JP3615961B2 - 画像読取装置の露光制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネガフィルムに記録されたカラー画像を光学センサを用いて読み取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像読取装置では、パソコンに出力するための画像データを検出するプリスキャンおよび本スキャンに先立って露出測定が行なわれ、ラインセンサの電荷蓄積時間である最適露光時間が算出される。すなわち露出測定では、本スキャンよりも粗いピッチでスキャンが行なわれ、比較的短い露光時間でラインセンサが露光されることによって検出された画像データを解析することにより、最適露光時間が得られる。この画像データの解析は、ラインセンサによって得られた画像データの画素値のレベルの度数(画素数)分布を示すヒストグラムに基づいて行われる。
【0003】
次に、最適露光時間を用いて再度粗いピッチでスキャンが行なわれ、これにより得られた画像データに基づいて、パソコンのディスプレイ装置によって表示されるカラー画像の色補正を行なうための色補正パラメータが算出される。色補正パラメータも最適露光時間の算出と同様に、画像データの画素値のレベルの度数分布を示すヒストグラムに基づいて行われる。
【0004】
このような処理の後、プリスキャンまたは本スキャンが行なわれ、ディスプレイ装置の画面にカラー画像が表示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ネガフィルムのダイナミックレンジは広く、記録済みのフィルム濃度は大きくばらついている。またラインセンサの出力特性は非線型性があり、特に出力信号の低いときにその傾向が強い。したがって露出測定において常に一定の露光時間で画像データを検出すると、被写体像が明るく、フィルム濃度が高いとき、ラインセンサの出力特性の非線型性のために色補正パラメータの検出精度が悪くなるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、フィルム濃度に関係なく色補正パラメータを常に高精度に得ることを可能にし、かつ処理時間が短い露光制御装置を得ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像読取装置の露光制御装置は、光学センサを、第1の露光時間及びこの第1の露光時間よりも長い第2の露光時間を用いて露光することにより、ネガフィルムに記録されたカラー画像に対応した画像データを各露光時間毎に得るとともに、画像データに基いて各露光時間毎に、各画像データの値の分布を示すヒストグラムを生成する第1の画像読取手段と、第1及び第2の露光時間毎に、第1の画像読取手段によって生成される第1及び第2のヒストグラムについて、それぞれ最大有効値を求め、その最大有効値に基づいて第1の最適露光時間を算出する第1の最適露光時間算出手段と、第2のヒストグラムの最大有効値を用いて、ネガフィルムが高濃度フィルムであるか否かを判定する高濃度フィルム判定手段と、高濃度フィルム判定手段において、ネガフィルムが高濃度であると判定されたときに、ネガフィルムに記録されたカラー画像に対応した画像データを、第1の最適露光時間よりも短く、かつ第2の露光時間よりも長い第3の露光時間を用いて得るとともに、その画像データに基いて画像データの値の分布を示すヒストグラムを生成する第2の画像読取手段と、第2の画像読取手段によって生成される第3のヒストグラムの最大有効値と、第2のヒストグラムの最大有効値を用いて、第2の最適露光時間を算出する第2の最適露光時間算出手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
好ましくは、第1の画像読取手段および第2の画像読取手段が、相互に異なる色について画像データを得るとともに、異なる色毎にヒストグラムを生成し、第1の最適露光時間算出手段及び第2の最適露光時間算出手段が異なる色毎に最適露光時間を算出する。
【0009】
露光制御装置は好ましくは、光学センサから出力される画像データに対して色補正を行なうために、ネガフィルムが高濃度フィルムでないと判定された場合においては、第1および第2のヒストグラムの最大有効値と最小有効値に基づいて、また高濃度フィルムであると判定された場合においては、第2および第3のヒストグラムの最大有効値と最小有効値に基づいて、異なる色毎に色補正パラメータを算出する色補正パラメータ算出手段を備える。
【0010】
露光制御装置は好ましくは、第2または第3の露光時間で、光学センサを露光することにより得られる画像データを用いて、プレビュー画像を作成するプレビュー画像作成手段を備える。
【0011】
光学センサは例えばラインセンサである。
【0012】
画像読取手段は好ましくは、各露光が終了する毎に、 ネガフィルムまたは光学センサの一方を所定量だけ移送し、第1の画像読取手段及び第2の画像読取手段とにおける移送方向が逆方向である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態である露光制御装置を備えた画像読取装置を示すブロック図である。
【0014】
この画像読取装置において用いられる被読取原稿Mは透過原稿(ネガフィルム)であり、このネガフィルムにはカラー画像が記録されている。ネガフィルムMは原稿移送機構10によって矢印A方向に間欠的に移送される。ネガフィルムMの通過経路の上方には光源20とシリンドリカルレンズ23が配設され、また下方には結像レンズ31とラインセンサ30が設けられている。光源20の点灯と消灯は光源駆動回路41によって、またラインセンサ30による画像の検出動作はラインセンサ駆動回路42によって制御される。原稿移送機構10、光源駆動回路41およびラインセンサ駆動回路42はシステムコントロール回路40から出力される指令信号に従って動作する。
