JP3622328B2 - 温水床暖房装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内の床に温水を循環させて暖房を行なうようにした温水床暖房装置ならびにその試運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の温水床暖房装置においては、室内への放熱器の設置や、この放熱器と熱源機との間の配管、あるいは、前記放熱器に対応して室内に設置されているリモートコントローラと熱源機との間の制御信号用の配線等を行なった後に、暖房用水の循環路内への水張りや動作確認のための試運転を行なうようにしており、その試運転方法の一例が、たとえば特開平6−323555号公報において提案されている。
【0003】
この提案に係る試運転方法は、熱源機内の暖房用水タンクに貯留されている暖房用水の水位変化を検出したり、熱源機から放熱器へ供給される暖房用水温度と、放熱器から熱源機へ戻される暖房用水温度との温度差を検出することにより、暖房用水の循環路内への水張りや、放熱器への暖房用水の循環状態を検査するようにしたものである。
【0004】
しかしながら、このような試運転方法であると、試運転時の運転状態の判定媒体として、循環路内を循環させられる暖房用水を用い、この暖房用水の状態変化によって試運転の合否の判定を行なっており、かつ、この判定を熱源機側のみで行なっていることから、実際の室内における温度変化との関連がなく、擬似的な試運転となっている。
【0005】
そして、前記放熱器が熱源機に対して複数並列的に接続されて、これらの放熱器を個々に試運転する場合、前述したように、判定を熱源機側のみで行なっており、かつ、熱源機における暖房用水の供給部と回収部が共通であることから、試運転の対象として指定した放熱器以外の放熱器へ暖房用水が供給されたとしても、判別がつかないといった不具合も生じている。
【0006】
したがって、放熱器への配管や暖房用水供給制御用の熱動弁への配線が正当に行なわれていることが試運転の条件となり、施工後における誤配管や誤配線の検出はできない。
【0007】
そして、放熱器を含む暖房用水循環路への水張り操作を完了した後に、この循環路内へ加熱した暖房用水を循環させ、室内の床面温度が所定時間内に所定温度まで上昇した時に試運転合格と判定し、また、所定時間内に所定温度まで上昇しなかった場合に試運転不合格とすることも考えられる。
【0008】
これによって、実際の床温度を制御因子として制御手段へフィードバックすることにより、室内の実際の暖房状態に即した試運転が可能となり、また、放熱器を複数設ける場合において誤配管や誤配線があっても、試運転の対象となっている放熱器の温度変化が直接検出されることにより、前述した誤配管や誤配線の有無を検出できるといった利点が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した後者の温水床暖房装置においても、なお、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
【0010】
すなわち、複数の放熱器を含む暖房用水循環路への水張り操作を完了した後に、この循環路内へ加熱した暖房用水を循環させ、室内の床面温度が所定時間内に所定温度まで上昇したときに試運転合格と判定しているが、誤配管や誤配線がある場合には、所定時間内(たとえば50分)に、所定温度まで上昇しないときに試運転不合格と判定していることから、誤配管や誤配線と判定するまでに長時間を必要とし、非常に効率の悪い異常判定であった。
【0011】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、施工終了時やシーズン初め等の試運転の合否判定を確実かつ短時間で行なえるようにした温水床暖房装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の温水床暖房装置は、前述した課題を解決するために、室内の床面に設置された複数の放熱器へ暖房用水を供給する熱源機と、前記各々の放熱器に対応して前記室内に設置され前記熱源機の作動を制御するリモートコントローラと、それぞれのリモートコントローラに取り付けられるとともに、前記床面の温度を検出する床温検出器と、試運転時において、前記床温検出器からの検出信号に基づき、前記床面温度が設定温度に至ったか否かを判定することにより、試運転の合否を判定する試運転合否判定手段とを備え、この試運転合否判定手段には、一つの床温検出器による試運転開始時の初期床温を検出記憶し、この床温検出器の接続されていない他のリモートコントローラの試運転中において、前記初期床温より所定以上の床温上昇を検出した場合に異常と判定する異常検知手段が設けられていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の請求項1に係わる一実施形態について図1ないし図6に基づき説明する。
