JP3617551B2 - ブテン−1,4−ジカルボン酸類の製造方法 - Google Patents
ブテン−1,4−ジカルボン酸類の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はブテン−1,4−ジカルボン酸類を製造する方法に関するものである。この化合物は水素化により有用なポリマー原料であるアジピン酸に誘導される価値ある中間原料である。
【0002】
【従来の技術】
官能基を有するオレフィン化合物を触媒の存在下で二量化させる反応は、2つの官能基をもつ縮合性モノマーの合成方法として利用価値が高い。アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクロレインなどの共役した電子吸引基を有するオレフィン類の直鎖二量化に関しては、Pd、Ru、Rh、Niなどの化合物を触媒に用いる液相での報告が多くなされている(特開昭63−17845号公報、特開昭64−68340号公報、特開昭60−97934号公報、米国特許第4504674号、J. Org. Chem., vol. 48, 5364 (1983)、J. Amer. Chem. Soc.,vol. 87, 5638 (1965)など参照)。
触媒を用いた方法ではないが、アクリル酸又はメタクリル酸の直鎖二量化としては電解二量化による方法が知られているが、低効率のため高コストとなり、実用的ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、触媒を用いたアクリル酸又はメタクリル酸(以下、(メタ)アクリル酸という)の直鎖二量化に関する報告は殆どみられない。その主な原因として、(メタ)アクリル酸がフリーのカルボン酸基を有するため、触媒金属に対する配位が炭素炭素二重結合でなくカルボン酸基でなされるために、望むべき触媒作用が発揮されにくいことや、(メタ)アクリル酸のカルボン酸基が(メタ)アクリル酸の炭素炭素二重結合部に熱的に付加しやすいことなどが考えられる。
【0004】
触媒を用いた方法により(メタ)アクリル酸を直鎖二量化してブテン−1,4−ジカルボン酸類を製造する方法は、望まれながらも困難なものであった。アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸とは上記のように触媒反応における反応機構が異なるため、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの直鎖二量化で用いられている触媒をそのまま(メタ)アクリル酸の直鎖二量化触媒に適用することはできない。事実、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの直鎖二量化に関してはPd、Ru、Rh、Niなどの化合物が触媒として有効に作用するにもかかわらず、(メタ)アクリル酸の直鎖二量化に関してはPdやRhなどの化合物は殆ど触媒作用を示さない。
本発明は有効な触媒を見つけることによって(メタ)アクリル酸を直鎖二量化してブテン−1,4−ジカルボン酸類を製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(メタ)アクリル酸を原料とし、種々の化合物を触媒として適用したところ、PdやRhなどの化合物は触媒作用を示さないが、Ru(ルテニウム)とその化合物が(メタ)アクリル酸の直鎖二量化反応に有効に作用することを見出した。すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸を、Ru又はその化合物を含む触媒の存在下で、液相にて直鎖二量化させることによりブテン−1,4−ジカルボン酸類を製造する。アクリル酸を原料とした場合、生成するブテン−1,4−ジカルボン酸類は1−ブテン−1,4−ジカルボン酸と2−ブテン−1,4−ジカルボン酸を含み、メタクリル酸を原料とした場合、生成するブテン−1,4−ジカルボン酸類は1,4−ジメチル−1−ブテン−1,4−ジカルボン酸と1,4−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジカルボン酸を含む。
【0006】
この直鎖二量化反応は溶媒の存在下でも溶媒のない状態でも進行する。溶媒を使用する場合は、溶媒としては水、アルコール又はアミドが好ましい。溶媒の添加は、直鎖2量化反応を促進させると同時に、主な副反応物であるダイマー酸(3−アクリロイルオキシプロオン酸)の生成を抑制する効果がある。特に、水やアルコールなどの弱いプロトン性溶媒や、N−メチルピロリドンやジメチルホルムアミドなどのカルボアミド系溶媒が、直鎖2量化反応をよく促進させるため、好ましい結果を与える。
【0007】
反応系にホスフィン化合物を添加すると、ホスフィン化合物は触媒としてのルテニウムイオンに配位し、(メタ)アクリル酸のカルボン酸基がルテニウムに配位するのを阻止してルテニウムの触媒作用を活性化する。
反応系の雰囲気は特に限定されず、窒素、水素、アルゴン、二酸化炭素などが使用できる。圧力は大気圧から数気圧までの範囲で反応を行なわせることができる。
【0008】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
100mlのオートクレーブに原料のアクリル酸10g、触媒としての塩化ルテニウム3水和物(RuCl3・3H2O)0.2g、添加剤としてのトリフェニルホスフィン0.2g、溶媒としてのアミドであるN−メチルピロリドン10g、重合禁止剤としてのハイドロキノン0.05gを仕込み、雰囲気を窒素で置換した後、120℃に昇温し、3時間撹拌して反応させた。冷却後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、アクリル酸の転化率が45%であり、アクリル酸直鎖二量体(1−ブテン−1,4−ジカルボン酸及び2−ブテン−1,4−ジカルボン酸の混合物)が選択率58%で得られた。他の生成物としては、主にダイマー酸(2−アクリロイルオキシプロピオン酸)が選択率31%、ラクトン類が選択率11%で得られた。結果を表1に示す。
