JP3622749B2 - 曲面性状検査方法およびこの方法を用いた基板検査装置 - Google Patents

曲面性状検査方法およびこの方法を用いた基板検査装置 Download PDF

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    • G01N21/95684Patterns showing highly reflecting parts, e.g. metallic elements

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、部品実装基板上に形成されたはんだ付け部位のように表面が曲面形状をとる物体(以下、「曲面体」という。)の表面状態を検査する技術に関連する。
【0002】
【従来の技術】
出願人は、以前に、はんだ付け部位の鏡面反射性を利用して、画像処理の手法により基板上のはんだ付け部位を自動検査する装置を開発した(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−1173号公報
【0004】
図10は、上記特許文献1に開示された基板検査装置の構成および検査の原理を示す。この検査装置は、赤(R),緑(G),青(B)の各色彩光を有する3個の光源8,9,10と撮像装置3とにより検査対象の画像を生成するもので、各光源8,9,10は、基板1に対してそれぞれ異なる仰角方向に配備される。一方、撮像装置3は、検査対象のはんだ2を真上位置から撮像するように配備される。
【0005】
上記構成によれば、各光源8,9,10からの色彩光は、それぞれはんだ2の表面上でその光源の配置方向(仰角の方向)に対応する位置に照射される。ここで各色彩光の照射位置におけるはんだ表面の傾きが、いずれもその照明光の鏡面反射光を撮像装置に導くことが可能な方向に傾斜している場合には、図11に示すように、R,G,Bの各色彩光の照射位置に対応させて各色彩が色分けされた2次元画像が生成されることになる。
【0006】
前記検査装置では、各光源8,9,10の基板面に対する仰角がR,G,Bの順に大きくなるようにするとともに、はんだ表面上で切り分けて検出したい傾斜角度の範囲に応じて各光源8,9,10の配置方向を決定している。よって各光源8,9,10による照明下で得られた画像上で優勢となる色彩と傾斜角度との関係を抽出すると、図12に示すように、基板面から見た仰角が最も小さい平坦面、仰角が最も大きい急傾斜面、これらの中間に位置する比較的緩やかな傾斜面(暖傾斜面)に応じて、各色成分を明確に切り分けることができる。
【0007】
このように、はんだ表面の傾斜角度に応じてR,G,Bの各色彩が色分けされた2次元画像が生成されるので、あらかじめ良好な形状のはんだの画像における各色彩のパターンを登録しておき、検査対象の画像上における各色彩のパターンを前記登録パターンと比較することにより、はんだの表面状態の良否を判別することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年の部品実装基板の製造元では、環境上の問題を考慮して、鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)を採用する頻度が高まっている。ところがこの鉛フリーはんだは、組成金属の固化の温度の差が大きい非共晶合金であるため、その表面は細かい凹凸のある梨地状になりやすい。このため、鉛とスズとを主成分とする従来の共晶はんだに比べて、表面の拡散反射性が高くなる。一方、この検査装置では、係員による視認性の都合上、各光源から拡散する光の混合によって白色照明が施されるように、各光源の強度を調整するので、鉛フリーはんだのような拡散反射性を有する対象物を撮像すると、各色彩光の混合によって画像が白っぽくなったり、各色彩パターン間の境界が不明瞭になる、という現象が起きる。また上記の調整処理では、白色の拡散反射板を、その板面を水平方向に沿わせた状態で設置して、この反射板を撮像し、画像上の拡散反射面の色彩を参照しながら調整を行うため、この拡散反射板の設置状態に近いはんだの平坦面での赤色が特に視認しにくい状態となる。
【0009】
上記の検査装置では、検査のためのティーチング時には、モデルのはんだの画像を表示し、係員により各色彩パターンを抽出するための2値化しきい値や抽出された色彩パターンの適否を判別するための判定基準値などの設定を行う必要がある。しかしながら検査対象の鉛フリーはんだの画像において、上記のように各色彩の混合によって白っぽい画像が生成されたり、各色彩パターン間の境界が不明瞭になると、最適な2値化しきい値を目視により画像から判断するのが容易でなく、設定作業に時間がかかる、という問題が生じる。また上記の光学系は、目視方式の検査装置にも用いることができるが、各色彩パターン間の境界位置などにおける色彩の微妙な違いを確認するのが困難になると、各検査部位の良否を判別するのに時間がかかる。
【0010】
また、検査対象の鉛フリーはんだの拡散反射性が大きくなると、各色成分間の階調の差が小さくなり、検査精度を安定化させるのが困難になる虞がある。
【0011】
この発明は上記問題点に着目してなされたもので、鉛フリーはんだのような拡散反射性を持つ曲面体を検査対象とする場合にも、従来の検査装置と同様の照明装置、撮像装置を用いて、安定した検査を行うことができるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる曲面性状検査方法は、検査対象面に対する仰角が異なる複数の方向からそれぞれ異なる色彩光を照射した照明状態下で、前記検査対象面の曲面体からの反射光を撮像し、得られた画像を用いて前記曲面体の表面の状態を検査するものである。この発明にかかる検査方法では、検査に先立ち、前記各色彩光を照射した照明状態下で任意の傾斜角度を持つ拡散反射面を撮像したときに、この拡散反射面の画像において前記傾斜角度に対応する仰角方向からの光に応じた色彩が他の仰角方向からの光に応じた色彩よりも強くなるように、色彩を規定する各色成分の強度の調整倍率を決定しておく。そして検査時には、前記反射光を撮像して得られた画像中の曲面体像を含む画像領域において、各色成分の強度を前記調整倍率に基づいて調整し、調整処理後の前記画像領域内の各色彩の分布状態に基づき前記曲面体の表面の状態を検査するようにしている。
