JP3621492B2 - プローブの自動装着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉,電気炉,平炉,タンディッシュ及びその他の取鍋容器内の溶融金属に浸漬してサンプリングしたり温度測定するためのプローブの装着装置に係り、特にプローブの外径が様々であっても一つの装置で対応できるようにした自動装着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
転炉等の溶融金属容器の中の溶鋼の温度や分析及びサンプリングのために従来からプローブが多用されている。このプローブは専用のホルダによって保持されて溶鋼の中に浸漬されるもので、溶鋼中に浸漬することによるプローブ自身の溶損が激しいので頻繁にホルダに対して交換する必要があり、この交換のために自動装着装置が利用されている。
【0003】
このプローブのホルダに対する自動装着装置としては、たとえば特公昭49−49520号公報に記載されているものがある。これは、一つのホルダに対して数種類のプローブを装着できるようにしたものである。
【0004】
プローブはその溶損が避けられないことから消耗型として供給され、使用後には全て廃棄されるのが通常であり、このためプローブは安価なものとすることが要求される。このことから、プローブは溶鋼中に浸漬して温度測定やサンプリング等の所期の目的を達成できる程度を基準としてその外径や肉厚を最小にして単価を引き下げたりしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近来では鋼の品質向上を図るため、溶鋼の処理中の水素分析も重要な測定項目とされ、プローブによって直接測定することが要求されるようになった。
【0006】
この水素分析の場合では、サンプリング法とガス吸引直接測定法とが一般的であるが、直接測定法であることからプローブの浸漬時間が比較的長くなる。また、窒素ガスの循環流路や分析ガスの吸引流路等を必要とするためにプローブ自体が大きくなり、これを保持するホルダもガス循環用のパイプを内蔵するために同様に大型化する。したがって、温度測定やサンプリング等のホルダを兼用してこれらの直接測定用のプローブを保持することができないことになる。
【0007】
このように、用途に応じてプローブの外径は様々に変わるので、これに応じてホルダとの装着装置を準備する必要があり、設備面での負担が大きくなるほか、保守点検も煩わしいという問題がある。
【0008】
本発明において解決すべき課題は、多種類のプローブに対しても一つの装着装置を兼用してホルダへの装着を可能として設備面の改善を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ランスの下端に設けたホルダを前記ランスの下降によってプローブの結合孔に挿入して連結させる自動装着装置であって、前記ホルダを差し込むスリーブ状のガイドヘッドに2個のセグメントが開閉可能に対向して設けられ、閉じた2個のセグメントの上端部にすり鉢状のコーンガイドが形成されるとともに、前記コーンガイドの下側にホルダの挿入部が形成され、更に前記挿入部の下方に内周径を前記挿入部の内周径より大きくしたプローブの差し込み部が形成され、前記ホルダの挿入部に、前記セグメントを貫通してホルダの外周面に向けて進退動作してホルダを摺動可能に挟むことによってホルダを前記ガイドヘッドと同軸上に調心させ且つホルダの軸線方向の移動を可能とするロッドがガイドヘッドの軸線と直交する向きに対向して配置され、前記プローブの差し込み部に、セグメントを貫通して前記プローブの外周面に向けて進退動作してプローブの外周面を拘束してプローブを前記ガイドヘッドに同軸上に設定拘束するロッドがガイドヘッドの軸線と直交する向きに対向して配置され、更に前記ガイドヘッドの下方に前記プローブの外周面を拘束してプローブをガイドヘッドに対して同軸上に保持する開閉可能の一対のクランパが配置されてなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
ホルダ及びプローブはそれぞれのガイド手段及び拘束手段によってその位置を設定されてガイドヘッドに対して同軸上に調心して配列されるので、プローブの結合孔へのホルダの差し込みが確実に行われる。
【0011】
また、ガイド手段及び拘束手段のそれぞれはホルダ及びプローブの外周面に対して進退動作するので、ホルダ及びプローブの大きさに従って進出量を設定することにより、ホルダ及びプローブの仕様に関係なくガイドヘッド内で調心させてこれらを結合することができる。
【0012】
【実施例】
図1はプローブの装着装置の配置例を示す概略図である。
【0013】
図において、転炉や取鍋等の溶融金属容器50の上方にランス51がその昇降駆動装置52に連接されて昇降可能に配置され、このランス51の下端にはホルダ1を連結している。ランス51の昇降位置の近傍にはホルダ1に対するプローブ2の装着装置3が設置されている。
【0014】
図2は装着装置3の概要を示す一部切欠図である。
【0015】
装着装置3は、従来技術の項で挙げた特公昭49−49520号公報にも記載されているように、多数のプローブ2を配列してストックした収納部(図示せず)を備え、この収納部から所定のプローブ2を選択してホルダ1への連結のために切り出す機構を備えたものである。
【0016】
