JP3616106B2 - 回転制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ビデオディスクプレーヤ等の円盤状記録媒体(以下、ディスクと称す)から再生信号を得る場合必要となるディスクを回転させる制御(以下、スピンドル制御と称す)を行うとき有用な回転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオディスクプレーヤのようにディスクに記録された信号を再生する場合、ディスクの回転を制御するスピンドル制御が必要であり、このスピンドル制御には映像信号に付加されている同期信号、再生搬送波信号、FG信号等が用いられる。一般に、回転の初期では、再生搬送波信号や同期信号が得られ難いことや記録されていない部分でのトラブルを防止するために、FG信号を用いた制御が行われる。次に、再生搬送波信号が得られると、FG信号の代わりに再生搬送波信号が用いられる。ただし、再生搬送波信号が得られてもディスクの目標回転数に比べ回転数がきわめて低いとき、映像信号処理部との関連により同期信号が生じないため、また、ディスクのサビや汚れ等によって混入する同期信号のノイズの悪影響を防ぐため、再生搬送波信号を用いた制御が行われる。そして、同期信号が得られれば、再生搬送波信号の代わりに同期信号を用いて制御が行われる。通常再生中の制御信号として、同期信号より生成した制御信号が用いられ、他の再生搬送波信号やFG信号より生成する制御信号は起動停止時やトリックプレイ時に用いられる。また、同期信号を用いた制御において、同期信号が乱れたり長期間欠落した場合には、再生搬送波信号を用いた制御に切り替わる。また、再生搬送波信号を用いた制御において、一定の期間以上再生搬送波信号が欠落した場合には、FG信号を用いた制御に切り替わる。このようにスピンドルの状態により制御信号として、FG信号や再生搬送波信号や同期信号から生成する制御信号を切り替えて使用することが必要である。
【0003】
また、ビデオディスクでは、ディスクの回転速度が一定(以下、CAVと称す)なものと、記録密度を上げるために記録再生時の線速度が一定(以下、CLVと称す)なものとがあり、特に、CLVディスクを用いたトリックプレイ等で各種の対応が必要である。
【0004】
以下に、搬送波信号と同期信号とを用いた場合の従来のスピンドル制御について説明する。図3は従来のスピンドル制御のブロック図を示している。図3において、1はディスク、2はピックアップ部、3はモータ、4はFM復調部、5は映像処理部、6は波形整形部、51はカウント部、52はラッチ部、53は基準周期発生部、54は第一の比較部、55は第二の比較部、56は反転器、57はAND回路、58はRS−FF、59は誤差発生部、60はリセット入力端、61は上限値入力端、62は下限値入力端、17は同期分離部、18は基準同期信号発生部、19は速度誤差生成部、20は速度誤差乗算器、21は位相誤差生成部、22は位相誤差乗算器、23は加算部、24は切替信号発生部、25は切替スイッチ部、26はモータ駆動部を示し、31は同期制御ブロック、65は搬送波制御ブロックをそれぞれ示している。
【0005】
以上のように構成されたスピンドル制御ブロックについて、以下に、その動作を説明する。ディスク1に記録された記録信号はピックアップ部2により再生され、FM復調部4と波形整形部6とに印加される。
【0006】
FM復調部4は映像信号を復元し、信号処理部5と同期分離部17とに供給する。同期分離部17は、映像信号に周期的に付加されている同期信号を抜き取り出力する。速度誤差生成部19は、同期分離部17で得られた同期信号の同期と基準同期信号発生部18で得られる基準同期信号の周期との比較結果を用いて速度誤差を生成し、この速度誤差は速度誤差乗算器20で乗算される。また、位相誤差生成部21は、同期分離部17で得られる同期信号と基準同期信号発生部18より出力される基準同期信号との位相差を生成し、この位相誤差は位相誤差乗算器22で乗算される。そして、上記速度誤差乗算器20の出力と上記位相誤差乗算器22の出力とは加算部23で加算され、同期信号を用いた同期制御ブロック31の制御信号となる。
【0007】
