JP3619706B2 - 蓄電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、リチウムイオン蓄電池などの電極群と集電体との導電接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気自動車、電動バイク、アシスト自転車あるいは電動工具等の電源として、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、リチウムイオン蓄電池などの密閉型蓄電池が用いられるようになった。この種の用途に用いられる密閉型蓄電池は、振動環境で使用されるために耐振動性が要求されるとともに、移動体の加速性能を向上させるために、高出力特性、高エネルギー密度が要求されるようになった。
ところで、高出力特性、高エネルギー密度を達成するためには、正・負極板の改良やセパレータや電解液を最適化することに加えて、集電部品の低抵抗化等が必要である。また、耐振動性を向上させるために集電部品の溶接強度、特に集電体と電極板端部の導電端縁との溶接強度を強くする必要がある。
【0003】
一般的に、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池などの密閉型蓄電池においては、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻状に巻回して電極群とした後、この電極群の負極板の導電端縁を負極集電体に溶接するとともに、正極板の導電端縁を正極集電体に溶接する。ついで、この電極群を負極端子を兼ねる金属製外装缶に挿入し、負極集電体を金属製外装缶の底部に溶接するとともに、正極集電体より延出する集電リード部を正極端子を兼ねる封口体の底部に溶接した後、電解液を注液し、外装缶の開口部に絶縁ガスケットを介して封口体を装着することにより密閉して各電池が構成されていた。
【0004】
このように電極群の負極板の導電端縁を負極集電体を介して金属製外装缶の底部に電気的に接続するとともに、正極板の導電端縁を正極集電体を介して封口体の底部に溶接すると、低電流で使用される用途に用いられる蓄電池にあっては、正極板から正極端子(封口体)までの電流分布、および負極板から負極端子(金属製外装缶)までの電流分布が均一になるため、高率放電特性が向上した蓄電池が得られるようになる。
【0005】
しかしながら、上述したような電気自動車、電動バイク、アシスト自転車あるいは電動工具等の用途に用いられる蓄電池にあっては、数十アンペア〜数百アンペアの大電流で充放電するため、上述した溶接部での抵抗に起因する電圧降下が生じて作動電圧が低下し、高電圧および高エネルギー密度が得られないという問題を生じた。このため、溶接部での抵抗が増大しない接続構造とするための種々の集電体が特公平3−24739号公報、特開平10−188997号公報、実公昭61−34695号公報等にて提案されている。
【0006】
特公平3−24739号公報において提案された集電体20は、図2に示すように、左右方向の両端が切欠22により分離された平板部23を有する略矩形状の本体部21と、この本体部21より延出する略長方形状の集電リード部24とが形成されている。そして、本体部21の中心部に注液用の開口25およびそれぞれの平板部23の中心部に開口部26がそれぞれ形成されているとともに、これらの各開口部26の周側縁より下方に突出する突縁26aが形成されている。これにより、平板部23上に一対の溶接電極を押し当てて溶接電流を流すことにより、溶接電流は突縁26aと一方の電極の導電端縁との接触部に集中するようになるため、強固な溶接が可能となる。
【0007】
また、特開平10−188997号公報において提案された集電体30は、図3に示すように、略円形の本体部31と、この本体部31より延出する略長方形状の集電リード部32とが形成されており、本体部31の中心部に注液用の開口33と、第1切欠部34と、第2切欠部35と、スリット36とが形成されている。そして、第1切欠部34の側縁部を下向きに折曲して折曲エッジ部34aが形成されており、第2切欠部35の側縁部を下向きに折曲して折曲エッジ部35aが形成されている。これにより、溶接電流は折曲エッジ部34a,35aと一方の電極の導電端縁との接触部に集中するようになるため、強固な溶接が可能となる。
