JP3623235B2 - 炭化水素流れからメルカプタンと硫化水素を除去する方法 - Google Patents
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Description
発明の背景
発明の分野
本発明は、一般には、石油蒸留物流れからメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)を除去する方法に関する。さらに詳細には、本発明は、石油蒸留物が、メルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)と選択的に反応して硫化物を形成するジオレフィンを含有する、という方法に関する。さらに詳細には、本発明は、メルカプタンおよぴ/または硫化水素(H2S)とジオレフィンとの反応を分別蒸留と同時に行って、蒸留物から硫化物を、したがってイオウを除去する、という方法に関する。
関連情報
石油蒸留物流れは、種々の有機化学成分を含有している。石油蒸留物流れは通常、組成を決定する沸点範囲によって区分けされている。流れの処理法も組成に影響を及ぼす。たとえば、接触分解法または熱分解法からの生成物は、飽和物質(アルカン)やポリ不飽和物質(ジオレフィン)だけでなく高濃度のオレフィン性物質を含有する。さらに、これらの有機化学成分は、前記化合物の種々の異性体である場合もある。
石油蒸留物は、イオウ化合物や窒素化合物等の望ましくない汚染物を含有することが多い。これらの汚染物は、触媒毒となるか、あるいはさらなる処理を行うと望ましくない生成物を生じることが多い。特に、イオウ化合物がやっかいである。イオウ化合物は、ナフサ改質触媒や水素化触媒に対する触媒阻害剤として知られている。流れ中に存在するイオウ化合物は、蒸留物の沸点範囲によって異なる。軽質ナフサ(110〜250゜Fの沸点範囲)は、メルカプタンを主要なイオウ化合物として含有する。H2Sとメルカプタンを除去するための最も広く使用されている方法は、有機流れを苛性アルカリで洗浄するという方法である。
イオウ化合物を除去する他の方法は水素添加脱硫(HDS)によるものであり、この方法では、水素化用金属触媒をアルミナベースに担持させた形で含む固体粒状触媒上に石油蒸留物を通す。さらに、供給物中に多量の水素を組み込む。下記の式は、典型的なHDSユニットにおける反応を示している。
(1)RSH+H2→RH+H2S
(2)RCl+H2→RH+HCl
(3)2RN+4H2→RH+NH3
(4)ROOH+2H2→RH+H2O
HDS反応に対する典型的な操作条件は以下のとおりである:
温度,゜F 600〜780
圧力,psig 600〜3000
H2循環速度,SCF/bb1 1500〜3000
フレッシュなH2の補給,SCF/bb1 700〜1000
上記からわかるように、イオウおよび他の汚染化合物を水素化することに重点が置かれている。イオウがガス状H2Sの形で除去されるが、このH2S自体が汚染物質であって、さらなる処理を必要とする。
ガソリン添加剤として使用するためのt−アミルメチルエーテル(TAME)の製造においては、エーテル化反応のためのオレフィンの供給源として、一般には軽質分解ナフサ(LCN)が使用される。このLCNは、イオウをメルカプタンの形の汚染物として、最大100wppmまでの濃度にて含有している。これらのメルカプタンは、エーテル化ユニットまたはアルキル化ユニットへの供給物中のジエンを水素化するのに使用される水素化触媒に対する阻害物質である。上記したように、通常使用されている方法は、苛性アルカリによる洗浄である。
発明の要約
本発明は、4〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素を含んだ流れから、メルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)を除去するための新規方法を提供する。エーテル化ユニットまたはアルキル化ユニットへの供給物として使用される軽質分解流れは、この目的に対する好ましい供給物である。軽質分解ナフサは、C4〜C8成分〔飽和(アルカン)の場合もあるし、不飽和(オレフィン)の場合もあるし、あるいはポリ不飽和(ジオレフィン)の場合もある〕と少量のメルカプタンを含有している。一般には、軽質ナフサを分別蒸留塔にて脱ペンタン処理して、C6以上の高沸点物質(C6 +)を含有した部分を塔底液として、C5以下の低沸点物質(C5 -)を塔オーバーヘッドとして取り出す。本発明の1つの実施態様では、脱ペンタン塔の上部を使用して、軽質分解ナフサ中に含まれているメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)の実質的に全てとジオレフィンの一部とを反応させて硫化物を形成させる。これらの硫化物は、エーテル化ユニットおよび/またはアルキル化ユニットに供給されるアミレンを含有したC5フラクションより高い沸点を有する。これらの硫化物を脱ペンタン塔からC6 +フラクションと共に塔底液として取り出し、最終ガソリンフラクション中に簡単に再混合することができる。
