JP3617641B2 - 大深度圧気潜函における呼吸システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧気潜函内での高気圧環境下で作業する作業員の安全を確保する呼吸方法とその管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、土木・建築の技術分野において大深度の地下利用が注目されるようになってきており、そのための大深度地下掘削には圧気潜函工法が広く実施されている。
圧気潜函工法とは、圧縮空気を潜函底面に設けた作業室内に送気させ高気圧環境とすることで、作業室内環境圧と地下水圧を平衡に維持することでドライ環境での作業を行うことができるものである。圧縮空気を呼吸しながら高気圧環境下で作業する圧気潜函工法においては、作業環境の気圧が0.3MPa(ゲージ圧)を超えると高気圧障害症等の様々な障害の発生が急増する。そして、最近の大深度の地下掘削では、作業環境の気圧が0.7MPa(ゲージ圧)にも達する。このような高気圧環境下で作業する作業員の安全を確保する対策として、気圧が0.3MPa(ゲージ圧)を超える作業室内の作業員は、混合ガス、例えば(ヘリウム+窒素+酸素)や(ネオン+窒素+酸素)或いは(水素+窒素+酸素)の3元ガス又は(ヘリウム+酸素)や(ネオン+酸素)或いは(水素+酸素)のような2元ガスを呼吸ガスとして使用することが知られている。
これらの混合ガスは高価であるため、マンロック及び潜函内は、圧縮空気を送気して高気圧環境とする。潜函内の作業室は、掘削機械を地上の操作室から遠隔操作し、視界良好な作業環境とするため圧縮空気圧力を一定に保つ目的で圧縮空気を常時送気する。加圧時のマンロック及び潜函内の作業員は、外部から供給される混合ガスラインに連通する混合ガス呼吸用マスクを装着して混合ガスを呼吸するのが普通である。
また、高気圧環境下での潜函内での作業を圧気潜函内の高圧空気を呼吸して行うことも実施されている。
【0003】
作業員が高気圧環境下の潜函内で一定時間の作業後、大気圧環境下へ帰還する過程で、マンロックを作業室と遮断し、マンロック内で作業員の環境を徐々に減圧して大気圧に戻すことが行われる。
また、圧気潜函工法のような圧力0.1MPa(ゲージ圧)を越える圧気工事では高気圧障害症発症時の治療のため、再圧室(ホスピタルロック)が使用できる状態にあることが義務付けられている。
【0004】
混合ガス呼吸しながら高気圧作業を終えた後のマンロック内で作業員の環境の減圧を行う過程及び再圧室で減圧症の治療を行う過程で、高酸素分圧ガスと空気を交互に呼吸すると、生体内に溶存した窒素を、体外に排出促進する効果(酸素窓効果)があり、高気圧障害発症を予防したり減圧所要時間を短縮できる他、高気圧症の治療効果を高めることができ、有効な方法であることが知られている。作業室内で圧縮空気を呼吸して作業する圧気潜函工法においても、作業員は、マンロックに設置された外部から供給される高酸素分圧ガスラインに連通する高酸素分圧ガス呼吸用マスクを装着して一定時間高酸素分圧ガスを呼吸し、その後呼吸マスクを外してマンロック内の高圧空気を一定時間呼吸する(以下、「エアーブレーク」という。)というサイクルを複数回繰り返す方法が考えられている。この方法は、より安全に減圧する方法で、又、万一、減圧途中で減圧症が発症した場合においても、マンロック内で高酸素分圧ガス呼吸と空気呼吸を併用しながら減圧して、減圧症を治療できるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高圧環境下で作業後の減圧は、狭いマンロックの中で行われ、減圧中の作業員は緊張を強いられるので、安全で合理的な減圧要領が望まれる。
