JP3621275B2 - 可変抵抗器、並びに可変抵抗器の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の電子機器等に使用して好適な可変抵抗器、並びに可変抵抗器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の可変抵抗器の構造を図13〜図15に基づいて説明すると、合成樹脂の成型品からなる絶縁基体31は、全体が同一厚みを有して略リング状をなし、円形状の基部31aと、矩形状の引き出し部31bと、基部31aの中央部に設けられた孔31cとを有している。
また、金属板からなる端子32は、中央部に設けられたリング部32aと、このリング部32aに接続され、互いに反対方向に伸びる端子部32bとストッパー部32cとを有している。
そして、この端子32は、リング部32aが孔31c内で露出した状態で、端子部32bとストッパー部32cの一部が絶縁基体31に埋設されて、端子部32bとストッパー部32cが絶縁基体31の側部より突出して取り付けられている。
また、端子32が埋設された際、埋設された端子部32bとストッパー部32cの一部は、絶縁基体31の他面31e側よりも一面31d側に近づいて配設されている。
【0003】
また、金属板からなる2個の端子33は、端子部33aと、端子部33aからL字状に折り曲げられた接続部33bとを有し、この端子33は、絶縁基体31の引き出し部に31bに端子部33aの一部が埋設されて、端子部33aが絶縁基体31の側部から突出して取り付けられると共に、接続部33bが絶縁基体31の一面31dから露出した状態となっている。
【0004】
また、抵抗体34は、絶縁基体31の一面31d上に形成された馬蹄型をなし、抵抗体34の両端部は、それぞれ端子33の接続部33bに接続されている。
また、バネ性ある金属板からなる摺動子35は、外周部に設けられた摺動部35aと、中心部に設けられた取付部35bとを有し、この摺動子35は、端子32のリング部32aに取付部35bを折り曲げて、端子32に回転可能に取り付けられている。
そして、摺動子35が取り付けられた際、摺動部35aは抵抗体34上を摺動可能になっていると共に、一部が端子32のストッパー部32cに当接して、摺動子35の回転を停止するようになっている。
【0005】
そして、摺動子35を回転すると、摺動部35aが抵抗体34に摺動して、端子32と33との間で抵抗値の可変を行い、また、摺動子35の一部がストッパー部32cにぶつかって、摺動子35の回転を停止するようになり、これによって、可変抵抗器の操作を行うようになっている。
【0006】
次に、このような可変抵抗器の製造方法を図16〜図19に基づいて説明すると、成形金型40は、図17、図18に示すように、リング状をなし、平面状の底面41aを設けた窪み部41bを有する第1の金型41と、リング状をなし、平面状の底面42aを設けた窪み部42bを有する第2の金型42とで構成され、第1と第2の金型41、42の窪み部41b、42bを合わせることにより、略リング状の空間部43を形成するようになっている。
そして、第2の金型42に形成されたゲート部42cから液状の合成樹脂を空間部43に注入して、絶縁基体31を形成するようになっている。
【0007】
そして、図16に示すように、金属板からなるフープ材F2は、打ち抜き折り曲げされて、打ち抜き孔44内において、リング部32a、端子部32b、及びストッパー部32cを有する端子32がフープ材F2に接続された状態で形成され、また、端子部33a、及び接続部33bを有する端子33がフープ材F2に接続された状態で形成されたものを用意する。
【0008】
