JP3621814B2 - Sf6ガスの状態監視装置及びsf6ガスの状態監視装置の制御方法 - Google Patents

Sf6ガスの状態監視装置及びsf6ガスの状態監視装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不燃性であり、かつ、電気的絶縁性の高い六フッ化硫黄気体(以下、SFガスという。)が密封された金属製の円筒型圧力容器等の密閉構造を有する圧力容器内のSFガスの状態を監視するSFガスの状態監視装置及びその制御方法に係り、特に電力分野におけるガス絶縁開閉装置(以下、GIS:Gas Insulated Switchgearという。)、ガス絶縁送電線(以下、GIL:Gas Insulated transmission Lineという。)及びガス絶縁変圧器(Gas Insulated transformer)に密封されているSFガスの圧力検出、補正圧力(温度補償圧力)の検出、衝撃圧力検出、異常高圧検出などのSFガスの状態を監視するSFガスの状態監視装置及びSFガスの状態監視装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず具体的な従来例の説明に先立ち、SFガス状態の監視技術分野における背景技術について説明する。以下、気体とガスとは同じ意味として用い、GIS、GIL及びガス絶縁変圧器などのガス封入電気機器を総称してGISと表記する。
背景技術
機械式の温度補償圧力スイッチ(いわゆる、密度スイッチ)として、実開昭59−9450号に開示されているものがある。
【0003】
この温度補償圧力スイッチは、GISから徐々にガスが漏れて、温度補償圧力が低下し、所定の低圧側しきい値圧力(低圧側整定値)に達した場合にガス漏れ警報信号を発するように構成されている。
また、2段構成のスイッチを有する温度補償圧力スイッチでは、第1段目のスイッチが作動し、ガス漏れ警報信号が発せられた後、GISに対してSFガスの補充充填作業が遅れて、さらにガスが漏れた場合に、第2段目のスイッチが作動し、鎖錠信号を出力する。
【0004】
この鎖錠信号は、GISが作動しないように電気操作回路をロックするための信号である。
一方、機械式でも連成計(圧力ゲージ)にスイッチを取り付けた、ドイツ特許G 92 04 660.6、あるいは、特開平7−103842号に開示されている構成を有するものがある。
【0005】
これらはブルドン管式の圧力ゲージが基本であり、SFガスの特性で温度補償され、真空域まで指示できる圧力ゲージ(連成計)と、1ないし3個のスイッチと、を備えて構成されている。
一般的に、スイッチが1個のものはガス漏れ警報信号を発し、スイッチが2個のものはガス漏れ警報信号及び鎖錠信号を発し、スイッチが3個のものはガス漏れ警報信号、鎖錠信号及び高圧警報信号を発する。
【0006】
高圧警報信号は、所定の高圧側しきい値圧力(高圧側整定値)と温度補償圧力とを比較し、温度補償圧力が高圧側しきい値圧力より高くなった時、GISの破裂防止のために警報を発するためのものである。
ところで、近年著しい電子技術の向上と、半導体素子における装置の信頼性の向上とにより、電子式のガス圧力監視装置、ガス圧力測定装置、温度補償圧力継電装置などが発明され、実用化されている。
【0007】
このような構成を有するものとして、実開昭55−62136号公報、実開昭60−55033号公報、実開昭60−190108号公報、特公昭61−45766号公報、特公平6−40045号公報に開示されているものが提案されている。
【0008】
また、監視システムとしては、特開平5−26750号公報に開示されている構成を有するものが提案されている。
上記例は、いづれも圧力センサ、温度センサ、演算制御ユニット(アナログ式、ディジタル式、マイクロプロセッサ式)、警報出力ユニット、表示ユニット、信号伝送ユニット(アナログ式、ディジタル式、光式)などを基本構成、あるいはオプション構成として備え、GISに封入されたSFガス圧力の監視を行っている。
【0009】
この場合において、温度補償演算の手法としては、圧力信号と温度信号とで直接的にSFガスの特性(いわゆる、定密度直線として把握できる)に合わせた補償演算をするものと、SFガスの特性を記憶手段に予め記憶させておいて近似的に補償演算をするものとがあり、温度補償演算には、理想気体の状態方程式である”ボイル・シャルルの法則”、あるいは、SFガスの特性式である”Beattie−Bridgemanの状態式”が使用されている。なお、SFガスの特性式である”Beattie−Bridgemanの状態式”は、昭和45年(1970年)頃、SFガスの製造業者により広く公開されているものである。
【0010】
他方では、光技術の実用化も検討されており、このような構成を有するものが、特開平8−68823号公報に開示されている。本例は、信号伝送に光技術が利用されているのみであるが、光式圧力センサー、光式温度センサーも発明され、その普及が試みられている。
【0011】
第1従来例
所定の基準温度(通常、20[℃])における温度補償圧力を算出するものとして、特公平6−40045号公報に開示されている温度補償圧力継電装置がある。
【0012】
この温度補償圧力継電装置は、圧力容器内のガスの圧力及び温度を検出し、予めメモリに記憶した複数の定密度直線の傾きと検出したガスの温度を用いて、複数のガス圧力を算出し、得られたガス圧力のうち、検出したガスの圧力に最も近いガス圧力に対応する定密度直線を選定する。
【0013】
そして、選定した定密度直線の傾き、検出したガスの圧力及び温度を用いて、基準温度における温度補償圧力を算出していた。
この場合において、温度補償圧力継電装置はガス圧力を検出するために、予めメモリに記憶したプログラムの流れに従って、圧力データを読み込むバッチタイム処理であり、タイマ割り込み処理による優先的なガス圧力の読み込みは行っていない。これは、出力すべき信号は警報または鎖錠信号であり、ガス漏れ(ガス圧力の低下)を監視しているに過ぎないからである。
【0014】
さらに、メモリに記憶すべき定密度直線は少なくとも3本以上であり、ガス圧力を検出し、温度補償演算(圧力値の20℃換算)を行う毎に、I=0からスタートし、順次、Iの値を増して行って、傾きの最も近い定密度直線を最適な定密度直線として選定する工程を、毎回、繰り返している。
【0015】
第2従来例
特開平7−103842号公報に開示されている圧力スイッチにおいては、温度補償をバイメタルによって行うとともに、スイッチのチャタリングを防止するために、外力吸収用の保護流体(シリコンオイル)を封入した構成であり、使用開始後において指針室を露出でき、故障修理や接点部の調整などの保守作業の容易化を図っている。
【0016】
また、第1の設定針と第2の設定針とによって、上限圧力と下限圧力とが設定でき、読み取りは20℃におけるkgf/cm単位の圧力の目盛りが透明板の外部から視認できるようになっていた。
【0017】
第3従来例
図15に、特開平5−26750号公報に開示されているガス絶縁送電線(GIL)の管内ガス圧監視装置の概要構成図を示す。
【0018】
管内ガス圧監視装置150は、長年にわたり使用されてきた警報用の温度補償圧力スイッチ及び圧力計に代えて、SFガスの密閉容器毎(密閉単位区間毎)に少なくとも一の圧力センサ151及び少なくとも一の温度センサ152を配置して密閉容器154毎の圧力及び温度を測定している。
【0019】
そして複数の密閉容器154に対応して設けられたローカルステーション155は、通信装置としての機能を備えて、複数の圧力データDP及び温度データDTを収集する。
複数のローカルステーション155は、収集した複数の圧力データDP及び温度データDTを複数のローカルステーション155に共通の通信線156を介して中央監視室に設けられた中央監視装置(コンピュータ)157に通報する。
【0020】
これにより中央監視装置157は、検出ガス圧力、検出ガス温度及びいわゆるボイル−シャルルの法則に基づいて標準温度(20[℃])における標準圧力に換算したガス圧力を算出し、この算出したガス圧力に基づいて各SFガスの密閉容器154毎の圧力状態や異常圧力低下等を遠隔で集中監視を行うこととなっていた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1従来例の温度補償圧力継電装置は、非常にゆっくりとしたガス漏れに対する装置であり、圧力上昇に対しては対応することができないという問題点があった。
【0022】
また予め3本以上の定密度直線のデータを収集する必要があり、データ収集のための手間が膨大となってしまうとともに、定密度直線の傾きを記憶するためのメモリ容量が多く必要となってしまうという問題点があった。
さらに演算に用いる定密度直線の傾きを選定するための演算処理を毎回、繰り返し行う必要があり、処理が複雑になり、処理時間がかかってしまうという問題点があった。
【0023】
さらにまた、圧力センサと温度センサとは継電装置とは別置きとなっているので、前置増幅器、絶縁増幅器、信号伝送線、あるいは、E/O変換器、光ファイバー、O/E変換器等を必要とし、配線布設のコストが上昇してしまうという問題点があった。
【0024】
上記第2従来例の圧力スイッチにおいては、温度補償をバイメタルによっているため、広い温度範囲における精度の良い温度補償をするのが困難であるという問題点があった。
上記第3従来例においては、各密閉容器154内の異常圧力低下を早期に検出するためのものであり、気体圧力の異常上昇については、考慮されていないという問題点があった。
【0025】
ここで、気体圧力が異常高圧となった場合の安全確保のための動作について説明する。
従来、気体が密封された圧力容器は当該圧力容器内の気体圧力の異常上昇時には、安全弁、または、放圧弁を作動させることにより気体を大気中等に放出するように構成されていた。
【0026】
より具体的に、SFガスが密封されたGISにおける一例を、図16に示す特開平8−103007号公報記載のガス絶縁開閉装置の放圧装置を参照して説明する。
上記GISの放圧装置は、放圧板161を有し、GIS164に密封されたSFガスの圧力が何らかの原因により異常に上昇した場合には、対応するGIS(圧力容器)164の放圧板161が破裂することにより、SFガスは放圧口162を介して直方体状の中空のガス収容容器163に流入するようにされていた。
【0027】
この結果、SFガスは電気室に充満することもなく、屋外設備であっても大気中に放出されることはなく、周囲環境への影響が小さくなる等の効果を奏するものとなっている。
しかしながら、異常高圧時には放圧板161を破裂させることとなるため、その後の復帰作業においては、放圧板の交換、ガス排気処理等のコストが必要となる。従って、できうる限り、放圧板を破裂させないための構造が望まれている。
【0028】
さらに、圧力センサ自体の故障や、温度センサ自体の故障に対しては有効であるが、ローカルステーションが故障した場合、その故障診断、あるいはシステムの冗長性に問題点があった。
そこで、本発明の第1の目的は、高圧監視のための演算処理を簡略化し、処理時間に余裕を持たせることが可能なSFガスの状態監視装置及びSFガスの状態監視装置の制御方法を提供することにある。