【0008】
さらに、実公昭61−34695号公報において提案された集電体40は、図4に示すように、略円形の本体部41と、この本体部41より延出する略長方形状の集電リード部42とが形成されている。本体部41の中心部には注液用の開口43が形成されており、本体部41の中心線上にスリット44が形成されている。そして、注液用の開口43の周囲には多数の開口45が形成されており、各開口45の周側縁には突縁45aが形成されている。これにより、溶接電流は突縁45aと一方の電極の導電端縁との接触部に集中するようになるため、強固な溶接が可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平3−24739号公報において提案された集電体20にあっては、開口部25,26の角部が鋭角であるため、振動や衝撃により、角部から亀裂X,Yが生じたり、破断するという問題を生じた。ここで、集電体20に亀裂X,Yが生じたり、破断すると、集電体20の抵抗値が増大して、高率での充放電ができにくくなるという問題を生じた。
また、特開平10−188997号公報において提案された集電体30にあっては、スリット36の奥部36aには丸みとしてのアールが形成されているので、奥部36aで亀裂や破断が生じにくくなる。しかしながら、折曲エッジ部35aを形成するために設けられたスリット35は集電通路となるため、この部分の抵抗値が増加して抵抗電圧降下が増大して、高率充放電特性に悪影響を及ぼすという問題を生じた。
【0010】
さらに、実公昭61−34695号公報等において提案された集電体40にあっては、各開口45の周側縁に形成された突縁45aと一方の極板の導電端縁との溶接部を通して集電が行われるため、電極群の外周部の極板から集電することができなく、高率充放電特性に悪影響を及ぼすという問題を生じた。
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、振動や衝撃が生じても集電体の破断や亀裂が生じなく、かつ集電通路となる部分の断面積の減少を伴わない集電体構造として、高率放電特性に優れた蓄電池が得られるようにすることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の蓄電池は、渦巻状電極群の正極板の導電端縁に溶接された正極集電体と、渦巻状電極群の負極板の導電端縁に溶接された負極集電体とを備え、集電体の少なくとも一方は渦巻状電極群の径と略等しい円形状の本体部を備え、該本体部に形成された多数の円形状の開口と、該本体部の周縁で中心部から放射状に配置された平面形状が略U字状で該集電体の端縁に向けて開口する複数の切欠部とを備え、多数の円形状の各開口および各切欠部の周側縁はこれらの各開口および各切欠部より垂直方向に向けて突出する突縁を備え、各突縁と導電端縁とが溶接されている。
【0012】
このように、集電体の周縁部に平面形状が略U字状で端縁に向けて開口する切欠部を備え、この切欠部より垂直方向に突出する突縁を備えて、この突縁が極板の導電端縁と溶接されていると、集電体の周縁部に存在する極板の導電端縁も溶接されるようになる。このため、全ての導電端縁から均等に集電することが可能となるので、高率放電特性に優れた蓄電池が得られるようになる。また、切欠部は平面形状が略U字状で集電体の端縁に向けて開口しており、かつ切欠部より垂直方向に突出する突縁を備えているので、振動や衝撃が生じても集電体に破断や亀裂が生じることが防止でき、この集電体を用いた蓄電池の溶接信頼性が向上する。
【0013】
