JP3623646B2 - 水系塗料用体質顔料 - Google Patents

水系塗料用体質顔料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な水系塗料用体質顔料に関し、更に詳しくは、塗面光沢、耐候性、貯蔵安定性に優れた水系塗料組成物を提供することのできる水系塗料用体質顔料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源、環境保護の問題が世界的規模で取り上げられており、塗料分野においても有機溶剤型塗料から排出される多量の有機溶剤は、作業環境だけでなく地球環境規模にまで大気を汚染することが問題となっており、水系、粉体、ハイソリッド塗料などの低公害性の塗料に対するニーズが急速に高まってきている。
なかでも水系塗料は、有機溶剤型塗料のもつ大気汚染、火災の危険性、毒性等の問題を大幅に低減し得る、環境にやさしい塗料として注目されている。さらに、水系塗料への転換は消防法改正による溶剤規制や労働安全衛生法の基準強化等の面からもますます加速される方向にある。
また最近のフッ素系、シリコーン系塗料に代表される高級塗料への指向は、人件費の高騰にも起因し、急速に普及しつつあり、これら樹脂の水系塗料化についても急速な進歩を遂げつつある。
これら状況と併せ、塗料に様々な機能性を持たせる検討がなされており、最近では汚れのつきにくい、いわゆる耐汚染性に優れた塗料が一般化されつつある。
【0003】
しかしながら、これら水系塗料は溶剤型塗料と比較し、塗膜の仕上がり感、塗膜の耐久性等が劣るという欠点を有しており、高級感では溶剤型塗料に及ばない。また耐汚染性についても、フッ素、シリコーンといった樹脂を使用することにより対応できるが、体質顔料を使用した水系塗料においては、未だ高光沢を保持することは困難である。例えば表面親水性の強いシリカのような体質顔料を配合することにより、耐汚染性はある程度改善できるが、現在の使用状況では、光沢の低下が大きく、また耐水性も悪化する。
【0004】
水系塗料における体質顔料としては、チタン、硫酸バリウム、カオリンクレー、シリカ、タルク、炭酸カルシウム等があげられ、様々な用途に応じて種々使い分けを行っているのが現状であるが、もっとも広範囲に使用されている炭酸カルシウムを例にあげ、体質顔料の現状を説明する。
水系塗料において、体質顔料として炭酸カルシウムが使用されることは従来より広く知られており、粒子径、粒子形状、粒度分布、表面処理の有無、その種類と量等用途に応じて様々な炭酸カルシウムが使用されている。体質顔料として炭酸カルシウムを使用した場合、平均1次粒子径が0.5μmを越え、かつ粒度分布がブロードで2μmをこえる粗大1次粒子を有する重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、1次粒子径は細かくとも0.5μmを越える2次凝集粒子として存在するコロイド炭酸カルシウム等では、著しく塗膜性能を低下させ、下塗り、中塗り程度の増量剤的役割しか果たせず、塗膜の高級感を保持するにはほど遠い。
【0005】
また、コロイド炭酸カルシウムの乾燥粉末化時に、該炭酸カルシウム粒子間の凝集を防止すべく、該炭酸カルシウムスラリーに高級脂肪酸、樹脂酸、およびそのアルカリ金属塩等で表面処理する方法が採用されているが、このような方法では未だ充分な分散性を得ることができず、光沢その他その粒子径から期待される物性は発揮されず、また耐汚染性にも寄与しないのが現状である。
さらには、たとえ機械的に多大なエネルギーをかけることにより分散したとしても、経時による分散安定性が悪く、塗料の増粘、貯蔵後の塗料の光沢の低下等の物性不良を引き起こす。
他の体質顔料においても、上記炭酸カルシウムと同様の問題を有しており、未だ優れた塗面光沢、耐候性、貯蔵安定性、耐汚染性等の高い機能を有する体質顔料は得られていない。
【0006】
本発明者らは、これらの点を改良すべく、すでに特開昭61−69872、特開昭61−69873、特開昭62−212479、特開昭62−212480のごとく、炭酸カルシウムを含む体質顔料の表面処理剤、表面処理方法等を提案しているが、未だ溶剤型塗料と比較して塗膜の仕上がり感、耐久性等で見劣りするのが現状であり、さらには、耐汚染性を改善するには至っていない。
水系塗料における配合剤として、顔料の機能を高める目的で配合されるものに、湿潤剤、分散剤等があげられるが、これらは一般的に、白色顔料として重要な役割を持つチタン白、あるいは他の着色顔料には有用であるが、体質顔料の機能を高め上記欠点を補うには不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる実情に鑑み、上記の問題点を解消し、分散性が良好で、光沢保持性を有し、耐久性、耐汚染性に優れた水系塗料用体質顔料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決せんとして鋭意検討の結果、特定の物質を2種以上組み合わせて予め表面処理した体質顔料が分散性、光沢保持性、耐久性、耐汚染性に優れ、これを塗料中に配合することにより、体質顔料表面および樹脂との親和性が良好で、長期に亘り粒子の分散性を維持し高光沢性を保持し、かつ耐久性、耐汚染性に優れた塗膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、体質顔料に、下記[A群]から選ばれる少なくとも1種の単量体の重合物、及びそのアルカリ金属、アンモニウム、及びアミンによる部分もしくは完全中和物よりなる群から選ばれる少なくとも1種(X)と、下記[B群]から選ばれる化合物、及びそのアルカリ金属、アンモニウム、アミン塩及びハロゲン化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種(Y)とを表面処理してなることを特徴とする水系塗料用体質顔料を内容とするものである。
