JP3618159B2 - 音像定位装置およびそのパラメータ算出方法 - Google Patents

音像定位装置およびそのパラメータ算出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、任意の位置に音像を定位させるための音像定位装置およびそのパラメータ算出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、音像を定位させる方法として、2つのスピーカによる一般的なステレオ方法があった。しかし、この方法では左右2つのスピーカの間にのみしか音像を定位させることができず、2つのスピーカの外側、すなわち受聴者の周囲に定位させることはできなかった。
【0003】
そこで、通常の音源信号に処理を施して、2つのスピーカでも受聴者の周囲に音像を定位させる方法が提案されている。まず、音像定位処理の基本となる原理を、図14を用いて説明する。
【0004】
図14(a)に示すように、仮想音源位置Oにおいて音源信号uが放射され、それが空間を伝わって左耳ELと右耳ERに到達するものとする。このとき、左耳ELでの音響信号をyL1、右耳ERでの音響信号をyR1とする。この状態において、仮想音源位置Oから左耳EL、右耳ERへの伝搬を伝達関数で表すことができる。この伝達関数を頭部伝達関数と呼ぶことにする。仮想音源位置Oから左耳ELへの頭部伝達関数をTL、右耳ERへの頭部伝達関数をTRと定義する。ここで、仮想音源位置OからEL、ERのうち経路が短い方をメインパス、長い方をクロストークパスと呼ぶことにし、それぞれTM、TCとする。これからの説明では、受聴者から見て左側に仮想音源があるものと限定して話を進めることにする。仮想音源が右側にある場合でも、大筋には変わりがない。
【0005】
上記の定義から、音源位置での音響信号と耳での音響信号との関係は、
L1=TL・u=TM・u (1-1)
R1=TR・u=TC・u (1-2)
で表される。
【0006】
次に、図14(b)に示すように、2つのスピーカ7a,7bを設置するものとする。設置された左スピーカSLと右スピーカSRでの音響信号をそれぞれxL、xRとする。これら2つのスピーカから放射された音が、受聴者の左耳ELでyL2、右耳ERでyR2なる音響信号として到達する。このとき、SLからEL、SRからERへの伝達経路がメインパスで、この頭部伝達関数をそれぞれSLL、SRRとする。また、SLからER、SRからELへの伝達経路がクロストークパスで、この頭部伝達関数をそれぞれSLR、SRLとする。このときの関係は、
L2=SLL・xL+SRL・xR (2-1)
R2=SLR・xL+SRR・xR (2-2)
となる。
【0007】
ここで、実際には2つのスピーカSLとSRから音を放射するが、あたかも点Oから聞こえるようにするためには、
L1=yL2 (3-1)
R1=yR2 (3-2)
となるようにすればよい。したがって、
LL・xL+SRL・xR=TL・u (4-1)
LR・xL+SRR・xR=TR・u (4-2)
となり、xLとxRについて解けば、
L=(1−FC1・FC2-1(FL+FC1・FR)u (5-1)
R=(1−FC1・FC2-1(FR+FC2・FL)u (5-2)
となる。ただし、
C1=−SRL/SLL ,FC2=−SLR/SRR (5-3)
L=TL/SLL ,FR=TR/SRR (5-4)
である。更に書き直して、
L=(1−FC1・FC2-1(1+FC1・FS)FM・u (6-1)
R=(1−FC1・FC2-1(FS+FC2)FM・u (6-2)
と表すことができる。ただし、
S=(TC/SRR)/(TM/SLL),FM=TM/SLL (6-3)
である。すなわち、音響信号uに式(5-1)および式(5-2)、あるいは、式(6-1)および式(6-2)で表される信号処理を施せば、2つのスピーカSLおよびSRで、あたかも点Oに音像があるように聞こえる。
【0008】
図15は、上記音像定位処理を回路で表したものである。ここでは、入力チャンネルを複数に拡張している。図15において、1a,1bは方向定位手段、2aはクロストーク・キャンセル手段、4a,4bは加算器、5a,5bは音響信号入力部、6a,6bは音響信号出力部を示す。ここで、方向定位手段は、図16(式(5-1)および式(5-2))、または、図17(式(6-1)および式(6-2))で表される。図16において、8a,8bは方向定位フィルタ、9a,9bは方向定位手段音響出力部を示す。図17において、8cは両耳和フィルタ、8dは両耳差フィルタを示す。クロストーク・キャンセル手段は、図18または図19で表される。図18および図19において、3a,3bはクロストーク打ち消し信号生成フィルタ、10a,10bはクロストーク・キャンセル手段音響入力部、11a,11bは二重クロストーク信号生成フィルタ、24a,24b,25a,25bは加算器を示す。
