JP3623761B2 - 緊急呼接続システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、緊急呼接続システムに関し、特に通常呼と比較して緊急呼の接続遅延時間の短縮を可能にするシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
緊急呼優先接続方式を利用した移動体通信システムに関する技術が、特開平5−75536号に記載されている。
【0003】
この従来技術によると、緊急呼優先接続方式を利用した移動体通信システムは、一般クラス、または優先クラスの何れかのクラスが指定された移動体端末と、無線回線で接続された移動体端末との間で、各種信号の送受信を行う無線基地局から構成されている。無線基地局は、自無線ゾーン内の通信が輻輳状態の時、自無線ゾーン内の移動体端末に対して規制情報を送出する。移動体端末は規制情報を受信した際、自端末が優先クラスであれば、自端末からの発信に対しては規制をせずに発信処理を行う。自端末が一般クラスであれば、発信処理を停止する。一般クラスの移動体端末には、必要な各部の動作を制御する制御手段と、予め設定された緊急呼番号および受信した規制情報を格納するメモリ手段が設けられている。制御手段は、一般クラスの移動体端末のユーザがダイヤルしたダイヤル番号を検出した時は、メモリ手段から緊急呼番号と規制情報とを読み出した後、検出したダイヤル番号と緊急呼番号とを照合する。照合の結果、検出したダイヤル番号が緊急呼番号と一致した場合には、規制情報を受信していても、緊急呼番号と一致したダイヤル番号に対しては、優先的に発信処理を行う。
【0004】
パーソナル通信システムにおける緊急通信方法及びパーソナル通信システムに関する技術が、特開平6−326771号に記載されている。
【0005】
この従来技術によると、パーソナル通信システムにおける緊急通信方法は次の方法で行う。呼を発生する電話端末装置から第1のパーソナル通信アクセス情報、及び緊急通信識別情報を送出する。さらに、緊急通信識別情報に応答して第1のパーソナル通信アクセス情報に対応する電話番号を決定し、決定された電話番号が割り当てられている電話端末装置へ呼を着信させる。第1のパーソナル通信アクセス情報は、着信先パーソナル番号及び優先順位であり、一定時間経過時に応答が無い場合には、優先順位に従って次の優先順位の電話端末装置へ呼を着信させる。
【0006】
パーソナル通信システムにおける緊急通信システムは、第1のパーソナル通信アクセス情報を記録した記録媒体を読み取る読み取り装置、及び緊急通信識別情報を出力する識別情報出力装置を有する電話端末装置、電話端末装置が接続される交換機、第1のパーソナル通信アクセス情報と着信先電話番号との対応づけを記録するデータベース、交換機とデータベースとの間に接続された信号装置から構成されている。信号装置は、呼の発生に際して電話端末装置から送出された緊急通信識別情報を受信したことを交換機から通知されたとき、呼を発生した電話端末装置からの第1のパーソナル通信アクセス情報でデータベースを検索する。信号装置は、さらに検索で得られた着信先電話番号を管理している交換機を介して、検索で得られた着信先電話番号が割り当てられている電話端末装置へ呼を着信させる。
【0007】
移動局のアクセス制限方法とそれを用いた移動体通信システムに関する技術が、特開平8−317471号に記載されている。
【0008】
この従来技術によれば、移動体通信システムはサービスエリアに備えた基地局と、サービスエリア内に存在する複数の移動局とを無線回線で接続し、各移動局は基地局を介して他のネットワークに接続して構成されている。この移動体通信システムでは、ランダムアクセスチャネルに対する移動局の発信動作を、グループ選択的且つ有限長の時間幅をもって一時的に禁止する通信規制情報を備えている。この通信規制情報を、報知チャネルを介して移動局に送信する。通信規制情報には、規制対象の移動局電話番号の数値条件を示す番号情報と、通信規制時間の終了時刻の情報が含まれている。
【0009】
通信規制情報を受信し、自局が規制対象であることを検出した場合に、発信禁止時間内では、個別呼び出しされた場合と、ユーザが警察通報及び消防・救急通報を要求する緊急通信の場合を除き、自局の発信を禁止する発信禁止機能と、通信規制中であることと、その解除をユーザに報知する出力機能を備えている。移動局は、さらにアクセス規制の対象である場合と、非対象である場合の、二つの異なる待ち受け受信モードを備えており、それぞれの場合において受信レベルの表示形式を変更するようにしている。
【0010】
緊急呼優先接続装置及び緊急呼優先接続システムに関する技術が、特開平11−98554号に記載されている。この従来技術の構成図を図13に示す。
【0011】
第1の緊急呼優先接続装置10は、呼受け付け手段11、通話回線監視手段12、切り替えメッセージ通知手段13、接続可能数管理手段14、一般呼移動手段15、緊急呼接続手段16とから構成される。呼受け付け手段11は、呼の受け付けを行う。通話回線監視手段12は、基地局40との通話回線の状態を監視する。切り替えメッセージ通知手段13は、通話回線がすべて塞がった状態で緊急呼である呼を受け付けた場合、緊急呼を保留した後、基地局40に対して通話中である一般呼のチャネルを他基地局50に切り替えることを指示する。接続可能数管理手段14は、切り替えメッセージ13aに対する基地局40からの応答メッセージ14aを参照し、チャネル切替えして接続可能な移動機60の数を、抽出して管理する。一般呼移動手段15は、基地局40からのチャネル切替え要求によって、他基地局50へ通話中の一般呼を移動させる。緊急呼接続手段16は、空いた電話回線に緊急呼を接続させる。
【0012】
この従来技術では、基地局との通話回線がすべて塞がっている場合は、大幅な緊急呼接続遅延が発生する。これは、緊急呼発信動作が開始された後に、該基地局の一般呼を他の基地局に切替えなければならず、端末が通信可能な前記他基地局の検索と、他基地局への呼切替えで手順に時間を要するためである。 したがって本発明の目的は、基地局との通話回線がすべて塞がっている場合でも、接続遅延時間を従来と比較して短くできるシステムを提供することにある。
【0013】
緊急呼管理を行うワイヤレス通信方法及び装置に関する技術が、特開平11−234730号に記載されている。
【0014】
この従来技術によれば、緊急呼管理を行うワイヤレス通信方法は、次のものである。まず、利用者が行ったダイヤル操作が緊急呼であるかどうかを判定し、緊急呼であれば緊急呼識別情報を無線リンク確立メッセージに付加して無線基地局に通知する。無線基地局経由で受け取った無線リンク確立メッセージから緊急呼であることが抽出されたら、無線チャネルの空きの有無を判定する。判定の結果、空きがない場合には、既存の通話チャネルの切断・解放を行ない、緊急呼用に無線チャネルを確保する。
【0015】
この従来技術によれば、緊急呼管理を行うワイヤレス通信方法において利用するワイヤレス通信装置では、各無線端末内の中央制御装置に少なくとも緊急呼番号判定手段と無線リンク確立手段、各無線端末内のメモリに少なくとも緊急呼番号蓄積メモリ、無線基地局制御装置内の中央制御装置に少なくとも緊急呼要求制御手段、呼状態管理手段及び呼制御手段、無線基地局制御装置内のメモリに少なくとも呼状態管理メモリが設けられている。
【0016】
利用者が行ったダイヤル操作が緊急呼であるか否かは、各無線端末の緊急呼番号判定手段で判定する。緊急呼であれば、緊急呼識別情報を無線リンク確立手段が送出する無線リンク確立メッセージに付加して無線基地局に送出する。この緊急呼識別情報が付加された無線リンク確立メッセージを無線基地局経由で受け取った無線基地局制御装置の緊急呼要求制御手段は、呼状態管理手段に問い合わせて呼状態管理メモリからリンク接続状態を読み出し、無線チャネルの空きの有無を判定する。空きが無い場合には、緊急呼要求制御手段は、呼制御手段を起動して、既存の通話チャネル上の呼の切断・解放を行い、緊急呼用に無線チャネルを確保する。
【0017】
移動電話通信システムにおける情報通知方式に関する技術が、特開平11−252643号に記載されている。
【0018】
この従来技術によれば、移動電話通信システムにおいては、表示部を備える携帯電話の加入者情報を保持する加入者データベースを備えている。この移動電話通信システムでは、携帯電話の加入者への伝達情報が登録される情報データベースが設けられ、加入者データベースに各加入者に対する伝達情報の存在を表す情報が設定される。移動交換局は、携帯電話からの通常の発信時に、発信側の加入者及び着信側の加入者への伝達情報に関する情報読出の要求を加入者データベースに送出する。加入者データベースは、要求された各加入者情報と伝達情報を表す情報を取り出すと、それぞれの伝達情報を情報データベースから読出して移動交換局に送信する。移動交換局は、伝達情報を呼制御メモリに格納し、さらに発信側と着信側との接続完了、または通話の切断の何れかの時点で発信側及び着信側に送信される制御メッセージに、発信側及び着信側への伝達情報を付加して送信し、各加入者に通知する。