【0013】
ここでいう「検査対象面」とは、たとえば基板の表面であり、また「曲面体」として、基板上に形成されるはんだ付け部位を指すことができる。
異なる仰角の方向から照射される色彩光は、赤(R),緑(G),青(B)の三原色の光とするのが望ましいが、これに限らず、三原色以外の色彩光を照射してもよい。
【0014】
一般に、表示用のカラー画像は、R,G,Bの三原色を組み合わせることにより形成される。前記調整倍率による調整処理の対象となる各色成分は、各構成画素毎の色彩を表現するためのR,G,Bの要素であって、それぞれその強度を、ディジタル濃淡画像における階調、またはアナログ画像としての信号レベルにより表すことができる。
【0015】
「任意の傾斜角度を持つ拡散反射面」は、たとえば、前記した拡散反射板のような拡散反射性を持つ物体を、所定角度だけ傾斜させることによって設定することができる。なお、この拡散反射面は、各仰角方向からの色彩光について、それぞれその光に対する鏡面反射光を撮像装置に導くことが可能な角度範囲に順に設定するのが望ましい。
【0016】
「傾斜角度に対応する仰角方向からの光」とは、前記傾斜角度を持つ面を検出できる仰角方向からの光のことである。言い換えれば、前記拡散反射面を同様の傾斜角度を持つ鏡面に置き換えた場合に、撮像装置に鏡面反射光を導くことが可能な方向に配備された光源からの光と言うことができる。これらの光は、それぞれ個別の光源を用いて生成することができる。
たとえば前記図10の構成において、前記拡散反射面の傾斜角度がはんだの平坦面に対応する角度に設定されている場合には、「傾斜角度に対応する仰角方向からの光」は、赤色光となる。また傾斜角度がはんだの暖傾斜面に対応する角度に設定されている場合には、前記光は緑色光となり、同様に、傾斜角度がはんだの急傾斜面に対応する角度に設定されている場合には、前記光は青色光となる。
【0017】
前記各色成分の調整倍率を決定するための処理では、たとえば、拡散反射面を各色彩光の検出対象となる傾斜角度に順に設定しながら、傾斜角度毎に、各色彩光による照明状態下で撮像を行い、得られた拡散反射面の画像において、その傾斜角度に対応する仰角方向からの光に応じた色彩が他の仰角方向からの光に応じた色彩よりも強くなるように、各色成分の強度に対する倍率を調整する。この後は、傾斜角度の調整結果を総合することにより、最終的な調整倍率を決定することができる。
【0018】
上記の方法によれば、曲面体の画像に対し、それぞれその曲面体の傾斜面が鏡面である場合に優勢となる色彩を強調するような調整が行われるので、検査対象の曲面体の表面の拡散反射性が高く、各色彩間での強度の差が出にくい場合にも、表面が鏡面となる曲面体と同様に、傾斜角度に応じた色彩分布を得ることができる。よって、前記図10に示した従来と同様の光学系を用いて、曲面体の傾斜状態を精度良く反映したカラー画像を得ることができ、拡散反射性の高い曲面体についても、安定した検査を行うことが可能となる。
【0019】
なお、前記画像の強度の調整倍率を設定する方法として、前記拡散反射板を用いた方法に限らず、表面形状が既知の鉛フリーはんだを撮像し、この画像上において各光源に対応する傾斜面のパターンがそれぞれその光源に対応する色彩パターンとして現れるような調整倍率を決定してもよい。
【0020】
上記曲面性状検査方法の好ましい態様では、前記各色成分の強度の調整倍率は、前記反射光の撮像により生成されるアナログ画像信号をディジタル変換した後の濃淡画像データを対象として、色成分毎に決定される。この濃淡画像データは、コンピュータでの処理対象となる画像であり、たとえば、前記拡散反射面を各光源の検出対象となる傾斜角度に順に設定しながら、各光源を点灯させた状態下で撮像を行い、拡散反射面の画像において、その傾斜角度に対応する仰角方向からの光に応じた色彩が最も強くなるように、各色成分毎の階調に対する倍率を決定することができる。この場合、ティーチングや検査の際には、処理対象の曲面体の撮像によって生成されたアナログ画像信号がディジタル変換された後に、ディジタル濃淡画像データを構成する各色成分の階調が、それぞれ決定された調整倍率により調整されることになる。
【0021】
さらにこの発明の曲面性状検査方法の他の態様では、各色成分の強度の調整倍率は、前記反射光の撮像により生成されるアナログ画像信号を対象として、色成分毎に決定される。この調整倍率の決定処理は、たとえば撮像装置から画像処理装置に画像を取り込む際に、画像処理装置側でディジタル変換前の画像信号のゲインを調整することによって行われる。またこれに代えて、撮像装置側の出力ゲインを調整することもできる。
なお、この態様においても、調整倍率の決定に際しては、先の態様と同様に、拡散反射面の傾斜角度を各光源の配置方向に応じて順に変更しながら、拡散反射面の画像において、その傾斜角度に対応する仰角方向からの光に応じた色彩が最も強くなるように、ゲイン調整を行うのが望ましい。
【0022】
つぎにこの発明では、上記の方法に基づき、はんだの表面状態を自動判別する自動基板検査装置として、異なる色彩光を発光する複数の光源を検査対象の基板面に対してそれぞれ異なる仰角の方向に配備して成る照明手段と、前記基板からの反射光を撮像するための撮像手段と、前記照明手段の各光源を点灯させた状態で前記撮像手段により生成された画像を取り込む画像入力手段と、画像上の色彩を規定する各色成分の強度を調整するための調整倍率を記憶する記憶手段と、前記画像入力手段により取り込まれた入力画像中のはんだの画像を含む画像領域において、各色成分の強度を前記記憶手段内の調整倍率に基づき調整する処理を実行する画像調整手段と、前記強度調整処理後の前記画像領域における各色彩の分布状態に基づき、前記はんだの表面状態の良否を判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果を出力する出力手段とを具備する装置を提供する。