また、このような切欠部を複数個備えてこの複数の切欠部が集電体の中心部から放射状に配置されていると、電極群の周縁の各部から均等に集電できるようになるため、集電効率が向上する。さらに、各突縁の一部もしくは全部はその先端部が細くなっていると、各突縁は電極群の一方の極板の導電端縁に食い込みやすくなるため、溶接部の溶接強度がさらに向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の蓄電池をニッケル・水素蓄電池に適用した場合の一実施の形態を図1、図2に基づいて説明する。なお、図1は本実施形態の集電体を示す斜視図であり、図1(a)は斜め上方からみた斜視図であり、図1(b)は斜め下方から見た斜視図であり、図1(c)はその上面図であり、図1(d)は図1(c)のA−A断面を拡大して示す拡大断面図である。
【0015】
1.集電体の作製
(1)実施例1
ニッケルメッキ(例えば、皮膜の厚みが2μm)を施した厚み0.5mmの鋼板あるいはニッケル板を、図1に示すような外形形状になるように、即ち、略円形(直径が29mm)の本体部11と、この本体部11より延出する略長方形状の集電リード部12とを形成するように打抜型で打ち抜くとともに、本体部11の中心部に注液用の開口13を、本体部11の中心線上にスリット14を、開口13の周囲に多数の開口(例えば、直径が2mm)15を形成するとともに、本体部11の周縁の端縁に向けて開口する平面形状が略U字状の切欠部16をそれぞれ形成するように打抜型で打抜成形した。
【0016】
ついで、各開口15および各切欠部16をフランジ成形(バーリングともいう:以下、バーリングという)して、各開口15の周側縁に突縁15aを形成するとともに、各切欠部16の周側縁に突縁16aを形成した。なお、各突縁15aおよび16aの厚み(0.25mm)は本体部11の厚み(0.5mm)よりも薄くなるようにバーリングされ、その先端部はさらに薄くなるように形成されている。このようにして作製された正極集電体を実施例の正極集電体10とした。なお、スリット14を設けることにより、無効な溶接電流を減少させ、有効な溶接電流を増大させることが可能となる。
【0017】
(2)比較例1
ニッケルメッキ(例えば、皮膜の厚みが2μm)を施した厚み0.5mmの鋼板あるいはニッケル板を、図2に示すような外形形状になるように、即ち、左右方向の両端が切欠22により分離された平板部23を有する略矩形状の本体部21と、この本体部21より延出する略長方形状の集電リード部24とを形成するように打抜型で打ち抜くとともに、本体部21の中心部に注液用の開口25およびそれぞれの平板部23の中心部に開口部26をそれぞれ形成するように打抜型で打抜成形した。ついで、これらの各開口部26の周側縁より下方に突出する突縁26aを形成して、比較例1の正極集電体20を作製した。
【0018】
(3)比較例2
ニッケルメッキ(例えば、皮膜の厚みが2μm)を施した厚み0.5mmの鋼板あるいはニッケル板を、図3に示すような外形形状になるように、即ち、略円形の本体部31と、この本体部31より延出する略長方形状の集電リード部32とを形成するように打抜型で打ち抜くとともに、本体部31の中心部に注液用の開口33を打抜型で打ち抜いた。
また、本体部31の中心線部に第1切欠部34を形成するとともに、第1切欠部34の左右側部に第2切欠部35と、スリット36とを形成するように打抜型で打ち抜いた。ついで、第1切欠部34の側縁を下向きに折曲して折曲エッジ部34aを形成するとともに、第2切欠部35の側縁を下向きに折曲して折曲エッジ部35aを形成して、比較例2の正極集電体30を作製した。なお、スリット36の奥部36aには丸みとしてのアール部が形成されている。
【0019】
(4)比較例3
ニッケルメッキ(例えば、皮膜の厚みが2μm)を施した厚み0.5mmの鋼板あるいはニッケル板を、図4に示すような外形形状になるように、即ち、略円形の本体部41を形成するとともに、この本体部41より延出する略長方形状の集電リード部42を形成するように打抜型で打ち抜いた。また、本体部41の中心部に注液用の開口43を形成するとともに、本体部41の中心線上にスリット44を形成するように打抜型で打ち抜き成形した。ついで、注液用の開口43の周囲に多数の開口45を形成するように打抜型で打ち抜き成型した後、各開口45の周側縁をフランジ成形し、各開口45の周側縁に突縁45aを形成して、比較例3の正極集電体40を作製した。
【0020】
