JP3622834B2 - 画像の客観評価用モニタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は画像の客観評価用モニタ装置に関し、特に、画質監視などのために行われる客観画質評価作業の効率を大幅に向上できる画像の客観評価用モニタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、画像の品質を評価する方法として、人間による主観評価と、画質評価装置を用いた客観画質評価とがある。前者の主観評価においては、画像モニタのA、Bチャンネルに、それぞれ原画と処理画を入れ、スイッチで該原画と処理画を切替えて評価する方法がしばしば採用されている。一方、後者の客観評価においては、原画と処理画の画像信号を画質評価装置に供給すると共に、モニタにも供給し、モニタに表示された画像をチェックしながら該画質評価装置で評価された客観画質評価を監視する方法が多用されている。
【0003】
図4に、後者の客観画質評価装置の概略の構成を示す。VTR等の原画像供給装置1から出力された原画像は、主観評価モニタ装置2のAチャンネルとこれとは別に設けられた画質評価装置3のAチャンネルとに接続される。また、該原画像は処理装置4に供給され、該処理装置4によって処理される。この処理装置4は、圧縮符号化装置等から構成されており、該処理装置4で処理された原画像は、処理画像として主観評価モニタ装置2と画質評価装置3のBチャンネルに接続される。
【0004】
作業員がこの客観画質評価装置を用いて処理画像の品質を評価する時には、作業員は主観評価モニタ装置2に設けられているスイッチで原画像と処理画像を切替えて原画像と処理画像を比較確認しつつ、画質評価装置3に表示される画質評価値を監視する作業を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、作業員が従来の客観画質評価装置を用いて処理画像の品質を評価する時には、原画像と処理画像を比較確認しつつ、別の位置に置かれた画質評価装置に表示される画質評価値を監視しなければならず、作業効率が低下すると共に、作業員の労力が大きいという問題があった。また、前記原画像と処理画像を、主観評価モニタ装置2と画質評価装置3の両方に供給する必要があり、そのためには、原画像供給装置1と処理装置4のそれぞれから主観評価モニタ装置2と画質評価装置3の両方に配線しなければならず、すなわち二式の配線をしなければならず、配線が煩雑であるという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、前記した従来技術の問題点を除去し、客観画質評価のための画像および画質評価値の監視作業の作業効率が向上すると共に、配線の煩雑さを軽減した画像の客観評価用モニタ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために、本発明は、処理画像の画質を評価する画像の客観評価用モニタ装置において、原画像と処理画像が入力される二つの入力端子と、該二つの入力端子から入力された原画像と処理画像を基に、該処理画像の評価を行う画質評価手段と、前記二つの入力端子から入力された原画像と処理画像の表示と、前記画質評価手段による画質評価結果とを表示する表示手段とを具備し、前記表示手段に、前記画像と画質評価結果を近接して表示るようにした点に特徴がある。
【0009】
前記特徴によれば、原画像と処理画像のための画像表示と画質評価結果の表示とを近接させて表示できるようになり、作業員はほぼ一視野で、両表示を観察することができるようになる。また、原画像を供給する装置および原画像の処理装置からの配線を、前記二つの入力端子に対してだけ行えばよくなるので、配線を簡素化できると共に、配線量を従来の半分にすることができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の概略の構成を示すブロック図である。
【0011】
VTR等の原画像供給装置1から出力された原画像は客観評価用モニタ装置5と処理装置4に送られる。該処理装置4は、圧縮符号化装置等から構成されており、処理装置4で処理(例えば、圧縮符号化)された処理画像は客観評価用モニタ装置5に送られる。客観評価用モニタ装置5は、A、B二チャンネルのための二つの入力端子を有し、Aチャンネルの入力端子には前記原画像が、Bチャンネルの入力端子には前記処理画像が供給される。
【0012】
客観評価用モニタ装置5は、主観評価モニタ部6と画質評価装置をボード化した画質評価ボード7を有し、これらは一つの筐体(ハウジング)の中に収納されている。この筐体は従来の主観評価モニタ装置2の筐体と同一であってもよい。換言すれば、従来の主観評価モニタ装置2の筐体中に、画質評価ボード7を内蔵するようにしても良い。また、前記A、Bチャンネルの二つの入力端子は前記主観評価モニタ部6と画質評価ボード7とに共用されている。