【0023】
前記照明手段には、たとえば色彩毎に異なる径を有するリング状の光源を設けることができる。複数の光源は、たとえば、赤(R),緑(G),青(B)の各色彩を発光する3種類の光源とすることができるが、これに限らず、三原色以外の色彩光を発光する光源や白色照明用の光源を含んでもよい。また、同じ色を発光するLEDのような発光素子を複数組み合わせることによって、1つの光源を構成してもよい。
【0024】
撮像手段は、複数の色成分毎の画像信号を生成可能なCCDカメラにより構成することができる。画像入力手段は、検査のための画像処理を行う装置本体内に組み込まれ、処理対象となる画像を生成するためのもので、前記撮像手段からの画像信号を増幅処理するための増幅回路や処理用のディジタル画像を生成するためのA/D変換回路を含む構成とすることができる。
なお、撮像手段は、アナログの画像信号を生成するものに限らず、ディジタルカメラであってもよい。この場合は、画像入力手段は、各色彩毎のディジタル画像データを個別に取り込むための入力ポートとして構成される。
【0025】
画像調整手段による強度調整処理において使用される記憶手段内の各色成分の強度の調整倍率は、前記照明手段の各光源を点灯させた状態で任意の傾斜角度を持つ拡散反射面を撮像したときに、この拡散反射面の画像において、前記傾斜角度に対応する仰角方向からの光に応じた色彩が他の仰角方向からの光に応じた色彩よりも強くなるように、色成分毎に決定される。
【0026】
前記調整倍率は、前記した検査方法と同様に、撮像により生成されるアナログ画像信号をディジタル変換した後の濃淡画像データを対象として決定することができる。前記画像調整手段は、強度調整処理用のプログラムを組み込んだコンピュータにより実現することができる。また、前記調整倍率を記憶する記憶手段として、このコンピュータのメモリを使用することができる。
【0027】
なお、前記画像調整手段による強度調整処理では、各種被検査部位のうちのはんだ付け部位に対してのみ、強度の調整を行うことができる。
【0028】
前記判別手段は、判別処理用のプログラムが組み込まれたコンピュータにより実現することができる。また出力手段は、判別結果を表示するための表示装置、または印字出力するための印刷装置として構成することができる。また、外部装置などに判別結果を送信するための通信回路や所定の記録媒体に判別結果を書き込む装置として構成することもできる。
【0029】
上記構成によれば、各色成分の強度調整によりはんだ表面の傾斜角度に応じた色彩分布が明確化された画像をもって、はんだの表面状態の良否を自動判定することができるので、鉛フリーはんだを検査対象とする場合にも、安定した検査を行うことができる。
【0030】
またこの発明では、係員に各被検査部位の良否判定を行わせる目視基板装置として、前記自動基板検査装置と同様の照明手段、撮像手段、画像入力手段、記憶手段、および画像調整手段と、前記強度調整処理後の画像を表示する表示手段と、前記表示手段により表示された画像中のはんだの画像について、良否の判断結果を示すデータの入力を受け付ける入力手段とを具備する基板検査装置を提供する。
【0031】
表示手段は、CRT,LCDなどによる表示装置、およびこの表示装置に調整処理後の画像を表示させるためのD/A変換回路やインターフェースなどにより構成される。入力手段は、マウス、キーボード、コンソールなどにより構成することができる。なお、この入力手段により入力された判断結果は、外部の装置などに出力したり、所定の記憶媒体に保存することができる。
【0032】
上記の基板検査装置によれば、検査対象のはんだについて、前記調整倍率による強度調整処理を経た画像が表示されるので、はんだの表面の傾斜状態に応じて明瞭化された色彩分布に基づき、はんだの表面状態の適否を目視により容易に判断することができ、はんだの目視検査を安定して行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施例にかかる基板検査装置の構成を示す。
この基板検査装置は、検査対象の基板を撮像して得た画像を処理して、前記基板上のはんだ付け部位などの良否を判別するためのもので、撮像部3,投光部4,制御処理部5,X軸テーブル部6,Y軸テーブル部7などにより構成される。なお、図中の1Tは、検査対象の基板(以下「被検査基板1T」という。)である。また1Sは、はんだ付け状態や部品の実装状態が良好な基準基板であって、検査に先立つティーチング時に用いられる。
【0034】
前記Y軸テーブル部7は、基板1S,1Tを支持するコンベヤ24を具備し、図示しないモータによりこのコンベヤ24を動かして、前記基板1S,1TをY軸方向に(図の紙面に直交する方向)に沿って移動させる。前記X軸テーブル部6は、Y軸テーブル部7の上方で、撮像部3および投光部4を支持しつつ、これらをX軸方向(図の左右方向)に移動させる。
【0035】
前記投光部4は、異なる径を有する3個の円環状光源8,9,10により構成される。これらの光源8,9,10は、それぞれ赤色光、緑色光、青色光の各色彩光を発光するもので、観測位置の真上位置に中心を合わせることにより、前記基板1S,1Tの支持面から見て、異なる仰角に対応する方向に位置するように配備される。
【0036】
前記撮像部3は、カラー画像生成用のCCDカメラであって、その光軸が各光源8,9,10の中心に対応し、かつ鉛直方向に沿うように位置決めされる。これにより観測対象である基板1S,1Tからの反射光が撮像部3に入射し、三原色のカラー信号R,G,Bに変換されて制御処理部5へ入力される。
