JP3619037B2 - パターン形成方法 - Google Patents

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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70425Imaging strategies, e.g. for increasing throughput or resolution, printing product fields larger than the image field or compensating lithography- or non-lithography errors, e.g. proximity correction, mix-and-match, stitching or double patterning
    • G03F7/7045Hybrid exposures, i.e. multiple exposures of the same area using different types of exposure apparatus, e.g. combining projection, proximity, direct write, interferometric, UV, x-ray or particle beam

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細なパターンを含む半導体集積回路パターンを、高い重ね合わせ精度で、かつ高スループットで形成することを可能とするパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置製造工程における光リソグラフィー技術は、そのプロセス簡易性、低コストなどの利点により、広く電子デバイスの生産に用いられてきた。常に技術革新が続けられており、近年では短波長化(KrFエキシマレーザー光源)により、0.25μm以下の素子の微細化が達成されつつある。更に、微細化を進めようとすると、より短波長のArFエキシマレーザー光源やレベンソン型の位相シフトマスクの開発が進められており、0.15μmルール対応の量産リソグラフィーツールとして期待されている。
【0003】
しかし、これを実現するための課題も多くあり、その開発に要する時間が長期化しており、デバイスの微細化のスピードに追いつかなくなることが心配されている。
【0004】
これに対して、ポスト光リソグラフィーの第一侯補である荷電ビームリソグラフィーによると、細く絞ったビームを用いて、寸法0.01μmのパターンが形成できることが実証済みである。微細化という観点では、当面問題はなさそうであるが、デバイス量産ツールとしては、スループットに問題がある。すなわち、細かいパターンを一つ一つ順番に描いていくため、どうして時間がかかってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの問題を解決するために、荷電ビームのもつ光を超える優れた解像力と光ステッパーと同等のスループットを兼ね備えた、光リソグラフィー以後の量産システムとなり得るパターン形成方法、及びその方法を実現するリソグラフィーシステムが、近年、開発されつつある。このパターン形成方法及びリソグラフィーシステムでは、荷電ビーム露光の際の電荷蓄積を防ぐために、導電性上層膜をレジスト膜の直上に形成するか、或いは導電性下層膜をレジスト膜の直下に形成する必要がある。
【0006】
しかしながら、レジスト膜直下、或は直上が導電体で覆われると、光露光により形成したレジストパターンのプロファイルが劣化し、プロセス裕度も低下してしまうという問題が生じることが分かった。特に、この問題は、光露光で露光波長以下の微細なパターンを形成しようとした場合、顕著に生じる。
【0007】
また、上記技術では、光露光パターンと荷電ビームの露光パターンを同一合わせすることが必要であるが、それには、それぞれが同一マークに対して位置合わせを行うため、間接合わせとならざるを得ない。これは、パターン寸法の微細化に伴ってますます合わせ精度が厳しくなっているので、直接合わせにより重ね合わせ精度を向上出来ないことは、大きな欠点となっている。
【0008】
これに対し、本発明者らは、先に、最初に行われる光露光によってレジスト膜中にできた潜像に対して、荷電ビームの位置合わせを行うことを特徴とするパターン形成方法を提案した。しかしながら、この方法では、荷電ビーム露光の際のチャージアップ防止のために導電性レジスト膜、レジスト膜の上層に導電性の上層膜、或いはレジスト膜の下層に導電性の下層膜を用いると、レジスト膜中の潜像が鮮明にとらえにくくなり、位置情報のS/N比が劣化し、正確な位置合わせができなくなるという問題があった。すなわち、レジスト層内の露光パターンと荷電ビームパターンとを高鮮度で位置合わせすることと、荷電ビーム露光の際に生じるチャージアップを防止することを両立することができなかった。
【0009】
本発明は、上記事情の下になされ、光露光と電子ビーム露光を組合せたハイブリッド露光を用いたパターン形成方法において、荷電ビーム露光の際の電荷蓄積による位置ずれがなく、かつ光露光の際に広いプロセス裕度で良好なプロファイルを有するレジストパターンを得ることが可能なパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、光と電子ビームのミックスアンドマッチにおいて、レジスト層内の露光パターンと荷電ビームパターンとを高精度で位置合わせを行うことが可能なパターン形成方法を提供することにある。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は、レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜の直上、及び直下を絶縁体にして、前記レジスト膜に対して光露光を行う工程と、前記レジスト膜の直上、或いは直下を導電体にして、前記レジスト膜に対して荷電ビーム露光を行う工程と、前記レジスト膜に対して現像処理を行って、レジストパターンを形成する工程を具備することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、被加工膜上に光導電性材料からなる下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対し光露光を行う工程と、前記下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程と、前記レジスト膜に対して荷電ビーム露光を行う工程と、前記レジスト膜に対して現像処理を行って、レジストパターンを形成する工程を具備することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0013】
また、本発明は、被加工膜上にシリコンとシリコンの結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含有する下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対し光露光を行う工程と、前記レジスト膜に対し荷電ビーム露光を行う工程と、前記レジスト膜に対して現像処理を行って、レジストパターンを形成する工程とを具備するパターン形成方法が提供される。
【0014】
更に、本発明によると、絶縁膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対し光露光を行う工程と、前記レジスト膜上に導電性材料からなる上層膜を形成する工程と、前記上層膜が形成されたレジスト膜に対し荷電ビーム露光を行う工程と、前記レジスト膜に対して現像処理を行って、レジストパターンを形成する工程とを具備することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0015】
更にまた、本発明は、被加工膜上に光導電性材料からなる下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記下層膜の下の下地パターンの位置情報の検出を荷電ビームで行う工程と、前記下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程と、前記位置情報に基づいて、荷電ビーム露光によりレジスト膜に形成する潜像の位置を補正する工程を具備することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示し、本発明についてより詳細に説明する。
【0017】
本発明者らは、光露光で良好なプロファイルをもったレジストパターンを広いプロセス裕度で得るため、鋭意検討した結果、レジスト膜の直上、及び直下を絶縁体とする必要があることが明らかになった。しかし、光露光と荷電ビーム露光の組合せを用いたハイブリッド露光では、光露光の性能を向上させるために、レジスト膜の直上及び直下を絶縁体にすると、荷電ビーム露光の際に電荷の蓄積による位置ずれが起こってしまうという問題が生じる。そこで、光露光時にはレジスト膜の直上及び直下を絶縁体で覆い、荷電ビーム露光時にはレジスト膜の直上或いは直下を導電体にすることで、上述の問題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。なお、光露光時のレジスト膜の直上の絶縁体には、絶縁膜の他に、絶縁雰囲気も含まれる。
【0018】
かかる知見の下になされた本発明のパターン形成方法は、以下の5つの形態からなる。
【0019】
(第1の実施形態)
被加工膜上に光導電性材料からなる下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対し光露光を行う工程と、前記下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程と、前記レジスト膜に対して荷電ビーム露光を行う工程と、前記レジスト膜に対して現像処理を行って、、レジストパターンを形成する工程を具備することを特徴とする。
【0020】
この場合、下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程と、レジスト膜に対して荷電ビーム露光を行う工程とを、同時に行うことも出来る。
【0021】
この実施形態では、下層膜に光導電性材料を用いて、荷電ビーム露光時にのみ下層膜に光を照射することで、荷電ビーム露光時には下層膜を導電体に、光露光時には絶縁体にすることができる。その結果、荷電ビーム露光時に、電荷がレジスト膜に蓄積されず、位置ずれのないレジストパターンを得ることができる。また、光露光時には下層膜が絶縁体であるので、良好なプロファイルをもったレジストパターンを広いマージンで得ることができる。
【0022】
光導電性が不可逆性であり、光照射後も光導電性が維持される場合は、必ずしも光を照射して下層膜に導電性を付与しつつ荷電ビーム露光を行う必要はなく、光露光による潜像形成工程と、荷電ビームの露光工程の間で下層膜に光を照射して導電性をもたせればよい。
【0023】
(第2の実施形態)
被加工膜上にシリコンとシリコンの結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含有する下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対し光露光を行う工程と、前記レジスト膜に対し荷電ビーム露光を行う工程と、前記レジスト膜に対して現像処理を行って、、レジストパターンを形成する工程とを具備することを特徴とする
この実施形態では、下層膜にシリコンとシリコンとの結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を用いることで、荷電ビーム露光の際にレジスト膜に電荷が蓄積することがなくなり、位置ずれのないレジストパターンを得ることができる。これは、荷電ビーム露光時に有機シリコン化合物の電気抵抗が低下することによるものと考えられる。また、光露光時には有機シリコン化合物は絶縁体なので、良好なプロファイルをもったレジストパターンを広いマージンで得ることが可能になる。
【0024】
(第3の実施形態)
絶縁膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対し光露光を行う工程と、前記レジスト膜上に導電性材料からなる上層膜を形成する工程と、前記上層膜が形成されたレジスト膜に対し荷電ビーム露光を行う工程と、前記レジスト膜に対して現像処理を行って、てレジストパターンを形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0025】
この実施形態では、光露光時にはレジスト膜直下の膜が絶縁体なので、良好なプロファイルをもったレジストパターンを広いマージンで得ることができる。また、荷電ビーム露光時には上層に導電体である上層膜がレジスト膜上に形成されているので、電荷がレジスト膜に蓄積されず、位置ずれのないレジストパターンを得ることができる。
【0026】
(第4の実施形態)
第1の実施形態に係るパターン形成方法において、光露光によりレジスト膜中に形成された潜像の位置情報に基づいて、前記荷電ビーム露光により形成された潜像の位置を補正することを特徴とする。
【0027】
この実施形態では、光露光によってレジスト膜中に形成した潜像を検出する際に、下層膜を絶縁膜にすることにより、導電膜の場合と比べてより鮮明な潜像を得ることができ、高精度の位置合わせが可能となる。また、下層膜に光導電性材料を用いて光を照射して下層膜に導電性を付与しつつ荷電ビーム露光を行うことで、光露光時には下層膜を絶縁膜、荷電ビーム露光時には導電膜にすることができ、荷電ビーム露光の際に生じるチャージアップによる位置ずれの問題も解決することが可能となる。
【0028】
光導電性が不可逆性であり、光照射後も光導電性が維持される場合には、必ずしも光を照射して下層膜に導電性を付与しつつ荷電ビーム露光を行う必要はなく、光露光による潜像形成工程と、荷電ビームの露光工程の間で下層膜に光を照射して導電性をもたせればよい。
【0029】
(第5の実施形態)
第4の実施形態の変形例として、被加工膜上に光導電性材料からなる下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記下層膜の下の下地パターンの位置情報の検出を荷電ビームで行う工程と、前記下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程と、前記位置情報に基づいて、荷電ビーム露光によりレジスト膜に形成する潜像の位置を補正する工程を具備することを特徴とするパターン形成方法が提供される。
【0030】
この場合、下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程と、レジスト膜に対して荷電ビーム露光を行う工程とを、同時に行うことも出来る。
【0031】
下層膜として光導電性材料を用い、光を下層膜に照射しながら荷電ビーム露光を行うことにより、下地パターンを検出している時に下層膜を絶縁体に、荷電ビーム露光時には導電体にすることができる。レジスト膜下の基板内のパターンの位置情報を検出している時には、下層膜は絶縁体であるため、位置情報のために照射した電子、及び下地パターンから反射した電子、或いは2次電子が下層膜で拡散することがない。その結果、正確に位置情報を検出することができ、高い重ね合わせ精度でレジストパターンを形成することができる。
【0032】
光導電性が不可逆性であり、光照射後も光導電性が維持される場合には、必ずしも光を照射して下層膜に導電性を付与しつつ荷電ビーム露光を行う必要はなく、光露光による潜像形成工程と、荷電ビームの露光工程の間で下層膜に光を照射して導電性をもたせればよい。