【0009】
ここで、(メタ)アクリル酸の転化率と生成物の選択率は次のように定義する。
アクリル酸を原料とした場合:
アクリル酸の転化率(%)=消費されたアクリル酸(モル数)×100/原料アクリル酸(モル数)
生成物の選択率(%)=その生成物(モル数)×2×100/消費されたアクリル酸(モル数)
メタクリル酸を原料とした場合も同様である。
【0010】
(実施例2)
実施例1において、触媒として塩化ルテニウム3水和物の代わりに酢酸ルテニウム0.2gを用い、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なったところ、表1に示す結果を得た。
【0011】
(実施例3)
実施例1において、触媒として塩化ルテニウム3水和物の代わりに活性炭担持のルテニウム金属触媒1.0gを用い、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なったところ、表1に示す結果を得た。
(実施例4)
実施例1において、反応条件として反応温度を下げて100℃とした他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
【0012】
(実施例5)
実施例1において、溶媒を使用せず、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
(実施例6)
実施例1において、添加剤のトリフェニルホスフィンを使用せず、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
【0013】
(実施例7)
実施例1において、添加剤のトリフェニルホスフィンの代わりにトリ−n−ブチルホスフィン0.2gを使用し、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
(実施例8)
実施例1において、溶媒としてN−メチルピロリドンの代わりに水10gを使用し、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
【0014】
(実施例9)
実施例1において、溶媒としてN−メチルピロリドンの代わりにイソプロピルアルコール10gを使用し、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
(実施例10)
実施例1において、溶媒としてN−メチルピロリドンの代わりにt−ブチルアルコール10gを使用し、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
【0015】
(比較例1)
実施例1において、触媒を使用せず、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって反応を行なわせたところ、表1に示されるように直鎖二量体であるブテン−1,4−ジカルボン酸類は全く得られなかった。
【0016】
(比較例2)
触媒として、J. Org. Chem. vol. 48, 5364 (1983) にアクリル酸エステルの2量化に有効な触媒として記載されている触媒 [Pd(CH3CN)4](BF4)2, LiBF4を使用した。ガラス製フラスコに [Pd(CH3CN)4](BF4)2 0.2g, LiBF4 1.0g、アクリル酸10g、ハイドロキノン0.02gを仕込み、40℃で15時間撹拌して反応させた。生成物を分析したところ、アクリル酸の転化率は14.3%であったが、直鎖2量体の生成は全く認められず、ダイマー酸が生成しているのみ(ダイマー酸の選択率100%)であった。
【0017】
(比較例3)
触媒として、J. Amer. Chem. Soc., vol. 87, 5638 (1965) にアクリル酸エステルの2量化に有効な触媒として記載されている触媒 RhCl3・3水和物を使用した。100mlのオートクレーブに RhCl3・3水和物0.3g、アクリル酸10g、ハイドロキノン0.2g、メタノール10gを仕込み、140℃で10時間撹拌して反応させた。生成物を分析したところ、直鎖2量体の生成は全く認められず、アクリル酸転化率85.1%、アクリル酸メチルが選択率72.2%、ダイマー酸が選択率20.5%で得られた。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
本発明に従ってRu又はRu化合物を触媒に用いて液相で(メタ)アクリル酸を反応させることにより、(メタ)アクリル酸が直鎖二量化した有用なポリマー中間原料であるブテン−1,4−ジカルボン酸類が効率よく簡便に得られた。
【産業上の利用分野】
本発明はブテン−1,4−ジカルボン酸類を製造する方法に関するものである。この化合物は水素化により有用なポリマー原料であるアジピン酸に誘導される価値ある中間原料である。
【0002】
【従来の技術】
官能基を有するオレフィン化合物を触媒の存在下で二量化させる反応は、2つの官能基をもつ縮合性モノマーの合成方法として利用価値が高い。アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクロレインなどの共役した電子吸引基を有するオレフィン類の直鎖二量化に関しては、Pd、Ru、Rh、Niなどの化合物を触媒に用いる液相での報告が多くなされている(特開昭63−17845号公報、特開昭64−68340号公報、特開昭60−97934号公報、米国特許第4504674号、J. Org. Chem., vol. 48, 5364 (1983)、J. Amer. Chem. Soc.,vol. 87, 5638 (1965)など参照)。
