JP3617581B2 - スケジュール管理装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スケジュール管理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
個人の時間や日程をパーソナルコンピュータ上で管理するスケジューラとよばれるソフトウェアが知られている。この種のスケジューラは一般に、ガントチャート型やカレンダ型の表示画面上に個人のスケジュールを登録したり、登録されているスケジュールを参照したりするものである。スケジュールは、年単位や月単位など目的に応じて表示形式を切り替えることができる。好ましくは、約束のある日時を入力しておくと、約束の時間や指定時間の数分前にアラームが鳴ったり、表示画面上に注意を促すメッセージが表示される。このようなソフトウェアは、従来手帳でおこなっていた時間管理をパーソナルコンピュータ上でおこなえるようにしたものであって、あくまでも個人ベースの時間管理を目的としたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
今日の企業活動においては、ある規定された課題(たとえば新商品の開発、新技術の研究発表、新情報システムの構想紹介など)の達成を目的として、臨時的に編成されたメンバで、期限つきでおこなわれる「共同作業」が大半を占めている。このような共同作業では、解決すべき課題が決定されると、関連部門からその仕事に必要な専門家が集められて、チームが編成される。課題達成のために必要な仕事は分割されてメンバ各人に割り当てられ、メンバは割り当てられた仕事をあたえられた期間内に遂行する。
【0004】
しかしながら、このような共同作業を的確に遂行するためには、各メンバは個人に割り当てられた仕事のみならず、共同作業全体の進捗状況や問題点を、常に正確に把握しておく必要がある。このような共同作業をベースとした人、時間、情報管理を、上述した個人ベースのスケジューラでおこなうのは不可能である。また近年、多数のユーザが利用するネットワーク上でスケジューラを使用する機会が増えてきており、ネットワークユーザによる共同作業の遂行を支援するスケジューラの必要性も高まってきている。
【0005】
この発明の目的は、このような課題を解決するためになされたものであって、複数のメンバによる共同作業の遂行を支援するスケジュール管理装置および方法ならびにスケジュール管理のためのプログラムを格納した記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明によるスケジュール管理装置は、複数のメンバによる共同作業のスケジュールデータを格納するための共同作業データファイルと、メンバ個人のスケジュールデータを格納するための個人データファイルとを具備し、少なくとも上記共同作業の課題に関するデータと、上記課題に設定された一または複数のステップに関するデータと、上記ステップに設定された一または複数の実作業に関するデータの入力を受付け、上記実作業を実行すべきメンバの個人データファイルの所定のアドレスに上記実作業に関するデータを格納し、上記課題に関するデータと上記ステップに関するデータと上記アドレスとを上記共同作業データファイルに格納する共同作業入力手段、上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出して一覧表示する共同作業表示手段、上記実作業が終了した場合に、上記個人データファイルの上記アドレスに実作業が終了したことを表わすデータを格納するチェック手段、上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出し、読み出した実作業が終了しているかどうかで共同作業の進捗状況を判定する際に、上記実作業に関するデータは実作業を完了すべき終了日と高い、普通、低いのいずれかから選択された重要度データとを含んでおり、あらかじめ設定された重要度以上で、かつあらかじめ設定された超過許容日数を過ぎても終了していない実作業の数をカウントし、上記カウント値からあらかじめ設定された基準値と比較し、共同作業の進捗状況を「順調」、「ほぼ順調」、「要注意」及び「危機的状況」のいずれかに判定する共同作業進捗状況判定手段、及び課題と、この課題に設定された一または複数のステップとから構成される共同作業のひな形をあらかじめ登録しておき、共同作業を入力する際に上記ひな形を参照するひな形参照手段、を備えている。
【0007】
この発明によるスケジュール管理方法は、複数のメンバによる共同作業のスケジュールデータを格納するための共同作業データファイルと、メンバ個人のスケジュールデータを格納するための個人データファイルとを具備したサーバコンピュータがスケジュールを管理する方法において、上記サーバコンピュータが、少なくとも上記共同作業の課題に関するデータと、上記課題に設定された一または複数のステップに関するデータと、上記ステップに設定された一または複数の実作業に関するデータの入力を受付ける手順、上記サーバコンピュータが、上記実作業を実行すべきメンバの個人データファイルの所定のアドレスに上記実作業に関するデータを格納する手順、上記サーバコンピュータが、上記課題に関するデータと上記ステップに関するデータと上記アドレスとを上記共同作業データファイルに格納する手順、上記サーバコンピュータが、上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出して一覧表示する手順、上記サーバコンピュータが、上記実作業終了のデータを受け付けた場合に、上記個人データファイルの上記アドレスに実作業が終了したことを表わすデータを格納する手順、上記サーバコンピュータが、上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出す手順、上記サーバコンピュータが、上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出し、読み出した実作業が終了しているかどうかで共同作業の進捗状況を判定する際に、上記実作業に関するデータは実作業を完了すべき終了日と高い、普通、低いのいずれかから選択された重要度データとを含んでおり、あらかじめ設定された重要度以上で、かつあらかじめ設定された超過許容日数を過ぎても終了していない実作業の数をカウントし、上記カウント値からあらかじめ設定された基準値と比較し、共同作業の進捗状況を「順調」、「ほぼ順調」、「要注意」及び「危機的状況」のいずれかに判定する手順、及び上記サーバコンピュータが、共同作業を設計する際に、課題と、この課題に設定された一または複数のステップとから構成されるあらかじめ登録された共同作業のひな形を、参照する手順とからなるものである。