図2において、装着装置3に設けたフレーム3aに鉛直姿勢の軸線を持つガイドロッド3bを上下に移動可能に軸受3cによって保持し、ガイドロッド3bの側方には1個またはこのガイドロッド3bを挟んで2個のブロック4を連結している。そして、下端側の軸受3cの少し上にはフレーム3aに固定した係合ブロック3dを設けてこの中にガイドロッド3bを貫通させると共に、係合ブロック3dとブロック4との間には圧縮のコイルスプリング3eを組み込んでいる。
【0017】
なお、図示の例では、ガイドロッド3bを挟んで図面と直交する方向に2ヵ所にブロック4を配置するものとし、2本のプローブ2について装着可能としている。
【0018】
ブロック4には、ホルダ1をガイドすると共にプローブ2との間でのセンタリングによって調心させるためのガイドヘッド5及びプローブ2を保持するためのクランプヘッド6をそれぞれ連結する。
【0019】
図3はガイドヘッド5の平面図、図4はホルダ1とプローブ2とを差し込んだときの要部の縦断面図、図5は図4のA−A線矢視による概略横断面図、図6は図4のB−B線矢視による概略横断面図である。
【0020】
ガイドヘッド5はブロック4に連結したシリンダ5aにリンク5bによって連接した2個のセグメント5cを備えたものである。これらのセグメント5cの上端部にはすり鉢状の形状としたコーンガイド5dとして形成すると共にその下側をホルダ1の挿入部とし、更にその下方には内周径を大きくしたプローブ2の差し込み部としている。
【0021】
ホルダ1の挿入部に対応するそれぞのセグメント5cにはホルダ1をガイドしてセンタリングするためのホルダ用シリンダ7を設ける。これらのホルダ用シリンダ7は、セグメント5cを外から内側に貫通するロッド7aをガイドヘッド5の軸線と直交する向きに配置したもので、図4に示すようにロッド7aを進出させることによってホルダ1を挟んでこれをガイドヘッド5と同軸位置に設定する操作が可能である。
【0022】
また、プローブ2の差し込み部には、図4及び図6に示すように、上下に3段配置であって各セグメント5cのそれぞれに2列配置したプローブ用シリンダ8を設ける。このプローブ用シリンダ8もそのロッド8aをセグメント5cに貫通させて配置したものであり、図6に示すようにそれぞれのロッド8aの軸線のなす角度を90度として配列されている。そして、上下3段のプローブ用シリンダ8のそれぞれ同じ高さに位置しているものどうしを同期して制御することによって、プローブ2の周面を4ヵ所で拘束してホルダ1に対して調心させる操作を可能とする。
【0023】
図7はクランプヘッド6の平面図であり、このクランプヘッド6はブロック4に連結したシリンダ6aにリンク6bによって連接した一対のクランパ6cを設けたものである。クランパ6cはシリンダ6aの作動によって同図に示す開いた状態から一点鎖線で示す位置まで回動し、この位置でプローブ2の外周面を拘束してこれをガイドヘッド5と同軸上に設定することができる。
【0024】
以上の構成において、プローブ2をホルダ1に連結する作業は、ガイドヘッド5の2個のセグメント5cを図5に示す閉じた位置関係となるようにシリンダ5aによって設定し、収納箱から所定のプローブ2を取り出してハンドリング装置によってこのプローブ2を図2に示すようにガイドヘッド5の中に差し込む。このとき、プローブ2はクランプヘッド6によって保持されると共にガイドヘッド5と同軸配置となるように姿勢が設定される。
【0025】
ガイドヘッド5の中に差し込まれプローブ2は、図4に示すように最も上段に位置している4個のプローブ用シリンダ8のロッド8aの先端によって拘束され、これによってプローブ2の上端は正確にガイドヘッド5に対して同軸位置に設定されて保持される。
【0026】
このようなプローブ2のガイドヘッド5への差し込み保持の後には、図2に示すようにランス51をその昇降駆動装置52によって下降させ、図4に示すようにホルダ1をガイドヘッド5に差し込んでいく。このホルダ1の差し込みに際しては、コーンガイド5dによってホルダ1の下端が挿入部側に案内され、図4に示すようにホルダ1はホルダ用シリンダ7のロッド7aの間に差し込まれる。このとき、ロッド7aはホルダ1の外周面を狭持せずに僅かな隙間ができる程度とし、ホルダ1がガイドヘッド5に対して同軸上で進めるようにホルダ1の周面が摺動できるような位置関係として設定する。
【0027】
次いで、昇降装置52によって図4の状態から更にホルダ1を下降させると、その下方でガイドヘッド5と同軸上で待機しているプローブ2側に移動する。そして、ホルダ1はその下端からプローブ2の上端から軸線方向に開口している結合孔2aに差し込まれていき、ホルダ1とプローブ2とが連結される。そして、ホルダ1の下端が結合孔2aの下端の底部に突き当たるようになると、クランプヘッド6を介してプローブ2がブロック4側に一体に連接されているので、ガイドロッド3bに沿ってこのブロック4がガイドヘッド5及びクランプヘッド6と一体となってコイルスプリング3eを圧縮しながら下に移動する。そして、この移動をフレーム3aの下端部に設けたリミットスイッチ3fによって検知することにより、昇降駆動装置52による下降を停止させると、ホルダ1とプローブ2との結合が完了する。
【0028】
この結合完了の後には、クランプヘッド6によるプローブ2の拘束を解除すると同時にガイドヘッド5のセグメント5cを図8に示すように開いてランス51を自由とすることによって、溶融金属容器50側への下降を可能とする。