【0019】
PHS緊急発進呼接続制御方式及び方法に関する技術が、特許第2930040号に記載されている。
【0020】
この従来技術によれば、PHS緊急発信呼接続制御は、次の方式で行う。PHSにおいて、セルステーションが最大呼接続状態中に、新たにPHS加入者から、警察、消防などの緊急用特番呼に通話要求があったものとする。このとき、通話中のチャンネルを一旦切断し、緊急用特番呼を割込みさせるための通話チャンネルを選択する。緊急用特番呼の割込みにより通話を切断される前に、予め通話中の加入者双方に、緊急発信通話割込み通知用のアナウンスを送信する。尚、緊急用特番呼が一定の通話時間を超えても通話接続する場合、割込みチャンネルを移し変えて通話継続する。また、別の通話チャンネルに移し変えた後に、緊急用特番呼割込みにより通話を切断された加入者双方の呼を、自動的に再接続する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、端末による緊急呼が通常呼に比べて短い遅延時間で接続できるシステムを提供することにある。
【0022】
また本発明の他の目的は、基地局との通話回線がすべて塞がっている場合でも、緊急呼接続遅延が最小限となるシステムを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0024】
本発明の緊急呼接続システムは、基地局(130−2)を有する無線アクセス網(130)を具備しており、前記無線アクセス網(130)は、ユーザが緊急呼オフィス(110)に緊急呼を発信する際に必要となる緊急呼番号(b)を取得する。また、前記緊急呼番号(b)に対応しており、前記緊急呼オフィス(110)に固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号(B)のうち、前記緊急呼オフィス(110)への接続に使用されていない緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を、前記無線アクセス網(130)に通知する交換機(120)を具備しており、前記無線アクセス網(130)は、前記緊急呼番号(b)と前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を基に報知情報(NBb)を形成し、前記報知情報(NBb)を前記基地局(130−2)から放送する。さらに、前記放送される前記報知情報(NBb)を記憶し、前記ユーザによる前記緊急呼の発信を検出した際には、前記記憶した前記報知情報(NBb)に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を一つ選択し、前記無線アクセス網(130)に対し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む前記緊急呼番号(b)を用いて、前記緊急呼の発信要求信号を送信する移動体端末(140)を具備している。前記交換機(120)は、前記無線アクセス網(130)から前記緊急呼を受信すると、前記緊急呼を通常呼よりも短い時間で前記緊急呼オフィス(110)へ接続する。
【0025】
本発明の緊急呼接続システムにおいて、前記無線アクセス網(130)に含まれる空き通信無線チャネル数が、前記交換機(120)から通知された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)の数よりも少ない場合、前記無線アクセス網(130)が、前記空き通信無線チャネル数分の前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を選択し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む前記報知情報(NBb)を、前記基地局(130−2)から前記放送する。
【0026】
本発明の緊急呼接続システムにおいて、前記基地局(130−2)を複数含み、前記複数の基地局(130−2)のうちの第1の前記基地局(130−2a)から放送された前記報知情報(NBb)に、前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)が含まれない場合、前記移動体端末(140)は、前記複数の基地局(130−2)のうちの第2の前記基地局(130−2b)から放送される前記報知情報(NBb)に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を一つ選択し、前記無線アクセス網(130)に対し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む前記発信要求信号を送信する。
【0027】
本発明の緊急呼接続システムにおいて、前記無線アクセス網(130)が、前記移動体端末(140)から前記発信要求信号を受信した場合、前記発信要求信号に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む前記報知情報(NBb)の前記放送を中止し、前記移動体端末(140)以外の他の移動体端末(140−a)から前記放送の中止された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む前記発信要求信号を受信した場合には、前記緊急呼の発信拒否を前記他の移動体端末(140−a)に通知し、前記通知した前記他の移動体端末(140−a)に対し、前記緊急呼番号(b)に対応する前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)のうち、前記発信要求信号に含まれない前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)の選択を要求する。
【0028】
本発明の緊急呼接続システムでは、無線アクセス網(130)から緊急呼および通常呼のいずれか一方の呼を受信し、受信した前記呼を緊急呼オフィス(110)に接続する交換機(120)は、前記緊急呼を受信した後、前記緊急呼を発信した移動体端末(140)と前記無線アクセス網(130)の通信ベアラを確立し、前記通信ベアラの前記交換機側終端点を示す交換機側終端点番号(A)と前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号(B)とを接続し、前記移動体端末(140)および前記緊急呼オフィス(110)のいずれか一方からの切断信号を受信すると、前記接続した状態を切断し、前記切断した後に前記交換機側終端点番号(A)および前記緊急呼オフィス接続端子番号(B)、前記通信ベアラを解放する。
【0029】
本発明の緊急呼接続システムでは、無線アクセス網(130)から緊急呼および通常呼のいずれか一方の呼を受信し、前記受信した前記呼を緊急呼オフィス(110)へ接続する交換機(120)において、前記交換機(120)は、予め移動体端末(140)と前記無線アクセス網(130)との間で合意されたアルゴリズムに前記無線アクセス網(130)が前記呼毎に生成する乱数を入力することによって行う認証処理、前記移動体端末(140)のユーザの希望する付加サービスに関する情報の検索、前記呼を含む無線音声信号の暗号化のために行う秘匿処理、前記移動体端末(140)からの着信相手を分析するために行う受信数字分析、前記ユーザが前記呼を緊急呼オフィス(110)に接続しているか否かに関する情報を記憶するメモリを前記ユーザが前記呼を緊急呼オフィス(110)に接続されていることを示す閉塞への更新、前記呼に対する課金情報とトラフィック情報の収集処理を行い、前記呼が緊急呼である場合は、前記認証処理、前記検索、前記秘匿処理、前記受信数字分析、前記メモリの前記閉塞への更新、前記収集処理の実行を省略することが可能である。
【0030】
本発明の緊急呼接続システムでは、前記交換機(120)は、前記緊急呼を受信すると、前記緊急呼オフィス接続端子番号(B)のうち、前記緊急呼にて用いられていない空き端子の番号である緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を前記無線アクセス網(130)へ通知し、前記無線アクセス網(130)は、前記通知された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を放送し、移動体端末(140−a)からの前記緊急呼の発信要求に備える。