従来、減圧過程をマニュアル化し、作業者自身がそのマニュアルに従って、呼吸マスクの着脱、バルブ操作等を行っていた。そのため、減圧プログラムの実施する際の作業員の負担の軽減、減圧時間の短縮のための圧気潜函における作業員の安全を確保する呼吸システムの開発が望まれている。また、従来、減圧過程の一部をコンピュータにより管理することが提唱されているが、減圧過程を一元的に集中管理するためのシステムはなく、大深度掘削に伴う圧気潜函作業気圧の高気圧化に際して、より安全な圧気潜函の減圧過程の管理システムの開発が望まれている。
【0006】
本発明は、前記問題点を解決する大深度圧気潜函工法における高圧環境下で作業する作業員のための、安全な呼吸システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
【0008】
第1の発明は、大深度圧気潜函における呼吸システムにおいて、圧気潜函に装着したマンロック内の圧力、ガス成分、作業員の状況をリアルタイムでモニタする機能、圧気潜函のマンロック内の圧力を自動加減圧する機能、作業員の圧気潜函内での作業時間及び圧気潜函内の圧力に応じた減圧プログラムを実施するための機能、マンロック内の作業員と通信をする機能、マンロック内の混合ガス呼吸用マスク及び高酸素分圧ガス呼吸用マスクに供給する混合ガス及び高酸素分圧ガスの品質を管理する機能、管制員の居住機能を有し、圧気潜函内における高圧環境下での作業員の安全を一括集中的に管理する機能を有する管制室を圧気潜函外に設け、管制室からの指示及び制御の下で、圧気潜函内で作業を混合ガス呼吸又は高圧空気呼吸により行い、作業後のマンロック内での減圧過程において、一定の減圧停止圧力から大気圧に至るまでの間、高酸素分圧ガス呼吸とマンロック内の高圧空気呼吸とを所定時間交互に反復する減圧プログラムを実施し、該減圧プログラムは、圧気潜函内の圧力、圧気潜函内での作業時間をデータとしてコンピュータに入力することにより演算して得られる減圧プログラムであることを特徴とする。
【0012】
【作用】
マンロック内での減圧プログラムが、圧気潜函内の圧力、圧気潜函内での作業時間をデータとしてコンピュータに入力することにより演算して得られ、該減圧プログラムにより、各種操作、指示及び制御を自動的に実施することができ、管制室のもつ各種機能により、圧気潜函工事における呼吸システムの一括集中管理を可能とし、大深度地下掘削のための高気圧環境下で作業する作業員の安全が確保される。
【0013】
【発明の実施形態】
本発明の大深度圧気潜函における呼吸システムに係る圧気潜函工法の実施例の概略を図1〜図3により説明する。
圧気潜函1の作業室2の天井スラブ3に、作業室2に連通する作業員昇降用のマンシャフト4の下端部と、作業室2と連通する資材、掘削土砂の搬出、搬送のためのマテリアルシャフト5の下端部が固定される。後述するが、マンシャフト4の上端部と下端部に上部マンロック6と下部6’を設ける場合と、マンシャフト4の上端部に上部マンロック6のみを設ける場合がある。
圧気潜函1の天井スラブ3上の空間には、自重による沈下が困難な場合、圧気潜函1を沈設するための荷重水7が注排水される。また、圧気潜函の地中への沈下のため、グランドアンカーを反力とする油圧ジャッキによる強制推進によるものもある。
上部マンロック6及び下部マンロック6’内には、圧力センサ8及びガス成分センサ9、テレビカメラ、指示装置10が設置される。上部マンロック6には高酸素分圧ガス呼吸用マスク11が設置され、下部マンロック6’には、混合ガス呼吸用マスク12が設置される。前記高酸素分圧ガス呼吸用マスク11には、呼気を上部マンロック6外に排出する排気管を備える。また、上部マンロック6及び下部マンロック6’は、圧縮空気供給源13と開度調整弁V3、コンピュータ21により制御される開閉弁V1を設けた圧縮空気管路14を介して接続されると共に、排気弁V2が接続される。