[A群]
(I)α、β不飽和モノカルボン酸、
(II)α、β不飽和ジカルボン酸、
(III)(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)アルコキシ基を有する(メタ)アクリルエーテル、(c)シクロヘキシル基を有する(メタ)アクリレート、(d)α、βモノエチレン性不飽和ヒドロキシエステル、(e)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(f)ビニルエステル、(g)ビニル系芳香族、(h)不飽和ニトリル、(i)不飽和ジカルボン酸エステル、(j)ビニルエーテル、(k)共役ジエン、鎖状オレフィン、環状オレフィン
(IV)スルホ基含有単量体
[B群]
(I)(a)アルキルエーテル硫酸、(b)アルキルエーテル燐酸、(c)アルキルアリールエーテル硫酸、(d)アルキルアリールエーテル燐酸、
(II)(a)アルキル硫酸エステル、(b)アルキル燐酸エステル、(c)アルキルアリール硫酸、(d)アルキルアリール燐酸、(e)アルキルアミド硫酸エステル、
(III)(a)アルキルスルホン酸、(b)アルキルベンゼンスルホン酸、(c)アルキルナフタレンスルホン酸、(d)スルホコハク酸、(e)スルホコハク酸エステル、(f)α−オレフィンスルホン酸、(g)N−アシルスルホン酸、
(IV)(a)N−アシルアミノ酸、(b)アルキルエーテルカルボン酸、(c)アシル化ペプチド、
(V)(a)脂肪族アミン、(b)脂肪族4級アンモニウム、(c)芳香族4級アンモニウム、(d)複素環4級アンモニウム、
(VI)(a)ベタイン、(b)アミノカルボン酸、(c)イミダゾリン誘導体、
(VII)(a)アルキルエーテル、(b)アルキルアリルエーテル、(c)アルキルエステル、(d)アルキルアミン、(e)ソルビタン誘導体、(f)多環フェニルエーテル、(g)脂肪酸エステル、
(VIII) (a)フルオロアルキルカルボン酸、(b)パーフルオロアルキルカルボン酸、(c)パーフルオロアルキルスルホン酸、
(IX)(a)アセチレンアルコール、(b)アセチレングリコール。
【0010】
なお、本発明において「平均粒子径」とは、電子顕微鏡により確認された無機粒子を球状粒子と仮定して求めた直径の平均値をいう。
【0011】
本発明で使用する物質と、それらを水系塗料中に用いた場合の役割を詳細に説明する。
(X)を構成するA群における(I)は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等で例示されるα、β不飽和モノカルボン酸の単独重合物又は共重合物、及びそれらのアルカリ金属、アンモニウム、アミンによる部分もしくは完全中和物であり、塗料中の体質顔料を分散した状態で安定させる働きを有する。
A群における(II)は、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸等で例示されるα、βジカルボン酸の単独重合物又は共重合物、及びそれらのアルカリ金属、アンモニウム、アミンによる部分もしくは完全中和物であり、(I)と同様、塗料中の体質顔料を分散安定させる働きを有しており、特に0.3μm以下の微細な粒子に対して有用である。
【0012】
A群における(III)は、(a)(メタ)アクリル酸メチル、エチル、プロピル、イソブチル、2−エチルヘキシル等で例示されるアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル、(b)メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等で例示されるアルコキシ基を有するアクリレート及びメタクリレート、(c)シクロヘキシル(メタ)アクリレート等で例示されるシクロヘキシル基を有するアクリレート及びメタクリレート、(d)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等で例示されるα、βモノエチレン性不飽和ヒドロキシエステル、(e)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等で例示されるポリアルキレングリコールモノアクリレート及びメタクリレート、(f)酢酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類、(g)スチレンビニルトルエン等のビニル系芳香族類、(h)アクリロニトリル、メタクリルニトリル等で例示される不飽和ニトリル、(i)マレイン酸モノメチル、イタコン酸ジブチル等の不飽和ジカルボン酸エステル、(j)メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等で例示されるビニルエーテル、(k)ブタジエン、イソブテン、エチレン、プロピレン、n−ブテン、n−ペンテン、シクロブテン等で例示される共役ジエン、鎖状オレフィン、環状オレフィンであり、体質顔料と樹脂との親和性を高め、長期安定な分散状態を維持し、塗膜の高光沢、耐久性、耐汚染性に寄与する。
【0013】
特にA群(III)(e)のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートにおいては、下記式