図1は、本実施形態のシステム構成図であり、図1において符号1は、本実施形態に係わる温水床暖房装置を示す。
この温水床暖房装置1は、室内へ設置される放熱器としての複数の温水マット2(2a・2b)と、これらの温水マット2へ暖房用水を供給するとともに、この暖房用水の加熱を行なう熱源機3と、この熱源機3に設けられ、前記暖房用水を圧送する温水ポンプ4と、この温水ポンプ4と各温水マット2とを接続し、前記温水ポンプ4によって圧送される暖房用水を前記各温水マット2へ導く暖房用水供給管5(5a・5b)と、前記各温水マット2と熱源機3とを接続し、各温水マット2から排出される熱交換済みの暖房用水を前記熱源機3へ戻す暖房用水戻し管6と、前記各暖房用水供給管5の途中に設けられて、各温水マット2へ供給される暖房用水量を調整・制御する熱動弁7(7a・7b)と、前記各温水マット2に対応して設けられ、床温度の設定等を行なうリモートコントローラ8(8a・8b)とによって概略構成されている。
【0014】
詳述すれば、前記熱源機3は、図2に示すように、暖房用水を加熱するバーナー(図示略)へ供給する燃焼ガスの供給量を調整するガス弁9および前記バーナーへ点火する点火器10とが、前記複数の熱動弁7(7a・7b)および温水ポンプ4とともに接続されている。
【0015】
また、熱源機3には、前記ガス弁9と点火器10との作動を制御する燃焼制御回路11が設けられているとともに、前記熱動弁7(7a・7b)と温水ポンプ4の作動を制御するドライバ12が設けられ、さらに、これらの燃焼制御回路11とドライバ12へ制御信号を出力するマイクロコンピュータ13が設けられ、このマイクロコンピュータ13には、温水床暖房装置1の試運転を行なうための試運転スイッチ14と、前記リモートコントローラ8(8a・8b)との信号の送受信を行なう通信回路15とが接続されている。
【0016】
前記リモートコントローラ8は、図3に示すように、その操作パネル上に種々の表示を行なう表示部16が設けられているとともに、時刻設定キー17、プログラム時刻設定キー18、温度設定キー19、運転・停止キー20、プログラム設定キー21、時刻合わせキー22等の各種操作キーが設けられ、また、室温を検出するための室温検出器としての室温サーミスタ23と、後述する床温検出器としての床温サーミスタ24が接続されるコネクタ25が設けられている。
【0017】
前記床温サーミスタ24は、図4に示すように、上部には内部に水が充填される樹脂製の容器26の下部に設けた断熱材26bの下面略中央に設けられている。
【0018】
また、前記容器26には、内部に水を充填する注水管26aが設けられており、この注水管26aは、その端部開口部に着脱自在に装着されるキャップ26cによって開閉させられるようになっている。
【0019】
このように、床温サーミスタ24は、断熱材26bにより床F以外からの熱的な影響が作用することが抑制され、また、容器26内に充填される水の重量によって床面に密着させられるように構成されている。
【0020】
さらに、床温サーミスタ24には、前記容器26を貫通する信号線27の一端が接続され、この信号線27の他端部に設けられているプラグ28が前記リモートコントローラ8のコネクタ25へ着脱自在に取り付けられることによって、前記床温サーミスタ24がリモートコントローラ8へ着脱可能に接続されるようになっている。
【0021】
また、前記表示部16は、7セグメント型のLCDからなる現在時刻表示部29と、プログラム時刻表示部30と、平板状のLCDからなる設定温度表示部31とによって構成されている。
【0022】
一方、前記リモートコントローラ8の内部には、図2に示すように、マイクロコンピュータ32と、前記熱源機3との信号の送受信を行なう通信回路33が組み込まれており、前記マイクロコンピュータ32には、温水床暖房装置1の試運転時において、前記床温サーミスタ24からの検出信号に基づき、前記床面温度が設定温度に至ったか否かを判定することにより、試運転の合否を判定する試運転合否判定手段34が設けられている。
【0023】
そして、前記試運転合否判定手段34には、ある一つのコントローラが接続されている放熱器の試運転開始時の初期床温を検出記憶し、試運転の対象となっているリモートコントローラ8以外のリモートコントローラ8において、前記初期床温より所定以上の床温上昇を検出した場合に異常と判定する異常検知手段35が設けられている。
