JP3623655B2 - 壁パネル - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低周波数域の遮音性能を向上させる壁パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物等に使用される壁パネルとしては、図7に示すように、前壁と後壁の間に共通間柱を介在させることにより中空部をつくり直接的な音の伝播を遮断することにより、遮音性能を向上させることを目的とするものが従来使用されてきた。しかし、共通間柱を通過する固体伝搬音は依然問題で、この固体伝搬音(振動)を抑制(制振又は防振)する必要があった。
【0003】
このような欠点を改良すべく、図8に示すような壁パネルが提案された。これは、間柱をそれぞれの壁にのみ接する独立間柱とすることによって、固体伝搬音の通過を防止するものであった。しかし、遮音性は改善されるものの、壁パネルの強度(面剛性)を確保するためには、壁自体を厚くしたり、独立の間柱を強度の高いものにしなければならず、それによって、壁パネル自体の厚みが大きいものとなり部屋の空間が小さくなる等の問題が生じていた。
【0004】
特開平3−107045号公報には、共通間柱を改良することにより遮音性を更に高くすることを目的として、制振鋼板からなる間柱を前壁と後壁の間に介在することが開示されている。これは、制振鋼板によって、この間柱を通過する固体伝搬音を抑制しようとするものであった。しかし、このような制振鋼板の形状は複雑であり、それに伴う加工性の悪さに加え、依然、低周波数域(100〜250Hz付近)の遮音性が改善されていないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、加工性の良好な、低周波数域の遮音性能が向上された壁パネルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2枚の壁材の間に間柱が介在され、中空部が形成されている壁パネルであって、上記間柱は、上記壁材と垂直に、柱A、制振材B及び柱A′が積層されてなるものであり、上記柱A及び上記柱A′は、同じ材料からなるものであり、上記柱A及び上記柱A′の材料のヤング率は、1.0×109 N/m2 以上であり、上記柱A及び上記柱A′の曲げ剛性は、
0.1×(柱Aの曲げ剛性)≦(柱A′の曲げ剛性)≦10×(柱Aの曲げ剛性)
の関係を満たすものであり、上記制振材Bは、アクリル系ポリマーからなるものであり、上記制振材Bは、20℃、100Hzで測定した剪断弾性率が0.5〜40MPaであり、20℃における10〜1000Hzの損失正接が0.2〜2.0であるものである壁パネルである。
【0007】
以下に本発明を詳述する。
本発明の壁パネルは、2枚の壁材の間に間柱が介在され、中空部が形成されているものである。
上記間柱は、図1及び図2に示すように、壁材と垂直に、柱A、制振材B及び柱A′が積層されてなるものである。上記壁材と垂直に柱A、制振材B及び柱A′を積層するとは、2枚の壁材のうち一方の壁材から他方の壁材に向かって、柱A、制振材B、柱A′の順になるように上記間柱を構成するすることを意味する。
本発明において、上記間柱は、従来共通間柱として単一構成されてきたものを、上記制振材Bをサンドイッチ構造としたものを使用することによって、制振性を確保し、遮音性を向上させるものである。
【0008】
上記柱A及び上記柱A′は、同じ材料からなるものである。上記柱A及び上記柱A′の材料としては特に限定されず、例えば、杉、ヒノキ等の木材;鉄、アルミ等の金属等が挙げられる。
上記柱A及び上記柱A′の材料のヤング率は、1.0×109 N/m2 以上である。1.0×109 N/m2 未満であると、壁パネルとしての強度を確保することができないので上記範囲に限定される。
【0009】
上記柱A及び上記柱A′は、
0.1×(柱Aの曲げ剛性)≦(柱A′の曲げ剛性)≦10×(柱Aの曲げ剛性)
の関係を満たすものである。柱A′の曲げ剛性が柱Aの曲げ剛性の0.1倍未満であるか、又は、10倍を超えると、制振性能が極端に低下するので、上記範囲に限定される。上記柱A及び上記柱A′は、一方を柱Aとした場合に他方を柱A′とするものであり、制振材Bに対する位置を限定するものではない。
【0010】
本明細書において、曲げ剛性とは、断面形状から算出される断面2次モーメントと材料のヤング率の積によって求められるものであり、曲げにくさに対する指標をいう。上記断面2次モーメントは、下記のように定義されるものであり、曲げ剛性は、この断面形状及び材料のヤング率が決まると一義的に決定されるものである。
【0011】
上記断面2次モーメントについては、図3に示すような任意の断面形にx、y座標を仮定したとき、断面内の面積要素をdA(座標x,y)とすると、x軸、y軸に対する断面2次モーメントIx 、Iy は次式で表すことができる。
Ix =ΣdA・y2 、Iy =ΣdA・x2
上記式は、微少面積dAに軸までの距離の2乗を乗じた値を全断面について加え合わせたものである。例えば、図4のような断面を想定したとき、x軸に対する断面2次モーメントは、Ix =a・b3 /12として算出できる。
【0012】
