JP3622031B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外光から可視光の領域において、高輝度で発光スペクトル波長幅のきわめて狭い発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の発光素子としては、基板上にGaN層を設け、その上に絶縁性スペーサーを介して蛍光体、ITO膜を塗布したガラス板を設けた素子がある。図6(c)は、このような発光素子の一例の概略断面図である。この図に示されるように、従来の発光素子は、基板41上にGaN層42を形成し、その上に絶縁性スペーサー44を設け、該スペーサーを介して、蛍光体45やITO膜46を塗布したガラス板47を設けた構造を有している。この発光素子は、例えば、図6(a)から6(c)に示す工程を経て製造される。工程(a)では、導電性を有するSiCのような基板41上にGaN層42をエピタキシャル成長させる。次に工程(b)で基板41の、GaN層42とは反対側の面に電極43を形成する。工程(c)で、GaN層42上に絶縁性スペーサー44を設置し、該絶縁スペーサー44上に蛍光体45、ITO膜46を塗布したガラス板47を設置する。このようにして得られた発光素子は、電極43に負側の電圧をかけ、ITO膜46に正側の電圧を印加することにより、図6(d)に示されるように、GaN表面から電子が放出され、蛍光体45に衝突し、発光する。光はガラス板47を通して外部に取り出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の発光素子は、GaN層と、蛍光体層やITO膜を設けたガラス板との間に絶縁性スペーサーを設置するが、絶縁性スペーサーの高さ、即ちGaN層と蛍光体層との間隔は、10ミクロンから100ミクロンである。このような微細構造の絶縁性スペーサーを、GaN層と、蛍光体層やITO層を備えたガラス板との間に設置し、固定することは製造上きわめて困難であった。
【0004】
また、上記のような発光素子は、輝度のばらつきなどが大きく、特性の再現性にも問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、従来の素子よりも構造および製造が簡便であり、発光特性および輝度の改善された発光素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、AlGa1−x−yN半導体層(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)に蛍光体を添加し、前記AlGa1−x−yN半導体層に電子と正孔を注入し、前記蛍光体を発光させることを特徴とする発光素子である。
【0007】
さらに、本発明の好ましい態様では、第一の電極および第二の電極との間に形成された発光部を備えた発光素子であって、前記発光部が導電性基板上にAlGa1−x−yN半導体層(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)を設けた構造を有し、前記AlGa1−x−yN半導体層に蛍光体を添加し、前記第一の電極および第二の電極に電圧を印加することにより前記AlGa1−x−yN半導体層中の発光体を発光させることを特徴とする発光素子が提供される。
【0008】
また、本発明の他の態様では、第一の電極および第二の電極との間に形成された発光部とを備えた発光素子であって、前記発光部が、導電性基板上に、p型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層(但し、0≦x2≦1、0≦y2≦1、x2+y2≦1)およびn型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層(但し、0≦x2≦1、0≦y2≦1、x2+y2≦1)により挟まれたAlx1y1Ga1−x1−y1N半導体層(但し、0≦x1≦1、0≦y1≦1、x1+y1≦1)を設けた構造を有し、前記Alx1y1Ga1−x1−y1N半導体層に蛍光体を添加し、前記第一の電極および第二の電極に電圧を印加することにより前記Alx1y1Ga1−x1−y1N半導体層中の蛍光体を発光させることを特徴とする発光素子が提供される。
【0009】