反応のために使用される触媒は還元ニッケル、好ましくは5〜70重量%ニッケル(たとえば、触媒蒸留構造物として形づくられた、アルミナベース担持の硫化ニッテル)である。
反応を維持させるために、必要に応じて水素を供給する。蒸留塔反応器は、反応混合物が触媒床において沸騰するような圧力にて運転する。塔底液および/またはオーバーヘッドの取り出し速度を制御することにより、触媒床全体にわたって“フロスレベル”を保持することができ、このため触媒の有効性が向上し、これによって必要とされる触媒の高さを低くすることができる。上記のことからわかるように、液体が沸騰しており、このときの物理的状態は実際には、充填剤入り蒸留塔における通常の密度よりは高いが、沸騰蒸気のない液体よりは低い密度を有するフロスである。
本発明の方法は、前記蒸留塔反応器のオーバーヘッド圧力が0〜250psigの範囲にて、そして前記蒸留反応ゾーン内の温度が100〜300゜F(好ましくは130〜270゜F)の範囲にて操作するのが好ましい。
供給材料と水素は、蒸留塔反応器に別々に供給するのが好ましい。あるいは、供給する前にこれらを混合してもよい。混合した供給材料は、触媒床の下に、あるいは触媒床の下端に供給する。水素だけを触媒床の下に供給し、炭化水素流れは、触媒床の中央部約1/3の箇所にて触媒床に供給する。選択すべき圧力は、触媒床の温度が100〜300゜Fに保持されるような圧力である。
【図面の簡単な説明】
添付の図面は、本発明の1つの実施態様の単純化した流れ図である。
好ましい実施態様の説明
本発明は、石油蒸留物中のジオレフィンと石油蒸留物中のメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)とを反応させて硫化物を形成させ、これと同時に高沸点硫化物を蒸留物から分離する、という方法を提供する。本発明の方法を実施するには、適切な触媒を触媒蒸留構造物の形で収容した蒸留塔反応器を必要とする。
本発明のユニットへの供給物中のC5成分は、単一の“軽質ナフサ”留分中に含まれ、この留分は、C5〜C8成分およびそれ以上の成分からの全てを含有していてもよい。本混合物は、容易に150〜200成分を含むことができる。混合製油所流れは、広範囲のオレフィン化合物を含有することが多い。このことは、接触分解法または熱分解法からの生成物に特によく当てはまる。製油所流れは通常、分別蒸留によって分離されるが、沸点の極めて近い化合物を含有することが多いので、このような分離は精確ではない。たとえば、C5成分流れが、C4成分および最高C8までの成分を含むことがある。これらの成分は、飽和(アルカン)の場合もあるし、不飽和(モノオレフィン)の場合もあるし、あるいはポリ不飽和(ジオレフィン)の場合もある。これらの成分はさらに、個々の化合物の種々の異性体であってもよい。このような製油所流れは通常、15〜30重量%のイソアミレンを含有する。
このような製油所流れはさらに、少量のイオウ(除去しなければならない)を含有している。イオウ化合物は一般に、軽質分解ナフサ流れ中にメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)として見いだされ。これらのイオウ化合物は、ジオレフィンを選択的に水素化するのに使用される水素化触媒の作用を阻害する。イオウ化合物を除去することは一般に、流れを“スイートニング仕上げする”という。
供給物中の数種の少量成分(ジオレフィン)は、貯蔵中に酸素と徐々に反応して“ガム”および他の望ましくない物質を生成する。しかしながら、これらの成分はさらに、TAMEプロセスにおいて極めて速やかに反応して、悪臭のする黄色ガム質物質を形成し、アルキル化ユニットにおいて酸を消費する。したがって、“軽質ナフサ”留分がそれ自体でガソリンブレンド用だけに使用されようと、あるいはTAMEプロセスもしくはアルキル化プロセスへの供給物として使用されようと、これらの成分を除去するのが望ましいことがわかる。