【0024】
ついで、このように構成された本実施形態に係わる温水床暖房装置1の運転方法について説明する。
まず、通常運転について、図5に示す処理フローに基づいて説明すれば、この通常運転は、リモートコントローラ8の運転・停止キー20が操作されることによって開始されるが、通常運転の処理が開始されると運転のON信号の有無が確認され(ステップS1)、ON信号がない場合にはステップS2へ移行し、リモートコントローラ8から熱源機3へ運転停止信号が出力されて、熱源機3において、前記運転停止信号に基づいて、ドライバ12へ制御信号が出力されることにより、該当する熱動弁7が閉じられて、温水マット2への暖房用水の供給が停止される。
【0025】
また、ステップS1において運転ON信号の確認がなされると、ステップS3へ移行し、運転ON信号が第1回目であるか否かが判断され、1回目である場合には、つぎのステップS4へ移行し、1回目でない場合にはステップS5へ移行する。
【0026】
前記ステップS4に移行すると、リモートコントローラ8において、熱源機3への運転ON信号の送信が行なわれるとともに、室温サーミスタ23から得られる室温情報と、温度設定キー19によって設定された設定温度情報とから熱動弁7のON−OFF時間が算出されるとともに、前記熱源機3へ熱動弁ON信号が送信され、同時に、熱動弁ONタイマがセットされた後に、ステップS5へ移行する。
【0027】
このステップS5においては、熱動弁7がON中であるか否かが判断され、ONである場合には、ステップS6へ移行して、ステップS4においてセットされた熱動弁ONタイマが終了したか否かが判断され、終了の場合にはつぎのステップS7へ移行し、熱動弁OFF信号が熱源機3へ送信されるとともに、この熱源機3のマイクロコンピュータ13からドライバ12へ制御信号が出力されることにより、前記熱動弁7が閉止され、温水マット2への暖房用水の供給が停止されるとともに、熱動弁OFFタイマがセットされた後に、ステップS1以降の処理へ移行する。
【0028】
また、ステップS5において熱動弁7がOFFであると判断された場合には、ステップS8へ移行して、前記ステップS7においてセットされた熱動弁OFFタイマが終了したか否かが判断されて、終了前である場合には、ステップS1以降の処理を繰り返し、また、熱動弁OFFタイマが終了している場合には、つぎのステップS9において前記ステップS4と同様にして熱動弁7のON−OFF時間が算出されるとともに、熱源機3へ熱動弁ON信号が出力され、同時に、熱動弁ONタイマがセットされた後にステップS1以降の処理が繰り返される。
【0029】
このように通常運転時においては、所定時間(たとえば20分)を1サイクルとして、その1サイクル中で熱動弁7が設定されたON−OFF時間でON−OFFされることにより、室内への温水供給量が制御されて、室温が設定温度となるように制御される。
【0030】
そして、熱動弁7のON時間は、設定温度と室内温度との差に応じて3〜20分(連続ON)の範囲で可変制御される。
【0031】
このような通常運転は、各リモートコントローラ8と熱源機3との間の信号の送受信に基づき行なわれるもので、各温水マット2(2a・2b)が相互に独立して運転される。
【0032】
ついで、試運転方法について説明すれば、この試運転は、熱源機3に設けられている試運転スイッチ14がONとなされることによって開始されるが、試運転の開始に先立って、熱源機3のマイクロコンピュータ13からドライバ12へ制御信号が出力され、熱動弁7の一つがONとなされるとともに、温水ポンプ4が駆動されることにより、開放された熱動弁7に対応する温水マット2へ未加熱の暖房用水が供給されて水張りが行なわれ、全温水マット7に対する水張り操作が完了した時点で、前記熱源機3から選択された一つのリモートコントローラ8へ、「試運転モード信号」、「水張り完了信号」、および、「試運転ON信号」が送出されるとともに、熱源機3におけるバーナが点火されて暖房用水が所定温度に加熱され、かつ、選択されたリモートコントローラ8に対応した熱動弁7へ駆動信号が送出されて、この熱動弁7がONとなされるとともに、この熱動弁7が接続されている温水マット2へ加熱された暖房用水が供給される。
【0033】
このような初期動作が完了した後に、前記各信号を受信したリモートコントローラ8において試運転が開始されるもので、図6に示す処理フローを参照して、本発明の試運転方法について説明する。
【0034】