【0031】
本発明の緊急呼接続システムでは、記憶部と検索部と呼発信部を有する移動体端末(140)において、前記記憶部は、ユーザが緊急呼オフィス(110)に緊急呼を発信する際に必要となる緊急呼番号(b)と、前記緊急呼番号(b)に対応しており前記緊急呼オフィス(110)に固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号(B)のうち、前記緊急呼オフィス(110)への接続に使用されていない緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む報知情報(NBb)を記憶し、前記検索部は、ユーザのダイヤルした前記緊急呼番号(b)に対応する前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NBb)を、前記記憶部から一つ選択し、前記呼発信部は、前記検索部が選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NBb)を含む前記緊急呼の発信要求信号を無線アクセス網(130)に送信する。
【0032】
本発明の緊急呼接続方法は、緊急呼オフィス(110)に緊急呼を発信する際に必要となる緊急呼番号(b)を取得するステップ(S1)と、前記緊急呼番号(b)に対応しており、前記緊急呼オフィス(110)固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号(B)のうち、前記緊急呼オフィス(110)への接続に使用されていない緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を前記無線アクセス網(130)へ通知するステップ(S2)と、前記緊急呼番号(b)と前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を基に報知情報(NBb)を形成し、前記報知情報(NBb)を基地局(130−2)から放送するステップ(S3)と、前記放送する前記報知情報(NBb)を記憶するステップ(S4)と、ユーザによる前記緊急呼の発信を検出した際に、前記記憶した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を一つ選択するステップ(S6)と、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む前記緊急呼番号(b)を用いて、前記緊急呼の発信要求信号を前記無線アクセス網(130)に送信するステップ(S7)と、前記緊急呼を交換機(120)に発信するステップ(S8)とを具備している。
【0033】
本発明の緊急呼接続方法は、前記無線アクセス網(130)に含まれる空き通信無線チャネル数が、前記交換機(120)から受信した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)の数よりも少ない場合、前記空き通信無線チャネル数分の前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を選択し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む前記報知情報(NBb)を、前記基地局(130−2)から放送するステップ(SB1)を具備している。
【0034】
本発明の緊急呼接続方法において、前記基地局(130−2)を複数含み、前記複数の基地局(130−2)のうちの第1の前記基地局(130−2a)から放送された前記報知情報(NBb)に、前記緊急呼オフィス接続端子空き番号(NB)が含まれない場合、前記移動体端末は、前記複数の基地局のうちの第2の前記基地局(130−2b)から放送される前記報知情報(NBb)に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を一つ選択し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む前記緊急発信要求信号を送信するステップ(SC1)を具備している。
【0035】
本発明の緊急呼接続システムにおいて、前記移動体端末(140)から前記緊急発信要求信号を受信した場合、前記緊急発信要求信号に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む前記報知情報(NBb)の前記放送を中止するステップ(SD1)と、前記放送の中止された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を前記移動体端末(140)以外の他の移動体端末(140−a)から受信した場合には、前記緊急呼の発信拒否を前記他の移動体端末(140−a)に通知し、前記緊急呼番号(b)に対応する前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)のうち、前記発信要求信号に含まれない前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)の選択を要求するステップ(SD2)を具備している。
【0036】
無線アクセス網(130)から緊急呼および通常呼のいずれか一方の呼を受信し、受信した前記呼を緊急呼オフィス(110)に接続する交換機(120)の動作方法において、前記緊急呼を受信した後、前記緊急呼を発信した移動体端末(140)と前記無線アクセス網(130)の通信ベアラを確立し、前記通信ベアラの前記交換機側終端点を示す交換機側終端点番号(A)を得るステップ(S9)と、前記交換機側終端点番号(A)が、前記緊急呼オフィス(110)に固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号(B)と接続するステップ(S10)と、切断信号を受信したことに応答して、前記交換機側終端点番号(A)と前記緊急呼オフィス接続端子番号(B)との接続を切断するステップ(S11)と、前記切断した後に前記交換機側終端点番号(A)と前記緊急呼オフィス接続端子番号(B)と前記通信ベアラを解放するステップ(S12)とを具備する。
【0037】
無線アクセス網(130)から緊急呼および通常呼のいずれか一方の呼を受信し、受信した前記呼を緊急呼オフィス(110)に接続する交換機(120)の動作方法において、予め移動体端末(140)と前記無線アクセス網(130)との間で合意されたアルゴリズムに対し、呼ごとに生成する乱数を入力して認証処理を行うステップ(SF1)と、前記移動体端末(140)の契約情報を含む加入者データベースから、ユーザの希望する付加サービスに関する情報を検索するステップ(SF2)と、前記呼を含む無線音声信号を暗号化するために秘匿処理を実施するステップ(SF3)と、前記移動体端末(140)の着信相手を分析するため受信数字分析を行うステップ(SF6)と、前記ユーザが前記呼を緊急呼オフィスに接続しているか否かに関する情報を記憶するメモリを前記ユーザが前記呼を緊急呼オフィスに接続されていることを示す閉塞への更新を行うステップ(SF7)と、前記呼に対する課金情報、トラフィック情報の収集処理を行うステップ(SF8)とを具備している。前記認証処理、前記検索、前記秘匿処理、前記受信数字分析、前期記憶メモリの閉塞への変更、前記収集処理は、前記緊急呼を受信した場合には必要に応じて省略する。
【0038】
本発明の交換機(120)の動作方法において、前記緊急呼を受信すると、前記緊急呼オフィス接続端子番号(B)のうち、前記緊急呼にて用いられていない空き端子の番号である緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を前記無線アクセス網(130)に通知するステップ(SA1)と、前記通知された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を放送するステップ(SA2)とを具備している。
【0039】
移動体端末(140)の動作方法において、無線アクセス網(130)から放送される報知情報(NBb)を記憶するステップ(S4)と、ユーザのダイヤルした緊急呼番号(b)に対応する緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を検索し、選択するステップ(S6)と、前記検索部の選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号(NB)を含む緊急呼を無線アクセス網(130)に発信するステップ(S7)とを具備している。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る緊急呼接続システムの構成を示す図である。この構成は、実施の形態1および実施の形態2のいずれか一方に用いられる。