【0037】
制御処理部5は、CPU11を制御主体とするコンピュータであって、画像入力部12,メモリ13,撮像コントローラ14,画像処理部15,XYテーブルコントローラ16,検査部17,ティーチングテーブル18,入力部19,CRT表示部20,プリンタ21,送受信部22,外部メモリ装置23などを構成として含む。
【0038】
画像入力部12は、撮像部3からのR,G,Bの各画像信号を増幅する増幅回路や、これら画像信号をディジタル信号に変換するためのA/D変換回路などを備える。メモリ13には、各色彩毎のディジタル量の濃淡画像データや、これら濃淡画像を2値化処理して得られる2値画像などを格納するための画像格納領域が設定されている。さらにこのメモリ13には、後記する強度調整処理のために、R,G,Bの各輝度値に対する調整倍率などが格納される。
【0039】
撮像コントローラ14は、撮像部3および投光部4をCPU11に接続するインターフェースなどを備え、CPU11からの命令に基づき投光部4の各光源の光量を調整したり、撮像部3の各色彩光出力の相互バランスを保つなどの制御を行う。
【0040】
XYテーブルコントローラ16は、前記X軸テーブル部6およびY軸テーブル部7をCPU11に接続するインターフェースなどを含み、CPU11からの指令に基づき、X軸テーブル部6およびY軸テーブル部7の移動動作を制御する。
【0041】
ティーチングテーブル18は、基板毎の検査用データを記憶するための記憶部である。このティーチングテーブル18には、種々の基板毎に、検査領域の設定位置および大きさ,この検査領域内でR,G,Bの各色彩パターンを抽出するのに必要な2値化しきい値(各色成分毎の2値化しきい値のほか、明度に対する2値化しきい値を含む。),抽出された色彩パターンにより良否判定を行うための基準値(色彩パターンの位置,大きさなどの特徴量毎に設定される。)などの検査情報をまとめた判定ファイルが格納される。これらの判定ファイルは、検査に先立ち、前記基準基板1Sを撮像して得られた画像を用いて係員により教示されるもので、検査時には、CPU11により読み出されてメモリ13などにセットされ、画像処理部15や検査部17などに供給される。
【0042】
画像処理部15は、メモリ13に格納されたR,G,Bの各画像データより、R,G,Bの各階調、およびこれら階調の総和により表される明度を画素単位で抽出する。さらに画像処理部15は、前記2値化しきい値を用いて各検査領域の画像データを順に2値化し、R,G,Bの各色彩パターンを抽出する。
【0043】
検査部17は、前記ティーチングテーブル18より判定基準値などの供給を受け、前記画像処理部15により抽出された各色彩パターンの特徴量を判定基準値と比較するなどして、はんだの形成位置,大きさ,形状などの良否を判定し、この判定結果を、CPU11に出力する。CPU11は、各検査領域毎の判定結果を総合して被検査基板1Tが良品か否かを判定する。この最終的な判定結果は、CRT表示部20やプリンタ21,あるいは送受信部22に出力される。
【0044】
前記入力部19は、検査のための各種条件や検査情報の入力などを入力するためのもので、キーボードやマウスなどにより構成される。CRT表示部20(以下、単に「表示部20」という。)は、CPU11から画像データ、検査結果、前記入力部19からの入力データなどの供給を受けて、これを表示画面上に表示する。またプリンタ21は、CPU11から検査結果などの供給を受け、これを予め定められた形式でプリントアウトする。
【0045】
送受信部22は、部品実装機,はんだ付け装置などの他の装置との間でデータのやりとりを行うためのもので、たとえば不良と判定された被検査基板1Tについて、その識別情報や不良の内容を後段の修正装置に送信することにより、不良箇所を速やかに修正することができる。外部メモリ装置23は、フレキシブルディスク,光磁気ディスクなどの記憶媒体にデータを読み書きするための装置であって、前記検査結果を保存したり、検査に必要なプログラムや設定データを外部から取り込むために用いられる。
【0046】
なお、上記構成において、画像処理部15および検査部17は、上記した各処理を実行するためのプログラムを組み込んだ専用のプロセッサにより構成される。ただし、必ずしも、専用のプロセッサを設ける必要はなく、メインの制御を行うCPU11に画像処理部15および検査部17の機能を付与するようにしてもよい。
【0047】
この実施例の基板検査装置では、基板面から見た仰角が5〜15°の範囲にある平坦面、15〜22.5°の範囲にある暖傾斜面、22.5〜37.5°の範囲にある急傾斜面が、それぞれR,G,Bによって検出されるように、各光源8,9,10の配置方向を設定している。
【0048】
またこの実施例では、各光源8,9,10からの光が混合されることによって白色照明が施されるように、白色の拡散反射板を用いて各光源8,9,10の光量を調整している。この調整は、前記拡散反射板を、その板面を水平方向に沿わせて設置した状態で撮像し、画像上の拡散反射面の色彩が実物と同じ白色になるように、各光源8,9,10の光量を調整することにより行われる。
【0049】
図2は、前記光量調整の完了した光源8,9,10による照明下で拡散反射板を撮像したときに得られるR,G,Bの各階調と前記拡散反射板の傾斜角度(図中、基板面からの仰角として示す。)との関係を示す。
前記した光量調整は、通常、拡散反射板を水平方向に設置した状態で行われるので、前記した平坦面に対応する傾斜角度では、この傾斜角度に対応するRの強度が他のG,Bの強度とほぼ同じ値になり、その結果、画像上には赤色のパターンが現れずに、白色の色彩パターンが現れるようになる。また暖傾斜面や急傾斜面でも、これらの面の傾斜角度に対応する色彩がわずかに優勢となるだけとなり、その結果、G,Bの各色彩パターンが白みがかった状態で現れるようになる。
【0050】
