JP3615937B2 - スライド式ハンドル機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、芝刈機等に用いられるスライド式ハンドル機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
一対のアームを介して本体に設けられたハンドルを有する芝刈機等において、作業者に応じた適切な位置や収納位置にハンドルを調節できるようにスライド式のハンドルを備えた芝刈機が知られている。ハンドルをスライド式とする場合、例えば本体部から伸びる一対の本体アームと、本体アームに対してスライド可能に設けられ一端にハンドルを設けた一対のスライドアームとによりアームを構成している。
従来、例えばスライド式ハンドルを備えた芝刈機には、本体部に設けられている電動機を操作する操作ボタン等がハンドルに組み込まれているものがある。このような芝刈機では、本体に設けられた電動機とハンドルに設けられた操作ボタンを接続する電気コードが必要である。一方、一対の本体アームの間には、連結部が設けられることがある。この場合、ハンドルを収納する時に、ハンドルから突き出た電気コードと本体アーム間に設けられた連結部が互いに干渉してしまい、ハンドルを完全に収納することができない。このため、ハンドル収納時の大きさを小さくするには限界があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、ハンドルに設けられた電気コード等と本体アーム側に設けられた連結部の干渉を防止でき、もってハンドル収納時の大きさを小さくするスライド式ハンドル機構を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、上記各請求項に記載の通りの構成を備えるスライド式ハンドル機構であることを特徴とする。
したがって請求項1に記載のスライド式ハンドル機構を用いれば、ハンドルに設けられた突起部と連結部との干渉を防止することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2は本発明の一実施の形態のスライド式ハンドル機構を用いた芝刈機1の側面図、平面図である。図中2は本体ハウジングであり、本体ハウジング2の前方には左右に一対の前輪3が設けられているとともに、後方には例えば円柱体形状の後輪4が設けられている。なお、車輪構造、数、配置位置等は種々変更可能である。
本体ハウジング2の内部には芝刈り込み用の固定刃及び回転刃(図示していない)が設けられており、これら固定刃及び回転刃による芝刈り込み高さを調整するための刃高調整レバー5が本体ハウジング2の上面前方等に設けられている。また、本体ハウジング2の側壁等には内部点検用の蓋6が設けられている。また、本体ハウジング2の後方等には、刈り取った芝を収容するための芝収容体7が着脱可能に取り付けられている。また、回転刃を駆動する電動機(図示していない)に電源を供給するための電気コード13aが設けられている。
本体ハウジング2の後部の左右には一対の本体アーム9が設けられている。この本体アーム9は、一端側が本体ハウジング2に対し本体軸8を中心に矢印10の方向に回動可能に設けられている。そして、この本体アーム9の他端側には、一対のスライドアーム11の本体アーム9に対するスライドをロックするロック装置17が設けられている。本実施の形態では、本体アーム9の内面をスライドアーム11がスライドするように構成されている。
一対のスライドアーム11のロック装置17と反対側には、芝刈機1を操作するためのハンドル12が設けられている。このハンドル12には、図4に示すように本体ハウジング2側の前面部12aに、本体ハウジング2に設けられた電気コード13aと接続されている電気コード13bが設けられているとともに、外部電源と接続するための電源用ソケット14が設けられている。電気コード13bと電源用ソケット14は、外部電源投入用スイッチ15および電動機操作用スイッチ16を介して接続されている。
【0006】
ロック装置17を図3、図4、図5、図6、図7、図8により詳述する。なお、図3、図4はハンドル12を収納した状態の平面図、斜視図である。また、図5は図2のV−V線矢視図であり、スライドアーム11の本体アーム9に対するスライドをロックした状態を示す。また、図6(A)は、ハンドル12を伸ばした状態を示し、図6(B)はハンドル12を収納した状態を示す。また、図7は図2のVII−VII線矢視図であり、ロック装置17を構成しているロック部材20の断面を示している。また、図8は図2のVIII−VIII線矢視図であり、ロック装置17を構成している連結部40の断面を示している。