【0014】
【化2】
Figure 0003623646
【0015】
(式中、Rは水素またはメチル基、Zは開環付加した2価の炭素数2〜4のアルキレンオキシド残基、nは平均で1〜30の数であり、Rは炭素数4〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール基を置換基としてもつアルキル基、環状アルキル基、環状アルケニル基または複素環式化合物より誘導された1価の有機基を示す。)
で表される如く、Rに上記に特定される成分を付加することにより、塗料ビヒクルとの親和性が長期に保持され、さらに高光沢性が長期に持続し、塗膜の耐久性、耐汚染性が良好となるので好ましい。
【0016】
この単量体の例としては、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクチロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ナフトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ナフトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、p−メチルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロペンテノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ピリジロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、チエニロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの他、ポリアルキレングリコール鎖の末端基として炭素数4〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール基を置換基としてもつアルキル基、環状アルキル基、環状アルケニル基、複素環式化合物より誘導された1価の有機基を有する末端エーテル型ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが例としてあげられる。
【0017】
A群における(IV)は、ヒドロキシエチルアクリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)等で例示されるスルホ基含有単量体の単独重合物又はその共重合物のアルカリ金属、アンモニウム、アミンによる部分もしくは完全中和物であり、これも塗料中の体質顔料を分散した状態で安定させる働きを有するが、特にスルホ基を含有することで粒子間に立体障害を与え粒子同士の凝集を妨げる働きを有することで好ましい。
【0018】
また、(Y)を構成するB群における(I)は、(a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸等で例示されるアルキルエーテル硫酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(b)ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸等で例示されるアルキルエーテル燐酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(c)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸等で例示されるアルキルアリールエーテル硫酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(d)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸等で例示されるアルキルアリールエーテル燐酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等があげられる。
【0019】
B群における(II)は、(a)ポリオキシアルキル硫酸エステル等で例示されるアルキル硫酸エステル、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(b)ポリオキシアルキル燐酸エステル等で例示されるアルキル燐酸エステル、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(c)ポリオキシアルキルフェニル硫酸エステル等で例示されるアルキルアリール硫酸エステル、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(d)ポリオキシアルキルフェニル燐酸エステル等で例示されるアルキルアリール燐酸エステル、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(e)脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル等で例示されるアルキルアミド硫酸エステル、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩が例としてあげられる。
【0020】
