JP3624449B2 - 転動部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車部品やその他の産業機械に使用される転がり軸受やロール等の転動部材に関し、特に、異物混入潤滑下(異物の混入している潤滑剤が転動部材の転動面に存在している状態)や、液体内等の潤滑不良の生じやすい環境下でも好適に使用される耐磨耗性および転動疲労寿命の高い転動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、軸受を代表とする転動部材の使用環境が益々厳しくなってきており、例えば、厚板材の圧延工程におけるテンションレベラー用のワークロールやバックアップロールに使用される軸受には、高い耐磨耗性が必要とされ、酸洗工程におけるスケール除去用のワークロールやバックアップロールに使用される軸受には、高い耐磨耗性と耐食性が必要とされる。
【0003】
このような要求に対し、耐磨耗性を向上させた軸受の例としては、例えば炭化物形成元素が添加された析出硬化型の工具鋼(SKH,SKD等)により軸受構成部材を形成し、これに焼入れ・焼戻しを施して転動面に多数の二次炭化物を析出させたものがある(金属便覧、日本金属学会編、改定3版、第80〜90頁参照)。
【0004】
また、異物混入潤滑下における転動疲労寿命を長くするためには、一般に、ずぶ焼鋼より転動寿命が長いとされている肌焼鋼により軸受構成部材を形成し、これに対する焼入れ・焼戻しによって残留オーステナイト量を25〜40体積%に制御することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のSKH,SKD等の工具鋼は二次硬化型の鋼であり、前記二次炭化物を多数析出させるために一般に520℃以上の高温で焼戻しを行っているため、焼戻し後の残留オーステナイト量ははぼ“0”となっている。ここで、残留オーステナイト量が多いほど異物混入潤滑下での転動疲労寿命が長いため、従来のSKH,SKD等の工具鋼で耐磨耗性向上のための高温焼戻しがなされたものは、異物混入潤滑下での転動疲労寿命が短いという問題点がある。
【0006】
また、前述の肌焼鋼により形成され、残留オーステナイト量を25〜40体積%としたものは、通常の異物混入潤滑下での転動寿命は長いが、水等の液体中で使用される場合には、境界潤滑となって金属同士の接触を起こしやすくなるため、転動体表面に磨耗が生じて転動寿命が短くなることが考えられる。
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであり、異物混入潤滑下や液体内等の潤滑不良の生じやすい環境下であっても好適に使用される、耐磨耗性および転動疲労寿命に優れた転動部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、0.5重量%以上1.7重量%以下の炭素(C)と、4重量%以上18重量%以下のクロム(Cr)と、モリブデン(Mo)およびバナジウム(V)およびタングステン(W)のうちの少なくとも一種類と、を含む二次硬化型の合金鋼により形成された後に焼入れ・焼戻しされてなり、少なくとも転動面の表層に二次炭化物の析出を有し、残留オーステナイト量が12〜35体積%であり、表面硬さがロックウエル硬さHR C58以上であることを特徴とする転動部材を提供するものである。
【0008】
前記二次炭化物とは、二次硬化型の合金鋼が二次硬化による硬さ上昇開始温度以上の温度で焼戻しされる場合に、焼戻しによって生成する微細な炭化物である。これに対して、合金鋼の溶解時に生成される炭化物を一次炭化物という。
前記転動面とは、例えば転動部材が転がり軸受であれば内外輪の軌道面および転動体の周面を、転動部材がロールであればロール周面を意味する。
【0009】
前記表層とは、転動面の表面から例えば100μmまでの深さを意味し、転動部材が玉軸受であれば、その転動体については転動体直径の2%までの深さを意味する。
また、前記残留オーステナイト量は、前記表層における平均残留オーステナイト量を意味する。
【0010】
クロム(Cr)の含有量は例えば4〜18重量%とする。さらに、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、およびタングステン(W)は炭化物形成元素であり、これら3元素のうち少なくとも一種類が含有されるが、その場合に、モリブデン(Mo)は0.8重量%以上、バナジウム(V)は0.3重量%以上、タングステン(W)は0.8重量以上含有されていれば、適切な焼戻し温度の選定によって二次炭化物の形成がなされる。また、タングステン(W)は6重量%、バナジウム(V)は3重量%、モリブデン(Mo)は6重量%を超えて含有されてもこれによる効果は飽和するため、経済的見地からはこれらを上限値とすることが好ましいが、これらの上限値を超えて含有されていていても構わない。
