが形成されている。上記装着部材31には、上記連結用の突起部30bが挿入可能な挿入孔31bが成形されており、また、この挿入孔の両側には、上記係止突起30cが係止可能な係止凹部31cが形成されている。そして、装着部材31に上記ヘッド部2を装着した状態で、ヘッド部2を回転させて上下反転できるようになしてある。
【0036】
上記装着部材31の上・下面部には、清掃布4を当該ヘッド部2に装着固定するための固定部を構成するクリッパー31aがそれぞれ嵌合されている。クリッパー31aには、菊座と称されるスリットを形成する可撓製の複数の片部が設けられており、清掃布4の開口部近傍4aをスリットに押し込むだけで、その固定が簡単且つ確実に行えるようになっている。このクリッパー31aは、装着部材31にヘッド部2を装着したときに、当該ヘッド部2の表面よりも窪むように装着部材31に配設されており、当該クリッパー31aに清掃布4の開口部近傍4aを固定させたときに、該開口部近傍4aの表面が、ヘッド部2の表面を覆う清掃布4の表面より窪むようなしてある(図1参照)。クリッパー31aがそれぞれ嵌合されている。クリッパー31aには、菊座と称されるスリットを形成する可撓製の複数の片部が設けられており、清掃布4の開口部近傍4aをスリットに押し込むだけで、その固定が簡単且つ確実に行えるようになっている。このクリッパー31aは、装着部材31にヘッド部2を装着したときに、当該ヘッド部2の表面よりも窪むように装着部材31に配設されており、当該クリッパー31aに清掃布4の開口部近傍4aを固定させたときに、該開口部近傍4aの表面が、ヘッド部2の表面を覆う清掃布4の表面より窪むようなしてある(図1参照)。
【0037】
上記菊座とは、放射状に延在した開き用スリットと、該開き用スリットに連続するとともに更に鋸歯形状に形成されている保持用スリットとから形成されている。詳細には、該菊座を有する固定部は、該固定部に形成した嵌合孔に嵌合設置され清掃布を装着固定する清掃シート装着具(クリッパー31a)を備えている。該クリッパー31aは、筒部と天面部とから構成され、該筒部を上記嵌合孔に嵌合するとともに、該天面部に該菊座を有している。そして、清掃布を指等でクリッパーの天面部の菊座に押し込むだけで、清掃布をヘッド部または柄に固定できるようになしてある。
【0038】
図6(a)及び(b)に示したように、上記清掃布4は、周縁部が連続的な山型状にカットされた2枚のスパンレース不織布が、ヒートシールによって貼り合わされて挿入空間Sを有する扁平な袋状に形成されたものである。本実施例の清掃布4には、先端部に二つの角部40aを有する形状の幅5mmの貼り合わせ部40が設けられている。そして、この貼り合わせ部40の外側に、清掃布4の周縁部に沿う幅10mm〜30mmの非貼り合わせ部41が設けられている。また、上記清掃布4の一側部には、スリット42が形成されており、当該清掃布4の取り付け・取り外しが容易に行えるようになしてある。さらに、清掃布4の上記挿入空間Sは、上記ヘッド部2に対応して設けられており、上記開口部近傍4aを除いた清掃布4の全面を余すことなく使用できるようになっている。
【0039】
上記清掃具1を使用する際には、まず、柄本体30、装着部材31及びクリッパー31aから柄3を組み立てる。次いで、装着部材31にヘッド部2を接着固定し、図2の状態とする。そして、ヘッド部2に上記清掃布4を被せるように装着する。この際、上記ヘッド部4の表面にメルトーム加工が施されているので、清掃布4の装着はスムーズに行うことができる。次いで、上記クリッパー31aに清掃布4の開口部近傍4aを押し込んで、当該清掃布4をヘッド部2にしっかりと固定する。
【0040】
そして、比較的面積の広いテーブル、机などは、主として清掃布4の貼り合わせ部40の内側を利用して埃などを拭き取る。また、キーボードのキーの間等の狭い隙間等は、非貼り合わせ部41を挿入して埃などを吸着させて掃除する。
【0041】
そして、清掃布4の下面側が汚れた場合には、図5に示すように(図5では柄3のみ図示)、柄本体30を上記挿入突起20bの軸まわりに回転させてヘッド部2を上下反転させる。そして、清掃布4の未使用面側で再び拭き掃除を行う。
【0042】
さらに、清掃布4の表面全体の汚れがひどくなった場合には、上記クリッパー31aから清掃布4の開口部近傍4aを剥がし、次いで、清掃布4の開口部近傍4aを摘んで、当該清掃布4をヘッド部2から剥がすようにして取り外す。そして、取り外した清掃布4を裏返しにし、再度ヘッド部2に装着することで、清掃布4の表裏両面を無駄なく使用することができる。またこの際、清掃布4の開口部近傍4aには、埃等がほとんど付着していないため、当該清掃布4を裏返して再度固定するときにも当該クリッパー31aに埃等が詰まることを防ぐことができる。
【0043】
本実施例に係る清掃具1においては、上記柄3に上記ヘッド部2を装着した状態で、ヘッド部2を上下反転できるので、ヘッド部2を上下に反転させることによって、簡単に未使用面で清掃を行うことができる。
【0044】
また、クリッパー31aに清掃布4を固定させたときに、当該清掃布4の開口部近傍4aの表面が、ヘッド部2の上・下両面部20・21を覆う清掃布4の表面より窪むように固定できるので、使用者が汚れた部分を摘まずに清掃布の取り替え等を行うことができる。また、清掃布4の上記挿入空間Sは、上記ヘッド部2に対応して設けられているので、上記開口部近傍4aを除いた清掃布4の全面を余すことなく使用でき、経済的である。
【0045】
また、上記ヘッド部2に、下面部21と周面部22とが連設され、これら両面部の作る角部の角度が90度以下であるため、当該角部をコーナー部や隅部等のゴミのたまりやすい箇所に押し当てて清掃布4を密着させることができ、これらの箇所の清掃も確実に行うことが出来る
【0046】
さらに、清掃具1は、その重心が上記ヘッド部2にあるので、当該清掃具1を載置したときに、柄3の後端部が載置面に付き且つヘッド部2の先端部が上方に持ち上がった不安定な状態となることを防ぐことができる。従って、載置した状態でも握り手の部分が握りやすく、直ちに清掃を行うことが出来る。また、柄3を中空構造にして上記ヘッド部2に重心を位置させているので、柄3を細くすることなく、握りやすい太さに保つことができる。