B群における(III)は、(a)ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸等で例示されるアルキルスルホン酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(b)アルキルベンゼンスルホン酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(c)アルキルナフタレンスルホン酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(d)スルホコハク酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(e)ジアルキルスルホコハク酸エステル等で例示されるスルホコハク酸エステル、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(f)α−オレフィンスルホン酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(g)N−アシルスルホン酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム、アミン塩があげられる。
【0021】
B群における(IV)は、(a)N−アシルアミノ酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(b)アルキルエーテルカルボン酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(c)アシル化ペプチドがあげられる。
B群における(V)は、(a)脂肪族アミンのハロゲン化物、(b)脂肪族4級アンモニウムのハロゲン化物、(c)芳香族4級アンモニウムのハロゲン化物、(d)複素環4級アンモニウムのハロゲン化物が例としてあげられる。
B群における(VI)は、(a)カルボキシベタイン、スルホベタイン等で例示されるベタイン、(b)アミノカルボン酸、(c)イミダゾリン誘導体があげられる。
【0022】
B群における(VII)は、(a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル等で例示されるアルキルエーテル、(b)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等で例示されるアルキルアリルエーテル、(c)ポリオキシエチレンオレエート等で例示されるアルキルエステル、(d)ポリオキシエチレンアルキルアミン等で例示されるアルキルアミン、(e)ソルビタンラウレート等で例示されるソルビタン誘導体、(f)多環フェニルエーテル、(g)脂肪酸エステルがあげられる。
B群における(VIII) は、(a)フルオロアルキルカルボン酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(b)パーフルオロアルキルカルボン酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、(c)パーフルオロアルキルスルホン酸、及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩があげられる。
B群における(IX)は、(a)3−メチル−1−ペンチン−3−オール等で例示されるアセチレンアルコール、(b)3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール等で例示されるアセチレングリコールがあげられる。
B群の(I)〜(IX)から選ばれた少なくとも1種(Y)は樹脂の分散安定性を高め、A群の(I)〜(IV)から選ばれた少なくとも1種(X)とともに使用することにより、体質顔料と樹脂の分散安定性がさらに良好となり、塗膜の高光沢、耐候性が飛躍的に向上する。なお、ここでいうアルキル基とは、ヘキシル、オクチル、ラウリル、セリル等で例示される高級アルコールが例としてあげられるがこれに限定されるものではない。
また、特に塗料化時の作業性を目的とする場合は、ミルベース作成時の粘性が極めて低く作業時間、分散コストが低減される(I)、(II)、(III)、(IX)から選択するのが良い。
【0023】
(X)を構成するA群から選ばれる重合物の効果をより大きく期待する場合は、A群の(I)、(II)、(III)、(IV)に属する単量体の共重合物を用いるのが良く、その共重合比率は特に限定されるものではないが、好ましくは(I)に属する単量体100重量部に対して、(II)に属する単量体を0〜100重量部、(III)に属する単量体を5〜300重量部、(IV)に属する単量体を0〜100重量部とするのが良い。(II)、(IV)の成分は、前記した如く、体質顔料の特に微細な領域に効果が有り、従って体質顔料の種類、粒子径、最終塗料の粘性等を考慮した場合、共重合物中に0重量部であっても差し支えないが、100重量部を越えると、例えば塗料中に配合される場合、造膜助剤等の種類によっては塗料がゲル化し使用に差し支える場合がある。このため塗料設計上、より好ましくは(I)成分100重量部に対して2〜70重量部であり、さらに好ましくは5〜50重量部である。また(III)成分が、(I)成分100重量部に対して5重量部未満の場合、この共重合物を使用した塗料を調製しても効果が充分でない場合があり、また300重量部を越える場合、体質顔料を分散させる際に泡立ちが著しく作業性が低下する場合もあり、また共重合物の水に対する溶解度が著しく低下し、体質顔料の表面に均一に吸着させることが困難になる場合もある。
【0024】
