JP3621463B2 - カルボスチリル誘導体ビスマス塩 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なカルボスチリル誘導体ビスマス塩、さらに詳しくはカルボスチリル誘導体とカルボン酸ビスマス錯体とから形成される塩およびカルボスチリル誘導体、カルボン酸ビスマス錯体およびジアミン誘導体またはピペラジン誘導体とから形成される塩であって、ヘリコバクター・ピロリーに対して優れた抗菌作用示し、消化器系の潰瘍や炎症の治療に有用な化合物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
後記一般式(1)で示されるカルボスチリル誘導体は新規化合物でありそれ自身抗潰瘍剤として有用である。また、後記一般式(3)で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩およびその製法は特公昭63−35623号公報に記載されており、それらが抗潰瘍剤として有用であることも知られている(特公平2−61923号)。さらに、これらカルボスチリル誘導体が胃炎治療剤として有用であること(特開平3−74329号)、抗糖尿病薬として有用であること(特開平5−148143号)、ソマトスタチン増加剤または低下抑制剤として有用であること(WO 93/23043)、腸粘膜障害保護剤または潰瘍性大腸炎治療剤として有用であること(特開平6−211662号)も知られている。
【0003】
最近、グラム陰性菌であるヘリコバクター・ピロリー(Helicobacter pylori)(以下、H.ピロリーと略称する)が、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍などの病態発症に深く関与していることが明らかになりつつある。例えば、活動性慢性胃炎患者では、平均88%の高率でH.ピロリーの存在が確認されており、活動性の指標である好中球の増加およびリンパ球の浸潤を伴う慢性胃炎の症状の程度がH.ピロリーの細菌数と相関していることが示されている。十二指腸潰瘍患者においてもH.ピロリーの感染率は平均85%と高率であり、本疾患の発症に該細菌が深く係わっていることが示されている。また、これらの疾患は、薬剤の投与を中止すると再発し易いことがよく知られている。ところが抗菌剤などの投与で本菌を除菌すると再発率が著明に低下することが示されており、十二指腸潰瘍の再発にH.ピロリーが深く関与しているものと考えられる[友井政明:ファルマシア、vol.29、No.8(1993)、pp.873−876]。
【0004】
一方、H.ピロリーに対する除菌の方法としては、ビスマス塩、例えばコロイド性亜クエン酸ビスマス塩(Colloidal bismuth subcitrate または bismuth subsalicylate)、またはアモキシシリン、テトラサイクリン等の抗菌剤の単独投与、あるいはビスマス塩と抗菌剤の併用療法、ビスマス塩、抗菌剤、メトロニダゾール等の抗原虫剤による3薬剤の併用療法等があり(Journal of Antimicrobial Chemotherapy(1986)vol. 17, p.309−314)、また、ビスマスまたはビスマス塩が胃腸疾患の治療に有用であることも知られている(特開昭62−48624)。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
しかしながら、これら既存の薬剤ではなお充分な効果が達し難く、かかるH.ピロリーを除菌し、それに起因する各種消化器系疾患に有用な新しい薬物の開発が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、H.ピロリーに対して特異的に抗菌活性を示し、しかも副作用の少ない薬剤を開発すべく鋭意研究を重ねるうちに、特定のカルボスチリル誘導体とカルボン酸ビスマス錯体とから形成される塩、および特定のカルボスチリル誘導体とカルボン酸ビスマス錯体ならびに特定のジアミン誘導体またはピペラジン誘導体とから形成される塩が、H.ピロリーに対して優れた抗菌作用を有し、例えば胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器系の潰瘍の治療剤、胃炎などの消化器系炎症の治療剤として優れていることを見い出した。
本発明者らは、また、これらの塩が実験酢酸潰瘍や焼灼潰瘍などの慢性病態モデルやその他種々の実験潰瘍モデルに対して優れた予防、治療効果ならびに胃炎に対し優れた治療効果を有し、かつ毒性や副作用を示さないものであって、慢性潰瘍の予防、治療剤として有用であることを見い出した。
本発明の目的は、医薬として有用な新規カルボスチリル誘導体ビスマス塩を提供するものである。本発明の他の目的は、ヘリコバクター・ピロリー感染症治療用の抗菌剤、消化器系潰瘍治療剤および消化器系炎症治療剤を提供するものである。本発明のさらに他の目的は、各種炎症および各種慢性潰瘍の予防、治療剤を提供するものである。
【0007】
本発明のカルボスチリル誘導体ビスマス塩は、下記一般式
【化6】
Figure 0003621463
[式中、Rはアミノ基の置換基として低級アルキル基を有することのあるアミノ置換低級アルキル基、Rはハロゲン原子を示す。カルボスチリル骨格上の該アシルアミノプロピオン酸置換基は3位または4位に置換しており、またカルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は1重結合または2重結合を示す]
で表されるカルボスチリル誘導体(1)とカルボン酸ビスマス錯体(2)とから形成されるカルボスチリル誘導体ビスマス塩、および下記一般式
【化7】
Figure 0003621463
[式中、R、カルボスチリル骨格上の置換基の置換位置およびカルボスチリル骨格の3位および4位間の結合は上記と同じ]
で表されるカルボスチリル誘導体(3)、カルボン酸ビスマス錯体(2)および一般式
【化8】
Figure 0003621463
[式中、Aは低級アルキレン基または基
【化9】
Figure 0003621463