2.渦巻状電極群の作製
芯体にニッケル粉末を焼結して形成したニッケル焼結基板に水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を含浸させ、乾燥させた後、所定の厚みになるまで圧延してニッケル正極板を作製した。一方、パンチングメタル(芯体)に水素吸蔵合金よりなるペースト状負極活物質を充填し、乾燥させた後、所定の厚みになるまで圧延して水素吸蔵合金負極板を作製した。
このようにして作製されたニッケル正極板と、水素吸蔵合金負極板とを、ポリプロピレン製不織布からなるセパレータを介して最外周が負極板となるように巻回して渦巻状電極群(直径が30mm)を作製した。なお、このようにして作製された渦巻状電極群の上部にはニッケル正極板の芯体が露出しており、その下部には水素吸蔵合金負極板の芯体が露出している。
【0021】
3.ニッケル・水素蓄電池の作製
(1)実施例
ついで、上述のようにして作製した正極集電体10を用い、この正極集電体10を上述した渦巻状電極群の上部に載置して押圧した後、正極集電体10の本体部11の相対向する箇所に一対の溶接電極を当接させる。この後、これらの溶接電極間に溶接電流を流すことにより、渦巻状電極群より若干突出した正極板の芯体(導電端縁)と正極集電体10の本体部11の各突縁15a,16aとの接触部を抵抗溶接して固着した。
なお、正極集電体10の本体部11の各突縁15a,16aの先端部は薄くなっているため、正極集電体10を渦巻状電極群の上部に載置して押圧することにより、各突縁15a,16aは極板群より若干突出した正極板の芯体に食い込むこととなる。これにより、溶接電極間に溶接電流を流して抵抗溶接すると、正極板の芯体(導電端縁)と各突縁15a,16aの接触部は強固に溶接されるようになる。一方、渦巻状電極群の下部に図示しない円板状の負極集電体を載置して、同様に一対の溶接電極を当接させて負極板の芯体(導電端縁)と負極集電体との接触部を抵抗溶接して渦巻状電極体を作製した。
【0022】
ついで、図示しない有底円筒形の金属製外装缶を用意し、正極集電体10および負極集電体を溶接した渦巻状電極体を金属製外装缶内に挿入し、正極集電体10の開口部13より一方の溶接電極を挿入して図示しない負極集電体に当接させるとともに金属製外装缶の底部に他方の溶接電極を当接して、負極集電体と金属製外装缶の底部とをスポット溶接した。
一方、正極キャップと蓋体(なお、正極キャップと蓋体との間には圧力弁が配置されている)とからなる図示しない封口体を用意し、正極集電体10の導電リード部12を封口体の蓋体底部に接触させて、蓋体底部と導電リード部12とを溶接した後、金属製外装缶内に30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる電解液を注液し、封口体を封口ガスケットを介して外装缶の開口部に載置するとともに、この開口部を封口体側にカシメて封口して、公称容量6.5AhでDサイズの実施例のニッケル・水素蓄電池Aを作製した。
【0023】
(2)比較例1
また、上述のようにして作製した正極集電体20を用い、上述した実施例と同様にして、渦巻状電極群より若干突出した正極板の芯体と正極集電体20の本体部21の各突縁26aとの接触部を抵抗溶接して固着するとともに、負極板の芯体と負極集電体との接触部を抵抗溶接して渦巻状電極体を作製した。
ついで、上述した実施例と同様にして、この渦巻状電極体を金属製外装缶内に挿入し、負極集電体と金属製外装缶の底部とをスポット溶接するとともに、正極集電体20の導電リード部22を封口体の蓋体底部に溶接した後、金属製外装缶内に電解液を注液し、封口体を封口ガスケットを介して外装缶の開口部に載置するとともに、この開口部を封口体側にカシメて封口して、公称容量6.5AhでDサイズの比較例1のニッケル・水素蓄電池Bを作製した。
【0024】
(3)比較例2
また、上述のようにして作製した正極集電体30を用い、上述した実施例と同様にして、渦巻状電極群より若干突出した正極板の芯体と正極集電体30の本体部31の各折曲エッジ部34a,35aとの接触部を抵抗溶接して固着するとともに、負極板の芯体と負極集電体との接触部を抵抗溶接して渦巻状電極体を作製した。