【0009】
更に、二重クロストーク信号生成フィルタFC1・FC2のゲインが1に比べて十分に小さいという仮定のもとで、(1−FC1・FC2-1の部分を省いて、
Figure 0003618159
としていることが多い。この場合のクロストーク・キャンセル手段は図20で表される。
【0010】
これまでに述べた原理は、1960年代に既に発表されており、多くの文献(代表例として、鹿島出版会から発行されているブラウエルト・森本・後藤編著の「空間音響」を挙げる)から公知の事実となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前に述べたクロストーク・キャンセル手段において、(1−FC1・FC2)は一般に安定な逆関数を持たないことが多い。したがって、図18および図19の回路は、発散のために実現できない場合が多い。
【0012】
このため、図20に示す(1−FC1・FC2-1を省略した回路がよく用いられるが、実際に省略された音を受聴すると、低音の不足、前方の音像が上昇する等の音像定位の精度の劣化といった問題が現れる。特に前者は、メインパスの信号とクロストークパスの信号とで、低域では位相差が小さく、また回折しやすいため、クロストーク打ち消しのための信号が、他方の耳の方のメインパスの信号まで打ち消してしまうことが原因である。例えば、左スピーカSLからの音がクロストークとして右耳ERに入る音の成分があるが、それを打ち消すために右スピーカSRから出す音が、その左スピーカSLから右耳ERへ到達するクロストークの音を打ち消すだけでなく、その打ち消し信号自体が右スピーカSRから左スピーカSLへのクロストークとなって、元の左スピーカSLから左耳ELへ到達する音までも打ち消してしまうのである。
【0013】
また、スピーカの開き角が40度よりも小さくなると、二重クロストーク信号生成フィルタFC1・FC2のゲインが1に比べて十分に小さいという仮定自体が成立しなくなる問題点も存在する。
【0014】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、低域の不足を解消し、より正確な音像定位を与える音像定位装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、音像定位位置に関するパラメータを持ちかつ入力部からの音響信号のフィルタ演算を行うための方向定位手段と、該方向定位手段の出力信号からフィルタ演算により音響クロストーク信号となる成分の打ち消しを行うためのクロストーク・キャンセル手段と、該クロストーク・キャンセル手段からの信号を出力するための2チャンネルの出力部とを備え、音像を任意の位置に定位させる音像定位装置およびそのパラメータ算出方法において、次のような工夫をこらしたものである。
【0016】
前に述べたように、低域の不足や音像定位精度の劣化は(1−FC1・FC2-1の省略によるものであるから、その補償を行うとよい。ただし、通常この逆関数は安定に求められないため、数式を展開して多項式近似を行うことが手段の一つである。
【0017】
(1−FC1・FC2-1を展開すると、
Figure 0003618159
のように表される。これは無限次まで続いてしまうため、所望の精度に応じて途中で打ち切ればよい。ここで、例えば2次で打ち切ってクロストーク・キャンセル手段に用いると、式(5-1)および式(5-2)より、
Figure 0003618159
となる。これは、クロストーク打ち消しのための信号が、更にクロストークとなる2重、3重のクロストークの補正を行うことを意味している。
【0018】
したがって、請求項1の発明に係る音像定位装置のクロストーク・キャンセル手段は、図1に例示するように、各々第1のパラメータFC1を持つクロストーク打ち消し信号生成フィルタと第2のパラメータFC2を持つクロストーク打ち消し信号生成フィルタとが交互に縦続接続されてなる第1および第2のフィルタ列と、第1および第2の加算器とを有するものである。しかも、第1のフィルタ列は、第1のパラメータFC1を持つクロストーク打ち消し信号生成フィルタを初段フィルタとし、かつ該第1のフィルタ列の入力部がクロストーク・キャンセル手段の第2の入力部と接続される。一方、第2のフィルタ列は、第2のパラメータFC2を持つクロストーク打ち消し信号生成フィルタを初段フィルタとし、かつ該第2のフィルタ列の入力部がクロストーク・キャンセル手段の第1の入力部と接続される。また、第1および第2のフィルタ列のうちの第1のパラメータFC1を持つ全てのクロストーク打ち消し信号生成フィルタの出力部と、クロストーク・キャンセル手段の第1の入力部とは、第1の加算器を経て、クロストーク・キャンセル手段の第1の出力部に接続される。一方、第1および第2のフィルタ列のうちの第2のパラメータFC2を持つ全てのクロストーク打ち消し信号生成フィルタの出力部と、クロストーク・キャンセル手段の第2の入力部とは、第2の加算器を経て、クロストーク・キャンセル手段の第2の出力部に接続される。