本発明に使用する単独重合物又は共重合物の数平均分子量(ゲル浸透圧クロマトグラフで測定)は、構成成分、構成比等により変わり一概に規定できないが、通常500〜50000、好ましくは2000〜30000程度とするのが良い。分子量が500未満では吸着率が低下する傾向にあり、また50000を越えると単独重合物又は共重合物の製造自体が困難となり、例えば塗料中に配合した場合、塗料粘度が著しく上昇する場合がある。
【0025】
これらの単独重合物又は共重合物は、従来公知の方法により得ることができる。例えば、水、有機溶剤、あるいは水可溶性有機溶剤と水との混合物等の溶剤中での重合をあげることができ、この際、水媒体中での重合には重合開始剤として過硫酸塩や過酸化水素等が用いられ、亜硫酸水素ナトリウムやアスコルビン酸等の促進剤を使用することができる。有機溶剤中での重合には、重合開始剤としてアゾ系化合物や有機過酸化物等が用いられ、アミン化合物等の促進剤を併用することができる。水可溶性有機溶剤と水との混合溶剤中での重合には、上記種々の重合開始剤あるいは重合開始剤と促進剤の組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。
このようにして得られた重合物は、場合によってナトリウム等のアルカリ金属、アンモニウム、アミン等のアルカリ物質で中和もしくは部分中和することができる。
【0026】
(Y)を構成するB群に属する化合物は、従来公知の方法により得ることができる。例えば、高級アルコールを濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、亜硫酸等で硫酸エステル化する方法、五酸化リン、オキシ塩化リン、三酸化リン等で燐酸エステル化する方法、脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加重合させてエーテル化させた後、上記硫酸化剤、燐酸化剤を用いて各々のエステルを得る方法等があげられ、必要に応じてアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン等で中和すればよい。
【0027】
本発明における体質顔料とは、前記のごとくチタン、硫酸バリウム、カオリンクレー、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ等であり、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用されるが、本発明の効果をより高めるには、炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。中でも平均粒子径0.01〜0.5μmの沈降製炭酸カルシウムを用いるのが良い。沈降製炭酸カルシウムは、比較的安価で比重も硫酸バリウムと比較し小さく配合効果が大きいばかりでなく、粒子径コントロールが容易でかつ粒度分布のシャープなものが得られやすい。
【0028】
また、使用する炭酸カルシウムは特定のX線回折強度比(I/I)を有するものが良い。ここでいう回折強度比とは、カルサイト系炭酸カルシウムの108面の回折強度をI、116面の回折強度をIとした場合の比であって、その範囲は80≦(I/I)≦140が好ましく、90≦(I/I)≦130がより好ましい。この強度比が80未満の場合、塗料中での良好な分散状態を得ることが困難な場合があり、140を越えると塗料の経時における粒子凝集を引き起こす場合があることから、いずれにしても光沢の低下を招く恐れがある。
【0029】
本発明に使用する沈降製炭酸カルシウムの製造は、例えば水酸化カルシウム水懸濁液(以下、石灰乳という)に炭酸ガス含有ガス(以下、炭酸ガスという)を導通する方法、あるいは炭酸ガス中に石灰乳または水酸化カルシウムと沈降製炭酸カルシウムとの混合液を噴霧する方法等の公知の方法で行えばよい。また好ましくは、炭酸カルシウム粒子はできるだけ分散させておくのがよいが、その方法としては、例えば炭酸化反応を反応系のPHを7.5〜10.0で停止し、撹拌を行い炭酸カルシウム中に残存するアルカリ分を溶出し、石灰乳と炭酸ガスを必要に応じて系内に添加または導通し系のPHを9.0〜12.0で5時間以上コントロールすることにより容易に達成される。
【0030】
(X)と(Y)(以下、表面処理剤と記す)を体質顔料に添加、吸着させ表面処理した粉体を得る方法は常法によることができるが、例えば既述の製法により得られた、平均1次粒子径0.01〜0.5μmの沈降製炭酸カルシウムスラリー中に添加し、撹拌等により均一に混合して炭酸カルシウム粒子に該表面処理剤を吸着させた後、フィルタープレス等で脱水、乾燥、粉末化することにより製造することも可能であるし、また炭酸化完了の炭酸カルシウムスラリーを一旦脱水し、該表面処理剤を炭酸カルシウムのプレスケーキに添加、強力に撹拌した後、スプレードライヤー等で乾燥、粉末化しても得られる。さらに炭酸カルシウム表面に強固に固着させる方法としては、該表面処理剤を添加した炭酸カルシウムスラリーを乾燥前にサンドグラインダー等の連続湿式分散機で分散させるのも効果的である。
【0031】
表面処理剤(X)、(Y)を体質顔料に添加、吸着させる量としては特に限定されるものではないが、(X)、(Y)とも、好ましくは体質顔料100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部の範囲である。ただし、(X)もしくは(Y)の各々に属する組成物の表面処理量が10重量部を越えないようにするのが良い。添加量が0.01重量部未満ではその表面処理効果が無処理品と比較し顕著となりにくく、20重量部を越えると越えた分の吸着率が低下するとともに、表面処理剤の更なる顕著な効果が期待しにくく、経済的にも不利であることが多い。
