JP3623378B2 - 電力系統保護継電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、保護対象となる送電線の電力系統に発生した異常を検出し、遮断器を動作させて電力系統を保護する電力系統保護継電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、三菱電機技報、vol.162,No.10,1988に示された光ファイバ伝送による多端子送電線保護システムを、4端子系に適用した場合の送電線保護システムの構成を示す図である。図において、1は保護区間内の特定区間A及び特定区間Bにおける電力系統の送電線であり、単線で図示しているが、A相、B相、及びC相の3相線から構成されている。6は送電線1の特定区間Aの一方に設けられた自端電気所、7は送電線1の特定区間Aの他方と送電線1の特定区間Bの一方に設けられた相手端電気所、8は特定区間Bの他方に設けられた相手端電気所である。
【0003】
また、図6において、10は自端電気所6に設置されディジタルリレー演算を行う親端リレー装置である。20,30,40は、それぞれ相手端電気所7,8に設置され、ディジタルリレー演算を行い、親端リレー装置10に対し電流データを伝送すると共に、親端リレー装置10からの転送遮断指令により相手端遮断器62a,62b,64a,64bをトリップする(引き外す)子端リレー装置である。
【0004】
さらに、図6において、51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bは電流を取り出し計測するための電流変成器、61a,61bは送電線1を自端電気所6側で遮断するための自端遮断器、62a,62b,64a,64bは相手端電気所7,8側で送電線1を遮断するための相手端遮断器、2は親端リレー装置10,子端リレー装置20,30,40間をループ状に接続するデータを伝送する光ファイバである。
【0005】
図7は親端リレー装置10の構成を示すブロック図である。図において、101a,101bはアナログフィルタ、102a,102bはデータを保持するサンプルホールド回路、103は入力チャネルを切り替えるマルチプレクサ回路、104はアナログ・ディジタル変換を行うA/D変換回路、105は入力データを使ってリレー演算を行う演算装置、106は遮断器61a,61bをトリップするためのトリップ指令を出力する出力部、107は光ファイバ2を介して伝送されたデータを変換する光・電気変換器、108は直列・並列変換器、109は並列・直列変換器、110は光ファイバ2を介して伝送するデータを変換する電気・光変換器である。また、120は保護区間内の特定区間A又は特定区間Bにおける送電線1に内部事故が発生したことを表示するためのリレーである。
【0006】
図8は子端リレー装置20の構成を示すブロック図であり、図7に示す親端リレー装置10の構成から、内部事故が発生したことを表示するためのリレー120を除いたものと同等の構成を有し、アナログフィルタ201a,201b,サンプルホールド回路202a,202b,マルチプレクサ回路203,A/D変換回路204,演算装置205,出力部206,光・電気変換器207,直列・並列変換器208,並列・直列変換器209,電気・光変換器210により構成されている。子端リレー装置30,40の構成も図8と同一である。
【0007】
以上のように、電力系統保護継電装置は、親端リレー装置10,及び子端リレー装置20,30,40から構成され、送電線保護システムは、この電力系統保護継電装置と、電流変成器51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54b,自端遮断器61a,61b,相手端遮断器62a,62b,64a,64b,光ファイバ2により構成されている。
【0008】
次に動作について説明する。
図9は電力系統保護継電装置の処理を示すフローチャートである。ステップST11において、親端リレー装置10及び子端リレー装置20,30,40は、電力系統の送電線1の電流をそれぞれ電流変成器51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bから取り出し、子端リレー装置20,30,40は、取り出した子端子電流データを光ファイバ2を介して親端リレー装置10に伝送し、親端リレー装置10は、取り出した自端電流データと伝送された子端子電流データにより差動演算を行う。
【0009】
親端リレー装置10は、電流変成器51a,51bから取り出した自端電流からアナログフィルタ101a,101bで直流分や高調波成分を除去し、基本波を一定間隔でサンプルホールド回路102a,102bに保持し、マルチプレクサ回路103のチャネルを順次切り替えて、アナログ量をA/D変換回路104でディジタル演算できる形に整える。子端リレー装置20,30,40も、アナログフィルタ201a,201b,サンプルホールド回路202a,202b,マルチプレクサ回路203,A/D変換回路204により同様に処理する。