上記柱A及び上記柱A′としては、曲げ材であって、直線又は直線に近いものが使用できる。上記曲げ材とは、外力や外モーメントにより材の応力として曲げモーメントが生じる部材を意味するものとする。上記柱A及び上記柱A′の断面形状としては、一般に木製の場合、施工性等の観点より断面が四辺形の角材等が使用できる。上記柱A及び上記柱A′が金属製の場合、強度の観点から四角柱のものが好ましいが、重量が大きくなり施工性が悪くなる等の問題点があり、中空のものも使用できる。上記中空の柱としては、その断面2次モーメントを向上させるために、図5に示すようなウェブを付けたものがより好ましい。
【0013】
上記柱A及び上記柱A′の高さとしては、一般的に部屋の間仕切(壁)の高さと同じである。これは、この柱が壁の強度の主たる部分を与えるため、床と天井の間とほぼ同じ距離の長さとなり、即ち、壁の高さと同じとなる。一般には、2〜3mである。
上記柱A及び上記柱A′の幅としては、あまり狭すぎると強度が低くなり、あまり広すぎると柱が重く施工しにくくなる。この観点から、20〜100mmであることが好ましい。
【0014】
上記制振材Bは、20℃、100Hzで測定した剪断弾性率が0.5〜40MPaである。0.5MPa未満であるか、又は、40MPaを超えると、曲げ材、即ち、上記柱A及び上記柱A′との剛性のバランスが崩れてくるために、制振性が著しく低下するので、上記範囲に限定される。
【0015】
上記制振材Bは、また、20℃における10〜1000Hzの損失正接が0.2〜2.0である。0.2未満であるか、又は、2.0を超えると、剪断弾性率が曲げ材とのバランス良好の範囲であっても制振性を向上させることはできないので、上記範囲に限定される。
【0016】
上記剪断弾性率及び損失正接は、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、RDA)を用いて、剪断モードにより、20℃における周波数分散マスターカーブを作成してその動的粘弾性剰スペクトルデータよりそれぞれの値を読みとることにより求められる。
上記制振材Bの厚みとしては特に限定されないが、一般的な壁パネルの厚みから、0.2〜10mm程度が好ましい。
【0017】
上記制振材Bは、アクリル系ポリマーからなるものである。
上記アクリル系ポリマーとしては、炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート70〜90重量部、上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能なビニル系モノマー10〜30重量部、及び、光ラジカル開始剤0.03〜3重量部からなる組成物を光重合してなるものであることが好ましい。
【0018】
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜14のアルキル基を有するものであれば特に限定されず、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。好ましくは、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、制振性を向上させる観点から、ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートである。
上記のアルキル(メタ)アクリレートは単独で用いられてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0019】
上記ビニル系モノマーとしては、上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能なものであれば特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルピロリドン、メタクリルアマイド、カルボキシエチルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、アクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフィリン、アルコキシアルキルアクリレート等が挙げられる。より好ましくは、制振性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルピロリドン及びメタクリルアマイドである。
【0020】
上記光ラジカル開始剤としては特に限定されず、単官能光ラジカル重合開始剤等が挙げられ、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(ダロキュア−2959:メルク社製);α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチル−アセトフェノン(ダロキュア−1173:メルク社製);メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン(イルガキュア651:チバガイギー社製);2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン(イルガキュア184:チバガイギー社製)等のアセトフェノン系;ベンジルジメチルケタール等のケタール系;ハロゲン化ケトン、アシルフォスフィノキシド、アシルホスフォナート等が挙げられる。