一方、波形整形部6で波形整形された再生搬送波信号は、カウント部51に印加され、カウント値をラッチ部52へ出力する。基準周期発生部53よりの出力信号がカウント部51とラッチ部52とに印加すると、カウント部51の出力のカウント値をラッチ部52で保持するとともに、カウント部51のカウント値がリセットされ、再度カウントが行われる。ラッチ部52で保持されている値と上限値入力端61の値とは、第一の比較部54で比較され、比較結果はRS−FF58のR端子に印加される。また、ラッチ部52で保持されている値と下限値入力端62の値とは、第二の比較部55で比較され、比較結果は反転器56を経て、リセット入力端60の出力とAND回路57でAND演算を行い、AND回路57の出力はRS−FF58のS端子に印加される。そして、RS−FF58の出力は誤差発生部59に印加され、搬送波信号を用いた搬送波制御ブロック65の制御信号となる。
【0008】
切替スイッチ部25に印加される同期制御ブロック31の出力と搬送波制御ブロック65の出力は、切替信号発生部24からの切替信号で選択され、どちらか一方の信号が出力され、モータ駆動部26を経てモータ3を駆動し、ディスク1の回転を制御するように構成されている。
【0009】
図4を用いて、トラックジャンプ中の搬送波制御ブロック65の動作を説明する。図4の(a)は再生搬送波信号を示し、信号のない区間がトラッキングをはずれた状態を示している。図4の(b)は、基準周期発生部53の出力を示している。基準周期発生部53で出力が発生すると、図4の(c)に示すようにカウント部51でカウント値がリセットされ、再度カウントが行われるとともに、図4の(d)に示すように、基準周期発生部53の出力の発生時のカウント部51の値をラッチ部52で保持する。図4の(d)で上限値入力端61の値よりラッチ部52の値が大きくなると、図4の(e)に示すように第一の比較部54の出力は、LOWレベルになる。同様に、下限値入力端62の値よりラッチ部52の値が小さくなると、図4の(f)に示すように第二の比較部55の出力は、HIGHレベルになる。図4の(g)のように、リセット入力端がHIGHレベルであれば、RS−FF58の出力は図4の(h)に示すように、LOWのとき減速制御状態を、HIGHのとき加速制御状態を、誤差発生部59に出力するように動作する。
【0010】
このように搬送波制御ブロック65は、再生搬送波信号が、設定した搬送波信号の上限値と下限値との間を繰り返すように動作する。一般には、この繰り返し動作の間に同期信号を捕捉し、それにより切替信号発生部24は切替スイッチ部25の出力を同期信号を用いる同期制御の状態に切り替わるように制御し、通常再生を行うこととなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、CLVディスクのトリックプレイでトラックを高速で横切る動作を行う場合、同期信号の欠落やジャンプ中のディスク位置の回転速度の不一致により同期信号を用いた同期制御の状態では制御できなくなるため、再生搬送波信号を用いた搬送波制御が用いられる。トラックをはずれたとき、再生搬送波信号は欠落を生じたり、欠落により実際の搬送波信号に比べ低い値となり、図4の欠落部分に示すように加速制御状態となる。そのため、特にディスクの内周(回転速度が速い)から外周(回転速度が遅い)に高速でジャンプを行うと、加速制御状態が連続的に発生してディスクの回転が上昇し、そのため、再生搬送波信号の周波数分布が高い周波数範囲に移動して、ピックアップ部2のトラッキング制御やFM復調部4等で悪影響が生じる。その結果、ディスクの回転が上昇し続け暴走してしまうことや、再引き込み動作が遅くなるという問題点を有していた。
【0012】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、トラッキング状態を判別し、正常なトラッキング状態のときの搬送波信号を用い、この搬送波信号が搬送波信号の目標値と一致するように制御することができる回転制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の回転制御装置は、円盤状情報媒体の回転状態の適切な期間内の再生搬送波信号をカウントするカウント手段、再生搬送波信号の適切な期間を与える基準周期発生手段、再生の状態を知らせるトラッキング状態判別手段、基準周期発生手段の出力とトラッキング状態判別手段の出力とを用いてラッチ信号を発生させるラッチ信号発生手段、ラッチ信号発生手段の出力でカウント手段のカウント値を保持するラッチ手段、ラッチ手段の値と搬送波信号目標値発生手段の値とを比較する比較手段、及び、円盤状情報媒体の回転を加減速制御する制御誤差信号を発生する制