【0015】
ラインセンサ30から読み出された画像データはアンプ43により増幅され、A/D変換器44によってデジタル信号に変換される。デジタルの画像データは、画像処理回路45においてシェーディング補正を施された後、メモリ46に一旦格納される。この画像データはメモリ46から読み出され、色補正、ガンマ補正等の所定の演算処理を施される。そして画像データは、インターフェース回路47において所定のフォーマットに従った信号に変換され、入出力端子48を介して、この画像読取装置の外部に設けられたコンピュータ60に出力される。画像処理回路45とインターフェース回路47は、システムコントロール回路40により制御される。
【0016】
図2は原稿移送機構10、光源20およびラインセンサ30を示している。ネガフィルムMは枠体11に支持され、枠体11は板状のステージ12に止め具13によって固定される。ステージ12には、ネガフィルムMに対応した位置に、図示しない開口が形成されている。ステージ12の側端面にはラック14が形成され、このラック14には原稿送りモータ15の出力軸に設けられたピニオン16が噛合している。原稿送りモータ15はシステムコントロール回路40の制御に基づいて駆動され、ネガフィルムMの位置が制御される。
【0017】
光源20はステージ12の上方に位置し、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の光を出射する発光素子21R、21G、21Bを、この順序で周期的に配列して構成されているが、この配列は目的に応じて変更可能である。なお、図2では発光素子は6個だけ示されているが、さらに多くの発光素子を設けてもよく、あるいは少なくてもよい。これらの発光素子21R、21G、21Bはステージ12の幅方向に延びる細長い支持部材22に支持され、支持部材22とステージ12の間には、支持部材22と平行に延びるシリンドリカルレンズ23が配設されている。すなわち発光素子21から出射された光はシリンドリカルレンズ23によって集光され、 ネガフィルムMの上にライン状に照射される。
【0018】
ラインセンサ30はステージ12を挟んで光源20の下方に位置し、光源20とシリンドリカルレンズ23に平行に設けられている。すなわちラインセンサ30は、 ネガフィルムMが移送される方向に略直交する方向に延びている。ラインセンサ30とステージ12の間には結像レンズ31が設けられている。結像レンズ31はラインセンサ30と平行に延び、ロッドレンズアレイ32によって構成される。したがって、ネガフィルムMに対して光源20によって光が照射されると、このネガフィルムMに記録された画像が、結像レンズ31を介してラインセンサ30の受光面に結像される。
【0019】
図3および図4は画像読取装置において実行される画像読取ルーチンを示すフローチャートである。
【0020】
ステップ100ではプリスキャンを開始するか否かが判定される。例えばユーザがディスプレイ装置の画面に表示された開始のボタンをクリックするとステップ105以下のルーチンが実行される。
【0021】
粗スキャンにおいて、ネガフィルムMは原稿移送機構10により、図4のステップ155において実行される本スキャンよりも粗いピッチで間欠的に移送される。この間欠移送において、ネガフィルムMが停止する度に発光素子21R、21G、21Bが所定の順序で点灯され、ラインセンサ30によって、ネガフィルムMに記録された画像に関するR、G、Bの画像データが検出される。
【0022】
粗スキャン105における、ラインセンサ30に対する露光時間の長さは、図6および図7を参照して後述するように、R、G、Bの各画像データに対してそれぞれ2通りに定められる。
【0023】
このようにR、G、B各色成分毎に2通りの露光時間で検出された計6種類の画像データについて、画素値のレベルの度数(画素数)分布を示すヒストグラムがそれぞれ求められる。すなわち図5に示すように、R、G、Bの各色成分に関して、 第1の露光時間Tr1、Tg1、Tb1を用いたときのヒストグラムHr1、Hg1、Hb1と、第2の露光時間Tr2、Tg2、Tb2を用いたときのヒストグラムHr2、Hg2、Hb2が求められる。図5の各ヒストグラムにおいて、横軸は画素値のレベルを示し、縦軸は画素値の出現頻度(度数)を示す。なお、粗スキャンとヒストグラムの生成については、図6および図7を参照して後に詳述する。
【0024】
次にステップ110〜ステップ130において、色補正パラメータを算出するための処理が行なわれる。ネガフィルムMから読み取られた画像データは、後にネガ/ポジ変換を施されるが、このときネガフィルムMの地色が有色であるため色補正が必要となる。色補正パラメータは、画像データをネガ/ポジ変換する際に行なわれる色補正に用いられる。
【0025】
ステップ110では、R、G、Bの各色成分のヒストグラムについて、最大画素値から所定量だけ小さい画素値である最大有効値が求められる。すなわち最大有効値は、各画素値の度数を最大画素値側から積算し、その積算値が全画素数の例えば1%に達したときの画素数である。
【0026】
ステップ115では、R、G、Bの各色成分毎に、第1および第2のヒストグラムの最大有効値に基づいて、最適なコントラストを得るための露光時間である最適露光時間が算出される。
【0027】
ステップ120では、高濃度フィルム処理ルーチンが実行される。すなわち、ステップ110で得られたR、G、Bの最大有効値を用いてネガフィルムが高濃度であるか否かが判定され、ネガフィルムが高濃度フィルムであるか否か応じて所定の処理が実行される。高濃度フィルム処理ルーチンの詳細については後述する。
【0028】
ステップ125では、ステップ110と同様な手法により、R、G、Bの各色成分のヒストグラムについて、最小画素値から所定量だけ大きい画素値である最小有効値が求められる。
