JP3623953B2 - 廃プラスチックの溶融自重流し込み成型による再生品製造方法及び再生品製造装置 - Google Patents

廃プラスチックの溶融自重流し込み成型による再生品製造方法及び再生品製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、2種以上の廃プラスチックを溶融して流し込み成型する技術に関する。すなわち、種々の廃プラスチックの中で、廃棄物ならではの汚れた物や色物、印刷物、付着物がある物等を問わず、それらを破砕し、熱可塑性の樹脂の大半を混合して加熱溶融した上で、流し込み成型法により再生品を製造する技術に関する。また、その溶融流し込み技術に伴う装置並びに方法、一連の再生品製造プラントと各設備を提案する。
【0002】
【従来の技術】
各種の廃棄物の中で、食料品の生ごみは堆肥化や埋め立てても自然界に戻るが、廃プラスチックは、埋め立てても自然界に戻ることはなく、焼却では、高カロリーのため、温度上昇による地球温暖化の元となり、さらにダイオキシンなどの有害ガスが発生するので、廃棄物の中で最も処分が厄介である。
【0003】
国際的経済発展の中で、プラスチック製品は、石油のナフサを原料として安価に製造できると共に、大量生産が容易なことから、使い捨てでもよい製品となっているが、埋め立て処分場の処理能力は、重量でなく容積に左右されるので、廃棄物処分場の延命に最大の障害となっている。
【0004】
わが国でも、容器包装リサイクル法が施行されて、リサイクルが推進されているが、それ以外でも、汚れた廃プラスチックはリサイクル不可能であるのが現状と断言できる。この日本全国のリサイクル技術で、産業廃棄物の最終埋め立て処分場の延命化や一般廃棄物の埋め立て場の延命化は、リサイクル技術と実効性が未熟なためにトラブルが全国に蔓延することを、環境保全の立場から危惧している。
【0005】
ところで、現状では、廃プラスチックをリサイクルするには、各材質ごとに、しかも各色ごとに分別して、各材質ごとに、あるいは色ごとに粉砕して繊維製品その他の再生品の原料にしたり、各材質ごとに射出成型したりする技術が実用化されている程度である。ところが、実際には、廃プラスチックは、汚損したりしている場合が多いため、粉砕に先立って洗浄する必要があり、人件費もかかる。
【0006】
このように、従来の廃プラスチックのリサイクル技術は、単一種類の樹脂に限られているので、分別作業が不可欠であり、しかも汚損品や印刷品、異物付着品もリサイクル出来ない物として分別され、廃棄物の大半は埋め立て処分されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記のように、廃棄物というのは汚れた物、印刷された物、異物が付着した物等、新しく製造された状態でない物がほとんどであって、これらをいかに低コストでリサイクル出来るかが問われることから、リサイクル品は普及に至っていない。これがマテリアル・リサイクルの現状であり、リサイクルを困難にしている。この問題が解決できない限り、埋め立てと焼却並びに不法投棄は解決されず、環境保全は困難である。
【0008】
又、従来のリサイクル技術は、再生品の完成迄に、破砕業者やペレット及びインゴット業者を中間業者として、それぞれの処理費と運搬費が費やされた上でリサイクル品となっており、新しく製造される商品の数倍の価格で販売されることから、ほとんどが売り難い商品となっている。
【0009】
また、廃プラスチックの汚れ等を問わず、多くの量を使用する流し込み成型が可能なマテリアル・リサイクル技術も確立されていない。
【0010】
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、廃プラスチックを一々分別したりする必要がなく、しかも汚損物や印刷物、異物の付着物などでもそのまま溶融して流し込み成型し、廉価に再生品化できる技術を実現することにある。これを可能にするには、再生品製造設備も簡易で廉価に実現できることが必要である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、2種以上の熱可塑性廃プラスチックのそれぞれが溶融室で混合されている状態で加熱溶融してなる飴状の高粘性の溶融樹脂を自重で金型中に流し込んでから溶融樹脂の上面にダイレクトに衝撃を加えて加圧したり、圧縮叩き込みし、かつ上面に押さえ金型を被せて強制加圧下で水冷し、離型後の製品をさらに水冷することを特徴とする廃プラスチック再生品の製造方法である。このように、汚れた物や色物、印刷物などが混在していることもあり得る2種以上の熱可塑性廃プラスチックが溶融室で混合されている状態で加熱溶融することによって飴状の高粘性の溶融樹脂とするため、原料を分別する必要がなく、殆どの廃プラスチックをリサイクル可能となる。
【0012】
さらに、金型中に流し込んでから溶融樹脂の上面にダイレクトに衝撃を加えて加圧したり、圧縮叩き込みするため、流し込まれた溶融樹脂中に気泡が残って巣になったりする問題が解消され、かつ溶融樹脂が金型の隅々まで行き届く。さらに、溶融樹脂の上面に押さえ金型を被せて強制加圧下で水冷するので、熱収縮時に発生する気泡や余分な溶融物が圧力により排出され、2種以上の高粘性溶融廃プラスチックの流し込み成型として有効である。また、離型後の製品をさらに水冷するため、溶融樹脂の中心付近が常温以下になるまで強制冷却される。以上の一連の工程により、気泡による巣や空洞、割れ、引けなどがなく、コンクリートよりも破壊強度に勝る、均一な再生品が得られる。
【0013】
請求項2は、金型中に自然に流れ込んでできる模様が残る程度に攪拌してから、金型中に自重で流し込んで成型することを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチック再生品の製造方法である。このように、2種以上の熱可塑性廃プラスチックの高粘性の溶融樹脂が自然に流れてできる模様が残る程度に攪拌してから、金型に自重で流し込んで成型する方法によると、土木建築用や造園用の再生品、その他の再生品において、様々な模様に富んだ廃プラスチック再生品を容易に製造できる。しかも、模様は自然にできるので、2度と同じ模様の製品は発生せず、商品価値が高まり、デザイン的にも消費者に好まれる。
【0014】
請求項3は、着色剤の入った廃プラスチックを含む2種以上を一緒に溶融して、模様が残らない程度まで貯留加温吐出装置内で均一かつ充分に攪拌してから、金型中に自重で流し込んで成型することを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチック再生品の製造方法である。このように、請求項2の場合とは異なり、着色剤の入った廃プラスチックを含む2種以上を一緒に溶融して、模様が残らない程度まで均一かつ充分に攪拌してから、金型に自重で流し込んで成型する製法によると、請求項2の場合とは違って、模様の無い均一の色の再生品を製造することができる。したがって、本発明による溶融廃プラスチックの自重流し込み成型法によると、各種の用途に適した、種々の廃プラスチック再生品を実現できる。
【0015】
請求項4は、溶融機中の水平方向のスクリューで溶融樹脂を押し出して貯留加温吐出装置中に押し込む構造を用い、2種以上の廃プラスチックが溶融機で溶融されたら、前記スクリューで混練しながら貯留加温吐出装置に圧送して200〜260℃で保温貯留してから、前記貯留加温吐出装置の底部に設けたスライド式シャッターを開き、溶融樹脂を自然落下させて金型中に供給することを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの溶融流し込み成型による再生品製造方法である。
【0016】
