JP3623254B2 - 足の補整靴裏 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、軟偏平足としてよく知られている内転足のような足の変形の補整に関する。
【０００２】
【従来の技術】
足は衝撃を吸収するとともに、爪先を地面に付けるための剛性のあるレバーの役割を果たす。通常、足が地面をける場合には、足は外転して足裏の内側が下がった状態にある。かかとが地面につくと、そのときの衝撃を吸収し足は震える。体重は、かかとから足の側縁にそって足の第５中足骨から親指の付け根に伝わり、ここからさらに親指の先に伝わる。
軟偏平足の人の足の前部は、平衡がとれずに第１中足骨が着地面から浮いているので、足前部は、足を強く外反させて内側端を下げないと、着地面に着くことができない。いいかえれば、足を内側に押し付けないと、親指の先を地につけることができないので、正常な足の人が得られるような安定を得ることができない。足裏を上に回した状態の足、あるいは正常な足では、第１の中足骨は常に地につき、中足根骨関節は、わずかに回転し、足の親指が地面に付けるようにする。内転している足の人は、第１中足骨を着けるためには、くるぶしを内側にひねらなければならない。本発明によれば、軟偏平足の人でも、くるぶしを内側にひねることなく親指を地につけることができる。
【０００３】
足の変形を補整するアイデアは、発明の対象に取り上げられ、種々の器具として提案されている。
この種の特許として、例えば、１９５２年１１月４日発行の米国特許第２，６１６，１９０号（発明者 ダービー、歩行角補整履物）を挙げることができる。この特許には、足にかかる体重の不均衡から生じる脚および足の変形を矯正する器具が開示されている。ダービーは、問題を外側の足裏を高くした履物の中間側部を高くすることによって解決しようとしたものである。このダービーの特許は、軟偏平足には、あまり役立たない。軟偏平足ではかかとがほとんど正常な位置にあるからである。異常な構造は、距骨と足根骨の親指側にある舟状骨関節、踵骨と立方骨関節にあり、これらの関節が中足根骨関節を形作る。ダービーが解決しようとした課題と、本発明が解決しようとする課題の相違は、偏平足が矯正されない内反状態にあるという点にある。したがって、ダービーのものでは、足のかかとを補整するのには役立つが、軟偏平足の補整には役立たない。
【０００４】
また、その他のものとしては、米国特許第４，５７８，８８２号（１９８６年、４月１日発行、「足前部補整履物」 発明者タラリコ ）がある。この特許は、角のついて楔状の靴裏で、足前部の側面から中央に向かって登り勾配の傾斜がつけられ、過度の内転を防止し、足に無駄な動きがなくなり、楽に歩いたり、走ったりできるように機能するようにしたものである。足中部が内転状態にないと、足の中部は外転しようとする。タラリコは、楔を第５中根骨から第１中根骨にわたって設けている。したがって、足の中部は支持されない。正常な足の者は、足の中部を内転しても別に問題はない。軟偏平足の者は適切に足中部を内転することができない。もし、タラリコの特許のように、足が楔で補償され、足中部が支持されていないと、足は内転したまま足中部が外転しようとするちぐはぐなことになり、苦痛が生じる。
これまで、かかとが地面にフラットについている間、高くした楔を足前部と中部に組み合わせておいた例は知られていない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点を解消し、軟偏平足の人でも、くるぶしを内側にひねることなく親指を地につけることができるようにする足の補整用靴裏を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明は、軟偏平足として知られている内反足に患っている者の補整靴裏として考えられたものである。この補整靴裏の形状は、軟偏平足の形状の調査に基づいたものである。この調査により外転した状態では、その足のサイズにかかわらず、同じ形状を有するという知見が得られた。
同じ形状であるという点が軟偏平足の場合、重要であるというのは、これを利用して軟偏平足を補整する解決方法が得られるからである。