【0008】
ここで「課題」とは、共同作業の最終的な目標、目的、狙いをいう。「ステップ」とは、この課題を解決するまでのプロセスを一または複数の段階に分割したものをいう。「実作業」とは、各ステップに一または複数設定される具体的な作業をいい、スケジュールデータの基本となるデータである。実作業には、おこなう日時や期間があらかじめ正確に決まっている予定や、正確な時間は決まっていないが特定の日や期間内にやらなければならない予定なども含まれる。ステップに設定されている実作業がすべて実行されると、当該ステップは終了したことになる。また課題に係属しているステップがすべて終了すると、当該課題は解決されたことになる。
【0012】
この発明はさらに、プログラムにしたがう処理を実行するCPUと、このCPUがプログラム実行において使用するメモリと、スケジュール管理のためのデータや動作指令を入力する入力装置と、スケジュールデータを表示する表示装置と、複数のメンバによる共同作業のスケジュールデータを格納するための共同作業データファイルおよびメンバ個人のスケジュールデータを格納するための個人データファイルが設けられた記憶装置とを含むコンピュータを制御するプログラムを格納した記録媒体(たとえばフレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROMなど)を提供している。この記録媒体には、少なくとも上記共同作業の課題に関するデータと、上記課題に設定された一または複数のステップに関するデータと、上記ステップに設定された一または複数の実作業に関するデータの入力を受付け、上記実作業を実行すべきメンバの個人データファイルの所定のアドレスに上記実作業に関するデータを格納し、上記課題に関するデータと上記ステップに関するデータと上記アドレスとを上記共同作業データファイルに格納し、上記実作業が終了した場合には、上記個人データファイルの上記アドレスに実作業が終了したことを表わすデータを格納し、上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出して一覧表示し、読み出した実作業が終了しているかどうかで共同作業の進捗状況を判定するように上記コンピュータを制御するためのプログラムが格納されている。
【0013】
【発明の効果】
この発明によると、最初に共同作業の課題(最終目標)を設定し、この課題を達成するまでのプロセスを複数のステップに分割し、ステップごとに具体的な実作業を設定し、実作業ごとに時間を割り振り、メンバに依頼するといった順番で共同作業を設計する。複雑な共同作業を小さな単位に分割して設計するため、共同作業の内容を容易に把握することができ、的確な共同作業の設計が可能になる。
【0014】
共同作業の設計に際には、あらかじめ登録されている課題とこの課題に設定されたステップとから構成されるひな形を参照できる。基本的な課題およびステップや、過去の成功した共同作業の課題およびステップをひな形として登録しておくことにより、共同作業の設計が容易になる。
【0015】
実作業に関するデータは、依頼されたメンバの個人データファイルに格納される。共同作業に関するデータと実作業データが存在する個人データファイルのアドレスは、共同作業データファイルに格納される。共同作業のメンバは誰でも、このアドレスを参照して、共同作業に関係するすべての実作業データを、メンバの個人データファイルから読み出すことができる。情報資源の共有化により、効率的な共同作業の遂行が可能になる。
【0016】
メンバは割り当てられた実作業が終了すると、実作業が終了したことを表すデータ(たとえば実作業が終了した場合には「○」、実作業が終了していない場合には「×」)を個人データファイルの上記アドレスに記入する。登録された実作業が終了したかどうかをチェックするだけで共同作業全体の進捗状況がわかるので、予定を大幅に遅れることなく作業目標を達成することができる。
【0017】
また、期限を過ぎても未チェックのままの実作業数を、あらかじめ設定された条件(重要度および期限超過日数)にしたがってカウントし、カウント値から共同作業の進捗状況を判定するため、重要度に対応した期限管理が可能となる。
【0018】
この発明のさらに他の特徴は、図面を参照して実施例の記載によって明らかになるであろう。
【0019】
【実施例】
(1)システムの構成
図1は、この発明によるスケジュール管理方法を用いたコンピュータシステムの全体構成図である。この発明は、好ましくはクライアント・サーバ型のネットワークシステム上で実現される。ネットワークシステムは、一のサーバコンピュータ1と、複数のクライアントコンピュータ2A、2B、2C、…とを含んでいる。サーバコンピュータ1は、ネットワークに接続されたクライアントコンピュータ2A、2B、2C、…に対して各種のサービスを提供する。クライアントコンピュータ2A、2B、2C、…は、ユーザA、B、C、…によって使用され、サーバコンピュータ1が提供するサービスを利用する。
【0020】
サーバコンピュータ1及びクライアントコンピュータ2A、2B、2C、…としては、いわゆるパーソナルコンピュータが用いられる。パーソナルコンピュータは、プログラムに従う処理を実行するCPU(図示略)と、このCPUがプログラム実行において使用するメモリ(図示略)とを含んでいる。クライアントコンピュータ2A、2B、2C、…にはそれぞれ、各種のスケジュール管理のための基礎データを入力したり、所望のスケジュールデータの出力指令を入力するための入力装置(キーボード、マウスなど)3、スケジュールデータを表示するための表示装置(CRTディスプレイ装置など)4、必要なプログラムやデータを格納するための記憶装置(ハードディスクなど)5が接続される。サーバコンピュータ1には、大容量記憶装置6も接続されている。大容量記憶装置6には、ユーザA、B、C、…のスケジュールデータを格納する個人データファイル6A、6B、6C、…と、後述する共同作業のスケジュールデータを格納する共同作業データファイル6a、6b、…とが設けられている。