次に、図17、図18に示すように、第1と第2の金型41、42を合わせて、両金型41、42で端子32、33を挟持し、窪み部41b、42bにより空間部43を形成すると、端子32、33は、空間部43の中間よりもやや第1の金型41の底面41aよりに位置した状態となっている。
次に、この状態で、液状の合成樹脂をゲート部42cから空間部43に注入すると、合成樹脂の湯は、勢い良く空間部43に流れ込み、空間部43に合成樹脂の湯を充填して、合成樹脂が固化した後、フープ材F2から端子32、33を切り離し、端子32を折り曲げ加工することにより、図19に示すように、全体の厚みが均一な絶縁基体31によって、端子32、33が埋設された構成の半製品が製造される。
【0009】
そして、この製造方法において、ゲート部42cから空間部43に流れ込む合成樹脂の湯は、湯流れ速度の速い状態で、勢い良く空間部43に流れ込むため、空間部43内に位置した端子32、33が変形して歪みを持ち、合成樹脂の固化時、この歪みの復帰により、抵抗体34の形成面となる絶縁基体31の一面31d側にうねりを生じ、その結果、摺動子35の抵抗体34への接触不良、或いは製品寿命が悪くなるものであった。
更には、端子32、33は、絶縁基体31の他面31e側よりも一面31d側に近いため、端子32、33の歪みの影響を大きく受け、一層、摺動子35の抵抗体34への接触不良、或いは製品寿命が悪くなる。
そして、小型化、或いは、低コスト化の要求で、端子32、33の金属板を薄く、且つ、絶縁基体31の厚みを薄くすると、上記の課題が一層、顕著なものとなるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の可変抵抗器において、端子32、33を埋設した合成樹脂の絶縁基体31は、全体が均一な厚みで構成されているため、多くの合成樹脂が必要で、材料費が高く、コスト高になるという問題がある。
また、端子32、33は、絶縁基体31の他面31e側よりも一面31d側に近いため、端子32、33の歪みの影響を大きく受け、一層、摺動子35の抵抗体34への接触不良、或いは製品寿命が悪くなるという問題がある。
更に、小型化、或いは、低コスト化の要求で、端子32、33の金属板を薄く、且つ、絶縁基体31の厚みを薄くすると、端子32、33の歪みの影響を大きく受け、一層、摺動子35の抵抗体34への接触不良、或いは製品寿命が悪くなるという問題がある。
【0011】
また、従来の可変抵抗器の製造方法において、成形金型40の窪み部41b、42bで形成される空間部43が同一深さのリング状で構成されているため、ゲート部42cから空間部43に流れ込む合成樹脂の湯は、湯流れ速度の速い状態で、勢い良く空間部43に流れ込むため、これによって、空間部43内に位置した端子32、33が変形して歪みを持ち、合成樹脂の固化時、この歪みの復帰により、抵抗体34の形成面となる絶縁基体31の一面31d側にうねりを生じ、その結果、摺動子35の抵抗体34への接触不良、或いは製品寿命が悪くなるものであった。
更には、端子32、33は、絶縁基体31の他面31e側よりも一面31d側に近い位置で成形金型40に保持された状態で、絶縁基体31に埋設されるため、絶縁基体31の一面31d側が端子32、33の歪みの影響を大きく受け、一層、摺動子35の抵抗体34への接触不良、或いは製品寿命が悪くなるものであった。
そして、小型化、或いは、低コスト化の要求で、端子32、33の金属板が薄く、且つ、絶縁基体31の厚みが薄くなると、端子32、33の歪みが大きく、顕著なものとなるという問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、合成樹脂の成型品からなり、中心部に孔を有する絶縁基体と、該絶縁基体の一面側に設けられた抵抗体と、この抵抗体上を摺動する摺動子と、前記絶縁基体に埋設された金属板からなる端子とを備え、前記絶縁基体には、前記抵抗体を設けた一面側と反対側の他面側に、前記孔の周辺に凹部を設けて薄肉部を形成し、前記凹部の側面に凹凸部を設けた構成とした。