このように、溶融機中の水平方向のスクリューで溶融樹脂を押し出して貯留加温吐出装置中に押し込む構造を用い、2種以上の廃プラスチックが溶融機で溶融されたら、前記スクリューで混練しながら貯留加温吐出装置に圧送して200〜260℃で保温貯留しておき、成型に必要な所要量の樹脂が溜まってから、前記貯留加温吐出装置 の底部に設けたスライド式シャッターを開き、溶融樹脂を自然落下させて金型に供給する製法を採っているため、前記のように、飴状の高粘性の溶融樹脂であるにもかかわらず、確実に貯留加温吐出装置に圧送して加温状態で溜めておくことができ、また所要量溜まったら、貯留加温吐出装置底部のスライド式シャッターを開くだけで、高粘性の溶融樹脂を真下の金型に自然落下させるだけで確実に供給できる。
【0017】
請求項5は、2種以上の廃プラスチックを混合した状態で溶融機中で一緒に溶融させる工程と、入口と出口を有するトンネル状の加温室の中で金型を予め加熱する工程と、加温工程で加温しておいた金型に溶融樹脂を自重で流し込んで成型する工程と、溶融樹脂が流し込まれた状態の金型と該金型中の溶融樹脂を強制冷却する工程と、前記の冷却工程の後に、離型して製品だけを水冷する工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの溶融流し込み成型並びに加圧水冷による再生品製造方法である。
【0018】
このように、入口と出口を有するトンネル状の加温室の中で予め加熱しておいた金型に溶融樹脂を自重で流し込んで成型するため、2種以上の廃プラスチックを混合して溶融した高粘性の溶融樹脂でも円滑に成型できる。また、溶融樹脂を自重で流し込んだ状態の金型と溶融樹脂を強制冷却するため、冷却時間の短縮により再生品の製造サイクルを短縮して、量産できる。さらに、離型後の製品だけを水冷するので、溶融樹脂の中心付近が常温以下になるまで強制冷却される。
【0019】
請求項6は、金型中に流し込んだ廃プラスチックの溶融樹脂の上に被せる押さえ金型を有していて、この押さえ金型は、溶融樹脂の上面を押し下げ可能なように下降可能になっており、前記の押さえ金型を取り外した状態の金型中に溶融樹脂を自重で流し込んで衝撃力で該溶融樹脂中を突き固めてから、その上に再度溶融樹脂を流し込んで注ぎ足して、溶融樹脂を加圧する操作を行ない、最後に前記の押さえ金型を被せて加圧手段で押しつけることを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの溶融流し込み成型方法である。
【0020】
このように、自重で流し込んだ金型中の溶融樹脂を衝撃力で突き固めるので、溶融樹脂中の気泡を抜くことができると共に、金型中の隅々まで溶融樹脂を押し込むことができる。また、溶融樹脂が次第に冷却して容積が漸減するため、押さえ金型が徐々に押し下げられて下降するが、収縮時に発生する気泡や余分な溶融物も、押さえ金型の押し下げによって排出されるので、2種以上の廃プラスチックの溶融樹脂の流し込み成型方法として最適である。したがって、飴状の高粘性の溶融樹脂であるにもかかわらず、巣や引けの少ない、堅牢で高品質の再生品を製造することが可能となり、また大型の製品や形状が複雑な製品でも円滑に成型できる
【0021】
請求項7は、溶融樹脂が自重で流し込まれた金型と該金型中の溶融樹脂を一緒に冷却水の散水又はプール浸漬した状態で、金型の押さえ金型に上部から圧力をかけることにより一次加圧・冷却工程を終了してから、金型の離型を行ない、その後、離型した成型製品のみを再び冷却水に漬け込んで、さらに冷却することを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの溶融流し込み成型品の離型方法である。
【0022】
このように、溶融樹脂が自重で流し込まれた金型と該金型中の溶融樹脂を一緒に冷却水の散水又はプール浸漬するだけでなく、金型の押さえ金型に上部から圧力をかけて冷却水中に押し込む手法を採っているので、溶融樹脂と金型の全体を一緒に、しかも溶融樹脂製品の芯部まで効果的に強制冷却できる。その結果、再生成型品に巣や引けが発生せず、割れも防止できる。また、金型が小型の場合や薄肉の成型品の場合は、シャワーで冷却水を散水して冷却することもでき、この場合は冷却設備を簡易化できると共に、作業も簡便化される。
【0023】
こうして、一次加圧・冷却工程を終了し、樹脂製品が充分に収縮してから、金型離型を行なうので、円滑に離型できる。また、離型した後の成型製品のみを再び冷却水に漬け込んでさらに冷却するので、溶融樹脂の中心付近が常温以下になるまで強制冷却されると共に、短時間に強制冷却でき、大量生産に適している。
【0024】
請求項8は、溶融状態の樹脂を自重で流し込んで成型するための金型 を予め加温する装置であって、加温室は、金型の入口と出口を有し、しかも上壁と底壁と左右の側壁とでトンネル状に囲まれており、各壁部に中空層を形成できるように二重構造にしてあり、廃プラスチックを溶融させるために使用した後の廃ガスを無公害化燃焼装置に供給して燃焼させた後に排出される熱風を導くダクトを前記壁部の中空層に接続してなることを特徴とする廃プラスチックの溶融流し込み金型の加温装置である。
【0025】
このように、廃プラスチックを溶融させるために使用した後の廃ガスを無公害化燃焼装置に供給して燃焼させた後に排出される熱風を加温庫に導くため、溶融装置から排出される廃熱を有効利用して金型を加温でき、コスト高となるのを防げる。また、加温室を囲む壁部中に形成した中空層に前記の熱風をダクトで導入して、加温室中に送入してある金型を間接的に加温する構造にしてあるので、作業者が直接熱風を受けることがなく、安全であり、しかも作業環境の悪化を防止できる。さらに、加温室は、金型の入口と出口を有し、しかも上壁と底壁と左右の側壁とでトンネル状に囲まれているので、金型を入口から送入して、加温されたら出口から溶融樹脂の供給部に送り出すことができ、迅速に溶融部に供給して、金型が冷却するのを防止できると共に、作業を円滑に遂行でき、量産に適している。
【0026】
請求項9は、予め金型を加温する加温庫と、溶融樹脂を金型に自重で流し込んで成型する手段と、金型を強制冷却する手段とにわたって、2本の型鋼材を平行に配置したレールを形成して、金型を載置した台車又は車輪付き金型を走行させる構造とし、溶融樹脂を金型に自重で流し込んで成型する手段においては、溶融樹脂吐出部に対し上下動するテーブルに、金型を載置した台車又は車輪付き金型が走行するレールを設置した構造としたこと、を特徴とする廃プラスチックの溶融流し込み成型による再生品製造装置である。
【0027】
このように、2本の既製品の型鋼材を平行に配置してレールを形成し、金型を載置した台車又は車輪付き金型を走行させる構造としたため、ローラーコンベアやチェーンコンベアなどのように、熱変形を受けることもなく、耐熱構造で大荷重にも耐えられる搬送機構を安価に実現できる。したがって、型鋼レール上で、台車上の金型又は車輪付き金型中の溶融樹脂にノッカー等で衝撃力を加えたりしても、強度上何ら問題はない。
【0028】
また、溶融樹脂を金型に自重で流し込んで成型する手段においては、溶融樹脂吐出部に対し上下動するテーブルに、金型を載置した台車又は車輪付き金型が走行するレールを設置した構造としたので、溶融樹脂の吐出部と金型との間隔を常に一定にできる。その結果、金型の高さやサイズなどにかかわらず常に、充分に溶融した状態の樹脂を金型中に自重で供給して、円滑に成型できる。同じ金型を用いる製品をまとめて製造するので、高さやサイズの異なる金型に変更するときのみ、レールを上下させればよく、頻繁に上下させる必要はない。また、金型を載置した台車又は車輪付き金型をレール上で左右方向に走行移動させるだけで、金型中における左右方向の溶融樹脂落下位置を自由に選択できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に本発明による廃プラスチックの溶融自重流し込み成型による再生品製造技術と廃プラスチック再生品が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1、図2は、本発明による製造ラインの全容であり、図1は平面図、図2は正面図である。
【0030】
2本の型鋼材1、2を平行に配置してなるレールが左右方向に敷設してあり、その左端側に加温庫3が、中間に溶融機4と貯留加温吐出装置5と上下動テーブル6が、また右端側に一次冷却プール7と二次冷却プール8とを配設してある。