【0041】
(実施の形態1)
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る緊急呼接続システムは、緊急呼オフィス110、交換機120、無線アクセス網130、移動体端末140、140−aから構成されている。無線アクセス網130は、基地局130−2(130−2a、130−2b)および基地局制御装置130−1を有している。図1において緊急呼オフィス110と基地局制御装置130−1の数は1となっている。また、基地局130−2の数は2の構成になっているが、これらの数には限らない。さらに、緊急呼オフィス110と交換機120、交換機120と基地局制御装置130−1、基地局制御装置130−1と基地局130−2、基地局制御装置130−1と保守運用センタ150との間は、ネットワーク100で接続されている。以下の説明で各基地局を特に区別する必要の無いときは、いずれの基地局も基地局130−2と表す。また、移動体端末140と移動体端末140−aとは、置き換えることが可能である。
【0042】
図1に示した構成の緊急呼接続システムは、優先呼接続サービスへ応用可能である。その場合緊急呼オフィス110は、優先呼オフィス110に置き換えられる。また、以下の説明で用いる「緊急呼」は、すべて「優先呼」に置き換え可能である。
【0043】
緊急呼オフィス110は通常呼または緊急呼を受け付ける。その際、受けつけた呼が緊急呼であった場合には、必要な対処にあたる。緊急呼オフィス110には、予めそれぞれの緊急呼オフィス110に対する固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号Bが割り振られている。移動体端末140から発信要求のなされた呼が通常呼であった場合には、緊急呼オフィス110には、緊急時に必要な対処にあたる能力は不要となる。したがって、この場合には、「緊急呼オフィス」を例えば「着信オフィス」に置き換えることが可能である。尚、以下、緊急呼オフィス接続端子番号Bを端子番号Bと表す。
【0044】
保守運用センタ150は、緊急呼番号b通知手段を備えており、予め記憶している緊急呼番号bを、無線アクセス網130に通知する。この緊急呼番号bを見ることで、移動体端末140のユーザは、その緊急呼番号bをダイヤルすることによって接続可能な緊急呼オフィス110の機関が何であるかを知ることができる。機関とは、警察、病院などのことを指す。
【0045】
交換機120は、空き端子番号NB検索・通知手段を備えている。この手段は、交換機120が第1データベース1Dに格納している緊急呼番号bに対応する緊急呼オフィス接続空き端子番号NBを、予め無線アクセス網130に通知する処理を行うものである。または、無線アクセス網130から空き端子番号NBが閉塞となったことを通知された際に、第1データベース1Dから、閉塞された空き端子番号NBと同じ緊急呼番号bに対応する他の空き端子番号NBを検索し、無線アクセス網130に通知する。閉塞とは、緊急呼オフィス110への接続に使用されていることを指す。
【0046】
図2は、交換機120が有する第1データベース1Dに格納されている情報を示している。第1データベース1Dには、予め移動体通信システムでサービスされる緊急呼番号bと、それぞれの緊急呼番号bに対応する端子番号Bが格納されている。図2では、1つの緊急呼番号bに対応する端子番号Bの数は5であり、計25である。この端子番号Bの数は、交換機120とネットワーク100で接続されている緊急呼オフィス110の数に一致しており、図2で示す構成には限らない。交換機120は、空き端子番号NB検索・通知手段を備えており、図2に示す端子番号Bのうち、緊急呼オフィス110への接続に使用されていない空き端子番号NBを検索し、無線アクセス網130へ通知する。以下、図2で示す各緊急呼番号bに対応するそれぞれ5種類の端子番号Bのうち、空き端子番号NBはb11〜b14、b21〜b24、b31〜b34、b41〜b44、b51〜b54であるものとする。この場合、計20の空き端子番号NBが無線アクセス網130へ通知される。しかし、通知される空き端子番号NBの数は、この数には限らない。
【0047】
交換機120は発信者と着信者のパスを接続、切断することで、受信した通常呼もしくは緊急呼を制御する。交換機120は緊急呼優先接続手段を備えている。この手段は、移動体端末140から受信した呼を、通常呼プログラムと緊急呼プログラムとに分けて処理するものである。交換機120が受信した呼が緊急呼であった場合、その呼は緊急呼プログラムによって処理される。緊急呼プログラムによる処理においては、交換機120は、まず移動体端末140と無線アクセス網130との間の通信ベアラを確立する。交換機120はこの通信ベアラを確立することにより、その通信ベアラの交換機側終端点を表す交換機側終端点番号Aを得る。この交換機側終端点番号Aは、各緊急呼ごとに個別に割り振られるものである。以下、交換機側終端点番号Aを端子番号Aと表す。尚、交換機120は、無線アクセス網130から受信した呼に空き端子番号NBが含まれるか否かにより、その呼が緊急呼もしくは通常呼のいずれであるかの判断を行う。
【0048】
交換機120が、端子番号Aと端子番号Bを接続することにより、緊急呼は目的の緊急呼オフィス110へ接続される。移動体端末140もしくは緊急呼オフィス110のいずれかから切断信号を受信すると、交換機120は移動体端末140と無線アクセス網130との間の通信ベアラ、端子番号A、端子番号Bを解放する。交換機120は、解放された端子番号Bを空き端子番号NBとして記憶し、無線アクセス網130に通知する。
【0049】
無線アクセス網130は、緊急呼番号b・空き端子番号NB通知手段を備えている。無線アクセス網130は、保守運用センタ150から通知される緊急呼番号bと、交換機120から通知される端子番号Bとを両者の同期をとって受信する。さらに、受信した緊急呼番号bと端子番号Bとから報知情報NBbを形成し、基地局130−2から下り無線制御チャネルで放送する。図3は、形成される報知情報NBbを示したものである。
【0050】
また、無線アクセス網130は相対空き端子番号NB通知手段を備えている。この手段は、空き通信無線チャネルが空き端子番号NBより少ない場合、基地局130−2から空き端子番号NBを、空き通信無線チャネルの数に絞って放送するものである。例えば、図2において各緊急呼番号bに対応する空き端子番号NBは計20である。したがって、交換機120から無線アクセス網130に通知される空き端子番号NBの数も計20である。しかし、図3に示す報知情報NBbに含まれる空き端子番号NBは計15である。これは、空き通信無線チャネル数が15であることを意味している。しかし、いずれもこれらの数には限らない。
【0051】
さらに無線アクセス網130は、緊急呼発信による端子番号B即時閉塞手段を備えている。移動体端末140からの緊急呼の発信要求信号を受信すると、無線アクセス網130はその発信要求信号に含まれる空き端子番号NBの放送を即時中止する。その結果、図3に示す報知情報NBbからその空き端子番号NBが削除され、移動体端末140−aはその空き端子番号NBが閉塞されたことを検知する。無線アクセス網130は移動体端末140−aから閉塞された端子番号Bを受信した場合、緊急呼発信要求拒否を示す信号を移動体端末140−aに送信し、再度空き端子番号NBを検索するように促す。
【0052】
移動体端末140は携帯電話などの通信端末であり、記憶部、検索部、呼発信部を有している。この移動体端末140は、無線インターフェイスで移動体通信網と接続されており、ユーザは自由に移動して呼を発信、継続、切断することができる。移動体端末140は待ち受け時緊急呼番号b・空き端子番号NB検索手段を備えており、待ちうけ中に、無線アクセス網130の基地局130−2から放送される報知情報NBbを検索し、検索した報知情報NBbを、記憶部に格納する。また、移動体端末140は空き端子番号NB付き緊急呼発信手段を備えている。検索部はユーザのダイヤルを検出すると、記憶部に格納されている報知情報NBbに含まれる緊急呼番号bから、ユーザのダイアルした番号と一致する緊急呼番号bがあるかどうかを検索する。検索の結果一致する番号があった場合には、検索部はその番号に対応する空き端子番号NBのうち、いずれか一つを選択する。選択された空き端子番号NBは、呼発信部により緊急呼の発信要求信号と共に無線アクセス網130へ送信される。
【0053】