【0010】
送電線1の各端に設置された親端リレー装置10及び子端リレー装置20,30,40の間は、光ファイバ2によりループ状に接続されており、各端の電流データは、この光ファイバ2を経由して時分割直列送電される。まず、親端リレー装置10から電流データの書き込まれていない空のデータフレームが、子端リレー装置20に対して伝送される。
【0011】
子端リレー装置20では、光・電気変換器207により受信信号を光・電気変換し、直列・並列変換器208によりこの変換信号を直列・並列変換した後、データフレーム中の子端リレー装置20のフレームF1へ、電流変成器52a,52bより取り出した子端子電流データを書き込み、さらに並列・直列変換器209により並列・直列変換し、電気・光変換器210で電気・光変換を行い、子端リレー装置30へこのデータフレームを転送する。
【0012】
以下、子端リレー装置30,40においても同様の動作が行われ、子端リレー装置30では、データフレーム中の子端リレー装置30用のフレームF2へ電流変成器53a,53bより取り出した子端子電流データを書き込み、子端リレー装置40では、データフレーム中の子端リレー装置40用のフレームF3へ電流変成器54a,54bより取り出した子端子電流データを書き込み、全ての子端リレー装置20,30,40における子端子電流データが書き込まれたデータフレームが親端リレー装置10へ伝送される。
【0013】
親端リレー装置10の演算装置105は、伝送されたこれらの子端子電流データと、電流変成器51a,51bより取り出した自端電流データを用いて電流差動演算を行う。
【0014】
図9のステップST12において、親端リレー装置10の演算装置105は、この演算結果により、保護区間内の内部事故か否かを判定する。自端電流データといずれかの子端子電流データが異なり、保護区間内の内部事故と判定した場合に、ステップST13において、演算装置105は、出力部106からトリップ出力を供給することにより自端遮断器61a,61bを動作させると共に、データフレーム内の親端リレー装置用フレームに転送遮断用データを書き込み、子端リレー装置20,30,40に伝送して、相手端遮断器62a,62b,64a,64bを動作させる。
【0015】
また、このとき、ステップST14において、演算装置105の指示により、出力部106はリレー120を動作させ、保護区間内の特定区間A又は特定区間Bにおける送電線1に内部事故が発生したことを表示させる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電力系統保護継電装置は以上のように構成されているので、保護区間内の電力系統の事故を検出して遮断することにより、電力系統の保護のみを目的としており、リレー120による故障相、又は短絡/地絡のリレー動作表示しかしないため、電力系統内に複数の保守部門が存在しても、事故が特定区間Aで発生したのか、特定区間Bで発生したのかが判定できず、復旧作業の効率が悪いという課題があった。
【0017】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、安価なコストで保護対象の電力系統内における事故が発生した特定区間を判定し、表示することにより、復旧作業の効率化を実現できる電力系統保護継電装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電力系統保護継電装置は、自端電気所及び複数の相手端電気所間の複数の特定区間により構成される保護区間内の送電線の電力系統を、事故が発生した場合に遮断することにより保護するものにおいて、上記複数の相手端電気所に設置され、上記相手端電気所の電流変成器から取り出した電流データを伝送する複数の子端リレー装置と、上記自端電気所に設置され、上記自端電気所の電流変成器から取り出した電流データと上記複数の子端リレー装置から伝送された電流データにより、上記保護区間に事故が発生したことを検出して上記電力系統を遮断させると共に、上記各特定区間の一方に設けられた上記自端電気所又は上記相手端電気所の電流変成器から取り出した電流データと他方に設けられた上記相手端電気所の電流変成器から取り出した電流データの差動演算を上記各特定区間毎に行い、事故が発生した上記特定区間を判定して表示させる親端リレー装置を備えたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1による電力系統保護継電装置における親端リレー装置11の構成を示すブロック図であり、図7に示す従来の親端リレー装置10に、事故が発生した特定区間A,Bの表示を行うためのリレー121,122を追加したものである。図1では、2つのリレー121,122を追加しているが、保護区間内の特定区間の数だけのリレーを追加すれば良い。