【0047】
また、ヘッド部2を構成する柔軟性素材が、適度な硬度を有しているので、清掃対象の形態に応じて変形するヘッド部2の先端部がへたりにくいので、こびりついた汚れが満足に落とせなくなったりすることがないほか、ヘッド部2が適度な硬さ及び柔軟性を有しているので、清掃対象への密着性も良好で充分な掃除ができるとともに、清掃対象を傷つけたり、清掃中に清掃布4が破れたりするおそれもない。
【0048】
本発明に係る清掃具は、上記実施例の清掃具1に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲において、その寸法、形状、材質等の形態を適宜変更することができる。
【0049】
例えば、上記実施例の清掃具1では、ヘッド部2を断面形状が台形形状(図9(a)参照)としたが、図7に示す実施形態の清掃具1のヘッド部2’のように、凸レンズ状としてもよい。
【0050】
また、上記実施例の清掃具1の柄3では、ヘッド部2を柄3に対して回転可能に設けることによって、当該ヘッド部2を上下反転可能に設けたが、図8(a)〜(c)に示す実施例の柄3’のように、柄本体30’に、所定角度でロック可能な公知の多関節機構32’を採用し、柄3’の握り手の部分をヘッド部2’に対して上下動できるように設け、掃除箇所に応じてヘッド部2’を反転させて使用できるようにしてもよい。
【0051】
また、ヘッド部の断面形状は、上記実施形態の清掃具1のヘッド部2のように、台形形状(図9(a)参照)とすることが好ましいが、図9(b)〜(d)に示す実施例のヘッド部2’のように、半月状、凸レンズ状又は矩形状の断面形状としてもよい。
【0052】
また、本発明の清掃具においては、図6に示す実施例の清掃布4のように、清掃布4の開口部の一箇所にスリット42を設けることが好ましいが、図10(a)に示す実施例の清掃布4’のように、二箇所にスリット42’を設けてもよく、或いは図10(b)に示す実施例の清掃布4’のように、スリットを設けなくても良い。
【0053】
シート状の清掃布10をヘッド部2に装着する場合には、図11に示すように、ヘッド部2の先端部を覆うようにして、その一端を該ヘッド部2の上面に設けた上記クリッパー31aで固定し、その他端を該ヘッド部2の底面に設けた別のクリッパー(図示せず)で固定したり、また、図12に示すように、ヘッド部2を清掃布10の中央部を載置し、その両端を該ヘッド部2の上面に重ね合わせ、該上面及び該底面においてそれぞれ該清掃布10を固定することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明に係る清掃具によれば、ヘッド部を上下に反転させることによって、簡単に未使用面で清掃を行うことができる。また、清掃布の固定部分に埃等が付着することを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る清掃具の一実施例を示す斜視図である。
【図2】同実施例の清掃具の清掃布を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】同実施例の清掃具の清掃布を取り外した状態を示す側面図である。
【図4】同実施例の清掃具の清掃布を取り外した状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は底面図である。
【図5】同実施例の清掃具において、ヘッド部を上下反転させている状態を示す斜視図である。
【図6】同実施例の清掃具の清掃布を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図7】本発明に係る清掃具の他の実施例において、ヘッド部を上下反転させている状態を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る清掃具における柄の他の実施例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る清掃具のヘッド部の断面形状を示した図であり、(a)は図4(a)のA−A断面図、(b)はヘッド部の断面形状を示す(a)相当図、(c)はヘッド部の断面形状を示す(a)相当図、(d)はヘッド部の断面形状を示す(a)相当図である。
【図10】本発明に係る清掃具における清掃布の他の実施例を示す図であり、(a)はスリットを二箇所設けた清掃布の平面図、(b)はスリットを設けていない清掃布の平面図である。
【図11】図11は、図1及び図2に示す清掃具にシート状の清掃布を装着した状態の一例を示す斜視図である。
【図12】図12は、図1及び図2に示す清掃具にシート状の清掃布を装着した状態の別の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 清掃具
2 ヘッド部
3 柄
30 柄本体
31 装着部材
31a クリッパー(固定部)
4 清掃布
S 挿入空間
Claims (2)
- 清掃布と、該清掃布の装着されるヘッド部を先端部に有する柄とを備えた清掃具において、上記ヘッド部を上記柄に対して上下反転可能に設けるとともに、上記清掃布を固定する固定部を上記ヘッド部の表面から窪むように設け、上記清掃布を上記ヘッド部に装着させて上記固定部で固定させたときに、該ヘッド部の表面部を覆う該清掃布の表面が該固定部による該清掃布の固定部分において窪むようになしてあることを特徴とする清掃具。
- 上記清掃布が、挿入空間を有する扁平な袋状に設けられており、該挿入空間を介して上記ヘッド部に装着される、請求項1に記載の清掃具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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