触媒を用いた方法ではないが、アクリル酸又はメタクリル酸の直鎖二量化としては電解二量化による方法が知られているが、低効率のため高コストとなり、実用的ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、触媒を用いたアクリル酸又はメタクリル酸(以下、(メタ)アクリル酸という)の直鎖二量化に関する報告は殆どみられない。その主な原因として、(メタ)アクリル酸がフリーのカルボン酸基を有するため、触媒金属に対する配位が炭素炭素二重結合でなくカルボン酸基でなされるために、望むべき触媒作用が発揮されにくいことや、(メタ)アクリル酸のカルボン酸基が(メタ)アクリル酸の炭素炭素二重結合部に熱的に付加しやすいことなどが考えられる。
【0004】
触媒を用いた方法により(メタ)アクリル酸を直鎖二量化してブテン−1,4−ジカルボン酸類を製造する方法は、望まれながらも困難なものであった。アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸とは上記のように触媒反応における反応機構が異なるため、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの直鎖二量化で用いられている触媒をそのまま(メタ)アクリル酸の直鎖二量化触媒に適用することはできない。事実、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの直鎖二量化に関してはPd、Ru、Rh、Niなどの化合物が触媒として有効に作用するにもかかわらず、(メタ)アクリル酸の直鎖二量化に関してはPdやRhなどの化合物は殆ど触媒作用を示さない。
本発明は有効な触媒を見つけることによって(メタ)アクリル酸を直鎖二量化してブテン−1,4−ジカルボン酸類を製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(メタ)アクリル酸を原料とし、種々の化合物を触媒として適用したところ、PdやRhなどの化合物は触媒作用を示さないが、Ru(ルテニウム)とその化合物が(メタ)アクリル酸の直鎖二量化反応に有効に作用することを見出した。すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸を、Ru又はその化合物を含む触媒の存在下で、液相にて直鎖二量化させることによりブテン−1,4−ジカルボン酸類を製造する。アクリル酸を原料とした場合、生成するブテン−1,4−ジカルボン酸類は1−ブテン−1,4−ジカルボン酸と2−ブテン−1,4−ジカルボン酸を含み、メタクリル酸を原料とした場合、生成するブテン−1,4−ジカルボン酸類は1,4−ジメチル−1−ブテン−1,4−ジカルボン酸と1,4−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジカルボン酸を含む。
【0006】
この直鎖二量化反応は溶媒の存在下でも溶媒のない状態でも進行する。溶媒を使用する場合は、溶媒としては水、アルコール又はアミドが好ましい。溶媒の添加は、直鎖2量化反応を促進させると同時に、主な副反応物であるダイマー酸(3−アクリロイルオキシプロオン酸)の生成を抑制する効果がある。特に、水やアルコールなどの弱いプロトン性溶媒や、N−メチルピロリドンやジメチルホルムアミドなどのカルボアミド系溶媒が、直鎖2量化反応をよく促進させるため、好ましい結果を与える。
【0007】
反応系にホスフィン化合物を添加すると、ホスフィン化合物は触媒としてのルテニウムイオンに配位し、(メタ)アクリル酸のカルボン酸基がルテニウムに配位するのを阻止してルテニウムの触媒作用を活性化する。
反応系の雰囲気は特に限定されず、窒素、水素、アルゴン、二酸化炭素などが使用できる。圧力は大気圧から数気圧までの範囲で反応を行なわせることができる。
【0008】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
100mlのオートクレーブに原料のアクリル酸10g、触媒としての塩化ルテニウム3水和物(RuCl3・3H2O)0.2g、添加剤としてのトリフェニルホスフィン0.2g、溶媒としてのアミドであるN−メチルピロリドン10g、重合禁止剤としてのハイドロキノン0.05gを仕込み、雰囲気を窒素で置換した後、120℃に昇温し、3時間撹拌して反応させた。冷却後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、アクリル酸の転化率が45%であり、アクリル酸直鎖二量体(1−ブテン−1,4−ジカルボン酸及び2−ブテン−1,4−ジカルボン酸の混合物)が選択率58%で得られた。他の生成物としては、主にダイマー酸(2−アクリロイルオキシプロピオン酸)が選択率31%、ラクトン類が選択率11%で得られた。結果を表1に示す。
【0009】
ここで、(メタ)アクリル酸の転化率と生成物の選択率は次のように定義する。
アクリル酸を原料とした場合:
アクリル酸の転化率(%)=消費されたアクリル酸(モル数)×100/原料アクリル酸(モル数)
生成物の選択率(%)=その生成物(モル数)×2×100/消費されたアクリル酸(モル数)
メタクリル酸を原料とした場合も同様である。
【0010】
(実施例2)
実施例1において、触媒として塩化ルテニウム3水和物の代わりに酢酸ルテニウム0.2gを用い、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なったところ、表1に示す結果を得た。
【0011】
(実施例3)
実施例1において、触媒として塩化ルテニウム3水和物の代わりに活性炭担持のルテニウム金属触媒1.0gを用い、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なったところ、表1に示す結果を得た。
(実施例4)
実施例1において、反応条件として反応温度を下げて100℃とした他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