このような設定による光学系で鉛フリーはんだを観測すると、前記拡散板ほど顕著な状態は生じないものの、はんだ表面の拡散反射性により、いずれの傾斜面についても、R,G,Bの各色成分間における階調の差が小さくなる。この差の度合いは、はんだ表面の凹凸状態によってまちまちであるが、特に拡散反射性が高い場合には、画像上の白色成分が大きくなり、全体的に白っぽい画像が生成される。この種の装置では、ティーチング時には、表示された画像上で各色彩パターンに応じた色みを持つ画像領域を指定するなどして2値化しきい値を設定するが、このように画像が白っぽくなると、2値化しきい値に適した画像領域を見極めるのが困難となり、ティーチングの効率が低下する、という問題が生じる。また、各色成分間での階調の差が小さいと、検査精度を安定させるのが困難になる、という問題もある。
【0051】
そこでこの実施例では、鉛フリーはんだを検査対象とする場合には、各色成分の強度を傾斜角度に応じた調整倍率により調整する処理(以下、この処理を「強度調整処理」と呼ぶ。)や、各色成分の混合により生じる白色成分を取り除く処理(以下、この処理を「脱白処理」と呼ぶ。)を施すようにしている。そしてティーチング時には、これらの処理により調整された画像を表示して2値化しきい値や判定基準値の設定操作を受け付けて、検査情報を生成する。これに伴い、検査時にも、検査対象の画像に同様の調整を施し、この調整後の画像に前記2値化しきい値や判定基準値を適用して、はんだ付け部位の良否を判定するようにしている。
【0052】
以下、強度調整処理および脱白処理の詳細な内容について説明する。
強度調整処理では、各画素毎に、R,G,Bの各階調にそれぞれ所定の調整倍率を乗じることにより、画像を調整するようにしている。ここで使用される調整倍率は、たとえば図3に示すように、前記した拡散反射板30を各光源8,9,10の配置方向に対応する傾斜角度に順に設定しながら撮像して、各傾斜角度毎に得られる画像の階調を調整することによって決定することができる。また形状が既知のはんだ部位の画像を取り込んで、この画像上の各色彩パターンがこのはんだの形状に対応するように調整することによって決定してもよい。
【0053】
この実施例の基板検査装置では、前者の拡散反射板30を用いる方法によって、平坦面,暖傾斜面,急傾斜面の各面に対応する傾斜角度範囲(5〜15°,15〜22.5°,22.5〜37.5°の各範囲)において、それぞれこの角度範囲において優勢となるべき色成分の階調が他の色成分の階調よりも大きくなるように各色成分の調整倍率を設定したところ、Rの輝度値に対し1.07、Gの輝度値に対し1.03、Bの輝度値に対し1.00の各倍率を得た。図4は、この強度調整処理を行った後に、前記拡散反射板について得られる階調の特性を示すもので、平坦面に対応する角度範囲ではRが、暖傾斜面に対応する角度範囲ではGが、急傾斜面に対応する角度範囲ではBが、それぞれ他の色彩よりも優勢に現れている。
【0054】
上記の倍率は、各光源8,9,10の配置方向と各色彩による検出範囲との関係を維持するのに必要な設定値であるから、光源8,9,10の配置関係が変更されない限り維持されるのが望ましい。
たとえばRの輝度値に対する調整倍率のみが大きくなると、前記図4におけるRの階調の特性曲線が上方に移動するが、その結果、Rが優勢になる角度範囲が大きくなり、暖傾斜面側の一部にもRの色彩パターンが現れるようになり、各光源の配置方向と検出範囲との関係に狂いが生じてしまう。
【0055】
このようにして設定された調整倍率は、メモリ13などに保存され、以後、鉛フリーはんだを含む検査領域の画像を処理する都度、または係員の指定に応じて、入力した画像データに前記登録された調整倍率を用いた強度調整処理を実行することになる。
【0056】
つぎに脱白処理では、前記強度調整処理と同様に、処理対象の画像を構成するR,G,Bの各階調を画素単位で調整する。この実施例では、各色成分からそれぞれ3色の成分の混合によって生じた白色成分を除去する白色成分除去処理と、この白色成分除去によって低減した画像の明度を、各色成分間の強度の優劣関係を維持したまま、白色成分除去前の明度にまで回復させる強度補正処理とを続けて実行するようにしている。
【0057】
図5は、白色成分除去処理の原理を示す。
この白色成分除去処理では、前記強度調整処理後のR,G,Bの各色成分は、本来の鏡面反射光に対応する色成分に各色彩光の拡散反射に伴う白色成分が加えられたものであるという前提に立つ。
【0058】
すなわち白色成分除去処理前の各階調を(Rin,Gin,Bin)、白色成分除去処理後の各階調を(R,G,B)、本来の鏡面反射光に基づく階調を(R,G,B)、各色成分に含まれる白色成分の強さをCとする(以下、単に「白色成分C」という。)と、つぎの(1)式に示すように、白色除去処理後の各色成分は、本来の色成分に等しくなる。
【0059】
(R,G,B
=(Rin−C,Gin−C,Bin−C)
=(((R+C)−C),((G+C)−C),((B+C)−C))
=(R,G,B) ・・・(1)
【0060】
また白色成分は、R,G,Bの各色成分が等しい割合で混合することによって生じるものである。また観測対象の傾斜面の傾斜角度に対応しない色成分は出来るだけ取り除かれるのが望ましい。このような点に鑑み、この実施例では、R,G,Bの各階調のうちの最小値を前記白色成分Cとして抽出し、R,G,Bの各輝度値からこの最小の輝度値Cを差し引くようにしている。
【0061】
ここで代表的な色相の算出定義であるHSI変換に基づき、処理後の色成分(R,G,B)の示す色相Hを求めると、(2)式に示すように、この色相Hは、白色成分除去処理前の色成分(Rin,Gin,Bin)の示す色相Hinと同じ値になることがわかる。
【0062】
【数1】
Figure 0003622749
【0063】