【0019】
また、請求項2の発明に係る音像定位装置のクロストーク・キャンセル手段は、図2および図3に例示するように、第1および第2のフィルタ列のうちの第1のパラメータFC1を持つ全てのクロストーク打ち消し信号生成フィルタの出力部と第1の加算器との間、クロストーク・キャンセル手段の第1の入力部と第1の加算器との間、第1および第2のフィルタ列のうちの第2のパラメータFC2を持つ全てのクロストーク打ち消し信号生成フィルタの出力部と第2の加算器との間、および、クロストーク・キャンセル手段の第2の入力部と第2の加算器との間にそれぞれ遅延器を更に有するものである。これら遅延器の挿入により、各クロストーク打ち消し信号生成フィルタのパラメータの選択の幅が広がり、より音質・定位精度が良く、安定性に優れたパラメータを用いることができる。
【0020】
さて、式(4-1)および式(4-2)はそれぞれ、
L=FL・u+FC1・xR (11-1)
R=FR・u+FC2・xL (11-2)
と変形できるため、これらの式を用いて回路を構成することもできる。スピーカの開き角が比較的大きく(例えば60度)、FC1とFC2にむだ時間要素が存在する場合には、安定で正確な音像定位を実現することができる。
【0021】
また、(1−FC1・FC2-1を安定なフィルタFD、すなわち、
D=(1−FC1・FC2-1 (12)
に置き換えてもよい。すなわち、この逆フィルタを、一旦(1−FC1・FC2)を求めてから逆関数を求めるのではなく、測定データから直接求めれば安定な関数として求めることができる。
【0023】
(1−FC1・FC2-1の効果を方向定位手段に含めることもでき、方向定位手段のフィルタを
L=(1−FC1・FC2-1(TL/SLL) (13-1)
R=(1−FC1・FC2-1(TR/SRR) (13-2)
M=(1−FC1・FC2-1(TM/SLL) (13-3)
とすれば、従来の回路において、この項を付加したパラメータにより、低域の補正と音像定位精度の向上を図ることができる。
【0024】
したがって、請求項の発明に係る音像定位装置は、方向定位手段のフィルタのパラメータに、多重のクロストークを補償するためのパラメータを畳み込んだものである。
【0025】
また、請求項の発明では、請求項の発明に係る音像定位装置のパラメータ算出方法において、次のようにして方向定位手段のフィルタの式(13-1)のパラメータFL[または式(13-2)のパラメータFR]を求める。すなわち、図11(a)および図11(b)に例示するように、実際の左スピーカ位置に置かれたスピーカから音響信号を発生させ、疑似頭または実頭の左耳の特定箇所に取り付けられたマイクロホンの信号を第1の信号系列pL1として記録し、実際の右スピーカ位置に置かれたスピーカから前記と同じ音響信号を発生させ、疑似頭あるいは実頭の右耳の特定箇所に取り付けられたマイクロホンの信号を第2の信号系列pR2として記録する。更に、図12に例示するように、仮想音像位置に置かれたスピーカから前記と同じ音響信号を発生させ、疑似頭または実頭の左右の耳の特定箇所に取り付けられたマイクロホンの信号を記録し、該マイクロホンの左耳の信号を第3の信号系列pL3、右耳の信号を第4の信号系列pR3とする。そして、第1または第2の信号系列pL1[またはpR2]を入力系列とし、かつ2種類のクロストーク打ち消し信号生成フィルタの畳み込みによって得られるフィルタ演算FC1・FC2を第3または第4の信号系列pL3[またはpR3]に施して得た結果を元の第3または第4の信号系列pL3[またはpR3]から減算した結果(1−FC1・FC2)pL3[または(1−FC1・FC2)pR3]を遅延させたものを出力系列とした対象未知システムのパラメータをシステム同定手段で求め、該求めたパラメータを方向定位手段のフィルタのパラメータFL[またはFR]とする。方向定位手段のフィルタの式(13-3)のパラメータFMも同様にして求められる。
【0026】
請求項の発明に係る音像定位装置は、図13に例示するように、入力部からの音響信号を周波数帯域ごとに分割するための帯域分割手段と、複数の方向定位手段および複数のクロストーク・キャンセル手段からの信号を合成するための帯域合成手段とを備えたものである。複数の方向定位手段は、周波数帯域ごとに用意され、各々音像定位位置に関するパラメータを持ち、かつ帯域分割手段から与えられた音響信号のフィルタ演算を行う。複数のクロストーク・キャンセル手段は、周波数帯域ごとに用意され、各々複数の方向定位手段のうちの対応する方向定位手段の出力信号からフィルタ演算により音響クロストーク信号となる成分の打ち消しを行う。しかも、複数のクロストーク・キャンセル手段のうち低域のクロストーク・キャンセル手段では多重クロストークを補償したものを用い、かつ中高域では簡略化されたクロストーク・キャンセル手段を用いる。上記帯域分割により、フィルタのパラメータの次数を小さくすることができ、安定性と精度の両立が図れる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の音像定位装置およびそのパラメータ算出方法の具体例について、詳細に説明する。