【0011】
二次硬化型の合金鋼により形成され焼入れ・焼戻しが施された部材の硬さおよび残留オーステナイト量は、焼戻し温度に応じて変化する。図1は、本発明の転動部材を形成する各種組成の合金鋼について調べた、焼戻し温度とロックウエル硬さ(HR C)および残留オーステナイト量との関係を示すグラフである。
このグラフから分かるように、本発明の転動部材を得るためには、使用する合金鋼の組成に応じて適切な焼戻し温度を選定する必要がある。すなわち、ロックウエル硬さ(HR C)を58以上とし、且つ残留オーステナイト量を12体積%以上とするためには、合金鋼の組成に応じて焼戻し温度を480℃以上550℃以下とするが、表層に二次炭化物を析出させるためには、焼戻し温度を二次硬化による硬さ上昇開始温度(合金鋼の組成に応じて異なるがほぼ440℃付近)以上とする必要がある。したがって、本発明の転動部材を得るための焼戻し温度は、例えば450℃以上であって且つ合金鋼の組成に応じた残留オーステナイト量を12体積%以上とする温度範囲から選定される。
すなわち、本発明の転動部材は、0.5重量%以上1.7重量%以下の炭素(C)と、4重量%以上18重量%以下のクロム(Cr)と、モリブデン(Mo)およびバナジウム(V)およびタングステン(W)のうちの少なくとも一種類と、を含む二次硬化型の合金鋼を、所定形状に形成する工程と、前記工程で得られた所定形状の部材に焼入れ・焼戻しを行う工程とを備え、前記焼戻しは、前記部材の表層に微細な二次炭化物が析出し、且つ残留オーステナイト量が12体積%以上となり、且つ表面硬さがロックウエル硬さH R C58以上となる温度で行うことを特徴とする方法で得ることができる。
【0012】
【作用】
本発明の転動部材は、残留オーステナイト量が12体積%以上であるため、異物混入潤滑下でのL10寿命が所定値(例えば2.74×106 サイクル)以上である長い転動寿命を達成できる。
また、図2に、残留オーステナイト量と異物混入潤滑下でのL10寿命比(残留オーステナイト量が“0”のときのL10寿命を“1”とした比)との関係を調べた一例のグラフを示す。このグラフから分かるように、残留オーステナイト量が多いほど異物混入潤滑下での転動寿命は長くなるが、30重量%を超えるとその硬化は飽和する。また、残留オーステナイト量を多くするためには焼入れ温度を高く設定する必要があるが、焼入れ温度が高すぎると結晶粒の粗大化が生じて機械的性質が低下する。これらを考慮して、本発明では残留オーステナイト量の上限値を35体積%とした。
【0013】
図3に、転動部材の表面硬さと比磨耗量との関係を調べた一例のグラフを示す。図3のグラフで、曲線aは転動部材の表層に二次炭化物の析出があるものの結果を示し、曲線bはその析出がないものの結果を示している。このグラフから分かるように、ロックウエル硬さ(HR C)が58未満であると比磨耗量が著しく大きくなり、表層に二次炭化物の析出がないと同じ硬さでも比磨耗量が著しく大きくなる。したがって、本発明の転動部材は、少なくとも転動面の表層に二次炭化物の析出があり、且つ転動面の表面硬さがロックウエル硬さでHR C58以上であるため耐磨耗性が高い。
【0014】
また、使用する合金鋼の炭素(C)の含有率を0.5重量%以上としたのは、炭素(C)の含有率が0.5重量%未満であると、転動面の表面硬さがロックウエル硬さでHR C58未満となるためである。なお、炭素(C)の含有率が1.7重量%を超えると、粒径が10μmを超える巨大な一次炭化物が生じやすくなって機械的性質が低下するため、炭素(C)の含有率は1.7重量%以下であることが好ましい。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
Fe以外の主要成分が下記の表1に示す組成であるNo. 1〜10の各種合金鋼によりそれぞれ転動体、内外輪、各試験用の試験片を作製して、これらに対して下記の表2に示す各温度条件で熱処理(焼入れ・焼戻し)を行った。これらを焼戻し温度によってA,B,Cに分類し、サンプルNo. A1〜A10,B1〜B6,C2,C4〜C6とした。
【0016】
そして、各サンプルについて、ロックウエル硬さ(HR C)をJISに従って測定するとともに、X線回折により、内輪の軌道面側表層部(表面から100μmまで)の残留オーステナイト量を定量した。さらに、熱処理後の内輪の軌道面を電子顕微鏡により観察して、軌道面に平均粒径(最大粒径と最小粒径との平均値)が10μmを超える巨大な一次炭化物が生成しているかどうかを調べた。また、下記の各試験を行った。
