JP3618928B2 - 除草剤マイクロカプセル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、除草剤活性成分の放出速度が制御されてなるマイクロカプセル化された除草剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで除草剤をマイクロカプセル化して活性成分の放出を制御する方法は種々提案されている。例えば、リグニンスルホン酸塩を乳化剤として使用し、多価イソシアネートとしてポリメチレンポリフェニルイソシアネートを使用して多官能性アミンと反応させポリウレア膜内に水非混和性除草剤を内包させるマイクロカプセルの製造方法(特公昭63−32761号)、ポリウレアのカプセル膜内に除草作用を有するN−クロロアセチルシクロヘキセンアミンを封入したマイクロカプセルの水性懸濁剤組成物(特開昭63−230606号)、等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
除草活性物質2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピル]−2−エチルインダン−1,3−ジオンは、雑草防除等に使用されているが、漏水田では効力持続期間が短かいという問題がある。また、水稲や芝に対する薬害により適用期間及び適用品種が限定される場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、除草活性物質2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピル]−2−エチルインダン−1,3−ジオン含有難水溶性溶液を芯物質として、多価イソシアネートと多官能性アミンで界面重合法によりポリウレア膜マイクロカプセルに内包せしめ、該多価イソシアネートが芳香族イソシアネートと非芳香族イソシアネートであり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネートが5〜80重量%であり、更に、芯物質と多価イソシアネートの混合物を油状物質とした時、油状物質中の多価イソシアネートの重量比率yと多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率xの関係において、油状物質中の多価イソシアネート比率が下記の式−1と式−2の範囲内の比率(重量%)であることを特徴とするマイクロカプセル内の除草活性成分の膜外への放出速度が制御された除草剤マイクロカプセルに関するものである。
【0005】
y=−0.015x+2.0 (式−1)
y=−0.13x+20.0 (式−2)
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明を以下に詳細に説明する。
【0007】
本発明の除草活性物質2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピル]−2−エチルインダン−1,3−ジオン(以下本除草活性物質と記す)のマイクロカプセル化方法は、本除草活性物質含有難水溶性溶液(以下芯物質と記す)に多価イソシアネートを混合溶解する。これら油状物質を分散剤を溶解した水溶液中に分散させ、撹拌しながら多官能性アミンを添加せしめ、分散粒子表面にポリウレアのカプセル膜を形成させることができる。
【0008】
本発明で使用される多価イソシアネートは、芳香族イソシアネートと非芳香族イソシアネートであり、芳香族イソシアネートが多価イソシアネートの全量に対して5〜80重量%である。更に、油状物質中の多価イソシアネートの重量比率yと多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネートの重量比率xの関係において油状物質中の多価イソシアネートの重量比率が図−1のように式−1と式−2の範囲内の比率(重量%)にすることによりマイクロカプセル内の本除草活性物質の膜外への放出速度が制御された水稲用除草剤マイクロカプセル組成物を得ることができる。ここで使用する多価イソシアネートの内、芳香族イソシアネートが5%より少ない使用量、あるいは、油状物質中の多価イソシアネートの重量比率が式−1より少ない場合は、残効性が劣ったり、薬害により、適用期間及び適用品種が限定される場合がある。逆に多価イソシアネートの内、芳香族イソシアネートが80%より多い使用量、あるいは、油状物質中の多価イソシアネートの重量比率が式−2より多い場合は、カプセル膜外への活性成分の放出が抑制され初期効果が不十分だったり、活性成分がカプセル内に残ってしまい有効に利用できない場合がある。
【0009】
本除草活性物質をマイクロカプセル化する際の系全体に対する本除草活性物質の含有量は0.5〜20%(以下、重量%を表す)程度が好ましい。また、本除草活性物質と他の除草活性物質、殺虫活性物質あるいは殺菌活性物質等と混合してマイクロカプセル剤にしても良い。また、本発明の本除草活性物質マイクロカプセルとマイクロカプセル化していない他の除草活性物質、殺虫活性物質あるいは殺菌活性物質等と混合しても良い。
【0010】
本除草活性物質はマイクロカプセル化する際、水中で微細な分散粒子にさせるため、予め難水溶性溶剤を使用し分散粒子を作りやすい油状液体にしておく。使用する溶剤としては、例えばn−デカン、ケロシン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、フェニルキシリルエタン等の炭化水素類、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−メチルシクロヘキサノール等のアルコール類、n−ブチルエーテル、エチルビニルエーテル等のエーテル類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類、マレイン酸エステル類等が挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用できる。使用する溶剤の量は、本除草活性物質1に対して通常1〜10、好ましくは、1〜5である。
【0011】
これらのマイクロカプセル化で分散粒子のコントロールや効率良いカプセル化を行うためには分散剤が重要な役割を果たし、例えばアクリル酸重合物、(メタ)アクリル酸共重合物(アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリロニトリル、スチレンスルホン酸、酢酸ビニル等との共重合物)、マレイン酸共重合物(スチレン、エチレン、プロピレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、イソブチレンとの共重合物)、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子物質、キサンタンガム、アラビアガム、アルギン酸ソーダ等の天然多糖類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニル縮合物、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミド類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の界面活性剤等の単独または2種以上を組み合わせて使用し、分散系全体に対して通常0.1〜10%、好ましくは0.1〜5%が使用される。
【0012】
使用方法としては連続相である水に所定量の分散剤を溶解しておき、撹拌しながらこれに難水溶性または非水溶性の芯物質を加えるか、加えた後に撹拌するかして分散系を作製する。但し、芯物質に可溶の分散剤はあらかじめ芯物質に溶解して使用することもできる。尚、これらの分散剤はマイクロカプセルを製造した後、カプセルが沈降しないように分散系を安定化させるためにも使用できる。
【0013】
本発明で使用される多価イソシアネートは、芳香族イソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、メチレン−ビス−(4−フェニルイソシアネート)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられ、非芳香族イソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。また、使用される多価イソシアネートの内、芳香族イソシアネートの比率は5〜80%であるが芳香族イソシアネート単独あるいは2種類以上使用しても良く、非芳香族イソシアネートも同様に単独あるいは2種類以上使用しても良い。