【0021】
このネットワークシステムは、いわゆるネットワークOS(オペレーティングシステム)によって制御されている。ネットワークOSはネットワークの通信機能やファイルなどの資源の共有、ユーザの管理などを制御する。クライアントコンピュータ2A、2B、2C、…を利用するユーザA、B、C、…は、サーバコンピュータ1を経由して、記憶装置6に設けられたデータファイル6A、6B、6C、…、6a、6b、…の内容を読み出したり、変更、削除等することができる。
【0022】
この実施例では、2つのアプリケーションソフトウェアが提供される。その1は「個人スケジューラ」と呼ばれるアプリケーションソフトウェアで、ネットワークを利用しているユーザそれぞれが個人の時間、日程を管理するためのものである。好ましくは、約束のある日時を入力しておくと、約束の時間や指定時間の数分前にアラームを鳴らしたり、表示画面上に注意を促すメッセージを表示したりする。その2は「共同作業スケジューラ」と呼ばれるアプリケーションソフトウェアで、ユーザA、B、C、…の中から選ばれた特定のメンバで構成されるチームによって遂行される「共同作業」を支援するためのものである。共同作業スケジューラでは、メンバ全員のスケジュールデータ6A、6B、6C、…の中から共同作業に関するデータだけを読み出し、一覧表示することができる。これらのアプリケーションソフトウェアは記憶装置6を介して相互にデータを共有しているため、個人スケジューラで登録したデータは共同作業スケジューラでそのまま利用され、共同作業スケジューラで行った操作も個人スケジューラに反映されることになる。詳しくは後述する。
【0023】
(2)共同作業データファイル
図2、3は、記憶装置6に設定される共同作業データファイルの一例で、図2は共同作業「社内フォーム集の電子化」のデータファイル6aを、図3は共同作業「外部仕様の設計」のデータファイル6bをそれぞれ示している。これらのデータファイル6a、6b、…は、共同作業の開始にあたって、共同作業スケジューラに従って作成される。共同作業が新しく設計されるたびに、図2、3に示すような共同作業データファイルが記憶装置6内に作成される。
【0024】
共同作業データファイル6a、6b、…には、共同作業の「課題」「メモ」「期間」および「メンバ」データと、共同作業に設定されている各ステップについて、「ステップの名称」「期間」「メモ」「重要度」および「設定されている実作業」データがストアされる。必要に応じて、データの種類を増やしてもよいのはいうまでもない。
【0025】
「課題」は、共同作業の最終的な目標、目的、ねらいで、「社内フォーム集の電子化」や「外部仕様の設計」のような文字列で設定される。「メモ」は、共同作業のスケジュール管理に必要な文字情報が他に存在する場合に用いられる。「期間」は、共同作業の遂行のために設定される時間で、開始日(時)と終了日(時)で指定する。「メンバ」は、この共同作業のために編成されたチームの構成員の名称で、ネットワークを利用しているユーザA、B、C、…の中から任意に選択される。したがって、一のユーザが2以上の共同作業に重複してメンバとして登録されることもある(図2、3のユーザA)。
【0026】
「ステップ」は、上記課題を解決するまでのプロセスを複数の段階に分割したものである。図4は、「課題」と「ステップ」と後述する「実作業」との関係を示している。たとえば課題「社内フォーム集の電子化」を解決するプロセスは、第1ステップ「問題点の把握」、第2ステップ「改善案の作成」、第3ステップ「改善案の提案」、第4ステップ「導入準備」、第5ステップ「試験稼動の実施」及びび第6ステップ「本稼動準備」の6段階に分割することができる。課題解決までのプロセスをより詳細なステップに分割してもよいし、とくに分割する必要がない場合にはステップ「なし」でもよい。これらのステップがすべて終了すると、上記課題が達成されたことになる。各ステップに設定される「期間」は、上記共同作業の「期間」の範囲内で設定される。「重要度」はそのステップが共同作業を遂行するにおいてどの程度重要かを示し、「高い」「普通」および「低い」の3ステップで設定することができる。
【0027】
「実作業」は、各ステップに一または複数個設定される具体的な作業で、スケジュールデータの基本となるデータである。たとえば、第2ステップ「改善案の作成」には、「Y社見学」「新システムの構成」「必要なもののリスト作成」および「予想される経費の算出」の4つの具体的な作業が設定されている。これらの実作業は、共同作業スケジューラ上で、共同作業に参加しているメンバ各人に依頼され、メンバ各人によって実行される。実作業をメンバに依頼すると、依頼されたメンバの個人データファイル6A、6B、6C、…(後述)に実作業に関するデータが書き込まれる。「設定されている実作業」には、この実作業に関するデータが存在する個人データファイル6A、6B、6C、…のアドレスがストアされている。たとえば、共同作業「社内フォーム集の電子化」の第2ステップ「改善案の作成」に設定されている実作業に関するデータは、ユーザAの個人データファイル6Aのアドレス「A07」「A08」および「A09」と、ユーザBの個人データファイル6Bのアドレス「B02」「B03」および「B04」にストアされている(後述する図5および図6参照)。これらの実作業がユーザA、Bによってすべて実行されると、第2ステップ「改善案の作成」は終了したことになる。
【0028】
実作業を、行う日時や期間があらかじめ決まっている予定と、正確な時間は決まっていないものの特定の日や期間内にやらなければならない予定とに分けて処理するように構成してもよい。
【0029】
(3)個人データファイル
図5、6、7は、記憶装置6に設けられた個人データファイルの一例で、図5はユーザAの個人データファイル6Aを、図6はユーザBの個人データファイル6Bを、図7はユーザCの個人データファイル6Cをそれぞれ示している。これらの個人データファイル6A、6B、6C、…は、ネットワークを利用しているユーザA、B、C、…の個人スケジュールを管理するために必要なデータをストアしておくためのものである。ネットワークユーザが増えると、図5、6、7に示すような個人データファイルが新たに記憶装置6に作成される。
【0030】
個人データファイル6A、6B、6C、…にストアされるスケジュールデータは、それぞれ「課題」「ステップ」「実作業」「期間」「終了チェック」「重要度」および「メモ」の7種類のデータから構成されている。必要に応じてこれらの項目を増やしてもよいのはいうまでもない。