さらに、移動体端末140は緊急呼ダイレクトリトライ手段を備えている。この手段は、基地局130−2aから放送される報知情報NBbにダイアルした緊急呼番号bに対応する空き端子番号NBが無い場合、基地局130−2bから放送される報知情報NBbを検索する。さらに、基地局130−2bから放送される報知情報NBbに含まれる空き端子番号NBを1個選択した上で緊急呼発信動作を開始するものである。
【0054】
次に本発明の一実施例による、緊急呼接続システムの動作を説明する。図4は、本発明の緊急呼接続方法における、緊急呼が交換機120に発信されるまでの処理の流れを示している。
【0055】
無線アクセス網130は、移動体通信システムでサービスする緊急呼番号bを保守運用センタ150から得る(ステップS1)。交換機120は第1データベース1Dから、各緊急呼の接続に用意される端子番号Bのうち複数の空き端子番号NBを検索し、無線アクセス網130へ通知する(ステップS2)。無線アクセス網130は、保守運用センタ150から緊急呼番号bを、また交換機120からそれぞれの緊急呼番号bに付随する空き端子番号NBを、同期をとって受信する。さらに、緊急呼番号bと空き端子番号NBとから報知情報NBbを形成し、基地局130−2aから下り無線制御チャネルで放送する(ステップS3)。
【0056】
ステップS2とステップS3の動作は、それぞれの緊急呼番号bに対応する空き端子番号NBが複数の場合には、すべての空き端子番号NBが報知情報NBbとして放送されるまで繰り返される。
【0057】
移動体端末140は待ち受け中下り共通制御チャネルを検索し、報知情報NBbを記憶する(ステップS4)。ユーザが緊急呼番号bをダイアルすると、移動体端末140はユーザがダイヤルした番号が緊急呼番号bのいずれかに一致するかどうかを、記憶した報知情報NBbから検索する(ステップS5)。検索の結果、ユーザのダイヤルした番号が移動体端末140の記憶している緊急呼番号bのいずれにも一致しなかった場合には、ステップS6以下の動作は行われない。
【0058】
移動体端末140は、ユーザがダイヤルした番号が緊急呼番号bのいずれかに一致することを検出すると、その緊急呼番号bを記憶すると共にユーザがダイヤルした緊急呼番号bに対応する空き端子番号NBを検索し、その検索結果より空き端子番号NBを一つ選択する(ステップS6)。さらに移動体端末140は、緊急呼の発信要求信号を無線アクセス網130に送信する(ステップS7)。その発信要求信号に応答し、無線アクセス網130は緊急呼を交換機120に発信する(ステップS8)。
【0059】
交換機120は緊急呼を受信すると、図5に示す動作1の処理を行う。動作1の処理は、図4のステップS8に引き続いて行われる。
【0060】
交換機120は受信した呼が緊急呼であった場合、その呼を緊急呼優先接続プログラムで処理する。緊急呼を受信すると、交換機120は移動体端末140と無線アクセス網130との通信ベアラを確立し、その結果端子番号Aを得る(ステップS9)。端子番号Aと端子番号Bとが接続すると、緊急呼は緊急呼オフィス110へ接続される(ステップS10)。その後、交換機120は移動体端末140または緊急呼オフィス110からの切断信号を受信すると、端子番号Aと端子番号Bの接続を切断する(ステップS11)。さらに交換機120は、端子番号Aと端子番号Bを解放して状態を空きとし、端子番号A、端子番号Bおよび通信ベアラを解放する(ステップS12)。
【0061】
ステップS12の後、解放された端子番号Aは交換機120が移動体端末140から緊急呼を受信した際、再び使用される。また、解放された端子番号Bは無線アクセス網130に通知され、基地局130−2aから報知情報NBbとして再び放送される。
【0062】
交換機120は緊急呼を受信すると、図6に示す動作2の処理も行う。動作2の処理は、図4のステップS8に引き続いて行われる。
【0063】
交換機120は、移動体端末140のユーザのダイヤルした緊急呼番号に対応する他の空き端子番号NBを検索し、緊急呼番号bと共に無線アクセス網130へ通知する(ステップSA1)。さらに、無線アクセス網130は、交換機120から通知された空き端子番号NBを、基地局130−2から緊急呼番号bの付随情報として報知情報NBbに加え放送する(ステップSA2)。これにより、移動体端末140−aからの緊急呼に備える。
【0064】
図7は、無線アクセス網130が含む空き通信無線チャネル数が、空き端子番号NBより少ない場合に行われる処理を示す図である。
【0065】
無線アクセス網130は、空き通信無線チャネル数分の空き端子番号NBを選択し、選択した空き端子番号NBを基地局130−2aから放送する(ステップSB1)。
【0066】
図8はステップS6において、報知情報NBbに空き端子番号NBが含まれていなかった場合に行われる処理を示す図である。
【0067】
移動体端末140は、基地局130−2bから放送される報知情報NBbから、空き端子番号NBを検索する(ステップSC1)。このステップSC1は、ユーザがダイヤルした緊急呼番号bに対応する空き端子番号NBが発見されるまで繰り返される。
【0068】
図9はステップS7において、無線アクセス網130が移動体端末140から緊急呼の発信を要求された際に行われる処理を示す図である。
【0069】
無線アクセス網130は、緊急呼オフィス接続空き端子番号NBの、報知情報NBbによる放送を即時中止して移動体端末140−aに通知する(ステップSD1)。さらに、無線アクセス網130が放送の中止された端子番号Bを受信した場合には、緊急呼の発信拒否を移動体端末140−aに通知し、再度空き端子番号NBの検索を要求する(ステップSD2)。
【0070】
移動体端末140は、ステップS6においてユーザがダイヤルした番号が、予め記憶している緊急呼番号bの1つと一致することを検出すると、ユーザがダイヤルした緊急呼番号bに対応する端子番号Bのうちいずれか一つを選択し、緊急呼発信動作を開始する。図10は、ステップS7からステップS10までに行われる動作の流れを、送受信される信号名を用いて詳細に表わしたものである。例えば、ステップSE1ではConnection Requestという信号が移動体端末140から無線アクセス網130に送信されることを表している。
【0071】
まず、移動体端末140は、通信用無線チャネルの要求信号(Connection Request)を、無線アクセス網130に送信する(ステップSE1)。無線アクセス網130は、通信チャネル設定手順の開始を指示する信号(Connection Setup)を移動体端末140に送信する(ステップSE2)。移動体端末140は、通信チャネル設定が完了したことを通知する信号(Connection Setup Complete)を、無線アクセス網130へ送信する(ステップSE3)。さらに移動体端末140は、前記報知情報NBbから捕捉した端子番号Bおよび緊急呼番号bと共に、サービス用コネクション確立を要求する信号(CM Service Request)を無線アクセス網130へ送信する。無線アクセス網130は移動体端末140から緊急呼の発信要求信号を受信すると、その緊急呼に含まれる端子番号Bを、報知情報NBbから削除することで閉塞とする。その上で、基地局130−2から再度報知情報NBbを放送する。無線アクセス網130は、サービス用コネクション確立を要求する信号(CM Service Request)をさらに交換機120へ転送する(ステップSE4)。交換機120は、緊急呼を発信するためのコネクション確立を受け付けたことを示す信号(CM Service Accept)を、無線アクセス網130を経由して移動体端末140へ送信する(ステップSE5)。移動体端末140は、呼設定手順を開始するための信号(Set up)を、無線アクセス網130を経由して交換機120へ送信する(ステップSE6)。交換機120は、呼設定手順開始を受け付けたことを示す信号(Call Proceeding)を、無線アクセス網130を経由して移動体端末140に送信する(ステップSE7)。交換機120は、移動体端末140から受信した端子番号Bに対応する緊急呼オフィス110がどれかを特定し、その緊急呼オフィス110に対して、発信があったことを通知する信号(IAM)を送信する(ステップSE8)。緊急呼オフィス110は、発信を受けつけたことを示す信号(ACM)を交換機120に送信する(ステップSE9)。
【0072】