御誤差信号発生手段を含む回転制御手段と、円盤状情報媒体に記録された同期信号と、円盤状情報媒体の回転制御目標の基準同期信号とから円盤状情報媒体の回転速度を制御する同期誤差信号を生成する誤差生成手段を含む同期制御手段と、回転制御手段と同期制御手段とを切り替える切替手段とを備え、ラッチ信号発生手段は、基準周期発生手段の出力の適切な期間内で、トラッキング状態判別手段でトラッキング状態が異常であると判別した判断結果を出力すれば、基準周期発生手段の基準周期信号をラッチ手段に出力せず、トラッキング状態判別手段がトラックジャンプを検出した際に、切替手段が同期制御手段から回転制御手段に切り替え、比較手段の出力に応じて制御誤差信号発生手段の制御誤差信号で円盤状情報媒体の回転の加減速制御を行う構成を有している。
【0014】
【作用】
この構成によって、適切な期間内にトラッキング状態が正常なことを判別し、正常なときの適切な期間の搬送波信号をカウントした値を用いて、この搬送波信号のカウント値が搬送波信号の目標値と一致するように制御することにより、CLVディスクでのジャンプ中の誤動作を防止し再引き込み動作の速い特性を有することができる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明の回転制御装置を含むスピンドル制御のブロック図を示している。図1において、1はディスク、2はピックアップ部、3はモータ、4はFM復調部、5は映像処理部、6は波形整形部、7はカウント部、8は基準周期発生部、9はラッチ信号発生部、10はトラッキング状態判別部、11はラッチ部、12は比較部、13は搬送波信号目標値発生部、14は誤差発生部、17は同期分離部、18は基準同期信号発生部、19は速度誤差生成部、20は速度誤差乗算器、21は位相誤差生成部、22は位相誤差乗算器、23は加算部、24は切替信号発生部、25は切替スイッチ部、26はモータ駆動部を示し、30は回転制御装置ブロック、31は同期制御ブロックをそれぞれ示している。
【0017】
以上のように構成された回転制御装置を含んだスピンドル制御のブロックについて、以下、図1及び図2を用いて回転制御装置の動作を説明する。ディスク1に記録された搬送波信号は図2の(a)に示すようにピックアップ3で再生され、波形整形部6を経て回転制御装置ブロック30で扱い易い信号に整形される。波形整形部6で波形整形された再生搬送波信号は、カウント部7に印加され、カウント値をラッチ部11へ出力する。図2の(b)に示した基準周期発生部8の出力信号が発生すると、図2の(c)に示すようにカウント部7でカウント値がリセットされ、再度カウントが行われる。また、基準周期発生部8の出力と図2の(d)に示すトラッキング状態判別部10の出力とを用いて、ラッチ信号発生部9は、基準周期信号の周期内においてトラッキング状態が正常であれば基準周期信号を出力し、異常状態では基準周期信号をマスキングするように動作する。図2の(e)にラッチ信号発生部9の出力を示している。ラッチ信号発生部9の出力がラッチ部11に印加すると、図2の(f)に示すようにカウント部7の出力のカウント値をラッチ部11で保持する。比較部12は、ラッチ部11で保持されている値と搬送波信号目標値発生部13の値とを比較して、図2の(f)(g)に示すように、搬送波信号目標値発生部13の値よりラッチ部11の値が大きくなるとLOWレベルを出力し、逆の場合はHIGHレベルになる。図4の(g)に示すように、LOWのとき減速制御状態を、HIGHのとき加速制御状態を、誤差発生部14より切替信号発生部24に出力するように動作する。
【0018】
そして、切替スイッチ部25に印加される同期制御ブロック31の出力と回転制御装置ブロック30の出力は、切替信号発生部24からの切替信号で選択され、どちらか一方の信号が出力され、モータ駆動部26に印加されモータ3を駆動し、ディスク1の回転を制御するように構成されている。
【0019】