【0023】
また、図1において、115は、従来の保護区間の事故を検出するための継電器機能を実現するための演算の他に、特定区間の事故を検出する継電器機能を実現するための演算を行う演算装置であり、116は、自端遮断器61a,61bを動作させるトリップ出力と、リレー120,121,122を動作させる出力を供給する出力部であり、その他の構成は従来の図7に示す親端リレー装置10に示すものと同等である。
【0024】
子端リレー装置20,30,40の構成は、従来の図8に示すものと同等であり、送電線保護システムの構成は、従来の図6に示す親端リレー装置10を親端リレー装置11に置き換えたものと同等である。
【0025】
図2は事故が発生した特定区間を判定する原理を説明する図である。電流変成器51a,51bから取り出した自端電流をi1,電流変成器52a,52bから取り出した子端子電流をi2とすると、すなわち特定区間Aに流入流出する電流をi1,i2とすると、キルヒホッフ第1法則により、特定区間A内の事故点f1のとき、
i1≠i2
となるため、差電流idは、
id=i1−i2≠0
となる。
【0026】
これに対し、特定区間A外の事故点f2のとき、
i1=i2
となるため、差電流idは、
id=i1−i2=0
となる。
【0027】
つまり、親端リレー装置11の自端電流i1と子端リレー装置20の子端子電流i2により、最小動作感度を示すタップ値をKとすると、
id=i1−i2≧K (1)
のとき、特定区間A内の事故と判定し、
id=i1−i2<K (2)
のとき、特定区間A外の事故と判定できる。ここで、タップ値Kの値としては、区間内事故時における最小事故電流の約1/3程度の値が使用される。
【0028】
特定区間B内の事故及び特定区間B外の事故についても、上記原理と同様にして判定できる。
【0029】
次に動作について説明する。
図3は実施の形態1による電力系統保護継電装置の処理を示すフローチャートである。ステップST21からST24までの処理は、従来の図9に示すステップST11からST14までの処理と同一である。
【0030】
ステップST25において、親端リレー装置11の演算装置115は、電流変成器51a,51bから取り出した自端電流データと、子端リレー装置20により伝送された電流変成器52a,52bから取り出した子端子電流データにより差動演算を行う。
【0031】
ステップST26において、演算装置115は、この演算結果により、上記特定区間判定の原理における(1)式、(2)式に従って、特定区間A内の事故か否かを判断する。そして特定区間A内の事故と判定した場合に、ステップST27において、演算装置115の指示により、出力部116はリレー121を動作させ、特定区間A内の事故であることを表示させる。
【0032】
上記ステップST26において、特定区間A外の事故と判定した場合に、ステップST28において、演算装置115は、子端リレー装置30により伝送された電流変成器53a,53bから取り出した子端子電流データと、子端リレー装置40により伝送された電流変成器54a,54bから取り出した子端子電流データにより差動演算を行う。
【0033】
ステップST29において、演算装置115は、この演算結果により、上記特定区間判定の原理における(1)式、(2)式に従って、特定区間B内の事故か否かを判定する。そして、特定区間B内の事故と判定した場合に、ステップST30において、演算装置115の指示により、出力部116はリレー122を動作させ、特定区間B内の事故であることを表示させる。
【0034】
以上のように、この実施の形態1によれば、親端リレー装置11が、従来の保護区間の事故を検出する継電器機能の他に、大幅にハードウェア構成を変更することなく容易かつ安価に、事故が発生した特定区間を判定する継電器機能を備え、復旧作業の効率化を実現できる電力系統保護継電装置を得ることができるという効果が得られる。
【0035】
実施の形態2.
この実施の形態2による電力系統保護継電装置における親端リレー装置11の構成は、実施の形態1における図1の構成と同一であり、子端リレー装置20,30,40の構成も従来の図8に示す構成と同一であり、送電線保護システムの構成も、実施の形態1と同一である。
【0036】
この実施の形態2では、特定区間判定の原理が実施の形態1と異なる。電流変成器51a,51b,52a,52bから取り出した電流については、CT飽和等の各種の誤差電流を考慮することがある。このため、電流変成器51a,51b,52a,52bから取り出す電流、すなわち特定区間Aに流入流出する電流i1,i2のスカラー和を、次式より抑制量irとして求める。
ir=|i1|+|i2| (3)