また、第2の解決手段として、前記凹部は、前記絶縁基体に埋設された前記端子の一部と対向する位置に形成した構成とした。
また、第3の解決手段として、合成樹脂の成型品からなり、中心部に孔を有する絶縁基体と、該絶縁基体の一面側に設けられた抵抗体と、この抵抗体上を摺動する摺動子と、前記絶縁基体に埋設された金属板からなる端子とを備え、前記絶縁基体には、前記抵抗体を設けた一面側と反対側の他面側に、前記孔の周辺に凹部を設けて薄肉部を形成し、前記凹部は、前記絶縁基体に埋設された前記端子の一部と対向する位置に形成した構成とした。
また、第4の解決手段として、前記凹部における前記端子を、前記絶縁基体の前記一面側よりも前記他面側に位置させた構成とした。
また、第5の解決手段として、前記凹部を、前記孔の周囲の全周にわたって形成した構成とした。
【0013】
また、第6の解決手段として、一面に抵抗体が設けられると共に、金属板からなる端子を埋設した合成樹脂からなる絶縁基体を有する可変抵抗器において、前記絶縁基体を形成するための空間部とゲート部とを有する成形金型と、前記空間部に位置し、前記ゲート部の近傍に設けられた湯流れ減衰部材とを備え、前記ゲート部より注入された液体の合成樹脂を、前記湯流れ減衰部材により湯流れ速度の減衰を行わしめて、前記絶縁基体に前記端子を埋設するようにした製造方法とした。
また、第7の解決手段として、前記湯流れ減衰部材を、前記成形金型に形成した突出台部で構成した製造方法とした。
また、第8の解決手段として、前記湯流れ減衰部材である突出台部の側面に凹凸部を設けた構成とした。
また、第9の解決手段として、前記成形金型は、少なくとも2つの第1と第2の金型で構成され、前記第1の金型は、前記抵抗体を設ける前記絶縁基体の一面を形成するための平面状の底面を有する窪み部が設けられ、また、前記第2の金型は、前記第1の金型の前記底面と対向する位置に前記突出台部を設けた底面を有する窪み部が設けられ、前記第1と第2の窪み部によって前記空間部を構成した製造方法とした。
また、第10の解決手段として、前記第1の金型の前記底面と前記第2の金型の前記突出台部との間に、前記端子の一部を位置させて、前記絶縁基体に前記端子を埋設した製造方法とした。
また、第11の解決手段として、前記第1の金型の前記底面よりも前記第2の金型の前記突出台部に前記端子を近づけて配設した状態で、液体の合成樹脂を前記空間部に注入するようにした製造方法とした。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の可変抵抗器を図1〜図4に基づいて説明すると、図1は本発明の可変抵抗器の下面図、図2は本発明の可変抵抗器の側面図、図3は図1の3ー3線における断面図、図4は本発明の可変抵抗器に係る基板の平面図である。
【0015】
次に、本発明の可変抵抗器の構成を図1〜図4に基づいて説明すると、合成樹脂の成型品からなる絶縁基体1は、中央部に設けられ、一面1cと他面1dとを貫通した孔1aと、他面1d側に設けられた複数個の凸部1bと、平面状をなした一面1c側の反対側である他面1d側に、孔1aの周辺に設けられた凹部1eとを有している。
そして、凹部1eの側面は、凹凸部1fのある形状で形成されていると共に、凹部1eを設けた絶縁基体1の部分は、他の部分よりも薄肉部となっており、この凹部1eは、孔1aの全周でなく、周辺に部分的に設けても良い。
また、複数個の端子2、3は金属材からなり、この端子2、3は絶縁基体1に埋設されて取り付けられ、一端部は、絶縁基体1の側部から外方に突出して端子部2a、3aが形成され、また、他端部は、絶縁基体1の一面1cから露出して露出部2b、3bが形成されている。