【0028】
(実施例1)
本発明の第1の実施例を、図1〜図3を参照しながら説明する。図1に示す回路図は、式(10-1)および式(10-2)を回路で実現したものである。図1において、1a〜1cは方向定位手段、2aはクロストーク・キャンセル手段、3a〜3jはクロストーク打ち消し信号生成フィルタ、4a〜4lは加算器、5a〜5cは音響信号入力部、6a,6bは音響信号出力部、10a,10bはクロストーク・キャンセル手段音響入力部を示す。クロストーク・キャンセル手段2aにおいて、10aは左チャンネル入力、10bは右チャンネル入力、6aは左チャンネルの出力部、6bは右チャンネルの出力部である。
【0029】
図1の構成によれば、複数のそれぞれの位置に音像定位させるように方向定位手段1a〜1cで処理された信号が、加算器4a,4bで加算されて、クロストーク・キャンセル手段2aに入力される。クロストーク・キャンセル手段2aは、クロストーク打ち消し信号生成フィルタ3a〜3jでパラメータがFC1のものとFC2のものとが交互に縦続接続された形となっている。そして、パラメータFC1を持つ全てのフィルタ3b,3d,3f,3h,3jの出力がクロストーク・キャンセル手段2aの左チャンネル入力10aと加算されて左チャンネルの出力部6aへ、パラメータFC2を持つ全てのフィルタ3a,3c,3e,3g,3iの出力がクロストーク・キャンセル手段2aの右チャンネル入力10bと加算されて右チャンネルの出力部6bへそれぞれ出力される。図20ではクロストーク打ち消し信号生成フィルタ3a,3bが1段であったものが、図1では多段(5段)縦続接続された形となっている。これは、多重のクロストークの補償を行うことに相当する。したがって、本実施例によれば、メインパスの低域の音響信号の打ち消しが補償され、低域の不足が解消し、また音像定位精度の向上が図られる。なお、クロストーク・キャンセル手段2aにおけるフィルタの縦続接続段数は、2以上の範囲で任意である。
【0030】
フィルタの伝達関数によっては、図2のようにクロストーク・キャンセル手段に遅延器12a〜12tを挿入したり、図3のようにクロストーク・キャンセル手段に遅延器22a〜22lを挿入したりしてもよい。これによって、クロストーク打ち消し信号生成フィルタ3a〜3jのパラメータの選択の幅が広がり、より音質・定位精度が良く、安定性に優れたパラメータを用いることができる。以後の実施例でも同様に、遅延器を挿入することができる。なお、図3において、4m,4nは加算器を示す。
【0031】
2つのスピーカが受聴者に対し左右対称に置かれている場合には、パラメータFC1とFC2とは同じものを用いることになり、フィルタのパラメータを格納するメモリの容量を削減することができる。
【0032】
(実施例2)
本発明の第2の実施例を、図4を参照しながら説明する。図4は、式(11-1)および式(11-2)で表されるクロストーク・キャンセル手段を示している。図4のクロストーク・キャンセル手段では、右チャンネル出力6bが、クロストーク打ち消し信号生成フィルタ3bを経て、加算器24aで左チャンネル入力10aと加算されて、左チャンネル出力6aとなる。同様に、左チャンネル出力6aが、クロストーク打ち消し信号生成フィルタ3aを経て、加算器24bで右チャンネル入力10bと加算されて、右チャンネル出力6bとなる。
【0033】
本実施例によれば、必ずしも安定なフィルタが求められるとは限らないという欠点はあるものの、安定なフィルタが求められれば、最小のフィルタ数で、低域の不足の解消と音像定位精度の向上が図れる。
【0034】
(実施例3)
本発明の第3の実施例を、図5を参照しながら説明する。図5は、図20中のクロストーク打ち消し信号生成フィルタ3a,3bに高域通過フィルタ13a,13bを直列に接続してなるクロストーク・キャンセル手段を示している。これによって、クロストーク打ち消し信号より低域がカットされ、他方の耳のメインパスへの低域の打ち消しが防止される。したがって、低域の不足が解消され、音像定位の精度も向上する。
【0035】