メルカプタン−ジオレフィン反応に有用な触媒として、第VIII族金属がある。一般には、第VIII族金属をアルミナ支持体上に酸化物として担持させる。支持体は通常、小さな直径の押出物または球体である。触媒は、触媒蒸留構造物の形で作製しなければならない。この触媒蒸留構造物は、触媒および物質移動媒体として機能しうるものでなければならない。触媒は、適切に担持させ、触媒蒸留構造物として作用するよう塔内に配置しなければならない。好ましい実施態様においては、米国特許第5,266,546号(該特許を参照のこと)に開示してあるように、触媒を金網メッシュ構造物中に収容しなければならない。この目的に対して有用な他の触媒蒸留構造物が、米国特許第4,731,229号および第5,073,236号(これらの特許を参照のこと)に開示されている。
反応のための適切な触媒は、8〜14メッシュのアルミナ球体に担持させた58%Niであり、Calcicat社からE−475−SRとして市販されている。メーカーから供給される触媒の典型的な物理的・化学的特性は次の通りである:
反応器への水素供給速度は、反応を維持するに足るような供給速度であって、しかも塔からの溢流を引き起こす供給速度に満たない速度(本明細書では“目的達成量の水素”という用語を使用する)に保持しなければならない。一般には、供給物中の水素と(ジオレフィン+アセチレン)とのモル比は、少なくとも1.0:1.0、好ましくは少なくとも2.0:1.0、そしてさらに好ましくは少なくとも10:1.0である。
触媒はさらに、軽質分解ナフサ中に含まれているポリオレフィンの選択的水素化、および程度はより低いが、ある種のモノオレフィンの異性化を触媒する。一般には、相対的な吸収優先度は次の通りである。
(1)イオウ化合物
(2)ジオレフィン
(3)モノオレフィン
触媒座がより強固に吸収された化学種で占められている場合は、より弱く吸収されている化学種の反応は起こらない。
重要な反応は、メルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)とジオレフィンとの反応である。触媒が存在すると、メルカプタンはモノオレフィンとも反応する。しかしながら、軽質分解ナフサ供給物中にはメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)に対して過剰のジオレフィンが存在しており、メルカプタンは、モノオレフィンと反応する前に優先的にジオレフィンと反応する。この反応は、次のような式で表される:
上記式中、R、R1、およびR2は、水素および1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基から独立的に選ばれる。この反応は、水素を消費するHDS反応と似ている。ジエンの同時進行的な水素化が起こっている場合、水素が該反応において消費される。
軽質分解ナフサ中により多い程度もしくはより少ない程度で見いだされる典型的なメルカプタン化合物は、メチルメルカプタン(沸点43゜F)、エチルメルカプタン(沸点99゜F)、n−プロピルメルカプタン(沸点154゜F)、イソプロピルメルカプタン(沸点135〜140゜F)、イソブチルメルカプタン(沸点190゜F)、t−ブチルメルカプタン(沸点147゜F)、n−ブチルメルカプタン(沸点208゜F)、sec−ブチルメルカプタン(沸点203゜F)、イソアミルメルカプタン(沸点250゜F)、n−アミルメルカプタン(沸点259゜F)、α−メチルブチルメルカプタン(沸点234゜F)、α−エチルプロピルメルカプタン(沸点293゜F)、n−ヘキシルメルカプタン(沸点304゜F)、2−メルカプトヘキサン(沸点284゜F)、および3−メルカプトヘキサン(沸点、20mmHgにて135゜F)である。
C5沸点範囲フラクション中の典型的なジオレフィンとしては、イソプレン(2−メチルブタジエン−1,3)、シスおよびトランスピペリレン(シスおよびトランス1,3−ペンタジエン)、ならびに少量のブタジエン類がある。本発明の方法に有用な炭化水素の範囲全体にわたって同族のジエン類が存在する。
本発明の方法は、いかなる蒸留においても見られるような上昇蒸気相と幾らかの液相を含んでいると考えられる触媒充填塔において行われる。しかしながら、意図的な“溢流”によって液体を塔内に保持することができるので、液体が通常の内部還流として単に下降しているときの密度より高い密度になっていると考えられる。
図面を参照すると、本発明の1つの実施態様の単純化した流れ図が示されている。軽質分解ナフサと水素を、蒸留塔反応器10として造られている脱ペンタン塔に、それぞれフローライン2と1を介して供給する。C6以上の重質物質は、下方ストリッピングセクション15において除去する。C5以下の軟質物質(メルカプタンを含む)を、触媒蒸留構造物を収容した反応蒸留ゾーン12中に蒸留する。反応蒸留ゾーン12においては、メルカプタンの実質的に全てがジオレフィンの一部と反応してより高沸点の硫化物を形成し、これらの硫化物をストリッピングセクション15のほうに下向きに蒸留し、C6以上の重質物質と共に、ライン8を介して塔底液として取り出す。硫化物が確実に分離されるよう、精留セクション16が設けられている。