そして、端子部2、3の一部は、絶縁基体1の一面1cと凹部1eとの間に位置し、凹部1eにおける端子2、3は、絶縁基体1の一面1cよりも他面1d側に位置した状態で埋設されている。
【0016】
また、銀等の良導電材をバインダー樹脂中に分散したペーストを焼成して得た集電体4は、絶縁基体1の一面1cに形成され、孔1aの周囲に設けられた円環状で構成されており、この円環状の幅Aの範囲内において、端子2の露出部2bと接続されている。
また、抵抗体5は、絶縁基体1の一面1cに形成され、円環状の集電体4の外周に設けられた円弧状で構成され、その両端部5aは互いに近接した状態で配設されている。
また、銀等の良導電材を含む引き出し部6は、絶縁基体1の一面1cに形成され、抵抗体5の外形に沿うように湾曲して形成された湾曲部6aと、抵抗体5の端部5aの下部に接続された端部6bと、端子3の露出部3bに接続された接続部6cとを有している。
そして、集電体4は金属板ではないので、後述する接片8aの削れを抑えることができて、摺動子8の寿命を長くすることができる。
そして、孔1aを挟んで抵抗体5の端部5aと反対の位置には、端子2の露出部2bが形成された状態となっている。
【0017】
また、絶縁材からなる軸部7は、筒状をなし、その中央には孔7aが設けられると共に、軸部7には、金属板からなり、接片8a、8bを有する摺動子8が固着されている。
そして、軸部7は、絶縁基体1の孔1aに嵌入して回転可能に取り付けられ、摺動子8の一方の接片8aは集電体4に、また、他方の接片8bは抵抗体5に摺動するようになっている。
そして、接片8aは、露出部2bを除く集電体4上、即ち、摺動軌跡S1の範囲で摺動し、また、接片8bは、抵抗体5上を摺動軌跡S2の範囲で摺動するようになっている。
【0018】
また、合成樹脂の成型品からなるカバー9は、コップ状をなし、摺動子8、抵抗体5、及び集電体4を覆うように、絶縁基体1にスナップ止め等の適宜手段により取り付けられている。
そして、このような構成を有する可変抵抗器は、プリント基板(図示せず)の孔に絶縁基体1の凸部1bを挿入すると共に、プリント基板上に第1、第2の端子2、3の端子部2a、3aを載置して、プリント基板に面実装されて取り付けられるものである。
【0019】
そして、このような可変抵抗器の操作は、軸部7を回転すると、摺動子8が回転し、接片8aは、集電体4上を摺動軌跡S1の範囲で摺動し、また、接片8bは、抵抗体5上を摺動軌跡S2の範囲で摺動して、端子2と3との間で抵抗値の可変を行うようになっている。
【0020】
次に、このような可変抵抗器の製造方法を図5〜図12に基づいて説明すると、図5〜図8に示すように、成形金型10は、上型となる第1の金型11と下型となる第2の金型12とで構成され、第1の金型11は、絶縁基体1の外形に対応した窪み部11aと、抵抗体5を設ける絶縁基体1の一面1cを形成する窪み部11aの底面11bと、窪み部11aの中心部に貫通して設けられた孔11cとを有している。
また、第2の金型12は、絶縁基体1の外形に対応した窪み部12aと、窪み部12aに繋がって形成されたゲート部12bと、窪み部12aの略中央部に設けられ、絶縁基体1の孔1aを形成するための円柱状の突部12cと、突部12cの周辺全周にわたって窪み部12aの底面12dから突出して形成された突出台部からなる湯流れ減衰部材12eと、この湯流れ減衰部材12eから更に突出し、端子2の押さえを行うための複数個の凸部12fと、底面12dから突出し、端子3の押さえを行うための複数個の凸部12gとを有している。
そして、前記湯流れ減衰部材12eは、外周の側面に凹凸部12hを有し、ゲート部1bの近傍に設けられていると共に、この突出台部からなる湯流れ減衰部材12eによって、絶縁基体1の凹部1eが形成されるようになる。
なお、ここでは、湯流れ減衰部材12eを第2の金型12に設けたもので説明したが、湯流れ減衰部材12eは、第2の金型12から切り離して、第3の金型に設けても良い。