【0021】
上記アルキル(メタ)アクリレート、上記ビニル系モノマー及び上記光ラジカル開始剤の配合量としては、上記アルキル(メタ)アクリレート70〜90重量部に対して、上記ビニル系モノマーを10〜30重量部、及び、上記光ラジカル開始剤を0.03〜3重量部使用することが好ましい。上記ビニル系モノマーが10重量部未満であるか、又は、30重量部を超えると、制振性が著しく損なわれることがある。上記光ラジカル開始剤の配合量が0.03重量部未満であると、光重合が充分に進行せず、3重量部を超えると、得られるアクリル系ポリマーが柔らかすぎ、どちらの場合も制振性が著しく損なわれることがある。
【0022】
上記組成物には、通常の光重合の場合と同様に、多官能ビニル化合物を架僑剤として含有させることもできる。上記多官能ビニル化合物としては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0023】
上記組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、更に、粘着付与樹脂、増粘剤、増量剤、充填材、チキソトロープ剤等の通常用いられる添加剤が配合できる。
【0024】
上記粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、変成ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、芳香族変成テルペン等が挙げられる。水添石油樹脂は、光重合時の重合阻害等を引き起こさず好ましい。
【0025】
上記増粘剤としては、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。
上記増量剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー等が挙げられる。
【0026】
上記充填材としては、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン、マイカ、シラスバルーン等の中空無機充填材;ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ、ポリエチレンビーズ等の有機球状充填材;塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーン等の有機中空充填材;ポリエステル、レーヨン、ナイロン等の単繊維等が挙げられる。
上記添加剤の配合量としては、アクリル系ポリマーの物性を損なわない範囲ならば特に限定されないが、5重量部以下であることが好ましい。
【0027】
上記アクリル系ポリマーは、上記組成物を光照射により光重合させることによって得ることができる。
上記光照射に用いられるランプ類としては、光波長400nm以下に発光分布を有するものが用いられ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。なかでも、ケミカルランプは、光ラジカル開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光するとともに、光ラジカル開始剤以外の組成物の光吸収が少ないために、内部まで光が透過し、高厚膜の製品を製造できるので好ましい。
【0028】
上記ランプによる上記組成物への光照射強度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子であり、目的製品の性能毎に適宜制御される。例えば、通常のアセトフェノン基を有する開裂型の光ラジカル開始剤を配合した場合、光ラジカル開始剤の光分解に有効な波長領域(通常、365nm〜420nm)の光強度は、0.1〜100mW/cm2 が好ましい。
【0029】
上記光重合は、空気中の酸素及び上記組成物に溶解している酸素によって反応が阻害されるので、上記光照射は、酸素の阻害を消去しうるプロセス的手法により実施することが好ましい。上記プロセス的手法としては、上記組成物を表面離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)やテフロン等のフィルムにより覆い、光はこのフィルムを介して上記組成物に照射する方法;窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスにより酸素を置換した光透過性の窓を有するイナートゾーンの中で反応させる方法等が挙げられる。後者の方法において、上記組成物の重合転化率が99.7%以上になる程度まで充分に反応を完結させるために、この照射雰囲気の酸素濃度は5000ppm以下であることが好ましい。より好ましくは、300ppmである。
【0030】
上記塗工された離型処理フィルムやカバー用フィルムは、急速に反応させた場合、重合熱により加熱伸縮することがあり、得られるシートに縦縞等が発生する場合がある。上記の場合、光カットフィルターによりランプからの輻射熱を抑制したり、照射と反対側のシート背面を冷却板に通過接触させて冷却すること等によって解決できる。
【0031】