なお、図5では高域通過フィルタ13a,13bをクロストーク打ち消し信号生成フィルタ3a,3bの前に設けたが、後ろに設けても同様の効果が得られる。高域通過フィルタ13a,13bの代わりに高域(例えば5kHz以上)もカットした帯域通過フィルタを用いても同様な効果が得られ、更に受聴範囲も広がるといった効果も有する。これら高域通過フィルタや帯域通過フィルタのパラメータをクロストーク打ち消し信号生成フィルタ3a,3bのパラメータに畳み込んで、1つのフィルタにまとめることもできる。
【0036】
(実施例4)
本発明の第4の実施例を、図6〜図8を参照しながら説明する。図6は、クロストーク・キャンセル手段において、図20の回路と並列に低域通過フィルタ14a,14bを通すパスを設け、その出力をクロストーク・キャンセル手段の左右チャンネル出力に加算する回路を示している。これによって、低域が増強され、その不足感が解消される。
【0037】
図6の回路は、図7のように置き換えることができる。図7において、15a,15bは低域強調フィルタを示す。つまり、両フィルタ15a,15bのパラメータFBは、低域が強調された特性を持つ。効果は図6と同様である。
【0038】
図6の回路は、図8のように置き換えることもできる。図8のクロストーク・キャンセル手段では、加算器24cによる左右チャンネル入力の和信号が、低域通過フィルタ14cを経て、左右チャンネル出力に加算される。低域では左右の音の位相差が小さく、方向認識が鈍いので、このようにしても音像定位に関して特に問題は生じない。更に、図6や図7に比べ、追加のフィルタが半分の1個で、同様の効果が得られるメリットがある。
【0039】
(実施例5)
本発明の第5の実施例を、図9〜図11を参照しながら説明する。図9および図10は、図20のクロストーク・キャンセル手段に式(12)で示されるパラメータFDを持つ多重クロストーク補償フィルタ16a,16bを挿入したものである。図9は多重クロストーク補償フィルタ16a,16bを入力側に、図10は出力側にそれぞれ直列に挿入しているもので、効果はどちらも同じである。図11は、多重クロストーク補償フィルタ16a,16bのパラメータFDを求めるための手順を示したものである。
【0040】
まず、図11(a)のように、無響室において実際の左スピーカSLの位置にスピーカ7aを置き、そのスピーカ7aから白色雑音を発生させる。白色雑音は、ナイキスト周波数までの全ての周波数成分を含んでおり、持続的励振条件を満たしている。その音が空間を伝搬し、受聴者または疑似頭の左右の外耳道に取り付けられたマイクロホン(以下、マイクという)の信号および元信号をデータ記録器(例えばDAT)に記録する。左耳ELでの信号系列をpL1、右耳ERでの信号系列をpR1、元の白色雑音信号系列をeとする。このとき、スピーカ(SL)7aから左耳ELのマイクまでの頭部伝達関数をSLL、右耳ERのマイクまでの頭部伝達関数をSLRとしたとき、
L1=SLL・e (14-1)
R1=SLR・e (14-2)
となる。
【0041】
次に、図11(b)のように、実際の右スピーカSRの位置にスピーカ7aを置き、同様な操作を繰り返す。音源である白色雑音は、前と同じものを用いる。左耳ELでの信号系列をpL2、右耳ERでの信号系列をpR2とする。このとき、スピーカ(SR)7aから左耳ELのマイクまでの頭部伝達関数をSRL、右耳ERのマイクまでの頭部伝達関数をSRRとしたとき、
L2=SRL・e (14-3)
R2=SRR・e (14-4)
となる。
【0042】
これよりeを消去してまとめると、
Figure 0003618159
となる。したがって、図11(c)のように、入力系列を(pL1・pR2−pL2・pR1)、出力系列をpL1・pR2としたシステムを考え、最小二乗法や最尤法などを用いたシステム同定手段17により、パラメータFDを求めることができる。ここで、入力系列(pL1・pR2−pL2・pR1)は加算器20により求められる。出力系列であるpL1・pR2を遅延器21で少し遅らせると、より安定で高精度なパラメータFDを求めることができる。
【0043】
上記のような方法により、低域の不足と音像定位精度の劣化の問題を解消することができ、なおかつ安定である。
【0044】
なお、左右のスピーカが受聴者に対して左右対称ならば、式(15)は、
L1 2=FD・(pL1 2−pR1 2) (16)
となり、左側にスピーカ7aを置いた1回目の測定、つまり図11(a)の測定のみから、多重クロストーク補償フィルタ16a,16bのパラメータFDを求めることができる。
【0045】
(実施例6)
本発明の第6の実施例を、図12を参照しながら説明する。実施例5では、式(12)のパラメータFDを持つ多重クロストーク補償フィルタ16a,16bをクロストーク・キャンセル手段に設けたが、同パラメータFDを方向定位手段のフィルタに畳み込むことにより、従来と同様の回路構成で実施例5と同様の効果が得ることができる。すなわち、第6の実施例に係る音像定位装置は、式(13-1)および式(13-2)のパラメータFLおよびFRを持つ図16の方向定位手段、または式(13-3)のパラメータFMを持つ図17の方向定位手段と、図20のクロストーク・キャンセル手段とを用いて実現される。図12は、式(12)のパラメータFDが畳み込まれた方向定位フィルタのパラメータFLおよびFRを求めるための手順を示したものである。