【0029】
図9はホルダ1及びプローブ2の外径が大きいときのガイドヘッド5及びクランプヘッド6に対する装着を示す要部の縦断面図である。
【0030】
この例では、ホルダ1及びプローブ2のそれぞれがガイドヘッド5に差し込まれる部分の内径にほぼ等しいので、ホルダ用及びプローブ用シリンダ7,8を作動させなくても、これらのホルダ2及びプローブ2を同軸に設定してホルダ2の下端の結合孔2aへの差し込みを支障なく行うことができる。
【0031】
また、ホルダ1とプローブ2の外径が図9のものより少し小さい場合では、先の例と同様にホルダ用及びプローブ用のシリンダ7,8を作動させることによって、ホルダ1とプローブ2とを調心させた位置に設定すればよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明では、ホルダ及びプローブの外径が様々に変わっても、ガイドヘッドによってこれらのホルダとプローブとを調心させた位置に設定してその結合を行わせることができるので、ホルダやプローブの大きさに応じた複数の装着装置を備える必要がなくなり、設備の簡略化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプローブの自動装着装置を備える設備の概略図である。
【図2】装着装置の要部を切欠して示す図である。
【図3】ガイドヘッドの平面図である。
【図4】ホルダ及びプローブをガイドヘッドの中に差し込んだ状態を示す要部の縦断面図である。
【図5】図4のA−A線矢視による横断面図である。
【図6】図5のB−B線矢視による横断面図である。
【図7】クランプヘッドの平面図である。
【図8】ホルダとプローブとの結合後にガイドヘッドのセグメントを開いたときの概略縦断面図である。
【図9】外径が大きなホルダとプローブへの対応を示すガイドヘッドの要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 :ホルダ
2 :プローブ
2a:結合孔
3 :装着装置
4 :ブロック
5 :ガイドヘッド
5a:シリンダ
5b:リンク
5c:セグメント
5d:コーンガイド
6 :クランプヘッド
6a:シリンダ
6b:リンク
6c:クランパ
7 :ホルダ用シリンダ
7a:ロッド
8 :プローブ用シリンダ
8a:ロッド
50 :溶融金属容器
51 :ランス
51 :昇降駆動装置
Claims (1)
- ランスの下端に設けたホルダを前記ランスの下降によってプローブの結合孔に挿入して連結させる自動装着装置であって、
前記ホルダを差し込むスリーブ状のガイドヘッドに2個のセグメントが開閉可能に対向して設けられ、閉じた2個のセグメントの上端部にすり鉢状のコーンガイドが形成されるとともに、前記コーンガイドの下側にホルダの挿入部が形成され、更に前記挿入部の下方に内周径を前記挿入部の内周径より大きくしたプローブの差し込み部が形成され、
前記ホルダの挿入部に、前記セグメントを貫通してホルダの外周面に向けて進退動作してホルダを摺動可能に挟むことによってホルダを前記ガイドヘッドと同軸上に調心させ且つホルダの軸線方向の移動を可能とするロッドがガイドヘッドの軸線と直交する向きに対向して配置され、
前記プローブの差し込み部に、セグメントを貫通して前記プローブの外周面に向けて進退動作してプローブの外周面を拘束してプローブを前記ガイドヘッドに同軸上に設定拘束するロッドがガイドヘッドの軸線と直交する向きに対向して配置され、
更に前記ガイドヘッドの下方に前記プローブの外周面を拘束してプローブをガイドヘッドに対して同軸上に保持する開閉可能の一対のクランパが配置されてなるプローブの自動装着装置。
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---|---|---|---|
JP01521096A JP3621492B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | プローブの自動装着装置 |
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JPH09210879A JPH09210879A (ja) | 1997-08-15 |
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Family Applications (1)
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JP01521096A Expired - Fee Related JP3621492B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | プローブの自動装着装置 |
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JP (1) | JP3621492B2 (ja) |
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- 1996-01-31 JP JP01521096A patent/JP3621492B2/ja not_active Expired - Fee Related
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