本発明の壁パネルは、上述のような間柱が2枚の壁材の間に介在され、中空部が形成されているものである。上記2枚の壁材と上記間柱は、必ず接合されている。上記接合方法としては、ビス止め、接着剤、両面テープ等による方法が挙げられる。
上記間柱は、遮音性能を発揮するだけでなく、壁パネルの壁としての強度の確保のためにも使用されるので、壁材に対して縦方向に平行に同じ高さ分だけ設置することもできるが、これに水平に部材が加えられ格子に組むこともできる。
【0032】
上記壁材としては特に限定されず、例えば、通常使用される石膏ボード等が挙げられる。
本発明の壁パネルは、建築物等において、隣接する部屋、又は、屋内と屋外とを区切るため等に使用できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0034】
実施例1、2、比較例1〜5
表1に示した所定量の2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア−651」、チバガイギー社製)を均一分散するまでセパラブルフラスコ中で攪拌混合した後、窒素ガスパージすることにより溶存酸素を除去した。次いで、この組成物にブラックライトランプで紫外線照射したところ、組成物の温度が上昇すると同時に粘度が高くなった。組成物の温度が5℃上昇したところで、光照射を止めた。その結果、得られた部分光重合増粘組成物の転化率は3.8%、粘度は2300cpsであった。更に、ヘキサンジオールジアクリレート0.05重量部配合した後、離型処理した38μm厚みのPETフィルム上に、重合終了時の厚みが2.0±0.1mmとなるように塗工し、更に、その塗工面を、同じPETフィルムで離型処理面が該塗工面に接するようにカバーした。カバーしたPETフィルム上に、ケミカルランプを用いて、照射強度が1mw/cm2 となるようにランプ高さを調整して8分間照射し、アクリル系ポリマーシートを得た。
【0035】
得られたアクリル系ポリマーシートは、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、RDA)を用いて、剪断モードにより、20℃における周波数分散マスターカーブを作成してその動的粘弾性剰スペクトルデータよりそれぞれの値を読みとることにより、剪断弾性率及び損失正接を求めた。
【0036】
得られたアクリル系ポリマーシートを、表1に示した形状の柱A及びA′(材料:ヒノキ、ヤング率:6.0×109 N/m2 )の間にサンドイッチし、10kgの荷重をかけて圧着して間柱を作成した。なお、柱A及びA′に関しては、その断面形状より断面二次モーメントを求め、上記ヤング率と断面二次モーメントとの積からそれらの曲げ剛性の値を計算した。
得られた間柱について、下記評価方法に従って制振性の評価を行った。結果を表1に示した。
【0037】
(制振性評価方法)
図6に示すように、作成した試験体の両端を固定し、端部を不動のものとして評価を行った。23℃、55%RHの雰囲気下において、測定片をインパルスハンマー法(JIS A 6322)により加振し、共振周波数及び半値幅から損失係数を求めた。制振目的周波数としては125Hz帯をとりあげ実行した。
制振性の評価に関しては、試験体の損失係数が0.1以上必要であり、0.1未満の場合、充分な振動の低減が得られず、目的とする低周波数域の遮音性能が充分に改善されない。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
本発明の壁パネルは、上述の構成よりなるので、加工性が良好であり、低周波数域の遮音性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の壁パネルの断面図である。
【図2】本発明の壁パネルにおける間柱を説明するための概略図である。
【図3】柱A及び柱A′の断面2次モーメントを算出するための仮想の断面図である。
【図4】柱A及び柱A′の断面2次モーメントを算出するための例示の断面図である。
【図5】ウェブを付けた中空の柱A及び柱A′の断面図である。
【図6】実施例及び比較例で作成した間柱について制振性の評価方法を説明するための断面図である。
【図7】共通間柱を用いた壁パネルの断面図である。
【図8】千鳥間柱を用いた壁パネルの断面図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、低周波数域の遮音性能を向上させる壁パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物等に使用される壁パネルとしては、図7に示すように、前壁と後壁の間に共通間柱を介在させることにより中空部をつくり直接的な音の伝播を遮断することにより、遮音性能を向上させることを目的とするものが従来使用されてきた。しかし、共通間柱を通過する固体伝搬音は依然問題で、この固体伝搬音(振動)を抑制(制振又は防振)する必要があった。
【0003】
このような欠点を改良すべく、図8に示すような壁パネルが提案された。これは、間柱をそれぞれの壁にのみ接する独立間柱とすることによって、固体伝搬音の通過を防止するものであった。しかし、遮音性は改善されるものの、壁パネルの強度(面剛性)を確保するためには、壁自体を厚くしたり、独立の間柱を強度の高いものにしなければならず、それによって、壁パネル自体の厚みが大きいものとなり部屋の空間が小さくなる等の問題が生じていた。