本発明の好ましい態様では、前記発光体が、CaWO、GdS:Tb、In、LaS:Tb、MgSiO:Mn、YS:Eu、YS:Tb、Y:Eu、YSiO:Ce、Y(Al,Ga)12:Ce、YAl12:Ce、YAl12:Tb、YVO:Eu、ZnSiO:Mn、Zn(PO:Mn、ZnO:Zn、ZnS:Ag、ZnS:Al、ZnS:Au、ZnS:Cu、ZnS:Mn、(Zn,Cd)S:Al、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Auまたはこれらの混合物から選択されることを特徴とする。
【0010】
以上のように、本発明は、半導体層自体に蛍光体を添加することを特徴とする。そして、その半導体層に高電圧を印加することにより、半導体層内に添加された蛍光体内で電子の遷移を起こさせ、これに伴う発光を起こさせるものである。従って、従来の素子構造よりきわめて簡便なものである。また、本発明の発光素子は、輝度および特性の再現性の優れるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明は、AlGa1−x−yN半導体層に蛍光体を添加し、前記AlGa1−x−yN半導体層に電子と正孔を注入し、前記蛍光体を発光させることを特徴とする発光素子である。蛍光体は、本発明の発光素子に適合するものであれば特に限定されないが、CaWO、GdS:Tb、In、LaS:Tb、MgSiO:Mn、YS:Eu、YS:Tb、Y:Eu、YSiO:Ce、Y(Al,Ga)12:Ce、YAl12:Ce、YAl12:Tb、YVO:Eu、ZnSiO:Mn、Zn(PO:Mn、ZnO:Zn、ZnS:Ag、ZnS:Al、ZnS:Au、ZnS:Cu、ZnS:Mn、(Zn,Cd)S:Al、(Zn,Cd)S:Cuおよび(Zn,Cd)S:Auのような蛍光体を使用することができる。なお、上記の蛍光体の例において、A:Bのような記載は、Bを添加したAを表す。例えばGdS:Tbであれば、Tbを添加したGdSを意味する。このような添加物を添加した蛍光体の添加物の量は、当業者に周知の通りである。本発明の好ましい蛍光体では、表1に示す組成比を有する。
【0013】
【表1】
Figure 0003622031
【0014】
蛍光体は、発光を起こさせるのに十分な量を添加する。具体的には、使用する蛍光体により異なるが、例えば、1017から1021cm−3程度の量を添加することが好ましい。この蛍光体を添加したAlGa1−x−yN半導体層を、例えば基板上に有機金属気相エピタキシャル法により成長させる。AlGa1−x−yN半導体層の厚みは0.1〜10μmであることが好ましい。
【0015】
AlGa1−x−yN半導体層の組成比は、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1であることが好ましい。
【0016】
このような発光素子に電子および正孔を注入し、蛍光体を発光させる。電子および正孔の注入は、従来の方法を用いることができる。
【0017】
本発明の好ましい態様では、例えば上記のような基板上に成長させた、蛍光体を添加したAlGa1−x−yN半導体層を電極で挟み、この半導体層に高電圧を印加する。電圧は、50V〜5kVを使用可能である。このように高電圧を印加することにより、半導体層内に添加された蛍光体内で電子の遷移を起こさせ、これに伴う発光を起こさせる。上記のような、基板上に成長させた、蛍光体を添加したAlGa1−x−yN半導体層を電極で挟んだ構成の発光体は、電極と半導体層の境界面で電子および正孔の注入を起こさせることができるので、電極と半導体層の界面において主に発光が起こる。
【0018】
発光した光は、電極の一方に透明なITO膜のような導電層を用いることにより取り出すことができる。
【0019】
本発明のさらに好ましい態様では、AlGa1−x−yN半導体層を、AlBGaN系のn型半導体層とp型半導体層の間に設ける。このように構成した発光素子では、n型半導体層に正側の電圧をかけ、p型半導体層に負側の電圧をかけることにより、n型半導体層とp型半導体層からそれぞれ電子および正孔が注入され、蛍光体を添加した半導体層全体を発光させることができる。
【0020】
また、本発明の発光素子の電極、基板等は、従来の発光素子で用いられた材料であればよく、また厚み等も従来通りとすることができる。例えば、基板としては、n型の基板またはp型の基板の何れも使用することができる。例えば、基板としては、Si(111)、6H−SiC(0001)、又はシリコンにホウ素をドープした基板(p型基板)などを使用することができる。電極としては、金属、例えばTi、Ni、Au等、または酸化スズのようなスズ化合物のITO膜等を使用することができる。また、これらの厚みは、100Å〜0.1μmとすることができる。さらに、電極は、蒸着のような手段で成長させることが可能である。
【0021】