【0031】
「課題」「ステップ」および「実作業」は上述した通りである。「期間」は、各実作業に割り当てられた時間で、開始日(時)と終了日(時)で指定する。ユーザAの個人データファイル6A(図5参照)のアドレス「A01」にストアされているデータのように、開始日「96/08/26」だけで指定した場合は、その日1日が実作業に割り当てられたことになる。「終了チェック」は、実作業が終了したかどうかを示し、実作業が終了した時点で各ユーザA、B、C、…が個人スケジューラ上で記入する。「○」はすでに終了したことを意味し、「×」はまだ終了していないことを意味している。「重要度」は、実作業がどの程度重要かを示している。「メモ」は、スケジュール管理に必要な情報が他に存在する場合に用いられる。
【0032】
これらの個人のスケジュールデータは、基本的には各ユーザA、B、C、…が個人スケジューラ上で設定する。この場合に、個人データファイル6B(図6参照)のアドレス「B01」のデータ(ビル内内線一覧の作成)や、個人データファイル6C(図7参照)のアドレス「C05」のデータ(X氏に会う)のように、課題およびステップを省略して実作業だけを登録してもよい。個人データファイル6Aのアドレス「A06」から「A13」のデータのように、共同作業の設計者が共同作業スケジューラ上で設定した実作業データが書き込まれるのは上述した通りである。
【0033】
(4)共同作業スケジューラ
図8は、「共同作業スケジューラ」のメイン画面である「共同作業スケジューラ」ウィンドウの一例である。図8では、共同作業「社内フォーム集の電子化」のデータが表示装置4の画面上に表示されている。この「共同作業スケジューラ」ウィンドウ=10は、共同作業「社内フォーム集の電子化」に参加しているユーザ(チームのメンバ)であれば誰でも開くことができる。
【0034】
「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10には、共同作業の遂行のために編成されたメンバA、Bの個人データファイル6A、6Bの中から、当該共同作業に関する実作業データを読み出し、ステップに関連付けて一覧表示する領域11が設けられている。表示領域11の「内容」の欄12には、共同作業「社内フォーム集の電子化」に設定されている6つのステップの名称13が順番に表示されている。各ステップ13の下には、各ステップに設定されている一または複数の実作業の名称14が字下げして表示されている。実作業名14の先頭には、データの属性をグラフィック表示するアイコン15、16、17が表示されている。アイコン15は、この実作業が終了チェック済みであることを表している。アイコン16は、実作業が未チェックであることを表している。アイコン17は、既に期間を超過しているにもかかわらず実作業が未チェックのままであることを表している。これらのアイコン15、16、17の形状から、各ステップがどの程度進捗しているかを容易に把握することができる。「担当者」の欄18には、各実作業の担当者(この例ではユーザAとユーザB)の名前19が表示されている。「期間」の欄20、「メモ」の欄21および「重要度」の欄22には、担当者の個人データファイル6A、6Bから読み出した実作業データが表示されている。表示領域11に表示されている任意のステップ13または実作業14の上にマウスポインタ23を移動してマウスをクリックすると、マウスポインタ23上のステップ13または実作業14の行が反転表示され、ステップまたは実作業が選択される。
【0035】
「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10には、ユーザが選択可能な8つのボタン24、25、26、27、28、29、30、31が並んでいる。表示領域11のステップ13が表示されている行を反転表示させ、「実作業」ボタン24の上にマウスポインタ23を移動してマウスをクリックすると、後述する「実作業の登録」ダイアログボックス40が開かれる。「変更」ボタン25をクリックすると、表示領域11で選択されたステップ13または実作業14の内容の変更が可能になる。「削除」ボタン26をクリックすると、表示領域11で選択されたステップ13または実作業14が削除される。共同作業の設計者だけがデータの内容を変更したり削除をできるように構成してもよい。「表示」ボタン27をクリックすると、表示領域11内のデータの表示順が、図8のようなステップ順からメンバ順に切り替わる。図9は、メンバ順にスケジュールデータを表示する「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10の一例である。実作業の名称14が、その実作業を担当しているメンバの名前19の下に順に表示されるので、担当者のうち誰の作業が遅れているかを容易に知ることができる。「期間」ボタン28をクリックすると、表示領域11に表示されるデータを任意の期間に限定することができる。「切替」ボタン29は、「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10を開いたユーザが他に重複して参加している共同作業がある場合に、表示する共同作業を切り替えるためのものである。「伝言板」ボタン30をクリックすると、共同作業のメンバの間での情報交換に利用される伝言板の登録や参照が可能になる。「状況参照」ボタン31をクリックすると、後述する「状況参照」ウィンドウ50が開かれる。
【0036】
図10は、「実作業」ボタン24をクリックしたときに表示される「実作業の登録」ダイアログボックスの一例を示している。「実作業の登録」ダイアログボックス40では、選択されたステップ13(表示領域11で反転表示されている)に新しい実作業を登録し、登録した実作業をメンバに依頼することができる。登録された実作業はメンバの個人データファイル6A、6B、6C、…にも書き込まれるので、個人スケジューラでも参照できるようになる。
【0037】