(式中A’およびA’’はそれぞれ低級アルキレン基を示し、pとqは同一または異なってそれぞれ0または1を示す)、R、R、RおよびRは同一または異なって、それぞれ水素原子、水酸基を有することのある低級アルキル基を示すか、またはRおよびRまたはRおよびRはこれらが結合する窒素原子と共に窒素原子もしくは酸素原子を介しまたは介することなく5〜6員環の飽和複素環を形成してもよい]
で表されるジアミン誘導体(4)または一般式
【化10】
Figure 0003621463
[式中、RおよびR’は、同一または異なって、それぞれ水素原子または低級アルキル基を示す]
で表されるピペラジン誘導体(5)とから形成されるカルボスチリル誘導体ビスマス塩である。
【0008】
本発明のカルボスチリル誘導体ビスマス塩は、胃粘膜障害の発生、再発に関与しているといわれているH.ピロリーによるIL−8産生細胞(末梢血単球、組織マクロファージ、大顆粒状リンパ球、Tリンパ球、好中球、繊維芽細胞、血管内皮細胞、皮膚角化細胞、肝細胞、星状細胞、気管支上皮細胞、胃癌由来樹立細胞等)からのIL−8産生促進作用、好中球活性化作用、接着因子増強作用に対して抑制作用を有しており、H.ピロリーが原因で起こる胃粘膜障害の発生、再発の予防にも有用である。H.ピロリーは、好中球の活性化を誘引するだけでなく、血管内皮や胃粘膜細胞に対してICAM−1(CD11bのリガンド)の発現を促進させる作用を示し、本発明の化合物はこのH.ピロリーによるICAM−1発現の促進を抑制する効果も有する。
【0009】
本発明の化合物は、また、抗潰瘍作用、内因性プロスタグランジンE量を増加させる作用、活性酸素消去または抑制作用、IL−8産生抑制作用、顆粒球活性化抑制作用、顆粒球接着因子発現抑制作用等を有し、抗潰瘍剤、プロスタグランジンEに由来する薬効、例えば潰瘍の予防および治療剤、抗酸化剤、急性または慢性炎症性疾患の予防、保護、または治療剤として有用である。また人工臓器、血管の生体適合性を高めるためにも有用である。そのうえ、本発明の化合物は、とくに消化器系の潰瘍および炎症の再発防止にも優れている。
炎症性疾患としては、炎症性角化症(乾癬など)、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎等の炎症性皮膚疾患、慢性関節リウマチ、全身性エリトマトーテス(SLE)、ベーチェット病等の慢性炎症性疾患である自己免疫疾患、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性肝炎、薬物アレルギー性肝炎等の炎症性肝疾患、腎炎、糸球体腎炎等の炎症性腎疾患、気管支炎等の炎症性呼吸器疾患、口内炎、喉頭炎、声帯炎、音声障害、人工臓器・人工血管使用時に起こる炎症、非ステロイド性消炎剤による消化管粘膜障害、腸粘膜障害などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記腸粘膜障害としては、単純性原発性小腸潰瘍、非特異性結腸潰瘍、非特異性炎症による潰瘍性大腸炎、クローン(Crohn)病等の原因不明のもの等があり、さらに感染、循環障害、膠原病、放射線、薬剤等が原因で起こる障害等を挙げることができる。
【0010】
さらに本発明の化合物は、ソマトスタチン分泌低下抑制作用、抗糖尿病作用、ウレアーゼ阻害作用等を有し、ソマトスタチン低下抑制剤、抗糖尿病薬、ウレアーゼ阻害剤として有用である。
該ウレアーゼ阻害作用に基づき、本発明の化合物は、種々の細菌の増殖によりウレアーゼ活性が上昇し、アンモニアが産生することにより起こると考えられる疾患の予防、治療に有用であり、例えば、H.ピロリーの増殖によりアンモニアが産生して起こると考えられている胃粘膜障害等の予防、治療に利用され得る。また、腸管内のアンモニアの産生を抑制することにより高アンモニア血症および高アンモニア血症に伴う症状の改善、治療、具体的には肝炎、肝硬変等の肝疾患で起こる肝性脳症、精神神経障害、脳波異常、手指振戦の予防、治療に利用できる。
【0011】
上記一般式(1)〜(5)で示される化合物における各基は、より具体的にはそれぞれ次の通りである。
アミノ基の置換基として低級アルキル基を有することのあるアミノ置換低級アルキル基としては、例えば、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、5−アミノペンチル、6−アミノヘキシル、1,1−ジメチル−2−アミノエチル、2−メチル−3−アミノプロピル、メチルアミノメチル、1−エチルアミノエチル、2−プロピルアミノエチル、3−イソプロピルアミノプロピル、4−ブチルアミノブチル、5−ペンチルアミノペンチル、6−ヘキシルアミノヘキシル、ジメチルアミノメチル、2−ジエチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル、(N−エチル−N−プロピルアミノ)メチル、2−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)エチル基等の置換基として炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルキル基を1〜2個有することのあるアミノ基を有する炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルキル基を例示できる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
【0012】
ビスマスと錯体を形成して本発明で用いられるカルボン酸ビスマス錯体(2)を生成しうるカルボン酸としては、例えば一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体、一般式(4)のジアミン誘導体または一般式(5)のピペラジン誘導体との塩形成に利用可能なカルボキシル基に加えて少なくとも3つの官能基を有するカルボン酸である。3以上の残りの官能基のうち、例えばカルボキシルおよび/またはヒドロキシル基のような3つが三価ビスマスと錯体形成して三価ビスマス錯体を生じることができる。さらに詳しくは、ビスマスと錯体を形成するカルボン酸としては、炭素数4〜20のカルボキシル1個と水酸基3個のカルボン酸、炭素数4〜20のカルボキシル2個と水酸基2個のカルボン酸、炭素数4〜20のカルボキシル3個と水酸基1個のカルボン酸、炭素数4〜20のカルボキシル基4個のカルボン酸化合物を例示できる。より具体的には、例えばクエン酸、酒石酸、プロピルクエン酸、アガリシン酸等が挙げられる。この中で酒石酸、クエン酸が好ましく、クエン酸が特に好ましい。