【0046】
まず、図12(a)のように、無響室において仮想音源位置にスピーカ7aを置き、白色雑音を発生させる。その音が空間を伝搬し、受聴者または疑似頭の左右の外耳道に取り付けられたマイクの信号および元信号を記録する。左耳ELでの信号系列をpL3、右耳ERでの信号系列をpR3、元の白色雑音信号系列をeとする。このとき、スピーカ7aから左耳ELのマイクまでの頭部伝達関数をTL、右耳ERのマイクまでの頭部伝達関数をTRとしたとき、
L3=TL・e (17-1)
R3=TR・e (17-2)
となる。
【0047】
次に、実施例5と同様に、図11(a)および図11(b)の配置でそれぞれマイク出力を記録する。したがって、
L1=SLL・e (14-1)
R2=SRR・e (14-4)
となる(再掲)。
【0048】
ここで、式(13-1)は、
(1−FC1・FC2)pL3=(TL/SLL)pL1 (18-1)
となる。したがって、図12(b)のように、入力系列をpL1、出力系列を(1−FC1・FC2)pL3としたシステムを考え、最小二乗法や最尤法などを用いたシステム同定手段17により、図16中の左チャンネルの方向定位フィルタ8aのパラメータFL(=TL/SLL)を求めることができる。このフィルタのパラメータFLは、式(12)のパラメータFDが畳み込まれたものである。
【0049】
また、式(13-2)は、
(1−FC1・FC2)pR3=(TR/SRR)pR2 (18-2)
となる。したがって、図12(b)中に括弧書きで示すように、入力系列をpR2、出力系列を(1−FC1・FC2)pR3としたシステムを考え、システム同定手段17を用いれば、図16中の右チャンネルの方向定位フィルタ8bのパラメータFR(=TR/SRR)を求めることができる。このフィルタのパラメータFRは、式(12)のパラメータFDが畳み込まれたものである。
【0050】
なお、出力系列(1−FC1・FC2)pL3および(1−FC1・FC2)pR3は、二重クロストーク信号生成フィルタ11aと、加算器20とにより求められる。実施例5と同様に、これらの出力系列を遅延器21で少し遅らせると、より安定で高精度なパラメータFLおよびFRを求めることができる。
【0051】
上記と同様にして、図17中の両耳和フィルタ8cのパラメータFMに、式(12)のパラメータFDを畳み込むこともできる。この場合、両耳差フィルタ8dのパラメータFSは従来のものを用いる。
【0052】
なお、従来の方向定位手段のフィルタのパラメータに、実施例5の方法で求めたパラメータFDを畳み込んで、それを新しい方向定位手段のフィルタのパラメータと置き換えても良い。これも同様の効果を有する。
【0053】
また、上記実施例5および実施例6ではスピーカ7aから発生させる音響信号を白色雑音としたが、持続的励振条件を満たす別の音響信号(例えば、有色雑音)でもよい。
【0054】
(実施例7)
本発明の第7の実施例を、図13を参照しながら説明する。図13の音像定位装置によれば、帯域分割手段18は、入力信号の周波数帯域を3つに分割し、それぞれの帯域の方向定位手段1a,1b,1cに出力する。そして、各々の帯域のクロストーク・キャンセル手段2a,2bを経て、左右のチャンネルそれぞれについて3つの帯域の信号が、帯域合成手段19a,19bによって合成され、出力信号が得られる。このように帯域分割すると、フィルタのパラメータの次数を小さくすることができ、安定性と精度の両立が図れる。
【0055】
ここで、中域では多重のクロストークの影響は少ないため、図20の構成を有する従来型のクロストーク・キャンセル手段2aを用いる。低域では低音の不足を解消するために、図9の構成を有するクロストーク・キャンセル手段2bを用いる。高域では、波長が短いために受聴者の少しの位置ずれで、クロストークのキャンセルではなく、逆に強調となる場合があるため、クロストーク・キャンセル手段そのものを省く。このように、帯域別にクロストーク・キャンセル手段2a,2bを選択することにより、演算処理量を小さくすることができる。
【0056】
なお、低域のクロストーク・キャンセル手段2bとして図1、図2、図3、図4、図10、図18または図19の構成を用いても、同様の効果が得られる。また、中域で低域と同じ構成のクロストーク・キャンセル手段を用いたり、高域でクロストーク・キャンセル手段を省かない場合でも、演算処理量は増加するものの、低音の不足の解消や音像定位精度の向上の効果が得られる。