「実作業の登録」ダイアログボックス40には、実作業の名称を入力する領域41、メモを入力する領域42、実作業に割り当てられる期間を入力する領域43、実作業の担当者を入力する領域44、実作業の重要度を入力する領域45と、ユーザが選択可能な3つのボタン46、47、48が設けられている。入力装置3を用いて領域41〜45に必要なデータを入力し、登録ボタン46をクリックすると、これらの実作業データは領域44に入力された担当者の個人データファイル6A、6B、6C、…の所定のアドレスに、自動的にストアされる。実作業データがストアされた個人データファイル6A、6B、6C、…のアドレスは、当該共同作業のデータファイル6a、6b、…にストアされる。あらかじめ条件を設定しておいて、条件を満たさない実作業についてはメンバ側から拒否できるように構成してもよい。
【0038】
図11は、「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10の表示の流れを示すフローチャートである。共同作業スケジューラが起動されると、クライアントコンピュータ2A、2B、2C、…に接続されている表示装置3の画面上に「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10を表示する(ステップ100)。行カウンタNの内容が初期化される(ステップ101)。共同作業に登録されている最初のステップの「名称」「期間」「メモ」「重要度」および「設定されている実作業のアドレス」データを、共同作業データファイル6a、6b、…から読み出す(ステップ102)。行カウンタNの内容をインクリメントし(ステップ103)、読み出したステップの「名称」「期間」「メモ」および「重要度」データを、表示領域11のN(=1)行目に表示する(ステップ104)。各ステップに設定されている実作業データを、ステップの下に順に表示する(ステップ105)。共同作業に登録されているステップがまだ残っている場合は(ステップ106でYes)、ステップ102からステップ106までの処理が繰り返される。
【0039】
図12は、実作業のデータをステップの下に表示する処理の流れを示すフローチャートである。個人データファイル6A、6B、6C、…の上記アドレスから、実作業の「名称」「期間」「終了チェック」「重要度」および「メモ」データを読み出す(ステップ107)。行カウンタNの内容をインクリメントする(ステップ108)。表示行を1文字分字下げし(ステップ109)、実作業が終了チェック済みの場合には(ステップ110でYes)、N行目にアイコン15を表示する(ステップ111)。実作業が既に期間を超過しているにもかかわらず未チェックの場合には(ステップ112でYes)、N行目にアイコン17を表示する(ステップ113)。その他の場合には(ステップ112でNo)、N行目にアイコン16を表示する(ステップ114)。表示領域11の同じ行に、実作業の「名称」「担当者」「期間」「メモ」および「重要度」データを表示する(ステップ115)。ステップに登録されている実作業がまだ残っている場合は(ステップ116でYes)、ステップ107からステップ116までの処理が繰り返される。
【0040】
(5)共同作業の進捗状況の参照
図13は、「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10の「状況参照」ボタン31をクリックしたときに表示される「進捗状況参照」ウィンドウの一例である。「進捗状況参照」ウィンドウ50には、共同作業の進捗状況をガントチャート表示する表示領域51が設けられている。表示領域51の上部には、日時を表す目盛り52が共同作業の期間の範囲内で表示されている。これに対応して、登録されている複数のステップの期間が矢線53で表示されている。矢線53の下にはステップの名称54が表示されている。ステップの名称54の後ろには、各ステップに登録されている実作業について(未終了実作業数/全実作業数)が表示されている。
【0041】
「進捗状況参照」ウィンドウ50にはまた、共同作業の進捗状況についてのコメントを表示する「状況コメント」表示領域55、天候をイメージさせるアニメーションを表示する「状況アニメーション」表示領域56とが設けられている。期限を過ぎても未チェックのままの実作業数をあらかじめ設定された条件にしたがってカウントし、判定基準にしたがって「順調」「ほぼ順調」「要注意」および「危機的状況」の4段階に進捗状況を分類し、これに対応したコメントおよびアニメーションを表示領域55、56に表示する。
【0042】
このカウント条件および判定基準は、共同作業の設計者によってあらかじめ設定される。共同作業の設計者は、カウントすべき実作業について2つの条件を設定することができる。その1は超過許容日数で、設定した許容日数を超えているにもかかわらず終了チェックされていない実作業の数がカウントされる。たとえば超過許容日数を1日に設定した場合は、期限を1日過ぎた実作業はカウントされず、期限を2日過ぎた実作業からカウントされることになる。逆に超過許容日数を−(マイナス)1日と指定した場合には、期限の前日もカウントされることになる。その2は重要度で、「高い」「普通」「低い」のいずれかから選択され、設定した重要度以上の実作業がカウントの対象となる。判定基準は「順調」の最大件数、「ほぼ順調」の最大件数および「要注意」の最大件数で指定する。「要注意」の最大件数を超えた場合には「危機的状況」と判定される。これらのカウント条件および判定基準は、共同作業の設計者が後述する「共同作業の設計」ダイアログボックス70上で共同作業を設計する際に設定される。
【0043】
図14は、「進捗状況参照」ウィンドウ50の表示の流れを示すフローチャートである。「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10の「状況参照」ボタン31がクリックされると、表示装置3の画面上に「進捗状況参照」ウィンドウ50を表示する(ステップ200)。表示領域51の上部に共同作業の期間の範囲内で目盛り52を表示し(ステップ201)、カウンタNの内容を初期化する(ステップ202)。登録されている最初のステップの期間を領域51に矢線53で表示し(ステップ203)、矢線53の下にステップの名称と(未終了実作業数/全実作業数)を表示する(ステップ204)。ステップに登録されている実作業が未チェックのままで(ステップ205でYes)、設定された超過許容日数を超えており(ステップ206でYes)、設定された重要度以上の場合には(ステップ207でYes)、カウンタNの内容がインクリメントされる(ステップ208)。この3つの条件を満たさない場合には(ステップ205、206、207でNo)、実作業はカウントされない。ステップに登録されている実作業がまだ残っている場合は(ステップ209でYes)、ステップ205からステップ209までの処理が繰り返される。共同作業に登録されているステップがまだある場合は(ステップ210でYes)、ステップ203からステップ220までの処理が繰り返される。カウンタNの値から進捗状況を判定し、「状況コメント」および「状況アニメーション」を表示して(ステップ211)、処理を終了する。