C5以下の軽質蒸留物(C5 -)〔メルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)を含まない〕を、フローライン5を介してオーバーヘッドとして取り出し、凝縮器13に通し、ここで凝縮可能な物質を凝縮させる。ライン4を介して移送された液体をアキュムレーター18中に集め、ここでガス状物質(未反応の水素を含む)を分離し、フローライン3を介して取り出す。未反応水素は、必要に応じて再循環(図示せず)させることができる。液体蒸留物である生成物をフローライン9を介して取り出す。液体の一部を、ライン6を介して還流物として塔10に再循環させる。
一般には、C5以下の軽質物質をエーテル化ユニットに対する供給原料として使用し、前記ユニットにおいて、軽質物質中に含まれているイソアミレンをTAMEまたはt−アミルエチルエーテル(TAEE)に転化させる。このTAMEまたはTAEEをC6塔底液と再び混合し、ガソリンブレンド用に移送する。C6以上の重質物質は硫化物を含有するけれども、トータルとしてのイオウ含量はまだ受け入れ可能な程度に低い。
実施例
本実施例においては、直径1インチの塔の上部に、15フィートの触媒(E−475−SR)を蒸留構造物として装入する。触媒ベイルを塔中に装入する。塔の圧力を50〜150psigに設定し、塔にシクロヘキサンを全て還流させる。還流が確立した後、H2を10SCFHにて加える。還流ドラムから定期的に水を排出する。12時間後、炭化水素の供給を開始する。下部5フィートには不活性の蒸留充填物を充填する。条件と結果を下記の表IIに示す。
発明の分野
本発明は、一般には、石油蒸留物流れからメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)を除去する方法に関する。さらに詳細には、本発明は、石油蒸留物が、メルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)と選択的に反応して硫化物を形成するジオレフィンを含有する、という方法に関する。さらに詳細には、本発明は、メルカプタンおよぴ/または硫化水素(H2S)とジオレフィンとの反応を分別蒸留と同時に行って、蒸留物から硫化物を、したがってイオウを除去する、という方法に関する。
関連情報
石油蒸留物流れは、種々の有機化学成分を含有している。石油蒸留物流れは通常、組成を決定する沸点範囲によって区分けされている。流れの処理法も組成に影響を及ぼす。たとえば、接触分解法または熱分解法からの生成物は、飽和物質(アルカン)やポリ不飽和物質(ジオレフィン)だけでなく高濃度のオレフィン性物質を含有する。さらに、これらの有機化学成分は、前記化合物の種々の異性体である場合もある。
石油蒸留物は、イオウ化合物や窒素化合物等の望ましくない汚染物を含有することが多い。これらの汚染物は、触媒毒となるか、あるいはさらなる処理を行うと望ましくない生成物を生じることが多い。特に、イオウ化合物がやっかいである。イオウ化合物は、ナフサ改質触媒や水素化触媒に対する触媒阻害剤として知られている。流れ中に存在するイオウ化合物は、蒸留物の沸点範囲によって異なる。軽質ナフサ(110〜250゜Fの沸点範囲)は、メルカプタンを主要なイオウ化合物として含有する。H2Sとメルカプタンを除去するための最も広く使用されている方法は、有機流れを苛性アルカリで洗浄するという方法である。
イオウ化合物を除去する他の方法は水素添加脱硫(HDS)によるものであり、この方法では、水素化用金属触媒をアルミナベースに担持させた形で含む固体粒状触媒上に石油蒸留物を通す。さらに、供給物中に多量の水素を組み込む。下記の式は、典型的なHDSユニットにおける反応を示している。
(1)RSH+H2→RH+H2S
(2)RCl+H2→RH+HCl
(3)2RN+4H2→RH+NH3
(4)ROOH+2H2→RH+H2O
HDS反応に対する典型的な操作条件は以下のとおりである:
温度,゜F 600〜780
圧力,psig 600〜3000
H2循環速度,SCF/bb1 1500〜3000
フレッシュなH2の補給,SCF/bb1 700〜1000
上記からわかるように、イオウおよび他の汚染化合物を水素化することに重点が置かれている。イオウがガス状H2Sの形で除去されるが、このH2S自体が汚染物質であって、さらなる処理を必要とする。