【0014】
多官能性アミンについては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレン−1,3−ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、1,3−フェニレンジアミン、2,4−トルイレンジアミン等であり、これら多官能性アミンを単独あるいは2種類以上使用しても良い。
【0015】
界面重合法によるマイクロカプセル化の工程は、(1)芯物質を水中に微粒子として懸濁させ、分散系を作製する工程と(2)その分散粒子の表面で膜材を反応させて樹脂膜によるマイクロカプセルを作製する重合反応工程の2段階に分けられるが、マイクロカプセルの粒子径は(1)の分散系の工程でほぼ決定されるのでこの工程でカプセル粒子の設計に合わせた分散剤及び撹拌方法(撹拌機種、撹拌スピード等)を選ぶことが重要である。
【0016】
製造されたマイクロカプセルは通常、分散系を安定化させるための増粘剤を添加する。増粘剤としては、たとえばキサンタンガム(ザンタンガム),ローカストビーム等の天然多糖類、マグネシウムアルミニウムシリケート、ベントナイト等の鉱物質微粉末等、カルボキシメチルセルロース等の半合成多糖類、ポリアクリル酸等の合成高分子を単独または2種以上で混合して用いる事ができ、通常、系全体に対して0.05〜5%使用する。さらに、プロピレングリコール、エチレングリコール等の凍結防止剤を通常1〜10%使用する。必要に応じて、分解防止剤,協力剤,防黴剤,着色剤、芳香剤などを添加して水中懸濁状製剤とすることができる。
【0017】
本発明のマイクロカプセルの平均粒子径は適宜選ぶことができ、通常3〜50μm、好ましくは5〜40μmである。
【0018】
【実施例】
以下に実施例により本発明を説明する(以下、部は重量部を表す)。
【0019】
実施例1
本除草活性物質60部に溶剤としてフェニルキシリルエタン140部を加え45℃に加熱し均一な溶液とした。更に、膜材としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート14.4部およびヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を加え均一に混合溶解し、油状物質を調製した。他の容器にゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液609.3部を入れ30℃に加温し分散液を調製した。1Lの容器に油状物質と分散液を入れ、ミキシングアナライザー2500型(特殊機化工業社製)を用い回転数8000rpmで5分間分散しO/W型のエマルジョンを調製した。これにエチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液18.5部を加え、60℃で3時間反応させポリウレア膜のマイクロカプセル液を調製した。更に、プロピレングリコールの50%水溶液100部およびキサンタンガムの2%水溶液50部を加え均一に混合し、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は10%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は65%である。平均粒子径の測定値は10.5μmであった。
【0020】
実施例2
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを8.3部に、ヘキサメチレンジイソシアネートを4.5部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を626.5部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を10.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は6%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は65%である。平均粒子径の測定値は11.2μmであった。
【0021】
実施例3
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを4.0部に、ヘキサメチレンジイソシアネートを2.2部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を638.6部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を5.2部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は3%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は65%である。平均粒子径の測定値は10.6μmであった。
【0022】
実施例4
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを4.5部に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を、イソホロンジイソシアネート8.3部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を626.5部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を10.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は6%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は35%である。平均粒子径の測定値は10.9μmであった。
【0023】
実施例5
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを7.1部に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を、イソホロンジイソシアネート28.2部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を585.3部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を29.4部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は15%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は20%である。平均粒子径の測定値は12.0μmであった。
【0024】
実施例6
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを4.4部に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を、イソホロンジイソシアネート17.8部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を609.3部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を18.5部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は10%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は20%である。平均粒子径の測定値は11.5μmであった。
【0025】
実施例7