【0014】
一方、管制室20にはコンピュータ21が設置される。上部マンロック6及び下部マンロック6’内の指示装置10は、管制室20のコンピュータ21とラインにより連結され、コンピュータ21に格納された減圧プログラムに従って、呼吸用マスクの装着・離脱、加圧終了、減圧終了等の指示を文字又はマークで作業員に指示するためのものである。また、地表部には、高気圧障害者の治療のためのホスピタルロック23が設置される。
【0015】
上部マンロック6には高酸素分圧ガス呼吸用マスク11、下部マンロック6’には混合ガス呼吸用マスク12が設置されるが、呼吸用ガスマスクへの呼吸用ガスの供給システム、マンロック内の加減圧システム及び設備機器を説明するために、図2は、便宜上1つのマンロック内に混合ガス呼吸用マスク12と高酸素分圧ガス呼吸用マスク11が設置された状態として説明するものである。混合ガス供給源15と前記混合ガス呼吸用マスク12の混合ガス供給ホースとがコンピュータ21により開閉制御される開閉弁V4を設けた混合ガス管路を介して接続され、高酸素分圧ガス供給源18と前記高酸素分圧ガス呼吸用マスク11の高酸素分圧ガス供給ホースとがコンピュータ21により開閉制御される開閉弁V5を介して接続される。
【0016】
(第1実施例)
本願発明の第1実施例として、作業員が混合ガス呼吸用マスク12を装着し混合ガス呼吸をして高気圧環境下の作業室2で作業をする場合を、図3により説明する。マンシャフト4の上端部と下端部にそれぞれ上部マンロック6及び下部6’を設け、上部マンロック6に、高酸素分圧ガス呼吸用マスク11を設置し、マンシャフト4の下端部の下部マンロック6’に、混合ガス呼吸用マスク12を設置する。作業員は、マンシャフト4の下部マンロック6’内で加圧を開始し、下部マンロック6’内が所定圧力に加圧されると、指示装置10の指示により混合ガス呼吸用マスク12を装着し、混合ガス呼吸を開始し、下部マンロック6’の圧力が作業室2内の圧力に達すると、下部マンロック6’から作業室2に移動する。作業室天井スラブ3に混合ガス配管19が配置され、前記混合ガス配管19は潜函内の適所に配管された混合ガス供給管17を介して混合ガス供給源15に接続され、前記混合ガス配管19に、作業室2内に設けた混合ガス供給ホース16の一端部が接続され、混合ガス供給ホース16の他端部には自動開閉弁を備えた通気ソケットが接続される。作業が終了すると、下部マンロック6’に戻り、所定圧まで減圧し、指示装置10の指示に従がい混合ガス呼吸用マスク12を外し、下部マンロック6’内の空気を呼吸して、さらにマンシャフト4を移動して、上部マンロック6内に入り、上部マンロック6内で所定の減圧プログラムを実施する。
【0017】
(第2実施例)
本願発明の第2実施例として、作業員が高気圧環境下の作業室内の高圧空気を呼吸して作業する場合を、図4により説明する。マンシャフト4の上端部に上部マンロック6を設け、上部マンロック6内には、高酸素分圧ガス呼吸用マスク11を設置する。作業員は、上部マンロック6内で加圧を開始し、上部マンロック6内の圧力が作業室2の圧力に達すると、指示装置10からの加圧終了の指示により、作業室2に移動し、高気圧環境下の作業室2内の高圧空気を呼吸して作業を実施し、作業が終了すると、上部マンロック6に移動し、上部マンロック6内で所定圧まで減圧した後、混合ガス呼吸の場合と同じ減圧プログラムを実施する。
【0018】
加圧開始から作業終了、減圧開始までの時間は、減圧開始の合図を送ることにより、自動的にコンピュータにインプットされて減圧プログラムが実行される。減圧プログラムは、上部マンロック6内では、圧力が0.12MPa(ゲージ圧)に減圧され、指示装置10から「高酸素分圧ガス呼吸用マスク装着」が指示され、作業員は高酸素分圧ガスを呼吸する。以下、指示装置10の指示により高酸素分圧ガス呼吸と高圧空気呼吸を交互に反復して大気圧状態まで所定時間継続する。