ガソリン添加剤として使用するためのt−アミルメチルエーテル(TAME)の製造においては、エーテル化反応のためのオレフィンの供給源として、一般には軽質分解ナフサ(LCN)が使用される。このLCNは、イオウをメルカプタンの形の汚染物として、最大100wppmまでの濃度にて含有している。これらのメルカプタンは、エーテル化ユニットまたはアルキル化ユニットへの供給物中のジエンを水素化するのに使用される水素化触媒に対する阻害物質である。上記したように、通常使用されている方法は、苛性アルカリによる洗浄である。
発明の要約
本発明は、4〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素を含んだ流れから、メルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)を除去するための新規方法を提供する。エーテル化ユニットまたはアルキル化ユニットへの供給物として使用される軽質分解流れは、この目的に対する好ましい供給物である。軽質分解ナフサは、C4〜C8成分〔飽和(アルカン)の場合もあるし、不飽和(オレフィン)の場合もあるし、あるいはポリ不飽和(ジオレフィン)の場合もある〕と少量のメルカプタンを含有している。一般には、軽質ナフサを分別蒸留塔にて脱ペンタン処理して、C6以上の高沸点物質(C6 +)を含有した部分を塔底液として、C5以下の低沸点物質(C5 -)を塔オーバーヘッドとして取り出す。本発明の1つの実施態様では、脱ペンタン塔の上部を使用して、軽質分解ナフサ中に含まれているメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)の実質的に全てとジオレフィンの一部とを反応させて硫化物を形成させる。これらの硫化物は、エーテル化ユニットおよび/またはアルキル化ユニットに供給されるアミレンを含有したC5フラクションより高い沸点を有する。これらの硫化物を脱ペンタン塔からC6 +フラクションと共に塔底液として取り出し、最終ガソリンフラクション中に簡単に再混合することができる。
反応のために使用される触媒は還元ニッケル、好ましくは5〜70重量%ニッケル(たとえば、触媒蒸留構造物として形づくられた、アルミナベース担持の硫化ニッテル)である。
反応を維持させるために、必要に応じて水素を供給する。蒸留塔反応器は、反応混合物が触媒床において沸騰するような圧力にて運転する。塔底液および/またはオーバーヘッドの取り出し速度を制御することにより、触媒床全体にわたって“フロスレベル”を保持することができ、このため触媒の有効性が向上し、これによって必要とされる触媒の高さを低くすることができる。上記のことからわかるように、液体が沸騰しており、このときの物理的状態は実際には、充填剤入り蒸留塔における通常の密度よりは高いが、沸騰蒸気のない液体よりは低い密度を有するフロスである。
本発明の方法は、前記蒸留塔反応器のオーバーヘッド圧力が0〜250psigの範囲にて、そして前記蒸留反応ゾーン内の温度が100〜300゜F(好ましくは130〜270゜F)の範囲にて操作するのが好ましい。
供給材料と水素は、蒸留塔反応器に別々に供給するのが好ましい。あるいは、供給する前にこれらを混合してもよい。混合した供給材料は、触媒床の下に、あるいは触媒床の下端に供給する。水素だけを触媒床の下に供給し、炭化水素流れは、触媒床の中央部約1/3の箇所にて触媒床に供給する。選択すべき圧力は、触媒床の温度が100〜300゜Fに保持されるような圧力である。
【図面の簡単な説明】
添付の図面は、本発明の1つの実施態様の単純化した流れ図である。
好ましい実施態様の説明
本発明は、石油蒸留物中のジオレフィンと石油蒸留物中のメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)とを反応させて硫化物を形成させ、これと同時に高沸点硫化物を蒸留物から分離する、という方法を提供する。本発明の方法を実施するには、適切な触媒を触媒蒸留構造物の形で収容した蒸留塔反応器を必要とする。
本発明のユニットへの供給物中のC5成分は、単一の“軽質ナフサ”留分中に含まれ、この留分は、C5〜C8成分およびそれ以上の成分からの全てを含有していてもよい。本混合物は、容易に150〜200成分を含むことができる。混合製油所流れは、広範囲のオレフィン化合物を含有することが多い。このことは、接触分解法または熱分解法からの生成物に特によく当てはまる。製油所流れは通常、分別蒸留によって分離されるが、沸点の極めて近い化合物を含有することが多いので、このような分離は精確ではない。たとえば、C5成分流れが、C4成分および最高C8までの成分を含むことがある。これらの成分は、飽和(アルカン)の場合もあるし、不飽和(モノオレフィン)の場合もあるし、あるいはポリ不飽和(ジオレフィン)の場合もある。これらの成分はさらに、個々の化合物の種々の異性体であってもよい。このような製油所流れは通常、15〜30重量%のイソアミレンを含有する。