上述のように、本発明の発光素子は、蛍光体を半導体層自体に添加したことにより、スペーサー等の部材を必要とせず、従来の素子よりきわめて簡便な構造を有し、製造も簡便である。また、本発明の発光素子は、輝度のばらつき等がなく、発光特性の再現性の優れた素子である。
【0022】
【作用】
本発明の発光素子は、半導体層自体にに蛍光体を添加したことにより、従来の素子に比べ簡便に素子を製造することができる。これにより、従来の素子構造では乏しかった再現性を著しく向上させることができる。
【0023】
【実施例】
以下に図面を参照して本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、例示であり、本発明を制限するものではない。
【0024】
(実施例1)
本実施例を図1および図2により説明する。図1は、本発明の発光素子の第一の実施例である。図1(a)は、n型の基板を使用した場合の発光素子の断面構造を表わす概略図であり、図1(b)は、この発光素子の発光の様子を表す概略図である。図1(c)は、p型の基板を使用した場合の発光素子の断面構造および発光の様子を表す概略図である。図2は、本実施例の光学素子の製造工程の概略図である。図1に示されるように、本発明の発光素子は、n型の基板およびp型の基板の何れも用いることができる。
【0025】
まず、図1(a)を参照してn型の基板を用いた場合の発光素子について説明する。
【0026】
図1(a)に示されるように、本発明の光学素子は、基板11上に、蛍光体を添加した半導体層12を設け、これらの層(以下発光部とも称する。)を第一の電極13および第二の電極14で挟んだ構造を有する。
【0027】
本発明では、この半導体層12自体に蛍光体を添加したことを特徴とする。蛍光体は、本発明の発光素子に適合するものであれば特に限定されないが、上述の表1に示したような蛍光体を用いることができる。蛍光体は、発光を起こさせるのに十分な量を添加する。例えば、本実施例の場合(ZnS:Ag)、1019cm−3の量を添加する。また、AlGa1−x−yN半導体層の組成比は、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1であることが好ましい。本実施例では、x=0.8、y=0.1である。
【0028】
基板11は、導電性材料である6H−SiC(0001)を使用した。この基板は、n型の基板である。基板の厚みは、350μmであればよい。
【0029】
本実施例では、第一の電極13は、AlGa1−x−yN半導体層12上に、第二の電極14は、基板11の裏側にそれぞれ設けられ、蒸着のような手段で作成される。なお、第二の電極14は、基板の端面に設けてもよい。該電極の厚さは、100Å〜0.1μmであればよい。
【0030】
図1(b)に示されるように、第二の電極14に正側の電圧を、第一の電極13に負側の電圧を印加する。これにより、基板11と第一の電極13からそれぞれ電子と正孔が注入される。本実施例では、電極および基板と、半導体層の境界面で電子および正孔の注入を起こさせることができるので、電極および基板と、半導体層の界面において主に発光が起こる。印加した電圧は、0から2.5kVである。蛍光体中の電子の遷移によって半導体層12で発光し、この発光した光が第一の電極13を通して外部に取り出される。第一の電極13は、発光した光を取り出すために透明であることが好ましい。透明度は50%以上あればよい。第一の電極13は、Niのような金属、酸化スズのような酸化膜(例えば、ITO膜)で形成することができる。第二の電極14は、Tiなどを使用することができる。
【0031】
図1(c)は、p型の基板を使用した例を示す。本実施例の場合、基板11は、シリコンにホウ素をドープしたものを使用することができる。基板の厚みは、350μmであればよい。
【0032】
この図に示されるように、第二の電極14に負側の電圧を、第一の電極13に正側の電圧を印加する。これにより、基板11と第一の電極13からそれぞれ正孔と電子が注入される。本実施例では、電極および基板と、半導体層の境界面で孔子および電子の注入を起こさせることができるので、電極および基板と、半導体層の界面において主に発光が起こる。印加した電圧は、0から2.5kVである。蛍光体中の電子の遷移によって半導体層12で発光し、この発光した光が第一の電極13を通して外部に取り出される。第一の電極13は、発光した光を取り出すために透明であることが好ましい。透明度は50%以上あればよい。第一の電極13は、Tiのような金属、酸化スズのような酸化膜(例えば、ITO膜)で形成することができる。第二の電極14は、Niなどを使用することができる。