【0029】
ステップ130では、R、G、Bの各色成分毎に、最大有効値と最小有効値を用いて色補正パラメータが算出される。色補正パラメータの算出については後述する。
【0030】
ステップ135では、ステップ140のプレビュー画像作成で用いる画像データに対して前処理が施される。ステップ140のプレビュー画像作成では、ステップ105の粗スキャンにおいて第2の露光時間を用いて粗読み取りされた画像データ、またはステップ120の高濃度フィルム処理ルーチンの再粗スキャン(図10参照)において粗読み取りされた画像データが用いられる。しかし、これらの画像データは、必ずしも最適露光時間で露光して得られた画像データではない。そのため、ステップ135における画像データ前処理では、画像データに含まれる画素値のレベルが、最適露光時間で露光されたときの画素値のレベルに補正される。
【0031】
ステップ135で補正された画像データは、ステップ140でステップ130において求められた色補正パラメータを用いて色補正とネガ/ポジ変換を施される。これにより得られた正規化データは、ガンマ補正を施された後、入出力端子48を介してコンピュータ60に出力され、コンピュータ60に接続されたディスプレイ装置の画面上にプレビュー画像(カラー画像)として表示される。
【0032】
ステップ145ではプリスキャンを開始するか否かが判定される。ユーザはディスプレイ装置の画面に表示されたプレビュー画像を見ることによって、プリスキャンを開始するか否かを判断することができる。例えばマウスを用いてプリスキャンを開始するためのボタンをクリックすることにより、ステップ145からステップ170へ移り、プリスキャンが実行される。プリスキャンを開始しないときにはステップ150に移る。
【0033】
ステップ170のプリスキャンでは、R、G、Bの各色成分毎に、最適露光時間での露光によってラインセンサ30により画像データが検出される。
【0034】
ステップ170のプリスキャンで得られた画像データは、ステップ140において、ステップ135で補正された画像データと同様に、プレビュー画像としてディスプレイ装置の画面上に表示される。すなわち、ステップ170で得られた画像データは、ステップ130において求められた色補正パラメータを用いて色補正とネガ/ポジ変換を施され、更にガンマ補正を施された後、入出力端子48を介してコンピュータ60に出力され、コンピュータ60に接続されたディスプレイ装置の画面上にプレビュー画像として表示される。
【0035】
ステップ150では本スキャンを開始するか否かが判定される。ユーザはディスプレイ装置の画面に表示されたプレビュー画像を見ることによって、本スキャンを開始するか否かを判断することができる。例えばマウスを用いて本スキャンを開始するためのボタンをクリックすることにより、ステップ150からステップ155へ移り、本スキャンが実行される。
【0036】
本スキャンを開始しないときには、ステップ165において、本スキャンを実行せずにプログラムを終了するか否かが判定される。例えばユーザがマウスを用いてプログラムの終了のためのボタンをクリックすれば、本スキャンを行なわずにステップ160に移り、ステージ12を原点に復帰させた後、このプログラムは終了する。プログラムを終了しないときには、ステップ145に戻り、再度プリスキャンを行なうか否かが判定される。
【0037】
ステップ155では本スキャンが実行され、所定の細かいピッチでネガフィルムMの画像が読み取られる。プリスキャンと同様に画像データが検出されて、デジタルの画像データに変換される。このデジタルの画像データは、ステップ130において求められた色補正パラメータを用いて色補正とネガ/ポジ変換を施され、更にガンマ補正を施された後、入出力端子48を介してコンピュータ60に出力され、コンピュータ60に接続されたディスプレイ装置の画面上に表示される。
【0038】
その後、ステップ160においてステージ12を原点に復帰させ、このプログラムは終了する。
【0039】
図6および図7は図3のステップ105において実行される粗スキャンのサブルーチンのフローチャートである。 図2、図5、図6、 図7を参照して粗スキャンの動作を説明する。
【0040】
ステップ200では、それまでメモリ46に格納されていたヒストグラムのデータがクリアされる。ステップ202では、ステージ12が移送されてネガフィルムMの端部が光源20に対応した初期位置に設定されるとともに、ネガフィルムMの位置に対応したパラメータYの初期値が0に設定される。
【0041】
ステップ204では光源20の発光素子21Rが点灯され、ネガフィルムMに照射される。このネガフィルムMを透過した光によって、第1の露光時間Tr1だけラインセンサ30が露光される。ステップ206では、1ライン分のRの画像データがラインセンサ30によって検出される。 この画像データはA/D変換器44によりデジタルの画像データに変換され、これに基づいてRのヒストグラムHr1を構成するデータが生成される。
【0042】
ステップ208では発光素子21Rにより、第1の露光時間Tr1の2倍の長さの第2の露光時間Tr2を用いてラインセンサ30が露光される。ステップ210では、1ライン分のRの画像データがラインセンサ30によって検出され、ステップ206と同様にしてRのヒストグラムHr2を構成するデータが生成される。
【0043】
ステップ204〜210と同様にして、ステップ216〜222ではGのヒストグラムが生成される。すなわち、ステップ216において発光素子21Gが点灯されて第1の露光時間Tg1だけラインセンサ30が露光される。そしてステップ218において1ライン分のGの画像データがラインセンサ30によって検出され、 GのヒストグラムHg1を構成するデータが生成される。ステップ220では発光素子21Gによって、第1の露光時間Tg1の2倍の長さの第2の露光時間Tg2だけラインセンサ30が露光され、ステップ222では、1ライン分のGのヒストグラムHg2を構成するデータが生成される。
