JP3623356B2 - パーティクルボードの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、加熱及び加圧されて硬化する接着剤を塗布した木片をフォーミングしてなるチップマットを用いて加熱・加圧し、表面材と共に積層してなるパーティクルボードを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーティクルボードの製造方法として、多段油圧平板ホットプレスという方法が知られている。この方法は、同時に上下し得る多段のプレス台を重ね、プレス台間でチップマットを挟み、加熱及び加圧してパーティクルボードを製造するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の製造方法では、製造されたボードの表面に表面材を別工程で貼付していたので、製品化するまでの工程は、木片をフォーミングしてなるチップマットの加熱・加圧工程の次に表面材貼付工程を必要とし、工程数が多く、その分コストダウンを図るには不利であった。
【0004】
そこで、この発明は、表面材貼付工程とチップマットの加熱・加圧工程とを同時に行なって工程短縮を図り、コストダウンを実現したパーティクルボードの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、この発明は、加熱及び加圧されて硬化する接着剤を塗布した木片をフォーミングしてなるチップマットの少なくとも片面側に表面材を重ね合わせたものを多段のプレス台上に夫々載置し、加熱及び加圧して成型するパーティクルボードの製造方法において、前記表面材が繊維径10μm、単繊維と長繊維の混合繊維からなる坪量100g/m 2 のガラス不織布に25℃温度下で粘度25ポイズのフェノール樹脂を含浸させて、固形分200g/m 2 のものを得、含浸後105℃で10分間乾燥させて得られたシート状のプリプレグであるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の好適な実施例を図面を参照にして説明する。
【0007】
図1はこの発明の好適な実施例を示し、枠体1が垂直部2と水平部3とからなり、水平部3の下側に梁部4を設けてあり、互いに平行な垂直部2間に垂直方向に上下するプレス台5を多段に設けてある。梁部4の下側にはプレス受台6を設けてある。また、プレス台5の最下部にピストン7により上下するプレステーブル8が設けてあり、このプレステーブル8の上下動によりプレス台5も同時に上下動するように、梁部4とプレス台5及びプレステーブル8に同時開閉装置9を取付けてある。この同時開閉装置9は、揺動レバー10の基端を梁部4に回動可能に取付け、揺動レバー10に一端を回動可能に取付けてある複数のアーム11の他端をプレス台5に回動可能に取付け、揺動レバー10とプレステーブル8との間にはメインアーム12の両端が回動可能に取付けてあるものである。図において、左半分は非プレス状態すなわち開状態を、右半分はプレス状態すなわち閉状態を示す。また、多段のプレス台5の上にはチップマットA上にプリプレグCを備えた表面材Bを重ね合わせたものを載置する。
【0008】
上述した各プレス台5とプレス受台6には図示しない熱板が設けてあり、これら熱板に図示しないパイプ等を介して熱媒体を供給するようになっている。このようにして加熱されたプレス台5の上に載置されたチップをフォーミングしてなるチップマットAと表面材Bとは所定の圧力で加圧される。
【0009】
なお、表面材Bの表面には図示しない剥離材を設けておき、表面材Bがプレス台5の下面やプレス受台6の下面に貼着するのを防ぐようにすることが好ましい。加熱及び加圧した後にこの剥離材は剥がされる。表面材BはチップマットAの片面のみならず両面に貼付することも可能である。
【0010】
表面材Bとしては、プリプレグが好適に使用できる。例えば、プリプレグとしては、フェノール樹脂含浸ガラスペーパーが好適に使用できる。具体的には繊維径10μm、単繊維と長繊維の混合繊維からなる坪量100g/m2 のガラス不織布に25℃温度下で粘度25ポイズのフェノール樹脂を含浸させて、固形分200g/m2 のものを得、含浸後105℃で10分間乾燥させてシート状のプリプレグを得ることができる。ここで、プリプレグとは、繊維補強材と熱硬化性樹脂、その他必要に応じ熱可塑性樹脂、着色剤、硬化触媒等を混和してなる強化プラスチック、接着性と成形性の能力を残した硬化終了前の半硬化状態の成形素材であり、好ましいゲルタイムは150℃の設定温度において30〜800秒である。表面材Bとしては、プリプレグの他に例えば厚さ0.3mmの楢単板や化粧張用の木の薄板が好適に使用できる。表面材Bとしてプリプレグを使用したとき、プレス台により加熱及び加圧されることにより、チップマットAを構成する木片に塗布されている接着剤の作用と、プリプレグを構成するフェノール樹脂がチップマットAに含浸しつつ硬化することにより表面材Bが貼付されたパーティクルボードが製造される。