【0031】
いま、金型を載せた台車をレール左端から加温庫3中に送り込むと、加温庫3中で金型が加温され、充分に加温されると台車は上下動テーブル6の上に移送される。そして、溶融機4中で加熱溶融された樹脂が、貯留加温吐出装置5に一旦溜められてから、上下動テーブル6上の台車上の金型中に自重で流し込まれる。このとき、ノッカー支持装置9に支持されているノッカー50を駆動して、金型中の溶融樹脂を上面から加圧したり圧縮叩き込みすることによって、溶融樹脂中の気泡が除去される。
【0032】
こうして溶融樹脂の自重による流し込み成型が終わると、台車は右端側の一次冷却プール7側に移送され、溶融樹脂が充填された金型がウインチなどで吊り上げられて、一次冷却プール7中に投入される。そして、冷却水プール7に漬け込んだ状態で、金型の押さえ金型に上部から加圧装置13で圧力をかけることにより冷却水中に押し込んで一次加圧・冷却工程を終了してから、脱型テーブル11上で金型を離型する。そして、離型した後の成型製品のみを、次の二次冷却プール8に移送して再び冷却水に漬け込んで、充分に冷却することによって、再生品の製造が完了し、製品搬出コンベア12で搬出される。
【0033】
一次冷却プール7には、チラー装置14から冷却水が配管P1で供給される。そして、配管P2で二次冷却プール8に送られ、配管P3でチラー装置14に戻り、再度冷却される、という循環動作をする。
【0034】
溶融機ステージ15上の溶融機4には、原料投入口16から、2種以上の廃プラスチックが投入され、灯油バーナ等で加熱溶融される。溶融された樹脂は、スクリュー34で貯留加温吐出装置5に送られ、ヒータによる加熱状態で溜められてから、上下動テーブル6上の台車上の金型に自重で流し込まれる。なお、上下動テーブル6は、上下駆動装置17で上下動される。
【0035】
溶融機4において原料樹脂を溶融した後の廃棄ガスは、排気ダクト18によって、ステージ19上の無公害化燃焼装置20に送られて、最高温度800℃で完全燃焼され、排ガス、排煙、排脱臭処理される。こうして、無公害化された廃ガスの一部は、排気ダクト21で大気中に廃棄され、他の一部すなわち温風は、ダクト22を経由して、加温庫3に供給される。そして、加温庫3の内部を間接的に加温した後、反対側の排気ダクト23で大気中に放出される。
【0036】
なお、型鋼材1、2からなるレールは、固定式のレール脚L2…で支持されており、前記の上下動テーブル6と共に上下動するレール部分は、可動式のレール脚L1…で支持されている。
【0037】
次に、図3、図4において、加温庫3の詳細を説明する。図3は、レール1、2と平行方向の縦断面図(B−B断面図)、図4はレールと直角方向(A−A方向)の縦断面図である。
【0038】
加温庫3は、図4のような断面四角状のトンネル状をしており、その内部に、型鋼材1、2を平行に配置して、レールを形成してある。すなわち、構造用鋼材チャンネルであるC型鋼1、2を上向きに配置してあるが、H型鋼やL型鋼などを利用することもできる。
【0039】
台車24は金型mの搬送用であり、例えば戸車状の車輪25を介して前記の型鋼1、2上に走行可能に載置してある。図4では、それぞれの型鋼1、2に車輪25を1個ずつ配置してあるが、重量物を製造する場合は、図5のように、4個の車輪25で支持してもよい。
【0040】
加温庫3は、入口7と出口oを除いて、トンネル状に囲まれている。すなわち、図4のように、上壁と左右の側壁と底壁とで囲まれている。ただし、それぞれの壁部は、魔法瓶のような中空層26を有している。すなわち、内周鋼板27と外周鋼板28との二重構造にして、間に空間26を形成してある。そして、内周鋼板27と外周鋼板28とは、熱風の円滑な流れを妨げない向きにしたリブで連結補強してあり、外周鋼板28の外面には断熱材29を被せてある。前記の型鋼1、2からなるレールは、底壁側の内周鋼板27の内面に敷設してある。
【0041】
中空層26の出口o寄りの底壁に、無公害化燃焼装置20からのダクト22を接続してあり、反対側すなわち入口i側の天井壁に、耐熱ブロアー付きの排気ダクト23を接続し、大気に開放してある。したがって、無公害化燃焼装置20から送られた廃ガスすなわち熱風が中空層26中に充満することによって、加温庫3の内部3iが加熱され、内部の台車24上の金型mが間接的に加温される。加温後の廃ガスは、ダクト23で大気中に放出される。
【0042】
すなわち、図1、図2の排気ダクト22に耐熱ブロアーを設けることで、排気ダクト21からの排気熱最高温度500℃の熱風が加温庫3の中空層26内に流れ込み、中空層26内は廃熱で常時300℃以上に維持され、加温庫3内は常時200℃以上に加温される。こうして、加温庫3内の金型mは間接的に加温されるが、約10分程度の時間で、金型mは100℃以上に加温される。このように、加温庫3の内部は間接的に加熱されるので、作業者が熱風を浴びることはなく、作業環境が悪化する恐れはない。
【0043】
加温庫3の入口iを閉じる断熱材付きの鋼板扉30の上端にローラ31が付いており、加温庫天井壁の端部に固定したガイドレール32に吊り下げ支持してあるので、扉30を左右にスライドして開けて、型鋼レール1、2上に台車をセットし、金型を載せて、加温庫3中に送り込んでから、扉30をスライドして入口iを閉鎖する。
【0044】
加温庫3の出口oもスライド式の扉で閉じてもよいが、図示例では断熱式の耐熱ゴムカーテン33を暖簾状に吊り下げてあり、特別の開閉操作を要しない。したがって、加温庫3中に複数台の台車24を入れておき、先頭の台車24上の金型が充分に加熱された時点で、前記のようにして加温庫3の入口iの手前で型鋼レール1、2上に台車24をセットして、新たな台車を入口iから押し込むことによって、先頭の台車がゴムカーテン33を押し退けて、加温庫3から出て行く。
【0045】
図示例では加温庫3中に4台の台車24を収容して、同時に複数の金型を加熱しており、先頭の台車の金型が充分に加熱された頃に、後続の台車で加温庫から押し出す。あるいは、各台車24…間を着脱式のリングなどで連結する構造とし、上下動テーブル6側からウインチで引っ張り出すこともできる。なお、出入り口の開閉構造は、図示例に限定されない。
【0046】
このように、加温庫3内は、無公害化燃焼装置20からの廃棄熱を利用しているので、専用のボイラーや燃料を必要としない。また、この廃棄熱は300℃から500℃の温度を持っているので、その燃焼装置20の排気ダクトから分岐させて金型加温に利用しても、充分に加熱できる。200℃前後まで金型を加温するが、前記のように作業者に熱風が当たらないような構造にしてある。
【0047】
この方式において最大の課題は、常時200℃前後の加温室3i中にある金型搬送ラインである。ローラやチェーン方式は高熱のため特殊となり、再生品製造ラインにおける付帯設備としては、余りにも高額となる。そこで、金型加温庫内3iも、構造用鋼材チャンネルを台車走行用のレールとすることによって、後続の台車24で押し出したり、上下動テーブル6側からウインチで引っ張り出すことで、大幅な設備費削減を実現した。
【0048】
図5、図6は、図1、図2における廃プラスチックの溶融機4と貯留加温吐出装置5と上下動テーブル6の近傍を示す図である。図5は、図1のC−C断面図であり、溶融機ステージ15上の溶融機4の溶融室4i内の底部には、型鋼製レール1、2と直角方向のスクリュー34を内蔵しており、このスクリュー34の手前に、貯留加温吐出装置5を有している。
【0049】
図6は、この貯留加温吐出装置5側から見た正面図(外面の断熱材38のみ断面図で表現してある)であり、溶融機4の側部に廃プラスチックの投入口35を有している。図7は、溶融機4の縦断面図、すなわち図5におけるD−D断面図であり、溶融室4iの底部にスクリュー34を内蔵している。
【0050】