【0033】
以下、図面を参照して、発明の実施形態について、より具体的に説明する。
【0034】
図1及び図2は、本発明の第1および第2の実施形態に係るパターン形成方法を工程順に示す断面図である。
【0035】
まず、図1(a)に示すように、ウェハー基板1上に被加工膜2を形成する。被加工膜の種類は、特に限定されることはないが、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、スピンオングラス、マスクの製造の際に用いられるブランク材などのシリコン系絶縁膜、アモルファスシリコン、ポリシリコン、シリコン基板などのシリコン系材料、アルミニウム、アルミニウムシリサイド、カッパー、タングステンなどの配線材料などを挙げることができる。
【0036】
次に、図1(b)に示すように、光導電性を有する材料を含有する下層膜3を形成する。下層膜は有機シリコン化合物を含有することが好ましい。その理由は、有機シリコン化合膜がレジスト膜に対してエッチングされやすく、下層膜を異方性良く加工することができるためである。
【0037】
光露光の露光波長における下層膜3の複素屈折率は、被加工膜2からの露光光の反射を抑えて寸法制御性の良いレジストパターンを得るために、1.0<n<3.0、0.1<k<1.0の範囲にあることが好ましい。また、下層膜3の膜厚は、0.005〜5μmであるのが好ましい。その理由は、下層膜3の膜厚が0.005μm未満では、荷電ビーム露光の際にレジスト膜に蓄積される電荷を下層膜で十分に逃がすことができず、5μmを越えると、レジストパターンをドライエッチング法で下層膜にパターン転写する際に、寸法変換差が顕著に発生するためである。
【0038】
以下、下層膜の形成方法について詳述する。下層膜の形成方法は、溶液を塗布する方法と、CVD法(化学的気相蒸着法)のような気相法により形成する方法、蒸着法、スパッター法の何れでもよいが、塗布法で形成することが好ましい。その理由は、これらの成膜方法の中で、塗布法がプロセスコス卜が最も低いからである。
【0039】
ここで、塗布法による下層膜の形成方法について詳述する。まず、光導電性物質を有機溶剤に溶解して溶液材料を作成する。光導電性物質としては、例えば主鎖にシリコンとシリコンとの結合を有する有機シリコン化合物を挙げることができる。有機シリコン化合物の具体例として、例えば下記式1−1〜1−114に記載のポリシラン、或はポリシレンを挙げることができる。これら有機シリコン化合物の平均分子量は200〜100,000が好ましい。その理由は、200未満では、塗膜を加熱した時に有機化合物が揮発しやすく、100,000を越えると、溶媒に溶解しにくく、下層膜の溶液材料を調製しにくくなるからである。
【0040】
【化1】
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【0041】
【化2】
Figure 0003619037
【0042】
【化3】
Figure 0003619037
【0043】
【化4】
Figure 0003619037
【0044】
【化5】
Figure 0003619037
【0045】
【化6】
Figure 0003619037
【0046】
【化7】
Figure 0003619037
【0047】
【化8】
Figure 0003619037
【0048】
【化9】
Figure 0003619037
【0049】
【化10】
Figure 0003619037
【0050】
【化11】
Figure 0003619037
【0051】
【化12】
Figure 0003619037
【0052】
【化13】
Figure 0003619037
【0053】
【化14】
Figure 0003619037
【0054】
【化15】
Figure 0003619037
【0055】
これらの化合物を有機溶剤に溶解して、スピンコーテング法、浸透法等の塗布法によって被加工膜上に塗布した後、加熱を行い、有機溶媒を気化させる。上述の有機シリコン化合物を用いて光導電性が現れないか、もしくは、充分な光導電性が得られない場合は、これらの化合物に対してドーパントとして作用する物質、或いは光導電性化合物を添加してもよい。これら化合物としては、例えば、有機スルフォン酸、有機カルボン酸、多価アルコール、多価チオール(例えばヨウ素、臭素)、SbF、PF、BF、SnF、炭素クラスタ(C60、C70)、シアノアントラセン、ジシアノアントラセン、トリフェニルピリウム、テトラフルオロボレート、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、フタルイミドトリフレート、パークロロペンタシクロドデカン、ジシアノベンゼン、ベンゾニトリル、トリクロロメチルトリアジン、べンゾイルペルオキシド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、t−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。
【0056】
より具体的には、下記式[2−1]〜[2−183]に記載の化合物を挙げることができる。これら化合物を添加する場合の添加量は、加熱後の下層膜の重量を100重量部とすると、0.1〜40重量部が好ましい。その理由は、0.1重量部未満では、充分な光導電性を得ることが難しく、40重量部を越えると、下層膜中の前記シリコンとシリコンとの結合の密度が低下し、紫外光に対する吸収が低下し、光露光時の反射防止膜としての性能が低下してしまう。
【0057】
【化16】
Figure 0003619037
【0058】
【化17】
Figure 0003619037
【0059】
【化18】
Figure 0003619037
【0060】
【化19】
Figure 0003619037
【0061】
【化20】
Figure 0003619037
【0062】
【化21】
Figure 0003619037
【0063】
【化22】
Figure 0003619037
【0064】
【化23】
Figure 0003619037
【0065】
【化24】
Figure 0003619037
【0066】
【化25】
Figure 0003619037
【0067】
【化26】
Figure 0003619037
【0068】
【化27】
Figure 0003619037
【0069】
【化28】
Figure 0003619037
【0070】
【化29】
Figure 0003619037
【0071】
【化30】
Figure 0003619037
【0072】
【化31】
Figure 0003619037
【0073】
【化32】
Figure 0003619037
【0074】
【化33】
Figure 0003619037
【0075】
【化34】
Figure 0003619037
【0076】
【化35】
Figure 0003619037
【0077】
【化36】
Figure 0003619037
【0078】
【化37】
Figure 0003619037
【0079】
【化38】
Figure 0003619037
【0080】
【化39】
Figure 0003619037
【0081】
【化40】
Figure 0003619037
【0082】
【化41】
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【0083】
また、ウェハー面内で均一な膜厚の塗膜を得るために界面活性剤、光露光時にレジスト膜中に露光光が反射するのを防ぐために染料、或いは下層膜をレジスト膜溶媒に溶けにくくするために架橋剤を必要に応じて添加してもよい。
【0084】
架橋剤を添加する場合、有機シリコン化合物は、主鎖のシリコンに水素が結合したものが好ましい。架橋剤としては、多重結合を有する有機物を用いることができる。多重結合を有する有機物とは、二重結合または三重結合を有する化合物、より具体的には、ビニル基、アクリル基、アリール基、イミド基、アセチレニル基などを有する化合物である。このような多重結合を有する有機物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれでもよい。
【0085】
このような多重結合を有する有機物は、熱または光により有機シリコン化合物のSi−H結合との間で付加反応を起こし、有機シリコン化合物を架橋させる。なお、多重結合を有する有機物は、自己重合していてもよい。多重結合を有する有機物の具体例を以下に示す。
【0086】
【化42】
Figure 0003619037
【0087】
【化43】
Figure 0003619037
【0088】
【化44】
Figure 0003619037
【0089】
【化45】
Figure 0003619037
【0090】
【化46】
Figure 0003619037
【0091】
【化47】
Figure 0003619037
【0092】
【化48】
Figure 0003619037
【0093】
【化49】
Figure 0003619037
【0094】
【化50】
Figure 0003619037
【0095】
【化51】
Figure 0003619037
【0096】
上述のように、有機シリコン化合物に対して多重結合を有する有機物を混合した場合、触媒としてラジカル発生剤または酸発生剤を添加してもよい。これらのラジカル発生剤または酸発生剤は、多重結合を有する有機物とSi−Hの付加反応または自己重合を助ける役割を有する。
【0097】
ラジカル発生剤としては、アゾ化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル)、過酸化物、アルキルアリールケトン、シリルペルオキシド、有機ハロゲン化物などが挙げられる。ラジカル発生剤は、光照射または加熱により分子中のO−O結合またはC−C結合が分解してラジカルを発生する。ラジカル発生剤としては、例えば化学式[4−1]〜[4−24]により表されるものが挙げられる。
【0098】
ベンゾイルペルオキシド [4−1]
ジターシャルブチルペルオキシド [4−2]
ベンゾイン [4−3]
ベンゾインアルキルエーテル [4−4]
ベンゾインアルキルアリールチオエーテル [4−5]
ベンゾイルアリールエーテル [4−6]
ベンジルアルキルアリールチオエーテル [4−7]
ベンジルアラルキルエタノール [4−8]
フェニルグリオキサルアルキルアセタール [4−9]
ベンゾイルオキシム [4−10]
トリフェニル−t−ブチルシリルペルオキシド [4−11]
【0099】
【化52】
Figure 0003619037
【0100】
ラジカル発生剤のうち、有機ハロゲン化物としては、一般式[4−18]で表されるトリハロメチル−s−トリアジン(例えば米国特許第3779778号明細書参照)が好ましい。一般式[4−18]において、Qは臭素または塩素、R11は−CQ、−NH、−NHR13、−OR13または置換もしくは非置換のフェニル基、R12は−CQ、−NH、−NHR13、−N(R13 、−OR13、−(CH=CH)−Wまたは置換もしくは非置換のフェニル基、(ここで、R13はフェニル基、ナフチル基または炭素数6以下の低級アルキル基、nは1〜3の整数、Wは芳香環、複素環、または下記一般式で表される基である。)を示す。これらは、場合によっては、多重結合を有する化合物を存在させなくても、光または熱によりポリシランを架橋させることもある。
【0101】
【化53】
Figure 0003619037
【0102】
式中、Zは酸素または硫黄、R13は低級アルキル基またはフェニル基を示す。
【0103】
一般式[4−18]で表されるトリハロメチル−s−トリアジンのうちでは、特に、R12が−(CH=CH) −Wであるビニルトリハロメチル−s−トリアジン(例えば米国特許第3987037号明細書参照)が好ましい。ビニルトリハロメチル−s−トリアジンは、トリハロメチル基と、トリアジン環と共役するエチレン性不飽和結合とを有し、光分解性を示すs−トリアジンである。
【0104】
なお、Wで表される芳香環または複素環には、以下のような置換基が導入されていてもよい。例えば、塩素、臭素、フェニル基、炭素数6以下の低級アルキル基、ニトロ基、フェノキシ基、アルコキシ基、アセトキシ基、アセチル基、アミノ基およびアルキルアミノ基などである。
【0105】
一般式[4−18]で表されるトリハロメチル−s−トリアジンを化学式[4−25]〜[4−34]に、その他のラジカル発生剤を化学式[4−35]〜[4−39]に示す。これらのハロゲン化物は、場合によっては、多重結合を有する化合物を存在させなくても、光または熱によりポリシランを架橋させることもある。
【0106】
【化54】
Figure 0003619037
【0107】
【化55】
Figure 0003619037
【0108】
酸発生剤としては、例えばオニウム塩、ハロゲン含有化合物、オルトキノンジアジド化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、ニトロベンジル化合物が挙げられる。これらのうちでも、オニウム塩、オルトキノンジアジド化合物が好ましい。
【0109】
オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。好ましくは、化学式[4−40]〜[4−42]で表される化合物が挙げられる。
【0110】
ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素系化合物、ハロアルキル基含有炭化水素系化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物などが挙げられる。特に、化学式[4−43]および[4−44]で表される化合物が好ましい。
【0111】
ジニンジアジド化合物としては、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙げられる。特に、化学式[4−45]〜[4−48]で表される化合物が好ましい。
【0112】
スルホン化合物としては、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンなどが挙げられる。特に、化学式[4−49]で表される化合物が好ましい。
【0113】
ニトロベンジル化合物としては、ニトロベンジルスルホネート化合物、ジニトロベンジルスルホネート化合物などが挙げられる。特に、化学式[4−50]で表される化合物が好ましい。
【0114】
スルホン酸化合物としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが挙げられる。特に、化学式[4−51]〜[4−53]で表される化合物が好ましい。
【0115】
【化56】
Figure 0003619037
【0116】
(式中、R14〜R16は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアルキル基またはアルコキシル基、XはSbF、PF、BF、CFCO、ClO、CFSO
【0117】
【化57】
Figure 0003619037
【0118】
17は水素原子、アミノ基、アニリノ基、置換もしくは非置換のアルキル基またはアルコキシル基、R18、R19は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ置換もしくは非置換のアルコキシル基、R20は水素原子、アミノ基、アニリノ基、置換もしくは非置換のアルキル基またはアルコキシル基を示す。
【0119】
【化58】
Figure 0003619037
【0120】