【0004】
特開平3−107045号公報には、共通間柱を改良することにより遮音性を更に高くすることを目的として、制振鋼板からなる間柱を前壁と後壁の間に介在することが開示されている。これは、制振鋼板によって、この間柱を通過する固体伝搬音を抑制しようとするものであった。しかし、このような制振鋼板の形状は複雑であり、それに伴う加工性の悪さに加え、依然、低周波数域(100〜250Hz付近)の遮音性が改善されていないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、加工性の良好な、低周波数域の遮音性能が向上された壁パネルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2枚の壁材の間に間柱が介在され、中空部が形成されている壁パネルであって、上記間柱は、上記壁材と垂直に、柱A、制振材B及び柱A′が積層されてなるものであり、上記柱A及び上記柱A′は、同じ材料からなるものであり、上記柱A及び上記柱A′の材料のヤング率は、1.0×109 N/m2 以上であり、上記柱A及び上記柱A′の曲げ剛性は、
0.1×(柱Aの曲げ剛性)≦(柱A′の曲げ剛性)≦10×(柱Aの曲げ剛性)
の関係を満たすものであり、上記制振材Bは、アクリル系ポリマーからなるものであり、上記制振材Bは、20℃、100Hzで測定した剪断弾性率が0.5〜40MPaであり、20℃における10〜1000Hzの損失正接が0.2〜2.0であるものである壁パネルである。
【0007】
以下に本発明を詳述する。
本発明の壁パネルは、2枚の壁材の間に間柱が介在され、中空部が形成されているものである。
上記間柱は、図1及び図2に示すように、壁材と垂直に、柱A、制振材B及び柱A′が積層されてなるものである。上記壁材と垂直に柱A、制振材B及び柱A′を積層するとは、2枚の壁材のうち一方の壁材から他方の壁材に向かって、柱A、制振材B、柱A′の順になるように上記間柱を構成するすることを意味する。
本発明において、上記間柱は、従来共通間柱として単一構成されてきたものを、上記制振材Bをサンドイッチ構造としたものを使用することによって、制振性を確保し、遮音性を向上させるものである。
【0008】
上記柱A及び上記柱A′は、同じ材料からなるものである。上記柱A及び上記柱A′の材料としては特に限定されず、例えば、杉、ヒノキ等の木材;鉄、アルミ等の金属等が挙げられる。
上記柱A及び上記柱A′の材料のヤング率は、1.0×109 N/m2 以上である。1.0×109 N/m2 未満であると、壁パネルとしての強度を確保することができないので上記範囲に限定される。
【0009】
上記柱A及び上記柱A′は、
0.1×(柱Aの曲げ剛性)≦(柱A′の曲げ剛性)≦10×(柱Aの曲げ剛性)
の関係を満たすものである。柱A′の曲げ剛性が柱Aの曲げ剛性の0.1倍未満であるか、又は、10倍を超えると、制振性能が極端に低下するので、上記範囲に限定される。上記柱A及び上記柱A′は、一方を柱Aとした場合に他方を柱A′とするものであり、制振材Bに対する位置を限定するものではない。
【0010】
本明細書において、曲げ剛性とは、断面形状から算出される断面2次モーメントと材料のヤング率の積によって求められるものであり、曲げにくさに対する指標をいう。上記断面2次モーメントは、下記のように定義されるものであり、曲げ剛性は、この断面形状及び材料のヤング率が決まると一義的に決定されるものである。
【0011】
上記断面2次モーメントについては、図3に示すような任意の断面形にx、y座標を仮定したとき、断面内の面積要素をdA(座標x,y)とすると、x軸、y軸に対する断面2次モーメントIx 、Iy は次式で表すことができる。
Ix =ΣdA・y2 、Iy =ΣdA・x2
上記式は、微少面積dAに軸までの距離の2乗を乗じた値を全断面について加え合わせたものである。例えば、図4のような断面を想定したとき、x軸に対する断面2次モーメントは、Ix =a・b3 /12として算出できる。
【0012】
上記柱A及び上記柱A′としては、曲げ材であって、直線又は直線に近いものが使用できる。上記曲げ材とは、外力や外モーメントにより材の応力として曲げモーメントが生じる部材を意味するものとする。上記柱A及び上記柱A′の断面形状としては、一般に木製の場合、施工性等の観点より断面が四辺形の角材等が使用できる。上記柱A及び上記柱A′が金属製の場合、強度の観点から四角柱のものが好ましいが、重量が大きくなり施工性が悪くなる等の問題点があり、中空のものも使用できる。上記中空の柱としては、その断面2次モーメントを向上させるために、図5に示すようなウェブを付けたものがより好ましい。
【0013】
上記柱A及び上記柱A′の高さとしては、一般的に部屋の間仕切(壁)の高さと同じである。これは、この柱が壁の強度の主たる部分を与えるため、床と天井の間とほぼ同じ距離の長さとなり、即ち、壁の高さと同じとなる。一般には、2〜3mである。
上記柱A及び上記柱A′の幅としては、あまり狭すぎると強度が低くなり、あまり広すぎると柱が重く施工しにくくなる。この観点から、20〜100mmであることが好ましい。
【0014】
