JP3622096B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、お米を炊飯する炊飯器に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年、お米を炊飯する電気炊飯器は、種々様々なものが開発され、特に家庭用としては、マイコン電子ジャーが主流になりつつある。
これらの電気炊飯器はいずれも、美食ブームも手伝って美味しく炊けることを目的として、加熱温度、炊飯時間、蒸気圧、蒸らし時間などを制御し、理想的な状態で炊飯されるように設定されている。また、加熱効果の向上を目的として厚釜や丸釜などといった釜の質や形状を改良したものも増えてきている。
【0003】
しかしながら、このような従来からある炊飯器は、炊飯後の蒸らしまでは制御するものの、炊きあがった後は保温の機能があるのみである。本来、炊きあがったご飯は、蒸らした直後に十分に攪拌してほぐすことにより水蒸気を抜いてやらなくては、余分な水分が残り、ご飯粒同時がくっついてしまったり、一部分だけが糊状になることがあり、炊きあがってからほぐすことなく保温のままで放置したのでは美味しく食べることができないという問題点があった。
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、炊きあがって蒸らしが終わったご飯を、自動的に攪拌してほぐして、長時間保温してもご飯を美味しく保つことができる炊飯器を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このため本発明では、米と水を収納する内釜と、該内釜を加熱する加熱手段と、前記内釜を密閉する蓋体とからなる炊飯器において、前記内釜内に収納され、水平方向に回転する攪拌ヘラと、該攪拌ヘラを回転させる駆動部を前記蓋体に設け、前記内釜内でご飯が炊きあがり、蒸らし時間を経過した後に、前記攪拌ヘラを回転させるように設けたものである。
また、米と水を収納する内釜と、該内釜を加熱する加熱手段と、前記内釜を密閉する蓋体とからなる炊飯器において、前記内釜の外側に設けられた前記内釜を水平方向に回転させる手段と、前記内釜内に収納されると共に、前記蓋体に固定された攪拌ヘラとを設け、前記内釜内でご飯が炊きあがり、蒸らし時間を経過した後に、前記内釜を回転させるように設けたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、米と水を内釜に入れて炊飯し蒸らした後に、予め内釜内に収納された攪拌ヘラが炊きあがったご飯に対して相対的に水平方向に回転することにより、ご飯内部の余分な水分を水蒸気として排除するものである。
すなわち、この攪拌ヘラとご飯の相対的な回転は、固定された内釜に対して攪拌ヘラを回転させるものと、固定された攪拌ヘラに対して内釜を回転させるものがある。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
実施例1
図1は実施例1の炊飯器の分解斜視図、図2は蓋体の内部構造を示す側断面図、図3は実施例1の炊飯器の作動を示す側断面図である。
【0007】
図1に示すように、実施例1の炊飯器は、炊飯器本体4と、炊飯器本体4に収納された内釜3と、内釜3の下部に設けられた加熱手段(図示せず)と、内釜3を密閉する蓋体2と、蓋体2に着脱自在に設けられた攪拌ヘラ1により構成されている。
【0008】
撹拌ヘラ1は、頂部11aを蓋体2に嵌合させて装着する回転軸11と、この回転軸11に連結され、略Cの字状に湾曲したヘラ部12からなる。回転軸11の頂部11aは六角柱状に形成され、この頂部11aの下部には係合突起11bが設けられ、この係合突起11bは回転軸11内部で外側方向に付勢され、攪拌ヘラ1の着脱の際に、回転軸11内部へ凹むように設けられている。ヘラ部12は、平板状に形成され、攪拌ヘラ1を蓋体2に装着して閉じた際に、略Cの字状に湾曲した一方のヘラ先端12aが内釜3の底面に近接し、もう一方のヘラ先端12bが炊きあがったご飯の中心付近に位置するように形成されている。また、ヘラ部12はその中間付近からヘラ先端12a、12bにかけて同一方向に捩じって形成され、攪拌ヘラ1の回転方向に内側面が開くようにされている。すなわち、本実施例の攪拌ヘラ1は上部から見て左回転に設けられているので、先端にかけて右回りに捩じられている。