【0057】
帯域分割手段18にはサンプリング周波数を下げる間引き処理を、帯域合成手段19a,19bにはサンプリング周波数を上げる補間処理をそれぞれ含めることもできる。帯域分割手段18か帯域合成手段19a,19bのいずれかには、帯域ごとの時間のずれを調整するための遅延器を含めることができる。また、ここでは帯域分割数を3としたが、2でも4以上でも同様の効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、音像定位装置において、多重のクロストークによる低域の不足を解消し、より正確な音像定位を与えることができ、その効果は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る音像定位装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る他のクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係るクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係るクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施例に係るクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施例に係る他のクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係る更に他のクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施例に係るクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第5の実施例に係る他のクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第5の実施例において多重クロストーク補償フィルタのパラメータを求めるための手順を示す図である。
【図12】本発明の第6の実施例において方向定位手段のフィルタのパラメータを求めるための手順を示す図である。
【図13】本発明の第7の実施例に係る音像定位装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の基本的な考え方となる音像定位処理の原理説明図である。
【図15】音像定位装置の基本構成を示すブロック図である。
【図16】従来の方向定位手段の構成を示すブロック図である。
【図17】従来の他の方向定位手段の構成を示すブロック図である。
【図18】従来のクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図19】従来の他のクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【図20】従来の他のクロストーク・キャンセル手段の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1a〜1c 方向定位手段
2a,2b クロストーク・キャンセル手段
3a〜3j クロストーク打ち消し信号生成フィルタ
4a〜4n 加算器
5a〜5c 音響信号入力部
6a,6b 音響信号出力部
7a,7b スピーカ
8a,8b 方向定位フィルタ
8c 両耳和フィルタ
8d 両耳差フィルタ
9a,9b 方向定位手段音響出力部
10a,10b クロストーク・キャンセル手段音響入力部
11a,11b 二重クロストーク信号生成フィルタ
12a〜12t 遅延器
13a,13b 高域通過フィルタ
14a,14b,14c 低域通過フィルタ
15a,15b 低域強調フィルタ
16a,16b 多重クロストーク補償フィルタ
17 システム同定手段
18 帯域分割手段
19a,19b 帯域合成手段
20 加算器
21,22a〜22l 遅延器
24a〜24c,25a,25b 加算器

Claims (5)

  1. 音像を任意の位置に定位させる音像定位装置であって、
    音像定位位置に関するパラメータを持ち、かつ入力部からの音響信号のフィルタ演算を行うための方向定位手段と、
    前記方向定位手段の出力信号からフィルタ演算により音響クロストーク信号となる成分の打ち消しを行うためのクロストーク・キャンセル手段と、
    前記クロストーク・キャンセル手段からの信号を出力するための2チャンネルの出力部とを備え、
    前記クロストーク・キャンセル手段は、
    各々第1のパラメータを持つクロストーク打ち消し信号生成フィルタと第2のパラメータを持つクロストーク打ち消し信号生成フィルタとが交互に縦続接続されてなる第1および第2のフィルタ列と、