このような製油所流れはさらに、少量のイオウ(除去しなければならない)を含有している。イオウ化合物は一般に、軽質分解ナフサ流れ中にメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)として見いだされ。これらのイオウ化合物は、ジオレフィンを選択的に水素化するのに使用される水素化触媒の作用を阻害する。イオウ化合物を除去することは一般に、流れを“スイートニング仕上げする”という。
供給物中の数種の少量成分(ジオレフィン)は、貯蔵中に酸素と徐々に反応して“ガム”および他の望ましくない物質を生成する。しかしながら、これらの成分はさらに、TAMEプロセスにおいて極めて速やかに反応して、悪臭のする黄色ガム質物質を形成し、アルキル化ユニットにおいて酸を消費する。したがって、“軽質ナフサ”留分がそれ自体でガソリンブレンド用だけに使用されようと、あるいはTAMEプロセスもしくはアルキル化プロセスへの供給物として使用されようと、これらの成分を除去するのが望ましいことがわかる。
メルカプタン−ジオレフィン反応に有用な触媒として、第VIII族金属がある。一般には、第VIII族金属をアルミナ支持体上に酸化物として担持させる。支持体は通常、小さな直径の押出物または球体である。触媒は、触媒蒸留構造物の形で作製しなければならない。この触媒蒸留構造物は、触媒および物質移動媒体として機能しうるものでなければならない。触媒は、適切に担持させ、触媒蒸留構造物として作用するよう塔内に配置しなければならない。好ましい実施態様においては、米国特許第5,266,546号(該特許を参照のこと)に開示してあるように、触媒を金網メッシュ構造物中に収容しなければならない。この目的に対して有用な他の触媒蒸留構造物が、米国特許第4,731,229号および第5,073,236号(これらの特許を参照のこと)に開示されている。
反応のための適切な触媒は、8〜14メッシュのアルミナ球体に担持させた58%Niであり、Calcicat社からE−475−SRとして市販されている。メーカーから供給される触媒の典型的な物理的・化学的特性は次の通りである:
反応器への水素供給速度は、反応を維持するに足るような供給速度であって、しかも塔からの溢流を引き起こす供給速度に満たない速度(本明細書では“目的達成量の水素”という用語を使用する)に保持しなければならない。一般には、供給物中の水素と(ジオレフィン+アセチレン)とのモル比は、少なくとも1.0:1.0、好ましくは少なくとも2.0:1.0、そしてさらに好ましくは少なくとも10:1.0である。
触媒はさらに、軽質分解ナフサ中に含まれているポリオレフィンの選択的水素化、および程度はより低いが、ある種のモノオレフィンの異性化を触媒する。一般には、相対的な吸収優先度は次の通りである。
(1)イオウ化合物
(2)ジオレフィン
(3)モノオレフィン
触媒座がより強固に吸収された化学種で占められている場合は、より弱く吸収されている化学種の反応は起こらない。
重要な反応は、メルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)とジオレフィンとの反応である。触媒が存在すると、メルカプタンはモノオレフィンとも反応する。しかしながら、軽質分解ナフサ供給物中にはメルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)に対して過剰のジオレフィンが存在しており、メルカプタンは、モノオレフィンと反応する前に優先的にジオレフィンと反応する。この反応は、次のような式で表される:
上記式中、R、R1、およびR2は、水素および1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基から独立的に選ばれる。この反応は、水素を消費するHDS反応と似ている。ジエンの同時進行的な水素化が起こっている場合、水素が該反応において消費される。
軽質分解ナフサ中により多い程度もしくはより少ない程度で見いだされる典型的なメルカプタン化合物は、メチルメルカプタン(沸点43゜F)、エチルメルカプタン(沸点99゜F)、n−プロピルメルカプタン(沸点154゜F)、イソプロピルメルカプタン(沸点135〜140゜F)、イソブチルメルカプタン(沸点190゜F)、t−ブチルメルカプタン(沸点147゜F)、n−ブチルメルカプタン(沸点208゜F)、sec−ブチルメルカプタン(沸点203゜F)、イソアミルメルカプタン(沸点250゜F)、n−アミルメルカプタン(沸点259゜F)、α−メチルブチルメルカプタン(沸点234゜F)、α−エチルプロピルメルカプタン(沸点293゜F)、n−ヘキシルメルカプタン(沸点304゜F)、2−メルカプトヘキサン(沸点284゜F)、および3−メルカプトヘキサン(沸点、20mmHgにて135゜F)である。