【0032】
これら予め特定の表面処理剤(X)、(Y)で表面処理された水系塗料用体質顔料は、水系塗料に配合する場合、最終的に粉体として配合される方が塗料設計上自由度が増すため好ましいが、塗料設計上問題なければ乾燥、粉末化のエネルギーコストを低減するために、体質顔料の水懸濁液に該表面処理剤を添加し、そのまま水系塗料に配合しても差し支えない。
また(X)、(Y)を表面処理する際、必要に応じて他の分散剤、湿潤剤、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム等を併用処理しても差し支えない。
【0033】
上記の如くして得られる本発明の水系塗料用体質顔料は分散性が良好で、樹脂との親和性が良好であり、高光沢性を有し、耐久性、耐汚染性に優れているため各種の分野で使用されるが、特に水系塗料に用いた場合に上記特性が効果的に発揮される。
水系塗料用体質顔料が配合される水系塗料用樹脂の種類としては、アルキド系、アクリル系、酢酸ビニル系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系、スチレン系、メラミン系、エポキシ系等の一般塗料用エマルジョン樹脂、アルキド系、アミン系、スチレン−アリルアルコール系、アミノアルキド系、ポリブタジエン系等の一般塗料用水溶性樹脂、エマルジョン樹脂と水溶性樹脂とをブレンドした塗料用ディスパージョン樹脂、架橋型水可溶性樹脂を乳化剤としたディスパージョン樹脂、アクリルハイドロゾル等から適宜選択することができ、またこれら樹脂成分を2種以上組み合わせて使用することも可能である。
【0034】
これら塗料に使用される水系塗料用体質顔料の配合量としては特に限定されるものではないが、好ましくは樹脂固形分100重量部に対して5〜150重量部であり、より好ましくは10〜80重量部である。配合量が5重量部未満では、目的とする効果が充分に発現しにくく、コスト的にも不利であり、また配合量が150重量部を越えると著しく光沢が低下する場合がある。
また水系塗料をつくる場合、塗料用着色顔料及びその他の体質顔料、消泡剤、非粘着剤、湿潤剤、分散剤、硬化促進剤、防腐剤、防カビ剤、造膜助剤、凍結防止剤等この分野で通常使用される添加剤の1種又は2種以上を必要に応じて、本発明の塗料配合中に添加使用することができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例、比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明がこれらにより何ら制約を受けないことは勿論である。
【0036】
実施例1〜3
比重1.07の石灰乳を15℃に調製し、水酸化カルシウム1kgあたり30リットル/分の炭酸ガス(内25%CO2 )を導通し炭酸化反応を行い、系のPHが8.0となったときに炭酸化反応を停止し、50℃PH10.2で15時間撹拌し、系の粘度が2300cpに達したとき、再び炭酸ガスを導通して系のPHを6.8とした。これにより凝集体粒子の極めて少ない平均1次粒子径0.1μmの炭酸カルシウムスラリーを得た。この炭酸カルシウムのX線強度比は120であった。この炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレスで脱水し、固形分濃度60重量%のプレスケーキを得た。
上記方法で得た固形分濃度60重量%のプレスケーキに、表1記載のA群、B群より選ばれた物質(X)、(Y)を添加し、強撹拌することにより炭酸カルシウムの表面に充分吸着せしめ、次いでスプレードライヤーにより乾燥し粉末状の水系塗料用体質顔料を得た。
このようにして得た水系塗料用体質顔料を使用し、下記の配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料組成物を作成した。この評価結果を表4に示す。
【0037】
Figure 0003623646
(塗料調製方法)
上記b〜h及びmを全量が約500ccとなるよう各々の配合剤を1リッター容器中に6cmディゾルバー羽根にて緩やかに攪拌しながら順次投入し、全ての配合剤投入後、外部冷却を行いながら3000rpm にて20分間分散・混合しミルベースを作成した。
次いで、このミルベースに残りの配合剤を緩やかに攪拌しながら順次投入し、投入後3000rpm で5分攪拌し試験塗料とした。
【0038】
得られた塗料組成物の特性を以下の方法で測定した。結果を表4に示す。
(初期塗料物性)
塗料を恒温槽にて20℃で48時間静置・脱泡し、このものを用いて初期の塗料物性を評価した。
(経日塗料物性)
塗料を恒温槽にて50℃で10日間静置・脱泡し、このものを用いて経日の塗料物性を評価した。
粘度;B型粘度計による2rpm 、20rpm の値。
光沢;出来上がった塗料を4min のドクターブレードによりガラス板に塗布し、20℃で2日間乾燥した後の60°−60°光沢。
△E;初期塗膜を標準とし、6ヶ月屋外暴露試験後の塗膜の色差。
【0039】
実施例4〜6、10
実施例1と同様の炭酸化方法により得た0.1μmの炭酸カルシウム脱水前スラリーに、同量の前述の石灰乳を加え、再び炭酸ガスを導通することにより炭酸化反応を行い、PH6.9で反応を停止した。これにより凝集体粒子の少ない平均1次粒子径0.3μmの炭酸カルシウムスラリーを得た。この炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレスで脱水した後、得られたプレスケーキ(図形分濃度60重量%)に表1、表2記載のA群、B群より選ばれた物質(X)、(Y)を添加し、強撹拌することにより炭酸カルシウムの表面に充分吸着せしめ、次いでスプレードライヤーにより乾燥し粉末状の水系塗料用体質顔料を得た。上記炭酸カルシウムのX線回折強度比は110であった。