【0033】
また、本実施例の図1(b)および図1(c)で示される発光素子は、光を第一の電極13の側から取り出す例を示したが、本発明はこれに限定されず、透明な基板11を用い、透明な電極14を用いるか、または電極を基板の端面に設けることにより、基板11側から光を取り出すことも可能である。さらに、本発明では、半導体層12の端面から光を取り出すことも可能である。
【0034】
以下に図1(a)に示す本実施例の発光素子の製造工程を図2に従って具体的に説明する。本実施例では表1のZnS:Agを使用した製造方法を示す。
【0035】
まず、基板(材料6H−SiC(0001)、厚さ350μm)11上に、蛍光体ZnS:Agを1019cm−3添加したAlGa1−x−yN(x=0.8、y=0.1)半導体層12を有機金属気相エピタキシャル法により1μmの厚さに成長させ、発光部を形成する(図2(a))。次に、AlGa1−x−yN半導体層12上に金属、ITO膜のような酸化膜(酸化スズ)などの電極13を蒸着する(図2(b))。さらに、基板11の裏面、即ちAlGa1−x−yN半導体層12とは逆の面、または基板11の端面に電極14(材料:Ti)を蒸着する(図2(c))。電極の厚さは、上述の発光素子の説明で述べた通りである。なお、図2(c)では、基板の裏面全体に電極14を蒸着した例を示した。さらに、電圧の印加のための機器等を設け、本発明の発光素子を製造することができる(図2(d))。
【0036】
図2(d)に示すように、電圧を印加する。これにより、基板11と第一の電極13からそれぞれ電子と正孔が注入される。本実施例では、電極および基板と、半導体層の境界面で電子および正孔の注入を発生させることができるので、電極および基板と、半導体層の界面において主に発光が起こる。この光が電極13を通して外部に取り出される。電極13は、発光した光を取り出すために透明である。透明度は50%以上あればよい。また、本実施例では、光を第一の電極13の側から取り出す例を示したが、本発明はこれに限定されず、透明な基板11および透明な電極14を用いるか、または電極を基板の端面に設けることにより、基板11側から光を取り出すことも可能である。さらに、本発明では、半導体層12の端面から光を取り出すことも可能である。
【0037】
本実施例により製造した発光素子の発光スペクトルを測定したところ、発光波長は450nmであった。
【0038】
半導体層12に種々の蛍光体を添加して本実施例の発光素子の発光スペクトルを測定した。半導体層12に添加する種々の蛍光体とその発光ピーク波長は、表2に示すとおりであった。
【0039】
【表2】
Figure 0003622031
【0040】
また、発光特性を従来の発光素子と比較した。その結果を後述する実施例2(図3および図4)に示す発光素子の結果とともに図5に示した。従来の素子では、2.5kVでの輝度は、150cd/mであったが、実施例1の素子では、5×10cd/mであり、3.3×10倍輝度が向上した。また、特性の再現性についても、従来30%あった輝度のばらつきが実施例1の素子では1%と飛躍的に向上した。
【0041】
(実施例2)
本実施例を図3および図4により説明する。
【0042】
図3は本発明の発光素子の第二の実施例である。図3(a)は、n型基板を用いた場合の発光体素子の断面構造を表わす概略図であり、図3(b)は、発光素子の発光の様子を表す概略図である。図3(c)は、p型基板を用いた場合の発光素子の断面構造および発光素子の発光の様子を表す概略図である。図4は、本実施例の光学素子の製造工程を示す概略図である。本実施例においても、n型基板またはp型基板の何れも用いることができる。
【0043】
図3(a)に示されるように、本発明の光学素子は、n型基板21上にn型不純物を添加したn型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層22を設け、この層上に発光体を添加したAlx1y1Ga1−x1−y1N半導体層23を設け、さらにこの層上にp型不純物を添加したp型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層24を設け、これらの基板21および半導体層22から24(以下発光部とも称する。)を第一の電極25および第二の電極26の間に挟んだ構造を有する。
【0044】