【0037】
そして、電流変成器51a,51b,52a,52bの特定区間Aの入力電流と出力電流の許容できる比率を示す比率係数をK1,最小動作感度を示すタップ値をK2とすると、
id=i1−i2≧K1*ir+K2 (4)
のとき、特定区間A内の事故とし、
id=i1−i2<K1*ir+K2 (5)
のとき、特定区間A外の事故と判定できる。ここで、比率係数として例えば1/9等の値が使用される。
【0038】
特定区間B内の事故及び特定区間B外の事故についても、上記原理と同様にして判定できる。
【0039】
次に動作について説明する。
実施の形態2による電力系統保護継電装置の処理を示すフローチャートは、実施の形態1の図3に示すものと同等である。ステップST21からST24までの処理は、従来の図9に示すステップST11からST14までの処理と同一である。
【0040】
ステップST25において、親端リレー装置11の演算装置115は、電流変成器51a,51bから取り出した自端電流データと、子端リレー装置20により伝送された電流変成器52a,52bから取り出した子端子電流データにより差動演算を行う。
【0041】
ステップST26において、演算装置115は、この演算結果により、特定区間Aに流入流出する電流のスカラー和を抑制量としてCT飽和等の各種の誤差電流を考慮した上記(3)式から(5)式に従って、特定区間A内の事故か否かを判定する。そして特定区間A内の事故と判定した場合に、ステップST27において、演算装置115の指示により、出力部116はリレー121を動作させ、特定区間A内の事故であることを表示させる。
【0042】
上記ステップST26において、特定区間A外の事故と判定した場合に、ステップST28において、演算装置115は、子端リレー装置30により伝送された電流変成器53a,53bから取り出した子端子電流データと、子端リレー装置40により伝送された電流変成器54a,54bから取り出した子端子電流データにより差動演算を行う。
【0043】
ステップST29において、演算装置115は、この演算結果により、上記(3)式から(5)式に従って、特定区間B内の事故か否かを判断する。そして、特定区間B内の事故と判定した場合に、ステップST30において、演算装置115の指示により、出力部116はリレー122を動作させ、特定区間B内の事故であることを表示させる。
【0044】
以上のように、この実施の形態2によれば、親端リレー装置11が、従来の保護区間の事故を検出する継電器機能の他に、特定区間に流入流出する電流のスカラー和を抑制量としてCT飽和誤差を考慮し、大幅にハードウェア構成を変更することなく容易かつ安価に、事故が発生した特定区間を判定する継電器機能を備え、どの特定区間の事故であるかを表示させることにより、復旧作業の効率化を実現できる電力系統保護継電装置を得ることができるという効果が得られる。
【0045】
実施の形態3.
この実施の形態3よる子端リレー装置20,30,40の構成、送電線保護システムの構成も、実施の形態1と同等である。また、この実施の形態3による電力系統保護継電装置における親端リレー装置11の構成も、実施の形態1における図1の構成と同等であるが、実施の形態2における事故の発生した特定区間判定に用いる抑制量irを変更したものである。
【0046】
電流変成器(51a,51b),(52a,52b)から取り出す電流i1,i2、すなわち、特定区間Aに流入流出する電流i1,i2のうち、大きい方を抑制量irとして次式より求める。
ir=max[|i1|,|i2|] (6)
【0047】
そして、比率係数K3,タップ値K4とすると、
id=i1−i2≧K3*ir+K4 (7)
のとき、特定区間A内の事故と判定し、
id=i1−i2<K3*ir+K4 (8)
のとき、特定区間A外の事故と判定できる。
【0048】
次に動作について説明する。
実施の形態3による電力系統保護継電装置の処理を示すフローチャートも、実施の形態1の図3に示すものと同様である。ただし、ステップST26における特定区間A内の事故か否かの判定と、ステップST29における特定区間B内の事故か否かの判定を行う際に、上記特定区間に流入流出する電流の大きい方を抑制量として求め、CT飽和等の各種の誤差電流を考慮した上記(6)式から(8)式に従って、判定する点が異なっている。
【0049】
以上のように、この実施の形態3によれば、親端リレー装置11が、従来の保護区間の事故を検出する継電器機能の他に、特定区間に流入流出する電流の大きい方を抑制量としてCT飽和誤差を考慮し、大幅にハードウェア構成を変更することなく容易かつ安価に、事故が発生した特定区間を判定する継電器機能を備え、どの特定区間の事故であるかを表示させることにより、復旧作業の効率化を実現できる電力系統保護継電装置を得ることができるという効果が得られる。
【0050】
実施の形態4.