【0013】
低級アルキレン基としては、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−メチルトリメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルキレン基を例示できる。水酸基を有することのある低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシエチル、4−ヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−メチル−3−ヒドロキシプロピル、2,3,4−トリヒドロキシブチル基等の置換基として水酸基を1〜3個有することのある炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状アルキル基を例示できる。
およびRまたはRおよびRが結合する窒素原子と共に、窒素原子もしくは酸素原子を介し、または介することなく互いに結合して形成する5〜6員環の飽和の複素環としては、例えばピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ基等を例示できる。
【0014】
本発明化合物には、以下の化合物が含まれる。
▲1▼カルボスチリル誘導体(1)およびカルボン酸ビスマス錯体(2)とから形成される塩。
▲2▼カルボスチリル誘導体(3)、カルボン酸ビスマス錯体(2)およびジアミン誘導体(4)とから形成される塩。
▲3▼カルボスチリル誘導体(3)、カルボン酸ビスマス錯体(2)およびピペラジン誘導体(5)とから形成された塩。
▲4▼カルボスチリル誘導体(3)、カルボン酸ビスマス錯体(2)およびAが低級アルキレン基を示し、R、R、RおよびRは前記に同じである一般式(4)で表されるジアミン誘導体とから形成される塩。
▲5▼カルボスチリル誘導体(3)、カルボン酸ビスマス錯体(2)およびAが基
【化11】
Figure 0003621463
[式中、A’、A”、pおよびqは前記に同じである]
を示し、R、R、RおよびRは前記に同じである一般式(4)で表されるジアミン誘導体とから形成される塩。
▲6▼カルボスチリル誘導体(3)、カルボン酸ビスマス錯体(2)およびAが低級アルキレン基を示し、R、R、R、Rが同一または異なって水素原子、水酸基を有することのある低級アルキル基である一般式(4)で表されるジアミン誘導体とから形成される塩。
▲7▼カルボスチリル誘導体(3)、カルボン酸ビスマス錯体(2)およびAが低級アルキレン基を示し、RおよびRまたはRおよびRはこれらが結合する窒素原子と共に窒素原子もしくは酸素原子を介しまたは介することなく5〜6員環の飽和の複素環を形成する一般式(4)で表されるジアミン誘導体とから形成される塩。
▲8▼カルボスチリル誘導体(3)、カルボン酸ビスマス錯体(2)およびAが基
【化12】
Figure 0003621463
[式中、A’、A”、pおよびqは前記に同じ]
を示し、R、R、R、Rが同一または異なって水素原子、水酸基を有することのある低級アルキル基である一般式(4)で表されるジアミン誘導体とから形成される塩。
▲9▼カルボスチリル誘導体(3)、カルボン酸ビスマス錯体(2)およびAが
【化13】
Figure 0003621463
[式中、A’、A”、pおよびqは前記に同じ]
を示し、RおよびRまたはRおよびRはこれらが結合する窒素原子と共に窒素原子もしくは酸素原子を介しまたは介することなく5〜6員環の飽和の複素環を形成する一般式(4)で表されるジアミン誘導体とから形成される塩。
【0015】
本発明の好ましい塩としては、
2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン塩。
2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート ビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン塩。
2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・L−(+)−2,3−ジヒドロキシブタンジオエート ビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン塩。
2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸 2−ジメチルアミノエチルエステル・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート ビスマス(3+)錯体塩。
2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸 3−ジメチルアミノプロピルエステル・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート ビスマス(3+)錯体塩。
が挙げられる。
【0016】
本発明の塩は、適当な溶媒中、一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体を適切なカルボン酸ビスマス錯体のアンモニウム塩と反応させ、こうして形成された塩を溶液から分離することにより製造される。ここで使用される溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類等またはこれらの混合溶媒等を例示できる。該反応は、通常0〜100℃、好ましくは0〜70℃付近にて、数分〜5時間程度にて終了する。カルボン酸ビスマス錯体のアンモニウム塩の使用量は一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体に対して少なくとも等モル、好ましくは等モル〜1.5倍モル量使用するのがよい。