【0009】
蓋体2には、その底面略中央に攪拌ヘラ1を挿入して装着する嵌合孔21と、上下に開閉する第1開閉蓋22と、スライドして開閉する第2開閉蓋23と、炊飯中の圧力を調整する圧力弁24と、炊飯器本体4のフック受け41に係合して内釜3の密閉を保持するフック25が設けられている。
【0010】
図2(a)に示すように、蓋体2内には、攪拌ヘラ1の回転軸11を回転させる攪拌駆動部21aと、第1開閉蓋22を開閉させる第1開閉駆動部22bと、第2開閉蓋23を開閉させる第2開閉駆動部23aとが設けられている。
図2(b)に示すように、回転軸11は攪拌駆動部21aの回転が攪拌ギア21bに伝わり回転する。また、第1開閉駆動部22bのギア22bが回転することにより、第1開閉蓋22が開閉され、第2開閉駆動部23aにより第2開閉蓋23が開閉される。各駆動部はそれぞれ独立して制御されるが、攪拌駆動部21aと第1開閉駆動部22bは連動するように設けられ、回転軸11が回転している間だけ第1開閉蓋22を開放するように設けられている。
【0011】
次に、実施例1の炊飯器の作動について説明する。
(1)内釜3にお米10aと水10bを入れ、蓋体2により密閉する〔図3(a)参照〕。
(2)ご飯10の炊飯と蒸らしの間に発生する水蒸気10cは、圧力弁24から抜かれる。〔図3(b)参照〕
(3)攪拌ヘラ1を回転させ蒸らしが終わったご飯10をほぐしながら攪拌する。この際、攪拌ヘラ1の回転と同時に第1開閉蓋22が開き、攪拌によりご飯10から立ちのぼる水蒸気10cを排出し、余分な水分がご飯10の中に残らないようにする〔図3(c)参照〕。
(4)ご飯10の攪拌が終了すると、攪拌ヘラ1の回転が停止すると同時に、第1開閉蓋22が閉じる〔図3(d)参照〕。この状態で、いつでもご飯10を食べることができる。
(5)ご飯10を蒸らした直後に余分な水分を排除しても、長時間放置することにより内釜3内に水蒸気が溜まり、やがてご飯10の上面に水滴が溜まることになる。これを防止するために第2開閉蓋をある一定時間、例えば1時間に一度の頻度で開放し、水蒸気10cを排出する。〔図3(e)参照〕。
(6)ご飯10を食べるために蓋体2を開く際、攪拌ヘラ1にはご飯10の重みがかかり内釜3内に残ろうとする力が働く。これにより、蓋体2の嵌合孔21から回転軸11が抜け、内釜3内に残った攪拌ヘラ1を容易に手で取り去ることができる。〔図3(f)参照〕。
【0012】
攪拌ヘラ1の材質としては、内釜3内にこの攪拌ヘラ1を収納したままで炊飯することから、耐熱性と衛生面を考慮し、内釜3と同様に鉄やアルミニウムなどの金属の表面にフッ素加工やテフロン加工を施したものが望ましい。
【0013】
実施例2
図4は実施例2の炊飯器の内釜の回転機構を示す部分破断斜視図である。
上記実施例1では、ご飯10を攪拌する攪拌ヘラ1が回転するように設けられていたが、本実施例2は、攪拌ヘラ1bを蓋体2bに固定し、内釜3bの外周部に平ギア31bを設け、内釜3bの下部をベアリング33bにより保持した状態で、モーター32cとギアボックス32dを備えた内釜回転機構32bにより内釜3bを水平方向に回転させるものである。これにより、実施例1と同様に内釜3b内のご飯(図示せず)が攪拌ヘラ1bに対して回転し攪拌される。
【0014】
本実施例2では、内釜3bを回転させる手段が、平ギア31bと内釜回転機構32bによるギアドライブであったが、これに限定されるものではなく、チェーンドライブやドラムドライブなどでもよい。
【0015】
実施例3
図5は実施例3の炊飯器の攪拌ヘラの昇降機構を示す部分拡大側断面図である。