【0044】
ステップ204〜210、216〜222と同様にして、ステップ228〜234ではBのヒストグラムが生成される。すなわち、ステップ228では発光素子21Bが点灯されて第1の露光時間Tb1だけラインセンサ30が露光され、ステップ230では1ライン分のBのヒストグラムHb1を構成するデータが生成される。ステップ232では発光素子21Bによって、第1の露光時間Tb1の2倍の長さの第2の露光時間Tb2だけラインセンサ30が露光され、ステップ234では1ライン分のBのヒストグラムHb2を構成するデータが生成される。
【0045】
ステップ240では、ステージ12すなわちネガフィルムMが1ピッチ分移送され、ステップ242ではパラメータYが1だけ加算される。ステップ244において、パラメータYが終了値(すなわち、粗スキャンの走査ライン数)以上であるか否かが判定される。 パラメータYが終了値より小さいとき、ステップ204〜ステップ242の処理が再度実行され、次のラインのヒストグラムが作成される。ステップ244においてパラメータYが終了値以上であると判定されたとき、1画像分のヒストグラムが完成しており、この粗スキャンのサブルーチンは終了する。
【0046】
図8は、図3のステップ110において実行される最大有効値を求めるサブルーチンのフローチャートである。このサブルーチンは、ステップ110においては、図5に示される6種類のヒストグラムHr1、Hr2、Hg1、Hg2、Hb1、Hb2について実行される。
【0047】
ステップ300では最大有効値の初期値である画素値レベルDとして、1023(画像データが10ビットで表される場合)が定められる。ステップ302では度数の総和Lが初期値0に定められる。ステップ304では、閾値THが例えば全画素数の1%の度数に設定される。この閾値THに従って最大有効値が決定される。すなわち最大有効値は、度数の総和Lが閾値TH以上となる時の最大の画素値である。
【0048】
ステップ306ではヒストグラムに基づいて度数の総和Lが求められる。すなわち画素値レベルDの度数がメモリ46から読み出されて、それまでの度数の総和Lに加算され、画素値レベルの最大値1023から画素値レベルDまでの度数の総和Lが求められる。
【0049】
ステップ308では、度数の総和Lが閾値TH以上であるか否かが判定される。度数の総和Lが閾値TH以上でないとき、ステップ310において、画素値レベルDが1だけ減算される。ステップ312では、画素値レベルDが0以上であるか否かが判定される。画素値レベルDが0以上であるとき、ステップ306が再び実行され、最大値1023から画素値レベルDまでの度数の総和Lが求められる。
【0050】
このようにして、ステップ308において度数の総和Lが閾値TH以上であると判定されたとき、このときの画素値レベルDが最大有効値としてメモリ46に格納され、このルーチンは終了する。また、ステップ312において画素値レベルDが0よりも小さいと判定されたとき、すなわち閾値THを超える度数の総和Lが存在しないと判定されたとき、このルーチンは終了する。
【0051】
このようにして求められた最大有効値において、ヒストグラムHr1、Hr2の最大有効値をそれぞれHr1D、Hr2Dとし、ヒストグラムHg1、Hg2の最大有効値をそれぞれHg1D、Hg2Dとし、ヒストグラムHb1、Hb2の最大有効値をそれぞれHb1D、Hb2Dとする。
【0052】
図9を参照して、図3のステップ115において行なわれる最適露光時間の算出について説明する。図9はラインセンサ30に対する露光時間を横軸にとり、ラインセンサ30からの出力信号(すなわち画素値)を縦軸にとったグラフである。実線Sは、画像の読み取りに用いられる露光時間と、そのとき読み取られた画像データ( 画素値)のヒストグラムの最大有効値との関係を表しているが、この関係は完全には直線的ではなく、特に露光時間の短い部分において強い非線型性を示す。
【0053】
図9において、T1およびT2(T1<T2)は2つの相異なる露光時間を表しており、H1D、H2Dはそれぞれ露光時間T1、T2で露光されたときのヒストグラムの最大有効値である。最適露光時間とは、その露光時間で露光を行なったときに得られる画像データの最大有効値の値が所定値となる露光時間のことであり、実線S上で点Pに対応する露光時間Tpのことである。実線Sは非直線的であるが、破線Bで示されるように直線的であると見なして既知の2点(T1,H1D)、(T2,H2D)を用いて近似的に最適露光時間Tqが求められる。すなわち最適露光時間Tqは(1)式によって導出される。
【数1】
【0054】
ステップ115において求められるRの最適露光時間をTr’とすると、Tr’は上記(1)式のT1、T2、H1D、H2DにそれぞれTr1、Tr2、Hr1D、Hr2Dを代入して求められる。同様にGの最適露光時間をTg’とすると、Tg’は(1)式のT1、T2、H1D、H2DにそれぞれTg1、Tg2、Hg1D、Hg2Dを代入して求められる。また同様にして、Bの最適露光時間をTb’とすると、Tb’は(1)式のT1、T2、H1D、H2DにそれぞれTb1、Tb2、Hb1D、Hb2Dを代入することにより求められる。ここで所定値は、画像データが10ビット(0〜1023)で表される場合、例えば900である。
【0055】
図10は、図3のステップ120において実行される高濃度フィルム処理のサブルーチンのフローチャートである。
【0056】
ステップ400〜ステップ420においては、ネガフィルムMが高濃度フィルムであるか否かが判定される。すなわち、第2の露光時間Tr2、Tg2、Tb2で露光して得られた画像データのヒストグラムの最大有効値Hr2D、Hg2D、Hb2Dのうちの何れか1つでもある規定値を下回った場合、ネガフィルムは高濃度であると判定される。