【0044】
図15は、「状況コメント」および「状況アニメーション」の表示処理の流れを示すフローチャートである。上記カウンタNの値が、あらかじめ設定されている「順調」時の最大件数以内の場合には(ステップ212でYes)、表示領域55に「スケジュール通りに進捗しています。」というコメントを表示し(ステップ213)、表示領域56に「晴れ」のアニメーションを表示する(ステップ214)。カウンタNの値が、「ほぼ順調」時の最大件数以内の場合には(ステップ215でYes)、表示領域55に「ほぼスケジュール通りに進捗していますが、一部見直しが必要かもしれません。」というコメントを表示し(ステップ216)、表示領域56に「曇り」のアニメーションを表示する(ステップ217)。カウンタNの値が、「要注意」時の最大件数以内の場合には(ステップ218でYes)、表示領域55に「要注意な状況です。ステップレベルでの見直しが必要かもしれません。」というコメントを表示し(ステップ219)、表示領域56に「雨」のアニメーションを表示する(ステップ220)。カウンタNの値が、「要注意」時の最大件数よりも大きい場合には(ステップ218でYes)「危機的状況」と判定され、表示領域55に「危機的状況です。共同作業全体の見直しが必要です。」というコメントを表示し(ステップ221)、表示領域56に「嵐」のアニメーションを表示する(ステップ222)。
【0045】
以上のように「進捗状況参照」ウィンドウ50では、共同作業の進捗状況を視覚的に把握することができる。また判定基準は共同作業の設計者が設定することができるので、共同作業の種類にあった判定が可能となる。
【0046】
(6)注意報の表示
図16は「注意」ウィンドウの一例である。「注意」ウィンドウ60は、期限を超過した実作業や期限が直前に迫ってきている実作業が存在する場合に、共同作業スケジューラを起動したときに「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10に先立って表示される。「注意」ウィンドウ60には、期限超過または期限直前の実作業が一覧表示される領域61と、当該実作業が割り当てられた担当者名が表示される領域62と、当該実作業の期限が表示される領域63とが設けられている。「注意」ウィンドウ60にはまた、確認のための「OK」ボタン64、上述した「進捗状況参照」ウィンドウ50を表示させるための「状況参照」ボタン65および「ヘルプ」ボタン66が設けられている。「OK」ボタン64がクリックされると、「注意」ウィンドウ60が閉じられ、「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10が表示画面上に表示される。共同作業の設計者は、期限切れ何日後または期限切れ何日前に「注意」ウィンドウ60を表示するかを、後述する「共同作業の設計」ダイアログボックス70上で共同作業を設計する際に設定する。
【0047】
(7)共同作業の設計
図17は、共同作業を新規に登録するための「共同作業の設計」ダイアログボックス70の一例である。「共同作業の設計」ダイアログボックス70には、「名称」入力領域71、「メモ」入力領域72、「期間」入力領域73、「メンバ」入力領域74、「ステップ」表示領域75、「新規」ボタン76、「変更」ボタン77、「削除」ボタン78、「登録」ボタン79、「キャンセル」ボタン80、「ひな形参照」ボタン81、「注意設定」ボタン82、「状況設定」ボタン83および「ヘルプ」ボタン84が設けられている。
【0048】
「名称」入力領域71には、共同作業の最終目標(課題)を文字列で入力する。「メモ」入力領域72には、共同作業を遂行するにあたって必要な情報を入力する。「期間」入力領域73には、共同作業の開始予定日(時)および終了予定日(時)を入力する。カレンダ型の日付選択ダイアログボックスを表示し、マウスを使って日付を入力できるように構成してもよい。「メンバ」入力領域74には、ネットワークユーザA、B、C、…の中から共同作業に参加するメンバを選択して入力する。ネットワークユーザA、B、C、…を所属部別にツリー状に表示し、マウスを使って選択ができるようにしてもよい。ステップ表示領域75には、共同作業に設定されたステップが順に一覧表示される。「新規」ボタン76をクリックすると、後述する「ステップの登録」ダイアログボックス85が開かれ、ステップの登録が可能になる。「変更」ボタン77をクリックすると、ステップ表示領域75内で選択されたステップの内容が表示され、ステップの内容の変更が可能になる。「削除」ボタン78をクリックすると、ステップ表示領域75内で選択されたステップが削除される。「登録」ボタン79をクリックすると、画面に表示された内容で共同作業が登録される。「キャンセル」ボタン80をクリックすると、共同作業の登録が中止される。「ひな形参照」ボタン81をクリックすると、後述する「ひな形の参照」ダイアログボックス93が開かれ、あらかじめ登録されているひな形を利用して共同作業を設計することが可能になる。「注意設定」ボタン82をクリックすると、上述した「注意」ウィンドウ60に表示させる実作業データの条件を設定することができる。「状況設定」ボタン83をクリックすると、上述した「進捗状況参照」ウィンドウ50において進捗状況を判定する際の判定基準を設定することが可能になる。
【0049】
図18は、「共同作業の設計」ダイアログボックス70の「新規」ボタン76をクリックしたときに表示される「ステップの登録」ダイアログボックス85の一例である。「ステップの登録」ダイアログボックス85には「名称」入力領域86、「メモ」入力領域87、「期間」入力領域88、「重要度」入力領域89と、「登録」ボタン90、「キャンセル」ボタン91、「ヘルプ」ボタン92が設けられている。領域86〜89に必要なステップデータを入力して「登録」ボタン90をクリックすると、当該ステップが共同作業に登録され、ステップの名称が「共同作業の設計」ダイアログボックス70の表示領域75に表示されることになる。