交換機120は、移動体端末140と無線アクセス網130との通信ベアラを設定することを指示するための信号(RAB Assignment Request)を送信する(ステップSE10)。無線アクセス網130は、移動体端末140と無線アクセス網130との通信ベアラと交換機120内通信ベアラを、お互いの網端子番号を交換する方法による理論的な結合を行うため、自網端子情報を含む信号(Establish Request)を交換機120に送信する(ステップSE11)。交換機120は、無線アクセス網130からの信号(Establish Request)に含まれる、無線アクセス網130と交換機120間であって、無線アクセス網130側の緊急呼用通話路を確立する網端子番号に加えて、交換機120側の網端子番号(端子番号A)を搭載した信号(Establish Confirm)を無線アクセス網130に送信する(ステップSE12)。無線アクセス網130は、移動体端末140に信号(RAB Setup)を送信する(ステップSE13)。移動体端末140は、無線アクセス網130に信号(RAB Setup Complete)を送信する(ステップSE14)。ステップSE13とステップSE14は、無線区間の通信ベアラを確立するための動作である。無線アクセス網130は、移動体端末140を含めた無線区間の通信ベアラが確立したことを通知する信号(RAB Assignment Response)を交換機120に送信する(ステップSE15)。交換機120は、確立した無線区間の通信ベアラにリングバックトーンを供給し、さらに移動体端末140にトーンが供給されたことを通知する信号(Alert)を、無線アクセス網130を経由して移動体端末140に送信する(ステップSE16)。
【0073】
緊急呼オフィス110は、発信要求に応答したことを通知する信号(ANM)を交換機120に送信する(ステップSE17)。交換機120は、端子番号Aと端子番号Bの通話路パスを接続する。さらに、接続が完了したことを通知する信号(Connect)を、無線アクセス網130を経由して移動体端末140に送信する(ステップSE18)。移動体端末140は、接続通知を受信したことを通知する信号(Connect Acknowledgement)を、無線アクセス網130を経由して交換機120に送信する(ステップSE19)。このようにして、移動体端末140と緊急呼オフィス110との通話が開始される。
【0074】
交換機120は空き端子番号Bを検索し、緊急呼番号bと伴に無線アクセス網130へ通知する。無線アクセス網130は、交換機120から通知された空き端子番号Bを、緊急呼番号bの付随情報として報知情報NBbに加えて放送することにより、次の移動体端末140からの緊急呼に備える。
【0075】
以上の実施の形態1に係る緊急呼接続システムの説明では、移動体端末140から緊急呼オフィス110に、緊急呼が接続される場合について述べてきた。しかし、移動体端末140から緊急呼オフィス110に接続されるのは緊急呼とは限らず、通常呼である場合もある。この場合、移動体端末140が待ち受け中に緊急呼番号bと空き端子番号Bを含む報知情報NBbを記憶する動作は不要となり、したがって移動体端末140から無線アクセス網130への通常呼の発信要求信号に、空き端子番号Bは含まれない。移動体端末140から無線アクセス網130に通常呼の発信要求信号が送信されると、無線アクセス網130はその信号に応答して、交換機120に通常呼を発信する。さらに、交換機120はその通常呼を緊急呼オフィス110に接続する。
【0076】
(実施の形態2)
この実施の形態2に係る緊急呼接続システムでは、交換機120は緊急呼高優先度プログラムによる処理を行う。このプログラムにおいては、緊急呼と通常呼とが独立したプログラムでなく、いずれも処理が可能なように設計されている。このプログラムには、認証処理、移動体端末140のユーザが希望する付加サービスに関する情報の検索、秘匿処理、端末からの受信数字分析などの処理が含まれ、交換機120が受信した呼が通常呼の場合には、いずれの処理も必要となる。
【0077】
認証処理は、予め移動体端末140と無線アクセス網130との間で合意されたアルゴリズムに対し、無線アクセス網130が呼毎に生成する乱数を入力することによって行う。通常呼ではこの認証処理が必要であり、また認証処理を行うには、個々の移動体端末140を識別するための端末識別番号IDが必要である。しかし、移動体端末140からの緊急呼に端末識別番号IDが含まれなくとも、交換機120は、移動体端末140から発信された呼が緊急呼であることを認識することによって、認証処理を省略することが可能である。
【0078】
また、交換機120は図12に示す加入者データベース120−1を有している。加入者データベース120−1には、移動体端末140の端末識別番号ID、およびユーザが利用可能な付加サービスに関する情報が含まれている。付加サービスの種類は、図12においては5種類となっているが、この数には限らない。図12では、例えば移動体端末140−1を利用するユーザは、付加サービス11、12を利用することが可能であり、付加サービス13、14、15は利用できないことを示している。交換機120は端末識別番号IDを基に、加入者データベース120−1から、利用者の希望する付加サービスが何であるかについて検索する。しかし、緊急呼に付加サービスの提供が不要の場合には、利用者の希望する付加サービスに関する検索は行わない。
【0079】
秘匿処理は、緊急呼または通常呼を含む無線音声信号の暗号化のために行うものであり、緊急呼の場合には省略可能である。移動体端末からの受信数字分析は、着信相手を分析するために行うものであり、交換機120が受信した呼が緊急呼であった場合には、スキップすることが可能である。
【0080】
交換機120は、移動体端末140のユーザが呼を接続しているか否かを記憶するメモリを有している。交換機120が受信した呼が通常呼であった場合、移動体端末140からの受信数字分析により着信相手の分析を行った後、交換機120はメモリを閉塞に変更する。閉塞とは、移動体端末140のユーザが呼を緊急呼オフィス110に接続していることを示している。
【0081】
交換機120が受信した緊急呼に付加サービスの提供が不要の場合には、メモリを閉塞に変更する動作は不要となる。しかし、緊急呼であった場合でも、その緊急呼に対して付加サービスの提供が必要の場合には、交換機120は移動体端末140との呼設定手順を実施して移動体端末140にリングバックトーンを提供した後、メモリを閉塞に変更する。
【0082】
交換機120が受信した呼が通常呼であった場合、交換機120はユーザの状態を管理する メモリを閉塞に変更した後、呼に対する課金・トラフィック監査を行うための情報の収集を行う。ただし、緊急呼の場合には、この情報の収集は、省略可能となる。
【0083】
次に、本発明の実施の形態2による、緊急呼接続システムの動作を説明する。図11は、実施の形態2において、無線アクセス網130から緊急呼発信要求を受信した後に、交換機120が行う処理の流れを示すものである。
【0084】
交換機120は、予め移動体端末140と無線アクセス網130とで合意されたアルゴリズムに、無線アクセス網130が呼毎に生成する乱数を入力することによって認証処理を行う(ステップSF1)。交換機120は、ユーザの希望する付加サービスが何であるかに関する情報を得るために、移動体端末140の契約情報を含む加入者データベース120−1を検索する(ステップSF2)。
【0085】
交換機120は、無線音声信号を暗号化するために秘匿処理を実施する(ステップSF3)。交換機120は、移動体端末140と無線アクセス網130との間の通信ベアラを確立し、端子番号Aを取得する(ステップSF4)。交換機120は、移動体端末140との呼設定手順を実施し、移動体端末140にリングバックトーンを提供する(ステップSF5)。交換機120は、移動体端末140から受信した受信数字の分析を行うことにより、着信相手を分析する(ステップSF6)。交換機120は、移動体端末140のユーザが呼を緊急呼オフィス110に接続しているか否かに関する情報を記憶するメモリを、閉塞に変更する(ステップSF7)。交換機120は、要求された呼の課金情報、トラフィック情報の収集を実施する(ステップSF8)。交換機120は、緊急呼オフィス110と局間プロトコルを実施して緊急呼オフィス110との通話路を接続する(ステップSF9)。交換機120は、緊急呼オフィス110が応答すれば、端子番号Aと端子番号Bを接続する(ステップSF10)。
【0086】
ステップSF10の後は、ステップS11、ステップS12と同様の動作が行われる。さらにステップSA1、ステップSA2と同様の動作が行われ、移動体端末140からの次の緊急呼に備えられる。
【0087】
通常呼の場合、移動体端末140からの発信要求には、空き端子番号Bは含まれていない。したがって、ステップSF8の後に交換機120は緊急呼オフィス110へのルートを選択し、選択されたルートへの空き端子番号Bを捕捉するステップが必要となる。しかし、緊急呼の場合には、緊急呼発信要求の中に空き端子番号Bが含まれているため、このステップは不要である。