灯油ボイラー36から供給された燃焼ガスは、矢印a1のように、溶融室4iの底部の下側に流れ込んで、溶融室4i内を下側から300〜400℃の熱風で加熱し、内部の樹脂を200℃以上の温度で加熱溶融させる。次いで、矢印a2のように、溶融室4i中に流れ込んで、投入口35から供給された2種以上の廃プラスチックPを直接加熱して溶融させる。そして、矢印a3のように、溶融室4i内を上昇して、排気ダクト18に導かれ、図1、図2の無公害化燃焼装置20に送られる。
【0051】
こうして、溶融室4i内で加熱溶融された樹脂は、スクリュー34で貯留加温吐出装置5に押し出される。貯留加温吐出装置5中に送り込まれた溶融樹脂が冷えずに、例えば200〜260℃程度まで保温できるように、側壁に加温用の電気ヒータ37を装備しており、また外周には断熱材38を被せてある。さらに、溶融樹脂を混ぜて全体が均一な色になるように、攪拌プロペラ39を内蔵してあり、上側のモータMで駆動される。したがって、貯留加温吐出室5i中の溶融樹脂は、温度低下することなく、しかも均一に攪拌され、金型に自重で流し込むのに適した状態に維持されている。
【0052】
スクリュー34の正面位置には、溶融物の清掃やスクリュー34の抜き取りなどのための点検口を開け、扉40で閉じてある。この扉40には、内外の温度差で曇らないように、耐熱ガラスによる二重中空構造の点検窓41を設けてあり、内部を点検したり、溶融樹脂の貯留程度などを確認できる。貯留加温吐出装置5の底部は、例えば縦横約15cm程度以上開口させて吐出口を形成してあるが、スライド式のシャッター鋼板42を水平に嵌め込んで閉じてある。
【0053】
溶融機4のスクリュー34付近に溶融物を貯留できるのは20リットル以内であり、流し込み成型の上で、容量不足である。十分な量の流し込み成型には、流し込み時間を大きく要し、その間に、流し込んだ溶融物の温度が低下する。したがって、その上から200℃前後の溶融物が流し込まれて積み重なると、樹脂同士が完全に融合されず、分離状態となる恐れがある。ところが、貯留加温吐出装置5を設けることによって、20リットルから40リットル程度まで一時貯留しておくことができる。その結果、流し込みの時間短縮と一度に大量の溶融物が流し込めることで、温度差のために融合しない溶融物でできる凹状の溝が表面上に線として残るのを解消できる。
【0054】
図6のように、貯留加温吐出装置5の下側には、図1、図2の上下動テーブル6が位置していて、駆動装置17で上下駆動される。すなわち、種々の金型の高さに対して、溶融物を吐出して落とし込む距離を一定にするための電動リフトテーブル6を設けてあり、高さの高い金型の場合は、上下動テーブル6を下降させ、逆に高さの低い金型の場合は、上下動テーブル6を上昇させる。
【0055】
上下動テーブル6は駆動装置17によって電動駆動されて上下動するが、この上下動テーブル6の高さに合わせて、その両側の型鋼レール1、2の高さを合わせる必要がある。すなわち、上下動テーブル6が上昇すると、その両側の型鋼レール1、2も実線で示すように上昇位置に設定し、上下動テーブル6が下降すると、鎖線で示すように、両側の型鋼レール1、2も下降位置に設定する必要がある。
【0056】
両側の型鋼レール1、2は、可変式のレール脚L1で支持してあるので、レール脚L1を手動で駆動することによって、型鋼レール1、2の高さを上下動テーブル6に一致させることができる。なお、レール脚L1もモータ駆動式にしてもよい。
【0057】
そして、この上下動テーブル6の上に、型鋼レール1、2を設置固定してあり、この型鋼レール1、2上には、前記の加温庫3から、加温された金型mの載った台車24が走行して来て、停止する。
【0058】
そして、図2のように、最初に台車24がセットされる加温庫3に対し上下動テーブル6は上下動するが、加温庫3の部分の高さが一定の型鋼レール1、2に対し、高さが変動する部分の型鋼レール1、2は、a、b、c、d部のように、互いに隣接した状態で、角度がわずかに変動するだけであるから、型鋼レール1、2に段差が発生することはない。したがって、金型mを載せた大重量の台車24でも、加温庫3から、上下動テーブル6上を経て、最終の冷却プール7まで円滑に搬送できる。
【0059】
このようにして台車が到来した状態で、前記のシャッター鋼板42を引き出して開けると、貯留加温吐出室5i中の溶融樹脂が落下して金型m中に流し込まれる。シャッター鋼板42の引き出し量によって、吐出口の開度を選択し調節できるので、金型の最大幅を60cmと設計した場合でも、溶融物の吐出口の幅を大きくすることで、金型への流下位置や流し込み量を自由に選択し設定できる。また、このとき、吐出した溶融樹脂が金型m中の全体に均一に流し込まれる必要がある。そのために、図8、図9のように、台車24上で金型mを前後動できる構造にしてある。
【0060】
図8は、図5における台車24を拡大した状態であり、図9は、図8のE−E位置の縦断面図である。台車24上には、型鋼レール1、2と直角方向に山形のスライドレール43を複数本、互いに平行に配設し固定してある。そして、これらのスライドレール43上には、同じく山形のスライダー44を跨がらせ、その上に基板45を載せて固定してある。
【0061】
したがって、基板45上に金型mを載せた状態で、金型mを矢印a4方向に押したり、引いたりすることによって、台車24上のスライドレール43上で山形スライダー44が前後にスライドするため、金型mを容易に前後動させて、金型m中への溶融樹脂の落下位置を自由に選択できる。金型m中における左右方向の落下位置を選択するには、台車24自体を左右すなわち矢印a5方向に走行させて移動するだけで足りる。
【0062】
こうして、金型m中の任意の位置に溶融樹脂を落下させ流し込むことができるが、2種以上の廃プラスチックが混在している溶融樹脂は、粘性が高いため、溶融物が金型の隅々まで行き届かず、また流し込まれた溶融樹脂中に気泡が残って巣になったり、引けが発生する恐れがある。そこで、流し込み中や流し込み終了時に、溶融樹脂の上面にダイレクトに衝撃を加えて加圧したり、圧縮叩き込みする手段を設けてある。図10は、このための衝撃装置の斜視図である。
【0063】
9は2本の支柱からなるノッカー支持装置であり、ガイド盤46に取付けられたノッカー50の上下動ワイヤー47が、上端の梁9aに取付けられた滑車48を介してウインチ49に巻かれている。したがって、ウインチ49を巻き上げたり、巻き戻すことによって、ガイド盤46の上下位置を設定できる。
【0064】
こうして、所定の高さで、ダイレクトノッカー50を駆動することによって、ノッカーアタッチメント10が上下震動したり衝撃することで、金型中の溶融樹脂の上面を叩き付けて、溶融樹脂中の気泡を叩き出したり、金型の隅々まで溶融樹脂を行き渡らせる。アタッチメント10は、製品の形状やサイズ、使用する部位などに応じて、種々の形状やサイズを採用できるが、例えばナイフ状体や生け花の剣山を逆さにしたような多数の針を用いると、溶融樹脂中にナイフ状体や多数の針が刺さって、内部の気泡を効果的に押し出すことができる。アタッチメント10の下で、前記のようにして金型mを前後左右方向に移動することによって、金型m中における溶融樹脂の任意の位置を加圧できる。
【0065】
このように、金型を加温庫3から強制冷却プール7まで搬送する製造ラインは、金型を常に高温状態で流し込み工程まで維持することが重要であり、加温庫3から始まり、強制冷却プール7までは、200℃前後の高温状態のラインが要求される。
【0066】
そのため、金型を搬送する台車24を走行させるレールとして、型鋼材を平行に敷設してレール1、2を形成することによって、耐熱構造のラインを実現した。また、金型加温庫3は、配管やダクトがあるため、高さも固定式とし、上下動テーブル6の高さ調整に合わせて、前記のように両側の型鋼レール1、2の高さすなわち傾きを調整する構造とした。
【0067】
なお、前記のように、可変式のレール脚L1は手動でも操作できる。少なくとも半日程度は、流し込み金型を変更しなければ、半日程度は、上下動テーブル6の高さを変更する必要がないので、手動駆動でも足りる。
【0068】