    第1および第2の加算器とを有し、
    前記第1のフィルタ列は、前記第1のパラメータを持つクロストーク打ち消し信号生成フィルタを初段フィルタとし、かつ該第1のフィルタ列の入力部が前記クロストーク・キャンセル手段の第2の入力部と接続され、
    前記第2のフィルタ列は、前記第2のパラメータを持つクロストーク打ち消し信号生成フィルタを初段フィルタとし、かつ該第2のフィルタ列の入力部が前記クロストーク・キャンセル手段の第1の入力部と接続され、
    前記第1および第2のフィルタ列のうちの前記第1のパラメータを持つ全てのクロストーク打ち消し信号生成フィルタの出力部と、前記クロストーク・キャンセル手段の第1の入力部とは、前記第1の加算器を経て、前記クロストーク・キャンセル手段の第1の出力部に接続され、
    前記第1および第2のフィルタ列のうちの前記第2のパラメータを持つ全てのクロストーク打ち消し信号生成フィルタの出力部と、前記クロストーク・キャンセル手段の第2の入力部とは、前記第2の加算器を経て、前記クロストーク・キャンセル手段の第2の出力部に接続されたことを特徴とする音像定位装置。
  2. 請求項1記載の音像定位装置において、
    前記クロストーク・キャンセル手段は、前記第1および第2のフィルタ列のうちの前記第1のパラメータを持つ全てのクロストーク打ち消し信号生成フィルタの出力部と前記第1の加算器との間、前記クロストーク・キャンセル手段の第1の入力部と前記第1の加算器との間、前記第1および第2のフィルタ列のうちの前記第2のパラメータを持つ全てのクロストーク打ち消し信号生成フィルタの出力部と前記第2の加算器との間、および、前記クロストーク・キャンセル手段の第2の入力部と前記第2の加算器との間にそれぞれ遅延器を更に有することを特徴とする音像定位装置。
  3. 音像を任意の位置に定位させる音像定位装置であって、
    音像定位位置に関するパラメータを持ち、かつ入力部からの音響信号のフィルタ演算を行うための方向定位手段と、
    前記方向定位手段の出力信号からフィルタ演算により音響クロストーク信号となる成分の打ち消しを行うためのクロストーク・キャンセル手段と、
    前記クロストーク・キャンセル手段からの信号を出力するための2チャンネルの出力部とを備え、
    前記方向定位手段のフィルタのパラメータに、多重のクロストークを補償するためのパラメータを畳み込んだことを特徴とする音像定位装置。
  4. 請求項に記載の音像定位装置におけるパラメータ算出方法であって、
    実際の左スピーカ位置に置かれたスピーカから音響信号を発生させ、疑似頭または実頭の左耳の特定箇所に取り付けられたマイクロホンの信号を第1の信号系列として記録し、
    実際の右スピーカ位置に置かれたスピーカから前記と同じ音響信号を発生させ、前記疑似頭あるいは実頭の右耳の特定箇所に取り付けられたマイクロホンの信号を第2の信号系列として記録し、
    仮想音像位置に置かれたスピーカから前記と同じ音響信号を発生させ、前記疑似頭または実頭の左右の耳の特定箇所に取り付けられたマイクロホンの信号を記録し、該マイクロホンの左耳の信号を第3の信号系列、右耳の信号を第4の信号系列とし、
    前記第1または第2の信号系列を入力系列とし、かつ2種類のクロストーク打ち消し信号生成フィルタの畳み込みによって得られるフィルタ演算を前記第3または第4の信号系列に施して得た結果を元の第3または第4の信号系列から減算した結果を遅延させたものを出力系列とした対象未知システムのパラメータをシステム同定手段で求め、該求めたパラメータを前記方向定位手段のフィルタのパラメータとすることを特徴とするパラメータ算出方法。
  5. 音像を任意の位置に定位させる音像定位装置であって、
    入力部からの音響信号を周波数帯域ごとに分割するための帯域分割手段と、
    周波数帯域ごとに用意され、各々音像定位位置に関するパラメータを持ち、かつ前記帯域分割手段から与えられた音響信号のフィルタ演算を行うための複数の方向定位手段と、
    周波数帯域ごとに用意され、各々前記複数の方向定位手段のうちの対応する方向定位手段の出力信号からフィルタ演算により音響クロストーク信号となる成分の打ち消しを行うための複数のクロストーク・キャンセル手段と、
    前記複数のクロストーク・キャンセル手段からの信号を合成するための帯域合成手段と、
    前記帯域合成手段からの合成信号を出力するための2チャンネルの出力部とを備え、
    前記複数のクロストーク・キャンセル手段のうち低域のクロストーク・キャンセル手段では多重クロストークを補償したものを用い、かつ中高域では簡略化されたクロストーク・キャンセル手段を用いたことを特徴とする音像定位装置。
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