【0013】
主観評価モニタ部6は、前記A、Bチャンネルの画像を復調する復調回路を有し、A,Bチャンネルの画像を復調する。一方、画質評価ボード7は、処理画像の画質評価値を原画像を基に算出する。該復調回路により復調されたA,Bチャンネルの画像と、前記画質評価ボード7から出力された画質評価結果とは表示部8に送られ、表示される。スイッチ9は該表示部8に映出されるAチャンネルの原画像とBチャンネルの処理画像を切替える働きをする。この表示部8は、CRT、液晶ディスプレー、プラズマディスプレーなどから構成される。
【0014】
図2は、該表示部8の画面の一例を示す図であり、一つの画面に前記原画像と処理画像をスイッチ9により選択的に表示できる画像表示領域8aと、前記画質評価ボード7から出力された画質評価値、例えば画質劣化度を表示する画質評価表示領域8bが設けられている。なお、画像表示領域8aの表示を切り替えるスイッチ9は、表示部8内あるいはその外部に設けても良い。
【0015】
図3は、前記画質評価ボード7の回路構成の一例の概略を示すブロック図である。この回路としては、例えば本出願人による特開平9−307930号公報に記されているようなものを用いることができる。
【0016】
Aチャンネルの原画像は減算器10と交流成分電力算出回路11に入力する。減算器10は、Aチャンネルの原画像からBチャンネルの処理画像を減算し、各画素信号の差分値を算出する。この差分値は、SNR(WSNR)算出回路12に入力されて、フレーム全体のNSRまたはWSNRが求められる。一方、交流成分電力算出回路11は、原画像の画素信号から、フレーム全体の交流成分の電力の平均値、すなわち画面全体のアクティビティを算出する。重み付け回路13は、該交流成分の電力の平均値を要素とする関数により、前記SNR(WSNR)算出回路12から出力されたSNRまたはWSNRをフレーム毎に重み付けして画質評価値を求め、出力する。なお、図3の交流成分電力算出回路11およびSNR(WSNR)算出回路12の詳細な回路図は、上記の公報に開示されているので、説明を省略する。
【0017】
この実施形態によれば、作業員はスイッチ9により図2の画像表示領域8aに映出されるA,B二チャンネルの画像を適宜切替えて、処理画像の画質を主観的に評価しながら、同じ視野で、あるいは少し視線を画質評価表示領域8bに移すだけで、画質評価表示領域8bに表示されている画質劣化度を見ることができるようになる。換言すれば、作業員は、表示装置上で原画と処理画を比較確認しつつ、画質評価結果である客観評価値を観察できるようになる。このため、作業員は、従来のように、主観評価モニタ装置2と画質評価装置3とを別の視野で見る必要がなくなる。なお、前記スイッチ9は作業員の手を借りずに自動的に動作するようにしても良い。
【0018】
【発明の効果】
前記した説明から明らかなように、この発明によれば、主観評価モニタ装置の表示部に画質評価結果を表示させるようにした、または原画像および処理画像と画質評価結果を近接させて表示させるようにしたので、作業員は同一視野で両表示を見ることができるようになり、画質監視などのための客観画質評価作業が大幅に簡易化できる。また、作業効率の向上、および作業員の労力軽減を図ることができる。また、原画像供給装置および処理装置から、客観評価用モニタ装置への配線が、それぞれ一式で済むようになるので、配線量を従来の半分にすることができるようになる。また、配線の煩雑さを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の表示装置の表示例を示す図である。
【図3】図1の画質評価ボードの回路例を示すブロック図である。
【図4】従来の画質評価装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…原画像供給装置、4…処理装置、5…客観評価用モニタ装置、6…主観評価モニタ装置、7…画質評価ボード、8…表示部、9…スイッチ。

Claims (2)

  1. 処理画像の画質を評価する画像の客観評価用モニタ装置において、
    原画像と処理画像が入力される二つの入力端子と、
    該二つの入力端子から入力された原画像と処理画像を基に、該処理画像の評価を行う画質評価手段と、
    前記二つの入力端子から入力された原画像と処理画像の表示と、前記画質評価手段による画質評価結果とを表示する表示手段とを具備し、
    前記表示手段に、前記画像と画質評価結果を近接して表示するようにしたことを特徴とする画像の客観評価用モニタ装置。
  2. 請求項に記載の客観評価用モニタ装置において、
    原画像供給装置および原画像処理装置からの配線を、前記二つの入力端子のそれぞれに接続するようにしたことを特徴とする画像の客観評価用モニタ装置。
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