高温の溶融樹脂で再生品を製造する省力化ラインを実現する上で、最大の問題は、対熱対策であるが、前記のように、金型加温庫内は常時200℃前後の温度にあるため、金型の搬送手段として、ローラーコンベヤでは、ベヤリングが熱に耐えられなく、チェーンコンベヤでは、ステンレス製といずれも特殊で高額となる。ところが、前記のように、既製の型鋼材でレール1、2を構成して、その上で台車24を走行させる構成とすることによって、耐熱構造を実現でき、しかもコストを大幅に削減できる。耐衝撃性に優れ、耐久性も向上できるので、型鋼レール1、2上で、金型中の溶融樹脂にダイレクト衝撃を加えることも可能となった。
【0069】
図11は、園芸用プランターを成型する金型の実施形態を示す斜視図であり、支持枠51中に一体構造の内型52を挿入し、その上から、前後の外型53a、53bを嵌め込み、次いで左右の外型53c、53dを嵌め込む構造になっている。
【0070】
図12は、こうして組み立てた状態の縦断面図であり、支持枠51中に内型52が挿入されている。そして、内型52の底部52aの上に、支持枠51の内面に沿って、左右の外型53c、53dを嵌め込んである。
【0071】
図13は、図11、図12の金型の左側面図であり、内型52の底部52aの上に、支持枠51の内面に沿って、前後の外型53a、53bを嵌め込んであることが図示されている。
【0072】
そして、外型53a〜53dの内側において、内型52の上側に、押さえ金型54を被せてある。流し込みに際しては、押さえ金型54を取り外した状態で、外型53a〜53dと内型52との間に溶融樹脂を自重で流し込み、最後に内型52の上側にも、図12の鎖線55位置まで溶融樹脂を自重で流し込む。そして、鎖線55上に押さえ型54を被せて、機械的に押しつける。
【0073】
すなわち、図5、図6のシャッター板42の下側に金型を移動させてから、シャッター板42を開いて、外型53a〜53dと内型52との間に溶融樹脂を自重で流し込むが、このとき、矢印a4、a5方向に金型を移動して、金型中の全体に満遍なく、溶融樹脂を自重で流し込む。そして、図10のアタッチメント10による衝撃力で溶融樹脂中を突き固めて、気泡を除去したり、金型中の隅々まで溶融樹脂を押し込む。
【0074】
次いで、その上に、再度シャッター板42を開いて、溶融樹脂を流し込んで注ぎ足しては、アタッチメント10で加圧したり気泡を抜く、という処理を繰り返す。そして、最後に、内型52の上面が隠れるまで、すなわち鎖線55位置まで溶融樹脂を流し込んでから、押さえ金型54を被せて、アタッチメント10で押しつける。
【0075】
こうして押さえ金型54で溶融樹脂の上面を加圧し押しつけると、溶融樹脂中の気泡が除去されると共に、溶融樹脂が次第に冷却して容積が漸減するため、押さえ型54が徐々に押し下げられて、下降する。
【0076】
金型においては、2種以上の廃プラスチックを200℃前後の温度で溶融して自重で流し込むため、熱による膨張状態にあり、常温になると、収縮して容積は大きく減少する。そのため、流し込み金型mは、この熱収縮率を計算した金型でなければ、予定通りの製品はできない。
【0077】
流し込みの最終工程において、アタッチメント10による最終の加圧圧縮を行ない、次いで強制水冷を行うが、この際の熱収縮で、特に押さえ金型54の上部からの加圧によって、収縮時に発生する気泡や余分な溶融物が圧力により排出されるので、2種以上の廃プラスチックの専用流し込み金型として有効である。なお、金型には、溶融樹脂中の気泡が容易に抜けるように、ガス抜き孔を開けておく。
【0078】
以上のように、2種以上の廃プラスチックの溶融樹脂は熱収縮が激しく、その収縮率を計算した上で、金型の長さや幅、高さを設定しなければならない。特に、金型の高さは十分な高さにする必要がある。収縮率は、廃プラスチックの混合の割合により異なるが、6%以上が大半である。金型の高さは、溶融樹脂の上に乗せる押さえ型54の高さを加えると、10%以上にするものとする。長さ、幅は、押さえ型から圧力を加えるので、0.3%前後、金型を大きくすれば、規格のサイズとなる。
【0079】
すなわち、溶融樹脂の収縮分以上に溶融物を鎖線55の高さまで流し込むので、押さえ型54で圧力をかける前は、押さえ型54は外型53a…よりも高い状態にあり、圧力を加え続けるに従い、最終的に、外型53a…の高さで止まり、規格の高さの製品となる。この金型の方式は、即時脱型方式であるとともに、外型53a…として、オリジナルの社名やマーク等を型彫り加工した外型と入れ替えることで、容易に特注品が製造できる。
【0080】
また、金型の溶融樹脂を流し込む面は、フッ素樹脂塗料でテフロン加工を行うことで、離型剤を塗布しないでも、型離れが数百回に渡り良い状態で維持できる。
【0081】
図11から図13に示す園芸用プランターを成型する金型を例にして説明したが、金型に関する以上の説明は、他の再生品を成型する金型の場合にも共通している。なお、金型は、図示例のような分解組立て式に限らず、初めから一体構造の金型でもよい。さらに、単一の金型に、複数の金型を形成して、一度に複数の製品を成型することも可能である。
【0082】
図14、図15は流し込み成型品の強制冷却工程であり、図14は平面図、図15は正面図である。7は一次冷却プール、8は二次冷却プールであり、一次冷却プール7の前端まで、前記の型鋼レール1、2が延びている。図14では、一次冷却プール7と二次冷却プール8は、チラー装置14と循環配管P1〜P4で配管接続されていて、チラー装置14から配管P1、P3で冷却水が供給される。冷却プール中で金型を冷却して温まった水は、配管P2、P4でチラー装置14に戻され、再度冷却されて冷却プールに供給される。
【0083】
図15に示すように、天井のガイドレール56が、型鋼レール1、2上から一次冷却プール7上に、次いで二次冷却プール8上まで延びており、このレール56にガイドされて走行するウインチ57を有している。したがって、このウインチ57のフックで、型鋼レール1、2上を移送されて来た金型を、台車上から吊り上げて、一次冷却プール7上まで移送し、溶融樹脂が充填された状態の金型を冷却水中に沈降し浸漬して冷却する。
【0084】
一次冷却プール7は、同時に2組以上の金型を冷却できるように、充分長く形成されており、しかも冷却水の上側に、金型を冷却水中に押し込む加圧装置13が2台配置されている。また、一次冷却プール7中の金型を引っ張って移動させるウインチ58を有している。
【0085】
一次冷却プール7中に金型が吊り下げられて冷却水中に沈降すると、加圧装置13を上昇させた状態で、ウインチ58によって一次加圧装置13aの下側に引っ張って移動させて、上から加圧装置13aで、冷却水中に押し込んで浸漬し、強制冷却させる。次いで、後続の金型が同様にして型鋼レール1、2上から一次冷却プール7中に吊り下げられると、両方の加圧装置13a・13bを一時上昇させた状態で、ウインチ58によって一次加圧装置13aの下側の金型を二次加圧装置13bの下側まで引っ張って移動させる。
【0086】
こうして、一次冷却プール7中で冷却された金型は、二次加圧装置13bを上昇させた状態で、ウインチ58によって二次加圧装置13bの外側まで引っ張り出してから、上側の走行ウインチ57で吊り上げて、離型テーブル11上に載せてから、金型と成型品とを離型する。こうして、離型した後の成型製品のみを、走行ウインチ57で吊り上げて、次の二次冷却プール8上に移送して、吊り下げ、冷却水で成型品のみ再度強制冷却する。充分に冷却することによって、成型品は完成となり、製品搬出コンベアで搬出される。
【0087】
台車24で搬送されて来た金型と溶融樹脂は、150℃前後の温度であるが、その一体状態の両者を一次冷却プール7中の水温10℃以下の冷却水に漬け込み、同時に前記の押さえ金型54に対し、上部からジャッキ方式又は油圧シリンダー方式などの加圧装置13a・13bで圧力を加え続ける。金型中の溶融樹脂が冷めると、収縮すると共に粘度も硬くなるので、加圧装置13a・13bによる加圧力も徐々に高めて行く。溶融樹脂製品の体積と形によって冷却時間は異なるが、10分以上ないし60分以内で殆どが一次冷却できる。
【0088】