第１中根骨が高い位置にある状態に保たれれば、足中部が内反していても、親指の爪先が着くので内反足は補整されるからである。
靴裏は靴底に取り外し自在に装着されるもので、軟偏平足を支持する部分として二つの部分がある。足中部は、かかとの前側の境界から始まって、足裏の中央を支持するために、盛り上がっており、このことは足の内転を調整する上で重要である。足中部は、さらに、その下の位置する足前部によって支持されている。
【０００７】
足前部は、通常の靴底の上面に位置し、第１指、第２指のつまさきから後ろ側に所定長さを戻った領域を占めているが、足のかかとは含まない。足前部は、二つの第１中根骨をカバーする部分で高くなっており、第１指、第２指の爪先まで支持する。
【０００８】
一方、靴裏の輪郭は、中央から外側にかけても続くが、高い部分はなくなっているので、第３中根骨、第４中根骨、第５中根骨はフラットな状態におかれる。第１中根骨、第２中根骨の全体と、内側の２本の指は、高い位置に保持されて内転足が補整される。そして、使用中は、踵が通常の位置にある間は、靴裏の位置、動き、機能は正常に保たれる。
【０００９】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について添付の図面を参照して説明する。
図１には、補整靴裏３における足前部１と足中部２が示されている。この発明は、軟偏平足として知られている内反足に患っている者の補整靴裏として考えられたものである。この補整靴裏３の形状は、軟偏平足の形状の調査に基づいたものである。この調査により外転した状態では、その足のサイズにかかわらず、同じ形状を有するという知見が得られた。
同じ形状であるという点が軟偏平足の場合、重要であるというのは、これを利用して軟偏平足を補整する解決方法が得られるからである。
第１中根骨が高い位置にある状態に保たれれば、足中部が内反していても、親指の爪先が着くので内反足は補整されるからである。
靴裏３は靴底に取り外し自在に装着されるもので、軟偏平足を支持する部分として二つの部分がある。足中部２は、かかとの前側の境界から始まって、足裏の中央を支持するために、盛り上がっており、このことは足の内転を調整する上で重要である。足中部２は、さらに、その下の位置する足前部１によって支持されている。
【００１０】
足前部１は、通常の靴底４の上面に位置し、第１指、第２指のつまさきから後ろ側に所定長さを戻った領域を占めているが、足のかかとは含まない。足前部１は、二つの第１中根骨をカバーする部分で高くなっており、第１指、第２指の爪先まで支持する。
【００１１】
一方、靴裏の輪郭は、中央から外側にかけても続くが、高い部分はなくなっているので、第３中根骨、第４中根骨、第５中根骨はフラットな状態におかれる。第１中根骨、第２中根骨の全体と、内側の２本の指は、高い位置に保持されて内転足が補整される。そして、使用中は、踵が通常の位置にある間は、靴裏３の位置、動き、機能は正常に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による靴裏の一実施例を示す平面図。
【図２】同実施例による靴裏の足前部と足中部の位置関係を示す側面図。
【図３】同実施例による靴裏の正面図。
【図４】同実施例による靴裏の斜視図。
【符号の説明】
１ 足前部
２ 足中部
３ 靴裏
４ 靴底

Claims (2)

1. 所定の長さと幅を有し足前と足中とかかと部とからなる履物と組み合わされて用いられる補整用の靴裏において、
   前記靴裏が、足の中根骨を支持するため略楕円形または長円形の形状を有する足中部と、盛り上がりを有する足前部との組み合わせからなり、
   前記足前部の盛り上がりは、一定の厚さで足の内側の２本の指をカバーするように履物のほぼ半分の幅にわたるとともに、履物の先から、履物の長さよりも小さな長さにわたって延びて履物のかかとの前で終端し、
   前記足中部は、前記足前部の上面に載せられるものであり、履物の長さよりも短い長さにわたって延びかかとの前で終端する、
   ことを特徴とする補整靴裏。
2. 請求項１に記載の補整用靴裏において、前記靴裏は履物から取り外し可能であることを特徴とする補整靴裏。

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