また表面材Bとして楢単板や化粧張用の木の薄板を使用したとき、表面材BとチップマットAの間に中間層Cとしてプリプレグを積層するのが好ましい。このとき、プレス台5により加熱及び加圧されることによりチップマットAを構成する木片に塗布されている接着剤が硬化するとともに中間層C(プリプレグ)は加熱及び加圧されるとともに硬化し、さらに含浸されている樹脂が表面材BとチップマットAに含浸しつつ硬化する。これによりチップマットA及び表面材Bとが一体化し表面材Bが貼付されたパーティクルボードが製造される。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、加熱及び加圧されて硬化する接着剤によって結合されたチップからなるマットは、加熱加圧工程においてフォーミングされると同時に表面材も一体化され、表面材付きのパーティクルボードが製造できる。チップのフォーミング工程と同時に表面材貼付工程も行なえるので、工程短縮を図り、コストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の製造方法を実現するための一例の装置を示す正面図。
【図2】プレス台上に載置されるチップマットと表面材を示す断面図。
【図3】プレス台上に載置されるチップマットとプリプレグ及び表面材を示す断面図。
【符号の説明】
A チップマット
B 表面材
C 中間層(プリプレグ)
5 プレス台
Claims (3)
- 加熱及び加圧されて硬化する接着剤を塗布した木片をフォーミングしてなるチップマットの少なくとも片面側に表面材を重ね合わせたものを多段のプレス台上に夫々載置し、加熱及び加圧して成型するパーティクルボードの製造方法において、
前記表面材が繊維径10μm、単繊維と長繊維の混合繊維からなる坪量100g/m 2 のガラス不織布に25℃温度下で粘度25ポイズのフェノール樹脂を含浸させて、固形分200g/m 2 のものを得、含浸後105℃で10分間乾燥させて得られたシート状のプリプレグであることを特徴とするパーティクルボードの製造方法。 - 前記プリプレグのゲルタイムを150℃の設定温度において30〜800秒としたことを特徴とする請求項1に記載のパーティクルボードの製造方法。
- 加熱及び加圧されて硬化する接着剤を塗布した木片をフォーミングしてなるチップマットの少なくとも片面側に表面材を重ね合わせたものを多段のプレス台上に夫々載置し、加熱及び加圧して成型するパーティクルボードの製造方法において、
前記チップマットと表面材との間に中間層としてシート状のプリプレグを設け、
このプリプレグの上に表面材として楢単板や化粧張用の木の薄板を使用し、
前記プリプレグがフェノール樹脂含浸ガラスペーパーであることを特徴とするパーティクルボードの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP03550398A JP3623356B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | パーティクルボードの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP03550398A JP3623356B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | パーティクルボードの製造方法 |
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JPH11216705A JPH11216705A (ja) | 1999-08-10 |
JP3623356B2 true JP3623356B2 (ja) | 2005-02-23 |
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ID=12443570
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JP03550398A Expired - Fee Related JP3623356B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | パーティクルボードの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3623356B2 (ja) |
-
1998
- 1998-02-02 JP JP03550398A patent/JP3623356B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11216705A (ja) | 1999-08-10 |
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