【0019】
さらに、前記作業室天井スラブ3の下部には軌道が設けられ、前記軌道に移動自在に無人掘削機22が設置され、前記無人掘削機22は、作業室2内のテレビカメラのからの画像に従ってオペレータが遠隔制御により無人で作業室内の掘削を行う。
【0020】
次に、図5に示される本発明の管制室20は地表に設置され、管制室20内には、コンピュータ21、少人数の管制員の居住のための施設、上部マンロック6及び下部マンロク6’内及び作業室2内に設置された複数のテレビカメラの映像を表示するモニタテレビ、上部マンロック6及び下部マンロック6’内に設置した圧力、ガス成分を計測するセンサ8,9からの計測データをコンピュータ21を介して表示する表示盤、上下マンロック6、6’内及び作業室2内の作業員との通信及び外部と通信するための通信手段が設置されている。
管制室20の持つ各種機能のについて説明する。
【0021】
(1)自動加減圧機能:
上部マンロック6及び下部マンロック6’内を減圧操作する際は、コンピュータ21からの信号により、圧縮空気管路14の開閉弁V1が閉じられ、かつ排気弁V2の開度が調整され、マンロック内の減圧速度と換気量が制御される。
さらに保圧(加圧または減圧を一時停止すること)する場合は、コンピュータ21からの操作信号により圧縮空気管路14の開閉弁V1および排気弁V2を閉じるか、あるいは圧縮空気管路14の調整弁V3と排気弁V2を通過する空気量が等しくなるように調整弁V3と排気弁V2の開度が調整され、上部マンロック6及び下部マンロック6’内の圧力を一定に保持した状態で換気が行われる。
【0022】
(3)自動減圧プログラムの実施機能
上部マンロック6又は下部マンロック6’内で作業員が高圧の潜函内に混合ガス呼吸又は高圧空気呼吸をして入出函する際の加圧、保圧、減圧を行う状況と呼吸ガス切換の状況を図6で説明する。
先ず、混合ガス呼吸の場合は、作業員が潜函1内に入る場合は、下部マンロック6’内に作業員が入り、下部マンロック6’内で空気呼吸(イ)を行いながら、下部マンロック6’内の加圧を開始する。下部マンロック6’内の圧力センサ8からのデータが逐次コンピュータ21に入力され、下部マンロック6’内の圧力が予め設定された中間圧力Pに達すると、コンピュータ21から出力データ変換回路を介して指示装置10に「混合ガス呼吸用マスク装着」の指示が送られ、作業員が混合ガス呼吸用マスク12を装着する間、加圧を一時停止し、作業員が混合ガス呼吸用マスク12を装着して混合ガス呼吸(ロ)を開始すると加圧を再開し、所定時間Tの時間をかけて所定圧力Pまで加圧する。所定圧力Pは、作業室2の圧力と同じ圧力である。下部マンロック6’内の圧力が所定圧力Pに達したことを圧力センサ8が検知すると、そのデータが管制室20のコンピュータ21に送られ、そのデータに基づきコンピュータ21は、下部マンロック6’内の指示装置10に「加圧終了」を指示し、作業員は下部マンロック6’の遮蔽を解除し、作業室2内に移動し、混合ガス呼吸用マスク12に接続した混合ガス供給ホースを混合ガス配管19に接続を変更しながら混合ガス呼吸(ロ)により作業を行う。また、作業員は、作業室2内の圧力Pの高圧空気呼吸により作業する場合がある。
【0023】