一次冷却プール7による冷却を終えた一体物は、一次冷却プール7から取り出して、脱型テーブル11上で即脱型し、金型は組み立てて加温庫に戻し、成型品のみ再び二次冷却プール8中の10℃以下の冷却水に漬け込むことで、溶融物の中心付近が常温以下になるまで強制冷却する。この一連の工程により、気泡による巣や空洞、割れ、引けなどがなく、コンクリートよりも破壊強度に勝る、均一な再生品が出来上がる。なお、一次冷却プール7と二次冷却プール8中の冷却水は、金型の高さ以上に深くする。脱型テーブル11は、移動式にすることによって、一次冷却プール7と二次冷却プール8との間から引き出してから、離型作業などを行なうと作業性が良い。
【0089】
一次冷却プール7中における冷却と加圧時間は、溶融樹脂の流し込み工程の時間内で終了できるように設定することによって、一定の時間間隔例えば2分〜15分ごとに、加温庫3から間欠的に金型を上下動テーブル6上に移送して、溶融樹脂の流し込み成型を行ない、次いで冷却プール7に移送して強制冷却できる。あるいは、各台車24…を連結した状態で上下動テーブル6上に移送して、1台ずつ溶融樹脂の流し込み成型を行ない、連結状態で冷却プール7に移送することもできる。
【0090】
図16は金型mの別の実施形態であり、金型mの底面に補助板59を介して車輪25が着いていて、金型m自体が型鋼レール1、2の上を走行する構造になっている。このように、金型mに車輪25が着いている場合は、台車24は不要となることは言うまでもない。したがって、図3、図4の加温庫3から図14、図15の強制冷却部まで金型mを移送する際も、台車24は用いないで、金型m自身が型鋼レール1、2上を走行することになる。
【0091】
そのため、図11から図13の金型も、底側に車輪25を溶接などの手法で固定しておくことになる。なお、型鋼レール1、2と対応する位置に車輪25を直接取付ける底部が有れば問題ないが、図16のように、それが不可能な場合は、金型mの底部に補助板59を取付け、この補助板59に車輪25を取付ければよい。金型mの側壁など適当な位置に、取っ手やウインチのフック引っ掛け手段などを設けておくと、取り扱いや操作に便利である。
【0092】
次に、溶融樹脂を金型m中の任意の位置に落下させ流し込めるように、図8、図9のように、金型mを載せた基板45が台車24上で前後方向(矢印a4方向)にスライドしたり、左右方向(矢印a5方向)に台車24を走行させる手法を採っている。これに対し、金型m自体が走行する場合は、台車24上で金型mが前後方向にスライドする構造に代えて、上下動テーブル6が矢印a4方向に前後動する構造を採っている。
【0093】
例えば、図5、図6で説明すると、上下動テーブル6の下フレーム6bが設置面に対し矢印a4方向に移動する構造とする。このとき、図8、図9の場合と同様に、設置面側に設けた山形スライドレール43の上で、上下動テーブル6側に取付けた山形スライダー44が前後方向にスライドする構造にできる。このとき、下側の山形スライドレール43と上側の山形スライダー44との間にコロやボールなどを介在させると、前後動が容易になる。
【0094】
なお、上下動テーブル6の上の型鋼レール1と2とを一体に連結しておき、この一体の型鋼レール1、2のみが上下動テーブル6の上部に対し前後方向に移動する構造も可能である。
【0095】
このようにして、溶融樹脂が流れ落ちる部分の上下動テーブル6が前後方向すなわち型鋼レール1、2に対し直角方向に移動したり、上下動テーブル6上の型鋼レール1、2が前後方向に移動する構造とし、型鋼レール1、2上で車輪付きの金型mが型鋼レール方向に走行する構造にすると、図8、図9の場合と同様に、金型mを前後左右に移動させて、金型m中の任意の位置に溶融樹脂を流下させることができる。
【0096】
このように、台車24を省き、金型m自体に車輪を着けた構造にすると、構造を簡素化でき、作業工数も削減できる。また、加温庫3中で台車24を加温する熱量を節減できる。したがって、特に金型が大型の場合は、金型m自体に車輪を設ける方が効果的である。
【0097】
次に、図14、図15の型鋼レール右端側に設けた一次冷却プール7に代えて、冷却水を散水するシャワー手段を設けてもよい。金型m中に流し込んで成型する製品が小型の場合や薄肉の製品の場合は、冷却水プール7の中に浸漬しないで、シャワー手段で冷却水を散水するだけでも一次冷却できる。この場合は、型鋼レール1、2をシャワー手段の位置まで延長し、前後の型鋼レール1と2との間から、上向きのシャワー手段で金型の下面に冷却水を散水したり、両側の側面に向けたシャワー手段で金型側面に冷却水を散水したりすることによって、冷却する。散水冷却に使用して温まった水はチラー装置14に戻され、再度冷却してから、再使用することは言うまでもない。
【0098】
なお、一次冷却プール7に代えて、冷却水シャワー手段を設けると、大型で重量の大きい金型を吊り上げて一次冷却プール7中に吊り下げたりする作業を省略でき、作業を簡易化できる。なお、脱型テーブル11上で脱型した後の成型品は、シャワーを使用しないで、二次冷却プール8中の冷却水に漬け込んで強制冷却する。
【0099】
次に本発明の廃プラスチックの溶融自重流し込み成型によって製造される廃プラスチック再生品について説明する。以上の成型方法によると、廃プラスチックの2種以上を一緒に溶融してから、金型に自重で流し込んで成型してなる廃プラスチック再生品を実現できる。
【0100】
この再生品は、2種以上の廃プラスチックを溶融して自重で金型に流し込んで成型してあるため、廃プラスチックを分別したりする必要なしに再生品が得られるので、安価に提供できる。しかも、2種以上の廃プラスチックを溶融して自重で流し込み成型するので、コンクリート製品以上の強度が得られることが、落下試験で判明した。特に、ノッカーアタッチメントの上下震動や衝撃によって、金型中の溶融樹脂の上面を叩き付けるため、金型の隅々まで溶融樹脂を行き渡らせることができ、強度の高い再生品を実現できる。なお、重量はコンクリート製品の半分以下であり、軽量化される。
【0101】
したがって、本発明による廃プラスチック再生品は、土木建築又は造園用に特に好適である。すなわち、コンクリートブロックなどのようなコンクリート二次製品の製造に比べて、生コンクリートの養生が不用なため、短時間に製品化できる。また、現場で施工する場合も、湿式となる生コンクリートやモルタルなどを使用しないで、接着剤を使用するので、現場施工時の天候に左右されず、施工期間も大幅に短縮できる。これらの製品は、大型かつ重量品が多く、塊状ないしブロック状で大量の原料を要するため、廃プラスチックの効率的な消費にも適している。
【0102】
造園関係に適する廃プラスチック再生品としては、次のような製品が上げられる。
1.165cmプラプランターが入る耐久性のあるフラワープランター。プランターの内下66cm長×24cm幅×18cm高以上。
2.歩道や公園に置ける大型フラワープランター。
3.ガーデンテーブルセット。
4.公園等の長いベンチ。
5.庭石やつくばい等石調エクステリア製品。
【0103】
建築関係に適する廃プラスチック再生品としては、次のような製品が上げられる。
1.建築用の柱・外壁の化粧版
2.石調ギリシャ柱
3.石調組立式洗面台
【0104】
建築造園関係に適する廃プラスチック再生品としては、次のような製品が上げられる。
1.流れ組み合せ板
2.石調噴水セット(バードバス)
【0105】
土木建築関係に適する廃プラスチック再生品としては、次のような製品が上げられる。
1.河川や住宅ビルのコンクリート永久型枠
普通コンクリートを流し込む場合仮枠で流し込み仮枠を撤去するが 型枠自体がそのまま石調化粧板になる考案
【0106】
土木道路工事関係に適する廃プラスチック再生品としては、次のような製品が上げられる。
1.石調フェンス又はぎ木フェンス
2.歩道の車進入止石調ブロック
【0107】
家具関係に適する廃プラスチック再生品としては、次のような製品が上げられる。
1.サイドボード・下駄箱等石調額のトップ板
【0108】