このようにして得た水系塗料用体質顔料を使用し、上記の配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料組成物を作成した。この評価結果を表4に示す。
【0040】
実施例7〜9、11〜13
体質顔料をカオリンクレー(平均粒子径0.8μm)、硫酸バリウム(平均粒子径0.2μm)、重質炭酸カルシウム(平均粒子径3.0μm、X線回折強度比75)を用い、表1、表2記載のA群、B群より選ばれた物質(X)、(Y)を添加し、強撹拌することにより表面に充分吸着せしめ、次いでスプレードライヤーにより乾燥し、粉末状の水系塗料用体質顔料を得た。
このようにして得た水系塗料用体質顔料を使用し、上記の配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料組成物を作成した。この評価結果を表4に示す。
【0041】
比較例1〜4
実施例1と同様の方法で得られた炭酸カルシウムのプレスケーキを用い、表3に示す内容の表面処理剤に変更することを除いて、実施例1と同様の方法で粉末状の水系塗料用体質顔料を得た。
このようにして得た水系塗料用体質顔料を使用し、上述の配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料組成物を作成した。この評価結果を表5に記載する。
【0042】
比較例5〜7
実施例7〜9で使用したカオリンクレー、硫酸バリウム、重質炭酸カルシウムを用い、表3記載のA群、B群より選ばれた物質(X)又は(Y)を添加し、強撹拌することにより表面に充分吸着せしめ、水系塗料用体質顔料を得た。
このようにして得た水系塗料用体質顔料を使用し、上記配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料を作成した。この評価結果を表5に示す。
【0043】
比較例8〜10
実施例7〜9で使用したカオリンクレー、硫酸バリウム、重質炭酸カルシウムを用い、表3に示す如く、表面処理剤なしで上述の配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料を作成した。この評価結果を表5に記載する。
【0044】
実施例14〜17
実施例1で使用した0.1μmの炭酸カルシウムのプレスケーキを用い、表6記載のA群、B群より選ばれた物質(X)、(Y)に変更することを除いて、実施例1と同様の方法で粉末状の水系塗料用体質顔料を得た。
このようにして得た水系塗料用体質顔料を使用し、上述の配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料を作成した。この評価結果を表7に記載する。
【0045】
実施例18、22
比重1.07の石灰乳を15℃に調製し、水酸化カルシウム1kgあたり30リットル/分の炭酸ガス(内25%CO2 )を導通し炭酸化反応を行い、系のPHが8.0となったときに炭酸化反応を停止し、50℃、PH10.2で10時間攪拌し、系の粘度が3100cpに達したとき、再び炭酸ガスを導通して系のPHを6.8とした。これにより凝集体粒子の極めて少ない平均1次粒子径0.07μmの炭酸カルシウムスラリーを得た。この炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレスで脱水し、固形分濃度60重量%のプレスケーキを得た。このプレスケーキに表6に示すA群、B群より選ばれた物質(X)、(Y)に変更することを除いて、実施例1と同様の方法で粉末状の水系塗料用体質顔料を得た。上記炭酸カルシウムのX線回折強度比は120であった。
このようにして得た水系塗料用体質顔料を使用し、上述の配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料を作成した。この評価結果を表7に記載する。
【0046】
実施例19、20
実施例4で使用した0.3μmの炭酸カルシウムのプレスケーキを用い、表記載のA群、B群より選ばれた物質(X)、(Y)に変更することを除いて、実施例4と同様の方法で粉末状の水系塗料用体質顔料を得た。
このようにして得た水系塗料用体質顔料を使用し、上述の配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料を作成した。この評価結果を表7に記載する。
【0047】
実施例21
実施例8で使用した0.2μmの硫酸バリウムに、表6記載のA群、B群より選ばれた物質(X)、(Y)に変更することを除いて、実施例8と同様の方法で粉末状の水系塗料用体質顔料を得た。
このようにして得た水系塗料用体質顔料を使用し、上述の配合表及び調製方法に基づいてアクリルエマルジョン塗料を作成した。この評価結果を別紙表7に記載する。
【0048】
【表1】
Figure 0003623646
【0049】
【表2】
Figure 0003623646
【0050】
【表3】
Figure 0003623646
【0051】
【表4】
Figure 0003623646
【0052】
【表5】
Figure 0003623646
【0053】
【表6】
Figure 0003623646
【0054】
【表7】