C5沸点範囲フラクション中の典型的なジオレフィンとしては、イソプレン(2−メチルブタジエン−1,3)、シスおよびトランスピペリレン(シスおよびトランス1,3−ペンタジエン)、ならびに少量のブタジエン類がある。本発明の方法に有用な炭化水素の範囲全体にわたって同族のジエン類が存在する。
本発明の方法は、いかなる蒸留においても見られるような上昇蒸気相と幾らかの液相を含んでいると考えられる触媒充填塔において行われる。しかしながら、意図的な“溢流”によって液体を塔内に保持することができるので、液体が通常の内部還流として単に下降しているときの密度より高い密度になっていると考えられる。
図面を参照すると、本発明の1つの実施態様の単純化した流れ図が示されている。軽質分解ナフサと水素を、蒸留塔反応器10として造られている脱ペンタン塔に、それぞれフローライン2と1を介して供給する。C6以上の重質物質は、下方ストリッピングセクション15において除去する。C5以下の軟質物質(メルカプタンを含む)を、触媒蒸留構造物を収容した反応蒸留ゾーン12中に蒸留する。反応蒸留ゾーン12においては、メルカプタンの実質的に全てがジオレフィンの一部と反応してより高沸点の硫化物を形成し、これらの硫化物をストリッピングセクション15のほうに下向きに蒸留し、C6以上の重質物質と共に、ライン8を介して塔底液として取り出す。硫化物が確実に分離されるよう、精留セクション16が設けられている。
C5以下の軽質蒸留物(C5 -)〔メルカプタンおよび/または硫化水素(H2S)を含まない〕を、フローライン5を介してオーバーヘッドとして取り出し、凝縮器13に通し、ここで凝縮可能な物質を凝縮させる。ライン4を介して移送された液体をアキュムレーター18中に集め、ここでガス状物質(未反応の水素を含む)を分離し、フローライン3を介して取り出す。未反応水素は、必要に応じて再循環(図示せず)させることができる。液体蒸留物である生成物をフローライン9を介して取り出す。液体の一部を、ライン6を介して還流物として塔10に再循環させる。
一般には、C5以下の軽質物質をエーテル化ユニットに対する供給原料として使用し、前記ユニットにおいて、軽質物質中に含まれているイソアミレンをTAMEまたはt−アミルエチルエーテル(TAEE)に転化させる。このTAMEまたはTAEEをC6塔底液と再び混合し、ガソリンブレンド用に移送する。C6以上の重質物質は硫化物を含有するけれども、トータルとしてのイオウ含量はまだ受け入れ可能な程度に低い。
実施例
本実施例においては、直径1インチの塔の上部に、15フィートの触媒(E−475−SR)を蒸留構造物として装入する。触媒ベイルを塔中に装入する。塔の圧力を50〜150psigに設定し、塔にシクロヘキサンを全て還流させる。還流が確立した後、H2を10SCFHにて加える。還流ドラムから定期的に水を排出する。12時間後、炭化水素の供給を開始する。下部5フィートには不活性の蒸留充填物を充填する。条件と結果を下記の表IIに示す。
Claims (11)
- (a)メルカプタン、硫化水素、またはこれらの混合物から選ばれるイオウ化合物を含んだ炭化水素流れとジオレフィンとを蒸留塔反応器の供給ゾーンに供給する工程;
(b)目的達成量の水素を前記蒸留塔反応器に供給する工程;
(c)(i)担持ニッケル触媒を収容した反応ゾーンにおいて、水素の存在下にて、前記炭化水素流れ中に含まれている前記イオウ化合物とジオレフィンとを触媒させ、これによって前記イオウ化合物の一部とジオレフィンの一部とを反応させて、硫化物生成物および前記イオ ウ化合物の量が減少した蒸留物生成物を形成させること;および
(ii)分別蒸留によって前記蒸留物生成物から前記硫化物を分離すること;
を前記蒸留塔反応器において同時的に行う工程;
(d)前記反応ゾーンより上の箇所にて前記蒸留塔反応器から蒸留物生成物を取り出す工程、このとき前記蒸留物生成物はイオウ化合物の含量が減少している;および
(e)前記蒸留反応ゾーンより下の箇所にて前記蒸留塔反応器から硫化物生成物を取り出す工程;
を含む、炭化水素流れからメルカプタンおよび/または硫化水素を除去する方法。 - 前記炭化水素流れが、C5以下の軽質フラクションとC6以上の重質フラクションとを含有した軽質分解ナフサ蒸留物であり、このとき前記C5以下の軽質フラクションを前記蒸留塔反応器からオーバーヘッドとして取り出し、前記C6以上の重質フラクションを前記蒸留塔反応器から塔底油として取り出す、請求の範囲第1項に記載の方法。