つぎに強度の補正処理においては、明度がR,G,Bの各輝度値の総和によって表される点に着目して、前記白色成分除去処理を行う前の明度Linおよび処理後の明度Lを用いて、つぎの(3)式に示すように処理後の各色成分(R,G,B)を倍増し、その結果を最終の調整処理画像の色成分(Rout,Gout,Bout)として決定する。
【0064】
【数2】
Figure 0003622749
【0065】
なお、上記の処理によって求めた最終の色成分(Rout,Gout,Bout)によれば、(4)式に示すように、調整処理後の画像の明度Loutは、白色成分除去処理前の画像の明度Linと等しくなる。
【0066】
【数3】
Figure 0003622749
【0067】
このように、2段階の処理によって、処理前の画像の色相および明度を維持したまま、拡散した各色成分の混合によって生じた白色成分を取り除くことができるので、前記した平坦面,暖傾斜面,急傾斜面の各面に対応する角度範囲について、それぞれR,G,Bの色成分を明瞭にした画像を示すことができる。
【0068】
なお、上記した強度の補正処理では、処理前の明度と処理後の明度との比率に基づき、各色成分を均等な割合で倍増しているが、これに代えて、図6のような方法による補正を行ってもよい。
【0069】
図6の例では、この白色除去処理後の各色成分のうち、最も大きい成分(図示例ではR)に対して、所定の値2aを加算するとともに、つぎに大きい成分(図示例ではG)に対し、前記Rへの加算値の半分の値aを加えている。
ここで加算値の1単位となるaを、前記白色成分除去処理において除去した白色成分Cの値とすれば、つぎの(5)式に示すように、白色成分除去処理において除かれた3C分の明るさが復活することになり、先の各色成分を倍増する方法と同様に、処理前の画像の明度を維持することができる。
【0070】
Figure 0003622749
【0071】
図7は、前記基板検査装置におけるティーチング時の手順を示す。なお、この図7および以下の説明では、各処理のステップを「ST」と示す。
ティーチング時には、まず係員が入力部19を操作して教示対象とする基板名や基板のサイズなどを登録した後、前記基準基板1SをY軸テーブル部7上にセットし、前記投光部4による照明下で撮像を開始する(ST1)。この処理により、R,G,Bの各画像信号が画像入力部12に取り込まれた後、ディジタル変換処理が施され、前記メモリ13内に処理対象のカラー濃淡画像データが入力される。またここで入力されたカラー画像は、前記表示部20に表示される。
【0072】
係員は、所定の被検査部位に撮像部3および投光部4を位置決めして撮像を行い、得られた画像に対し、マウスなどを用いて検査領域を指定する。この指定操作を受けて、CPU11は、ST2に進み、前記検査領域の設定位置および大きさを取り込んでメモリ13内に一時保存する(ST2)。さらにつぎのST3では、前記検査領域内の各画素につき、それぞれR,G,Bの各階調を抽出する。
【0073】
一方、係員は、前記検査領域がはんだ部位を含むものである場合には、その旨を示す識別情報を前記検査領域の設定操作に続いて入力する。この識別情報の入力によって、ST4が「YES」となり、前記検査領域内の各画素につき、それぞれ前記した強度調整処理,白色成分除去処理,強度補正処理が順に実行される(ST5〜7)。
【0074】
なお、ここには図示していないが、前記ST5〜7の処理が行われると、前記表示部20では、検査領域に対応する表示が前記した最終調整処理後の階調(Rout,Gout,Bout)による画像に切り替えられる。つぎに係員は、この画像を参照しながらはんだ付け部位を示す各色彩パターンを抽出するのに最適な2値化しきい値を入力すると、CPU11は、この設定値を取り込み、前記検査領域の設定データ(位置や大きさ)に対応づけて前記メモリ13に保存する(ST8)。さらにST9では、これら2値化しきい値により抽出された各色彩パターンからはんだの面積,形状,位置などが計測され、これら計測値に基づき、前記判定処理のための基準値が設定される。
【0075】
以下、同様に、基板上の被検査部位が順に撮像され、検査領域の設定が行われた後、2値化しきい値や判定基準値の設定のための一連の処理が実行される。なお、はんだ付け部位以外の被検査部位については、前記した識別情報の入力が行われないので、ST4が「NO」となってST5〜7の処理がスキップされ、入力された画像をそのまま用いての設定処理が行われる。
【0076】
このようにしてすべての被検査部位にかかる設定が終了すると、ST10が「YES」となり、ST11で、各被検査部位についてメモリ13に一時保存された検査情報により判定データファイルが作成され、ティーチングテーブル18に保存される。なお、この判定データファイルでは、前記はんだ付け部位の検査領域として指定された検査領域には、識別用のフラグが設定される。
【0077】
図8は、基板検査装置における自動検査の手順を示す。なお、この図では、各ステップをST21以降の符号で示す。またこの図8の手順は、1枚の基板に対して行われるもので、被検査基板の数に応じて繰り返されることになる。
【0078】
この検査に先立ち、係員は、被検査基板1Tの種類を基板名などにより指定する。CPU11は、この指定に応じてティーチングテーブル18より前記被検査基板1Tに対応する判定データファイルを読み出してメモリ13内にセットする。この状態下で検査開始操作が行われると、最初のST21で、被検査基板1TがY軸テーブル部7に搬入され、撮像が開始される。
【0079】
つぎにCPU11は、前記判定データファイル内の検査領域の設定データに基づき、最初の被検査部位に撮像部3および投光部4を位置決めして、前記被検査部位の画像を生成し、その画像上に検査領域を設定する。ここでこの検査領域に前記した識別用のフラグが設定されている場合には、ST23が「YES」となり、以下、強度調整処理,白色成分除去処理,強度補正処理を順に行って、前記検査領域内の画像データを調整する(ST24〜26)。