【0057】
ヒストグラムの最大有効値が規定値よりも小さいとき、図9を参照して次に述べるように、その画像データをもとに算出される最適露光時間や、色補正パラメータの精度は悪く、プレビュー画像の画質も悪い。
【0058】
図9の実線S’は、高濃度フィルムと判定された場合の露光時間と最大有効値の関係を示す1例である。すなわち実線S’は、第2の露光時間T2で露光したときに得られるヒストグラムの最大有効値H2D’が規定値を下回った場合の露光時間と最大有効値との関係を表している。破線B’は、点(T1,H1D’)と点(T2,H2D’)を用いた実線S’の線形近似直線を表している。このとき、(1)式を用いて算出される最適露光時間は、点Q’に対応する露光時間Tq’となる。しかし図9に示すように、(1)式により算出される最適露光時間Tq’と、真の最適露光時間Tp’との差|Tq’−Tp’|は、最大有効値H2Dが規定値を下回らなかった場合(実線S)のTpとTqの差|Tq−Tp|よりも大きいものとなり、その精度は大幅に悪くなる。
【0059】
また後に述べるように、色補正パラメータの算出では、最大有効値を所定値であるとして最小有効値を修正し、その修正された最小有効値を色補正パラメータの算出に用いるが、この修正方法は(1)式を用いた最適露光時間の算出方法と同じである。このため最適露光時間の誤差の増大と同様の理由によって、修正された最小有効値の精度が悪くなり結果として色補正パラメータの精度が悪化する。
【0060】
さらに最大有効値が規定値を下回ったヒストグラムは、図5のTb1、Tb2のように、画素値の分布が全体的に低い方に偏り、その分布幅も狭いヒストグラムとなっている。このため、ステップ140のプレビュー画像作成における色補正において、ヒストグラムの分布幅が適正な幅に拡大されると、プレビュー画像の画素値の階調が粗くなり、プレビュー画像の質が落ちることとなる。なお色補正の詳細については後述する。
【0061】
最適露光時間や色補正パラメータの精度を上げ、かつプレビュー画像の質を向上させるため、ステップ400〜ステップ420において高濃度フィルムであると判定された場合、ステップ430〜ステップ450において高濃度フィルム処理が行なわれる。ステップ400〜ステップ420において高濃度フィルムではないと判定された場合、すなわち最大有効値Hr2D、Hg2D、Hb2Dの何れも規定値を下回らなかった場合、このサブルーチンは終了する。
【0062】
ステップ430の再粗スキャンにおいては、ステップ105の粗スキャンとほぼ同様の手順によって再粗読み取りが行なわれる。すなわち、ネガフィルムMは原稿移送機構10により、ステップ155において実行される本スキャンよりも粗いピッチで間欠的に移送される。この間欠移送において、ネガフィルムMが停止する度に発光素子21R、21G、21Bが所定の順序で点灯され、ラインセンサ30によって、ネガフィルムMに記録された画像に関するR、G、Bの画像データが検出される。なお再粗スキャンは、ステージ12が図3に示されるステップ105の粗スキャンが終了したときの位置から逆方向に移送することにより行なわれる。
【0063】
ラインセンサ30に対する露光時間は、ステップ105の粗スキャンとは異なる。すなわち第3の露光時間は、R、G、Bの各色成分毎に1通りである。これにより検出される3つの画像データに対して、画素値のレベルの度数( 画素数)分布を示すヒストグラムがそれぞれ求められる。
【0064】
ステップ440では、ステップ430の再粗スキャンで求められたR、G、Bに関する第3のヒストグラムの最大有効値が、ステップ110と同様の手法で求められる。すなわち最大有効値は、各画素値の度数を最大画素値側から積算し、その積算値が全画素数の例えば1%に達したときの画素値である。
【0065】
ステップ450では、ステップ105の粗スキャンにおける第2のヒストグラムHr2、Hg2、Hb2とステップ430の再粗スキャンで得られた3種類のヒストグラムの最大有効値に基づいて、改めて最適露光時間を算出する。算出方法はステップ115のときと同様であり、(1)式によって求められる。
【0066】
図11は、ステップ430の再粗スキャンにおいて、R、G、Bの各色成分毎に第3の露光時間Tr3、Tg3、Tb3を用いて得られるヒストグラムHr3、Hg3、Hb3をそれぞれ示している。ステップ450で改めて算出されるR、G、Bの最適露光時間をTr”、Tg”、Tb”とすると、Tr”、Tg”、Tb”は、ヒストグラムHr3、Hg3、Hb3のそれぞれの最大有効値Hr3D、Hg3D、Hb3Dを用いて、次のようにして求められる。すなわちRの最適露光時間Tr”は、(1)式のT1にTr2を、T2にTr3を、H1DにHr2Dを、H2DにHr3Dを代入して求められる。同様に、Gの最適露光時間Tg”は、(1)式のT1にTg2を、T2にTg3を、H1DにHg2Dを、H2DにHg3Dを代入して求められる。また同様にして、Bの最適露光時間Tb”は、(1)式のT1にTb2を、T2にTb3を、H1DにHb2Dを、H2DにHb3Dを代入して求められる。これによって高濃度フィルム処理のサブルーチンは終了する。
【0067】
図12は図10のステップ430において実行される再粗スキャンのサブルーチンのフローチャートである。 このサブルーチンはステップ105の粗スキャンのサブルーチンと基本的には同じである。
【0068】
ステップ600では、それまでメモリ46に格納されていたヒストグラムのデータがクリアされる。ステップ605では、ステージ12が移送されてネガフィルムMの端部が光源20に対応した初期位置に設定されるとともに、ネガフィルムMの位置に対応したパラメータYの初期値が0に設定される。
【0069】