実施例3の炊飯器では、図5(a)に示すように、円筒状の回転外筒61を備えた回転機構6と、攪拌ヘラ1が連結された回転軸11cを上下移動させる昇降機構5が設けられている。回転外筒61には回転軸11cが挿通され、回転外筒61の内壁と回転軸11cの下部外壁の断面が八角形に形成されているため、回転外筒61の回転に連動して回転軸11cが回転するように設けられている。これにより、図5(b)に示すように、回転機構6により攪拌ヘラ1cを回転させると同時に、昇降機構5により上下移動させるものである。
この上下移動する攪拌ヘラ1cにより、ご飯全体をくまなく且つ効率よく攪拌できると共に、ご飯の炊飯中及び攪拌後は攪拌ヘラ1cをご飯の上方に位置させることができる。
【0016】
本実施例3では、攪拌ヘラ1cを上下移動させていたが、これに限られるものではなく、上方または下方の片方いずれか一方の移動のみでも同様に、ご飯全体を攪拌できる。
【0017】
【発明の効果】
本発明では以上のように構成したので、炊きあがって蒸らしが終わったご飯を、自動的に攪拌してほぐすことにより、長時間保温してもご飯を美味しく保つことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の炊飯器の分解斜視図である。
【図2】蓋体の内部構造を示す側断面図である。
【図3】実施例1の炊飯器の作動を示す側断面図である。
【図4】実施例2の炊飯器の内釜の回転機構を示す部分破断斜視図である。
【図5】実施例3の炊飯器の攪拌ヘラの昇降機構を示す部分拡大側断面図である。
【符号の説明】
1………攪拌ヘラ
11……回転軸
12……ヘラ部
2………蓋体
21……嵌合孔
22……第1開閉蓋
23……第2開放蓋
24……圧力弁
25……フック
3………内釜
4………炊飯器本体
41……フック受け

Claims (6)

  1. 米と水を収納する内釜と、該内釜を加熱する加熱手段と、前記内釜を密閉する蓋体と、前記内釜内に収納され、水平方向に回転する攪拌ヘラと、該攪拌ヘラを回転させる駆動部を前記蓋体に設け、前記内釜内でご飯が炊きあがり、蒸らし時間を経過した後に、前記攪拌ヘラを回転させるようにした炊飯器において、前記攪拌ヘラが平板状に形成され、略Cの字状に湾曲されると共に、両端に向かって徐々に捩じられていることを特徴とする炊飯器。
  2. 米と水を収納する内釜と、該内釜を加熱する加熱手段と、前記内釜を密閉する蓋体と、前記内釜の外側に設けられた前記内釜を水平方向に回転させる手段と、前記内釜内に収納されると共に、前記蓋体に固定された攪拌ヘラとを設け、前記内釜内でご飯が炊きあがり、蒸らし時間を経過した後に、前記内釜を回転させるようにした炊飯器において、前記攪拌ヘラが平板状に形成され、略Cの字状に湾曲されると共に、両端に向かって徐々に捩じられていることを特徴とする炊飯器。
  3. 米と水を収納する内釜と、該内釜を加熱する加熱手段と、前記内釜を密閉する蓋体と、前記内釜内に収納され、水平方向に回転する攪拌ヘラと、該攪拌ヘラを回転させる駆動部を前記蓋体に設け、前記内釜内でご飯が炊きあがり、蒸らし時間を経過した後に、前記攪拌ヘラを回転させるようにした炊飯器において、蓋体に開閉自在な開閉蓋を設け、攪拌ヘラが回転している間、該開閉蓋が開放されることを特徴とする炊飯器。
  4. 米と水を収納する内釜と、該内釜を加熱する加熱手段と、前記内釜を密閉する蓋体と、前記内釜の外側に設けられた前記内釜を水平方向に回転させる手段と、前記内釜内に収納されると共に、前記蓋体に固定された攪拌ヘラとを設け、前記内釜内でご飯が炊きあがり、蒸らし時間を経過した後に、前記内釜を回転させるようにした炊飯器において、蓋体に開閉自在な開閉蓋を設け、内釜が回転している間、該開閉蓋が開放されることを特徴とする炊飯器。
  5. 内釜を水平方向に回転させる手段が、該内釜の側面に沿って設けられた円周状の平ギアと、該平ギアに回転を伝えるギアボックスと、該ギアボックスに連結されたモーターからなることを特徴とする請求項2又は請求項4記載の炊飯器。
  6. 攪拌ヘラが水平方向に回転すると共に、上方および/または下方へ移動するように設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項3記載の炊飯器。
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