【0017】
また、本発明の塩は、適当な溶媒中、一般式(3)で表されるカルボスチリル誘導体のアンモニウム塩を一般式(4)で表されるジアミン誘導体または一般式(5)で表されるピペラジン誘導体および適切なカルボン酸ビスマス錯体のアンモニウム塩と反応させ、こうして形成された塩を溶液から分離することにより製造される。
ここで使用される溶媒、反応温度、反応時間は、前記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体と適切なカルボン酸ビスマス錯体のアンモニウム塩の反応条件と同様である。
カルボン酸ビスマス錯体のアンモニウム塩およびジアミン誘導体(4)およびピペラジン誘導体(5)の使用量は、カルボスチリル誘導体(3)のアンモニウム塩に対して少なくとも等モル、好ましくは等モル〜1.5倍モル量使用するのがよい。
カルボスチリル誘導体(3)のアンモニウム塩またはカルボン酸ビスマス錯体のアンモニウム塩は、例えば、適当な溶媒中、カルボスチリル誘導体(3)またはカルボン酸ビスマス錯体にアンモニアガスまたはアンモニア水を反応させることにより製造されることができる。ここで使用される溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類またはこれらの混合溶媒等を例示できる。
【0018】
本発明の出発原料であるカルボスチリル誘導体(1)は種々の方法で製造でき、例えば、下記反応式で示す方法により製造できる。
【化14】
Figure 0003621463
[式中、R、R、カルボスチリル骨格上の置換位置およびカルボスチリル骨格の3、4位間の結合は前記に同じ。Rは水素原子または低級アルキル基を示す]
公知の化合物(6)と化合物(7)の反応は、無溶媒下、通常0℃〜150℃、好ましくは室温〜120℃程度で、通常1〜10時間反応させることにより行なわれる。化合物(7)の使用量は、化合物(6)に対して、通常大過剰量使用するのがよい。
【0019】
前記の方法で得られる目的化合物および原料化合物は、通常の分離手段により容易に単離精製することができる。該分離手段としては、例えば溶媒抽出法、希釈法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
なお、本発明化合物には、光学異性体および立体異性体も包含される。アンモニア和物および水和物を含めた溶媒和物も本発明の範囲内に含まれる。
【0020】
本発明の化合物を医薬として用いるには、一般的な医薬製剤の形態に調製される。そのような製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤などの希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の結合剤が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)などが挙げられる。
【0021】
錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸などの賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖などの崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤、第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸収促進剤、グリセリン、デンプンなどの保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸などの吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコールなどの滑沢剤などが例示できる。さらに錠剤は必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0022】
丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルクなどの賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結合剤、ラミナラン、カンテンなどの崩壊剤などが例示できる。
【0023】
坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライドなどを挙げることができる。
【0024】
注射剤としては、液剤、乳剤または懸濁剤が含まれ、それらは通常殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましい。これら液剤、乳剤および懸濁剤の形態に成形するのに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものをすべて使用でき、例えば水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類などを挙げることができる。なお、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを該治療剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤などを、更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などや他の医薬品を該治療剤中に含有せしめてもよい。
【0025】
本発明の医薬製剤中に含有される塩類の量は、特に限定されず広範囲に選択されるが、通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0026】