ステップ610では光源20の発光素子21Rが点灯され、ネガフィルムMに照射される。このネガフィルムMを透過した光によって、ラインセンサ30が露光される。このとき露光時間は、ステップ115で算出された最適露光時間Tr’に1未満の係数、例えば0.75を乗じた値である。
【0070】
ここでステップ115で算出された最適露光時間Tr’に1未満の係数を乗じるのは、ステップ400〜ステップ420において高濃度フィルムと判定された場合、ステップ115で算出された最適露光時間Tr’の精度が低いため、真の最適露光時間を大きく越えて、画像データが飽和してしまう可能性があるためである。
【0071】
ステップ615では、1ライン分のRの画像データがラインセンサ30によって検出される。 この画像データはA/D変換器44によりデジタルの画像データに変換され、これに基づいてRのヒストグラムを構成するデータが生成される。
【0072】
ステップ610、615と同様にして、ステップ620、625ではGのヒストグラムが生成される。すなわち、ステップ620において発光素子21Gが点灯されて0.75Tg’だけラインセンサ30が露光される。そしてステップ625において1ライン分のGの画像データがラインセンサ30によって検出され、 Gのヒストグラムを構成するデータが生成される。
【0073】
ステップ610、615やステップ620、625と同様にして、ステップ630、635ではBのヒストグラムが生成される。すなわち、ステップ630では発光素子21Bが点灯されて0.75Tb’だけラインセンサ30が露光され、ステップ635では1ライン分のBのヒストグラムを構成するデータが生成される。
【0074】
ステップ640では、ステージ12すなわちネガフィルムMが図7のステップ240のときとは逆方向に1ピッチ分移送される。すなわち、ステップ105の粗スキャンとは逆方向に移送しながら再粗スキャンを行なう。ステップ645ではパラメータYが1だけ加算される。ステップ650において、パラメータYが終了値(すなわち、再粗スキャンの走査ライン数)以上であるか否かが判定される。 パラメータYが終了値より小さいとき、ステップ610〜ステップ645の処理が再度実行され、次のラインのヒストグラムが作成される。ステップ650においてパラメータYが終了値以上であると判定されたとき、1画像分のヒストグラムが完成しており、この再粗スキャンのサブルーチンは終了する。
【0075】
次に図13を参照して、図3のステップ125において実行される最小有効値の算出について説明する。図13は最小有効値算出ルーチンのフローチャートである。最小有効値算出ルーチンの処理内容は、図8に示される最大有効値を求めるためのサブルーチンと基本的に同じである。
【0076】
ステップ500では最小有効値の初期値である画素値レベルdとして0が定められ、ステップ502では度数の総和Lが初期値0に定められる。ステップ504では、 閾値THが例えば全画素数の1%の度数に設定される。ステップ506では、 画素値レベルdの度数がメモリ46から読み出されてそれまでの度数の総和Lに加算され、画素値レベルの最小値0から画素値レベルdまでの度数の総和Lがもとめられる。
【0077】
ステップ508では、度数の総和Lが閾値TH以上であるか否かが判定される。度数の総和Lが閾値TH以上でないとき、ステップ510において、画素値レベルdが1だけ加算される。ステップ512では、画素値レベルdが1023以下(画像データが10ビットで表される場合)であるか否かが判定される。画素値レベルdが1023以下であるとき、ステップ506が再び実行され、最小値0から画素値レベルdまでの度数の総和Lが求められる。
【0078】
このようにして、ステップ508において度数の総和Lが閾値TH以上であると判定されたとき、このときの画素値レベルdが最小有効値としてメモリ46に格納され、このルーチンは終了する。また、ステップ512において画素値レベルdが1023よりも大きいと判定されたとき、すなわち閾値THを越える度数の総和Lが存在しないと判定されたとき、このルーチンは終了する。
【0079】
ステップ120において高濃度フィルムでない(通常濃度のフィルム)と判定されたときには、ステップ105の粗スキャンで得られたヒストグラムHr1、Hg1、Hb1及びHr2、Hg2、Hb2の最小有効値が算出される。このとき、それぞれの最小有効値はHr1d、Hg1d、Hb1d及びHr2d、Hg2d、Hb2dである。
【0080】
ステップ120において高濃度フィルムであると判定されたときには、ステップ105の粗スキャンで得られたヒストグラムHr2、Hg2、Hb2及びステップ430で得られたヒストグラムHr3、Hg3、Hb3の最小有効値が算出される。このときヒストグラムHr3、Hg3、Hb3の最小有効値はそれぞれHr3d、Hg3d、Hb3dである。
【0081】
このようにして求められた最小有効値は、そのヒストグラムの最大有効値が上記所定値(例えば900)であるとして修正される。この修正の方法は、図9を参照して説明した最適露光時間の算出と同様である。すなわち、修正された最小有効値をdとすると、dは次の(2)式に従って算出される。
【0082】
【数2】
【0083】
ステップ120において高濃度フィルムでない(通常濃度のフィルム)と判定されたとき、(2)式で算出される修正された最小有効値dは、ステップ105の粗スキャンで得られた6つのヒストグラムの最大有効値及び最小有効値を用いて、R、G、Bの各色成分毎に次のようにして求められる。すなわちRの修正された最小有効値は、(2)式のH1DにHr1Dを、H2DにHr2Dを、H1dにHr1dを、H2dにHr2dを代入することによって求められる。同様にしてGの修正された最小有効値は、(2)式のH1DにHg1Dを、H2DにHg2Dを、H1dにHg1dを、H2dにHg2dを代入することによって求められ、Bの修正された最小有効値は、(2)式のH1DにHb1Dを、H2DにHb2Dを、H1dにHb1dを、H2dにHb2dを代入することによって求められる。