【0029】
また、本発明の第2の目的は、高圧監視と並行してガス漏れ監視を行うことが可能なSFガスの状態監視装置及びSFガスの状態監視装置の制御方法を提供することにある。
さらに本発明の第3の目的は、使い勝手のよいSFガスの状態監視装置及びSFガスの状態監視装置の制御方法を提供することにある。
【0030】
さらにまた、本発明の第4の目的は、SFガスの圧力を迅速、かつ、正確に検出することにより、圧力容器を破損から守ることが可能なSFガスの状態監視装置及びSFガスの状態監視装置の制御方法を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、圧力容器内に密封されたSF6ガスの検出圧力に基づいて所定の基準温度における圧力である補正圧力を算出するSF6ガスの状態監視装置において、前記SF6ガスの検出温度に相当する温度データ及び前記SF6ガスの検出圧力に相当する圧力データ並びに高圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第1定密度直線、低圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第2定密度直線及び前記SF6ガスの基準封入圧力の近傍の圧力である第3定密度直線に基づいて前記補正圧力を算出する補正圧力算出手段を備え、前記補正圧力算出手段は、第1のサンプリングタイム毎に前記第1定密度直線及び前記第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により前記補正圧力を算出する第1算出手段と、前記第1算出手段により算出された前記補正圧力が前記第3定密度直線に基づいて算出した前記基準温度における圧力よりも低下しているか否かを判別する判別手段と、前記判別の結果に基づいて、前記第1算出手段により算出された前記補正圧力が前記第3定密度直線に基づいて算出した前記基準温度における圧力よりも低下している場合に、前記第1のサンプリングタイム毎の計時によって得られ前記第1のサンプリングタイムよりも長い時間間隔を有する第2のサンプリングタイム毎に前記第2定密度直線及び前記第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により前記補正圧力を算出する第2算出手段とを有して構成する。
【0032】
請求項2記載の発明は、圧力容器内に密封されたSF6ガスの検出圧力に基づいて所定の基準温度における圧力である補正圧力を算出するSF6ガスの状態監視装置の制御方法において、前記SF6ガスの検出温度に相当する温度データ及び前記SF6ガスの検出圧力に相当する圧力データ並びに高圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第1定密度直線、低圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第2定密度直線及び前記SF6ガスの基準封入圧力の近傍の圧力である第3定密度直線に基づいて前記補正圧力を算出する補正圧力算出工程を備え、前記補正圧力算出工程は、第1のサンプリングタイム毎に前記第1定密度直線及び前記第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により前記補正圧力を算出する第1算出工程と、前記第1算出工程により算出された前記補正圧力が前記第3定密度直線に基づいて算出した前記基準温度における圧力よりも低下しているか否かを判別する判別工程と、前記判別の結果に基づいて、前記第1算出工程により算出された前記補正圧力が前記第3定密度直線に基づいて算出した前記基準温度における圧力よりも低下している場合に、前記第1のサンプリングタイム毎の計時によって得られ前記第1のサンプリングタイムよりも長い時間間隔を有する第2のサンプリングタイム毎に前記第2定密度直線及び前記第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により前記補正圧力を算出する第2算出工程とを有して構成する。
【0075】
請求項1記載の発明によれば、SF6ガスの検出温度に相当する温度データ及びSF6ガスの検出圧力に相当する圧力データ並びに高圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第1定密度直線、低圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第2定密度直線及びSF6ガスの基準封入圧力の近傍の圧力である第3定密度直線に基づいて、圧力容器内に密封されたSF6ガスの検出圧力に基づいて所定の基準温度における圧力である補正圧力を算出する補正圧力算出手段が、第1算出手段と、判別手段と、第2算出手段とを有し、第1算出手段が第1のサンプリングタイム毎に第1定密度直線及び第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により補正圧力を算出し、第1算出手段により算出された補正圧力が第3定密度直線に基づいて算出した基準温度における圧力よりも低下しているか否かを判別手段が判別し、判別の結果に基づいて、第1算出手段により算出された補正圧力が第3定密度直線に基づいて算出した基準温度における圧力よりも低下している場合に、第2算出手段が第1のサンプリングタイム毎の計時によって得られ第1のサンプリングタイムよりも長い時間間隔を有する第2のサンプリングタイム毎に第2定密度直線及び第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により補正圧力を算出するので、高圧側管理限界近傍の圧力から低圧側管理限界近傍の圧力までの圧力範囲にわたって、正確な補正圧力を算出することができる。
【0076】
請求項2記載の発明によれば、SF6ガスの検出温度に相当する温度データ及びSF6ガスの検出圧力に相当する圧力データ並びに高圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第1定密度直線、低圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第2定密度直線及びSF6ガスの基準封入圧力の近傍の圧力である第3定密度直線に基づいて、圧力容器内に密封されたSF6ガスの検出圧力に基づいて所定の基準温度における圧力である補正圧力を算出する補正圧力算出工程が、第1算出工程と、判別工程と、第2算出工程とを有し、第1算出工程が第1のサンプリングタイム毎に第1定密度直線及び第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により補正圧力を算出し、第1算出工程により算出された補正圧力が第3定密度直線に基づいて算出した基準温度における圧力よりも低下しているか否かを判別工程が判別し、判別の結果に基づいて、第1算出工程により算出された補正圧力が第3定密度直線に基づいて算出した基準温度における圧力よりも低下している場合に、第2算出工程が第1のサンプリングタイム毎の計時によって得られ第1のサンプリングタイムよりも長い時間間隔を有する第2のサンプリングタイム毎に第2定密度直線及び第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により補正圧力を算出するので、高圧側管理限界近傍の圧力から低圧側管理限界近傍の圧力までの圧力範囲にわたって、正確な補正圧力を算出することができる。
【0126】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1に実施形態のSFガスの状態監視システムの概要構成図を示す。
SFガスの状態監視システム1は、大別すると、絶縁性を有する不燃性ガスとしてSFガスを密封したGIS(あるいはGIL)2内に連通する圧力導入管3が接続され、検出圧力、検出温度、温度補償圧力をアナログ信号として伝送する第1アナログ信号伝送ライン4を介して出力するとともに、検出圧力に基づく異常高圧警報あるいは異常低圧警報などの警報をディジタルデータとして第1ディジタル信号伝送ライン5を介して出力する複数のSFガスの状態監視装置6と、対応する複数のSFガスの状態監視装置6にアナログ信号伝送ライン4を介して接続された複数のアナログ系ローカル監視装置7と、対応する複数のSFガスの状態監視装置6に第1ディジタル信号伝送ライン5を介して接続された複数のディジタル系ローカル監視装置8と、アナログ系ローカル監視装置7に第2アナログ信号伝送ライン9を介して接続された第1中央監視装置10と、ディジタル系ローカル監視装置8に第2ディジタル信号伝送ライン11を介して接続された第2中央監視装置12と、各種操作信号を出力する電気機器回路操作部13と、を備えて構成されている。
【0127】
この場合において、GIS(あるいはGIL)2内には、シーリングをかねた絶縁スペーサ2Aがおよそ3万〜50万[V]の電圧を有する電流を流す送電線2Bを支持しており、絶縁スペーサ2A及びGIS(あるいはGIL)2により仕切られた空間は、それぞれ独立の圧力容器2Cを形成している。
【0128】
図2にSFガスの状態監視装置6の概要構成ブロック図を示す。
SFガスの状態監視装置6は、大別すると、圧力導入管3を介してGIS(あるいはGIL)2の圧力容器2C内のSFガスの気体圧力を検出し圧力電圧信号を出力する圧力検出部21と、圧力導入管3を介して圧力容器2C内のSFガスの気体温度を検出し温度電圧信号を出力する温度検出部22と、各種データの設定や表示切替を行うための切替設定部23と、SFガスの状態監視装置6全体を制御するコントロール部24と警報、各種データ及び表示しているデータに対応する単位を表示する表示部25と、衝撃圧力検出データ、異常高圧検出データあるいは異常低圧検出データを対応するディジタル系ローカル監視装置8に伝送するための警報出力部26と、対応するアナログ系ローカル監視装置7にアナログ信号を伝送するためのアナログ信号伝送部27と、図示しない外部の直流電源あるいは対応するローカル監視装置7,8と結線するための端子台28と、外部の直流電源の電圧を所定の内部電源電圧に降圧する絶縁型DC/DCコンバータ29と、図示しない電源スイッチあるいはリセットスイッチを操作者が操作することによりコントロール部24の動作を初期化するリセット信号SRSTを出力するリセット信号出力部30と、を備えて構成されている。
【0129】
この場合において、圧力導入管3の途中には、点検時等には閉状態とされるが、通常使用時においては、常に開状態とされている常時開放型止め弁3Aが設けられ、圧力導入管3の端部には、一端が常時開放型止め弁3Aの他端に直列に接続され、他端がSFガスの充排気口として解放状態とされている常時閉塞型止め弁3Bが設けられている。
【0130】
圧力検出部21は、SFガスの気体圧力を検出し原圧力検出信号SPOを出力する気体圧力検出センサ31と、原圧力検出信号SPOを電圧信号である原圧力電圧信号SVPOに変換して出力する圧力/電圧変換器(P/V変換器)32と、を備えて構成されている。