【0050】
図19は、「共同作業の設計」ダイアログボックス70の「ひな形参照」ボタン81をクリックしたときに表示される「ひな形の参照」ダイアログボックス93の一例である。「ひな形の参照」ダイアログボックス93には、登録されているひな形の課題を表示する領域95、当該課題に付随する複数のステップが表示される領域96、「登録」ボタン97、「キャンセル」ボタン98、「ヘルプ」ボタン99が設けられている。領域95に表示されている課題を選択し「登録」ボタン97をクリックすると、付随しているすべてのステップがステップデータとして登録される。たとえば課題「トラブルシューティング」を選択すると、ステップ「調査作業」「問題点の把握」および「改善案の提案」のすべてがステップデータとして登録され、「共同作業の設計」ダイアログボックス70の表示領域75にこれらのステップが表示される。
【0051】
「トラブルシューティング」「資料の作成」「システムの改善」「ユーザへのアプローチ」といった基本的な課題と、その課題を解決するまでの基本的なステップをあらかじめ登録しておくことにより、これらを利用することによって共同作業の設計が容易になる。また過去の成功したプロジェクトの課題およびステップを蓄積しておくことにより、共同作業を最適な方法で設計することが可能となる。
【0052】
図20から図22は、共同作業の設計の流れを示すフローチャートである。まず「共同作業の設計」ダイアログボックス70を表示装置3の画面上に表示する(ステップ300)。共同作業の名称、メモ、期間およびメンバの入力を受け付ける(ステップ301)。「ひな形参照」ボタン81がクリックされた場合には(ステップ302でYes)、「ひな形の参照」ダイアログボックス93を表示画面上に表示する(ステップ307)。登録されている課題の選択を受け付け(ステップ308)、「登録」ボタン97がクリックされると(ステップ309でYes)、選択された課題に付随する複数のステップをステップデータとして登録し、「共同作業の設計」ダイアログボックス70に戻る。
【0053】
「共同作業の設計」ダイアログボックス70の「新規」ボタン76がクリックされた場合には(ステップ303でYes)、「ステップの登録」ダイアログボックス85を表示画面上に表示する(ステップ304)。ステップの名称、メモ、期間および重要度の入力を受け付ける(ステップ305)。ステップデータが入力され、「登録」ボタン90がクリックされると(ステップ306でYes)、「共同作業の設計」ダイアログボックス70の領域75に当該ステップの名称が表示される。「登録」ボタン79がクリックされると(ステップ310でYes)、記憶装置6に新しい共同作業データファイルを作成し、入力された共同作業に関するデータをストアする(ステップ311)。
【0054】
図8に示すような「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10を表示画面上に表示する。「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10の領域11に、登録された一または複数のステップの名称、期間、メモおよび重要度を順に表示する(ステップ312)。この時点で実作業は表示されない。マウスポインタ23によって領域11内のステップが選択され、「実作業」ボタン24がクリックされると(ステップ313でYes)、「実作業の登録」ダイアログボックス40を表示画面上に表示する(ステップ314)。「実作業の登録」ダイアログボックス40上で実作業の名称、メモ、期間、担当者および重要度の入力を受付ける(ステップ315)。「登録」ボタン46がクリックされた場合には(ステップ316でYes)、担当者の個人データファイル6A、6B、6C、…の所定のアドレスに入力された実作業データをストアする(ステップ317)。実作業データがストアされた個人データファイル6A、6B、6C、…のアドレスを、共同作業データファイルにストアする(ステップ318)。最後に「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10の領域11の当該ステップの下に、入力された実作業データを順に表示して(ステップ319)、処理を終了する。
【0055】
このように、最初に共同作業の課題を設定し、この課題を達成するまでのプロセスを複数のステップに分割し、ステップごとに具体的な実作業を設定し、実作業ごとに時間を割り振り、メンバに依頼するといった順番で共同作業が設計される。
【0056】
上述したように、個人データファイル6A、6B、6C、…にストアされる実作業データは必要に応じて増やしてもよい。たとえば、作成したデータファイルの名前とそのデータファイルを作成したアプリケーションソフトウェア(ワードプロセッサや表計算ソフト)の名前をストアし、共同作業スケジューラ上で当該ソフトウェアを容易に(たとえばアイコンをクリックして)起動できるように構成してもよい。
【0057】
たとえば、共同作業の設計者が「レポート作成」という実作業をメンバに依頼したとする。実作業を依頼されたメンバはワードプロセッサ上でレポートを作成し、終了チェックをするとともに、作成したレポートのファイル名とそのレポートを作成したワードプロセッサのコマンド名を登録しておく。「共同作業スケジューラ」ウィンドウ10上には、終了チェックされた当該実作業データと、ワードプロセッサを起動しレポートデータを開くためのアイコンが表示される。共同作業の設計者は、共同作業スケジューラ上で当該実作業が終了していることを確認し、同時に作成されたレポートの内容を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるスケジュール管理方法を用いたコンピュータシステムの全体構成図である。
【図2】共同作業データファイルの一例である。
【図3】共同作業データファイルの一例である。
【図4】「課題」と「ステップ」と「実作業」との関係を示している。
【図5】個人データファイルの一例である。
【図6】個人データファイルの一例である。
【図7】個人データファイルの一例である。
【図8】「共同作業スケジューラ」ウィンドウの一例である。
【図9】「共同作業スケジューラ」ウィンドウの一例である。
【図10】「実作業の登録」ダイアログボックスの一例を示している。