【0084】
またステップ120において高濃度フィルムであると判定されたとき、(2)式で算出される修正された最小有効値dは、ステップ105の粗スキャンにおける第2の露光時間で得られた3つのヒストグラムHr2、Hg2、Hb2とステップ430の再粗スキャンで得られた3つのヒストグラムHr3、Hg3、Hb3の最大有効値と最小有効値を用いて次のように求められる。すなわちRの修正された最小有効値は、(2)式のH1DにHr2Dを、H2DにHr3Dを、H1dにHr2dを、H2dにHr3dを代入することによって求められる。同様にしてGの修正された最小有効値は、(2)式のH1DにHg2Dを、H2DにHg3Dを、H1dにHg2dを、H2dにHg3dを代入することによって求められ、Bの修正された最小有効値は、(2)式のH1DにHb2Dを、H2DにHb3Dを、H1dにHb2dを、H2dにHb3dを代入することによって求められる。
【0085】
次に、図3のステップ130において実行される色補正パラメータの算出について説明する。
(3)式は、ラインセンサ30の出力信号(画素値)に対して色補正とネガ/ポジ変換、すなわち反転線形階調補正を施すための式であり、これによって得られた正規化データは、メモリ46に格納されたルックアップテーブル(LUT)を参照することにより、ガンマ補正等の補正を施される。
【0086】
【数3】
【0087】
(3)式において、Dはヒストグラムの最大有効値であり、dはヒストグラムの最小有効値である。前述したように、最小有効値dは最大有効値Dが所定値(900)になるようにして決定されている。したがって(3)式では、最大有効値は所定値(900)である。L1、L2は、ガンマ補正等を行うためのルックアップテーブル(LUT)の下側基準値と上側基準値である。すなわち下側基準値L1はLUTにおいて参照可能な画素値の最小値であり、上側基準値L2はLUTにおいて参照可能な画素値の最大値である。
【0088】
図14のヒストグラムH1における画素値は次の(4)式に従ってオフセット減算される。
X1=(画素値−d)+L1 (4)
【0089】
すなわち(画素値−d)の項によって、画素値が最小有効値dだけ減算され、ヒストグラムH1は図14の左側にシフトする。このシフト後の画素値に下側基準値L1を加算することにより、図15に示されるヒストグラムH2が得られる。
【0090】
ヒストグラムH2の実質的な分布幅W1はL1〜(D−d)+L1であるが、(5)式に従って分布幅W2に変換される。
【数4】
【0091】
すなわち、図15のヒストグラムH2における画素値X1からオフセットL1を引いた値(X1−L1)に係数(L2−L1)/(D−d)を乗じることにより、 図16に示される分布幅W2に拡大される。これに下側基準値L1を加算することにより、図16に示されるヒストグラムH3が得られる。
【0092】
次に、上側基準値L2から(5)式のX2を減じるとともに下側基準値L1を加算することにより((6)式参照))、ヒストグラムは図において左右に反転される。すなわち画像データがネガ/ポジ変換され、図17に示される正規化データのヒストグラムH4が得られる。
【0093】
【数5】
【0094】
このように画像データのヒストグラムは(6)式によって、最小有効値dから最大有効値D(900)の分布範囲が上側基準値L2から下側基準値L1の分布範囲へ変換される。この分布範囲の変換が、R、GおよびBの各色成分についてそれぞれ独立に行なわれることによって、各色成分のバランスがとられ、読み取られた画像が本来有する自然な色調で再現され得る。すなわち各色成分のヒストグラムの分布範囲が調整されることによって、画像データが色補正される。なお(6)式において、
L2+{(L2−L1)/(D−d)}×d
はオフセット値、
(L2−L1)/(D−d)
は係数であり、これらオフセット値と係数は色補正パラメータである。これらの色補正パラメータはR、G、Bの各色成分毎に求められる。
【0095】
色補正パラメータは、図4のステップ135で補正された画像データや、ステップ170のプリスキャン、あるいはステップ155の本スキャンにおいて得られた画像データに、色補正およびネガ/ポジ変換を施すために用いられる。(6)式に従って得られた正規化データは、上述したようにLUTを参照することによりガンマ補正等を施され、ディスプレイ装置へ転送されて、カラー画像が画面上に表示される。
【0096】
次にステップ140におけるプレビュー画像作成のために、ステップ135で行なう画像データ前処理について説明する。ステップ135では、ステップ105の粗スキャンまたはステップ430の再粗スキャンで得られた画像データの画素値レベルを最適露光時間で露光されたときに得られるであろう画素値レベルに補正する。今最適露光時間で露光されたときに得られるであろう画素値をX’(補正値)とし、粗スキャン105またはステップ120で行なわれる再粗スキャンによって得られる画像データの画素値をXとすると、Xの補正値X’は、(7)式によって求められる。すなわちX’とXの比は(最適露光時間)と(Xの読取露光時間)の比に等しいとする。
X’=( 最適露光時間)/(Xの読取露光時間)×X (7)
【0097】
以上のように本実施形態によれば、ネガフィルムMが高濃度フィルムであるか否かにかかわらず、ラインセンサ30の出力特性における非線型性の影響ができるだけ小さくなるようにして最適露光時間が決定される。すなわち通常濃度のフィルムのときには最適露光時間Tr’、Tg’、Tb’が、また高濃度フィルムのときには最適露光時間Tr”、Tg”、Tb”が決定されるので、ラインセンサ30から得られる画像データに対する色補正を行なうための色補正パラメータを高精度に定めることができ、再生画像の色をより自然なものにすることができる。
【0098】