【0088】
【発明の効果】
本発明の緊急呼接続システムにより、端末による緊急呼が通常呼に比べて短い遅延時間で接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緊急呼接続システムに係る構成を示す図である。
【図2】本発明の緊急呼接続システムにおける、第1データベースに格納されている情報を示した図である。
【図3】本発明の緊急呼接続システムにおける、基地局から放送される報知情報に含まれる情報を示した図である。
【図4】本発明の緊急呼接続方法における、緊急呼が交換機に送信されるまでの処理の流れを示す図である。
【図5】本発明の緊急呼接続方法の実施の形態1における、交換機内での動作1に対する処理の流れを示す図である。
【図6】本発明の緊急呼接続方法の実施の形態1における、交換機内での動作2に対する処理の流れを示す図である。
【図7】本発明の緊急呼接続方法における、無線アクセス網内で空き通信無線チャネル数が、空き端子番号Bより少ない場合に行われる処理を示した図である。
【図8】本発明の緊急呼接続方法における、基地局から放送される報知情報の中に、空き端子番号Bが含まれない場合に行われる処理を示した図である。
【図9】本発明の緊急呼接続方法における、無線アクセス網が移動体端末からの緊急呼の発信を受信した後に行われる処理を示した図である。
【図10】本発明の緊急呼接続方法における、移動体端末が緊急呼の発信動作を開始してから、緊急呼が緊急呼オフィスに接続されるまでの処理を詳細に示した図である。
【図11】本発明の緊急呼接続方法の実施の形態2における、交換機内での通常呼、もしくは緊急呼に対する処理の流れを示す図である。
【図12】本発明の緊急呼接続方法における、交換機内の加入者データベースに格納されている情報を示した図である。
【図13】本発明の緊急呼接続方法に関する、従来技術の構成を示す図である。
【符号の説明】
110 緊急呼オフィス
120 交換機
120−1 加入者データベース
130 無線アクセス網
130−1 基地局制御装置
130−2(130−2a、130−2b) 基地局
140−1、140−a 移動体端末
150 保守運用センタ
1D 第1データベース
A 交換機側終端点番号
b 緊急呼番号
NBb 報知情報
B 緊急呼オフィス接続端子番号
NB 緊急呼オフィス接続空き端子番号
ID 端末識別番号

Claims (14)

  1. 基地局を有する無線アクセス網と、
    前記無線アクセス網は、ユーザが緊急呼オフィスに緊急呼を発信する際に必要となる緊急呼番号を取得し、
    前記緊急呼番号に対応しており、前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号のうち、前記緊急呼オフィスへの接続に使用されていない緊急呼オフィス接続空き端子番号を、前記無線アクセス網に通知する交換機と、
    前記無線アクセス網は、前記緊急呼番号と前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を基に報知情報を形成し、前記報知情報を前記基地局から放送し、
    前記放送される前記報知情報を記憶し、前記ユーザによる前記緊急呼の発信を検出した際には、前記記憶した前記報知情報に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を一つ選択し、前記無線アクセス網に対し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記緊急呼番号を用いて、前記緊急呼の発信要求信号を送信する移動体端末を具備し、
    前記交換機は、前記無線アクセス網から前記緊急呼を受信すると、前記緊急呼を通常呼よりも短い時間で前記緊急呼オフィスへ接続する
    緊急呼接続システム。
  2. 請求項1に記載の緊急呼接続システムにおいて、
    前記無線アクセス網に含まれる空き通信無線チャネル数が、前記交換機から通知された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号の数よりも少ない場合、前記無線アクセス網が、前記空き通信無線チャネル数分の前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を選択し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記報知情報を、前記基地局から前記放送する
    緊急呼接続システム。
  3. 請求項1に記載の緊急呼接続システムにおいて、
    前記基地局を複数含み、前記複数の基地局のうちの第1の前記基地局から放送された前記報知情報に、前記緊急呼オフィス接続空き端子番号が含まれない場合、前記移動体端末は、前記複数の基地局のうちの第2の前記基地局から放送される前記報知情報に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を一つ選択し、前記無線アクセス網に対し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記発信要求信号を送信する
    緊急呼接続システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の緊急呼接続システムにおいて、
    前記無線アクセス網が、前記移動体端末から前記発信要求信号を受信した場合、前記発信要求信号に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記報知情報の前記放送を中止し、前記移動体端末以外の他の前記移動体端末から前記放送の中止された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記発信要求信号を受信した場合には、前記緊急呼の発信拒否を前記他の移動体端末に通知し、前記通知した前記他の移動体端末に対し、前記緊急呼番号に対応する前記緊急呼オフィス接続空き端子番号のうち、前記発信要求信号に含まれない前記緊急呼オフィス接続空き端子番号の選択を要求する
    緊急呼接続システム。
  5. 無線アクセス網から緊急呼および通常呼のいずれか一方の呼を受信し、受信した前記呼を緊急呼オフィスに接続する交換機において、
    前記緊急呼を受信すると、前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号のうち、前記緊急呼にて用いられていない空き端子の番号である緊急呼オフィス接続空き端子番号を前記無線アクセス網へ通知し、
    前記無線アクセス網は、前記通知された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を放送し、移動体端末からの前記緊急呼の発信要求に備え、
    前記交換機は、前記緊急呼を受信した後、前記緊急呼を発信した移動体端末と前記無線アクセス網の通信ベアラを確立し、前記通信ベアラの前記交換機側終端点を示す交換機側終端点番号と前記緊急呼オフィス接続端子番号とを接続し、
    前記移動体端末および前記緊急呼オフィスのいずれか一方からの切断信号を受信すると、前記接続した状態を切断し、前記切断した後に前記交換機側終端点番号、前記緊急呼オフィス接続端子番号、前記通信ベアラを解放する
    交換機。
  6. 無線アクセス網から緊急呼および通常呼のいずれか一方の呼を受信し、前記受信した前記呼を緊急呼オフィスへ接続する交換機において、
    前記交換機は、予め移動体端末と前記無線アクセス網との間で合意されたアルゴリズムに前記無線アクセス網が前記呼毎に生成する乱数を入力することによって行う認証処理、前記移動体端末のユーザの希望する付加サービスに関する情報の検索、前記呼を含む無線音声信号の暗号化のために行う秘匿処理、前記移動体端末からの着信相手を分析するために行う受信数字分析、前記ユーザが前記呼を緊急呼オフィスに接続しているか否かに関する情報を記憶するメモリ内の情報前記ユーザが前記呼を緊急呼オフィスに接続されていることを示す閉塞更新、前記呼に対する課金情報とトラフィック情報の収集処理を行い、
    緊急呼を受信した場合は、必要に応じ、前記認証処理、前記検索、前記秘匿処理、前記受信数字分析、前記メモリの前記閉塞への更新、前記収集処理の実行を省略し、前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号のうち、前記緊急呼にて用いられていない空き端子の番号である緊急呼オフィス接続空き端子番号を前記無線アクセス網へ通知し、
