JP3618955B2 - 発泡剤組成物及び発泡体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アゾビスアミドオキシムを含有する発泡剤及びそれを使用して得られる発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成樹脂の発泡剤として、アゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、p−トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が使用されている。
これらは、いずれも加熱することにより分解してガスを発生する物質で、これら発泡剤を合成樹脂中に混練して加熱することにより発泡体を得ている。また、一部の合成樹脂では、ゲル化あるいは架橋反応により硬化するが、事前に発泡剤を混合しておき、加熱することによりゲル化させるとともに発泡させたり、架橋反応させながら発泡させることで発泡体を得ている。これらの発泡剤をセル径の大小、発泡倍率、使用温度等に応じて選択して使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、OBSHとTSHは、いずれもイオウ原子を含んでいるので、分解した際に亜硫酸ガスや、悪臭の発生を避けることができない。
またAIBNは、シアノ基を含有しており、分解した際に数種の有機シアン化合物を発生し、安全性の面からこれらを加熱処理により完全に除去する必要がある。悪臭の発生は、発泡体に残留する恐れがある以外に、製造する際の作業環境面で作業者に不快感を与えるほか、除害設備を設ける場合に高額の費用を要することになる。
本発明は、悪臭及びアンモニア臭を発生せず、且つ安全性の高い発泡剤と、それを使用して得られる表面平滑で粘着性がなく微細均一なセルを有する発泡体を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンアミドオキシム)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)の少なくとも1種と、カルボキシル基を有する化合物を含有することを特徴とする発泡剤組成物に係る。
更に本発明は上記発泡剤を用いることにより得られる、悪臭及びアンモニア臭の残留する恐れのない、安全性の高い発泡体に係る。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明では、上記特定のアゾビスアミドオキシム化合物と、カルボキシル基を有する化合物を併用することを特徴とする。これにより、悪臭及びアンモニア臭の残留する恐れのない、安全性の高い発泡剤及び発泡体を得ることができる。
本発明において、カルボキシル基を有する化合物としては例えばモノカルボン酸、ジカルボン酸、グリコール酸類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸共重合体のような高分子カルボン酸類等を挙げることができる。モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の炭素数5〜20のモノカルボン酸を挙げることができる。ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の炭素数2〜10のジカルボン酸を挙げることができる。グリコール酸類としては、
HO−(CH2)n−COOH (n=1〜10)
で表されるグリコール酸類を挙げることができる。ポリアクリル酸共重合体としてはポリアクリル酸/メタクリル酸共重合体、ポリアクリル酸/アクリルアミド共重合体、ポリアクリル酸/メタクリルアミド共重合体等を挙げることができる。
【0006】
本発明の発泡剤には、その効果を損なわない範囲で、公知の発泡剤、発泡助剤、配合剤等を添加してもよい。
発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機発泡剤、アゾビスイソブチロニトリル、p−トルエンスルホニルヒドラジド等の有機発泡剤、脂肪族炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、フッ素化脂肪族炭化水素、炭酸ガス、窒素ガス等の物理発泡剤等を挙げることができる。
【0007】
発泡助剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物、炭酸亜鉛、炭酸バリウム等の金属炭酸塩、塩化亜鉛、塩化カリウム等の金属塩化物、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、2−エチルヘキソイン酸亜鉛、二塩基性フタル酸鉛等の金属石鹸、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛等の無機酸塩類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート等の有機錫化合物、ジブチル錫ジラウレート系、ジブチル錫ジマレート系、カルシウム−亜鉛系、バリウム−亜鉛系等のPVC用複合安定剤、スルホン酸金属化合物等を挙げることができる。
【0008】
配合剤としては、例えば、可塑剤、安定剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤、スコーチ防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、軟化剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤、補強材、硬化剤、接着剤、蛍光増白剤、離型剤等を挙げることができる。
本発明の発泡剤組成物は、上記アゾビスアミドオキシム、カルボキシル基を有する化合物及び必要に応じてその他の成分を、通常の方法に従って混合することにより製造できる。混合に当たっては、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー等の通常の混合機を使用できる。
【0009】