この試運転は、温水床暖房装置1の全体を制御するメインルーチン内にサブルーチンとして設けられているもので、この試運転が開始されると、まず、ステップS11において試運転モード信号の有無が判定されることにより試運転モードであるか否かの判断がなされ、試運転モードでない場合には、ステップS12へ移行して通常運転処理が行なわれ、試運転モードである場合にはステップS13へ移行する。
【0035】
このステップS13においては、試運転完了フラグの有無が確認され、試運転完了フラグがある場合にはメインルーチンへ戻る。
【0036】
また、ステップS13において、試運転完了フラグがないと判定された場合には、ステップS14へ移行して、ステップS11において確認された試運転モード信号の受信が1回目であるか否かの判断がなされ、1回目である場合に、ステップS15へ移行して、床温サーミスタ24によって検出されている現在の床温TY0が第1の基準値TY1として退避(記憶)された後にステップS16へ移行し、前記ステップS14において試運転モードが1回目でないと判断された場合には、ステップS14から直接ステップS16へ移行する。
【0037】
このステップS16においては、熱源機3から当該温水マット2への水張り完了を示す水張り完了信号が受信されているか否かの判定が行なわれ、水張り完了信号が受信されていることを条件としてつぎのステップS17へ移行し、熱源機3から当該温水マット2に対する試運転ON信号が受信されているか否かの判定が行なわれる。
【0038】
このステップS17において試運転信号が受信されていると判定された場合には、床温サーミスタ24において検出されている現在床温TY0が、第2基準床温TY2として格納(記憶)された後につぎのステップS18へ移行する。
【0039】
このステップS18においては、床Fの温度が、設定温度+TAに至ったか否かにより合格判定が行なわれる。
【0040】
床温度TY0が、設定温度(前記TY2)+TAまで上昇したことによって試運転合格と判定されるが、前記TAは、たとえば5(℃)に設定され、試運転開始時の床温(すなわち前記TY2)が20℃の場合、床温が25℃に達した時点で試運転合格と判定される。
【0041】
そして、このステップS18において床Fの温度が設定温度+TAに至ったと判定された場合には試運転合格として、試運転を完了すべく次のステップS19へ移行し、このステップS19において、試運転完了フラグがセットされるとともに、試運転OKデータ(試運転正常終了データ)が熱源機3へ送出された後にメインルーチンへ戻る。
【0042】
この試運転OKデータが熱源機3において受信されると、つぎの試運転の対象となる温水マット2に対応したリモートコントローラ8へ試運転を指示する信号が出力されることにより、各温水マット2に対する試運転が順次行なわれる。
【0043】
一方、前記ステップS18において床温度TY0が設定温度+TAに到達していないと判定された場合には、ステップS20へ移行して、試運転開始から所定時間(たとえば50分)経過したか否かの判定がなされ、経過前である場合には、測定操作を継続すべくメインルーチンへ戻り、また、所定時間が経過したと判定された場合には、ステップS21へ移行してエラー処理が行なわれる。
【0044】
ここで、所定時間経過しても床温度TY0が設定温度+TAに到達しない状況においては、熱源機3から供給される暖房用水が、試運転の対象となっている温水マット2以外の温水マット2へ供給されていること、あるいは、試運転の対象となっている温水マット2に対応していないリモートコントローラ8との間で信号の送受信を行なっていること等の原因が考えられ、前者の場合には誤配管、また、後者の場合には誤配線として判定されて、それらの情報が、ステップS21において熱源機3へ送信されるとともに、この熱源機3に保存され、かつ、当該温水マット2に対する試運転が停止させられた後に、前記熱源機3からつぎの試運転の対象となる温水マット2に対応したリモートコントローラ8へ試運転を開始する信号が送信されて、つぎの温水マット2の試運転が行なわれる。
【0045】
一方、前記ステップS17からステップS18へ移行する間に格納される第2基準室温TR2および第2基準床温TY2は、ステップS15において格納した値を兼用することも可能である。
【0046】
さらに、前記ステップS16において水張り完了信号が受信されていないと判定された場合、および、ステップS17において試運転ON信号が受信されていないと判定された場合には、ステップS22へ移行して、前回が試運転ON信号を受信した状態であったか否かが判定され、受信状態であった場合にはステップS23へ移行し、受信状態でなかった場合には、ステップS24へ移行する。
【0047】
前記ステップS23においては、試運転の全データがクリアされた後にメインルーチンへ戻る。すなわち、水張り完了信号や試運転ON信号の受信待機状態となされる。