本発明では、前記半導体層23自体に蛍光体を添加したことを特徴とする。蛍光体は、本発明の発光素子に適合するものであれば特に限定されないが、上述の表1に示したような蛍光体を用いることができる。蛍光体は、発光を起こさせるのに十分な量を添加する。例えば、本実施例の場合(ZnS:Ag)、1019cm−3の量を添加する。また、Alx1y1Ga1−x1−y1N半導体層23の組成比は、0≦x1≦1、0≦y1≦1、x1+y1≦1であることが好ましい。本実施例のAlx1y1Ga1−x1−y1N半導体層23の組成比は、x1=0.7、y1=0.1である。
【0045】
本発明では、この半導体層23を、n型半導体層22とp型半導体層24の間に挟む。n型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層22は、ケイ素のようなn型不純物を、例えば1020cm−3添加したものである。またp型半導体層24は、Mgのようなp型不純物を、例えば1019cm−3添加したものである。
【0046】
n型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層22およびp型AlGa1−x−yN半導体層24の組成比は、0≦x2≦1、0≦y2≦1、x2+y2≦1であることが好ましい。また、半導体層22、23および24において、組成は、x1≦x2、y1≦y2である。本実施例では、n型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層22およびp型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層24の組成比は、x2=0.8、y2=0.1である。各半導体層22、23、24の厚さは、各々1μm、0.1μm、0.5μmである。
【0047】
n型の基板21は、導電性材料である6H−SiC(0001)を使用することができる。この基板21の厚さは、300〜400μmである。
【0048】
本実施例では、第一の電極25は、n型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層24上に、第二の電極26は、基板11の裏側にそれぞれ設けられ、蒸着のような手段で作成される。なお、第二の電極26は、基板11の端面に設けてもよい。これらの電極の厚さは、100Å〜0.1μmであればよい。
【0049】
図3(b)に示されるように、第二の電極26に正側の電圧を、第一の電極25に負側の電圧を印加することにより、半導体層22と半導体層24から、半導体層23へそれぞれ電子と正孔が注入される。印加した電圧は、0から2.5kVである。半導体層23へ電子と正孔が注入されることにより、半導体層23中で電子の移動が起こり、蛍光体中の電子を遷移させ、半導体層23が発光する。この発光した光が、p型半導体層24および第一の電極25を通して外部に取り出される。p型半導体層24および第一の電極25は、発光した光を取り出すために透明であることが好ましい。透明度はそれぞれ50%以上あればよい。第一の電極25は、Niのような金属、酸化スズのような酸化膜(例えば、ITO膜)で形成することができる。第二の電極26は、Tiを使用することができる。
【0050】
図3(c)は、p型の基板を使用した例を示す。本実施例の場合、基板21は、シリコンにホウ素をドープしたものを使用することができる。基板の厚みは、300〜400μmであればよい。
【0051】
p型の基板を用いる場合には、n型の基板を用いる場合と異なり、第一の電極25側にn型半導体層22が設けられ、基板21側にp型半導体層24が設けられる。
【0052】
図3(c)に示されるように、第二の電極26に負側の電圧を、第一の電極25に正側の電圧を印加することにより、半導体層22と半導体層24から、半導体層23へそれぞれ正孔と電子が注入される。印加した電圧は、0から2.5kVである。半導体層23へ正孔と電子が注入されることにより、半導体層23中で電子の移動が起こり、蛍光体中の電子を遷移させ、半導体層23が発光する。この発光した光が、n型半導体層22および第一の電極25を通して外部に取り出される。n型半導体層22および第一の電極25は、発光した光を取り出すために透明であることが好ましい。透明度はそれぞれ50%以上あればよい。第一の電極25は、Tiのような金属、酸化スズのような酸化膜(ITO膜)で形成することができる。第二の電極26は、Niを使用することができる。
【0053】