【0080】
この後、ST27では、前記2値化しきい値に基づき、検査領域内の濃淡画像を2値化し、R,G,Bの各色彩パターンを抽出する。さらにつぎのST28では、抽出された各色彩パターンを用いて、はんだの面積,形状,位置などを計測し、この計測結果を前記判定基準値と比較することによって、はんだ付け部位の良否を判定する。
【0081】
以下、同様に、判定データファイル内の設定データに基づき、各被検査部位が順に撮像されて検査領域が設定された後、その領域内の画像データに基づき、被検査部位の良否が判定される。なお、はんだ付け部位以外の検査領域については、前記ST23の判定が「NO」となってST24〜26の処理がスキップされ、入力画像をそのまま使用して2値化処理や判定処理が行われることになる。
【0082】
すべての被検査部位に対する判定処理が終了すると、ST29が「YES」となり、以下、ST30〜32において、各被検査部位に対する判定結果に基づき、被検査基板1Tについて、良品または不良品のいずれかの判定処理が行われる。さらに、ST33で、この判定結果を出力し、前記被検査基板1Tに対する検査を終了する。
【0083】
上記したように、この実施例の基板検査装置では、鉛フリーはんだが搭載された基板を検査対象とする場合に、強度補正処理により画像上の平坦面,暖傾斜面,急傾斜面についてそれぞれその面に応じた色成分が他の色成分よりも大きくなるように調整するとともに、脱白処理により各色成分にかかる白みを除去するようにしたので、はんだの各斜面をR,G,Bの各色彩により明瞭に表すことができる。よってティーチング時には、この調整処理後の画像から2値化しきい値を設定するのに適した部分を迷わずに読み取ることができ、2値化しきい値や判定基準値の設定を効率良く行うことができる。さらに、検査においても、同様の調整処理が行われた画像に前記2値化しきい値や判定基準値を適用して、安定した検査を行うことができる。
【0084】
また、この実施例の基板検査装置は、ハードウェアの面では従来の装置と同様であるから、既存の装置においても、前記強度調整処理のための調整倍率を設定するとともに、図7や図8の処理のためのプログラムを組み込むことによって、鉛フリーはんだの検査を安定して行うことが可能となる。
【0085】
なお、鉛フリーはんだでは、はんだの冷却速度によって表面の凹凸状態にばらつきが生じるので、この凹凸状態の度合いが小さい場合には、脱白処理を行わなくとも、各色彩パターンを識別するのに十分な画像を得ることができる。
【0086】
さらに上記の実施例の強度調整処理では、ディジタル変換後の画像の階調を色成分毎に調整するようにしているが、これに代えて、画像入力部12または撮像部3のアナログ画像信号の出力ゲインを調整するようにしてもよい。この場合も、前記の拡散反射板30を各光源8,9,10に対応する傾斜角度範囲に順に設定しながらゲインを調整する方法によって、最適なゲインを設定することができる。
【0087】
図9は、画像入力部12に対し、Rの画像信号に対するゲインを調整する場合の手順を示す。なお、この手順においては、各ステップを「st」として示す。この図9は、原則として、装置の制作者側の係員が制御処理部5の機能を利用しながら実施する手順を示したもので、まず最初のst1では、前記した平坦面の定義に基づき、拡散反射板を5°傾けた状態に設定する。
【0088】
つぎのst2では、この状態下で前記各光源8,9,10による照明下で撮像を行う。撮像された画像が表示部20に表示されると、係員は、この表示画面上で拡散反射板に対応する画像領域を指定する。これに応じて制御処理部5は、この画像領域におけるR,G,Bの各階調を算出し、表示部20に表示する。係員は、st3で、この表示を確認し、R,G,Bの各階調を比較するが、ここでRの階調がGやBの階調より小さいか、またはGやBの階調と同様の値であれば、st4からst5に進み、入力部19の操作などにより前記画像入力部12のRの画像信号に対するゲインを調整する。
【0089】
上記の調整は、Rの階調がG,Bの各階調より大きくなるまで続けられる。最終的に、Rの階調がG,Bの各階調より大きくなるような調整がなされると、st6からst1に戻って、拡散反射板の傾きを変更し、同様の処理を繰り返す。このようにして、前記平坦面に対応する5〜15°の傾斜角度範囲において、常にRの階調がG,Bの各階調よりも大きくなるように、Rの画像信号のゲインを調整し、処理を終了する。
【0090】
さらに暖傾斜面に対応する15〜22.5°の角度範囲、および急傾斜面に対応する22.5〜37.5°の角度範囲についても、図9と同様の手順を実行して、それぞれG,Bの輝度値が他の輝度値よりも大きくなるように、G,Bの各画像信号のゲイン調整を行うことになる。
なお、撮像部3の出力ゲインを調整する場合には、カメラ側のゲイン調整用のつまみを操作しながら上記と同様の手順を実行すれば良いので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0091】
このようにアナログの画像信号のゲインを調整する方法によっても、はんだ表面の傾斜角度に合わせてR,G,Bの各色成分の強度を調整することができ、鉛フリーはんだ上での拡散反射の影響を軽減して、表面状態に応じた色彩パターンを出現させることができる。なお、アナログの画像信号のゲインを調整する場合には、前記した輝度調整の場合のようにはんだ付け部位のみを調整することはできず、画像全体が同様に調整される。しかしながらはんだ付け部位以外の検査部位についても、表面の傾斜角度に応じた色成分が強められる調整がなされるだけであるので、係員が良好な状態下で現れる色彩パターンを認識すれば、ティーチング時の設定や検査に支障が生じる虞はない。
【0092】
また、このような調整は、この実施例と同様の光学系を具備する従来の装置においても、適宜実行することができるので、鉛フリーはんだの検査を安定して実行できるような環境設定を、簡単に行うことができる。