【0131】
温度検出部22は、SFガスの気体温度を検出し原温度検出信号STOを出力する気体温度検出センサ33と、原温度検出信号STOを電圧信号である原温度電圧信号SVTOに変換して出力する温度/電圧変換器(T/V変換器)34と、を備えて構成されている。
【0132】
切換設定部23は、表示切替を行うための表示切替信号SDSWを出力する表示切替スイッチ35と、設定切替時に設定切替信号SSSWを出力する設定切替スイッチ36と、各種設定を行うための設定信号SSETを出力する設定部37と、衝撃圧力を検出するための各種設定を行い衝撃圧力検出設定信号SSPDを出力する衝撃圧力検出設定部38と、衝撃圧力検出時に手動(マニュアル)で復帰させるための手動復帰信号SSPRを出力する衝撃圧力マニュアル復帰スイッチ39と、を備えて構成されている。
【0133】
コントロール部24は、コントロール部24全体を制御するためのコントロールユニット40と、各種演算を行うための演算ユニット41と、各種比較を行うための比較ユニット42と、比較ユニット42における比較結果に基づいて各種判断を行う判断ユニット43と、入力されたアナログ信号のアナログ/ディジタル変換を行うA/D変換器44と、各種データを記憶するROM、RAM等で構成された記憶ユニット45と、複数のタイマを有し、サンプリングタイム信号などを出力する計時ユニット46と、を備えて構成されている。
【0134】
さらにコントロール部24は、図3に示すように、気体圧力検出センサ31が出力した原圧力検出信号SPOを変換してP/V変換器32が出力した原圧力電圧信号SVPOから短絡事故発生時の瞬時な圧力上昇を検出すべく原圧力電圧信号SVPOを増幅して圧力電圧信号SVP1として出力する短絡用アンプ24Aと、原圧力電圧信号SVPOから地絡事故発生時の急な圧力上昇を検出すべく原圧力電圧信号SVPOを増幅して圧力電圧信号SVP2として出力する地絡用アンプ24Bと、を備えて構成されており、A/D変換器44は、P/V変換器32が出力した原圧力電圧信号SVPOをそのまま取り込みアナログ/ディジタル変換するための第1A/D変換端子A/D1と、短絡用アンプ24Aが増幅した圧力電圧信号SVP1を取り込みアナログ/ディジタル変換するための第2A/D変換端子A/D2と、地絡用アンプ24Bが増幅した圧力電圧信号SVP2を取り込みアナログ/ディジタル変換するための第3A/D変換端子A/D3と、を備えて構成されている。
【0135】
表示部25は、数値表示制御信号SNDに基づいて気体温度、気体圧力、標準温度における気体圧力(温度補償圧力あるいは補正圧力)あるいは気体圧力上昇率等を数値表示する数値表示部50と、単位表示制御信号SSCに基づいて単位表示を行う単位表示部51と、出力表示制御信号SODに基づいて警報出力時に当該出力している警報内容を表示する出力表示部52と、を備えて構成されている。
【0136】
警報出力部26は、衝撃圧力検出制御信号SSPに基づいて衝撃圧力検出リレースイッチ53を駆動するための衝撃圧力検出出力信号SCSPを出力する衝撃圧力検出出力部54と、高圧側警報制御信号SHEに基づいて高圧側警報リレースイッチ55を駆動するための高圧側警報出力信号SCHEを出力する高圧側警報出力部56と、低圧側警報制御信号SLEに基づいて低圧側警報リレースイッチ57を駆動するための低圧側警報出力信号SCLEを出力する低圧側警報出力部58と、を備えて構成されている。
【0137】
アナログ信号伝送部27は、後述の電圧/電流変換器(V/I変換器)62とコントロール部24とを電気的に絶縁した状態で温度補償圧力電圧信号SVCP0の伝送を行う光結合器61と、温度補償圧力電圧信号SVCP1を電流信号である温度補償圧力電流信号SACPに変換して出力する電圧/電流変換器62と、温度補償圧力電流信号SACPを4〜20[mA]の電流範囲を有する温度補償圧力伝送信号STACPとして出力する第1伝送信号出力部63と、原圧力電圧信号SVPOを増幅して増幅圧力電圧信号ASVPとして出力する絶縁増幅器65と、増幅圧力電圧信号ASVPを電流信号である圧力電流信号SAPに変換して出力する電圧/電流変換器66と、圧力電流信号SAPを4〜20[mA]の電流範囲を有する圧力伝送信号STAPとして出力する第2伝送信号出力部67と、原温度電圧信号SVTOを増幅して増幅温度電圧信号ASVTとして出力する絶縁増幅器70と、増幅温度電圧信号ASVTを電流信号である温度電流信号SATに変換して出力する電圧/電流変換器71と、温度電流信号SATを4〜20[mA]の電流範囲を有する温度伝送信号STATとして出力する第3伝送信号出力部72と、を備えて構成されている。
【0138】
図4にSFガスの状態監視装置6の外観図を示す。
SFガスの状態監視装置6に設けられた操作表示パネル6P上には、数値表示部50を構成する7セグメント表示素子SEGと、単位表示部51を構成する4個のLED51A〜51Dと、出力表示部52を構成する低圧警報出力表示LED52A及び高圧警報出力表示LED52Bと、設定部37を構成する低圧側設定半固定抵抗37A及び高圧側設定半固定抵抗37Bと、表示切替スイッチ35と、設定切替スイッチ36と、衝撃圧力検出設定部38を構成する衝撃圧力検出設定半固定抵抗38Aと、衝撃圧力マニュアル復帰スイッチ39と、が配置されている。
【0139】
また、操作表示パネル6Pの近傍には、SFガスの状態監視装置6のケーシング6C上に端子板28が配置されている。
次に図面を参照してSFガスの状態監視システムの動作をSFガスの状態監視装置6の動作を主体として説明する。
【0140】
この場合において、予め低圧側設定半固定抵抗37Aにより低圧側基準圧力PLが設定され、高圧側設定半固定抵抗37Bにより第1高圧側基準圧力PHが設定され、記憶ユニット45に予め記憶してあるデータに基づいて第2高圧側基準圧力PH’が設定され、記憶ユニット45に予め記憶してあるデータに基づいて短絡事故相当基準圧力上昇率範囲データRPREF1 が設定され、衝撃圧力設定半固定抵抗38Aにより、地絡事故相当基準圧力上昇率範囲データRPREF2 が設定されているものとする。
【0141】
図5にSFガスの状態監視装置6のメイン処理フローチャートを示す。
まず、SFガスの状態監視装置6のコントロール部24は、略数秒間所定の各種初期化処理を行う(ステップS1)。
各種初期化処理が終了すると、アナログ信号伝送部27の絶縁増幅器65は、気体圧力検出センサ31の出力に相当する原圧力電圧信号SVPOを増幅して増幅圧力電圧信号ASVPとして電圧/電流変換器66に出力する。
【0142】
電圧/電流変換器66は、増幅圧力電圧信号ASVPを電流信号である圧力電流信号SAPに変換して第2伝送信号出力部67に出力する。
第2伝送信号出力部67は、圧力電流信号SAPを4〜20[mA]の電流範囲を有する圧力伝送信号STAPとして端子板28および第1アナログ信号伝送ライン4を介してアナログ系ローカル監視装置7に出力する。
【0143】
一方、アナログ信号伝送部27の絶縁増幅器70は、原温度電圧信号SVTOを増幅して増幅温度電圧信号ASVTとして電圧/電流変換器71に出力する。
電圧/電流変換器71は、増幅温度電圧信号ASVTを電流信号である温度電流信号SATに変換して第3伝送信号出力部72に出力する。
【0144】
第3伝送信号出力部72は、温度電流信号SATを4〜20[mA]の電流範囲を有する温度伝送信号STATとして端子板28及び第1アナログ信号伝送ライン4を介してアナログ系ローカル監視装置7に出力する。
これらの結果、アナログ系ローカル監視装置7には、第1アナログ信号伝送ライン4を介して圧力伝送信号STAP及び温度伝送信号STATが伝達されることとなり、アナログ系ローカル監視装置7は、これらの信号を仲介して第1中央監視装置10に伝送することとなる。
【0145】
これにより第1中央監視装置10は、これらの圧力伝送信号STAP、これらの温度伝送信号STATに基づいて信号処理を行い、必要に応じて送電を中止したり、監視者への通報を行うこととなる。すなわち、監視者は予防保全の対処が可能となる。
【0146】
以下、同様にして、アナログ系ローカル監視装置7及び第1中央監視装置10は、後述するディジタル系ローカル監視装置8及び第2中央監視装置12の動作と並行して監視動作を継続することとなる。
続いて、コントロール部24の計時ユニット46は、10分でカウントが終了する10分タイマの計時(カウントアップ若しくはカウントダウン)を開始する(ステップS2)。以下、計時とカウントは同じ意味として用いる。
【0147】
さらにコントロール部24は、計時ユニット46の複数のタイマのうち、5[msec]でカウントが終了する第1タイマ(=5[msec]タイマ)により割込を行う第1タイマ割込処理(衝撃圧力検出出力制御処理及び高圧警報出力制御処理)に移行する(ステップS3)。
【0148】
図7に第1タイマ割込処理の処理フローチャートを示す。
この第1タイマ割込処理は、短絡事故発生時に相当する瞬時な異常圧力上昇を検出するためのものである。
まず、コントロール部24のコントロールユニット40は、原圧力電圧信号SVP0をA/D変換器44の第1A/D変換端子A/D1を介して原圧力電圧信号SVP0に対応する気体圧力Ptを読み込み、短絡用アンプ24Aが増幅した圧力電圧信号SVP1をA/D変換器44の第2A/D変換端子A/D2を介して圧力電圧信号SVP1に対応する圧力Pt’を読み込み、地絡用アンプ24Bが増幅した圧力電圧信号SVP2をA/D変換器44の第3A/D変換端子A/D3を介して圧力電圧信号SVP2に対応する圧力Pt”を読み込む(ステップS21)。
【0149】
次にコントロール部24は、図8(a)に示すように、時間的に連続する4個のサンプリングタイムに対応する最新の4個の気体圧力Pt(n−3)、Pt(n−2),Pt(n−1),Pt(n)を4個の気体圧力データPt1(n−3)、Pt1(n−2),Pt1(n−1),Pt1(n)として、リングバッファメモリRBM1の4つの記憶領域M11、M12、M13、M14に更新しつつ順次格納する。ここで、気体圧力データPt1(n−3)が最も古いデータであり、気体圧力データPt1(n)が最も新しいデータである。
【0150】
気体圧力Ptの格納順番としては、図8(a)下部に示すように、リングバッファメモリRBM1に何もデータが格納されていない場合には、書込ポインタを記憶領域M11に対応するものとし、記憶領域M11に気体圧力Ptを格納する。
そして、次に気体圧力Ptを格納する場合には、書込ポインタを記憶領域M12に対応するものとし、記憶領域M12に気体圧力Ptを格納する。
【0151】
続いて気体圧力Ptを格納する場合には、書込ポインタを記憶領域M13に対応するものとし、記憶領域M13に気体圧力Ptを格納する。
さらに、気体圧力Ptを格納する場合には、書込ポインタを記憶領域M14に対応するものとし、記憶領域M14に気体圧力Ptを格納する。
【0152】
この結果、図8(a)に示すように、記憶領域M14に最新の気体圧力が気体圧力データPt1 (n)として格納され、記憶領域M11には3サンプリングタイム前の気体圧力が気体圧力データPt1 (n−3)として格納されることとなる。