上記制振材Bは、20℃、100Hzで測定した剪断弾性率が0.5〜40MPaである。0.5MPa未満であるか、又は、40MPaを超えると、曲げ材、即ち、上記柱A及び上記柱A′との剛性のバランスが崩れてくるために、制振性が著しく低下するので、上記範囲に限定される。
【0015】
上記制振材Bは、また、20℃における10〜1000Hzの損失正接が0.2〜2.0である。0.2未満であるか、又は、2.0を超えると、剪断弾性率が曲げ材とのバランス良好の範囲であっても制振性を向上させることはできないので、上記範囲に限定される。
【0016】
上記剪断弾性率及び損失正接は、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、RDA)を用いて、剪断モードにより、20℃における周波数分散マスターカーブを作成してその動的粘弾性剰スペクトルデータよりそれぞれの値を読みとることにより求められる。
上記制振材Bの厚みとしては特に限定されないが、一般的な壁パネルの厚みから、0.2〜10mm程度が好ましい。
【0017】
上記制振材Bは、アクリル系ポリマーからなるものである。
上記アクリル系ポリマーとしては、炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート70〜90重量部、上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能なビニル系モノマー10〜30重量部、及び、光ラジカル開始剤0.03〜3重量部からなる組成物を光重合してなるものであることが好ましい。
【0018】
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜14のアルキル基を有するものであれば特に限定されず、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。好ましくは、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、制振性を向上させる観点から、ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートである。
上記のアルキル(メタ)アクリレートは単独で用いられてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0019】
上記ビニル系モノマーとしては、上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能なものであれば特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルピロリドン、メタクリルアマイド、カルボキシエチルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、アクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフィリン、アルコキシアルキルアクリレート等が挙げられる。より好ましくは、制振性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルピロリドン及びメタクリルアマイドである。
【0020】
上記光ラジカル開始剤としては特に限定されず、単官能光ラジカル重合開始剤等が挙げられ、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(ダロキュア−2959:メルク社製);α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチル−アセトフェノン(ダロキュア−1173:メルク社製);メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン(イルガキュア651:チバガイギー社製);2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン(イルガキュア184:チバガイギー社製)等のアセトフェノン系;ベンジルジメチルケタール等のケタール系;ハロゲン化ケトン、アシルフォスフィノキシド、アシルホスフォナート等が挙げられる。
【0021】
上記アルキル(メタ)アクリレート、上記ビニル系モノマー及び上記光ラジカル開始剤の配合量としては、上記アルキル(メタ)アクリレート70〜90重量部に対して、上記ビニル系モノマーを10〜30重量部、及び、上記光ラジカル開始剤を0.03〜3重量部使用することが好ましい。上記ビニル系モノマーが10重量部未満であるか、又は、30重量部を超えると、制振性が著しく損なわれることがある。上記光ラジカル開始剤の配合量が0.03重量部未満であると、光重合が充分に進行せず、3重量部を超えると、得られるアクリル系ポリマーが柔らかすぎ、どちらの場合も制振性が著しく損なわれることがある。
【0022】
上記組成物には、通常の光重合の場合と同様に、多官能ビニル化合物を架僑剤として含有させることもできる。上記多官能ビニル化合物としては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0023】