【0021】
また、図9に示すように、金属板からなるフープ材F1を打ち抜きして、端子部2aと折り曲げ形成された露出部2bを有する端子2、及び端子部3aと折り曲げ形成された露出部3bを有する端子3を、フープ材F1に連結した状態で形成する。
次に、図10、図11に示すように、形成金型10の第1と第2の金型11、12によりフープ材F1を上下より挟持し、窪み部11aと12aとを合わせて絶縁基体1を構成する空間部13を形成する。
この時、第2の金型12の湯流れ減衰部材12eである突出台部は、第1の金型11の底面11bと対向した位置にあって、その間に、端子2の一部が位置すると共に、端子2は、第1の金型11の底面11dよりも第2の金型12の湯流れ減衰部材12eである突出台部に近い位置に配置された状態となっている。
更に、この時、図10に示すように、複数個の凸部12fの内の1個は、端子2の露出部2bとなる部分の下面に当接して、第1の金型11の底面11bに押しつけ、また、その他の凸部12fは、端子2の下面に当接して、空間部13内にある端子2を支持し、また、ここでは図示していないが、凸部12gは、端子3の露出部2bとなる部分の下面に当接して、第1の金型11の底面11bに押しつけた状態となっている。
【0022】
次に、このような状態で、第2の金型12に形成されたゲート部12bから液状の合成樹脂を空間部13に注入する。
すると、液状の合成樹脂の湯は、勢い良く空間部13に流れ込むが、ゲート部12bの近傍に位置する湯流れ減衰部材12eにぶつかって、湯流れの速度が減衰して状態で、他の空間部13に巡るようになる。
また、この湯は、湯流れ減衰部材12eの側面に凹凸部12hが形成されているため、更に、この凹凸部12hにより湯流れの速度が減衰するようになっている。
これによって、湯流れによる端子2、3への圧力が軽減され、端子2、3の歪みが少なくなる。
【0023】
このようにして、空間部13内に合成樹脂を充填して、合成樹脂が固化した後、成形金型10を取り去ると、図12に示すように、端子2、3が絶縁基体1に埋設され、露出部2b、3bが絶縁基体1の一面1cから露出した状態となる。
しかる後、フープ材F1から端子2、3を切り離し、絶縁基体1の一面1cに集電体4、抵抗体5を形成することにより可変抵抗器の半製品が製造されるものである。
そして、このようにして製造された可変抵抗器は、湯流れ減衰部材12eにより、端子2、3の歪みが少なく、絶縁基体1の一面1cのうねりが少なく、且つ、端子2が、第1の金型11の底面11dよりも第2の金型12の湯流れ減衰部材12eである突出台部に近い位置に配置された状態となっているため、一面1cと端子2との間の厚みが端子2と凹部1eの底部との間の厚みより大きく、このため、端子2の歪みによる一面1cへの影響が少なく、一層、うねりの少ないものとなる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の可変抵抗器は、孔1aを有する絶縁基体1に端子2、3を埋設し、絶縁基体1には、抵抗体5を設けた一面1c側と反対側の他面1d側に、孔1aの周辺に凹部1eを設けて薄肉部を形成したため、材料費が少なく、安価な可変抵抗器を提供できる。
また、凹部1eを設けることにより、絶縁基体1の形成時の湯流れの速度を減衰できる構成を採ることができて、端子2、3の歪みが少なく、このため、絶縁基体1の一面1cのうねりが少なく、摺動子8の抵抗体5、集電体4への接触が確実で、長寿命の可変抵抗器を提供できる。
また、凹部1eを孔1aの周囲の全周にわたって形成することにより、一層、材料費が少なく、安価で、一面1cのうねりの少ない可変抵抗器を提供できる。