Figure 0003623646
【0055】
【発明の効果】
叙上のとおり、特定の物質(X)、(Y)を予め表面処理した水系塗料用体質顔料は、水系塗料組成物中に配合することにより、長期に亘り塗料中での体質顔料とビヒクルとの親和性が良好であり、その結果、体質顔料の分散状態が安定であり、光沢保持性が良好であるとともに、体質顔料が塗膜表面に均一に存在することとなり、従来公知の体質顔料を使用した塗料と比較し、際だった防汚効果が得られる。また従来、光沢、耐候性、耐汚染性の低下から体質顔料の使用できなかった水系塗料においても充分な効果が期待できるものである。

Claims (6)

  1. 体質顔料に、下記[A群]から選ばれる少なくとも1種の単量体の重合物、及びそのアルカリ金属、アンモニウム、及びアミンによる部分もしくは完全中和物よりなる群から選ばれる少なくとも1種(X)と、下記[B群]から選ばれる化合物、及びそのアルカリ金属、アンモニウム、アミン塩及びハロゲン化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種(Y)とを表面処理してなることを特徴とする水系塗料用体質顔料。
    [A群]
    (I)α、β不飽和モノカルボン酸、
    (II)α、β不飽和ジカルボン酸、
    (III)(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)アルコキシ基を有する(メタ)アクリルエーテル、(c)シクロヘキシル基を有する(メタ)アクリレート、(d)α、βモノエチレン性不飽和ヒドロキシエステル、(e)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(f)ビニルエステル、(g)ビニル系芳香族、(h)不飽和ニトリル、(i)不飽和ジカルボン酸エステル、(j)ビニルエーテル、(k)共役ジエン、鎖状オレフィン、環状オレフィン
    (IV)スルホ基含有単量体
    [B群]
    (I)(a)アルキルエーテル硫酸、(b)アルキルエーテル燐酸、(c)アルキルアリールエーテル硫酸、(d)アルキルアリールエーテル燐酸、
    (II)(a)アルキル硫酸エステル、(b)アルキル燐酸エステル、(c)アルキルアリール硫酸、(d)アルキルアリール燐酸、(e)アルキルアミド硫酸エステル、
    (III)(a)アルキルスルホン酸、(b)アルキルベンゼンスルホン酸、(c)アルキルナフタレンスルホン酸、(d)スルホコハク酸、(e)スルホコハク酸エステル、(f)α−オレフィンスルホン酸、(g)N−アシルスルホン酸、
    (IV)(a)N−アシルアミノ酸、(b)アルキルエーテルカルボン酸、(c)アシル化ペプチド、
    (V)(a)脂肪族アミン、(b)脂肪族4級アンモニウム、(c)芳香族4級アンモニウム、(d)複素環4級アンモニウム、
    (VI)(a)ベタイン、(b)アミノカルボン酸、(c)イミダゾリン誘導体、
    (VII)(a)アルキルエーテル、(b)アルキルアリルエーテル、(c)アルキルエステル、(d)アルキルアミン、(e)ソルビタン誘導体、(f)多環フェニルエーテル、(g)脂肪酸エステル、
    (VIII) (a)フルオロアルキルカルボン酸、(b)パーフルオロアルキルカルボン酸、(c)パーフルオロアルキルスルホン酸、
    (IX)(a)アセチレンアルコール、(b)アセチレングリコール
  2. (X)のA群における共重合物の共重合比率が、(I)に属する単量体100重量部に対して、(II)に属する単量体0〜100重量部、(III)に属する単量体5〜300重量部、(IV)に属する単量体0〜100重量部である請求項1記載の水系塗料用体質顔料。
  3. (X)のA群(III)(e)に属するポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが下記式で表される請求項1又は2記載の水系塗料用体質顔料。
    Figure 0003623646
    (式中、R1 は水素またはメチル基、Zは開環付加した2価の炭素数2〜4のアルキレンオキシド残基、nは平均で1〜30の数であり、R2 は炭素数4〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール基を置換基としてもつアルキル基、環状アルキル基、環状アルケニル基または複素環式化合物より誘導された1価の有機基を示す。)
  4. 表面処理される体質顔料が、平均粒子径0.01〜0.5μmの沈降製炭酸カルシウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系塗料用体質顔料。
  5. 体質顔料に予め表面処理する表面処理剤の量が、体質顔料100重量部に対して、(X)と(Y)を合わせて0.01〜20重量部〔ただし、(X)、(Y)各々に属する物質の表面処理量が10重量部以下〕である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水系塗料用体質顔料。
  6. 配合される体質顔料がカルサイト系炭酸カルシウムであって、そのX線回折強度のI0 (108面)とI1 (116面)の比(I1 /I0 )が下記式を満足するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の水系塗料用体質顔料。
    80≦I1 /I0 ≦140
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