上記組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、更に、粘着付与樹脂、増粘剤、増量剤、充填材、チキソトロープ剤等の通常用いられる添加剤が配合できる。
【0024】
上記粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、変成ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、芳香族変成テルペン等が挙げられる。水添石油樹脂は、光重合時の重合阻害等を引き起こさず好ましい。
【0025】
上記増粘剤としては、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。
上記増量剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー等が挙げられる。
【0026】
上記充填材としては、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン、マイカ、シラスバルーン等の中空無機充填材;ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ、ポリエチレンビーズ等の有機球状充填材;塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーン等の有機中空充填材;ポリエステル、レーヨン、ナイロン等の単繊維等が挙げられる。
上記添加剤の配合量としては、アクリル系ポリマーの物性を損なわない範囲ならば特に限定されないが、5重量部以下であることが好ましい。
【0027】
上記アクリル系ポリマーは、上記組成物を光照射により光重合させることによって得ることができる。
上記光照射に用いられるランプ類としては、光波長400nm以下に発光分布を有するものが用いられ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。なかでも、ケミカルランプは、光ラジカル開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光するとともに、光ラジカル開始剤以外の組成物の光吸収が少ないために、内部まで光が透過し、高厚膜の製品を製造できるので好ましい。
【0028】
上記ランプによる上記組成物への光照射強度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子であり、目的製品の性能毎に適宜制御される。例えば、通常のアセトフェノン基を有する開裂型の光ラジカル開始剤を配合した場合、光ラジカル開始剤の光分解に有効な波長領域(通常、365nm〜420nm)の光強度は、0.1〜100mW/cm2 が好ましい。
【0029】
上記光重合は、空気中の酸素及び上記組成物に溶解している酸素によって反応が阻害されるので、上記光照射は、酸素の阻害を消去しうるプロセス的手法により実施することが好ましい。上記プロセス的手法としては、上記組成物を表面離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)やテフロン等のフィルムにより覆い、光はこのフィルムを介して上記組成物に照射する方法;窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスにより酸素を置換した光透過性の窓を有するイナートゾーンの中で反応させる方法等が挙げられる。後者の方法において、上記組成物の重合転化率が99.7%以上になる程度まで充分に反応を完結させるために、この照射雰囲気の酸素濃度は5000ppm以下であることが好ましい。より好ましくは、300ppmである。
【0030】
上記塗工された離型処理フィルムやカバー用フィルムは、急速に反応させた場合、重合熱により加熱伸縮することがあり、得られるシートに縦縞等が発生する場合がある。上記の場合、光カットフィルターによりランプからの輻射熱を抑制したり、照射と反対側のシート背面を冷却板に通過接触させて冷却すること等によって解決できる。
【0031】
本発明の壁パネルは、上述のような間柱が2枚の壁材の間に介在され、中空部が形成されているものである。上記2枚の壁材と上記間柱は、必ず接合されている。上記接合方法としては、ビス止め、接着剤、両面テープ等による方法が挙げられる。
上記間柱は、遮音性能を発揮するだけでなく、壁パネルの壁としての強度の確保のためにも使用されるので、壁材に対して縦方向に平行に同じ高さ分だけ設置することもできるが、これに水平に部材が加えられ格子に組むこともできる。
【0032】
上記壁材としては特に限定されず、例えば、通常使用される石膏ボード等が挙げられる。
本発明の壁パネルは、建築物等において、隣接する部屋、又は、屋内と屋外とを区切るため等に使用できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0034】
実施例1、2、比較例1〜5