また、本実施例のうち、図3(b)では、光を第一の電極25の側から取り出す例を示したが、本発明はこれに限定されず、透明な基板21、透明なn型半導体層22、および透明な電極26を用いるか、または電極を基板の端面に設けることにより、基板21側から光を取り出すことも可能である。さらに、本発明では、蛍光体を含んだ半導体層23の端部から光を取り出すことも可能である。また、図3(c)の発光素子では、透明な基板21、透明なp型半導体層24、および透明な電極26を用いるか、または電極を基板の端面に設けることにより、基板21側から光を取り出すことも可能である。さらに、本発明では、蛍光体を含んだ半導体層23の端部から光を取り出すことも可能である。
【0054】
本発明では、半導体層23を、n型およびp型半導体層で挟んだ構造としたことにより、発光部の発光効率をさらに高めることができる。
【0055】
以下に図3(a)に示す本実施例の発光素子の製造工程を図4に従って具体的に説明する。
【0056】
まず、基板(材料:6H−SiC(0001)、厚さ350μm)21上に、Siをn型不純物として1020cm−3添加したn型Alx2y2Ga1−x2−y2N(x2=0.8、y2=0.1)半導体層22を有機金属気相エピタキシャル法により1μmの厚さに成長させた(図4(a))。
【0057】
次に、n型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層22の上に、蛍光体ZnS:Agを1019cm−3添加したAlx1y1Ga1−x1−y1N(x=0.7、y=0.1)半導体層23を有機金属気相エピタキシャル法により0.1μmの厚さに成長させた(図4(b))。
【0058】
次に、蛍光体を添加したAlx1y1Ga1−x1−y1N半導体層23上に、Mgをp型不純物として1019cm−3添加したp型Alx2y2Ga1−x2−y2N(x2=0.8,y2=0.1)半導体層24を有機金属気相エピタキシャル法により0.5μmの厚さに成長させた(図4(c))。これにより、本実施例の発光部を形成した。
【0059】
p型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層24に金属、ITO膜のような酸化膜(酸化スズ)などの電極25を蒸着する。さらに、基板21の裏面、即ちn型半導体層22とは逆の面、または基板21の端面に電極26を蒸着する(図4(d))。なお、図4(d)では、基板の裏面全体に電極26を蒸着した例を示した。各電極の厚さは、上記実施例2の発光素子の説明で示したとおりである。
【0060】
さらに、電圧の印加のための機器等を設け、本発明の発光素子を製造することができる(図4(e))。
【0061】
図4(e)に示すように、第二の電極26に正側の電圧を、第一の電極25に負側の電圧を印加することにより、半導体層22と半導体層24から、半導体層23へそれぞれ電子と正孔が注入される。半導体層23へ電子と正孔が注入されることにより、半導体層23中で電子の移動が起こり、蛍光体中の電子を遷移させ、半導体層23が発光する。この光がp型半導体層24を介して電極25を通り、外部に取り出される。p型半導体層および電極25は、発光した光を取り出すために透明である。透明度はそれぞれ50%以上あればよい。
【0062】
本実施例では、光を第一の電極25の側から取り出す例を示したが、本発明はこれに限定されず、透明な基板21、透明なn型半導体層22、および透明な電極26を用いるか、または電極を基板の端面に設けることにより、基板21側から光を取り出すことも可能である。さらに、本発明では、蛍光体を含んだ半導体層23の端部から光を取り出すことも可能である。
【0063】
本実施例により製造した発光素子の発光スペクトルを測定したところ、発光波長は450nmであった。
【0064】
半導体層23に種々の発光体を添加して発光素子の発光スペクトルを測定した。Alx1y1Ga1−x1−y1N半導体23に添加する種々の蛍光体とその発光ピーク波長は、上記表2に示すとおりであった。
【0065】
また、発光特性を従来の発光素子と比較した。その結果を実施例1に示した発光素子の結果とともに図5に示した。従来の素子では、2.5kVでの輝度は、150cd/mであったが、実施例2の素子では、5.5×10cd/mであり、3.7×10倍輝度が向上した。また、特性の再現性についても、従来30%あった輝度のばらつきが実施例2の素子では0.5%と飛躍的に向上した。さらに、本実施例は、n型半導体層22およびp型半導体層24を設けたことにより、蛍光体を添加した半導体層23に電子および正孔を効率よく注入できるので、このような層を設けない発光素子(実施例1)よりもさらに輝度および特性の再現性を高めることができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明の発光素子は、半導体層自体にに蛍光体を添加したことにより、従来の素子に比べ簡便に素子を製造することができる。