以上のような再生品には、模様が付加価値を高める製品や模様の無いことが好まれる製品がある。模様でデザイン性を高める再生品を製造するには、廃プラスチックの2種以上を一緒に溶融して、自然に流れてできる模様が残る程度に攪拌してから、金型に自重で流し込んで成型する製法が良い。
【0109】
この成型法によると、土木建築用や造園用の再生品、その他の再生品において、様々な模様に富んだ廃プラスチック再生品を容易に製造できる。例えば、廃プラスチックが溶融した状態で自然に流れる状態がそのまま模様として残り、独特のデザイン模様として作用する。しかも、この模様は自然にできるので、2度と同じ模様の製品はできないので、商品価値が高まり、デザイン的にも消費者に好まれる。
【0110】
これに対し、着色剤の入った廃プラスチックを含む2種以上を一緒に溶融して、模様が残らない程度まで均一かつ充分に攪拌してから、金型に自重で流し込んで成型する製法によると、模様の存在しない、均一な色の再生品を製造することができる。
【0111】
したがって、本発明による廃プラスチックの溶融自重流し込み成型方法によると、各種の用途に適した、種々の再生品を実現できる。
【0112】
【発明の効果】
請求項1によると、汚れた物や色物、印刷物などが混在していることもあり得る2種以上の熱可塑性廃プラスチックが溶融室で混合されている状態で加熱溶融することによって飴状の高粘性の溶融樹脂とするため、原料を分別する必要がなく、殆どの廃プラスチックをリサイクル可能となる。
【0113】
さらに、金型中に流し込んでから溶融樹脂の上面にダイレクトに衝撃を加えて加圧したり、圧縮叩き込みするため、流し込まれた溶融樹脂中に気泡が残って巣になったりする問題が解消され、かつ溶融樹脂が金型の隅々まで行き届く。さらに、溶融樹脂の上面に押さえ金型を被せて強制加圧下で水冷するので、熱収縮時に発生する気泡や余分な溶融物が圧力により排出され、2種以上の高粘性溶融廃プラスチックの流し込み成型として有効である。また、離型後の製品をさらに水冷するため、溶融樹脂の中心付近が常温以下になるまで強制冷却される。以上の一連の工程により、気泡による巣や空洞、割れ、引けなどがなく、コンクリートよりも破壊強度に勝る、均一な再生品が得られる。
【0114】
請求項2のように、2種以上の熱可塑性廃プラスチックの高粘性の溶融樹脂が自然に流れてできる模様が残る程度に攪拌してから、金型に自重で流し込んで成型する方法によると、土木建築用や造園用の再生品、その他の再生品において、様々な模様に富んだ廃プラスチック再生品を容易に製造できる。しかも、模様は自然にできるので、2度と同じ模様の製品は発生せず、商品価値が高まり、デザイン的にも消費者に好まれる。
【0115】
請求項3のように、請求項2の場合とは異なり、着色剤の入った廃プラスチックを含む2種以上を一緒に溶融して、模様が残らない程度まで均一かつ充分に攪拌してから、金型に自重で流し込んで成型する製法によると、請求項2の場合とは違って、模様の無い均一の色の再生品を製造することができる。したがって、本発明による溶融廃プラスチックの自重流し込み成型法によると、各種の用途に適した、種々の廃プラスチック再生品を実現できる。
【0116】
請求項4のように、溶融機中の水平方向のスクリューで溶融樹脂を押し出して貯留加温吐出装置中に押し込む構造を用い、2種以上の廃プラスチックが溶融機で溶融されたら、前記スクリューで混練しながら貯留加温吐出装置に圧送して200〜260℃で保温貯留しておき、成型に必要な所要量の樹脂が溜まってから、前記貯留加温吐出装置の底部に設けたスライド式シャッターを開き、溶融樹脂を自然落下させて金型に供給する製法を採っているため、前記のように、飴状の高粘性の溶融樹脂であるにもかかわらず、確実に貯留加温吐出装置に圧送して加温状態で溜めておくことができ、また所要量溜まったら、貯留加温吐出装置底部のスライド式シャッターを開くだけで、高粘性の溶融樹脂を真下の金型に自然落下させるだけで確実に供給できる。
【0117】
請求項5のように、入口と出口を有するトンネル状の加温室の中で予め加熱しておいた金型に溶融樹脂を自重で流し込んで成型するため、2種以上の廃プラスチックを混合して溶融した高粘性の溶融樹脂でも円滑に成型できる。また、溶融樹脂を自重で流し込んだ状態の金型と溶融樹脂を強制冷却するため、冷却時間の短縮により再生品 の製造サイクルを短縮して、量産できる。さらに、離型後の製品だけを水冷するので、溶融樹脂の中心付近が常温以下になるまで強制冷却される。
【0118】
請求項6のように、自重で流し込んだ金型中の溶融樹脂を衝撃力で突き固めるので、溶融樹脂中の気泡を抜くことができると共に、金型中の隅々まで溶融樹脂を押し込むことができる。また、溶融樹脂が次第に冷却して容積が漸減するため、押さえ金型が徐々に押し下げられて下降するが、収縮時に発生する気泡や余分な溶融物も、押さえ金型の押し下げによって排出されるので、2種以上の廃プラスチックの溶融樹脂の流し込み成型方法として最適である。したがって、飴状の高粘性の溶融樹脂であるにもかかわらず、巣や引けの少ない、堅牢で高品質の再生品を製造することが可能となり、また大型の製品や形状が複雑な製品でも円滑に成型できる
【0119】
請求項7のように、溶融樹脂が自重で流し込まれた金型と該金型中の溶融樹脂を一緒に冷却水の散水又はプール浸漬するだけでなく、金型の押さえ金型に上部から圧力をかけて冷却水中に押し込む手法を採っているので、溶融樹脂と金型の全体を一緒に、しかも溶融樹脂製品の芯部まで効果的に強制冷却できる。その結果、再生成型品に巣や引けが発生せず、割れも防止できる。また、金型が小型の場合や薄肉の成型品の場合は、シャワーで冷却水を散水して冷却することもでき、この場合は冷却設備を簡易化できると共に、作業も簡便化される。
【0120】
こうして、一次加圧・冷却工程を終了し、樹脂製品が充分に収縮してから、金型離型を行なうので、円滑に離型できる。また、離型した後の成型製品のみを再び冷却水に漬け込んでさらに冷却するので、溶融樹脂の中心付近が常温以下になるまで強制冷却されると共に、短時間に強制冷却でき、大量生産に適している。
【0121】
請求項8のように、廃プラスチックを溶融させるために使用した後の廃ガスを無公害化燃焼装置に供給して燃焼させた後に排出される熱風を加温庫に導くため、溶融装置から排出される廃熱を有効利用して金型を加温でき、コスト高となるのを防げる。また、加温室を囲む壁部中に形成した中空層に前記の熱風をダクトで導入して、加温室中に送入してある金型を間接的に加温する構造にしてあるので、作業者が直接熱風を受けることがなく、安全であり、しかも作業環境の悪化を防止できる。さらに、加温室は、金型の入口と出口を有し、しかも上壁と底壁と左右の側壁とでトンネル状に囲まれているので、金型を入口から送入して、加温されたら出口から溶融樹脂の供給部に送り出すことができ、迅速に溶融部に供給して、金型が冷却するのを防止できると共に、作業を円滑に遂行でき、量産に適している。
【0122】
請求項9のように、2本の既製品の型鋼材を平行に配置してレールを形成し、金型を載置した台車又は車輪付き金型を走行させる構造としたため、ローラーコンベアやチェーンコンベアなどのように、熱変形を受けることもなく、耐熱構造で大荷重にも耐えられる搬送機構を安価に実現できる。したがって、型鋼レール上で、台車上の金型又は車輪付き金型中の溶融樹脂にノッカー等で衝撃力を加えたりしても、強度上何ら問題はない。
【0123】
また、溶融樹脂を金型に自重で流し込んで成型する手段においては、溶融樹脂吐出部に対し上下動するテーブルに、金型を載置した台車又は車輪付き金型が走行するレールを設置した構造としたので、溶融樹脂の吐出部と金型との間隔を常に一定にできる。その結果、金型の高さやサイズなどにかかわらず常に、充分に溶融した状態の樹脂を金型中に自重で供給して、円滑に成型できる。同じ金型を用いる製品をまとめて製造するので、高さやサイズの異なる金型に変更するときのみ、レールを上下させればよく、頻繁に上下させる必要はない。また、金型を載置した台車又は車輪付き金型をレール上で左右方向に走行移動させるだけで、金型中における左右方向の溶融樹脂落下位置を自由に選択できる。
【0124】