表1に示した所定量の2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア−651」、チバガイギー社製)を均一分散するまでセパラブルフラスコ中で攪拌混合した後、窒素ガスパージすることにより溶存酸素を除去した。次いで、この組成物にブラックライトランプで紫外線照射したところ、組成物の温度が上昇すると同時に粘度が高くなった。組成物の温度が5℃上昇したところで、光照射を止めた。その結果、得られた部分光重合増粘組成物の転化率は3.8%、粘度は2300cpsであった。更に、ヘキサンジオールジアクリレート0.05重量部配合した後、離型処理した38μm厚みのPETフィルム上に、重合終了時の厚みが2.0±0.1mmとなるように塗工し、更に、その塗工面を、同じPETフィルムで離型処理面が該塗工面に接するようにカバーした。カバーしたPETフィルム上に、ケミカルランプを用いて、照射強度が1mw/cm2 となるようにランプ高さを調整して8分間照射し、アクリル系ポリマーシートを得た。
【0035】
得られたアクリル系ポリマーシートは、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、RDA)を用いて、剪断モードにより、20℃における周波数分散マスターカーブを作成してその動的粘弾性剰スペクトルデータよりそれぞれの値を読みとることにより、剪断弾性率及び損失正接を求めた。
【0036】
得られたアクリル系ポリマーシートを、表1に示した形状の柱A及びA′(材料:ヒノキ、ヤング率:6.0×109 N/m2 )の間にサンドイッチし、10kgの荷重をかけて圧着して間柱を作成した。なお、柱A及びA′に関しては、その断面形状より断面二次モーメントを求め、上記ヤング率と断面二次モーメントとの積からそれらの曲げ剛性の値を計算した。
得られた間柱について、下記評価方法に従って制振性の評価を行った。結果を表1に示した。
【0037】
(制振性評価方法)
図6に示すように、作成した試験体の両端を固定し、端部を不動のものとして評価を行った。23℃、55%RHの雰囲気下において、測定片をインパルスハンマー法(JIS A 6322)により加振し、共振周波数及び半値幅から損失係数を求めた。制振目的周波数としては125Hz帯をとりあげ実行した。
制振性の評価に関しては、試験体の損失係数が0.1以上必要であり、0.1未満の場合、充分な振動の低減が得られず、目的とする低周波数域の遮音性能が充分に改善されない。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
本発明の壁パネルは、上述の構成よりなるので、加工性が良好であり、低周波数域の遮音性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の壁パネルの断面図である。
【図2】本発明の壁パネルにおける間柱を説明するための概略図である。
【図3】柱A及び柱A′の断面2次モーメントを算出するための仮想の断面図である。
【図4】柱A及び柱A′の断面2次モーメントを算出するための例示の断面図である。
【図5】ウェブを付けた中空の柱A及び柱A′の断面図である。
【図6】実施例及び比較例で作成した間柱について制振性の評価方法を説明するための断面図である。
【図7】共通間柱を用いた壁パネルの断面図である。
【図8】千鳥間柱を用いた壁パネルの断面図である。
Claims (2)
- 2枚の壁材の間に間柱が介在され、中空部が形成されている壁パネルであって、
前記間柱は、前記壁材と垂直に、柱A、制振材B及び柱A′が積層されてなるものであり、
前記柱A及び前記柱A′は、同じ材料からなるものであり、
前記柱A及び前記柱A′の材料のヤング率は、1.0×109 N/m2 以上であり、
前記柱A及び前記柱A′の曲げ剛性は、
0.1×(柱Aの曲げ剛性)≦(柱A′の曲げ剛性)≦10×(柱Aの曲げ剛性)
の関係を満たすものであり、
前記制振材Bは、アクリル系ポリマーからなるものであり、
前記制振材Bは、20℃、100Hzで測定した剪断弾性率が0.5〜40MPaであり、20℃における10〜1000Hzの損失正接が0.2〜2.0であるものである
ことを特徴とする壁パネル。 - アクリル系ポリマーは、炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート70〜90重量部、前記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能なビニル系モノマー10〜30重量部、及び、光ラジカル開始剤0.03〜3重量部からなる組成物を光重合してなるものである請求項1記載の壁パネル。
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JP12914598A Expired - Fee Related JP3623655B2 (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 壁パネル |
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1998
- 1998-05-12 JP JP12914598A patent/JP3623655B2/ja not_active Expired - Fee Related
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