また、凹部1eの側面に凹凸部1fが形成されているため、絶縁基体1の形成時の湯流れの速度を一層減衰できる構成を採ることができて、端子2、3の歪みが少なく、このため、絶縁基体1の一面1cのうねりが少なく、摺動子8の抵抗体5、集電体4への接触が確実で、長寿命の可変抵抗器を提供できる。
また、凹部1eは、絶縁基体1に埋設された端子2の一部と対向する位置に形成したため、端子2の絶縁基体1内における位置が安定し、端子2の位置の正確な可変抵抗器を提供できる。
また、凹部1eにおける端子2は、絶縁基体1の一面1cよりも絶縁基体1の他面1d側である凹部1eの底部側に位置させたため、一面1cと端子2との間が端子2と底部との間よりも厚く、従って、端子2の歪みの一面1cへの影響が少なく、摺動子8の抵抗体5、集電体4への接触が確実で、長寿命の可変抵抗器を提供できる。
【0025】
また、成形金型10の空間部13に、ゲート部12bの近傍に湯流れ減衰部材12eを設けたため、空間部13内における合成樹脂の湯流れの速度を減衰でき、従って、歪みの少ない端子2、3が埋設できる製造方法を提供できる。
また、湯流れ減衰部材12eを、成形金型10に形成した突出台部で構成することにより、構成の簡単な形成金型10が得られ、安価な成形金型10を提供できる。
また、湯流れ減衰部材12eである突出台部の側面に凹凸部12hを形成したため、空間部13内における合成樹脂の湯流れの速度を一層減衰でき、従って、歪みの少ない端子2、3が埋設できる製造方法を提供できる。
また、成形金型10を第1と第2の金型11、12で構成し、第1の金型11の底面11bに対向して、第2の金型12の突出台部を設けた構成であるため、成形金型10が簡単で、安価な製造方法を提供できる。
また、第1の金型11の底面11bと第2の金型12の突出台部の間に端子2の一部を位置させて、絶縁基体1に端子2を埋設するため、底面11bと突出台部との間が幅狭となり、合成樹脂の湯流れの圧力の影響が少なく、端子2の安定した位置での成形ができる製造方法を提供できる。
また、端子2が、第1の金型11の底面11dよりも第2の金型12の湯流れ減衰部材12eである突出台部に近い位置に配置されているため、一面1cと端子2との間の厚みが端子2と凹部1eの底部との間の厚みより大きく、このため、端子2の歪みによる一面1cへの影響が少なく、一層、うねりの少ない製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変抵抗器の下面図。
【図2】本発明の可変抵抗器の側面図。
【図3】図1の3ー3線における断面図。
【図4】本発明の可変抵抗器に係る基板の平面図。
【図5】本発明の可変抵抗器の製造方法に係り、第1金型の下面図。
【図6】図5の6ー6線における断面図。
【図7】本発明の可変抵抗器の製造方法に係り、第2の金型の平面図。
【図8】図7の8ー8線における断面図。
【図9】本発明の可変抵抗器の製造方法に係り、フープ材の平面図。
【図10】本発明の可変抵抗器の製造方法を示す要部の断面図。
【図11】図10の11ー11線における断面図。
【図12】本発明の可変抵抗器の製造方法に係り、可変抵抗器の半製品を示す平面図。
【図13】従来の可変抵抗器の要部断面図。
【図14】従来の可変抵抗器に係る絶縁基体の斜視図。
【図15】図14の15ー15線における断面図。
【図16】従来の可変抵抗器の製造方法に係り、フープ材の平面図。
【図17】従来の可変抵抗器の製造方法を示す要部の断面図。
【図18】図17の18ー18線における断面図。
【図19】従来の可変抵抗器の製造方法に係り、可変抵抗器の半製品を示す斜視図。
【符号の説明】
1 絶縁基体
1a 孔
1b 凸部
1c 一面
1d 他面
1e 凹部
1f 凹凸部
2 端子
2a 端子部
2b 露出部
3 端子
3a 端子部
3b 露出部
4 集電体
5 抵抗体
5a 端部
6 引き出し部
6a 湾曲部
6b 端部
6c 接続部
7 軸部
7a 孔