本発明の発泡剤組成物は、従来の発泡剤組成物と同様に、各種の被発泡材料に適用できる。該被発泡材料としては特に制限されないが、例えば、合成樹脂、合成ゴム、天然ゴム等、及びこれらの2種以上を混合したもの等を挙げることができる。合成樹脂としては特に制限されず、公知のものを使用できるが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレンプロピレンターポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンターポリマー、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ウレタン−塩化ビニルコポリマー等を挙げることができる。合成ゴムとしても特に制限されないが、例えば、スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー等を挙げることができる。本発明の発泡剤は、熱可塑性ポリウレタン、合成ゴム、天然ゴム等の発泡に特に有効である。
【0010】
本発明の発泡剤組成物を用いて被発泡材料を発泡させるに際しては、従来から発泡体を製造するのに採用されてきた公知の方法がいずれも採用できる。即ち、被発泡材料に本発明の発泡剤組成物を添加混合し、該発泡剤に含まれる発泡成分を分解させてガスを発生させればよい。より具体的には、例えば、発泡剤組成物と被発泡材料とをロール、押出機等で混練し、得られる混合物を金型内に充填し、プレスにて加圧及び加熱して発泡成分を分解させる方法(プレス加圧発泡成形法)、発泡剤組成物と被発泡材料の混合物を押出機にて成形する方法(押出発泡成形法、射出発泡成形法)、発泡剤組成物と被発泡材料との混合物をシート状等の任意の形状に成形するか又は紙、離型紙、布、ボード等にコーティングした後、例えば熱風発泡炉、赤外加熱発泡炉等の加熱装置内に入れて発泡剤成分を分解させる方法(常圧発泡成形法)等を挙げることができる。尚、本発明の発泡剤組成物を用いて発泡体を製造する際、該発泡剤組成物の被発泡材料への配合量は、被発泡材料の材質、得られる発泡体の用途等の各種の条件に応じて広い範囲から適宜選択すればよいが、通常被発泡材料100重量部に対して0.01〜50重量部程度、好ましくは0.1〜30重量部程度とすればよい。
【0011】
発泡体を製造する時の温度は、発泡剤の分解温度の50℃低い温度以上、好ましくは20℃低い温度以上で使用するのが良い。また硬化反応或いは架橋反応をさせながら発泡させることもできる。
本発明の発泡剤組成物を用いて得られる発泡体は、従来の発泡体と同様に、土木建築、農林水産、自動車等の輸送機器、電気電子機器、生活関連用品等の広範な分野において、断熱材、内装材、シール材、クッション材等として使用できる。
【0012】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明につき更に詳細に説明する。
実施例1
塩化ビニル樹脂 100部に対して、ジオクチルフタレート(DOP)50g、ステアリン酸亜鉛 2.5g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンアミドオキシム)3g、ステアリン酸 0.5gを加え、カレンダーロールで150℃で混練する。得られたシートを220℃のオーブン中に入れ4分間、加熱し発泡させる。得られたシートは、緻密なセルを有しており、未発泡シートに比べ3.5倍の厚みのアンモニア臭のない発泡体が得られた。
【0013】
実施例2
ペーストレジン用塩化ビニル樹脂 100g、ジオクチルフタレート 60g、ステアリン酸カルシウム 3g、炭酸カルシウム 50g、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)4g、アジピン酸 0.5g、二酸化チタン 3gをよく混合し、綿の布の上に流して広げた。130〜140℃で1分間加熱し、ゲル化させる。続いて180〜190℃で2分間加熱し発泡させた。均質なセルで発泡倍率2.3倍の臭いのない発泡体シートが得られた。
【0014】
実施例3
熱硬化性シリコーンゴムコンパウンド 100g、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)4g、フタル酸 1g、ベンゾイルパーオキサイド 0.5部、ジクミルパーオキサイド 0.6部を加え、カレンダーロールで均一になるまで混合した。これを押出機に供給し、内径10mm、外径20mmのチューブ状に押出した。長さ30cmに切断し、220℃の乾燥機に10分間入れて発泡させた。得られた発泡体は、緻密なセルを有しており、比重は0.35であった。表面は平滑で、好ましい外観であった。
【0015】
比較例1
実施例1に記した方法で、ステアリン酸 0.5gを加えずに加熱発泡させた。得られたシートは緻密なセルを有しているが、アンモニア臭が残留した。105℃で1時間熱処理したが、その後もアンモニア臭は残った。また、発泡作業中にアンモニア臭が発生し、作業環境は悪く、局所排気装置や防毒マスクが必要であった。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、悪臭及びアンモニア臭を発生せず、且つ安全性の高い発泡剤と、それを使用して得られる表面平滑で粘着性がなく微細均一なセルを有する発泡体を得ることができる。
Claims (2)
- 2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンアミドオキシム)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)の少なくとも1種と、カルボキシル基を有する化合物を含有することを特徴とする発泡剤組成物。
- 請求項1記載の発泡剤組成物を使用して発泡させて得られる発泡体。
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JP9297797A JP3618955B2 (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 発泡剤組成物及び発泡体 |
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JPH10265600A JPH10265600A (ja) | 1998-10-06 |
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-
1997
- 1997-03-26 JP JP9297797A patent/JP3618955B2/ja not_active Expired - Fee Related
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