(式中、R21は、トリクロロメチル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基またはメトキシナフチル基を示す。)
【0121】
【化59】
Figure 0003619037
【0122】
(式中、R22〜R24は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基または水酸基を示す。)
【0123】
【化60】
Figure 0003619037
【0124】
(式中、R25は、−CH−、−C(CH −、−C(=O)−または−SO−を示し、qは1〜6の整数、rは0〜5の整数で、qとrの合計は1〜6である。)
【0125】
【化61】
Figure 0003619037
【0126】
(式中、R26は、水素原子またはメチル基、R27は−CH−、−C(CH−、−C(=O)−または−SO−を示し、sは1〜6の整数、tは0〜5の整数で、sとtの合計は1〜6である。)
【0127】
【化62】
Figure 0003619037
【0128】
(式中、R28〜R31は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ置換もしくは非置換のアルキル基またはハロゲン原子、Yは−C(=O)−または−SO−を示し、uは0〜3の整数である。)
【0129】
【化63】
Figure 0003619037
【0130】
(式中、R32は、置換もしくは非置換のアルキル基、R33は水素原子またはメチル基、R34
【0131】
【化64】
Figure 0003619037
【0132】
(ただし、R35は、水素原子またはメチル基、R36、R37は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ置換もしくは非置換のアルコキシル基を示し、vは1〜3の整数である。)
【0133】
【化65】
Figure 0003619037
【0134】
(式中、R38、R39は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、R40、R41は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基またはアリール基を示す。)
【0135】
【化66】
Figure 0003619037
【0136】
(式中、R42は水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基、R43、R44は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ置換もしくは非置換のアルキル基またはアリール基を示し、R43とR44は互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0137】
【化67】
Figure 0003619037
【0138】
(式中、Zはフッ素原子または塩素原子を示す、)
本発明において、有機シリコン化合物の架橋剤としては、上述した多重結合を有する有機物以外にも以下のような物質を用いることが出来る。例えば、ヒドロキシル基を有する有機物、エポキシ基を有する有機物、アミノ基を有する有機物、ピリジンオキシド、アルコキシシリル基、シリルエステル基、オキシムシリル基、エモキシシリル基、アミノシリル基、アミドシリル基、アミノキシシリル基またはハロゲンを有するケイ素化合物、有機金属化合物、ハロゲンを含む化合物などである。
【0139】
ヒドロキシル基を有する化合物としては、多価アルコール、ノボラック樹脂、カルボキシル基を有する化合物、シラノールが挙げられる。これらの化合物は、光または熱によりSi−Hと反応して有機シリコン化合物を架橋させる。このような化合物の具体例を化学式[5−1]〜[5−28]に示す。
【0140】
エポキシ基を有する化合物としては、一般にエピビスタイプのエポキシ樹脂、または脂環式エポキシ樹脂と呼ばれるものが挙げられる。これらの樹脂では、一部にヒドロキシル基が付加していてもよい。また、これらの樹脂とともに上述した酸発生剤を添加してもよい。このような化合物の具体例を化学式[6−1]〜[6−12]に示す。
【0141】
アミノ基を有する化合物としては、例えば化学式[7−1]〜[7−13]に示したものが挙げられる。
【0142】
ピリジンオキシドとしては、例えば化学式[8−1]〜[8−6]に示したものが挙げられる。
【0143】
アルコキシシリル基、シリルエステル基、オキシムシリル基、エノキシシリル基、アミノシリル基、アミドシリル基、アミノキシシリル基またはハロゲンを有するケイ素化合物としては、例えば化学式[9−1]〜[9−52]に示したものが挙げられる。これらの化学式において、Xは上記の置換基を表す。なお、これらの化合物とともに、通常、シリコーンの縮合触媒として使用される白金、有機スズ化合物などの金属触媒、塩基を使用してもよい。
【0144】
有機金属化合物とは、有機基が置換した金属塩、金属錯体を意味する。金属としては、B、Mg、Al、Ca、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Rh、Pd、Cd、In、Snが用いられる。このような化合物の具体例を、化学式[10−1]〜[10−8]に示す。
【0145】
ハロゲンを含む化合物としては、例えば化学式[11−1]〜[11−9]に示したものが挙げられる。
【0146】
【化68】
Figure 0003619037
【0147】
【化69】
Figure 0003619037
【0148】
【化70】
Figure 0003619037
【0149】
【化71】
Figure 0003619037
【0150】
【化72】
Figure 0003619037
【0151】
【化73】
Figure 0003619037
【0152】
【化74】
Figure 0003619037
【0153】
【化75】
Figure 0003619037
【0154】
【化76】
Figure 0003619037
【0155】
【化77】
Figure 0003619037
【0156】
【化78】
Figure 0003619037
【0157】
【化79】
Figure 0003619037
【0158】
【化80】
Figure 0003619037
【0159】
次に、図1(c)に示すように、下層膜3上にレジスト溶液を塗布して、加熱処理を行い、レジスト膜4を形成する。レジスト膜4の膜厚を薄くすれば、それだけ、露光時の露光量裕度、フォーカス裕度、或は解像度を向上させることができる。そのため、レジスト膜4の膜厚は、下層膜3を寸法制御性よくエッチングできる膜厚であれば薄い方がよく、好ましくは0.01−10μmがよい。
【0160】
レジストの種類は、特に限定されることはなく、目的に応じて、ポジ型またはネガ型を選択して使用することができる。具体的には、ポジ型レジストとしては、例えば、ナフトキノンジアジドとノボラック樹脂とからなるレジスト(IX−770、JSR社製)、t−BOCで保護したポリビニルフェノール樹脂とオニウム塩とからなる化学増幅型レジスト(APEX−E、シップレー社製)などが挙げられる。また、ネガ型のレジストとしては、例えば、ポリビニルフェノールとメラミン樹脂および光酸発生剤からなる化学増幅型レジスト(SNR200、シップレー社製)、ポリビニルフェノールとビスアジド化合物とからなるレジスト(RD−2000N、日立化成社製)などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0161】
なお、必要に応じて、レジストの上層に上層反射防止膜、或いは塩基性物質がレジストに吸着するのを防止するひさし防止膜などを形成してもよい。その際、これらの膜は絶縁性でなければならない。このような膜として、AQUATAR(商品名:クラリアント社製)などを挙げることが出来る。
【0162】
次に、光と荷電ビームのハイブリッド露光をレジスト膜に対して行う。本発明者らが、光露光で良好なプロファイルをもったレジストパターンを、広いプロセス裕度で得るために鋭意検討を重ねた結果、下層膜は光露光時には絶縁体である必要があることが明らかになった。おそらく、この理由は、次のように考えることができる。すなわち、光露光によりレジスト膜中の感光剤が分解して導電性を帯びた分解物を生成する。この分解物がレジストの溶解性を変化させる作用をもっており、下層膜が導電体の場合、分解物が下層膜に拡散し、光学像に忠実なレジストパターンが得られない。一方、下層膜が絶縁体の場合、分解物の下層膜への拡散を抑えることができ、光学像に忠実なレジストパターンを得ることができるためと考えられる。
【0163】
以下、光露光を行ってから電子ビーム露光を行った場合について説明するが、下層膜の光導電性に可逆性がある、つまり、光の照射、未照射を繰り返し行っても、光の照射時には光導電性が発生し、未照射時には光導電性が発生しない場合は、荷電ビーム露光を行ってから光露光を行ってもよく、光露光、荷電ビーム露光を繰り返し行ってもよい。
【0164】
まず、図1(d)に示すように、所望のパターンをもったマスクを通して可視光、紫外光をレジスト膜4に対して照射して光露光を行い、レジスト膜4中に潜像5を形成する。紫外光を照射するための光源としては、水銀灯、XcF(波長=351nm)、XeCl(波長=308nm)、KrF(波長=248nm)、KrCl(波長=222nm)、ArF(波長=193nm)、F(波長=151nm)等のエキシマレーザーを挙げることができる。
【0165】
光露光時にレジスト膜4を透過した光が下層膜3に到達するが、レジスト膜をパターニングするのに必要な露光量は、下層膜3に光導電性を発生させるために必要な露光量と比べてはるかに小さい。そのため、光露光でレジスト膜4に照射した光で下層膜3が光導電性を生じることはなく、光露光時の下層膜3は絶縁性を帯びている。従って、光露光時に下層膜3は絶縁体であるため、光露光で発生した感光剤も分解物が下層膜にも拡散することなく、ポジ型レジストの場合は裾ひき、ネガ型レジストの場合は食われのない良好なプロファイルを有するレジストパターンを得ることができる。
【0166】
また、光学像に忠実な鮮明な潜像を得ることができるため、広いプロセス裕度を得ることが可能になる。光露光が終了した後、必要に応じてホットプレート或はオーブンなどを用いてポストエクスポージャーベークを行う。
【0167】
続いて、図2(a)に示すように、電子ビーム、イオンビームなどの荷電ビームを照射し、荷電ビーム露光を行う。その際、下層膜3には導電性を生じせしめる波長を有する光を照射しながら荷電ビーム露光を行う。光の照射方法としてはレジストを感光させない波長、或は露光量の光で、レジスト膜上部から行うことが好ましい。
【0168】
例えば、波長範囲としては50〜900nmが好ましく、50nm以下では光導電性材料の分解が生じて充分な光導電性が得られない。照射量は0.01〜100J/cmが好ましく、0.01J/cm未満では強度が弱く、充分な光導電性が得られず、100J/cmを越えると、光導電性材料の分解が生じ、充分な光導電性が得られない。
【0169】
このように、下層膜3に光導電性をもたせることにより、レジスト膜4に電荷が蓄積されにくくなり、電荷蓄積による位置ずれのない潜像6を得ることができる。なお、下層膜3が、シリコンとシリコンとの結合を有する有機シリコン化合物を含有する場合、下層膜3に光を照射しなくても、荷電ビームにより有機シリコン化合物の抵抗が減少し、電荷が蓄積されにくくなり、電荷蓄積による位置ずれを抑えることができる。この場合は、必ずしも光を照射しながら荷電ビーム露光を行う必要はない。また、下層膜の光導電性が不可逆性である場合、つまり、光照射により一旦、光導電性が生じると、光を照射しなくても導電性が維持される場合は、必ずしも光を照射しながら荷電ビーム露光を行う必要はなく、光露光後、光照射を行って光導電性をもたせた後、荷電ビーム露光を行えばよい。
【0170】
次に、光と荷電ビームによる露光が終了した後、必要に応じてホットプレート或はオーブンなどを用いてポストエクスポージャーベークを行う。そして、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の有機アルカリ水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ水溶液、キシレン、アセトンの有機溶媒を用いて現像処理が施され、図2(b)に示すように、レジストパターン7が形成される。なお、このレジストパターンの上面図を図12(a)(点線部分が図2(b)に対応する)に示す。
【0171】
上述の形態では、光露光及び電子ビーム露光後に、ポストエクスポージャーベークを行っているが、光露光終了後と電子ビーム露光終了後、それぞれポストエクスポージャーべークを行っても、同様の効果が得られる。
【0172】
次に、以上説明した本発明の第1の実施形態の第1の変形例について説明する。
即ち、本実施形態は、上層膜に光導電性材料を用いるものであり、その場合でも、第1の形態と同様の効果を得ることが出来る。この場合、レジスト直下の膜は、絶縁膜である必要がある。絶縁膜のシート抵抗は、1×1012Ω/□以上が好ましく、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、或はスピンオングラス、マスクの製造の際に用いられるブランク材などのシリコン系絶縁膜、キノンジアジドとノボラック樹脂、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルフェノールノボラック樹脂、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルブチラールポリイシド、ポリヒドロキシスチレン、フェノール樹脂、ポリシランなどの樹脂をを挙げることができる。
【0173】
次に、第1の実施形態と同様にして、絶縁膜上にレジスト膜を形成する。そして、レジスト膜上に光導電性材料からなる上層膜を形成する。上層膜の膜厚は、0.001〜10μmが好ましい。その理由は、膜厚が0.001μm未満では、荷電ビーム露光の際にレジスト膜に蓄積された電荷を上層膜で充分に逃がすことができず、10μmを越えると、荷電ビーム露光時に感度が低下してしまうためである。更に、水溶性材料を用いることが好ましい。上層膜は、後続の現像処理工程でアルカリ現像液を用いる場合が一般的で、現像処理工程で上層膜を溶解除去することが出来るためである。
【0174】
続いて、第1の実施形態と同様にして、レジスト膜に対して光露光を行い、上層膜に対して光照射を行い、上層膜に対して光照射を行い、光導電性をもたせながら、荷電ビーム露光、現像処理を行ってレジストパターンを得る。
【0175】
なお、上層膜の光導電性が不可逆性である場合には、必ずしも光を照射しながら荷電ビーム露光を行う必要はなく、光露光後、光照射を行って、上層膜に光導電性をもたせた後、荷電ビーム露光を行ってもよい。
【0176】
次に、本発明の第1の実施形態の第2の変形例では、上層膜及び下層膜に光導電性材料を用いても、第1の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。
【0177】
まず、第1の実施形態と同様にして、被加工膜上に光導電性材料からなる下層膜、レジスト膜を形成し、第1の変形例と同様にして、レジスト膜上に光導電性材料からなる上層膜を形成する。
【0178】
続いて、第1の実施形態と同様にして、レジスト膜に対して光露光を行い、上層膜及び下層膜に対して光照射を行い、光導電性をもたせながら、荷電ビーム露光、現像処理を行ってレジストパターンを得る。
【0179】