    前記無線アクセス網は、前記通知された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を放送し、移動体端末からの前記緊急呼の発信要求に備える
    交換機。
  7. 記憶部と検索部と呼発信部を有する移動体端末において、
    前記記憶部は、ユーザが緊急呼オフィスに緊急呼を発信する際に必要となる緊急呼番号と、前記緊急呼番号に対応しており前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号のうち、前記緊急呼オフィスへの接続に使用されていない緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む報知情報を記憶し、
    前記検索部は、ユーザのダイヤルした前記緊急呼番号に対応する前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を、前記記憶部から一つ選択し、
    前記呼発信部は、前記検索部が選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記緊急呼の発信要求信号を無線アクセス網に送信する
    移動体端末。
  8. 緊急呼オフィスに緊急呼を発信する際に必要となる緊急呼番号を取得するステップと、
    前記緊急呼番号に対応しており、前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号のうち、前記緊急呼オフィスへの接続に使用されていない緊急呼オフィス接続空き端子番号を無線アクセス網へ通知するステップと、
    前記緊急呼番号と前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を基に報知情報を形成し、前記報知情報を基地局から放送するステップと、
    移動体端末が、前記放送する前記報知情報を記憶するステップと、
    ユーザによる前記緊急呼の発信を検出した際に、前記記憶した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を一つ選択するステップと、
    前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記緊急呼番号を用いて、前記緊急呼の発信要求信号を前記無線アクセス網に送信するステップと、
    前記緊急呼を交換機に発信するステップと
    を具備する
    緊急呼接続方法。
  9. 請求項に記載の緊急呼接続方法において、
    前記無線アクセス網に含まれる空き通信無線チャネル数が、前記交換機から通知された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号の数よりも少ない場合、前記空き通信無線チャネル数分の前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を選択し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記報知情報を、前記基地局から前記放送するステップ
    を具備する
    緊急呼接続方法。
  10. 請求項に記載の緊急呼接続方法において、
    前記基地局を複数含み、前記複数の基地局のうちの第1の前記基地局から放送された前記報知情報に、前記緊急呼オフィス接続空き端子番号が含まれない場合、前記移動体端末は、前記複数の基地局のうちの第2の前記基地局から放送される前記報知情報に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を一つ選択し、前記選択した前記緊急呼オフィス接続端子空き番号を含む前記発信要求信号を送信するステップ
    を具備する
    緊急呼接続方法。
  11. 請求項乃至10のいずれか1項に記載の緊急呼接続シス
    テムにおいて、
    前記移動体端末から前記発信要求信号を受信した場合、前記発信要求信号に含まれる前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記報知情報の前記放送を中止するステップと、
    前記放送の中止された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を前記移動体端末以外の他の移動体端末から受信した場合には、前記緊急呼の発信拒否を前記他の移動体端末に通知し、前記緊急呼番号に対応する前記緊急呼オフィス接続空き端子番号のうち、前記発信要求信号に含まれない前記緊急呼オフィス接続空き端子番号の選択を要求するステップ
    を具備する
    緊急呼接続方法。
  12. 無線アクセス網から緊急呼および通常呼のいずれか一方の呼を受信し、受信した前記呼を緊急呼オフィスに接続する交換機の動作方法において、
    前記緊急呼を受信すると、前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号のうち、前記緊急呼にて用いられていない空き端子の番号である緊急呼オフィス接続空き端子番号を前記無線アクセス網に通知するステップと、
    前記通知された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を放送するステップと、
    前記緊急呼を発信した移動体端末と前記無線アクセス網の通信ベアラを確立し、前記通信ベアラの前記交換機側終端点を示す交換機側終端点番号を得るステップと、
    前記交換機側終端点番号が、前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号と接続するステップと、
    切断信号を受信したことに応答して、前記交換機側終端点番号と前記緊急呼オフィス接続端子番号との接続を切断するステップと、
    前記切断した後に前記交換機側終端点番号と前記緊急呼オフィス接続端子番号と前記通信ベアラを解放するステップと
    を具備する
    交換機の動作方法。
  13. 無線アクセス網から緊急呼および通常呼のいずれか一方の呼を受信し、受信した前記呼を緊急呼オフィスに接続する交換機の動作方法において、
    予め移動体端末と前記無線アクセス網との間で合意されたアルゴリズムに対し、前記呼毎に生成する乱数を入力する認証処理を行うステップと、
    前記移動体端末のユーザの希望する付加サービスに関する情報の検索を行うステップと、
    前記呼を含む無線音声信号を暗号化するための秘匿処理を行うステップと、
    前記移動体端末からの着信相手を分析するための受信数字分析を行うステップ
    と、
    前記ユーザが前記呼を緊急呼オフィスに接続しているか否かに関する情報を記憶するメモリ内の情報前記ユーザが前記呼を前記緊急呼オフィスに接続されていることを示す閉塞に更新するステップと、
    前記呼に対する課金情報、トラフィック情報の収集処理を行うステップと、
    を具備し、
    前記緊急呼を受信した場合は、必要に応じ、前記認証処理、前記加入者データ検索、前記秘匿処理、前記受信数字分析、前記メモリの前記閉塞への更新、前記収集処理を行うステップは省略し、前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号のうち、前記緊急呼にて用いられていない空き端子の番号である緊急呼オフィス接続空き端子番号を前記無線アクセス網に通知するステップと、
    前記通知された前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を放送するステップとを具備する
    交換機の動作方法。
  14. 記憶部と検索部と呼発信部を有する移動体端末の動作方法において、
    ユーザが緊急呼オフィスに緊急呼を発信する際に必要となる緊急呼番号と、前記緊急呼番号に対応しており前記緊急呼オフィスに固有の接続情報である緊急呼オフィス接続端子番号のうち、前記緊急呼オフィスへの接続に使用されていない緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む報知情報を記憶するステップと、
    ユーザがダイヤルした前記緊急呼番号に対応する前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を、前記記憶部から一つ選択するステップと、
    選択した前記緊急呼オフィス接続空き端子番号を含む前記緊急呼の発信要求信号を無線アクセス網に送信するステップと
    を具備する
    移動体端末の動作方法。
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