さらにまた、気体圧力Ptを格納する場合には、書込ポインタを再び、記憶領域M11に対応するものとし、記憶領域M11に気体圧力Ptを上書きして格納することとなる。
【0153】
このようにして、書込ポインタを変更することによりリングバッファとして書込を行うとともに、書込ポインタに対応する記憶領域が4個の気体圧力データPt1(n−3)、Pt1(n−2),Pt1(n−1),Pt1(n)のうち、もっとも最近に格納した気体圧力データPt1(n)が格納されているものとして、処理を行っている(ステップS22)。
【0154】
次にコントロール部24は、図8(b)に示すように、時間的に連続する4個のサンプリングタイムに対応する最新の4個の短絡検出用気体圧力Pt’(n−3)、Pt’(n−2),Pt’(n−1),Pt’(n)を4個の短絡検出用気体圧力データPt2(n−3)、Pt2(n−2),Pt2(n−1),Pt2(n)として、リングバッファメモリRBM2の4つの記憶領域M21、M22、M23、M24に更新しつつ順次格納する。以下の処理は、リングバッファメモリRBM1の場合と同様である(ステップS22)。
【0155】
さらにコントロール部24は、図8(c)に示すように、時間的に連続する4個のサンプリングタイムに対応する最新の4個の地絡検出用気体圧力Pt”(n−3)、Pt”(n−2)、Pt”(n−1)、Pt”(n)を4個の地絡検出用気体圧力データPt3(n−3)、Pt3(n−2)、Pt3(n−1)、Pt3(n)として、リングバッファメモリRBM3の4つの記憶領域M31、M32、M33、M34に更新しつつ順次格納する。以下の処理は、リングバッファメモリRBM1の場合と同様である(ステップS22)。
【0156】
そして、衝撃圧力検出サブルーチンに処理を移行する(ステップS23)。
図9に衝撃圧力検出サブルーチンの処理フローチャートを示す。
まず、コントロール部24は、計時ユニット46の10分タイマが計時終了したか否かを10分タイマ(10[min]タイマ)のタイマフラグがセットされているか否かに基づいて判別する(ステップS31a)。これは電源が投入されてから10分間は、GISの圧力容器内の状態が非定常状態にある可能性が高いため、誤って衝撃圧力を検出しないように、10分タイマ(10[min]タイマ)の計時を電源投入から10分間は行わないようにするための処理である。
【0157】
ステップS31aの判別により電源が投入されてから未だ10分が経過していない場合には(ステップS31a;No)、処理をステップS24に移行する。ステップS31aの判別により電源が投入されてから10分が経過している場合には(ステップS31a;Yes)、コントロール部24は、10分タイマ(10[min]タイマ)のタイマフラグをセットする(ステップS31b)。
【0158】
次にコントロール部24は、リングバッファメモリRBM2に格納した最新の4個の短絡検出用気体圧力Pt’(n−3)、Pt’(n−2)、Pt’(n−1)、Pt’(n)に対応する短絡検出用気体圧力データPt2(n−3)、Pt2(n−2)、Pt2(n−1)、Pt2(n)に基づいて圧力上昇率を演算する(ステップS31)。
【0159】
より具体的には、4個の短絡検出用気体圧力データPt2(n−3)、Pt2(n−2),Pt2(n−1),Pt2(n)のうちの最小値を有する短絡検出用気体圧力データPt2minと最大値を有する短絡検出用気体圧力データPt2maxとを選択し、100[msec]当たりの圧力上昇率を演算する。
【0160】
すなわち、求めるべき圧力上昇率RP1は、短絡検出用気体圧力Pt2minと短絡検出用気体圧力Pt2maxとの間の時間差をΔT1(=5,10または15[msec]のいずれか)とすると、
RP1=(Pt2max−Pt2min)・100/ΔT1[kPa/100msec]
となる。
【0161】
次にコントロール部24は、求めた圧力上昇率RP1が設定圧力上昇率範囲RPREF1に含まれるか、あるいは、設定圧力上昇率範囲RPREF1を越えているか否かを判別する(ステップS32)。
ここで、短絡検出用気体圧力データPt2maxが読み込まれた時刻は、短絡検出用気体圧力データPt2minが読み込まれた時刻よりも後であることは圧力上昇を検出していることから言うまでもない。すなわち、短絡検出用気体圧力データPt2maxは短絡検出用気体圧力データPt2minよりも新しいデータとなる。
【0162】
また、図示はしないが求める圧力上昇率RP1あるいは後述する圧力上昇率RP2はいずれも正の値に限って対応する設定圧力上昇率RPREF1 、RPREF2 の範囲に含まれているか否か、あるいは、設定圧力上昇率RPREF1 、RPREF2 を越えているか否かの判別処理がなされる。圧力上昇率RP1、後述する圧力上昇率RP2が負の値の場合には判別処理は無駄となるからである。
【0163】
この場合において、設定圧力上昇率範囲RPREF1(短絡事故相当圧力上昇率範囲データに相当)は、図10に示すように、当該圧力上昇率で圧力を上昇させた場合5[msec]〜20[msec](=5[msec]×4)の時間内に圧力容器2Cに短絡事故が発生した場合に到達するであろうと予測される圧力である短絡事故相当基準圧力PREF1 (=例えば、1.000〜3.000[kPa])に到達する場合の圧力上昇率範囲として定めてある。
【0164】
ステップS32の判別において、求めた圧力上昇率RP1が設定圧力上昇率範囲RPREF1に含まれているか、あるいは、これを越えている場合には(ステップS32;Yes)、コントロールユニット40は、衝撃圧力検出制御信号SSPにより衝撃圧力検出出力部54を駆動し、衝撃圧力検出リレースイッチ53を動作(閉状態:警報出力保持)させる(ステップS33)。
【0165】
この結果、ディジタル系ローカル監視装置8には、第1ディジタル信号伝送ライン5を介して衝撃圧力検出警報出力が保持されている旨が伝達されることとなり、ひいては、ディジタル系ローカル監視装置8が第2デジタル信号伝送ライン11を介して第2中央監視装置12に衝撃圧力検出警報出力が保持されている旨及び当該衝撃圧力検出警報出力が保持されているSFガスの状態監視装置6を特定する情報とともに伝達される。
【0166】
これにより第2中央監視装置12は、必要に応じて送電を中止したり、監視者への通報を行うこととなる。すなわち、監視者は事故点標定の対処が可能となる。
次にコントロールユニット40は、衝撃圧力検出フラグをセットし(ステップS34)、数値表示制御信号SNDを出力することにより、演算した圧力上昇率を数値表示部50の7セグメント表示素子SEGに数値表示する(ステップS35)。
【0167】
そして単位表示部51のLED51A(単位=[kPa/100msec]に対応)を点滅し(ステップS36)、処理をステップS24に移行する。
ステップS32の判別において、求めた圧力上昇率RP1が設定圧力上昇率範囲RPREF1に含まれず、かつ、これを越えていない場合には(ステップS32;No)、コントロール部24は、処理をステップS37aに移行する。
【0168】
ステップS37aの処理は、リングバッファメモリRBM2に対してステップS31の処理が行われたのと同様の処理がリングバッファメモリRBM3に対して行われる。
すなわち、求めるべき圧力上昇率RP2は、地絡検出用気体圧力データPt3の最大値である地絡検出用気体圧力データPt3maxと、地絡検出用気体圧力データの最小値である地絡検出用気体圧力データPt3minとの間の時間差をΔT2(=5,10または15[msec]のいずれか)とすると、
RP2=(Pt3max−Pt3min)・100/ΔT2[kPa/100msec]
となる。
【0169】
ここで、地絡検出用気体圧力データPt3maxが読み込まれた時刻は、地絡検出用気体圧力データPt3minが読み込まれた時刻よりも後であることは圧力上昇率を検出していることから言うまでもない。
すなわち、地絡検出用気体圧力データPt3maxは地絡検出用気体圧力データPt3minよりも新しいデータとなる。
【0170】
次にコントロール部24は、求めた圧力上昇率RP2が設定圧力上昇率範囲RPREF2 に含まれるか、あるいは、設定圧力上昇率範囲RPREF2 を越えているか否かを判別する(ステップS37)。
この場合において、設定圧力上昇率範囲RPREF2 (地絡事故相当圧力上昇率範囲データに相当)は、図10に示すように、当該圧力上昇率で圧力を上昇させた場合、5[msec]〜20[msec](=5[msec]×4)の時間内に圧力容器2Cに地絡事故が発生した場合に到達するであろうと予測される圧力である地絡事故相当基準圧力PREF2 (=例えば、0.100〜0.300[kPa])に到達する場合の圧力上昇率範囲として定めてある。
【0171】
ステップS37の判別において、求めた圧力上昇率RP2が設定圧力上昇率範囲RPREF2 に含まれているか、あるいは、これを越えている場合には(ステップS37;Yes)、コントロールユニット40は、衝撃圧力検出制御信号SSPにより衝撃圧力検出出力部54を駆動し、衝撃圧力検出リレースイッチ53を動作(閉状態:警報出力保持)させる(ステップS38)。
【0172】
この結果、ディジタル系ローカル監視装置8には、第1ディジタル信号伝送ライン5を介して衝撃圧力検出警報出力が保持されている旨が伝達されることとなり、ひいては、ディジタル系ローカル監視装置8が第2デジタル信号伝送ライン11を介して第2中央監視装置12に衝撃圧力検出警報出力が保持されている旨及び当該衝撃圧力検出警報出力が保持されているSFガスの状態監視装置6を特定する情報とともに伝達される。
【0173】
これにより第2中央監視装置12は、必要に応じて送電を中止したり、監視者への通報を行うこととなる。すなわち、監視者は事故点標定の対処が可能となる。
次にコントロールユニット40は、衝撃圧力検出フラグをセットし(ステップS39)、数値表示制御信号SNDを出力することにより、演算した圧力上昇率を数値表示部50の7セグメント表示素子SEGに数値表示する(ステップS40)。
【0174】
そして単位表示部51のLED51A(単位=[kPa/100msec]に対応)を点滅し(ステップS41)、処理をステップS24に移行する。
ステップS37の判別において、求めた圧力上昇率RP2が設定圧力上昇率範囲RPREF2に含まれず、かつ、これを越えていない場合には(ステップS37;No)、コントロール部24は処理をステップS24に移行する。
【0175】
次にコントロール部24の比較ユニット42は、比較対象圧力Ptと第1高圧側基準圧力PHを比較し、判断ユニット43は比較ユニット42の比較結果に基づいて、比較対象圧力Ptが第1高圧側基準圧力PH以上か否か、すなわち、
Pt≧PH
を満たしているかを判別する(ステップS24)。
【0176】
ステップS24の判別において、比較対象圧力Ptは、リングバッファメモリRBM1に格納されている4個の気体圧力データPt1(i)の中の最新のデータが使用されることとなる。
ステップS24の判別において、比較対象圧力Ptが第1高圧側基準圧力PH未満である場合、すなわち、
Pt<PH