なお、上層膜或は下層膜の光導電性が不可逆性である場合には、必ずしも光を照射しながら荷電ビーム露光を行う必要はなく、光露光後、光照射を行って、上層膜或は下層膜の何れかに光導電性をもたせた後、荷電ビーム露光を行えばよい。
【0180】
次に、本発明の第3の実施形態に係るパターン形成方法について、図面を参照して説明する。
【0181】
図4及び図5は、本発明の第3の実施形態に係るパターン形成方法を工程順に示す断面図である。
【0182】
まず、図4(a)に示すように、ウェハー基板11上に被加工膜12を形成する。被加工膜の種類として、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、スピンオングラス、マスクの製造の際に用いられるブランク材などのシリコン系絶縁膜、アモルファスシリコン、ポリシリコン、シリコン基板などのシリコン系材料、アルミニウム、アルミニウムシリサイド、カッパー、タングステンなどの配線材料などを挙げることができる。
【0183】
次に、図4(b)に示すように、被加工膜12上に絶縁膜13を形成する。被加工膜が絶縁性である場合には、必ずしも絶縁膜を形成する必要はない。絶縁膜13のシート抵抗は、1×1012Ω/□以上が好ましい。例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、或はスピンオングラス、マスクの製造の際に用いられるブランク材などのシリコン系絶縁膜、キノンジアジドとノボラック樹脂、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルフェノールノボラック樹脂、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルブチラールポリイシド、ポリヒドロキシスチレン、フェノール樹脂、ポリシランなどの樹脂をを挙げることができる。
【0184】
露光波長における絶縁膜の複素屈折率は、露光光の下地基板からの反射を抑えて寸法制御性の良いレジストパターンを得るために、1.0<n<3.0、0.1<k<1.0の範囲にあることが好ましい。膜厚は0.001μm以上が好ましく、その理由は0.001μm未満では反射を十分に抑えることができないためである。
【0185】
次に、図4(b)に示すように、上述の第1および第2の実施形態と同様にして、絶縁膜13上にレジスト膜14を形成する。
【0186】
その後、図4(c)に示すように、第1および第2の実施形態と同様にして、レジスト膜14に対して光露光を行い、必要に応じてポストエクスポージャーベークを行う。レジスト膜直下は絶縁膜であるため、裾ひき、或は食われのない良好なプロファイルを有するレジストパターンを得ることができる。また、光学像に忠実な鮮明な潜像15が得られるため、広いプロセス裕度を得ることができる。
【0187】
次に、図4(d)に示すように、レジスト膜14上に導電性材料からなる上層膜16を形成する。上層膜16の膜厚は0.001〜10μmが好ましい。その理由は、膜厚が0.001μm未満以下では荷電ビーム露光の際にレジスト膜に蓄積される電荷を上層膜で十分に逃がすことができず、10μmを越えると荷電ビーム露光時にレジストの感度が低下してしまうためである。
【0188】
上層膜16の構成材料は、シート抵抗が1×1012Ω/□以下が好ましく、特に、水溶性材料を用いることが好ましい。上層膜は後続の現像処理工程でアルカリ現像液を用いる場合が一般的で、現像処理工程で上層膜を溶解除去することができるためである。水溶性の導電性材料としては下記式[12―1]〜[12−8]に記載の構造の化合物を挙げることができる。
【0189】
【化81】
Figure 0003619037
【0190】
(式中、Mはアルキル基を表わす。)
このような導電性材料を水溶液に溶解してレジスト膜上に塗布して、ホットプレート、或はオーブンなどを用いて加熱して上層膜16を形成する。
【0191】
次に、図5(a)に示すように、電子ビーム、イオンビームなどの荷電ビームを照射する。その際、上層膜16として導電膜が形成されているため、電荷蓄積による位置ずれのない潜像17を得ることができる。
【0192】
光露光、荷電ビーム露光の終了後、必要に応じてポストエクスポージャーベークを行った後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の有機アルカリ水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ水溶液、キシレン、アセトン等の有機溶媒を用いて、現像処理が施され、図5(b)に示すように、レジストパターン18が形成される。なお、図5(b)は、図12(a)の点線部分の断面図である。上層膜は、現像処理時に現像液で溶解除去される。なお、このレジストパターン18の上面図を図12(a)に示す。
【0193】
導電性の上層膜をレジスト膜上に形成したため、荷電ビーム露光の際、チャージアップによる位置ずれのないレジストパターンを得ることが可能である。このように、光と荷電ビーム露光のハイブリッド露光において、導電性上層膜の塗布工程を、光露光と、荷電ビーム露光の間に介在させることで、光露光時のプロセス裕度を広げることができ、荷電ビーム露光時のチャージアップによる位置ずれを防止することが可能になる。
【0194】
次に、本発明の第4および第5の実施形態に係るパターン形成方法について、図面を参照して説明する。
【0195】
図7は、本発明の第4および第5の実施形態に係るパターン形成方法における、同一層内の光露光パターンと荷電ビームパターンとの直接合わせ方法、及び下地パターンと荷電ビーム露光パターンとの直接合わせ方法について説明するための図である。
【0196】
図7において、参照符号101は下層膜下の下地パターン、102はレジスト膜中に形成された光露光パターンの潜像、103は潜像(或いは下地パターン)を観察するための検出ビーム、104は潜像(或いは下地パターン)を検出するための手段、105は潜像(或いは下地パターン)の位置を設計データと比べて荷電ビーム露光時のパターン位置を補正制御するための手段、106はパターンを露光するための荷電ビーム、107は荷電ビームによって形成された荷電ビーム露光パターンの潜像をそれぞれ示す。
【0197】
ここで、検出ビームと露光ビームとを別々に設けているが、これは両者の作業を基板を載置したステージの動作中に並行に行われるようにして荷電ビーム露光の処理能力を上げるためである。
【0198】
次に、このように構成されたシステムを使って、同一層内の光露光パターンと荷電ビーム露光パターンとの直接合わせ方法について説明する。
【0199】
光と荷電ビームの同一層におけるミックスアンドマッチでは、最初に行われる光露光によってレジスト膜中に潜像が形成される。この潜像をあたかも後から行う荷電ビーム露光の合わせマークとして観察し、その検出信号から光露光パターン位置の設計値からのずれを読み取り、その読み取り値によって荷電ビーム露光パターンの位置を設計値に対して補正を行い、露光していく。
【0200】
その際、光露光により形成された潜像の検出を荷電ビームで行う場合には、レジスト膜に照射する荷電ビームの総量をレジスト膜を露光するのに必要とされる荷電ビームの総量以下に抑える必要がある。潜像検出を光で行う場合には、レジストの感光波長とは異なる波長の光を使わなければならない。レジス卜の感光波長を含む波長の光を使う場合には、レジスト膜を露光するのに必要とされる露光量以下の露光量の光を照射することが望ましい。
【0201】
また、下層膜には光導電性材料を用い、光を下層膜に照射して下層膜に導電性をもたせながら荷電ビーム露光パターンを形成する。光導電性が不可逆性である場合は、必ずしも光を照射して下層膜に導電性をもたせながら荷電ビーム露光を行う必要はなく、光露光による潜像形成工程と、荷電ビームの露光工程の間で下層膜に光を照射して導電性をもたせる工程を介在させればよい。その際、レジスト膜の上部から光を照射する時は、光の波長がレジストの感光波長と異なる波長の光を使うことが好ましい。レジストの感光波長を含む場合は、レジストを露光するのに必要とされる露光量以下の露光量で光を照射することが好ましい。
【0202】
下層膜として光導電性材料を用い、光を下層膜に照射しながら荷電ビーム露光を行うことで、光露光時には下層膜を絶縁膜に、荷電ビーム露光時には導電膜にすることができる。その結果、光露光でレジスト膜中に潜像を形成する場合は、下層膜が絶縁膜であるため、酸発生剤から発生した導電性物質が下層膜に拡散しにくいので、鮮明な潜像が得られ、同一層内での両者のパターンが直接合わせで精度高く形成することができる。
【0203】
また、荷電ビームにより露光を行う場合には、下層膜が導電膜であるため、チャージアップによる位置ずれのないパターン形成を行うことができる。
【0204】
なお、下層膜、光導電性材料、レジスト、露光光、電子ビーム等は、上述の第1〜3の形態で用いたのと同様であるので、その説明は省略する。この場合、レジスト直下の膜は絶縁膜である必要があり、絶縁膜のシート抵抗は、1×1012Ω/□以上が好ましく、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、或はスピンオングラス、マスクの製造の際に用いられるブランク材などのシリコン系絶縁膜、キノンジアジドとノボラック樹脂、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルフェノールノボラック樹脂、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルブチラールポリイシド、ポリヒドロキシスチレン、フェノール樹脂、ポリシランなどの樹脂をを挙げることができる。
【0205】
続いて、下地パターンと荷電ビーム露光パターンとの直接合わせ方法について説明する。
上述の同一層内の光露光パターンと荷電ビーム露光パターンとの直接合わせ方法では、両者を直接合わせで精度高く合わせることができることを述べたが、場合によっては、クリティカルな位置精度が要求される荷電ビーム露光パターンを、下地基板内のパターン位置に対して合わせる必要が生ずることもある。この場合には、最初に行われる光露光による潜像ではなく、レジスト膜下の基板内のパターンをあたかも後から行う荷電ビーム露光の位置合わせマークとして観察し、その検出信号から光露光パターン位置の設計値からのずれを読み取り、その読み取りによって荷電ビーム露光パターンの位置を設計値に対して補正を行い、露光することが出来る。
【0206】
この場合にも、上述のように、下地パターン検出のためにレジスト膜に照射する荷電ビームの総量は、レジスト膜を露光するのに必要とされる荷電ビームの総量以下に抑える必要がある。また、下層膜として光導電性材料を用い、光を下層膜に照射して下層膜に導電性をもたせながら荷電ビーム露光を行い、荷電ビーム露光パターンを形成する。
【0207】
光導電性が不可逆性である場合は、必ずしも光を照射して下層膜に導電性をもたせながら荷電ビーム露光を行う必要はなく、光露光による潜像形成工程と、荷電ビームの露光工程の間で下層膜に光を照射して導電性をもたせればよい。この際に、レジスト膜の上部から光を照射する時は、光の波長がレジストの感光波長と異なる波長の光を使うことが好ましい。レジストの感光波長を含む場合は、レジスト膜を露光するのに必要とされる露光量以下の露光量で光を照射することが望ましい。
【0208】
下層膜として光導電性材料を用い、光を下層膜に照射しながら荷電ビーム露光を行うことにより、下地パターンを検出している時に下層膜を絶縁膜に、荷電ビーム露光時には導電膜にすることができる。レジスト膜下の基板内のパターンの位置情報を検出している時には、下層膜は絶縁膜であるため、位置情報のために照射した電子、及び下地パターンから反射した電子、或いは2次電子が下層膜で拡散することがない。その結果、正確に位置情報を検出することができ、高い重ね合わせ精度でレジストパターンを形成することができる。
【0209】
また、下層膜が導電膜であるため、電子ビームで露光の際もチャージアップによる位置ずれのないパターンを形成することができる。その結果、正確な重ね合わせ精度でパターン形成を行うことが可能である。
【0210】
以下、本発明の種々の実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0211】
実施例1
本実施例は、本発明の第1の形態に係るものである。
【0212】
まず、図1(a)に示すように、シリコンウェハー1上に、被加工膜であるSiO膜2をLPCVD法で500nmの厚みで形成した。次いで、図1(b)に示すように、以下の(S1)〜(S18)の方法で形成した光導電性を示す下層膜3をSiO膜2上に形成した。下層膜3の膜厚は、何れも100nmである。
【0213】
(S1):式[1−84]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9.9gを、電荷発生剤としてフラーレン(C60)0.1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、スピンコーテング法によってSiO膜2上に塗布した後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱を行った。
【0214】
(S2):式[1−95]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9.9gを、電荷発生剤としてフラーレン(C60)0.1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布した後、加熱を行った。
【0215】
(S3):式[1−93]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9.9gを、電荷発生剤としてフラーレン(C60)0.1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布した後、加熱を行った。
【0216】
(S4):式[1−98]に記載の重量平均分子量18,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9.9gを、電荷発生剤としてフラーレン(C60)0.1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布した後、加熱を行った。
【0217】
(S5):式[1−56]に記載の重量平均分子量13,000の有機シリコン化合物(n/m=1/1)9.9gを、電荷発生剤としてフラーレン(C60)0.1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布した後、加熱を行った。
【0218】
(S6):式[1−1]に記載の重量平均分子量3,000の有機シリコン化合物8.7g、式[4−60]に記載の架橋剤1g、ラジカル発生剤としてアゾビスイソブチロニトニル0.2g、電荷発生剤としてフラーレン(C60)0.1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、スピンコーテング法により塗布した後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)で160℃で10分間加熱した。
【0219】
(S7):式[1−84]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9g、式[2−18]に記載の電荷発生剤1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様に塗布した後、加熱を行った。
【0220】