ついで、上述した実施例と同様にして、この渦巻状電極体を金属製外装缶内に挿入し、負極集電体と金属製外装缶の底部とをスポット溶接するとともに、正極集電体30の導電リード部32を封口体の蓋体底部に溶接した後、金属製外装缶内に電解液を注液し、封口体を封口ガスケットを介して外装缶の開口部に載置するとともに、この開口部を封口体側にカシメて封口して、公称容量6.5AhでDサイズの比較例2のニッケル・水素蓄電池Cを作製した。
【0025】
(4)比較例3
また、上述のようにして作製した正極集電体40を用い、上述した実施例と同様にして、渦巻状電極群より若干突出した正極板の芯体と正極集電体40の本体部41の各突縁45aとの接触部を抵抗溶接して固着するとともに、負極板の芯体と負極集電体との接触部を抵抗溶接して渦巻状電極体を作製した。
ついで、上述した実施例と同様にして、この渦巻状電極体を金属製外装缶内に挿入し、負極集電体と金属製外装缶の底部とをスポット溶接するとともに、正極集電体40の導電リード部42を封口体の蓋体底部に溶接した後、金属製外装缶内に電解液を注液し、封口体を封口ガスケットを介して外装缶の開口部に載置するとともに、この開口部を封口体側にカシメて封口して、公称容量6.5AhでDサイズの比較例3のニッケル・水素蓄電池Dを作製した。
【0026】
3.試験
(1)出力特性試験
上述のように作製した実施例および比較例1〜3のニッケル・水素蓄電池を活性化し、満充電した後、これらの各電池を20%の充電状態(DOD(depth of discharge)80%)に設定(このときの電池電圧をVI=0とする)し、5Cおよび10Cの放電電流で放電させ、放電開始から10秒後の各電池の電池電圧(VI=5CおよびVI=10C)の測定を行った。
【0027】
この測定結果から電流(I)−電圧(V)の関係を求めると、V=−RI+VI=0の関係式が得られた。このようにして得られた関係式に基づいて、各電池のV=(2/3)VI=0のときの電流値(I)を求め、これと電圧値(V)との積を電池重量で割ることにより、各電池の出力密度W(W=IV/kg)を算出すると下記の表1に示すような結果となった。なお、下記の表1において、実施例の電池の出力密度Wを100とし、各比較例の電池の出力密度Wをこれとの比で表した。
【0028】
【表1】
【0029】
上記表1より明らかなように、実施例のニッケル・水素蓄電池Aは比較例1〜3のニッケル・水素蓄電池B,C,Dより出力特性が向上していることが分かる。これは、比較例1の電池Bにおいては、正極板の芯体と集電体20とが開口部26の側縁に設けられた突縁26aにより溶接されているため、集電断面積が減少して出力密度が低下したためと考えられる。また、比較例2の電池Cにおいては、折曲エッジ部35aを形成するために設けられたスリット36により、集電断面積が減少して出力密度が低下したためと考えられる。
【0030】
さらに、比較例3の電池Dにおいては、正極板の芯体と集電体40とが開口45の側縁に設けられた突縁45aにより溶接されているため、最外周の正極板から集電できず、集電断面積が減少して出力密度が低下したためと考えられる。一方、実施例の電池Aにおいては、正極板の芯体と集電体10とが開口15の側縁に設けられた突縁15aにより溶接されているとともに、集電体10の周縁部に設けられた平面形状が略U字状の切欠16の側縁に設けられた突縁16aも溶接されているため、電極群の全ての正極板の芯体から集電することが可能となって、集電断面積が増加して出力密度が向上したためと考えられる。
【0031】
(2)振動試験
また、上述のように作製した実施例および比較例1〜3のニッケル・水素蓄電池を50個ずつ用意し、これらの50個ずつの実施例および比較例1〜3のニッケル・水素蓄電池を振動機を用いて振動試験を行った。振動試験後、これらの各電池を解体して各集電体10,20,30,40に亀裂が生じた電池個数を観察すると、下記の表2に示すような結果となった。
【0032】
【表2】
【0033】