【0093】
【発明の効果】
上記したように、この発明では、異なる色彩光を発光する複数の光源がそれぞれ異なる仰角の方向に配備された照明系を用いて鉛フリーはんだのような拡散反射性を持つ曲面体の表面状態を検査する場合に、あらかじめ設定された調整値に基づき、各光源の配置方向に対応する傾斜面がそれぞれ前記光源に対応する色彩が優勢となるパターンとして現れるように画像を調整したから、従来と同様の構成の照明装置や撮像装置を用いて、曲面体の表面状態を安定して検査することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる基板検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】光源の光量調整後に拡散反射板の画像について得られる階調の特性を示すグラフである。
【図3】強度調整処理に使用される調整倍率の設定方法を示す説明図である。
【図4】強度調整処理後に拡散反射板の画像について得られる階調の特性を示すグラフである。
【図5】白色成分除去処理の一方法を示す説明図である。
【図6】強度補正処理の一方法を示す説明図である。
【図7】ティーチング時の手順を示すフローチャートである。
【図8】検査時の手順を示すフローチャートである。
【図9】強度調整処理をアナログ信号の出力ゲインの調整により行う場合の手順を示すフローチャートである。
【図10】基板検査装置の光学系の構成および認識処理の原理を示す説明図である。
【図11】図10の光学系による認識処理の原理を示す説明図である。
【図12】図10の光学系により得られるはんだの画像上での階調の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1S,1T 基板
2 はんだ
3 撮像部
4 投光部
5 制御処理部
8,9,10 光源
11 CPU
12 画像入力部
13 メモリ
15 画像処理部
20 CRT表示部

Claims (5)

  1. 検査対象面に対する仰角が異なる複数の方向からそれぞれ異なる色彩光を照射した照明状態下で、前記検査対象面の曲面体からの反射光を撮像し、得られた画像を用いて前記曲面体の表面の状態を検査する方法において、
    検査に先立ち、前記各色彩光を照射した照明状態下で任意の傾斜角度を持つ拡散反射面を撮像したときに、この拡散反射面の画像において前記傾斜角度に対応する仰角方向からの光に応じた色彩が他の仰角方向からの光に応じた色彩よりも強くなるように、各色成分の強度の調整倍率を決定しておき、
    前記反射光を撮像して得られた画像中の曲面体像を含む画像領域において、各色成分の強度を前記調整倍率に基づいて調整し、調整処理後の前記画像領域内の各色彩の分布状態に基づき前記曲面体の表面の状態を検査することを特徴とする曲面性状検査方法。
  2. 請求項1に記載された曲面性状検査方法において、
    前記各色成分の強度の調整倍率は、前記反射光の撮像により生成されるアナログ画像信号をディジタル変換した後の濃淡画像データを対象として、色成分毎に決定されることを特徴とする曲面性状検査方法。
  3. 請求項1に記載された曲面性状検査方法において、
    前記各色成分の強度の調整倍率は、前記反射光の撮像により生成されるアナログ画像信号を対象として、色成分毎に決定されることを特徴とする曲面性状検査方法。
  4. 異なる色彩光を発光する複数の光源を検査対象の基板面に対してそれぞれ異なる仰角の方向に配備して成る照明手段と、
    前記基板からの反射光を撮像するための撮像手段と、
    前記照明手段の各光源を点灯させた状態で前記撮像手段により生成された画像を取り込む画像入力手段と、
    画像上の色彩を規定する各色成分の強度を調整するための調整倍率を記憶する記憶手段と、
    前記画像入力手段により取り込まれた入力画像中のはんだの画像を含む画像領域において、各色成分の強度を前記記憶手段内の調整倍率に基づき調整する処理を実行する画像調整手段と、
    前記強度調整処理後の前記画像領域における各色彩の分布状態に基づき、前記はんだの表面状態の良否を判別する判別手段と、
    前記判別手段による判別結果を出力する出力手段とを具備し、
    前記色成分の強度の調整倍率は、前記照明手段の各光源を点灯させた状態で任意の傾斜角度を持つ拡散反射面を撮像したときに、この拡散反射面の画像において、前記傾斜角度に対応する仰角方向からの光に応じた色彩が他の仰角方向からの光に応じた色彩よりも強くなるように、色成分毎に決定されることを特徴とする基板検査装置。
  5. 異なる色彩光を発光する複数の光源を検査対象の基板に対してそれぞれ異なる仰角の方向に配備して成る照明手段と、
    前記基板からの反射光を撮像するための撮像手段と、
    前記照明手段の各光源を点灯させた状態で前記撮像手段により生成された画像を取り込む画像入力手段と、
    画像上の色彩を規定する各色成分の強度を調整するための調整倍率を記憶する記憶手段と、
    前記画像入力手段により取り込まれた入力画像中のはんだの画像を含む画像領域において、各色成分の強度を前記記憶手段内の調整倍率に基づき調整する処理を実行する画像調整手段と、
    前記強度調整処理後の画像を表示する表示手段と、
    前記表示手段により表示された画像中のはんだの画像について、良否の判断結果を示すデータの入力を受け付ける入力手段とを具備し、
    前記色成分の強度の調整倍率は、前記照明手段の各光源を点灯させた状態で任意の傾斜角度を持つ拡散反射面を撮像したときに、この拡散反射面の画像において、前記傾斜角度 に対応する仰角方向からの光に応じた色彩が他の仰角方向からの光に応じた色彩よりも強くなるように、色成分毎に決定されることを特徴とする基板検査装置。
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