(S8):式[1−95]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9g、式[2−30]に記載の電荷発生剤1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様に塗布した後、加熱を行った。
【0221】
(S9):式[1−93]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9g、式[2−42]に記載の電荷発生剤1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様に塗布した後、加熱を行った。
【0222】
(S10):式[1−98]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9g、式[2−47]に記載の電荷発生剤1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様に塗布した後、加熱を行った。
【0223】
(S11):式[1−56]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9g、式[4−34]に記載の電荷発生剤1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様に塗布した後、加熱を行った。
【0224】
(S12):式[1−1]に記載の重量平均分子量2,000の有機シリコン化合物7.8g、式3−87に記載の架橋剤1.8g、ラジカル発生剤としてベンゾイルオキシド0.2g、フラーレン(C70)0.2gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様に塗布した後、加熱を行った。
【0225】
(S13):式[1−84]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9g、式[2−143]の電荷発生剤1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様に塗布した後、加熱を行った。
【0226】
(S14):式[1−84]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9g、式[2−170]の電荷発生剤1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様に塗布した後、加熱を行った。
【0227】
(S15):式[1−84]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9.9g、電荷発生剤としてフラーレン(C70)0.1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と塗布した後、加熱を行った。
【0228】
(S16):式[1−84]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9.9g、電荷発生剤としてTCNQ0.1gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様に塗布した後、加熱を行った。
【0229】
(S17):式[1−84]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)10gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布し、加熱した。そしてI雰囲気中(Iの蒸気圧40Torr)にさらして、沃素をドープした。
【0230】
(S18)ポリビニルカルバゾール10gをトルエン90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布した後、加熱を行った。
【0231】
また、比較のために、導電性材料として以下の(C1)〜(C4)の方法で形成した下層膜、絶縁材料として以下の(I1)〜(I3)の方法で形成した下層膜を、それぞれSiO膜上に形成した。この場合も下層膜の膜厚は100nmとした。
【0232】
(C1):アルミニウムシリサイドをスパッター法で成膜した。
【0233】
(C2):タングステンシリサイドをスパッター法で成膜した。
【0234】
(C3):ポリシリコンをCVD法で成膜して、リンをドープした。
【0235】
(C4):カーボンをスパッター法で成膜した。
【0236】
(I1):TEOS酸化膜をLPCVD法で成膜した。
【0237】
(I2):Si膜をスパッター法で成膜した。
【0238】
(I3):重量平均分子量12,000のポリサルフォン10gを、シクロヘキサノン90gに溶解して作成した溶液を、スピンコーテング法で塗布した後、ホットプレートを用いて220℃で90秒間加熱を行った。
【0239】
以上のようにして成膜した各下層膜のシート抵抗を測定した。その結果を下記表1〜表3に示す。
【0240】
【表1】
Figure 0003619037
【0241】
【表2】
Figure 0003619037
【0242】
【表3】
Figure 0003619037
【0243】
上記表1および表2から、光導電性材料(S1)〜(S18)は、何れも1×1017Ω/□以上のシート抵抗を有し、光照射を行わなければ絶縁体であることがわかる。
【0244】
ここで、光導電性材料(S1)〜(S18)の光導電性を調べるために行った実験について説明する。図7は、この実験で用いた装置の概略図である。まず、(S1)の光導電性について調べた。図7に示すように、アルミニウム基板203上に(S1)の手法で下層膜202を形成し、電荷発生装置206を用いて電離放電を起こして電子を下層膜202に蓄積させた。そして、下層膜202に波長と光強度を変えて光207を照射して、電極201と電極204の電位の変化を電圧計205で測定することによって、下層膜202の導電性を調べた。
【0245】
下層膜202の導電性の測定は、次のようにして行われた。即ち、光源として水銀灯を用いて、分光器により波長365nmの紫外光を分光して取り出し、下層膜202に照射量100mJ/cmで照射した。図中、矢印のところから紫外光の照射を開始した。そのときの電位変化を図9(a)に示す。
【0246】
図9(a)から、光を照射することで下層膜が絶縁体から導電体になったため、電位が零になったことが分かる。電離放電によりプラス電荷を下層膜に蓄積させて同様の実験を行った結果、下層膜は、プラス電荷に対しても光導電性を有することが分かった。(S1)と同様にして(S2)〜(S18)の光導電性を調べた結果、表1および2に記載の波長、照射量で、(S1)と同様の光導電性が得られた。
【0247】
導電性材料(C1)〜(C4)、絶縁性材料(I1)〜(I3)についても同様の実験を行ったが、(C1)〜(C4)では下層膜が導電体であるため、電荷が下層膜に蓄積することがなく、図9(b)に示すように、電離放電を起こしても電位は零のままだった。(I1)〜(I3)では、電荷が蓄積し電位が生じるものの、図9(c)に示すように、光を照射しても電荷は蓄積したままで、電位が零になることがなかった。
【0248】
また、光露光工程でレジスト膜を透過した露光光で下層膜に光導電性が生じないことを確認するために、KrFエキシマーレーザー(波長248nm)を25mJ/cmの露光量で下層膜に照射して光導電性を調べた。その結果、光照射後も電荷は下層膜上に蓄積したままで、レジストは光露光工程では光導電性を示さないことが分かった。
【0249】
さらに、各下層膜の光露光の際の露光波長である248nmでの複素屈折率を分光エリプソを用いて測定した結果を同様に上記表1〜表3に示す。光導電性材料(S1)〜(S18)、絶縁性材料(I2)及び(I3)、導電性材料(C4)は、露光光の反射を抑えるのに適当な複素屈折率を有しており、光露光の際に反射防止膜として作用することが分かる。
【0250】
次に、図1(c)に示すように、各下層膜上にレジスト膜を形成した。レジスト溶液は、重量平均分子量12,000のポリビニルフェノール樹脂4.8g、重量平均分子量18,000のポリビニルフェノール樹脂の水酸基の50%をターシャリブトキシカルボニル基で置換して作成した抑止剤樹脂5g、酸発生剤としてスルフォンイミド0.2gを乳酸エチル90gに溶解して作成した。そして、レジスト溶液をスピンコーテング法で各下層膜上にそれぞれ塗布し、ホットプレートを用いて110℃で90秒間の加熱を行って、レジスト膜を形成した。この時のレジスト膜の膜厚は200nmである。
【0251】
その後、光露光と電子ビーム露光により、テストパターンの露光を行った。これは光と電子ビームのハイブリッド露光であり、テストパターンは光露光の際の解像性と、電子ビーム露光の際に発生する電荷蓄積による位置ずれをモニターできるパターンとなっている。
【0252】
まず、KrFエキシマレーザーを光源とする縮小光学型ステッパーを用いて露光量25mJ/cmでレジスト膜に対してパターン露光を行い、300μmピッチで直径0.20μmのコンタクトホールパターンの潜像5を形成した。なお、露光時にレジスト膜の直上は、大気(即ち、絶縁雰囲気)で覆われている。潜像5が形成されたレジスト膜を上面から見た図を図10に示す。図10の部分拡大図の点線部分の断面を図1(d)に示す。
【0253】
続いて、加速電圧10keV、電流密度5A/cmの可変成形型電子ビーム描画装置を用いて、300μmピッチで幅0.1μmの溝パターンの潜像6を形成した。なお、各下層膜に光導電性を発生せしめるために、レジスト膜上部からウェハー全面に、表1、2に記載の波長および照射量の光を照射しながら、電子ビーム露光を行った。潜像6が形成されたレジスト膜を上面から見た図を図11に示す。図11(a)の部分拡大図の点線部分の断面を図2(a)、一点鎖線部分の断面を図3(a)に示す。電子ビーム露光は、図11(a)の矢印で示したような順番で行った。
【0254】
なお、図11(a)は下層膜に光導電性材料、或は導電性材料を用いた場合、図11(b)は、下層膜に絶縁性材料を用いた場合の図である。
次に、ホットプレートを用いてウェハーを110℃で90秒間加熱してポストエクスポージャーベークを行った。続いて、0.21規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液を用いて現像処理を行い、レジストパターンを形成した。レジストパターンを上面から見た図を図12(a)および12(b)に示す。図12(a)の部分拡大図の点線部分の断面を図2(b)、一点鎖線部分の断面を図3(b)に示す。なお、図12(a)は下層膜に光導電性材料、或は導電性材科を用いた場合、図12(b)が下層膜に絶縁性材料を用いた場合の図である。
【0255】
光露光で形成したコンタクトホールパターンの断面、すなわち、図12(a)の部分拡大図の点線部分の断面を光露光で形成したコンタクトホールを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。光導電性材料(S1)〜(S18)、および絶縁性材料(I1)〜(I3)が下層膜の場合、図2(b)に示すように、裾ひきがほとんど生じることなく、垂直な側壁をもった良好なプロファイルを有するコンタクトホールパターンが得られた。更に、導電性材料上では、図13に示すように、裾ひきが発生しており、続くエッチング工程で寸法制御性の良い加工ができないことが分かった。
【0256】
また、電子ビーム露光で形成した溝の形状、すなわち図12(a)の一点鎖線部分の断面を図3(b)に示す。図12(b)の場合でも断面の取り方は図12(a)と同様である。(S1)〜(S18)、(I1)〜(I3)および(C1)〜(C4)の何れも,図3(b)に示したように裾ひきがなく、良好な形状が得られている。
【0257】
更に、露光量を25mJ/cmでのフォーカス裕度を調べた結果を上記表1〜3に示す。フォーカス裕度はコンタクトホールの直径が0.18〜0.22μmに収まるフォーカスの範囲で定義した。コンタクトホールの直径はレジストパターン上部、つまり図2(b)に示すXのように定義した。下層膜が光導電性材料、或は絶縁性材料の場合、フォーカス裕度は何れも0.6μm以上あり、十分なプロセス裕度を示すことが分かる。一方、下層膜が導電性材料からなる場合、フォーカス裕度は0.3μm以下で、プロセス裕度が狭い。
【0258】
以上の結果から、下層膜を絶縁体にすると、光露光で良好なプロファイルを、広いプロセス裕度で得ることができることが分かる。おそらく、この理由は、次のように考えることができる。すなわち、光露光によりレジスト膜中の酸発生剤が分解して酸を生成する。酸は導電性を帯びており、下層膜が導電体の場合、下層膜に拡散し光学像に忠実なレジストパターンが得られなくなる。一方、下層膜が絶縁体の場合、酸の下層膜への拡散を抑えることができ、光学像に忠実なレジストパターンを得ることができるためと考えられる。
【0259】
電子ビーム露光で形成した溝パターンが、電子ビーム露光時に下層膜が導電体であるにも係らず裾ひきが発生しないのは、電子ビーム露光よりも光露光の方がコントラストが低く、光露光の方が酸発生剤から発生した酸の失括によるレジスト膜プロファイルの劣化が顕著に発生しやすいためと考えられる。
【0260】
また、電子ビーム露光の際に電荷蓄積による位置ずれ量を測定した。位置ずれ量は図12(b)に示すYで定義した。測定結果を上記表1〜3に示す。表1〜3から、下層膜に光導電性材料、或は導電性材料を用いた場合、位置ずれ量は測定限界の1nm以下で、許容範囲の10nm以下にあることがわかる。これは、下層膜が導電性をもっているため、電子がレジスト膜上に蓄積しなかったためと考えられる。
【0261】
一方、下層膜に絶縁性材料を用いた場合、位置ずれが顕著に発生しており、電子がレジスト膜に蓄積し、電子ビームの進路が曲げられたためと考えられる。なお、電子ビーム露光はレジスト膜上部から下層膜に光導電性を発生せしめる波長の光を照射しながら行ったが、波長、照射量がレジストを感光させるには至らず、レジストプロファイルに影響は見られなかった。
【0262】
このように、下層膜に光導電性材料を用い、電子ビーム露光時にのみ下層膜に光を照射して導電性をもたせることで、光露光で良好なプロファイルをもったレジストパターンを広いプロセス裕度で得ることができ、かつ電子ビーム露光でも電荷蓄積による位置ずれのないレジストパターンが得られるようになった。
【0263】
実施例2
本実施例は、本発明の第1の形態に係るものである。
【0264】
上記実施例1では光を照射しながら荷電ビームを照射した場合について説明したが、下層膜の光導電性が不可逆性の場合、つまり、光照射により一旦、光導電性が生じると、光を照射しなくても導電性が維持される場合は、必ずしも光を照射しながら荷電ビーム露光を行う必要はなく、光露光後、光照射を行って光導電性をもたせた後、荷電ビーム露光を行えばよい。
【0265】
本実施例では、実施例1における(S7)の方法で得た下層膜を用いた。
【0266】
まず、下層膜の光導電性の可逆性について調べた。図8に示す装置を用いて電子を下層膜上に蓄積したところ、電極201と電極204との間に電位差が生じた。次に、下層膜に436nmの紫外光を200mJ/cmで照射すると、下層膜に光導電性が生じたため、電位差が零になった。さらに、電子を下層膜上に蓄積しようと試みたところ、電位差が生ずることはなく、光導電性の可逆性がないことがわかった。これは、一度、下層膜に光を照射すると、下層膜の光導電性が維持された状態になっているからである。プラス電荷についても、同様にして調べた結果、光導電性の可逆性がないことがわかった。
【0267】