また、本実施形態では、1度の粗スキャンで得られた画像データから、ネガフィルムMが高濃度フィルムであるか否かが判定され、高濃度フィルムのときのみ再粗スキャンが行なわれる。一方、通常濃度のフィルムのときには、その1度の粗スキャンで得られた画像データから色補正パラメータを算出し、プレビュー画像も作成できるため、処理時間を従来よりも短縮することができる。
【0099】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、フィルム濃度に関係なく色補正パラメータを常に高精度かつ短時間に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である画像読取装置を示すブロック図である。
【図2】原稿移送機構、光源およびラインセンサを示す斜視図である。
【図3】画像読取ルーチンを示すフローチャートの前半部である。
【図4】図3に示す画像読取ルーチンを示すフローチャートの後半部である。
【図5】図3のステップ105において実行される粗スキャンによって得られた画素値の分布を示すヒストグラムの図である。
【図6】図3のステップ105において実行される粗スキャンのサブルーチンのフローチャートの前半部分である。
【図7】図6に示す粗スキャンのサブルーチンのフローチャートの後半部分である。
【図8】図3のステップ110において実行される最大有効値を求めるサブルーチンのフローチャートである。
【図9】露光時間と最大有効値との関係の一例を示している。
【図10】図3のステップ120において実行される高濃度フィルム処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図11】図10のステップ430において実行される再粗スキャンによって得られた画素値の分布を示すヒストグラムの図である。
【図12】図10のステップ430において実行される再粗スキャンのサブルーチンのフローチャートである。
【図13】図3のステップ125において実行される、最小有効値算出ルーチンのフローチャートである。
【図14】ラインセンサによって得られた画素値の分布を示すヒストグラムの図である。
【図15】図14のヒストグラムにオフセット減算を施すことによって得られたヒストグラムを示す図である。
【図16】図15のヒストグラムに係数(L2−L1)/(D−d)を乗じることにより得られたヒストグラムを示す図である。
【図17】正規化データのヒストグラムを示す図である。
【符号の説明】
30 光学センサ
M ネガフィルム
Claims (7)
- 光学センサを、第1の露光時間及びこの第1の露光時間よりも長い第2の露光時間を用いて露光することにより、ネガフィルムに記録されたカラー画像に対応した画像データを各露光時間毎に得るとともに、前記画像データに基づいて各露光時間毎に、各画像データの値の分布を示すヒストグラムを生成する第1の画像読取手段と、
前記第1及び第2の露光時間毎に、前記第1の画像読取手段によって生成される第1及び第2のヒストグラムについて、それぞれ最大有効値を求め、その最大有効値に基づいて、第1の最適露光時間を算出する第1の最適露光時間算出手段と、
前記第2のヒストグラムの最大有効値を用いて、前記ネガフィルムが高濃度フィルムであるか否かを判定する高濃度フィルム判定手段と、
前記高濃度フィルム判定手段において、前記ネガフィルムが高濃度であると判定されたときに、前記ネガフィルムに記録されたカラー画像に対応した画像データを、前記第1の最適露光時間よりも短く、かつ前記第2の露光時間よりも長い第3の露光時間を用いて得るとともに、その画像データに基づいて画像データの値の分布を示すヒストグラムを生成する第2の画像読取手段と、
前記第2の画像読取手段によって生成される第3のヒストグラムの最大有効値と、前記第2のヒストグラムの最大有効値を用いて、第2の最適露光時間を算出する第2の最適露光時間算出手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置の露光制御装置。 - 前記第1の画像読取手段および前記第2の画像読取手段が、相互に異なる色について前記画像データを得るとともに、前記異なる色毎にヒストグラムを生成し、前記第1の最適露光時間算出手段及び前記第2の最適露光時間算出手段が前記異なる色毎に最適露光時間を算出することを特徴とする請求項1に記載の露光制御装置。
- 前記光学センサから出力される画像データに対して色補正を行なうために、前記ネガフィルムが高濃度フィルムでないと判定された場合においては前記第1および第2のヒストグラムの最大有効値と最小有効値に基づいて、また高濃度フィルムであると判定された場合においては前記第2および第3のヒストグラムの最大有効値と最小有効値に基づいて、前記異なる色毎に色補正パラメータを算出する色補正パラメータ算出手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の露光制御装置。
- 前記第2または第3の露光時間で、前記光学センサを露光することにより得られる画像データを用いて、プレビュー画像を作成するプレビュー画像作成手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の露光制御装置。
- 前記光学センサがラインセンサであることを特徴とする請求項1に記載の露光制御装置。
- 前記各露光が終了する毎に、 前記ネガフィルムまたは光学センサの一方を所定量だけ移送し、前記第1の画像読取手段及び前記第2の画像読取手段とにおける移送方向が逆方向であることを特徴とする請求項5に記載の露光制御装置。
- 前記第3の露光時間が前記第1の最適露光時間に1未満の係数を乗じて得られることを特徴とする請求項1に記載の露光制御装置。
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