【0048】
また、前記ステップS24においては、前記ステップS18と同様の判定、すなわち、床温度TY0が設定温度+TAに到達したか否かの判定が行なわれ、設定温度+TAに到達していない場合には試運転開始待ちの状態と判定されてメインルーチンへ戻る。
【0049】
さらに、前記ステップS24において床温度TY0が異常温度TBへ到達した場合には、前記ステップS16あるいはステップS17とステップS22との判定によって、当該温水マット2が試運転の対象となっていないと判定されているにも拘わらず、床温度TY0が異常温度TB以上に到達したこととなり、この場合は誤配管や誤配線と判定されて、つぎのステップS25へ移行してエラー処理が行なわれる。
【0050】
このエラー処理およびその後の処理は、前記ステップS21とほぼ同様であり、この場合、図示しないが、熱源機3に対し誤配管か誤配線である旨のエラーデータが送信される。そして、前記熱源機3は、リモートコントローラ8からエラーデータを受信すると、エラーが発生しているリモートコントローラ8の試運転を速やかに終了させた後に、つぎの試運転へ移行する。
【0051】
本実施形態においては、前述したように、ステップS18、ステップS19、ステップS20、および、ステップS21の処理が、前記試運転合否判定手段34の処理となされており、また、ステップS24およびステップS25が異常検知手段35の処理となされている。
【0052】
このように、本実施形態に係わる温水床暖房装置1においては、試運転合否判定手段34に設けられた異常検知手段35によって、他の温水マット2の試運転中に異常温度TBへの温度上昇を検出すると、速やかに異常判定を行なうように構成されているので、短時間で確実に誤配管や誤配線を検出することが可能である。
【0053】
なお、前記各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の温水床暖房装置によれば、試運転合否判定手段に設けた異常検知手段により、他のリモートコントローラによる試運転中に、このコントローラに対応していない床温検出器による床温が上昇したときに、速やかに異常判定するようにしたので、試運転時における誤配管や誤配線を確実かつ簡単に検出することができる。
【0055】
また、誤配管や誤配線を短時間で検出できるので、試運転時間の短縮と試運転に要する燃料及び電気代を減少させることで、効率のよい試運転を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温水床暖房装置の全体のシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係わる温水床暖房装置の制御システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の温水床暖房装置のリモートコントローラを示す外観斜視図である。
【図4】本発明の温水床暖房装置のリモートコントローラと放熱器との関係を示す概略図である。
【図5】本発明の温水床暖房装置の通常運転時における処理フロー図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における試運転時における処理フロー図である。
【符号の説明】
1・40 温水床暖房装置
2(2a・2b) 温水マット(放熱器)
3 熱源機
7(7a・7b) 熱動弁
8(8a・8b) リモートコントローラ
13 マイクロコンピュータ
23 室温サーミスタ
24 床温サーミスタ(床温検出器)
31 設定温度表示部
32 マイクロコンピュータ
34 試運転合否判定手段
35 異常検知手段
F 床
Claims (1)
- 室内の床面に設置された複数の放熱器へ暖房用水を供給する熱源機と、前記各々の放熱器に対応して前記室内に設置され前記熱源機の作動を制御するリモートコントローラと、それぞれのリモートコントローラに取り付けられるとともに、前記床面の温度を検出する床温検出器と、試運転時において、前記各床温検出器からの検出信号に基づき、前記床面温度が設定温度に至ったか否かを判定することにより、試運転の合否を判定する試運転合否判定手段とを備え、この試運転合否判定手段には、一つの床温検出器による試運転開始時の初期床温を検出記憶し、この床温検出器に接続されていない他のリモートコントローラの試運転中において、前記初期床温より所定以上の床温上昇を検出した場合に異常と判定する異常検知手段が設けられていることを特徴とする温水床暖房装置。
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