上記表2より明らかなように、実施例のニッケル・水素蓄電池Aおよび比較例3のニッケル・水素蓄電池Dは正極集電体10および40に亀裂が生じなかった。これに対して、比較例2のニッケル・水素蓄電池Cにおいては、正極集電体30に亀裂が生じていた。比較例1のニッケル・水素蓄電池Bにおいては、正極集電体20の開口部26の角部に多数の亀裂(図2の符号X,Y参照)が発生していた。これは、比較例1の電池Bにおいては、集電体20の開口部26の角部が鋭角であり、この鋭角な角部は振動や衝撃によりに亀裂が生じ易いためと考えられる。
【0034】
以上に詳述したように、本発明においては、集電体10の端縁に向けて開口している切欠部16より垂直方向に突出する突縁16aを備えて、この突縁16aが極板の導電端縁(芯体)と溶接されているため、集電体10の周縁部に存在する極板の導電端縁も溶接されるようになる。このため、全ての導電端縁から均等に集電することが可能となって、高率放電特性に優れた蓄電池が得られるようになる。
【0035】
また、切欠部16は平面形状が略U字状であり、また突縁16aを備えているので、振動や衝撃が生じても集電体10に破断や亀裂が生じることが防止でき、この集電体10を用いた蓄電池の溶接信頼性が向上する。また、複数の切欠部16が集電体10の中心部から放射状に配置されているので、電極群の周縁の各部から均等に集電できるようになり、集電効率が向上する。また、各突縁16aはその先端部が細くなっているので、電極群の正極板の芯体(導電端縁)に食い込みやすくなり、溶接部の溶接強度がさらに向上する。
【0036】
なお、上述した実施の形態においては、本発明をニッケル・水素蓄電池に適用する例について説明したが、本発明はニッケル・水素蓄電池以外にも、ニッケル・カドミウム蓄電池、リチウムイオン蓄電池などの密閉型蓄電池に適用しても同様の効果が得られることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の集電体を示す斜視図であり、図1(a)は斜め上方からみた斜視図であり、図1(b)は斜め下方から見た斜視図であり、図1(c)はその上面図であり、図1(d)は図1(c)のA−A断面を拡大して示す拡大断面図である。
【図2】従来例(比較例1)の集電体を示す斜視図である。
【図3】他の従来例(比較例2)の集電体を示す斜視図である。
【図4】他の従来例(比較例3)の集電体を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…正極集電体、11…本体部、12…集電リード部、13…注液用の開口、14…スリット、15…開口、15a…突縁、16…平面形状が略U字状の切欠部、16a…突縁
Claims (2)
- 正極板と負極板がセパレータを介して渦巻状に巻回された渦巻状電極群を一方極の外部端子を兼ねる金属製外装缶内に備えるとともに、この外装缶の開口部を絶縁体を介して封口する他方極の外部端子を兼ねる封口体を備えた蓄電池であって、
前記渦巻状電極群の前記正極板の導電端縁に溶接された正極集電体と、前記渦巻状電極群の前記負極板の導電端縁に溶接された負極集電体とを備え、
前記集電体の少なくとも一方は前記渦巻状電極群の径と略等しい円形状の本体部を備え、該本体部に形成された多数の円形状の開口と、該本体部の周縁で中心部から放射状に配置された平面形状が略U字状で該集電体の端縁に向けて開口する複数の切欠部とを備え、
前記多数の円形状の各開口および前記各切欠部の周側縁はこれらの各開口および各切欠部より垂直方向に向けて突出する突縁を備え、
前記各突縁と前記導電端縁とが溶接されていることを特徴とする蓄電池。 - 前記各突縁の一部もしくは全部はその先端部が細くなっていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12250299A JP3619706B2 (ja) | 1999-04-28 | 1999-04-28 | 蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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