【0067】
さらに、本発明の発光素子は、従来の素子構造では乏しかった再現性を著しく向上させることができ、併せて従来の素子に比べ、輝度も大幅に向上した。
【0068】
また、本発明の好ましい態様では、発光素子の発光部に、n型半導体層およびp型半導体層を設けることができる。このような層を設けることにより、さらに輝度および特性の再現性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はn型の基板を用いた本発明の一態様の発光素子の断面構造を表す概略図であるである。(b)は、(a)の発光素子の発光の様子を表す概略図である。(c)は、pが他の基板を用いた本発明の一太陽の発光素子の断面構造および発光の様子を表す概略図である。
【図2】図1(a)の光学素子の製造工程を示す概略図である。
【図3】(a)はn型の基板を使用した本発明の別の態様の発光素子の断面構造を表す概略図であるである。(b)は、(a)の発光素子の発光の様子を表す概略図である。(c)は、p型の基板を使用した本発明の別の態様の発光素子の断面構造および発光の様子を表す概略図である。
【図4】図3(a)の光学素子の製造工程を示す概略図である。
【図5】本発明の発光素子と従来の発光素子の発光特性を表すグラフである。
【図6】従来の発光素子の製造工程を表す概略図である。
【符号の説明】
11 基板
12 蛍光体を添加したAlGa1−x−yN半導体層
13 電極
14 電極
21 基板
22 n型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層
23 蛍光体を添加したAlx1y1Ga1−x1−y1N半導体層
24 p型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層
25 電極
26 電極
41 基板
42 GaN半導体層
43 電極
44 絶縁性スペーサー
45 蛍光体
46 ITO膜(透明電極)
47 ガラス板

Claims (4)

  1. AlGa1−x−yN半導体層(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)に蛍光体を添加し、前記AlGa1−x−yN半導体層に電子と正孔を注入し、前記蛍光体を発光させることを特徴とする発光素子。
  2. 第一の電極および第二の電極との間に形成された発光部を備えた発光素子であって、前記発光部が導電性基板上にAlGa1−x−yN半導体層(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)を設けた構造を有し、前記AlGa1−x−yN半導体層に蛍光体を添加し、前記第一の電極および第二の電極に電圧を印加することにより前記AlGa1−x−yN半導体層中の蛍光体を発光させることを特徴とする発光素子。
  3. 第一の電極および第二の電極との間に形成された発光部とを備えた発光素子であって、前記発光部が、導電性基板上に、p型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層およびn型Alx2y2Ga1−x2−y2N半導体層(但し、0≦x2≦1、0≦y2≦1、x2+y2≦1)により挟まれたAlx1y1Ga1−x1−y1N半導体層(但し、0≦x1≦1、0≦y1≦1、x1+y1≦1)を設けた構造を有し、前記Alx1y1Ga1−x1−y1N半導体層に蛍光体を添加し、前記第一の電極および第二の電極に電圧を印加することにより前記Alx1y1Ga1−x1−y1N半導体層中の蛍光体を発光させることを特徴とする発光素子。
  4. 前記発光体が、CaWO、GdS:Tb、In、LaS:Tb、MgSiO:Mn、YS:Eu、YS:Tb、Y:Eu、YSiO:Ce、Y(Al,Ga)12:Ce、YAl12:Ce、YAl12:Tb、YVO:Eu、ZnSiO:Mn、Zn(PO:Mn、ZnO:Zn、ZnS:Ag、ZnS:Al、ZnS:Au、ZnS:Cu、ZnS:Mn、(Zn,Cd)S:Al、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Auまたはこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発光素子。
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