の場合(ステップS24;No)には、コントロールユニット40は、高圧側警報制御信号SHEにより高圧側警報出力部56を駆動し、高圧側警報リレースイッチ55を復帰(開状態:警報出力解除)させる(ステップS25)。
【0177】
この結果、ディジタル系ローカル監視装置8には、第1ディジタル信号伝送ライン5を介して高圧警報出力が解除された旨が伝達されることとなり、ひいては、ディジタル系ローカル監視装置8が第2ディジタル信号伝送ライン11を介して第2中央監視装置12に高圧警報出力が解除された旨が伝達されることとなる。
【0178】
この高圧警報出力解除についてのディジタル系ローカル監視装置8及び第2中央監視装置12への信号伝達と並行して、コントロールユニット40は、出力表示制御信号SODを出力して出力表示部52の高圧警報出力表示LED52Bを消灯させ(ステップS26)、処理をステップS29に移行する。
【0179】
ステップS24の判別において、比較対象圧力Ptが第1高圧側基準圧力PH以上である場合、すなわち、
Pt≧PH
の場合(ステップS24;Yes)には、コントロールユニット40は、高圧側警報制御信号SHEにより高圧側警報出力部56を駆動し、高圧側警報リレースイッチ55を動作(閉状態:警報出力保持)させる(ステップS27)。
【0180】
この結果、ディジタル系ローカル監視装置8には、第1ディジタル信号伝送ライン5を介して高圧警報出力が保持されている旨が伝達されることとなり、ひいては、ディジタル系ローカル監視装置8が第2デジタル信号伝送ライン11を介して第2中央監視装置12に高圧警報出力が保持されている旨及び当該高圧警報出力が保持されているSFガスの状態監視装置6を特定する情報とともに伝達される。
【0181】
これにより第2中央監視装置12は、必要に応じて送電を中止したり、監視者への通報を行うこととなる。すなわち、監視者は事故点標定の対処が可能となる。
この高圧警報出力保持についてのディジタル系ローカル監視装置8及び第2中央監視装置12への信号伝達と並行して、コントロールユニット40は、出力表示制御信号SODを出力して出力表示部52の高圧警報出力表示LED52Bを点灯させ(ステップS28)、処理をステップS29に移行する。
【0182】
次にコントロールユニット40は、第1タイマ(=5[msec]タイマ)をリスタートして(ステップS29)、以降は、5[msec]毎に上記第1タイマ割込処理を行わせるようにする。
次にコントロール部24のコントロールユニット40は、再び処理をメイン処理フローチャートに戻し、原温度電圧信号SVTOをA/D変換器44を介して読み込み、原温度電圧信号SVTOに対応する気体温度tを読み込む(ステップS4)。
【0183】
続いて、コントロール部24のコントロールユニット40は、検出圧力の基準温度20[℃]における補正圧力(温度補償圧力)P20算出処理サブルーチンに移行する(ステップS5)。
図6に補正圧力算出処理サブルーチンの処理フローチャートを示す。
【0184】
この場合において、記憶ユニット45には、高圧側管理限界の近傍の圧力である0.700[MPa](=第1の補正圧力に相当)におけるSFガスの定密度直線である第1定密度直線PHを温度Tの関数として、
PH(T)=aH・T+bH
(aH:0以外の実数、bH:実数)
と表した場合の係数aH、bH、低圧側管理限界の近傍の圧力である0.350[MPa](=第2の補正圧力に相当)におけるSFガスの定密度直線である第2定密度直線PLを温度Tの関数として、
PL(T)=aL・T+bL
(aL:0以外の実数、bL:実数)
と表した場合の係数aL、bL、SFガスの基準封入圧力(=0.600[MPa]の近傍の圧力である0.550[MPa](=第3の圧力に相当)におけるSFガスの定密度直線である第3定密度直線PRを、温度Tの関数として、
PR(T)=aR・T+bR
(aR:0以外の実数、bR:実数)
と表した場合の係数aR、bRが予め記憶されているものとする。
【0185】
まず、コントロールユニット40は、気体温度tに相当する温度データ、所定のサンプリングタイム(たとえば、5[msec])毎の最新の圧力データP(t)に基づいて、第1定密度直線及び第3定密度直線の係数aH、bH、aR、bRを用い、図11に示すように、比例配分を利用した(1)式により基準温度20[℃](=tREF)における補正圧力P20(=補正圧力PREFに相当)を算出する(ステップS151)。
【0186】
Figure 0003621814
以下、同様に、所定のサンプリングタイム(上述の例では、5[msec])毎に最新の圧力データP(t)に基づいて(1)式を用いて補正圧力P20を算出する(ステップS151)。
【0187】
そして、求めた補正圧力P20が第3定密度直線に対応する圧力(=第3の補正圧力に相当。上述の例では、0.550[MPa])を越えているか否かを判別する(ステップS152)。
ステップS152の判別において、求めた補正圧力P20が第3定密度直線に対応する圧力を越えている場合には(ステップS152;Yes)、補正圧力P20が第1定密度直線に対応する圧力(=第1の補正圧力に相当。上述の例では、0.700[MPa])を越えているか否かを判別する(ステップS153)。
【0188】
ステップS153の判別において、求めた補正圧力P20が第1定密度直線に対応する圧力を越えている場合には(ステップS153;Yes)、管理可能な上限方向圧力である管理上限圧力を越えているのでアウトレンジフラグをセットする(ステップS155)。
【0189】
そして、補正圧力P20が第2高圧側基準圧力PH’以上であるか否か、すなわち、
P20≧PH’
であるか否かを判別する(ステップS156)。
【0190】
ステップS156の判別において、補正圧力P20が第2高圧側基準圧力PH’未満である場合、すなわち、
P20<PH’
の場合(ステップS156;No)には、コントロールユニット40は、高圧側警報制御信号SHEにより高圧側警報出力部56を駆動し、高圧側警報リレースイッチ55を復帰(開状態:警報出力解除)させる(ステップS157)。
【0191】
この結果、ディジタル系ローカル監視装置8には、第1ディジタル信号伝送ライン5を介して高圧警報出力が解除された旨が伝達されることとなり、ひいては、ディジタル系ローカル監視装置8が第2ディジタル信号伝送ライン11を介して第2中央監視装置12に高圧警報出力が解除された旨が伝達されることとなる。
【0192】
この高圧警報出力解除についてのディジタル系ローカル監視装置8及び第2中央監視装置12への信号伝達と並行して、コントロールユニット40は、出力表示制御信号SODを出力して出力表示部52の高圧警報出力表示LED52Bを消灯させ、処理をステップS159に移行する。
【0193】
ステップS156の判別において、補正圧力P20が第2高圧側基準圧力PH’以上である場合、すなわち、
P20≧PH’
の場合(ステップS156;Yes)には、コントロールユニット40は、高圧側警報制御信号SHEにより高圧側警報出力部56を駆動し、高圧側警報リレースイッチ55を動作(閉状態:警報出力保持)させる(ステップS158)。
【0194】
この結果、ディジタル系ローカル監視装置8には、第1ディジタル信号伝送ライン5を介して高圧警報出力が保持されている旨が伝達されることとなり、ひいては、ディジタル系ローカル監視装置8が第2デジタル信号伝送ライン11を介して第2中央監視装置12に高圧警報出力が保持されている旨及び当該高圧警報出力が保持されているSFガスの状態監視装置6を特定する情報とともに伝達される。
【0195】
これにより第2中央監視装置12は、必要に応じて送電を中止したり、監視者への通報を行うこととなる。すなわち、監視者は事故点標定の対処が可能となる。
次にコントロールユニット40は、サンプリングタイム制御用の図示しない計数器(カウンタ)のカウント値に1を加算する(ステップS159)。
続いてコントロールユニット40は、図示しないサンプリングタイム制御用の計数器(カウンタ)のカウント値=4か否か、すなわち、5[msec]×4=20[msec]が経過したか否かを判別する(ステップS6)。
【0196】
ステップS6の判別において、サンプリングタイム制御用の計数器(カウンタ)のカウント値=4、すなわち、5[msec]×4=20[msec]が経過した場合には(ステップS6;Yes)、コントロールユニット40は、次回の計測に備えて図示しない計数器(カウンタ)をリセットし、カウント値を0とし(ステップS165)、処理をステップS10aに移行する。
【0197】
ステップS6の判別において、サンプリングタイム制御用の計数器(カウンタ)のカウント値=4ではない、すなわち、5[msec]×4=20[msec]が経過していない場合には(ステップS6;No)、アウトレンジフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS10a)。
【0198】
ステップS10aの判別において、アウトレンジフラグがセットされている場合には(ステップS10a;Yes)、コントロールユニット40は、検出圧力Ptに相当する温度補償圧力電圧信号SVCP0の光結合器61に対するディジタル出力処理、検出圧力Ptの表示処理、単位(MPa)の表示処理を行う(ステップS10b)。
【0199】
ここで、光結合器61を用いる理由及び具体的な処理について説明する。
通常、コントロール部24を構成する場合には、1チップマイクロコンピュータで構成されており、内蔵のD/A変換器としては分解能が8ビットのものが一般的である。しかし、より高分解能を望む場合には、外付けで10ビット以上の分解能を有するD/A変換器を用いる必要がある。
【0200】
例えば、検出圧力Ptに相当する温度補償圧力電圧信号SVCP0の出力形態がパルス出力あるいはシリアル出力の場合には、光結合器61は一つのフォトカプラで構成し、V/I変換器62の前段にF/V変換器あるいはシリアル入力/パラレル出力型のCMOS−ICによるシフトレジスタの出力側にラダー抵抗網を配置してD/A変換器を構成し、次段のV/I変換器62に温度補償圧力電圧信号SVCP1を送出する構成とする。
【0201】
また、温度補償圧力電圧信号SVCP0の出力形態がパラレル出力の場合には、光結合器61は、複数のフォトカプラで構成し、V/I変換器62の前段に複数のCMOS−ICによるバッファと当該バッファの出力側にラダー抵抗網を配置してD/A変換器を構成し、次段のV/I変換器62に温度補償圧力電圧信号SVCP1を送出する構成とする。
【0202】
このように外付けのD/A変換器を用いるためには様々なビット数に対応する必要があり、光結合器61を用いているのである。
これにより光結合器61は電気的に絶縁状態で温度補償圧力電圧信号SVCP1を電圧/電流変換器62に出力する。これにより電圧/電流変換器62は、温度補償圧力電圧信号SVCP1の電圧/電流変換を行って温度補償圧力電流信号SACPとして第1伝送信号出力部63に出力する。
【0203】
この結果、第1伝送信号出力部63は、検出圧力Ptに相当する温度補償圧力電流信号SACPを4〜20[mA]の電流範囲を有する温度補償圧力伝送信号STACPとして端子板28及び第1アナログ信号伝送ライン4を介してアナログ系ローカル監視装置7に出力する。