次に、SiO上に実施例1の(S7)の方法で下層膜を形成し、さらに、実施例1と同様の方法でレジスト膜を形成し、KrFエキシマレーザーでパターン露光を行った。なお、露光時にレジスト膜の直上は、大気(即ち、絶縁雰囲気)で覆われている。続いて、実施例1と同様の方法で波長436nmの紫外光を100mJ/cmで照射して下層膜に導電性をもたせた。そして、実施例1と同様にしてレジスト膜に電子ビーム露光を行い、ポストエクスポージャーベーク、現像処理を順次行った。
【0268】
得られたレジストパターンのプロファイルを観察したところ、光露光、及び電子ビーム露光で形成したパターンの何れも図2(b)、図3(b)にそれぞれ対応するように、良好な形状が得られていることが分かった。さらに、実施例1と同様に、光露光時の最適露光量でのフォーカス裕度を調べたところ、0.7μmあり、十分広いマージンが得られた。
【0269】
上述の実施例では、光露光と電子ビーム露光を終了した後、ポストエクスポージャーベークを行っているが、光露光終了後と電子ビーム露光終了後、それぞれポストエクスポージャーベークを行っても同様の効果が得られた。
【0270】
実施例3
本実施例は、本発明の第1の形態の第1の変形例に係るものである。
まず、シリコンウエハ上に、被加工膜であるSiO膜をLPCVD法で500nmの厚さで形成した。続いて、ポリサルフォン10gをシクロヘキサノン90gに溶解した溶液材料を被加工膜上に塗布した後、ホットプレートを用いて200℃で90秒間のベークを行って、反射防止膜を形成した。反射防止膜の厚さは、100nmである。
【0271】
次いで、実施例1と同様にして、反射防止膜上にレジスト膜を形成した。
次に、平均分子量4,000のポリビニルアルコール9g、光導電性材料としてポリビニルカルバゾール1gを純水90gに溶解して得た溶液材料を、スピンコーティング法を用いてレジスト膜上に塗布した後、ホットプレートを用いて120℃で90秒間のベークを行って、上層膜を形成した。上層膜の膜厚は40nmである。
【0272】
なお、この上層膜は、実施例1と同様の方法で光導電性を確認してある。
その後、実施例1と同様にして、KrFエキシマレーザーを光源とする縮小光学型ステッパーを用いて、レジスト膜に対してパターン露光を行った。
続いて、実施例1と同様にして、上層膜の上部から波長436nmの紫外光を、照射量200mJ/cmで上層膜に対して照射して、上層膜に光導電性をもたせながら、荷電ビーム露光を行った後、ポストエクスポージャーベーク、および現像処理を行って、レジストパターンを得た。
【0273】
光露光時のフォーカス裕度を調べたところ、0.7μmあり、実施例1と同様に、レジストの直上及び直下に絶縁膜を形成したため、充分なプロセス裕度を得ることが出来た。また、実施例1と同様にして荷電ビーム露光の際に生じる電荷蓄積による位置ずれ量を測定したところ、位置ずれ量は1nm以下で、許容範囲内の10nm以下である。
これは、上層膜に光照射を行って、導電性をもたせたことにより、電子がレジスト膜に蓄積しなかったためと考えられる。
【0274】
実施例4
本実施例は、本発明の第1の形態の第2の変形例に係るものである。
まず、シリコンウエハ上に、被加工膜であるSiO膜をLPCVD法で500nmの厚さで形成した。続いて、実施例1の(S1)と同様にして、被加工膜上に下層膜を形成した。
【0275】
次いで、実施例1と同様にして、反射防止膜上にレジスト膜を形成した。更に、実施例3と同様にして、レジスト膜上に上層膜を形成した。なお、これら上層膜及び下層膜は、実施例1と同様の方法で、光導電性を確認してある。
【0276】
その後、実施例1と同様にして、KrFエキシマレーザーを光源とする縮小光学型ステッパーを用いて、レジスト膜に対してパターン露光を行った。
続いて、実施例1と同様にして、上層膜の上部から波長430nmの紫外光を、照射量200mJ/cmで上層膜及び下層膜に対して照射して、上層膜に光導電性をもたせながら、荷電ビーム露光を行った後、ポストエクスポージャーベーク、および現像処理を行って、レジストパターンを得た。
【0277】
光露光時のフォーカス裕度を調べたところ、0.7μmあり、実施例1と同様に、レジストの直上及び直下に絶縁膜を形成したため、充分なプロセス裕度を得ることが出来た。また、実施例1と同様にして荷電ビーム露光の際に生じる電荷蓄積による位置ずれ量を測定したところ、位置ずれ量は1nm以下で、許容範囲内の10nm以下である。
これは、上層膜に光照射を行って、導電性をもたせたことにより、電子がレジスト膜に蓄積しなかったためと考えられる。
【0278】
実施例5
本実施例は、本発明の第2の形態に係るものである。
【0279】
まず、実施例1と同様にしてシリコンウェハー上にSiO膜を形成した。次いで、以下に示す(T1)〜(T12)のようにして、シリコンとシリコンとの結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含有する下層膜をSiO膜上に形成した。各下層膜の膜厚は何れも100nmである。
【0280】
(T1):式[1−84]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)10gを、アニソール90gに溶解して調製した溶液を、スピンコーテング法によってSiO膜上に塗布した後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱を行った。
【0281】
(T2):[式1−95]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)10gを、アニソール90gに溶解して調製した溶液を(S1)と同様にして塗布して、加熱を行った。
【0282】
(T3):式[1−93]に記載の重量平均分子量12,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9.9g、電荷発生剤としてフラーレン(C60)0.1gを、アニソール90gに溶解して調製した溶液を(S1)と同様にして塗布して、加熱を行った。
【0283】
(T4):式[1−98]に記載の重量平均分子量18,000の有機シリコン化合物(n/m=1/4)9.9g、電荷発生剤としてフラーレン(C60)0.1gを、アニソール90gに溶解して調製した溶液を(S1)と同様にして塗布して、加熱を行った。
【0284】
(T5):式[1−56]に記載の重量平均分子量13,000の有機シリコン化合物(n/m=1/1)9.9g、電荷発生剤としてフラーレン(C60)0.1gを、アニソール90gに溶解して調製した溶液を(S1)と同様にして塗布して、加熱を行った。
【0285】
(T6):式[1−1]に記載の重量平均分子量3,000の有機シリコン化合物8.8g、式[3−60]に記載の架橋剤1g、ラジカル発生剤としてアゾビスイソブチロニトニル0.2gをアニソール90gに溶解して調製した溶液を、スピンコーテング法により塗布した後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)で160℃で10分間加熱した。
【0286】
(T7):(S7)と同様の方法で下層膜を成膜した。
【0287】
(T8):(S8)と同様の方法で下層膜を成膜した。
【0288】
(T9):(S9)と同様の方法で下層膜を成膜した。
【0289】
(T10):(S10)と同様の方法で下層膜を形成した。
【0290】
(T11):(S11)と同様の方法で下層膜を形成した。
【0291】
(T12):(S12)と同様の方法で下層膜を形成した。
【0292】
以上の(T1)〜(T12)により得た下層膜のシート抵抗を測定した。その結果を下記表4に示す。
【0293】
【表4】
Figure 0003619037
【0294】
上記表4から、何れの膜も抵抗は1×1017Ω/□以上あり絶縁体である。さらに、各下層膜の光露光の際の露光波長である248nmでの複素屈折率を分光エリプソを用いて測定した結果を同様に上記表4に示す。下記表4から、何れも露光光の反射を抑えるのに適当な複素屈折率を有しており、光露光の際に反射防止膜として作用することが分かる。
【0295】
次に、各下層膜上に、実施例1と同様の方法でレジスト膜を形成した。
【0296】
更に、光露光と電子ビーム露光を行ってテストパターンの露光を行った。テストパターンは実施例1と同様である。まず始めに、KrFエキシマレーザーを光源とする縮小光学型ステッパーを用いて、露光量25mJ/cmでレジスト膜に対してパターン露光を行い、300μmピッチで直径0.20μmのコンタクトホールパターンの潜像を形成した。なお、露光時にレジスト膜の直上は、大気(即ち、絶縁雰囲気)で覆われている。続いて、加速電圧50keV、電流密度5A/cmの可変成形型電子ビーム描画装置を用いて、300μmピッチで幅0.1μmのスペースターンの潜像を形成した。
【0297】
次に、ホットプレートを用いてウェハーを110℃で90秒間加熱してポストエクスポージャーベークを行った。続いて、0.21規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液を用いて現像処理を行い、レジストパターンを形成した。
【0298】
光露光で形成したコンタクトホールパターンの断面をSEMで観察したところ、断面形状は何れも図2(b)に示すように、裾引きが生じることなく、垂直な側壁をもった良好なプロファイルを有するコンタクトホールパターンが得られることが分かった。更に、露光量を25mJ/cmに固定してフォーカス裕度を実施例1と同様にして調べた。その結果を上記表4に示す。
【0299】
上記表4から、フォーカス裕度は何れも0.6μm以上あり、十分なプロセス裕度を示すことが分かる。良好なプロファイルが、広いプロセス裕度で得ることができるのは、実施例1と同様の理由で、下層膜が光露光時に絶縁体であるためと考えられる。なお、電子ビーム露光で形成した溝パターンには実施例1と同様に裾ひきは見られなかった。
【0300】
また、電子ビーム露光の際に電荷蓄積による位置ずれ量を実施例1と同様にして測定した。測定結果を上記表4に示す。上記表4から、位置ずれ量は何れも許容範囲の10nm以下にあることが分かる。下層膜の電気抵抗が電子ビームの照射中も照射前と変わらず絶縁体であったとすると、実施例1の下層膜に絶縁性材料を用いた場合の実験結果から、10μm以上の位置ずれが起きるはずである。しかし、本実施例では、許容範囲の10nm以下に位置ずれ量が抑えられており、その理由は、荷電ビーム露光時に下層膜中の有機シリコン化合物がの電気抵抗が下がったためと考えられる。
【0301】
このように、シリコンとシリコンとの結合を含む有機シリコン化合物を含有する下層膜を用いた場合、電子ビーム露光時に光を照射することなく、電荷蓄積による位置ずれを防ぐことができ、光露光時にも良好なプロファイルを有するレジストパターンを広いプロセス裕度で得ることができる。
【0302】
実施例6
本実施例は、本発明の第3の形態に係るものである。
【0303】
まず、実施例1と同様にして、シリコンウェハー11上にSiO膜12を形成した。次いで、光霧光時にSiO膜12からの露光光の反射を防ぐために、SiO膜12上に絶縁膜である反射防止膜13を形成した(図4(a))。反射防止膜13としては、実施例1の(I3)で形成した絶縁膜を用いた。なお、反射防止膜13の膜厚は40nmとした。
【0304】
次に、反射防止膜13上に、実施例1と同様にして、レジスト膜14を形成した(図4(b))。そして、実施例1と同様にして、レジスト膜14に対して光露光を行い、潜像15を形成した(図4(c))。さらに、ホットプレートを用いて、ウェハー11を110℃で90秒間加熱して、ポストエクスポージャーベークを行った。
【0305】
続いて、以下の(U1)〜(U6)のようにして、導電性材料からなる上層膜16をそれぞれレジスト膜14上に形成した(図4(d))。上層膜16の膜厚は何れも40nmである。
【0306】
(U1):式[12−1]に記載の導電性材料(M=CH3)10gを純水90gに溶解して調製した溶液を、スピンコーテング法で塗布した後、ホットプレートを用いて100℃で5分間加熱した。
【0307】
(U2):式[12−2]に記載の導電性材料10gを純水90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布し、加熱を順次行った。
【0308】
(U3):式[12−7]に記載の導電性材料10gを純水90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布、加熱を順次行った。
【0309】
(U4):アミロース3g、式[12−8]に記載の導電性材料(M=CH3)7gを純水90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布、加熱を順次行った。
【0310】
(U5):アミロース5g、光導電性物質TCNQ5gを純水90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布、加熱を順次行った。そして、水銀灯のi線(波長365nm)を照射量1J/cmで照射して導電性をもたせた。
【0311】
(U6):アミロース5g、光導電性物質スルフォンイミド5gを純水90gに溶解して調製した溶液を、(S1)と同様にして塗布、加熱を順次行った。そして、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を照射量1J/cmで照射して導電性をもたせた。
【0312】
以上の(U1)〜(U6)により得た上層膜のシート抵抗を測定した。その結果を下記表5に示す。
【0313】
【表5】
Figure 0003619037
【0314】
次に、実施例5と同様の方法で、電子ビームによる露光を行い、潜像17を形成した(図5(a))。さらに、ホットプレートを用いて、ウェハー11を110℃で90秒間加熱して、ポストエクスポージャーベークを行った。続いて、0.21規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液を用いて現像処理を行い、レジストパターンを形成した(図5(b))。上層膜は、現像処理時に溶解除去された。
【0315】
光露光で形成したコンタクトホールパターンの断面をSEMで観察したところ、断面形状は何れも図2(b)に示すように、裾引きが生じることなく、垂直な側壁をもった良好なプロファイルを有するコンタクトホールパターンが得られることが分かった。さらに、フォーカス裕度を実施例1と同様にして調べた結果を上記表5に示す。上記表5から、フォーカス裕度は何れも0.6μm以上あり、十分なプロセス裕度を示すことが分かる。良好なプロファイルが、広いプロセス裕度で得ることができたのは、実施例1と同様の理由で、下層膜が光露光時に絶縁体であるためと考えられる。
【0316】
また、電子ビーム露光の際の電荷蓄積による位置ずれ量を、実施例1と同様にして測定したところ、位置ずれ量は何れも測定限界である1nm以下にあることが分かった。これは、光露光を行った後、導電性上層膜を形成したため、電荷蓄積を防止することができたためであると考えられる。
【0317】
なお、本実施例では、光露光と電子ビーム露光の間に行ったポストエクスポージャーベーク(PEB)を省くこともできる。このポストエクスポージャーベークを省いて上述の方法と同様にしてレジストパターンを形成して、フォーカス裕度を調べた結果を上記表5に示す。なお、この場合、ポストエクスポージャーベークは、電子ビーム露光の後でのみ行った。
【0318】
上記表5から、フォーカス裕度は許容範囲の0.6μm以上はあるが、光露光と電子ビーム露光との間にベークを行った場合と比べて、フォーカス裕度が低下していることがわかる。これはおそらく、光露光で発生した酸が、電子ビーム露光の後に行ったポストエクスポージャーベーク時に上層膜に拡散して、潜像が鮮明に形成されにくくなったためと考えられる。
【0319】