- イオウ化合物に対して1モル過剰のジオレフィンが存在する、請求の範囲第1項に記載の方法。
- 前記イオウ化合物の実質的に全てがジオレフィンと反応して硫化物生成物を形成し、前記蒸留物生成物が前記イオウ化合物を実質的に含まない、請求の範囲第3項に記載の方法。
- イオウ化合物と反応していない前記過剰ジオレフィンの実質的に全てを水素化してモノオレフィンにする、請求の範囲第3項に記載の方法。
- 前記ジオレフィンを前記炭化水素流れ中に含有させる、請求の範囲第1項に記載の方法。
- (a)メルカプタン、硫化水素、またはこれらの混合物から選ばれるイオウ化合物を含有した軽質分解ナフサ蒸留物とジオレフィンとを、ストリッピングゾーンと蒸留反応ゾーンを有する蒸留塔反応器に供給する工程、このとき前記軽質分解ナフサはC6 +フラクションとC5 -フラクションを含んでいる;
(b)目的達成量の水素を前記蒸留塔反応器に供給する工程;
(c)前記ストリッピングゾーンにおいて前記C6 +フラクションを前記C5 -フラクションから分離し、前記C5 -フラクションを蒸留して前記蒸留反応ゾーン中に上昇させる工程;
(d)(i)触媒蒸留構造物として作用する形態で作製された粒状アルミナベース担持の還元ニッケル触媒を収容した蒸留反応ゾーンにおいて、水素の存在下にて、前記軽質分解ナフサ中に含まれているイオウ化合物とジオレフィンとを接触させ、これによって前記イオウ化合物の一部とジオレフィンの一部とを反応させて、硫化物生成物および蒸留物生成物を形成させること;
(ii)残留しているジオレフィンをモノオレフィンに選択的に水素化すること;および
(iii)分別蒸留によって、前記蒸留物生成物から前記硫化物を分離すること;
を前記蒸留反応ゾーンにおいて同時的に行う工程;
(e)前記蒸留塔反応器からC5 -蒸留物生成物をオーバーヘッドとして取り出す工程、このとき前記C5 -蒸留物生成物は、イオウ化合物とジオレフィンの含量が減少している;および
(f)前記蒸留塔反応器から前記硫化物生成物を、前記C6 +フラクションと共に塔底油として取り出す工程;
を含む、エーテル化用もしくはアルキル化用の供給原料として使用すべく軽質分解ナフサ蒸留物を処理する方法。 - 前記軽質分解ナフサ流れ中に、前記イオウ化合物に対して1モル過剰のジオレフィンが存在する、請求の範囲第7項に記載の方法。
- 前記メルカプタンの実質的に全てがジオレフィンと反応して硫化物生成物を生成し、これによって前記イオウ化合物を実質的に含まないC5 -蒸留物生成物が得られる、請求の範囲第7項に記載の方法。
- (a)メルカプタンを含有した軽質分解ナフサ蒸留物と前記メルカプタンに対して1モル過剰のジオレフィンとを、ストリッピングゾーンと蒸留反応ゾーンを有する蒸留塔反応器に供給する工程、このとき前記軽質分解ナフサはC6 +フラクションとC5 -フラクションを含んでいる;
(b)目的達成量の水素を前記蒸留塔反応器に供給する工程;
(c)前記ストリッピングゾーンにおいて前記C6 +フラクションを前記C5 -フラクションから分離し、前記C5 -フラクションを蒸留して前記蒸留反応ゾーン中に上昇させる工程;
(d)(i)触媒蒸留構造物として作用する形態で作製された粒状アルミナベース担持の硫化ニッケル触媒を収容した蒸留反応ゾーンにおいて、水素の存在下にて、前記軽質分解ナフサ中に含まれているジオレフィン、メルカプタン、および硫化水素を接触させ、これによって前記メルカプタンの実質的に全てとジオレフィンの一部とを反応させて、硫化物生成物および蒸留物生成物を形成させること;
(ii)残留しているジオレフィンをモノオレフィンに選択的に水素化すること;および
(iii)分別蒸留によって、前記蒸留物生成物から前記硫化物を分離すること;
を前記蒸留反応ゾーンにおいて同時的に行う工程;
(e)前記蒸留塔反応器からC5 -蒸留物生成物をオーバーヘッドとして取り出す工程、このとき前記C5 -蒸留物生成物は、メルカプタンとジオレフィンの含量が実質的に減少している;および
(f)前記蒸留塔反応器から前記硫化物生成物を、前記C6 +フラクションと共に塔底油として取り出す工程;
を含む、エーテル化用および/またはアルキル化用の供給原料として使用する、軽質分解ナフサ蒸留物を処理する方法。 - 前記触媒が、触媒蒸留構造物として作用 する形態で作製される、請求の範囲第1〜6項いずれか に記載の方法。
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