ロック装置17は、一対のロック部材20、連結部40、連結棒50、操作レバー60等により構成されている。ロック部材20は、スライドアーム11を本体アーム9に対して所定のスライド位置でロックするものであり、取付部22とロック部21を有している。取付部22とロック部21との境界には、ロック部材20が対向する側と反対側の部分にスリット23が設けられている。なお、以下では、各ロック部材20が対向する側を内側、対向しない側を外側という。
取付部22は、本体アーム9の外周を覆い内径が変更可能となるように一部が開口したリング状(例えば円筒状)に形成されている。この取付部22の開口端には、一対の取付片24が設けられている。また、この一対の取付片24の対向する位置に孔25が設けられている。孔25にボルト等を挿通して取付片24を締め付けることにより取付部22の内径が小さくなる。これにより取付部22、したがってロック部材20が本体アーム9に取付けられる。なお、取付部22の内径は本体アーム9の外径に対応して設定される。
ロック部21は、スライドアーム11の外周を覆い、内径が変更可能となるように一部が開口したリング状(例えば円筒状)に形成されている。このロック部21の開口端には、一対のロック片26が設けられている。また、この一対のロック片26の対向する位置には、後述する連結棒50が挿通される孔27が設けられている。なお、ロック部21の内径は、スライドアーム11の外径に対応して設定される。取付部22の内径はロック部21の内径よりも若干大きく形成されており、取付部22とロック部21との間に内径段差28が設けられている。この内径段差28により、取付部22に本体アーム9を差し込む場合の位置決めが容易となる。
各ロック部材20の内側の間には、連結部40が設けられている。連結部40は、図8に示すように断面が略C字状に形成された本体部41と、本体部41の内側に設けられた補強片42と後述する連結棒50を支持するガイド片43を有している。ここで、ハンドル12の前面部12aに設けられている電気コード13bおよび電源用ソケット14と、連結部40のロック部21に対する取付位置が同一平面状にあるため、連結部40は、スライドアーム11を収縮させてハンドル12を収納する場合に、電気コード13bおよび電源用ソケット14と干渉しないように、電気コード13bおよび電源用ソケット14と対向する部分に凹状の逃がし部41が設けられている。
連結部40の内側には連結棒50が配設されており、連結棒50の両端部は各ロック部材20の一対のロック片26に設けられた孔27を貫通している。この連結棒50の一端側にはストッパー51が設けられ、また、連結棒50の他端側には本体アーム9に対するスライドアーム11のスライドのロックあるいはロック解除を行なう操作レバー60が回動ピン52により回動可能に設けられている。連結棒50としては、丸棒、角棒等を用いることができる。操作レバー60は、スライドのロックを解除する場合には図4の矢印70の方向に、スライドをロックする場合には図5の矢印71の方向に回動される。操作レバー60には、凸状の加圧部62、脱圧部63が設けられている。また、操作レバー60のロック部21と対応する部分61は、ロック部21の外周とほぼ同じ形状に形成されており、操作レバー60をロック位置に回動させた場合に図4に示すように収納される。
なお、電気コード13bおよびソケット14が本発明の突起部に対応する。
【0007】
次に、本発明のスライド式ハンドル機構の動作について説明する。
操作レバー60を図5の矢印70の方向に回動させると、脱圧部63の回動中心からの距離が加圧部62の回動中心からの距離よりも小さいことから、各外側のロック片26に加えられる加圧力が弱くなる。これにより、各ロック部21の内径が大きくなって、ロック部21によるスライドアーム11の保持が解除されるため、本体アーム9に対するスライドアーム11のスライドのロックが解除される。この状態でスライドアーム11を図2の矢印30の方向にスライドさせ、ハンドル12を収納位置に調節する。その後、操作レバー60を図5の矢印70と反対方向に回動させると、操作レバー60の加圧部62およびストッパー51により、各ロック部材20のロック片26のうち外側の部分が図4の矢印方向に加圧される。この時、ロック部21およびロック片26の内側の部分が連結部40により連結されているため、各外側のロック片26はほぼ等しい加圧力で加圧される。これにより、各ロック部21の内径が小さくなってスライドアーム11がロック部21に保持されるため、本体アーム9に対するスライドアーム11のスライドがロックされる。ここで、連結部40の上面に凹状の逃がし部41が設けられているため、ハンドル12を収納位置にスライドさせる場合、ハンドル12の前面部12aに設けられた電気コード13bおよび電源用ソケット14は、連結部40の逃がし部41の上部を交差するように通過し、電気コード13bおよび電源用ソケット14が連結部40と干渉することがない。このため、ハンドルの前面部12aが連結部40と接触する位置までハンドル12を収縮させることができ、ハンドル収納時の大きさを小さくすることができる。