本発明の医薬製剤の投与方法には特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年令、性別その他の条件、疾患の程度などに応じた方法で投与される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には経口投与される。また注射剤の場合には単独であるいはブドウ糖、アミノ酸などの通常の補液と混合して静脈内投与され、さらには必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与される。
本発明の医薬製剤の投与量は用法、患者の年令、性別その他の条件、疾患の程度などにより適宜選択されるが、通常塩類の量は1日当り体重1kg当り0.6〜50mgとするのがよい。また、投与単位形態中に有効成分を10〜1000mg含有せしめるのがよい。
【0027】
【実施例】
次に、実施例および製剤例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0028】
製剤例1
Figure 0003621463
本発明化合物、アビセル、コーンスターチおよびステアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mmのキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール−6000、ヒマシ油およびメタノールからなるフィルムコーティング剤で被覆を行いフィルムコーティング錠を製造する。
【0029】
製剤例2
Figure 0003621463
【0030】
本発明化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸二カルシウム、プルロニックF−68およびラウリル硫酸ナトリウムを混合する。
上記混合物をNo.60スクリーンでふるい、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500および6000を含むアルコール性溶液で湿気粒状化する。必要に応じてアルコールを添加して粉末をペースト状塊にする。コーンスターチを添加し、均一な粒子が形成されるまで混合を続ける。No.10スクリーンを通過させ、トレイに入れ100℃のオーブンで12〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリーンでふるい、乾燥ラウリル硫酸ナトリウムおよび乾燥ステアリン酸マグネシウムを加え混合し、打錠機で所望の形状に圧縮する。
上記の芯部をワニスで処理し、タルクを散布し湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層を被覆する。内服用のために十分な回数のワニス被覆を行う。錠剤を完全に丸くかつ滑らかにするために、さらに下塗り層および平滑被覆が適用される。所望の色合が得られるまで着色被覆を行う。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一な光沢の錠剤にする。
【0031】
製剤例3
Figure 0003621463
【0032】
本発明化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸二カルシウム、プルロニックF−68およびラウリル硫酸ナトリウムを混合する。
上記混合物をNo.60スクリーンでふるい、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500および6000を含むアルコール性溶液で湿気粒状化する。必要に応じてアルコールを添加して粉末をペースト状塊にする。コーンスターチを添加し、均一な粒子が形成されるまで混合を続ける。No.10スクリーンを通過させ、トレイに入れ100℃のオーブンで12〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリーンでふるい、乾燥ラウリル硫酸ナトリウムおよび乾燥ステアリン酸マグネシウムを加え混合し、打錠機で所望の形状に圧縮する。
上記の芯部をワニスで処理し、タルクを散布し湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層を被覆する。内服用のために十分な回数のワニス被覆を行う。錠剤を完全に丸くかつ滑らかにするために、さらに下塗り層および平滑被覆が適用される。所望の色合が得られるまで着色被覆を行う。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一な光沢の錠剤にする。
【0033】
参考例1
2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸50gをメタノール2リットルに懸濁させ、この懸濁液に氷冷、撹拌下、アンモニアガスを吹き込む。反応液が透明になったところで、反応を終了し、濾過する。濾液を減圧下濃縮して得られた固体を60℃で終夜減圧乾燥して、42gの2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸アンモニウム塩を得る。m.p.185℃(分解)。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 11.6(1H,brs)、8.49(1H,d,J=7.7Hz)、7.92(1H,d,J=7.5Hz)、7.92(2H,d,J=8.8Hz)、7.4〜7.6(3H,m)、7.29(1H,d,J=7.5Hz)、7.19(1H,t,J=7.5Hz)、6.40(1H,s)、2.5〜4.7(7H,m)。
【0034】
参考例2
2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体34.55gを水500mlに懸濁させ、この懸濁液に室温撹拌下、25%アンモニア水250mlを加える。10分後、透明な溶液になったところで、減圧下セライト濾過し、水洗する。濾液を減圧下濃縮して得られた固体を60℃で2日間減圧乾燥して、36gの2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体アンモニウム塩を得る。
【0035】
参考例3