【0204】
これらの結果、アナログ系ローカル監視装置7には、第1アナログ信号伝送ライン4を介して温度補償圧力伝送信号STACPが圧力伝送信号STAP及び温度伝送信号STATとともに伝送されることとなり、アナログ系ローカル監視装置7は、温度補償圧力伝送信号STACPを仲介して第1中央監視装置10に伝送することとなる。
【0205】
これにより第1中央監視装置10は、温度補償圧力伝送信号STACPに基づいて必要に応じて送電を中止したり、監視者への通報を行うこととなる。すなわち、監視者は、予防保全の対処が可能となる。
また、コントロールユニット40は補正圧力P20に対応する数値表示制御信号SNDを数値表示部50に出力し、単位表示部51に単位表示制御信号SSCを出力する。
【0206】
ステップS10aの判別において、アウトレンジフラグがセットされていない場合には(ステップS10a;No)、コントロールユニット40は、補正圧力P20に相当する温度補償圧力電圧信号SVCP0の光結合器61に対するディジタル出力処理、補正圧力P20の表示処理、単位(MPa(at20℃)の表示処理を行う(ステップS10)。
【0207】
これにより光結合器61は電気的に絶縁状態で温度補償圧力電圧信号SVCP1を電圧/電流変換器62に出力する。これにより電圧/電流変換器62は、温度補償圧力電圧信号SVCP1の電圧/電流変換を行って温度補償圧力電流信号SACPとして第1伝送信号出力部63に出力する。
【0208】
この結果、第1伝送信号出力部63は、温度補償圧力電流信号SACPを4〜20[mA]の電流範囲を有する温度補償圧力伝送信号STACPとして端子板28及び第1アナログ信号伝送ライン4を介してアナログ系ローカル監視装置7に出力し、アナログ系ローカル監視装置7には、第1アナログ信号伝送ライン4を介して温度補償圧力伝送信号STACPが圧力伝送信号STAP及び温度伝送信号STATとともに伝送されることとなり、アナログ系ローカル監視装置7は、温度補償圧力伝送信号STACPを仲介して第1中央監視装置10に伝送することとなる。
【0209】
これにより第1中央監視装置10は、温度補償圧力伝送信号STACPに基づいて必要に応じて送電を中止したり、監視者への通報を行うこととなる。すなわち、監視者は、予防保全の対処が可能となる。
また、コントロールユニット40は補正圧力P20に対応する数値表示制御信号SNDを数値表示部50に出力し、単位表示部51に単位表示制御信号SSCを出力する。
【0210】
この結果、図12に示すように、数値表示部50には、補正圧力P20の値(図12では、「0.420」)が表示され(ステップS10)、単位表示部51には対応する単位(図12では、「MPa(at20℃)」)が表示されることとなる。
【0211】
ステップS153の判別において、求めた補正圧力P20が第1定密度直線に対応する圧力以下である場合には(ステップS153;No)、コントロールユニット40は、アウトレンジフラグをリセットし(ステップS154)、サンプリングタイム制御用の図示しない計数器(カウンタ)のカウント値に1を加算し(ステップS159)、ステップS6の処理に移行して、以下、上述した場合と同様にステップS6以降の処理を行う。
【0212】
ステップS152の判別において、求めた補正圧力P20が第3定密度直線に対応する圧力未満である場合には(ステップS152;No)、コントロールユニット40は、図示しないサンプリングタイム制御用の計数器(カウンタ)のカウント値=4か否か、すなわち、5[msec]×4=20[msec]が経過したか否かを判別する(ステップS160)。
【0213】
ステップS160の判別において、サンプリングタイム制御用の計数器(カウンタ)のカウント値=4ではない、すなわち、5[msec]×4=20[msec]が経過していない場合には(ステップS160;No)、コントロールユニット40は、アウトレンジフラグをリセットし(ステップS154)、サンプリングタイム制御用の図示しない計数器(カウンタ)のカウント値に1を加算し(ステップS159)、ステップS6の処理に移行して、以下、上述した場合と同様にステップS6以降の処理を行う。
【0214】
ステップS160の判別において、サンプリングタイム制御用の計数器(カウンタ)のカウント値=4、すなわち、5[msec]×4=20[msec]が経過した場合には(ステップS160;Yes)、コントロールユニット40は、気体温度tに相当する温度データ、所定のサンプリングタイム(たとえば、5[msec])毎の最新の圧力データP(t)に基づいて、第2定密度直線及び第3定密度直線の係数aL、bL、aR、bRを用い、図11に示すように、比例配分を利用した(2)式により基準温度20[℃](=tREF)における補正圧力P20’(=補正圧力PREFに相当)を算出する(ステップS161)。
【0215】
Figure 0003621814
以下、同様に、所定のサンプリングタイム(上述の例では、20[msec])毎に最新の圧力データP(t)に基づいて(2)式を用いて補正圧力P20’を算出する(ステップS161)。
【0216】
そして、求めた補正圧力P20’が第2定密度直線に対応する圧力(=第2の補正圧力に相当。上述の例では、0.350[MPa])を越えているか否かを判別する(ステップS162)。
ステップS162の判別において、求めた補正圧力P20’が第2定密度直線に対応する圧力未満である場合には(ステップS162;No)、管理可能な下限方向圧力である管理下限圧力に達していないのでアウトレンジフラグをセットする(ステップS163)。
【0217】
そして、補正圧力P20’が低圧側基準圧力PL未満であるか否か、すなわち、
P20’<PL
であるか否かを判別する(ステップS7)。
ステップS7の判別において、補正圧力P20’が低圧側基準圧力PL未満である場合、すなわち、
P20’<PL
の場合(ステップS7;Yes)には、コントロールユニット40は、低圧側警報制御信号SLEにより低圧側警報出力部58を駆動し、低圧側警報リレースイッチ57を動作(閉状態:警報出力保持)させる(ステップS9)。
【0218】
この結果、ディジタル系ローカル監視装置8には、第1ディジタル信号伝送ライン5を介して低圧警報出力が保持されている旨が伝達されることとなり、ひいては、ディジタル系ローカル監視装置8が第2デジタル信号伝送ライン11を介して第2中央監視装置12に低圧警報出力が保持されている旨及び当該低圧警報出力が保持されているSFガスの状態監視装置6を特定する情報とともに伝達される。
【0219】
ステップS7の判別において、補正圧力P20’が低圧側基準圧力PL以上である場合、すなわち、
P20’≧PL
の場合(ステップS7;No)には、コントロールユニット40は、低圧側警報制御信号SLEにより低圧側警報出力部58を駆動し、低圧側警報リレースイッチ57を復帰(開状態:警報出力解除)させる(ステップS8)。
【0220】
この結果、ディジタル系ローカル監視装置8には、第1ディジタル信号伝送ライン5を介して低圧警報出力が解除された旨が伝達されることとなり、ひいては、ディジタル系ローカル監視装置8が第2ディジタル信号伝送ライン11を介して第2中央監視装置12に低圧警報出力が解除された旨が伝達されることとなる。
【0221】
この低圧警報出力解除についてのディジタル系ローカル監視装置8及び第2中央監視装置12への信号伝達と並行して、コントロールユニット40は、出力表示制御信号SODを出力して出力表示部52の低圧警報出力表示LED52Aを消灯させ、処理をステップS165に移行する。
【0222】
ステップS162の判別において、求めた補正圧力P20’が第2定密度直線に対応する圧力以上である場合には(ステップS162;Yes)、管理可能な下限方向圧力である管理下限圧力に達しているのでアウトレンジフラグをリセットする(ステップS164)。
【0223】
そして、補正圧力P20に補正圧力P20’を代入する(ステップS164a)。さらにコントロールユニット40は、次回の計測に備えて図示しない計数器(カウンタ)をリセットし、カウント値を0とし(ステップS165)、処理をステップS10aに移行する。
【0224】
ステップS6の判別において、サンプリングタイム制御用の計数器(カウンタ)のカウント値=4ではない、すなわち、5[msec]×4=20[msec]が経過していない場合には(ステップS6;No)、アウトレンジフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS10a)。
【0225】
ステップS10aの判別において、アウトレンジフラグがセットされている場合には(ステップS10a;Yes)、コントロールユニット40は、検出圧力Ptに相当する温度補償圧力電圧信号SVCP0の光結合器61に対するディジタル出力処理、検出圧力Ptの表示処理、単位(MPa)の表示処理を行う(ステップS10b)。
【0226】
また、ステップS10aの判別において、アウトレンジフラグがセットされていない場合には(ステップS10a;No)、コントロールユニット40は、補正圧力P20に相当する温度補償圧力電圧信号SVCP0の光結合器61に対するディジタル出力処理、補正圧力P20の表示処理、単位(MPa(at20℃)の表示処理を行う(ステップS10)。
【0227】
ここで、ステップS10b及びステップS10の処理をより具体的に説明する。
【0228】
ステップS10b:
(1) ガス圧力は管理限界範囲外にあるので、第1伝送信号出力部63は、検出圧力Ptに対応する4〜20[mA]伝送信号を送出する。
(2) 数値表示部50には、検出圧力Ptに対応するデータを点灯表示する。
(3) 単位表示部51には、単位表示用LED51C(=[MPa]表示)を点滅表示する。
【0229】
ステップS10:
(1) ガス圧力は管理限界範囲内にあるので、第1伝送信号出力部63は、補正圧力P20に対応する4〜20[mA]伝送信号を送出する。
(2) 数値表示部50には、補正圧力P20に対応するデータを点灯表示する。
(3) 単位表示部51には、単位表示用LED51D(=[MPa(at20℃]表示)を点灯表示する。
【0230】
次に判断ユニット43は、キー入力があったか否かを判別する(ステップS11)。
ステップS11の判別において、キー入力が行われなかった場合には(ステップS11;No)、処理をステップS4に移行し、ステップS4からステップS11の処理を繰り返す。
【0231】
ステップS11の判別において、キー入力が行われた場合には(ステップS11;Yes)、第2タイマ(=100[msec]タイマ)をスタートする(ステップS12)、以後、第2タイマは、100[msec]毎にサンプリングタイム信号を出力する。
【0232】
なお、この第2タイマは、キー入力処理用のタイマであり、必ずしも第1タイマ(=5[msec]タイマ)と同期しているわけではない。
次に判断ユニット43は、衝撃圧力の検出を最優先に行う衝撃圧力検出優先処理か否かを判別する(ステップS13)。より具体的には、ステップS34並びにステップS39において、衝撃圧力検出フラグがセットされているか否かを判別する。