電子ビーム露光でレジスト膜中に発生した酸も上層膜に拡散するが、電子ビーム露光のフォーカス裕度は数十μmと光露光の数十倍広く、酸が拡散して潜像が劣化しても、十分なフォーカス裕度が得られ問題にはならない。従って、本発明の第3の実施形態では、ポストエクスポージャーベークは、光露光と電子ビーム露光の終了後に行ってもよいが、光露光、ポストエクスポージャーベーク、導電性上層膜形成、荷電ビーム露光、ポストエクスポージャーベークを順次行うことが好ましい。
【0320】
このように、光と荷電ビーム露光のハイブリッド露光において、導電性上層膜の塗布工程を、光露光と荷電ビーム露光の間に介在させることで、光露光時のプロセス裕度を広げることができ、荷電ビーム露光時のチャージアップによる位置ずれを防止することが可能になる。
【0321】
実施例7
本実施例は、本発明の第4の形態に係るもので、同一層内の光露光パターンと荷電ビーム露光パターンとの直接合わせ法について、図14を参照して説明する。
【0322】
図14(a)に示すように、LPCVD法により、シリコンウェハー(図示せず)上に被加工膜である膜厚700nmのTEOS酸化膜301を形成した。次いで、TEOS酸化膜301上に、実施例1の(S1)〜(S18)、および実施例5の(T1)〜(T12)の方法で下層膜302を形成した。下層膜302の膜厚は100nmである。さらに、実施例1と同様の方法でレジスト膜303を形成した。レジスト膜303の膜厚は150nmである。
【0323】
次に、光露光と電子ビーム露光を行ってテストパターンを形成した。テストパターンは、光と電子ビームのハイブリッド露光によって、同一層内の光露光パターンと電子ビーム露光パターンの位置合わせ精度と、電子ビーム露光パターンのチャージアップによる位置ずれをモニターできるパターンになっている。
【0324】
まず、図14(b)に示すように、KrFエキシマレーザーを光源とする縮小光学型ステッパーを用いて露光量20mJ/cmでパターン露光を行い、レジスト膜にラインアンドスペースパターンの潜像304を形成した。そして、図14(c)に示すように、電子ビーム露光装置を用いて、加速電圧1.8kVの電子ビーム305をレジスト膜303に照射して、前記潜像の位置情報の検出を行った。この潜像の位置情報を基に、電子ビーム露光のパターン位置を最適な位置に修正して、加速電圧50kVの電子ビームを露光量10μC/cmでレジスト膜に対して照射し、図15(a)に示すように、ラインアンドスペースパターンの潜像304間の中心線上にコンタクトホールパターンの潜像306を形成した。
【0325】
なお、(S1)〜(S18)の方法で形成した各下層膜上のレジスト膜に対しては、下層膜に光導電性をもたせるために光を実施例1と同様の照射方法、光波長、及び照射量で照射しながら、レジスト膜の領域305に対して電子ビーム露光を行った。(T1)〜(T12)の方法で形成した下層膜に対しては、光露光を行うことなく、電子ビーム露光を行った。
【0326】
最後に、ホットプレートを用いて、120℃で90秒間のポストエクスポージャーベークを行い、0.21規定のTMAH現像液を用いて60秒間の現像処理を行い、図15(b)に示すように、0.25μmラインアンドスペースパターンの中心線308上に0.25μmピッチで直径0.15μmのコンタクトホールパターン306の中心が位置するレジストパターン307を形成した。
【0327】
なお、0.25μmラインパターンの長さは5μmで、一つのショット内にラインパターンは100本ある。各下層膜上に形成したレジストパターンについて、図16に示すように、設計上コンタクトホールパターンの中心が来るべき位置401とコンタクトホールの中心位置402の位置ずれ量403を2つの点の距離と定義し、位置ずれ量の平均値をウェハーの中央部に位置するチップ内で求めた。位置ずれ量の平均値を各下層膜について下記表6および表7に示す。
【0328】
下記表6および表7から、何れの下層膜でも位置ずれ量は許容範囲の30nm以下に収まっており、光露光パターンと電子ビーム露光パターンが高精度で位置合わせできていることが分かる。また、本発明では、シリコンとシリコンとの結合を主鎖に含む有機シリコン化合物を下層膜が含む場合、必ずしも光導電性を発生させるために下層膜に光を照射しながら、電子ビーム露光を行う必要はない。しかし、(S7)〜(S12)の方法で形成した下層膜を用いて得られた結果と、(T7)〜(T12)の方法で形成した下層膜を用いて得られた結果を比べると、前者の方が合わせ精度が高く、光を照射しながら電子ビーム露光を行う方が好ましいと言える。
【0329】
【表6】
Figure 0003619037
【0330】
【表7】
Figure 0003619037
【0331】
このように、光露光でレジスト膜中に潜像を形成する場合は、下層膜が絶縁膜であるため、酸発生剤から発生した酸が下層膜に拡散しにくく、鮮明な潜像を得ることができ、同一層内での両者のパターンが直接合わせで精度高く形成することが可能となる。また、荷電ビームで露光を行う場合、下層膜に光を照射することで下層膜を導電膜にすることができ、チャージアップによる位置ずれのないパターンを形成することができる。その結果、正確な重ね合わせ精度でパターン形成を行うことが可能である。
【0332】
比較例1
本比較例では実施例7において、絶縁性の下層膜を用いた場合について説明する。
【0333】
シリコンウェハー上に、LPCVD法により、被加工膜として膜厚700nmのTEOS酸化膜を形成した。そして、TEOS酸化膜上に、ポリイミド10gをシクロヘキサノン90gに溶解して作成した下層膜の溶液材料を、スピンコーテング法で塗布した後、220℃で60秒間ベークして、膜厚120nmの下層膜を作成した。
【0334】
分光エリプソで測定した下層膜の波長248nでの複素屈折率はn=1.75、k=0.22で、波長248nmの光に対して吸収性を有し、光露光時に反射防止膜として作用する。また、実施例1と同様にして光導電性を調べた結果、光を下層膜に照射しても下層膜上の電荷はマイナス電荷、プラス電荷の何れも堆積したままで光導電性を示さないことが分かった。
【0335】
次に、下層膜上に実施例7と同様の方法でレジストパターンを形成した。但し、実施例5で光導電性を下層膜にもたせるために照射した光は、本比較例では照射していない。実施例7と同様にして、ラインパターン中心とコンタクトホールパターンの中心の位置ずれ量を測定した結果、平均値が82nmで許容範囲の30nmを超えており、重ね合わせが精度良く行われていないことが分かった。これは、下層膜が絶縁体であるため、電子ビーム光を行った際に、レジスト膜に電子が堆積し、チャージアップ状態となり、入射する電子ビームの進路が曲げられるためであると考えられる。
【0336】
比較例2
本比較例では実施例7において、導電性の下層膜を使用した場合について説明する。
【0337】
シリコンウェハー上に、LPCVD法により、被加工膜として膜厚700nmのTEOS酸化膜を形成した。そして、TEOS酸化膜上に下層膜としてカーボンをスパッタリング法で成膜した。シリコンウェハーに同様の手法で下層膜を形成して分光エリプソで測定した下層膜の波長248nでの複素屈折率は、n=1.52、k=0.69であり、波長248nmの光に対して吸収性をもち、光露光時に反射防止膜として作用する。
【0338】
また、実施例1と同様にして光導電性を調べた結果、カーボン膜が導電性を有するため、光の照射、未照射に係わらず、マイナス電荷、プラス電荷は何れも下層膜上に堆積しないことが分かった。
【0339】
続いて、実施例7と同様にしてパターン露光を行い、レジストパターンを形成した。但し、実施例7で光導電性を下層膜にもたせるために照射した光は、本比較例では照射していない。レジストパターンを上部から電子顕微鏡で観察した結果、図17に示すように、コンタクトホールパターン502がラインパターン501からはみ出したり、コンタクトホールが重なったりしており、位置合わせが良好に行われていないことが分かった。これは、下層膜503が導電体であるため、光露光による潜像が鮮明に形成されず、潜像の位置情報のS/N比が悪くなり、電子ビーム露光の位置を正確に決めることができなくなったためと考えられる。
【0340】
実施例8
本発明の第4の形態の変形例に係る、下地パターンと荷電ビーム露光パターンとの直接合わせ方法について、図18および図19を参照して、更に詳細に説明する。
【0341】
シリコンウェハー(図示せず)上に形成した厚さ100nmのTEOS酸化膜からなる0.25μmラインアンドスペースパターン601上に、実施例1の(S1)〜(S18)の方法で各下層膜を形成したところ、酸化膜パターン601間にフローして平坦性の良好な下層膜602が得られた。なお、酸化膜パターン601の凸部から下層膜602表面までの厚さは100nmである。
【0342】
次に、電子ビーム露光を行ってテストパターンを形成した。テストパターンは、下地パターンである酸化膜パターン601に対して電子ビーム露光パターンの位置合わせ精度をモニターできるパターンになっている。即ち、実施例1と同様の方法で作成したレジスト膜をスピンコーテング法により塗布した後、ホットプレートで120℃で90秒間加熱してプリベークを行って、膜厚150nmのレジスト膜603を形成した(図18(a))。
【0343】
その後、電子ビーム露光装置を用いて、加速電圧1.8kVで、電子ビーム607をレジスト膜に照射して、酸化膜パターン601の位置情報の検出を行った(図18(b))。そして、この位置情報を基に、電子ビーム露光のパターン位置を修正して、加速電圧50kVで電子ビームを露光量10μC/cmでレジスト膜に対して照射し、酸化膜パターン601の中心線の直上604に0.25μm間隔で直径0.15μmのコンタクトホールパターンの潜像605を形成した(図18(c))。
【0344】
更に、ホットプレートを用いて、120℃で90秒間のポストエクスポージャーベークを行い、0.21規定のTMAH現像液を用いて60秒間の現像処理を行い、直径0.15μmのコンタクトホールパターン606を形成した(図19)。なお、(S1)〜(S18)の方法で形成した各下層膜上のレジスト膜に対しては、電子ビームの照射中は、実施例1と同様の照射方法、光波長及び照射量で下層膜に対して光を照射した。また、酸化膜パターンの長さは5μmで、一つのチップ内に酸化膜パターンは100本ある。
【0345】
設計上、コンタクトホールの中心が来るべき位置701と実際のコンタクトホールの中心702の位置ずれ量703を図20に示すように定義し、位置ずれ量の平均値をウェハー中央部のチップ内で求めた。測定結果を上記表6に示す。表6から、何れの下層膜でも位置ずれ量は許容範囲の30nm以下に収まっており、光露光パターンと電子ビーム露光パターンが高精度で位置合わせできていることが分かる。
【0346】
レジスト膜下の基板内のパターンの位置情報を検出している時には、下層膜は絶縁膜であるため位置情報のために照射した電子、及び下地パターンから反射した電子、或いは2次電子が、下層膜で拡散することがない。その結果、正確に位置情報を検出することができ高い重ね合わせ精度でレジストパターンを形成することができる。また、電子ビーム露光を行う時には、下層膜に光を照射することで下層膜を導電性にすることができ、チャージアップによる位置ずれのないパターンを形成することができる。その結果、正確な重ね合わせ精度でパターン形成を行うことが可能である。
【0347】
比較例3
本比較例では、実施例8において、絶縁性の下層膜を形成した場合について説明する。
【0348】
シリコンウェハー上に形成した厚さ100nmのTEOS酸化膜からなる0.25μmラインアンドスペースパターン上に、ポリイミド10gをシクロヘキサノン90gに溶解して得られた下層膜の溶液材料を、スピンコーテング法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて220℃で90秒間加熱したところ、酸化膜パターン間にフローして平坦性のよい下層膜が得られた。なお、酸化膜パターンの凸部から下層膜表面までの厚さは100nmである。
【0349】
次に、実施例8と同様の方法で、直径0.15μmのコンタクトホールパターンを形成した。実施例8と同様にして、位置ずれ量を測定した結果、平均値が76nmで許容量の30nmを超え、重ね合わせが精度良く行われていないことが分かった。これは、下層膜が絶縁膜であるため、電子ビーム光を行った際に、レジスト膜に電子が堆積し、チャージアップ状態となり、入射する電子ビームの進路が曲げられたことによるものと思われる。
【0350】
比較例4
本比較例では、実施例8において、導電性の下層膜を形成した場合について説明する。
【0351】
シリコンウェハー上に形成した厚さ100nmのTEOS酸化膜からなる0.25μmラインアンドスペースパターン上に、粉末カーボン1g、ポリイミド9gをシクロヘキサノン90gに溶解して作成した下層膜の溶液材料を、スピンコーテング法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて220℃で90秒間加熱したところ、パターン間にフローして平坦性のよい下層膜が得られた。なお、酸化膜の表面から下層膜表面までの厚さは100nmである。
【0352】
実施例8と同様にして光導電性を調べた結果、下層膜に含まれるカーボンが導電性を有するため、光の照射、未照射に関わらず、下層膜上にマイナス電荷、プラス電荷は何れも堆積しないことが分かった。
【0353】
次に、実施例8と同様の方法で、直径0.15μmのコンタクトホールパターンを形成することを試みたが、酸化膜パターンの位置情報が検出できず、パターンを形成することができなかった。これは、下層膜が導電性を帯びているために電子、及び下地パターンから反射した電子、或いは2次電子が、下層膜で拡散して、下地パターンの位置情報が検出できなくなったためと考えられる。
【0354】
実施例9
本実施例は、本発明の第4の形態に関するものである。
実施例3と同様にして、被加工膜、レジスト膜、上層膜を順次形成した。
次いで、実施例7と同様にして、上層膜を形成したレジスト膜に対して、光露光と電子ビーム露光を行って、テストパターンを形成した。なお、電子ビーム露光の際には、実施例3と同様にして光照射を行い、上層膜に光導電性をもたせた。
【0355】
更に、実施例7と同様にしてポストエクスポージャーベーク、現像処理を行い、レジストパターンを得た。位置ずれ量の平均値を実施例3と同様にして求めたところ、20nmで許容範囲の30nm以下に収まっており、光露光パターンと電子ビームパターンが高精度で位置合せできていることがわかる。
【0356】
このように、光露光でレジスト膜中に潜像を形成する場合は、下層膜及び上層膜が絶縁膜であるため、酸発生剤から発生した導電性物質が下層膜及び上層膜に拡散しにくく、鮮明な潜像を得ることができ、同一層内での両者のパターンが直接合せで精度高く形成することが可能となる。
【0357】
また、荷電ビームで露光を行う場合、上層膜に光を照射することで下層膜を導電膜にすることができ、チャージアップによる位置ずれのないパターンを形成することが出来る。その結果、正確な重ね合せ精度で、パターン形成を行うことが可能となる。
【0358】
実施例10
本実施例もまた、本発明の第4の形態に関するものである。
実施例4と同様にして、シリコンウエハー上に被加工膜、レジスト膜、上層膜を順次形成した。次いで、実施例8と同様にして、上層膜を形成したレジスト膜に対して、光露光と電子ビーム露光を行って、テストパターンを形成した。なお、電子ビーム露光の際には、実施例4と同様にして光照射を行い、上層膜及び下層膜に光導電性をもたせた。
【0359】
更に、実施例8と同様にしてポストエクスポージャーベーク、現像処理を行い、レジストパターンを得た。位置ずれ量の平均値を実施例8と同様にして求めたところ、20nmで許容範囲の30nm以下に収まっており、光露光パターンと電子ビームパターンが高精度で位置合せできていることがわかる。