【0017】
なお、前記熱処理は、30分程度の予熱の後に焼入れ温度まで昇温して焼入れ温度±10℃程度に30分程度保持し、その後に油焼入れを行って60℃程度まで急冷し、焼戻しは、二回に分けてそれぞれ90分程度焼戻し温度に保持することにより行った。一例として、図4に、サンプルNo. A2に対して施した熱処理のヒートパターンを示す。
<異物混入潤滑下での寿命試験>
同じサンプルNo. の転動体および内外輪を用いてスラスト軸受を組み立て、これを「特殊鋼便覧」第一版(電気製鋼研究所編、理工学社、1969年5月25日)10〜12頁に記載のスラスト形寿命試験機に取り付け、下記の条件により異物混入潤滑下におけるL10寿命を測定した。
【0018】
混入異物 :平均粒径100μmの鉄粉硬さ ;HR C52混入量;300ppm潤滑油 :R068タービン油荷重条件 :PMAX =4900MPa軸受回転数:1000rpm試験温度 :60℃すなわち、各種類の軸受10個ずつに対して寿命試験を行い、ワイブル分布関数により、短寿命側から10%の軸受にフレーキングが発生するまでの総回転数(サイクル)を求め、これを寿命とした。なお、この異物混入潤滑下での寿命は2.74×106 サイクル以上であると、転がり軸受として十分に実用的なものとなる。
<耐磨耗試験>
各サンプル毎に作製された磨耗試験用の試験片を用い、図5に示すようなサバン式磨耗試験機により磨耗試験を行った。すなわち、各サンプル毎にサバン式磨耗試験機用の固定試験片1と回転試験片2とを作製してこれらを試験機に取り付け、荷重用の重り3とバランス用の重り4とにより固定試験片1を回転試験片2の外周面に押し付けながら、回転試験片2を固定試験片1に対して回転させ、この回転に伴う両試験片の磨耗量の合計値を比磨耗量として測定した。なお、押しつけの初期面圧を100MPaとし、回転試験片2を固定試験片1に対する回転速度を周速度で1m/sとした。
【0019】
このようにして測定した比磨耗量が0.50(mm3 /kgf・mm)未満のものを耐磨耗性に特に優れている(◎)、0.50以上で1.5未満のものを耐磨耗性が良好である(○)、1.50以上で2.0未満のものを耐磨耗性が普通である(△)、2.0以上のものを耐磨耗性が悪い(×)と評価した。
<耐食性試験>
サンプルNo. A1〜A10について10個ずつ試験片を用意し、熱処理後の試験片(直径13mm、厚さ5mmの円板状)に研磨仕上げを行った後に表面を十分に脱脂し、下記の二種類の試験を行った。
(1)JIS C 0028により規定されている電気・電子部品用の環境試験であって、温湿度を組み合わせたサイクル試験を10サイクル行った後、各試験片の表面を目視により観察し、表面に錆が発生している割合を測定した。
(2)JIS K 2246により規定されている湿潤箱試験を1000時間行った後、各試験片の表面を目視により観察し、表面に錆が発生している割合を測定した。
【0020】
このようにして測定した湿潤箱試験による錆発生率が“0”であるものを耐食性に特に優れている(◎)、20%未満であるものを耐食性が良好である(○)、20%以上で40%未満のものを耐食性が普通である(△)、40%以上のものを耐食性が悪い(×)と評価した。
以上の各条件および測定結果および試験結果について、下記の表2に併せて示す。また、耐食性試験の結果を、Cr含有率と錆発生率との関係で図6にグラフで示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
表2の結果から分かるように、本発明の実施例に相当するサンプルNo. A1〜A10については、異物混入潤滑下のL10寿命が2.74×106 サイクル以上と高く、且つ耐磨耗性も高くなった。炭化物形成元素(Mo、V、W)の合計含有量が多いA4,A5は耐磨耗性に特に優れたものとなった。これに対して、本発明の比較例に相当するサンプルNo. B1〜B6,C2,C4〜C6については、異物混入潤滑下のL10寿命または耐磨耗性のいずれかが劣るものとなった。
【0024】
また、サンプルNo. A3,A9,A10,B3については、巨大一次炭化物の生成が有る。このため、転動中に高負荷がかかるとこの炭化物の脱落や欠損が生じて早期剥離が生じやすくなる傾向を示すことから、A3,A9,A10のL10寿命は2.74×106 サイクル以上の条件を満たしてはいるが、他のA類と比較すると比較的低いものとなった。そして、B3のL10寿命は2.74×106 サイクルを下回るものとなった。また、A9,A10については、必要最低限の性能は満たすものの、他のA類と比較すると耐磨耗性も低いものとなった。