【0233】
ステップS13の判別において、衝撃圧力検出優先処理である場合には(ステップS13;Yes)、衝撃圧力マニュアル復帰スイッチ39が操作されたか否か手動復帰信号SSPRに基づいて判別する(ステップS15)。
ステップS15の判別において、衝撃圧力マニュアル復帰スイッチ39が操作されていない場合には(ステップS15;No)、処理をステップS4に移行し以下、同様の処理を繰り返す。
【0234】
ステップS15の判別において、衝撃圧力マニュアル復帰スイッチ39が操作された場合には(ステップS15;Yes)、コントロール部24は、衝撃圧力検出制御信号SSPを衝撃圧力検出出力部54に出力し、衝撃圧力検出出力部54は、衝撃圧力検出出力信号SCSPにより衝撃圧力検出リレースイッチ53を衝撃圧力非検出位置に復帰させる(ステップS16)。
【0235】
次にコントロール部24は、数値表示制御信号SNDを数値表示部50に出力することにより、数値表示部50における数値表示を標準温度における気体圧力(温度補償圧力あるいは補正圧力)表示に戻す(ステップS17)。
さらに単位表示部51に単位表示制御信号SSCを出力することにより、単位表示部51において温度補償圧力あるいは補正圧力表示に対応する「MPa(at20℃)」のLED51Dを点灯させる(ステップS18)。
【0236】
次にコントロール部24は、衝撃圧力検出優先処理をクリアし、すなわち、セットされているフラグをリセットし(ステップS19)、通常処理状態となって処理をステップS4に移行し、以下、同様の処理を行う。
ステップS13の判別において、衝撃圧力検出優先処理ではない場合には、すなわち、ステップS34、S39において、いずれの衝撃圧力検出フラグもセットされない場合には(ステップS13;No)、コントロール部24は、キー入力処理に移行し(ステップS14)、キー入力処理終了後、処理をステップS4に移行し、以下、同様の処理を繰り返す。
【0237】
図13及び図14にキー入力処理フローチャートを示す。
まず、判断ユニット43は、設定切替スイッチ36の操作が行われたか否かを判別する(ステップS91)。
ステップS91の判別において、設定切替スイッチ36の操作が行われていない場合には(ステップS91;No)、処理をステップS102に移行する。
【0238】
ステップS91の判別において、設定切替スイッチ36の操作が行われた場合には(ステップS91;Yes)、出力表示部52の衝撃圧力の単位(=kPa/100ms)を表示するための表示用LED51Aを点滅する(ステップS92)。
【0239】
そして、コントロール部24は数値表示部50の7セグメント表示素子SEGに数値表示制御信号SNDを出力することにより、地絡事故相当基準圧力上昇率の設定値を点滅表示する(ステップS93)。7セグメント表示素子SEG及び表示用LED51Aの点滅表示によりユーザは、現在の動作モードが地絡自己相当基準圧力上昇率範囲データRPREF2を設定可能な状態にあることを知ることができ、必要に応じて衝撃圧力検出設定部38の衝撃圧力設定半固定抵抗38Aを調整することにより、地絡事故相当基準圧力上昇率範囲データRPREF2を設定することとなる。
【0240】
次に判断ユニット43は、この表示用LED51A及び7セグメント表示素子SEGの点滅表示中に再び設定切替スイッチ36の操作が行われたか否かを判別する(ステップS94)。
ステップS94の判別において、設定切替スイッチ36の操作が行われていない場合には(ステップS94;No)、処理をステップS102に移行する。
【0241】
ステップS91の判別において、設定切替スイッチ36の操作が行われた場合には(ステップS94;Yes)、高圧警報出力表示LED52Bを0.5秒間隔でオン/オフするタイミング信号に基づいて点滅する(ステップS95)。
この高圧警報出力表示LED52Bの点滅表示と並行して、コントロールユニット40は、数値表示部50に数値表示制御信号SNDを出力することにより7セグメント表示素子SEGに現在設定されている第1高圧側基準圧力PHを高圧警報出力表示LED52Bの点滅と同一のタイミングで点滅表示する(ステップS96)。
【0242】
さらにコントロールユニット40は、単位表示部51に単位表示制御信号SSCを出力することにより単位[MPa]に対応する表示用LED51Cを高圧警報出力表示LED52Bの点滅と同一のタイミングで点滅表示する(ステップS97)。
【0243】
高圧側警報出力表示LED52B、7セグメント表示素子SEG及び表示用LED51Cの点滅表示によりユーザは、現在の動作モードが第1高圧側基準圧力PHを設定可能な状態にあることを知ることができ、必要に応じて設定部37の高圧側設定半固定抵抗37Bを調整することにより、第1高圧側基準圧力PHを設定することとなる。
【0244】
次にコントロールユニット40は、この高圧側警報出力表示LED52B、7セグメント表示素子SEG及び表示用LED51Cの点滅表示中にさらに設定切替スイッチ36の操作が行われたか否かを判別する(ステップS98)。
ステップS98の判別において、設定切替スイッチ36の操作が行われていない場合には(ステップS98;No)、処理をステップS102に移行する。
【0245】
ステップS98の判別において、設定切替スイッチ36の操作が行われた場合には(ステップS98;Yes)、出力表示部52の低圧警報出力表示LED52Aを0.5秒間隔でオン/オフするタイミング信号に基づいて点滅する(ステップS99)。
【0246】
この低圧警報出力表示LED52Aの点滅表示と並行して、コントロールユニット40は、数値表示部50に数値表示制御信号SNDを出力することにより7セグメント表示素子SEGに現在設定されている低圧側基準圧力PLを低圧警報出力表示LED52Aの点滅と同一のタイミングで点滅表示する(ステップS100)。
【0247】
さらにコントロールユニット40は、単位表示部51に単位表示制御信号SSCを出力することにより単位[MPa(at20℃)]に対応する表示用LED51Dを第2タイマの出力するタイミング信号に基づいて点滅表示する(ステップS101)。
【0248】
低圧側警報出力表示LED52A、7セグメント表示素子SEG及び表示用LED51Dの点滅表示によりユーザは、現在の動作モードが低圧側基準圧力PLを設定可能な状態にあることを知ることができ、必要に応じて設定部37の低圧側設定半固定抵抗37Aを調整することにより、低圧側基準圧力PLを設定することとなる。
【0249】
続いてコントロールユニット40は、表示切替スイッチ35の操作が行われたか否かを判別する(ステップS102)。
ステップS102の判別において、表示切替スイッチ35の操作が行われていない場合には(ステップS102;No)、処理をステップS111に移行する。
【0250】
ステップS102の判別において、表示切替スイッチ35の操作が行われた場合には(ステップS102;Yes)、コントロールユニット40は、数値表示制御信号SNDを数値表示部に出力し測定した気体圧力Ptを数値表示部50の7セグメント表示素子SEGに点灯表示する(ステップS103)。
【0251】
さらにコントロールユニット40は、単位表示部51に単位表示制御信号SSCを出力することにより単位[MPa]に対応する表示用LED51Cを第2タイマの出力するタイミング信号に基づいて点滅表示する(ステップS104)。
次にコントロールユニット40は、表示切替スイッチ35の操作が行われてから、5秒が経過したか否かを判別する(ステップS105)。
【0252】
ステップS105の判別において、表示切替スイッチ35の操作が行われてからすでに5秒が経過した場合には(ステップS105;Yes)、処理をステップS111に移行する。
ステップS105の判別において、表示切替スイッチ35の操作が行われてから5秒が経過していない場合には(ステップS105;No)、コントロールユニット40は、表示切替スイッチ35の次の操作が行われたか否かを判別する(ステップS106)。
【0253】
ステップS106の判別において、表示切替スイッチ35の操作が行われていない場合には(ステップS106;No)、処理をステップS111に移行する。
ステップS106の判別において、表示切替スイッチ35の操作が行われた場合には(ステップS106;Yes)、コントロールユニット40は、数値表示制御信号SNDを数値表示部に出力し測定した気体温度tを数値表示部50の7セグメント表示素子SEGに点灯表示する(ステップS107)。
【0254】
さらにコントロールユニット40は、単位表示部51に単位表示制御信号SSCを出力することにより単位[℃]に対応する表示用LED51Bを第2タイマの出力するタイミング信号に基づいて点滅表示する(ステップS108)。
次にコントロールユニット40は、表示切替スイッチ35の操作が行われてから、5秒が経過したか否かを判別する(ステップS109)。
【0255】
ステップS109の判別において、表示切替スイッチ35の操作が行われてからすでに5秒が経過した場合には(ステップS109;Yes)、処理をステップS111に移行する。
ステップS109の判別において、表示切替スイッチ35の操作が行われてから5秒が経過していない場合には(ステップS109;No)、表示切替スイッチ35の入力操作を行う(ステップS110)。
【0256】
次にコントロール部24は、数値表示制御信号SNDを数値表示部50に出力することにより、数値表示部50における数値表示を標準温度における気体圧力である補正圧力P20の表示を行う(ステップS111)。
さらに単位表示部51に単位表示制御信号SSCを出力することにより、単位表示部51において補正圧力P20に対応する「MPa(at20℃)」のLED51Dを点灯させる(ステップS112)。
【0257】
カウント中の第2タイマのリセットを行い(ステップS113)、処理をステップS4に移行して以下同様の処理を行う。
以上の処理の結果、ガス圧力が管理限界範囲内にあるときには、温度補償圧力P20対応(ディジタル)データはD/A変換されて第1伝送信号出力部より出力され、検出圧力Pt対応(アナログ)データは第2伝送信号出力部より出力され、検出温度t対応(アナログ)データは第3伝送信号出力部より出力され、アナログ系データを監視する第1中央監視装置10に伝送される。
【0258】
第1中央監視装置10のコンピュータは、伝送された検出圧力Pt対応(アナログ)データと検出温度t対応(アナログ)データをA/D変換した後、温度補償圧力P20”を演算により求める。
一方、温度補償圧力P20対応(ディジタル)データは、第1中央監視装置10のコンピュータが再度A/D変換して温度補償圧力P20を生成する。
【0259】
これらにより監視者は、温度補償圧力P20及び温度補償圧力P20”を比較監視する事により、冗長性が高く、かつ、信頼性の高い監視が行え、予防保全の対処が可能となる。
また、ガス圧力が管理限界範囲外にあるときには、検出圧力Pt対応(ディジタル)データはD/A変換されて第1伝送信号出力部より出力され、検出圧力Pt対応(アナログ)データは第2伝送信号出力部より出力され、検出温度t対応(アナログ)データは第3伝送信号出力部より出力され、アナログ系データを監視する第1中央監視装置10に伝送される。