N,N−ジメチルエタノールアミン30mlに2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸メチルエステル3.0gを加え、90℃で3時間撹拌する。反応液を冷却し、水100mlを加え、析出する固体を濾取する。その固体をジクロロメタン200mlに溶解させ、飽和食塩水にて洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥する。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をアセトニトリルで再結晶して、2.42gの2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸 2−ジメチルアミノエチルエステルを得る。無色結晶。m.p.192.3〜196.0℃
H−NMR(CDCl)δppm: 11.12(1H,brs)、7.93(1H,d,J=7.7Hz)、7.2〜7.8(6H,m)、6.94(1H,d,J=7.7Hz)、6.57(1H,s)、5.1〜5.3(1H,m)、4.1〜4.4(2H,m)、3.48(1H,d,J=6.5Hz)、2.51(1H,t,J=5.6Hz)、2.22(6H,s)。
【0036】
参考例4
N,N−ジメチルエタノールアミンの代わりにN,N−ジメチルアミノプロパノールを用いる以外は、参考例3と同様の操作を行い、アセトニトリル−ジイソプロピルエーテルで再結晶して、1.32gの2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸 3−ジメチルアミノプロピルエステルを得る。無色結晶。m.p.185.0〜188.5℃。
H−NMR(CDCl)δppm: 7.93(1H,d,J=7.7Hz)、6.8〜7.8(7H,m)、6.56(1H,s)、5.1〜5.3(1H,m)、4.0〜4.3(2H,m)、3.3〜3.6(2H,m)、2.0〜2.3(2H,m)、2.15(6H,s)、1.6〜1.9(2H,m)。
【0037】
実施例1
2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体アンモニウム塩377.6mgを20mlの水に超音波を用いて溶解させる。この溶液に室温撹拌下、テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン0.256mlを加え、さらにメタノール25mlに超音波を用いて溶解させた2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸アンモニウム塩342.9mgを加える。10分間撹拌後、溶媒を減圧下濃縮し、得られた残渣に水40mlを加え懸濁させ、減圧下濃縮する。この操作を2回繰り返した後、得られた残渣にジエチルエーテルを加え、トリチュレートして生成物を濾取し、50℃で終夜乾燥して、765mgの2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン塩(1:1:1)を得る。
194.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.58(1H,d,J=8.3Hz)、7.90(1H,d,J=7.7Hz)、7.80(2H,d,J=8.5Hz)、7.51(2H,d,J=8.5Hz)、7.48(1H,t,J=7.7Hz)、7.29(1H,d,J=7.7Hz)、7.21(1H,t,J=7.7Hz)、6.41(1H,s)、4.4〜4.7(1H,m)、2.1〜3.8(29H,m)、0.7〜1.3(12H,m)。
【0038】
実施例2
2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体アンモニウム塩1gを水40mlに溶解させ、この溶液に室温・撹拌下、テトラメチルエチレンジアミン0.908mlおよびメタノール40mlに溶解させた2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸アンモニウム塩0.9083gを加える。10分間撹拌後、溶媒を減圧下濃縮し、得られた残渣に水80mlを加え、濃縮する。この操作を2回繰り返した後、得られた残渣にジエチルエーテルを加えトリチュレートして生成物を濾取し、50℃で終夜乾燥して、1.73gの2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン塩(1:1:1)を得る。
198.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.60(1H,d,J=8.3Hz)、7.91(1H,d,J=7.7Hz)、7.81(2H,d,J=8.5Hz)、7.4〜7.6(3H,m)、7.28(1H,d,J=7.7Hz)、7.21(1H,t,J=7.7Hz)、6.42(1H,s)、4.5〜4.7(1H,m)、2.1〜2.8(25H,m)。
IR(KBr)cm−1: 1655、1597、1389。
【0039】
実施例3
L−(+)−2,3−ジヒドロキシブタンジオエートビスマス(3+)錯体を参考例2と同様に処理して得られるL−(+)−2,3−ジヒドロキシブタンジオエートビスマス(3+)錯体アンモニウム塩1.25gを用い、実施例2と同様にして、1.92gの2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・L−(+)−2,3−ジヒドロキシブタンジオエートビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン塩(1:1:1)を得る。
207.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.54(1H,d,J=7.9Hz)、7.91(1H,d,J=8.0Hz)、7.80(2H,d,J=8.3Hz)、7.6〜7.4(3H,m)、7.29(1H,d,J=8.0Hz)、7.20(1H,t,J=8.0Hz)、6.41(1H,s)、5.3〜5.1(12H,m)、2.6〜2.4(6H,m)、2.28(12H,s)