【0025】
この巨大一次炭化物の生成は、使用する合金鋼のクロム含有率に対する炭素含有率の関係に依存するものであり、炭素含有率GC がクロム含有率GCRに対して下記の(A)式を満たす場合には、巨大一次炭化物が生成し難くなる。
GC ≦1.23−(0.035GCR)‥‥‥(A)
各合金鋼No. 1〜10について、クロム含有率と炭素含有率との関係を図7のグラフに示す。このグラフから分かるようにNo. 3,9,10は前記(A)式の範囲を外れているため、これらの合金鋼で作製されたサンプルNo. A3,A9,A10,B3に巨大一次炭化物が生成したと考えられる。
【0026】
したがって、L10寿命と耐磨耗性とをさらに向上させるためには、表層に生成している一次炭化物の平均粒径が10μm以下であることが好ましく、そのために、本発明の転動部材に使用する合金鋼の炭素含有率は、0.5以上且つ(1.23−(0.035GCR))以下であることが好ましい。
また、サンプルNo. A4〜A6については、表2から分かるように、使用した合金鋼のクロム含有量が4重量%台と少ないため、耐食性に劣るものとなった。また、図7のグラフから、温湿度組み合わせ試験ではクロム含有率が5重量%以上となると錆発生率が“0”になり、より厳しい湿潤箱試験ではクロム含有率が7重量%以上となると錆発生率が“0”になることが分かる。
【0027】
したがって、耐食性を高くするために、本発明の転動部材に使用する合金鋼のクロム含有率を5重量%以上とすることが好ましく、7重量%以上とすることがより好ましい。そして、本発明の転動部材がこのようなクロム含有率の高い合金鋼で形成されると、当該転動部材は、水がかかる部分に使用されるロールや軸受として好適なものとなる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の転動部材は、耐磨耗性および転動疲労寿命に優れているため、異物混入潤滑下や液体内等の潤滑不良の生じやすい環境下であっても好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転動部材を形成する各種組成の合金鋼について調べた、焼戻し温度とロックウエル硬さ(HR C)および残留オーステナイト量との関係を示すグラフである。
【図2】残留オーステナイト量と異物混入潤滑下でのL10寿命比との関係を調べた一例を示すグラフである。
【図3】転動部材の表面硬さと比磨耗量との関係を調べた一例を示すグラフである。
【図4】実施例において行った熱処理の一例を示すヒートパターンである。
【図5】実施例で耐磨耗性を調べるために使用したサバン式耐磨耗性試験機を示す概要図である。
【図6】実施例における耐食性試験の結果を、Cr含有率と錆発生率との関係で示したグラフである。
【図7】実施例で使用した合金鋼の組成について、クロム含有率と炭素含有率との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 固定試験片
2 回転試験片
3 荷重用重り
4 バランス用重り
Claims (4)
- 0.5重量%以上1.7重量%以下の炭素(C)と、4重量%以上18重量%以下のクロム(Cr)と、モリブデン(Mo)およびバナジウム(V)およびタングステン(W)のうちの少なくとも一種類と、を含む二次硬化型の合金鋼により形成された後に焼入れ・焼戻しされてなり、少なくとも転動面の表層に二次炭化物の析出を有し、残留オーステナイト量が12〜35体積%であり、表面硬さがロックウエル硬さHR C58以上であることを特徴とする転動部材。
- 前記合金鋼のクロム含有率は7重量%以上18重量%以下である請求項1記載の転動部材。
- 前記合金鋼の炭素含有率G C とクロム含有率G CR の関係が下記の(A)式を満たし、前記表層に生成している一次炭化物の平均粒径が10μm以下である請求項1または2記載の転動部材。
G C ≦1.23−(0.035G CR )‥‥‥(A) - 0.5重量%以上1.7重量%以下の炭素(C)と、4重量%以上18重量%以下のクロム(Cr)と、モリブデン(Mo)およびバナジウム(V)およびタングステン(W)のうちの少なくとも一種類と、を含む二次硬化型の合金鋼を、所定形状に形成する工程と、前記工程で得られた所定形状の部材に焼入れ・焼戻しを行う工程とを備え、前記焼戻しは、前記部材の表層に微細な二次炭化物が析出し、且つ残留オーステナイト量が12体積%以上となり、且つ表面硬さがロックウエル硬さH R C58以上となる温度で行うことを特徴とする転動部材の製造方法。
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