8 摺動子
8a 接片
8b 接片
9 カバー
A 幅
S1 摺動軌跡
S2 摺動軌跡
F1 フープ材
10 成形金型
11 第1の金型
11a 窪み部
11b 底面
11c 孔
12 第2の金型
12a 窪み部
12b ゲート部
12c 突部
12d 底面
12e 湯流れ減衰部材
12f 凸部
12g 凸部
12h 凹凸部
13 空間部
Claims (11)
- 合成樹脂の成型品からなり、中心部に孔を有する絶縁基体と、該絶縁基体の一面側に設けられた抵抗体と、この抵抗体上を摺動する摺動子と、前記絶縁基体に埋設された金属板からなる端子とを備え、前記絶縁基体には、前記抵抗体を設けた一面側と反対側の他面側に、前記孔の周辺に凹部を設けて薄肉部を形成し、前記凹部の側面に凹凸部を設けたことを特徴とする可変抵抗器。
- 前記凹部は、前記絶縁基体に埋設された前記端子の一部と対向する位置に形成したことを特徴とする請求項1記載の可変抵抗器。
- 合成樹脂の成型品からなり、中心部に孔を有する絶縁基体と、該絶縁基体の一面側に設けられた抵抗体と、この抵抗体上を摺動する摺動子と、前記絶縁基体に埋設された金属板からなる端子とを備え、前記絶縁基体には、前記抵抗体を設けた一面側と反対側の他面側に、前記孔の周辺に凹部を設けて薄肉部を形成し、前記凹部は、前記絶縁基体に埋設された前記端子の一部と対向する位置に形成したことを特徴とする可変抵抗器。
- 前記凹部における前記端子を、前記絶縁基体の前記一面側よりも前記他面側に位置させたことを特徴とする請求項2、又は3記載の可変抵抗器。
- 前記凹部を、前記孔の周囲の全周にわたって形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の可変抵抗器。
- 一面に抵抗体が設けられると共に、金属板からなる端子を埋設した合成樹脂からなる絶縁基体を有する可変抵抗器において、前記絶縁基体を形成するための空間部とゲート部とを有する成形金型と、前記空間部に位置し、前記ゲート部の近傍に設けられた湯流れ減衰部材とを備え、前記ゲート部より注入された液体の合成樹脂を、前記湯流れ減衰部材により湯流れ速度の減衰を行わしめて、前記絶縁基体に前記端子を埋設するようにしたことを特徴とする可変抵抗器の製造方法。
- 前記湯流れ減衰部材を、前記成形金型に形成した突出台部で構成したことを特徴とする請求項6記載の可変抵抗器の製造方法。
- 前記湯流れ減衰部材である突出台部の側面に凹凸部を設けたことを特徴とする請求項7記載の可変抵抗器の製造方法。
- 前記成形金型は、少なくとも2つの第1と第2の金型で構成され、前記第1の金型は、前記抵抗体を設ける前記絶縁基体の一面を形成するための平面状の底面を有する窪み部が設けられ、また、前記第2の金型は、前記第1の金型の前記底面と対向する位置に前記突出台部を設けた底面を有する窪み部が設けられ、前記第1と第2の窪み部によって前記空間部を構成したことを特徴とする請求項7又は8記載の可変抵抗器の製造方法。
- 前記第1の金型の前記底面と前記第2の金型の前記突出台部との間に、前記端子の一部を位置させて、前記絶縁基体に前記端子を埋設したことを特徴とする請求項9記載の可変抵抗器の製造方法。
- 前記第1の金型の前記底面よりも前記第2の金型の前記突出台部に前記端子を近づけて配設した状態で、液体の合成樹脂を前記空間部に注入するようにしたことを特徴とする請求項10記載の可変抵抗器の製造方法。
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- 1998-11-02 JP JP31172398A patent/JP3621275B2/ja not_active Expired - Lifetime
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