【0040】
実施例4〜12
適当な出発原料を用いて前記実施例1〜3の方法と同様にして以下の化合物を得る。
(4)2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン塩(1:1:1)
192.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.28(1H,d,J=8Hz)、7.95(1H,d,J=7.6Hz)、7.79(2H,d,J=8.6Hz)、7.1〜7.6(5H,m)、6.38(1H,s)、2.1〜4.7(24H,m)。
【0041】
(5)2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラメチルトリメチレンジアミン塩(1:1:1)
200.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.63(1H,d,J=8.4Hz)、7.89(1H,d,J=7.9Hz)、7.81(2H,d,J=8.6Hz)、7.15〜7.65(5H,m)、6.42(1H,s)、4.5〜4.7(1H,m)、2.1〜4.2(13H,m)、2.36(12H,s)、1.6〜1.9(2H,m)。
【0042】
(6)2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラメチルテトラメチレンジアミン塩(1:1:1)
205.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.61(1H,d,J=8Hz)、7.90(1H,d,J=7.7Hz)、7.81(2H,d,J=8.6Hz)、7.15〜7.6(5H,m)、6.41(1H,s)、4.55〜4.7(1H,m)、2.2〜4.2(13H,m)、2.38(12H,s)、1.4〜1.6(4H,m)。
【0043】
(7)2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン塩(1:1:1)
207.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.58(1H,d,J=8Hz)、7.90(1H,d,J=8.0Hz)、7.81(2H,d,J=8.6Hz)、7.1〜7.65(5H,m)、6.42(1H,s)、4.5〜4.7(1H,m)、2.2〜4.2(13H,m)、2.40(12H,s)、1.15〜1.6(8H,m)。
【0044】
(8)2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・1,4−ジメチルピペラジン塩(1:1:1)
197.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.66(1H,d,J=8.5Hz)、7.90(1H,d,J=7.6Hz)、7.81(2H,d,J=8.6Hz)、7.15〜7.6(5H,m)、6.42(1H,s)、4.55〜4.7(1H,m)、2.1〜4.1(17H,m)、2.20(6H,s)。
【0045】
(9)2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・1,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゼン塩(1:1:1)
【0046】
(10)2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・1,4−ビス(ジメチルアミノメチル)ベンゼン塩(1:1:1)
136.5℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.78(1H,d,J=8Hz)、7.2〜8.0(8H,m)、6.43(1H,s)、4.6〜4.8(1H,m)、2.1〜4.2(17H,m)、2.23(12H,s)。
【0047】
(11)2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・エチレンジアミン塩(1:1:1)
200.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.47(1H,d,J=7.8Hz)、7.91(1H,d,J=7.4Hz)、7.79(2H,d,J=8.6Hz)、7.1〜7.6(5H,m)、6.40(1H,s)、4.4〜4.6(1H,m)、2.4〜4.3(17H,m)。
【0048】
(12)2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体・1−(1−ピペリジニルメチル)ピペリジン塩(1:1:1)
154.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 8.33(1H,d,J=8.3Hz)、7.95(1H,d,J=8.3Hz)、7.80(2H,d,J=8.5Hz)、7.50(2H,d,J=8.5Hz)、7.45(1H,t,J=8.0Hz)、7.28(1H,d,J=8.0Hz)、7.18(1H,t,J=8.0Hz)、6.39(1H,s)、4.4〜4.6(1H,m)、2.2〜3.7(19H,m)、1.3〜1.7(12H,m)。
【0049】
実施例13
2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体アンモニウム塩194.4mgを水25mlに超音波を用いて溶解させ、この溶液に室温撹拌下、2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸2−ジメチルアミノエチルエステル205.9mgのアセトン50ml溶液を加える。しばらく撹拌後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣に水40mlを加え、減圧下濃縮する。この操作を3回繰り返した後、残渣を50℃にて2日間減圧乾燥して、328.5mgの2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸 2−ジメチルアミノエチルエステル・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体塩(1:1)を得る。