以上のように、本発明による設備は、簡易で堅牢な構造であるため、投資金額を出来る限り少なくすることで事業の実用化と運営が可能となる。特に、離島の廃棄物の処理は、深刻な問題となっており、処理するために離島外に搬出するのに高い船舶代を要しており、循環型社会の構築に障害を来しているが、本発明によってこれらの問題も解決される。
【0125】
さらに、汚れたり、異物の付着したあらゆる廃プラスチックを再生品にできるこの発明は、廃棄物のリサイクルの原点を基礎として、また日本社会における廃棄物対策として、循環型社会の構築にとって厄介者のプラスチックの大半が再生品のマテリアルリサイクルに出来る意義と技術開発は企業のためでなく、日本国家の環境保全と新規産業の創出に寄与するものである。
【0126】
また、一地域で当設備を有するリサイクル事業が出来る地域規模のプラントで運営でき、廃プラスチックの処理のために遠方の他県まで運搬も不必要となり、収集委託から即リサイクル再生品が製造できる新規なプラントである。したがって、再生品が安価で社会に提供でき、真の循環型社会が全国各地で可能となり、本発明による波及効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製造ラインの全容を示す平面図である。
【図2】本発明による製造ラインの全容を示す正面図である。
【図3】加温庫のレールと平行方向(B−B位置)の縦断面図である。
【図4】加温庫のレールと直角方向(A−A位置)の縦断面図である。
【図5】溶融機と貯留加温吐出装置と上下動テーブルの近傍を示す図で、図1のC−C断面図である。
【図6】図5の部分を貯留加温吐出装置側から見た正面図である。
【図7】溶融機の詳細であり、図5におけるD−D縦断面図である。
【図8】図5における台車部を拡大した状態である。
【図9】図8のE−E位置の縦断面図である。
【図10】衝撃装置の斜視図である。
【図11】園芸用プランターを成型する金型の実施形態を示す分解斜視図である。
【図12】図11の金型を組み立てた状態の縦断面図である。
【図13】図12の金型の左側面図である。
【図14】金型と流し込み成型品の強制冷却設備の平面図である。
【図15】図14の強制冷却設備の正面図である。
【図16】金型の別の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 型鋼レール
2 型鋼レール
3 加温庫
4 溶融機
5 貯留加温吐出装置
6 上下動テーブル(電動リフトテーブル)
7 一次冷却プール
8 二次冷却プール
9 ノッカー支持装置
10 アタッチメント
11 脱型テーブル
12 搬出コンベア
13 加圧装置
14 チラー装置
16 原料投入口
17 上下駆動装置
18 排気ダクト
20 無公害化燃焼装置
21 排気ダクト
22 ダクト
23 排気ダクト
24 台車
25 車輪
m 金型
26 中空層
27 内周鋼板
28 外周鋼板
29 断熱材
30 鋼板扉
33 耐熱ゴムカーテン
34 スクリュー
35 廃プラスチックの投入口
36 灯油ボイラー
37 電気ヒータ
38 断熱材
39 攪拌プロペラ
40 扉
41 点検窓
42 シャッター鋼板
43 スライドレール
44 スライダー
45 基板
48 滑車
49 ウインチ
50 ノッカー
51 支持枠
52 内型
53a・53b 前後の外型
53c・53d 左右の外型
54 押さえ型
55 溶融樹脂上面
56 天井レール
57 走行ウインチ
58 固定ウインチ
59 補助板

Claims (9)

  1. 2種以上の熱可塑性廃プラスチックのそれぞれが溶融室で混合されている状態で加熱溶融してなる飴状の高粘性の溶融樹脂を自重で金型中に流し込んでから溶融樹脂の上面にダイレクトに衝撃を加えて加圧したり、圧縮叩き込みし、かつ上面に押さえ金型を被せて強制加圧下で水冷し、離型後の製品をさらに水冷することを特徴とする廃プラスチック再生品の製造方法。
  2. 金型中に自然に流れ込んでできる模様が残る程度に攪拌してから、金型中に自重で流し込んで成型することを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチック再生品の製造方法。
  3. 着色剤の入った廃プラスチックを含む2種以上を一緒に溶融して、模様が残らない程度まで貯留加温吐出装置内で均一かつ充分に攪拌してから、金型中に自重で流し込んで成型することを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチック再生品の製造方法。
  4. 溶融機中の水平方向のスクリューで溶融樹脂を押し出して貯留加温吐出装置中に押し込む構造を用い
    2種以上の廃プラスチックが溶融機で溶融されたら、前記スクリューで混練しながら貯留加温吐出装置に圧送して200〜260℃で保温貯留してから、
    前記貯留加温吐出装置の底部に設けたスライド式シャッターを開き、溶融樹脂を自然落下させて金型中に供給することを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの溶融流し込み成型による再生品製造方法。
  5. 2種以上の廃プラスチックを混合した状態で溶融機中で一緒に溶融させる工程と、
    入口と出口を有するトンネル状の加温室の中で金型を予め加熱する工程と、
    加温工程で加温しておいた金型に溶融樹脂を自重で流し込んで成型する工程と、
    溶融樹脂が流し込まれた状態の金型と該金型中の溶融樹脂を強制冷却する工程と、
    前記の冷却工程の後に、離型して製品だけを水冷する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの溶融流し込み成型並びに加圧水冷による再生品製造方法。
  6. 金型中に流し込んだ廃プラスチックの溶融樹脂の上に被せる押さえ金型を有していて、この押さえ金型は、溶融樹脂の上面を押し下げ可能なように下降可能になっており、
    前記の押さえ金型を取り外した状態の金型中に溶融樹脂を自重で流し込んで衝撃力で該溶融樹脂中を突き固めてから、その上に再度溶融樹脂を流し込んで注ぎ足して、溶融樹脂を加圧する操作を行ない、最後に前記の押さえ金型を被せて加圧手段で押しつけることを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの溶融流し込み成型方法。
  7. 溶融樹脂が自重で流し込まれた金型と該金型中の溶融樹脂を一緒に冷却水の散水又はプール浸漬した状態で、金型の押さえ金型に上部から圧力をかけることにより一次加圧・冷却工程を終了してから、金型の離型を行ない、
    その後、離型した成型製品のみを再び冷却水に漬け込んで、さらに冷却することを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの溶融流し込み成型品の離型方法。
  8. 溶融状態の樹脂を自重で流し込んで成型するための金型を予め加温する装置であって、
    加温室は、金型の入口と出口を有し、しかも上壁と底壁と左右の側壁とでトンネル状に囲まれており、各壁部に中空層を形成できるように二重構造にしてあり、
    廃プラスチックを溶融させるために使用した後の廃ガスを無公害化燃焼装置に供給して燃焼させた後に排出される熱風を導くダクトを前記壁部の中空層に接続してなることを特徴とする廃プラスチックの溶融流し込み金型の加温装置。
  9. 予め金型を加温する加温庫と、溶融樹脂を金型に自重で流し込んで成 型する手段と、金型を強制冷却する手段とにわたって、2本の型鋼材を平行に配置したレールを形成して、金型を載置した台車又は車輪付き金型を走行させる構造とし、
    溶融樹脂を金型に自重で流し込んで成型する手段においては、溶融樹脂吐出部に対し上下動するテーブルに、金型を載置した台車又は車輪付き金型が走行するレールを設置した構造としたこと、
    を特徴とする廃プラスチックの溶融流し込み成型による再生品製造装置。
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