混合ガス呼吸の場合、加圧終了から、作業が終了し再び下部マンロック6’内に戻り、混合ガス呼吸ロしながら減圧を開始するまでの時間Tは、コンピュータ21の計時手段により計時記録される。減圧を開始し、下部マンロック6’内の圧力がPに達すると、混合ガス呼吸用マスク12の離脱指令が表示装置10に指示され、作業員は下部マンロック6’内の空気呼吸をして、所定時間マンロック6’内で減圧し、その後、マンシャフト4を移動し、上部マンロック6内に移動する。 作業員が、上部マンロック6に入り、上部マンロック6を遮蔽し、減圧を開始する。その際、前記計時手段により計時された時間Tと作業室の圧力Pをコンピュータ21に管制員が入力する。コンピュータ21は、前記入力されたTとPのデータに応じた減圧プログラムを演算して設定する。高圧空気呼吸の場合は、加圧と減圧は、上部マンロック6内で実施する。
【0024】
0.29〜0.40MPa(ゲージ圧)の範囲の高気圧作業後の減圧プログラムとその演算システムを説明する。
1.作業圧力と作業時間をインプットすると、コンピュータはインプットされた作業圧力に基づいて減圧表圧力区分を判定し、コンピュータに格納された適用減圧表を選択する。
2.減圧開始時刻をインプットすると適用減圧表中の作業時間の範囲を判定し、適用減圧時間を指定する。
3.最初の減圧停止圧力まで減圧が開始され、減圧停止時間を経て、次の減圧停止圧力まで減圧する。
4.圧力0.15〜0.12MPa(ゲージ圧)までの減圧中に、高酸素分圧ガス呼吸用マスク装着準備の指示がなされる。
5.圧力0.12MPa(ゲージ圧)で高酸素分圧ガス呼吸を開始し、計時手段と連動した指示装置から高酸素分圧ガス呼吸25分とエアーブレーク5分というような交互の実施を指示する。
6.以降、大気圧にいたるまで同じ手順を繰り返す。
【0025】
混合ガス呼吸の場合及び高圧空気呼吸の場合の減圧プログラムは、同じである。
【0026】
(4)各種モニタ機能:
上部マンロック6及び下部マンロック6’、及び作業室2には、複数のテレビカメラが設置され、各テレビカメラの映像は、管制室20のモニタテレビに表示され、上部マンロック6及び下部6’には、それぞれ圧力センサ8とガス成分センサ9が設置され、各センサは、管制室20のコンピュータ21とラインで連結され、各センサからのデータは、コンピュータ21を介して管制室20の表示盤にリアルタイムに表示され、作業全体の監視と作業員の安全管理が図られる。高酸素分圧ガス呼吸時の呼気は上部マンロック6外に直接排出しているが、マスク装着の不具合等によりマスクから漏れ出した高酸素分圧ガスは密閉した上部マンロック6内に滞留し、減圧停止圧力を上昇させ、適切な減圧時間が維持できないことが懸念される。そのため、上部マンロック6内の圧力センサ8及びガス成分センサ9により上部マンロック6内の圧力と酸素濃度を検知し、所定圧力、所定酸素濃度に達すると、排気弁Vから強制排気により上部マンロック6内の圧力と酸素濃度を一定に保つものである。
【0027】
(5)通信指揮管制機能:
管制室20には通信手段が設置され、管制室の通信手段は、上部マンロック6及び下部マンロック6’及び作業室2に設置した送受信アンテナとラインにより連結される。上部マンロック6及び下部マンロック6’及び作業室2内で混合ガス呼吸用マスク12または高酸素分圧ガス呼吸用マスク11を装着した状態での作業員の発音に基づく会話は非常に困難であり、特に、混合ガスとしてヘリウムガスを使用すると人間の発声周波数が変化し、非常に聞き取りにくいものとなるので、呼吸用マスク装着時には、骨導音をピックアップして音声変換する骨伝導マイク、または声帯振動をピックアップして音声変換するピエゾマイクなどの人工喉頭技術を応用したマイクを装着することにより、マンロック及び作業室内での作業員同士の会話や、作業員と管制室20内の管制員との会話が自由に行え、情報伝達がスムーズとなり、安全管理に寄与する。さらに、管制室20に送受信アンテナを設置することにより外部との無線通信も可能としている。
【0028】
(6)計時監視記録機能:
減圧プログラムを実施する際、高圧環境下での作業員の作業時間、所定圧力まで減圧すための時間、所定圧力を保圧する時間、所定圧力に減圧された時、高酸素分圧ガス呼吸とエアーブレークを交互に反復する時間を設定管理する。
【0029】
(7)混合ガス及び高酸素分圧ガスの品質を管理する機能:
管制室20のコンピュータ21は、混合ガス供給源15及び高酸素分圧ガス供給源18のそれぞれの供給管の圧力、ガス成分の検知するセンサからのデータが入力され、混合ガス呼吸用マスク12及び高酸素分圧ガス呼吸用マスク11に供給されるガスの品質を管理する。
【0030】
(8)管制員居住機能:
管制室20は、少人数の管制員により管理され、管制室20には所定時間管制員が居住するための設備が設置される。
【0031】
【発明の効果】
マンロック内での減圧プログラムが、圧気潜函内の圧力、圧気潜函内での作業時間をデータとしてコンピュータに入力することにより演算して得られ、該減圧プログラムにより、各種操作、指示及び制御を自動的に実施することができ、高気圧環境下で作業する作業員に一切の負担をかけることなく、高気圧下での作業員の安全な呼吸システムを可能とした。
また、管制室のもつ各種機能により、圧気潜函における呼吸システムの一括集中管理を可能とし、大深度地下掘削のための高気圧環境下で作業する作業員の安全が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧気潜函の一実施例を示す概略図
【図2】本発明の圧気潜函のマンロック内の加減圧及び呼吸用マスクへの呼吸ガスの供給状態を示す概略図
【図3】本発明の第1実施例の圧気潜函の作業室で混合ガス呼吸する場合のマンロックを示す概略図
【図4】本発明の第2実施例の圧気潜函の作業室で高圧空気呼吸する場合のマンロックを示す概略図
【図5】本発明の圧気潜函の管制室を示す概略図
【図6】本発明における加減圧時の呼吸システムを示す図
【符号の説明】
1:圧気潜函
2:作業室
3:天井スラブ
4:マンシャフト
5:マテリアルシャフト
6:上部マンロック
6’:下部マンロック
7:荷重水
8:圧力センサ
9:ガス成分センサ
10:指示装置
11:高酸素分圧ガス呼吸用マスク
12:混合ガス呼吸用マスク
13:圧縮空気源
14:圧縮空気管路
15:混合ガス供給源
16:混合ガス供給ホース
17:潜函内に配管された混合ガス供給路
18:高酸素分圧ガス供給源
19:圧気潜函の天井スラブに配管された混合ガス配管
20:管制室
21:コンピュータ
22:無人掘削機
23:ホスピタルロック

Claims (1)

  1. 圧気潜函に装着したマンロック内の圧力、ガス成分、作業員の状況をリアルタイムでモニタする機能、圧気潜函のマンロック内の圧力を自動加減圧する機能、作業員の圧気潜函内での作業時間及び圧気潜函内の圧力に応じた減圧プログラムを実施するための機能、マンロック内の作業員と通信をする機能、マンロック内の混合ガス呼吸用マスク及び高酸素分圧ガス呼吸用マスクに供給する混合ガス及び高酸素分圧ガスの品質を管理する機能、管制員の居住機能を有し、圧気潜函内における高圧環境下での作業員の安全を一括集中的に管理する機能を有する管制室を圧気潜函外に設け、管制室からの指示及び制御の下で、圧気潜函内で作業を混合ガス呼吸又は高圧空気呼吸により行い、作業後のマンロック内での減圧過程において、一定の減圧停止圧力から大気圧に至るまでの間、高酸素分圧ガス呼吸とマンロック内の高圧空気呼吸とを所定時間交互に反復する減圧プログラムを実施し、該減圧プログラムは、圧気潜函内の圧力、圧気潜函内での作業時間をデータとしてコンピュータに入力することにより演算して得られる減圧プログラムであることを特徴とする大深度圧気潜函における呼吸システム。
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