【0260】
第1中央監視装置10のコンピュータは、伝送された検出圧力Pt対応(アナログ)データと検出温度t対応(アナログ)データをA/D変換した後、温度補償圧力P20”を演算により求める。
一方、検出圧力Pt対応(ディジタル)データは、第1中央監視装置10のコンピュータが再度A/D変換して検出圧力Pd(ディジタル)を生成する。
【0261】
これらにより監視者は、検出圧力Pt(アナログ)、検出圧力Pd(ディジタル)及び温度補償圧力P20”を比較監視し、データが異なることを認識することができる。
次に監視者は、隣接のディジタル系データを監視する第2中央監視装置12を監視し、高圧側警報出力部56あるいは低圧側警報出力部58の警報出力が保持されているか否かを確認する。
【0262】
この結果、警報出力が保持されていれば、監視者は事故点標定の対処が可能となる。
また、警報出力が保持されていなければ、監視者はSFガスの状態監視装置6の故障の可能性があるので、メンテナンス(保全)の対処が可能となる。
【0263】
上述したガス圧力が管理限界範囲内にある場合の処理及びガス圧力が管理限界範囲外にある場合の処理により、冗長性、信頼性及び保全性の高いSFガスの状態監視装置6を提供することが可能となる。
以上の説明のように、本実施形態によれば、定密度直線を2本用いることにより補正圧力を算出しているための、異常な高圧監視のための演算処理を簡略化し、処理時間に余裕を持たせることが可能となり、圧力容器(GIS等)を破損することなく、SFガス圧力の異常上昇に対する措置を講じることが可能となる。
【0264】
また、異常な高圧監視と並行して定密度直線を2本用いてガス漏れ監視を行うことが可能となる。
さらに定密度直線のデータ収集量を低減することができ、より使い勝手がよくなる。
【0265】
さらにまた、所定の圧力上昇率範囲内に実際の圧力上昇率が含まれるか否かに基づいて異常なガス圧力の上昇を迅速、かつ、正確に検出することにより、早期に警報などを出力することが可能となり、圧力容器を破損から守ることが可能なとなる。
【0266】
さらに、圧力上昇率に基づいて、短絡などに起因する瞬時の圧力の異常上昇、地絡などに起因する急な圧力の異常上昇を容易、かつ、確実に検出することが可能となる。
さらにまた、圧力上昇率範囲に基づいて衝撃圧力を検出しているため、多くのメモリなどを用いる必要もないので、小型で、内部構造も簡単で、重量も小さいSFガスの状態監視装置を提供することが可能となる。
【0267】
また、アナログ伝送系あるいはディジタル伝送系のいずれか一方の伝送系に属するローカル監視装置あるいは中央監視装置が故障した場合でも、他方の伝送系に属するローカル監視装置あるいは中央監視装置によりシステム全体としては対応可能であり、故障に対する冗長性を持たせることが可能となる。
【0268】
また、上記実施形態においては、GISを例として説明したが、GISにおける計測圧力範囲は−0.101[MPa]〜1.000[MPa]であり、SFガスの封入圧力が0.500[MPa]近傍であるのに対し、C−GISにおける計測圧力範囲は、−0.101[MPa]〜0.200[MPa]であり、SFガスの封入圧力が0.050[MPa]近傍であることを除けば同様であるので、C−GISにおいても本発明の適用が可能であることは言うまでもない。
【0269】
【発明の効果】
請求項1又は2記載の発明によれば、SF 6 ガスの検出温度に相当する温度データ及びSF 6 ガスの検出圧力に相当する圧力データ並びに高圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第1定密度直線、低圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第2定密度直線及びSF 6 ガスの基準封入圧力の近傍の圧力である第3定密度直線に基づいて、圧力容器内に密封されたSF 6 ガスの検出圧力に基づいて所定の基準温度における圧力である補正圧力の算出を、第1のサンプリングタイム毎に第1定密度直線及び第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により補正圧力を算出し、この算出された補正圧力が第3定密度直線に基づいて算出した基準温度における圧力よりも低下しているか否かを判別手段が判別し、判別の結果に基づいて、算出された補正圧力が第3定密度直線に基づいて算出した基準温度における圧力よりも低下している場合に、第1のサンプリングタイム毎の計時によって得られ第1のサンプリングタイムよりも長い時間間隔を有する第2のサンプリングタイム毎に第2定密度直線及び第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により補正圧力を算出して行っているので、高圧側管理限界近傍の圧力から低圧側管理限界近傍の圧力までの圧力範囲にわたって、処理データ量、演算量を低減して迅速にかつ補正圧力の誤差の発生を抑制して高精度の補正圧力を算出することができ、処理時間に余裕を持たせることができ、異常高圧検出と並行して、異常低圧検出を行うことができ、圧力容器(GIS等)を破損することなく、SF 6 ガス圧力の異常上昇に対する措置を講じることが可能となるとともに、ガス漏れに対する措置を講じることも可能となる。
【0270】
また、定密度直線のデータは3本分だけで済むので、SF6ガスの封入圧力の管理域全域にわたって補正圧力を算出することができるにも拘わらず、データ収集の手間を省くことが可能となり、システム構築が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SFガスの状態監視システムの概要構成図である。
【図2】SFガスの状態監視装置の概要構成ブロック図である。
【図3】コントロール部の一部の詳細構成説明図である。
【図4】SFガスの状態監視装置の外観説明図である。
【図5】SFガスの状態監視装置のメイン処理フローチャートである。
【図6】補正圧力算出サブルーチンの処理フローチャートである。
【図7】第1タイマ割込処理フローチャートである。
【図8】メモリの記憶状態の説明図である。
【図9】衝撃圧力検出サブルーチンの処理フローチャートである。
【図10】設定圧力上昇率範囲の説明図である。
【図11】比例配分処理の説明図である。
【図12】実施形態の表示状態の説明図である。
【図13】キー入力処理フローチャート(1)である。
【図14】キー入力処理フローチャート(2)である。
【図15】第3従来例の説明図である。
【図16】従来の圧力容器内の気体圧力の異常上昇時の安全装置の説明図である。
【符号の説明】
1 SFガスの状態監視システム
2 圧力容器またはGIS(あるいはGIL)
3 圧力導入管
4 第1アナログ信号伝送ライン
5 第1ディジタル信号伝送ライン
6 SFガスの状態監視装置
7 アナログ系ローカル監視装置
8 ディジタル系ローカル監視装置
9 第2アナログ信号伝送ライン
10 第1中央監視装置
11 第2ディジタル信号伝送ライン
12 第2中央監視装置
13 電気機器回路操作部
21 圧力検出部
22 温度検出部
23 切替設定部
24 コントロール部
25 表示部
26 警報出力部
27 アナログ信号伝送部
28 端子台
29 絶縁型DC/DCコンバータ
30 リセット信号出力部
38 衝撃圧力検出設定部
39 衝撃圧力マニュアル復帰スイッチ
54 衝撃圧力検出出力部

Claims (2)

  1. 圧力容器内に密封されたSF6ガスの検出圧力に基づいて所定の基準温度における圧力である補正圧力を算出するSF6ガスの状態監視装置において、
    前記SF6ガスの検出温度に相当する温度データ及び前記SF6ガスの検出圧力に相当する圧力データ並びに高圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第1定密度直線、低圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第2定密度直線及び前記SF6ガスの基準封入圧力の近傍の圧力である第3定密度直線に基づいて前記補正圧力を算出する補正圧力算出手段を備え、
    前記補正圧力算出手段は、
    第1のサンプリングタイム毎に前記第1定密度直線及び前記第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により前記補正圧力を算出する第1算出手段と、
    前記第1算出手段により算出された前記補正圧力が前記第3定密度直線に基づいて算出した前記基準温度における圧力よりも低下しているか否かを判別する判別手段と、
    前記判別の結果に基づいて、前記第1算出手段により算出された前記補正圧力が前記第3定密度直線に基づいて算出した前記基準温度における圧力よりも低下している場合に、前記第1のサンプリングタイム毎の計時によって得られ前記第1のサンプリングタイムよりも長い時間間隔を有する第2のサンプリングタイム毎に前記第2定密度直線及び前記第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により前記補正圧力を算出する第2算出手段と、
    を有することを特徴とするSF6ガスの状態監視装置。
  2. 圧力容器内に密封されたSF6ガスの検出圧力に基づいて所定の基準温度における圧力である補正圧力を算出するSF6ガスの状態監視装置の制御方法において、
    前記SF6ガスの検出温度に相当する温度データ及び前記SF6ガスの検出圧力に相当する圧力データ並びに高圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第1定密度直線、低圧側管理限界の近傍の圧力における定密度直線である第2定密度直線及び前記SF6ガスの基準封入圧力の近傍の圧力である第3定密度直線に基づいて前記補正圧力を算出する補正圧力算出工程を備え、
    前記補正圧力算出工程は、
    第1のサンプリングタイム毎に前記第1定密度直線及び前記第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により前記補正圧力を算出する第1算出工程と、
    前記第1算出工程により算出された前記補正圧力が前記第3定密度直線に基づいて算出した前記基準温度における圧力よりも低下しているか否かを判別する判別工程と、
    前記判別の結果に基づいて、前記第1算出工程により算出された前記補正圧力が前記第3定密度直線に基づいて算出した前記基準温度における圧力よりも低下している場合に、前記第1のサンプリングタイム毎の計時によって得られ前記第1のサンプリングタイムよりも長い時間間隔を有する第2のサンプリングタイム毎に前記第2定密度直線及び前記第3定密度直線の2本の定密度直線に基づいて比例配分により前記補正圧力を算出する第2算出工程と、
    を有することを特徴とするSF6ガスの状態監視装置の制御方法。
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