199.5℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 9.05(1H,s,J=7.7Hz)、7.1〜8.0(8H,m)、6.45(1H,s)、4.7〜4.9(1H,m)、4.1〜4.3(2H,m)、2.1〜3.7(10H,m)、2.16(6H,s)。
【0050】
実施例14
2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸 3−ジメチルアミノプロピルエステル214.6mgおよび2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体アンモニウム塩201.24mgを用いる以外は、実施例13と同様の操作を行い、301.8mgの2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸 3−ジメチルアミノプロピルエステル・2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレートビスマス(3+)錯体塩(1:1)を得る。
197.0℃(変色点)
無色固体。
H−NMR(DMSO−d)δppm: 9.05(1H,d,J=7.7Hz)、7.2〜7.9(8H,m)、6.44(1H,s)、4.7〜4.9(1H,m)、4.0〜4.3(2H,m)、2.1〜3.7(10H,m)、2.17(6H,s)、1.6〜1.8(2H,m)。
【0051】
薬理試験
H.ピロリー臨床分離株C−0001を7%牛胎児血清(FBS)添加ブルセラ寒天培地(Brucella agar)で前培養後、7%FBS添加ブルセラ培地(Brucella broth)にうつし、37℃、85% NO、10% CO、5% O下で1日培養を行い使用菌体とした。
3週令のddYマウスを1日絶食後、菌液(2×10 cfu/ml)0.5mlを胃内に接種し、H.ピロリー感染マウスを作製した。菌接種後7〜20日(2週間)まで薬剤を経口投与し、1日絶食後、菌接種後21日目にマウスを屠殺し、胃をブルセラ培地 2mlにいれ、氷冷下、ポリトロンホモジナイザーにて破砕し、ブルセラ培地で希釈後200μlをスキロー平板に広げ、37℃、85% NO、10% CO、5% O下で6日間培養し、胃内菌数を測定した。その結果を表1に示す。なお、表1中菌数はlogで表した。
【0052】
【表1】
Figure 0003621463

Claims (5)

  1. 下記一般式
    Figure 0003621463
    [式中、Rはアミノ基の置換基として低級アルキル基を有することのあるアミノ置換低級アルキル基、Rはハロゲン原子を示す。カルボスチリル骨格上の該アシルアミノプロピオン酸置換基は3位または4位に置換しており、またカルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は1重結合または2重結合を示す]
    で表されるカルボスチリル誘導体(1)とカルボキシル基3個と水酸基1個を有する炭素数4〜20のカルボン酸またはカルボキシル基2個と水酸基2個を有する炭素数4〜20のカルボン酸のビスマス錯体(2)とから形成されるカルボスチリル誘導体ビスマス塩。
  2. 下記一般式
    Figure 0003621463
    [式中、R、カルボスチリル骨格上の置換基の置換位置およびカルボスチリル骨格の3位および4位間の結合は請求項1に記載と同じ]
    で表されるカルボスチリル誘導体(3)、カルボキシル基3個と水酸基1個を有する炭素数4〜20のカルボン酸またはカルボキシル基2個と水酸基2個を有する炭素数4〜20のカルボン酸のビスマス錯体(2)および一般式
    Figure 0003621463
    [式中、Aは低級アルキレン基または基
    Figure 0003621463
    (式中A’およびA’’はそれぞれ低級アルキレン基を示し、pとqは同一または異なってそれぞれ0または1を示す)、R、R、RおよびRは同一または異なって、それぞれ水素原子、水酸基を有することのある低級アルキル基を示すか、またはRおよびRまたはRおよびRはこれらが結合する窒素原子と共に窒素原子もしくは酸素原子を介しまたは介することなく5〜6員環の飽和複素環を形成してもよい]
    で表されるジアミン誘導体(4)または一般式
    Figure 0003621463
    [式中、RおよびR7’は、同一または異なって、それぞれ水素原子または低級アルキル基を示す]
    で表されるピペラジン誘導体(5)とから形成されるカルボスチリル誘導体ビスマス塩。
  3. 下記一般式
    Figure 0003621463
    [式中、Rはアミノ基の置換基として低級アルキル基を有することのあるアミノ置換低級アルキル基、Rはハロゲン原子を示す。カルボスチリル骨格上の該アシルアミノプロピオン酸置換基は3位または4位に置換しており、またカルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は1重結合または2重結合を示す]
    で表されるカルボスチリル誘導体。
  4. 一般式(1)で示される化合物が2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸 2−ジメチルアミノエチルエステルである請求項3に記載のカルボスチリル誘導体。
  5. 一般式(1)で示される化合物が2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸 3−ジメチルアミノプロピルエステルである請求項3に記載のカルボスチリル誘導体。
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