【図11】「共同作業スケジューラ」ウィンドウの表示の流れを示すフローチャートである。
【図12】実作業のデータをステップの下に表示する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】「進捗状況参照」ウィンドウの一例である。
【図14】「進捗状況参照」ウィンドウの表示の流れを示すフローチャートである。
【図15】「状況コメント」および「状況アニメーション」の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】「注意」ウィンドウの一例である。
【図17】「共同作業の設計」ダイアログボックスの一例である。
【図18】「ステップの登録」ダイアログボックスの一例である。
【図19】「ひな形の参照」ダイアログボックスの一例である。
【図20】共同作業の設計の流れを示すフローチャートである。
【図21】共同作業の設計の流れを示すフローチャートである。
【図22】共同作業の設計の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 サーバコンピュータ
2A、2B、2C クライアントコンピュータ
3 入力装置
4 表示装置
5、6 記憶装置
6A、6B、6C 個人データファイル
6a、6b 共同作業データファイル
10、50、60 ウィンドウ
11、51、55、56、61、62、63、75、94、 95、96 表示領域
12、18、20、21、22 欄
13 ステップ名
14 実作業名
15、16、17 アイコン
19 担当者氏名
23 マウスポインタ
24、25、26、27、28、29、30、31、46、47、48、57、64、65、66、76、77、78、79、80、81、82、83、84、90、91、92、97、98、99 ボタン
40、70、85、93 ダイアログボックス
41、42、43、44、45、71、72、73、74、86、87、88、89 入力領域
52 日時を表す目盛り
53 矢線
54 ステップの名称
Claims (2)
- 複数のメンバによる共同作業のスケジュールデータを格納するための共同作業データファイルと、メンバ個人のスケジュールデータを格納するための個人データファイルとを具備し、
少なくとも上記共同作業の課題に関するデータと、上記課題に設定された一または複数のステップに関するデータと、上記ステップに設定された一または複数の実作業に関するデータの入力を受付け、上記実作業を実行すべきメンバの個人データファイルの所定のアドレスに上記実作業に関するデータを格納し、上記課題に関するデータと上記ステップに関するデータと上記アドレスとを上記共同作業データファイルに格納する共同作業入力手段、
上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出して一覧表示する共同作業表示手段、
上記実作業が終了した場合に、上記個人データファイルの上記アドレスに実作業が終了したことを表わすデータを格納するチェック手段、
上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出し、読み出した実作業が終了しているかどうかで共同作業の進捗状況を判定する際に、上記実作業に関するデータは実作業を完了すべき終了日と高い、普通、低いのいずれかから選択された重要度データとを含んでおり、あらかじめ設定された重要度以上で、かつあらかじめ設定された超過許容日数を過ぎても終了していない実作業の数をカウントし、上記カウント値からあらかじめ設定された基準値と比較し、共同作業の進捗状況を「順調」、「ほぼ順調」、「要注意」及び「危機的状況」のいずれかに判定する共同作業進捗状況判定手段、及び
課題と、この課題に設定された一または複数のステップとから構成される共同作業のひな形をあらかじめ登録しておき、共同作業を入力する際に上記ひな形を参照するひな形参照手段、を備えたスケジュール管理装置。 - 複数のメンバによる共同作業のスケジュールデータを格納するための共同作業データファイルと、メンバ個人のスケジュールデータを格納するための個人データファイルとを具備したサーバコンピュータがスケジュールを管理する方法において、
上記サーバコンピュータが、少なくとも上記共同作業の課題に関するデータと、上記課題に設定された一または複数のステップに関するデータと、上記ステップに設定された一または複数の実作業に関するデータの入力を受付ける手順、
上記サーバコンピュータが、上記実作業を実行すべきメンバの個人データファイルの所定のアドレスに上記実作業に関するデータを格納する手順、
上記サーバコンピュータが、上記課題に関するデータと上記ステップに関するデータと上記アドレスとを上記共同作業データファイルに格納する手順、
上記サーバコンピュータが、上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出して一覧表示する手順、
上記サーバコンピュータが、上記実作業終了のデータを受け付けた場合に、上記個人データファイルの上記アドレスに実作業が終了したことを表わすデータを格納する手順、
上記サーバコンピュータが、上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出す手順、
上記サーバコンピュータが、上記共同作業データファイルに格納されている上記アドレスを参照して、上記一または複数の個人データファイルから当該共同作業に関する実作業データを読み出し、読み出した実作業が終了しているかどうかで共同作業の進捗状況を判定する際に、上記実作業に関するデータは実作業を完了すべき終了日と高い、普通、低いの いずれかから選択された重要度データとを含んでおり、あらかじめ設定された重要度以上で、かつあらかじめ設定された超過許容日数を過ぎても終了していない実作業の数をカウントし、上記カウント値からあらかじめ設定された基準値と比較し、共同作業の進捗状況を「順調」、「ほぼ順調」、「要注意」及び「危機的状況」のいずれかに判定する手順、及び
上記サーバコンピュータが、共同作業を設計する際に、課題と、この課題に設定された一または複数のステップとから構成されるあらかじめ登録された共同作業のひな形を、参照する手順とからなることを特徴とするスケジュール管理方法。
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