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを2.6部に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を、イソホロンジイソシアネート10.2部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を626.5部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を10.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は6%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は20%である。平均粒子径の測定値は10.9μmであった。
【0026】
実施例8
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを1.2部に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を、イソホロンジイソシアネート5.0部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を638.6部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を5.2部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は3%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は20%である。平均粒子径の測定値は10.3μmであった。
【0027】
比較例1
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを0.4部に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を、イソホロンジイソシアネート12.4部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を626.5部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を10.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は6%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は3%である。平均粒子径の測定値は10.0μmであった。
【0028】
比較例2
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを11.5部に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を、イソホロンジイソシアネート1.3部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を626.5部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を10.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は6%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は90%である。平均粒子径の測定値は12.2μmであった。
【0029】
比較例3
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを17.5部に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を、イソホロンジイソシアネート32.5部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を558.3部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を41.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は20%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は35%である。平均粒子径の測定値は12.5μmであった。
【0030】
比較例4
実施例1のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを0.7部に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.8部を、イソホロンジイソシアネート1.3部に、ゴーセノールAL−06(日本合成化学社製)の2%水溶液を646.3部に、および、エチレンジアミン,ジエチレントリアミンの各20%の混合水溶液を1.7部に変え、他の原材料仕込み量および製造操作は実施例1と同様に行い、含量6%のマイクロカプセル製剤を得た。本剤の油状物質中の多価イソシアネート重量比率は1%であり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率は35%である。平均粒子径の測定値は10.1μmであった。
【0031】
試験例1;水稲に対する薬害試験試験場所;ガラス温室内試験規模;1/5000アールワグネルポット,4連制試験条件;湛水深3.5cm漏水・・・3cm×2日間供試水稲;品種・・・アキニシキ移植時葉令・・・2.2L移植本数・・・3本/株/ポット移植深度・・・1cm処理量 ;有効成分30g/10アール処理方法;100倍希釈液処理処理時期;移植5日後(葉令2.8〜2.9L)調査方法;薬剤処理1カ月後に茎葉部の風乾重を秤量し、対無処理比(%)を算出する。
【0032】
【表1】
【0033】
上記のように比較例1,4では明らかに薬害が見られるが、実施例および比較例2,3では若干の生育抑制が見られる例もあるが実用上問題なかった。
【0034】
試験例2;ノビエの除草効力試験
試験場所;ガラス温室内
試験規模;1/5000アールワグネルポット,3連制
試験条件;湛水深3.5cm
漏水・・・3cm×2日間
処理量 ;有効成分15g/10アール
処理方法;100倍希釈液処理
調査方法;薬剤処理20日後および30日後に催芽したノビエを播種し、播種20日後に発芽したノビエの本数を調査し、対無処理比(%)を算出する。
【0035】
【表2】
【0036】
上記のように実施例では良好な効力を示したが、比較例1,4では効力が劣り残効性に問題があった。また、比較例2,3でも効力が劣り、カプセル膜外への活性成分の放出が抑制され有効に利用されていないようであった。
【0037】
【発明の効果】
本発明の除草剤マイクロカプセルは、活性成分のマイクロカプセル膜外への放出が制御できるため、対象作物に対する薬害等で使用できなかった作物に対しても使用が可能になり、同様に薬害等で使用できなかった処理時期にも使用が可能になった。又、残効性付与が可能になり有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロカプセルの油状物質中の多価イソシアネート重量比率yと多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率xの関係を示す図であり、本発明のマイクロカプセル化除草剤は、図中の斜線部分で示される。
Claims (1)
- 除草活性物質2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピル]−2−エチルインダン−1,3−ジオン含有難水溶性溶液を芯物質として、多価イソシアネートと多官能性アミンで界面重合法によりポリウレア膜マイクロカプセルに内包せしめ、該多価イソシアネートが芳香族イソシアネートと非芳香族イソシアネートであり、多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネートが5〜80重量%であり、更に、芯物質と多価イソシアネートの混合物を油状物質とした時、油状物質中の多価イソシアネートの重量比率yと多価イソシアネート全量中の芳香族イソシアネート重量比率xの関係において、油状物質中の多価イソシアネート比率が下記の式−1と式−2の範囲内の比率(重量%)であることを特徴とするマイクロカプセル内の除草活性成分の膜外への放出速度が制御された除草剤マイクロカプセル。
y=−0.015x+2.0 (式−1)
y=−0.13x+20.0 (式−2)
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