図4は実施の形態4による電力系統保護継電装置における子端リレー装置21の構成を示すブロック図であり、71は相手端電気所7において送電線1の電圧を取り出す電圧変圧器であり、201c,202cは電圧変圧器71から取り出した電圧を処理するためのアナログフィルタ、サンプルホールド回路である。その他の構成については、従来の図8に示されている子端リレー装置20の構成と同等である。すなわち、図4に示す子端リレー装置21は、方向継電器としての機能を有している。他の子端リレー装置31,41も同一の構成である。
【0051】
また、実施の形態4による電力系統保護継電装置における親端リレー装置11の構成は、実施の形態1における図1の構成と同等であり、送電線保護システムの構成も、従来の図6における親端リレー装置10を親端リレー装置11に置き換え、子端リレー装置20,30,40を子端リレー装置21,31,41に置き換えたものと同等である。
【0052】
特定区間判定に用いる方向継電器の方式は、例えば、昭和56年に社団法人電気学会より発行された「保護継電工学」のP127〜P131に示されている。つまり、特定区間内の事故であれば、事故電流の方向は電圧と同方向となることを利用する。
【0053】
次に動作について説明する。
図5は実施の形態4による電力系統保護継電装置の処理を示すフローチャートであり、ステップST41からS44の処理は、従来の図9におけるステップST11からST14までの処理と同一である。
【0054】
ステップST45において、子端リレー装置21は、電流変成器52a,52bから取り出した電流と、電圧変圧器71から取り出した電圧の位相を比較し、同方向の場合は、データフレーム中の子端リレー装置21用のフレームF1に、方向判別ビット”1”と書き込み、同方向でない場合は、フレームF1に方向判別ビット”0”と書き込み伝送する。同様にして、子端リレー装置31,41も、方向判別ビットを伝送して、親端リレー装置11が子端リレー装置21,31,41から伝送された方向判別ビットを受信する。
【0055】
ステップST46において、親端リレー装置11の演算装置115は、子端リレー装置21から伝送された方向判別ビットが”1”であれば、特定区間A内の事故であると判定し、ステップST47において、親端リレー装置11の出力部116が、演算装置115の指示により特定区間A内の事故表示を出力し、リレー121を動作させる。
【0056】
上記ステップST46において、親端リレー装置11の演算装置115は、子端リレー装置21から伝送された方向判別ビットが”0”であれば、特定区間A外の事故であると判定し、ステップST48において、親端リレー装置11の演算装置115は、子端リレー装置31又は41から伝送された方向判別ビットが”1”であれば、特定区間B内の事故であると判定し、ステップST49において、親端リレー装置11の出力部116が、演算装置115の指示により特定区間B内の事故表示を出力し、リレー122を動作させる。
【0057】
以上のように、この実施の形態4によれば、子端リレー装置21,31,41に、事故時の電圧と電流の方向を検知する方向継電器の機能を備え、検知した方向に関する方向判別ビットを伝送し、親端リレー装置11が、従来の保護区間の事故を検出する継電器機能の他に、大幅にハードウェア構成を変更することなく容易かつ安価に、伝送された方向判別ビットにより事故が発生した特定区間を判定する継電器機能を備え、どの特定区間の事故であるかを表示させることにより、復旧作業の効率化を実現できる電力系統保護継電装置を得ることができるという効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、親端リレー装置が、各特定区間の一方に設けられた自端電気所又は相手端電気所の電流変成器から取り出した電流データと他方に設けられた相手端電気所の電流変成器から取り出した電流データの差動演算を各特定区間毎に行い、事故が発生した上定区間を判定して表示させることにより、復旧作業の効率化を実現できる電力系統保護継電装置を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1,2,3,4による電力系統保護継電装置における親端リレー装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1,2,3による特定区間判別の原理を説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態1,2,3による電力系統保護継電装置の処理を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態4による電力系統保護継電装置における子端リレー装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態4による電力系統保護継電装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】従来の送電線保護システムの構成を示す図である。
【図7】従来の電力系統保護継電装置における親端リレー装置の構成を示すブロック図である。
【図8】従来の電力系統保護継電装置における子端リレー装置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の電力系統保護継電装置の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 送電線、6 自端電気所、7,8 相手端電気所、11 親端リレー装置、21,31,41 子端リレー装置、51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54b 電流変成器、71 電圧変圧器。

Claims (1)

  1. 自端電気所及び複数の相手端電気所間の複数の特定区間により構成される保護区間内の送電線の電力系統を、事故が発生した場合に遮断することにより保護する電力系統保護継電装置において、
    上記複数の相手端電気所に設置され、上記相手端電気所の電流変成器から取り出した電流データを伝送する複数の子端リレー装置と、
    上記自端電気所に設置され、上記自端電気所の電流変成器から取り出した電流データと上記複数の子端リレー装置から伝送された電流データにより、上記保護区間に事故が発生したことを検出して上記電力系統を遮断させると共に、上記各特定区間の一方に設けられた上記自端電気所又は上記相手端電気所の電流変成器から取り出した電流データと他方に設けられた上記相手端電気所の電流変成器から取り出した電流データの差動演算を上記各特定区間毎に行い、事故が発生した上記特定区間を判定して表示させる親端リレー装置を備えたことを特徴とする電力系統保護継電装置。
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