【0008】
以上の実施の形態では、連結部40の上面全体を凹状に窪ませて、逃がし部41としたが、逃がし部の構成はこれに限定されず、電気コード13bおよび電源用ソケット14それぞれに対向する部分を凹状に窪ませあるいは穴を開ける等、干渉を防止することができればよい。
また、操作レバー60は、実施の形態の構成に限定されず、ロック部21の内径を変更することができれば、その形状、回動方向等は種々変更可能である。
また、各ロック部材20のロック部21と取付部22の間に設けるスリット23の形状、長さ、位置等は種々変更可能である。さらに、スリット23は省略することもできる。
また、ロック部材20のロック部21の開口端に一対のロック片26を設けたが、内側のロック片は省略することもできる。
また、ロック部材20を本体アーム9に取り付ける取付手段として取付部22及び取付片25を用いたが、取付手段としては種々の取付手段を用いることができる。
また、ロック部21と取付部22の境界に内径段差28を設けたが、内径段差28は省略することもできる。
また、ロック部21をリング状に形成したが、ロック部21の形状はリング状に限定されず本体アーム9あるいはスライドアーム11を保持できるように内径を変更可能であればよい。
また、連結棒50の一端側にストッパー51を設けたが、連結棒50の一端側をロック片26に取付けてもよい。
また、芝刈機のスライド式ハンドル機構について説明したが、本発明は芝刈機以外の各種機器におけるスライド式ハンドル機構として用いることができる。
【0009】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載のスライド式ハンドル機構を用いれば、ハンドルを完全に収納することができ、収納サイズをコンパクト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のスライド式ハンドルの収納機構を用いた芝刈機の側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態のスライド式ハンドルの収納機構を用いた芝刈機の平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態のスライド式ハンドルの収納機構の平面図である。
【図4】本発明の一実施の形態のスライド式ハンドルの収納機構の斜視図である。
【図5】図2のV−V線矢視図であって、スライドアームが本体アームに対してロックされている状態を示す図である。
【図6】ハンドルを伸ばした状態およびハンドルを収納した状態を示す図である。
【図7】図2のVII−VII線矢視図である。
【図8】図2のVIII−VIII線矢視図である。
【符号の説明】
9…本体アーム
11…スライドアーム
12…ハンドル
12a…前面部
17…ロック装置
40…連結部
41…逃がし部
50…連結棒
60…操作レバー
Claims (1)
- 一対の本体アームと、前記一対の本体アームにスライド可能に取付けられる一対のスライドアームと、前記一対のスライドアームに亘って取付けられるハンドルとを有するスライド式ハンドル機構であって、
前記一対の本体アームの間には、前記一対の本体アームに亘って連結部が取付けられており、その連結部には、前記ハンドルから前記連結部に向けて突出する突起部との干渉を防止する逃がし部が設けられており、
前記一対の本体アームのそれぞれには、前記スライドアームをスライド不能にロックするロック装置が設けられており、前記一対の本体アームの間には、前記連結部の内部を移動することで前記一対のロック装置をロック・ロック解除する連結棒が設けられており、
前記ロック装置は、前記連結棒の移動によって内径が変化し、かつ前記スライドアームを外周側から保持するロック部を有していることを特徴とするスライド式ハンドル機構。
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