【0360】
このように、光露光でレジスト膜中に潜像を形成する場合は、下層膜及び上層膜が絶縁膜であるため、酸発生剤から発生した導電性物質が下層膜及び上層膜に拡散しにくく、鮮明な潜像を得ることができ、同一層内での両者のパターンが直接合せで精度高く形成することが可能となる。
【0361】
また、荷電ビームで露光を行う場合、上層膜に光を照射することで下層膜を導電膜にすることができ、チャージアップによる位置ずれのないパターンを形成することが出来る。その結果、正確な重ね合せ精度で、パターン形成を行うことが可能となる。
【0362】
実施例11
本実施例では、光露光パターンと荷電ビーム露光パターンの同一層内の直接合わせ方法により、光露光パターンの潜像の位置情報を検出した後、下層膜に光を照射して光導電性をもたせ、続いて、荷電ビーム露光を行った場合について説明する。
【0363】
シリコンウェハー上に、実施例7と同様にしてTEOS酸化膜を形成し、その上に、実施例1の(S7)の方法で下層膜を形成した。この下層膜に上述の実施例で説明した方法でハロゲンランプから取り出した波長380nmの光を照射量100mJ/cmで照射して、下層膜の光導電性を調べたところ、光照射前は絶縁体であるが、光照射後はプラス電荷、マイナス電荷の何れに対しても光導電性を有することが分かった。しかし、一度、光照射を行った下層膜に対して再度、上述の実験を行ったところ、プラス電荷、マイナス電荷の何れも堆積せず、光導電性が維持された状態にあることが分かった。つまり、(S7)の方法で形成した下層膜の光導電性は不可逆性であることが分かった。
【0364】
次に、実施例1で作製したレジストの溶液材料をスピンコーテング法により下層膜上に塗布した後、ホットプレートを用いて120℃で90秒間のプリベークを行って、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。続いて、まず、露光工程であるが、実施例7と同様のテストパターンを用いた。KrFエキシマレーザー光を光源とする縮小光学型ステッパーを用いて、露光量20mJ/cmでパターン露光を行い、レジスト膜中に0.25μmラインアンドスペースパターンの潜像を形成した。
【0365】
そして、電子ビーム露光装置を用いて、加速電圧1.8kVの電子ビームをレジスト膜に照射して、前記潜像の位置情報の検出を行った。続いて、ハロゲンランプから分光器で波長380nmの光を取り出して、照射量100mJ/cmでレジスト膜上部から照射して、下層膜に導電性をもたせた。さらに、潜像の位置情報を基に、電子ビーム露光のパターン位置を最適な位置に修正して、加速電圧50kVの電子ビームを露光量10μC/cmでレジスト膜に対して照射して、ラインアンドスペースパターンの潜像が形成されていないライン部分の中心線の直上に0.25μm間隔で、直径0.15μmのコンタクトホールパターンの潜像の中心が位置するように、コンタクトホールの潜像を形成した。
【0366】
最後に、ホットプレートを用いて120℃で90秒間のポストエクスポージャーベークを行い、0.21規定のTMAH現像液を用いて60秒間の現像処理を行い、0.25μmラインアンドスペースパターンの中心線上に、0.25μm間隔で直径0.15μmのコンタクトホールパターンの中心が位置するレジストパターンを形成した。
【0367】
実施例7と同様にして位置ずれ量を測定したところ、平均値が18nmで許容範囲内30nm以下にあり、光露光パターンに対して荷電ビームパターンが高精度で位置合わせできていることが分かった。
【0368】
このように、光露光でレジスト膜中に潜像を形成する場合には、下層膜が絶縁体であるため、酸発生剤から発生した酸が下層膜に拡散しにくく、鮮明な潜像を得ることができ、同一層内での両者のパターンが直接合わせにより、精度高く形成することが可能となる。また、荷電ビームで露光を行う場合、下層膜に光を照射することで、下層膜を導電体にすることができ、チャージアップによる位置ずれのないパターンを形成することができる。
【0369】
その結果、正確な重ね合わせ精度でパターン形成を行うことが可能である。光導電性が不可逆な材料を用いると、必ずしも光照射を行ないながら荷電ビーム露光を行なわなくても、光露光時に下層膜を絶縁体に、荷電ビームパターンを形成している時には下層膜を導電体にすることができる。
【0370】
実施例12
本実施例では、下地パターンと荷電ビーム露光パターンの同一層内の直接合わせ方法において、下地パターンの位置情報を検出した後、下層膜に光を照射して光導電性をもたせ、続いて、荷電ビーム露光を行った場合について説明する。
【0371】
まず、シリコンウェハー上に形成した厚さ100nmのTEOS酸化膜からなる0.25μmラインアンドスペースパターン上に、下層膜を実施例1の(S7)の方法で形成したところ、酸化膜パターン間にフローして平坦性のよい下層膜が得られた。なお、酸化膜パターンの凸部から下層膜表面までの厚さは100nmになるようにした。
【0372】
次に、実施例1と同様の方法で作成したレジストを600nmの膜厚でスピンコーテング法により塗布した後、ホットプレートにより120℃で90秒間加熱して、プリベークを行った。その後、電子ビーム露光装置を用いて、加速電圧1.8kVの電子ビームをレジスト膜に照射して、前記酸化膜パターンの位置情報の検出を行った。そして、ハロゲンランプから分光器で波長380nmの光を取り出し、照射量200mJ/cmでレジスト膜上部からウェハー前面に照射して下層膜に光導電性をもたせた。
【0373】
続いて、実施例8と同様にして、前記酸化膜の位置情報を基に、電子ビーム露光のパターン位置を修正して、加速電圧50kVの電子ビームを露光量10μC/cmでレジスト膜に対して照射して、酸化膜パターンの中心線の直上に0.25μm間隔で直径0.15μmのコンタクトホールパターンの潜像の中心が位置するコンタククトホールパターンの露光を行った。更に、ホットプレートを用いて、120℃で90秒間のポストエクスポージャーベークを行い、0.21規定のTMAH現像液を用いて60秒間の現像処理を行い、直径0.15μmのコンタクトホールパターンを形成した。
【0374】
実施例8と同様にして、酸化膜パターンとコンタクトホールの位置ずれ量を測定したところ、平均で23nmで、許容範囲内の30nm以下にあり、酸化膜パターンに対して荷電ビームパターンが高精度で位置合わせできていることが分かった。
【0375】
レジスト膜下の基板内のパターンの位置情報を検出している時には、下層膜は絶縁体であるため、位置情報のために照射した電子、及び下地パターンから反射した電子、或いは2次電子が、下層膜で拡散することがない。その結果、正確に位置情報を検出することができ、高い重ね合わせ精度でレジストパターンを形成することができる。また、電子ビームで露光を行う時には、下層膜に光照射を行うことで下層膜を導電体にすることができ、電子ビームで露光の際もチャージアップによる位置ずれのないパターンを形成することができる。
【0376】
その結果、正確な重ね合わせ精度でパターン形成を行うことが可能である。実施例11、12のようにして光導電性が不可逆性である材料を用いると、必ずしも光照射を行ないながら荷電ビーム露光を行わなくても、光露光時に下層膜を絶縁体に、荷電ビームパターンを形成している時には下層膜を導電体にすることができる。
【0377】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のパターン形成方法によると、光露光と荷電ビーム露光の組合せを用いたハイブリッド露光において、光露光時にはレジスト膜の直上及び直下に存在する膜を絶縁体とし、荷電ビーム露光時にはレジスト膜の直上または直下を導電体にすることで、荷電ビーム露光の際の電荷蓄積による位置ずれがなく、かつ光露光の際に広いプロセス裕度で良好なプロファイルを有するレジストパターンを得ることができる。また、同層内の光露光パターンと荷電ビームパターンの位置合わせ精度を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2の形態に係るパターン形成方法を工程順に示す断面図。
【図2】本発明の第1および第2の形態に係るパターン形成方法を工程順に示す断面図。
【図3】本発明の第1および第2の形態に係るパターン形成方法を工程順に示す断面図。
【図4】本発明の第3の形態に係るパターン形成方法を工程順に示す断面図。
【図5】本発明の第3の形態に係るパターン形成方法を工程順に示す断面図。
【図6】本発明の第3の形態に係るパターン形成方法を工程順に示す断面図。
【図7】本発明の第4および第5の実施形態に係るパターン形成方法を説明するための図。
【図8】光導電性材料の光導電性を調べるために行った実験で用いた装置の概略図。
【図9】下層膜に光を照射した時の電位変化を示す特性図。
【図10】光露光により潜像が形成されたレジスト膜を示す上面図。
【図11】電子ビーム露光により潜像が形成されたレジスト膜を示す上面図。
【図12】現像処理により形成されたレジストパターンを示す上面図。
【図13】レジストパターンの裾ひきを示す図。
【図14】本発明の第4および第5の実施形態に係るパターン形成方法を工程順に示す斜視図図。
【図15】本発明の第4および第5の実施形態に係るパターン形成方法を工程順に示す斜視図図。
【図16】コンタクトホールパターンの中心が来るべき位置とコンタクトホールの中心位置の位置ずれ量を示す図。
【図17】レジストパターンの位置合せが良好に行われない状態を示す図。
【図18】本発明の第4の形態の変形例に係るパターン形成方法を工程順に示す斜視図。
【図19】本発明の第4の形態の変形例に係るパターン形成方法により得たパターンを示す斜視図。
【図20】コンタクトホールの中心が来るべき位置と実際のコンタクトホールの中心の位置ずれ量の定義を説明する図。
【符号の説明】
1,11…ウェハー基板
2,12,301…被加工膜
3,13,202,302…下層膜
4,14,303…レジスト膜
5,6,102,304…光露光による潜像
7,18…レジストパターン
15,17,107,306…荷電ビーム露光による潜像
101…下地パターン
103…検出ビーム
104,305…潜像を検出するための手段
105…荷電ビーム露光時のパターン位置を補正制御するための手段
106…荷電ビーム
201,204…電極
203…アルミニウム基板

Claims (20)

  1. レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜の直上および直下を絶縁体にして、前記レジスト膜に対して光露光を行う工程と、前記レジスト膜の直上または直下の絶縁体を導電体にして、前記レジスト膜に対して荷電ビーム露光を行う工程と、前記レジスト膜に対して現像処理を行って、レジストパターンを形成する工程とを具備することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記レジスト膜は、被加工膜上に形成された、光導電性材料からなる下層膜上に形成され、前記下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程と、前記レジスト膜に対して荷電ビーム露光を行う工程とは、同時に行われることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記下層膜に光導電性を付与するために照射される光は、前記レジスト膜を感光させる波長を含まないことを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  5. 前記下層膜に光導電性を付与するために照射される光の照射量は、前記レジスト膜の感光照射量以下であることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  6. 前記下層膜が架橋剤を含むことを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  7. 前記下層膜が、前記光導電性材料に対してドーパントとして作用する化合物を含有することを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  8. 前記光露光により前記レジスト膜中に形成された潜像の位置情報に基づいて、前記荷電ビーム露光により形成される潜像の位置を補正することを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  9. 前記潜像の位置情報の検出が、光、または荷電ビームによりなされることを特徴とする請求項8に記載のパターン形成方法。
  10. 前記レジスト膜は、被加工膜上に形成された、シリコンとシリコンの結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含有する下層膜の上に形成されることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  11. 前記下層膜が架橋剤を含むことを特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。
  12. 前記下層膜が、前記有機シリコン化合物に対してドーパントとして作用する化合物を含有することを特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。
  13. 前記光露光により前記レジスト膜中に形成された潜像の位置情報に基づいて、前記荷電ビーム露光により形成される潜像の位置を補正することを特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。
  14. 前記潜像の位置情報の検出が、光、または荷電ビームによりなされることを特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。
  15. 前記レジスト膜は絶縁膜上に形成され、前記レジスト膜上に導電性材料からなる上層膜を形成する工程を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  16. 被加工膜上に光導電性材料からなる下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記下層膜の下の下地パターンの位置情報の検出を荷電ビームで行う工程と、前記下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程と、前記位置情報に基づいて、荷電ビーム露光によりレジスト膜に形成する潜像の位置を補正する工程を具備することを特徴とするパターン形成方法。
  17. 前記下層膜に光を照射して光導電性を付与する工程と、前記レジスト膜に対して荷電ビーム露光を行う工程とは、同時に行われることを特徴とする請求項16に記載のパターン形成方法。
  18. 前記位置情報の検出のための荷電ビームの照射量が、前記レジスト膜の感光照射量以下であることを特徴とする請求項16に記載のパターン形成方法。
  19. 前記レジスト膜は、絶縁膜上に形成され、前記レジスト膜上に光導電性材料からなる上層膜を形成する工程を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  20. 前記レジスト膜は、被加工膜上に形成された、光導電性材料からなる下層膜上に形成され、前記レジスト膜上に光導電性材料からなる上層膜を形成する工程を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
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