【0012】
(実施例5)
実施例1において、溶媒を使用せず、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
(実施例6)
実施例1において、添加剤のトリフェニルホスフィンを使用せず、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
【0013】
(実施例7)
実施例1において、添加剤のトリフェニルホスフィンの代わりにトリ−n−ブチルホスフィン0.2gを使用し、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
(実施例8)
実施例1において、溶媒としてN−メチルピロリドンの代わりに水10gを使用し、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
【0014】
(実施例9)
実施例1において、溶媒としてN−メチルピロリドンの代わりにイソプロピルアルコール10gを使用し、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
(実施例10)
実施例1において、溶媒としてN−メチルピロリドンの代わりにt−ブチルアルコール10gを使用し、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって表1に示す結果を得た。
【0015】
(比較例1)
実施例1において、触媒を使用せず、他は実施例1と同じ条件で同じ操作を行なって反応を行なわせたところ、表1に示されるように直鎖二量体であるブテン−1,4−ジカルボン酸類は全く得られなかった。
【0016】
(比較例2)
触媒として、J. Org. Chem. vol. 48, 5364 (1983) にアクリル酸エステルの2量化に有効な触媒として記載されている触媒 [Pd(CH3CN)4](BF4)2, LiBF4を使用した。ガラス製フラスコに [Pd(CH3CN)4](BF4)2 0.2g, LiBF4 1.0g、アクリル酸10g、ハイドロキノン0.02gを仕込み、40℃で15時間撹拌して反応させた。生成物を分析したところ、アクリル酸の転化率は14.3%であったが、直鎖2量体の生成は全く認められず、ダイマー酸が生成しているのみ(ダイマー酸の選択率100%)であった。
【0017】
(比較例3)
触媒として、J. Amer. Chem. Soc., vol. 87, 5638 (1965) にアクリル酸エステルの2量化に有効な触媒として記載されている触媒 RhCl3・3水和物を使用した。100mlのオートクレーブに RhCl3・3水和物0.3g、アクリル酸10g、ハイドロキノン0.2g、メタノール10gを仕込み、140℃で10時間撹拌して反応させた。生成物を分析したところ、直鎖2量体の生成は全く認められず、アクリル酸転化率85.1%、アクリル酸メチルが選択率72.2%、ダイマー酸が選択率20.5%で得られた。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
本発明に従ってRu又はRu化合物を触媒に用いて液相で(メタ)アクリル酸を反応させることにより、(メタ)アクリル酸が直鎖二量化した有用なポリマー中間原料であるブテン−1,4−ジカルボン酸類が効率よく簡便に得られた。
Claims (3)
- アクリル酸又はメタクリル酸を、ルテニウム又はその化合物を含む触媒の存在下で、液相にて直鎖二量化させることを特徴とするブテン−1,4−ジカルボン酸類の製造方法。
- 溶媒として水、アルコール又はアミドを用いる請求項1に記載のブテン−1,4−ジカルボン酸類の製造方法。
- 反応系にホスフィン化合物を添加する請求項1又は2に記載のブテン−1,4−ジカルボン酸類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11652895A JP3617551B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | ブテン−1,4−ジカルボン酸類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11652895A JP3617551B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | ブテン−1,4−ジカルボン酸類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08291105A JPH08291105A (ja) | 1996-11-05 |
JP3617551B2 true JP3617551B2 (ja) | 2005-02-09 |
Family
ID=14689367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11652895A Expired - Fee Related JP3617551B2 (ja) | 1995-04-17 | 1995-04-17 | ブテン−1,4−ジカルボン酸類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3617551B2 (ja) |
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1995
- 1995-04-17 JP JP11652895A patent/JP3617551B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08291105A (ja) | 1996-11-05 |
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