以上のように本発明によれば、CLVディスクのトリックプレイで、トラックを高速で横切る動作を行う場合、トラックをはずれたときの再生搬送波信号は欠落を生じるが、図2の欠落部分に示すように制御誤差信号は前の状態を保持する。一般に、再生搬送波信号の周波数は9MHz近傍で、トラッキングを横切る速度は高速でも50kHz前後であるので、適切な期間を150kHz程度とすれば、ジャンプ中であっても、充分、再生搬送波信号を用いた処理ができる。そのため、特にディスクの内周(回転速度が速い)から外周(回転速度が遅い)に高速でジャンプを行う際に、ほぼ連続的に再生搬送波信号が目標値に追従しようと動作するため、従来生じていた暴走等の誤動作が防止でき、かつ、再引き込み動作速い回転制御を実現できる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明は、円盤状情報媒体の回転状態の適切な期間内の再生搬送波信号をカウントするカウント手段、再生搬送波信号の適切な期間を与える基準周期発生手段、再生の状態を知らせるトラッキング状態判別手段、基準周期発生手段の出力とトラッキング状態判別手段の出力とを用いてラッチ信号を発生させるラッチ信号発生手段、ラッチ信号発生手段の出力でカウント手段のカウント値を保持するラッチ手段、ラッチ手段の値と搬送波信号目標値発生手段の値とを比較する比較手段、及び、円盤状情報媒体の回転を加減速制御する制御誤差信号を発生する制御誤差信号発生手段を含む回転制御手段と、円盤状情報媒体に記録された同期信号と、円盤状情報媒体の回転制御目標の基準同期信号とから円盤状情報媒体の回転速度を制御する同期誤差信号を生成する誤差生成手段を含む同期制御手段と、回転制御手段と同期制御手段とを切り替える切替手段とを備え、ラッチ信号発生手段は、基準周期発生手段の出力の適切な期間内で、トラッキング状態判別手段でトラッキング状態が異常であると判別した判断結果を出力すれば、基準周期発生手段の基準周期信号をラッチ手段に出力せず、トラッキング状態判別手段がトラックジャンプを検出した際に、切替手段が同期制御手段から回転制御手段に切り替え、比較手段の出力に応じて制御誤差信号発生手段の制御誤差信号で円盤状情報媒体の回転の加減速制御を行う
構成を備えることにより、CLVディスクのジャンプ中の誤動作を防止し再引き込み動作の速い特性を持つ回転制御装置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における回転制御装置を含むスピンドル制御のブロック図
【図2】同一実施例における回転制御装置の動作説明のための動作説明図
【図3】従来の回転制御装置のブロック図
【図4】従来の回転制御装置の動作説明のための動作説明図
【符号の説明】
7 カウント部
8 基準周期発生部
9 ラッチ信号発生部
10 トラッキング状態判別部
11 ラッチ部
12 比較部
13 搬送波信号目標値発生部
14 誤差発生部

Claims (3)

  1. 円盤状情報媒体の回転状態の適切な期間内の再生搬送波信号をカウントするカウント手段、上記再生搬送波信号の適切な期間を与える基準周期発生手段、再生の状態を知らせるトラッキング状態判別手段、上記基準周期発生手段の出力と上記トラッキング状態判別手段の出力とを用いてラッチ信号を発生させるラッチ信号発生手段、上記ラッチ信号発生手段の出力で上記カウント手段のカウント値を保持するラッチ手段、上記ラッチ手段の値と搬送波信号目標値発生手段の値とを比較する比較手段、及び、上記円盤状情報媒体の回転を加減速制御する制御誤差信号を発生する制御誤差信号発生手段を含む回転制御手段と、
    上記円盤状情報媒体に記録された同期信号と、上記円盤状情報媒体の回転制御目標の基準同期信号とから上記円盤状情報媒体の回転速度を制御する同期誤差信号を生成する誤差生成手段を含む同期制御手段と、
    上記回転制御手段と上記同期制御手段とを切り替える切替手段とを備え、
    上記ラッチ信号発生手段は、上記基準周期発生手段の出力の適切な期間内で、上記トラッキング状態判別手段でトラッキング状態が異常であると判別した判断結果を出力すれば、上記基準周期発生手段の基準周期信号を上記ラッチ手段に出力せず
    上記トラッキング状態判別手段がトラックジャンプを検出した際に、上記切替手段が上記同期制御手段から上記回転制御手段に切り替え、上記比較手段の出力に応じて上記制御誤差信号発生手段の上記制御誤差信号で上記円盤状情報媒体の回転の加減速制御を行うことを特徴とする回転制御装置。
  2. 上記カウント手段は、適切な期間を与える上記基準周期発生手段の出力を用いて内部のカウント値を更新し、再度カウントを始めることを特徴とする請求項1記載の回転制御装置。
  3. 制御誤差信号発生手段は、上記比較手段の出力レベルに応じた制御誤差信号の出力を生成することを特徴とする請求項1記載の回転制御装置。
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