JP3615652B2 - 仕切装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用時にはベルト収容体からベルトを引き出し、該ベルトを横方向に張り渡して所望の場所に仕切りを形成する一方、不使用時には前記ベルトを前記ベルト収容体内に収容することができる仕切装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種の仕切装置は、例えば、銀行、店舗等において、現金出納機前の利用者が並ぶ場所を仕切ったり、顧客の通路を仕切る等のために使用されている。
【0003】
従来のこの種の仕切装置は、ベルト収容体内にベルトを巻き取る回転体と、この回転体をベルトを巻き取る方向に付勢するばねとが収容されており、使用時には、ベルトを引っ張ると、回転体がばねの付勢方向と反対方向に回転してベルトをベルト収容体外に引き出すことができる一方、不使用時には、ベルトに対する拘束を解除すると、ばねの力により回転体がベルト巻き取り方向に自然に回転してベルトを巻き取り、ベルト収容体内に収容するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、従来のこの種の仕切装置においては、
(a)構造が複雑となるとともに、比較的に高価なばねを使用する必要があるため、製造コストが高くなる、
(b)ベルトの最大引き出し長さを長くするためには、ベルト収容体の径を太くせざるを得ず、ベルト収容体を薄型にすることは不可能である、
(c)ベルト収容体の大きさを可能な限り小さくするためには、ベルト収容体を横断面円形にせざるを得ず、ベルト収容体の外周面に文字、記号等を描いても、視認性が悪い、
(d)保管時にスペースを大きく必要とする、
等の問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、本発明の一つの目的は、構造が簡単で、製造コストを安くすることができる仕切装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、ベルトの最大引き出し長さを長くし、なおかつベルト収容体を横断面形状が扁平な形状としてベルト収容体を薄型にすることができる仕切装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、ベルト収容体の外面に文字、記号等を描いたときの視認性を良好にすることができる仕切装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、保管時に必要なスペースを小さくすることができる仕切装置を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による仕切装置においては、上下方向に延びるベルト収容体内に錘体を昇降可能に収容する。また、前記ベルト収容体内にベルト収容体側巻き掛け部材を設ける一方、前記錘体に錘体側巻き掛け部材を設ける。ベルトの一端部を前記錘体に連結し該錘体を前記ベルトで吊り下げるとともに、前記ベルトを他端側から前記ベルト収容体外に引き出すようにする。ここにおいて、前記ベルトは、前記ベルト収容体側巻き掛け部材および前記錘体側巻き掛け部材に巻き掛けることにより、前記ベルト収容体内で2回以上、上下方向に折り返すようにする。
【0011】
このような構成とすることにより、ベルトを引っ張ると、ベルトがベルト収容体外に引き出されて行き、それとともに錘体が重力に抗して上昇されて行く。また、ベルトに対する拘束を解除すると、重力により錘体が落下し、ベルトがベルト収容体内に引き込まれてベルト収容体内に収容される。
【0012】
本発明による仕切装置においては、ベルトを巻き取る回転体および該回転体を付勢するばねが不要で、構造を簡単にすることができ、製造コストを安くすることができる。
【0013】
また、ベルトがベルト収容体内で上下方向に折り返されているので、ベルトの最大引き出し長さを長くすることができる。そして、ベルト収容体内に収容されたベルトは、ベルト収容体内でそのまま垂れ下がらしておけばよいので、ベルト収容体をその横断面形状が扁平な形状としてベルト収容体を薄型にすることができる。
【0014】
また、上述のようにベルト収容体をその横断面形状が扁平な形状とすることができるので、ベルト収容体の外面に文字、記号等を描いたとき、その視認性を非常に良好にすることができる。
【0015】
また、ベルト収容体を基台上に立設し、この基台に、他の仕切装置のベルト収容体に横方向から嵌合可能な凹部を設けることにより、保管時には、複数個の仕切装置の基台を、下側の仕切装置のベルト収容体に上側の仕切装置の凹部を嵌合した状態で重ね合わせることにより、保管に必要なスペースを非常に小さくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0017】
【実施例】
図1〜16は、本発明による仕切装置の一実施例を示す。このうち図1〜4は本実施例の全体図を示しており、金属製の円板に凹部1を設けてなる基台2には上下方向に延びるベルト収容体3が立設されている。このベルト収容体3は、筒状体4と上部材5とからなる。前記筒状体4は、図5に示されるように、その横断面形状を長円状の扁平な形状とされており、その上端付近の両側部に上下方向に延びる嵌合溝6(図3参照)を設けられている。図6および7は、前記上部材5を単独で示したものである。この上部材5はプラスチック製で、その上端部に蓋部7、両側部に嵌合溝6に対応する形状の嵌合突起8をそれぞれ一体的に設けられており、図3に示されるように、嵌合突起8を嵌合溝6に嵌合されることにより、筒状体4の上端部に装着されている。この装着状態において、蓋部7は筒状体4の上端開口を閉じている。図6および11に示されるように、前記上部材5の一方の側部には、嵌合突起8を貫通するベルト引き出し口9が設けられている。このベルト引き出し口9は、上下方向に延びるスリット状をなしている。前記上部材5の下端側には、後述するベルト10を上下方向に案内するガイド11が一体的に設けられている。
【0018】
前記上部材5のガイド11付近には、巻き掛け部材軸12が横方向に取り付けられており、この巻き掛け部材軸12には円筒状のベルト収容体側巻き掛け部材13が回転可能に嵌合されている。また、前記上部材5には、ベルト引き出し口9の側方に位置するようにして、巻き掛け部材軸14が斜め方向(基台2が水平面に置かれたとき、水平方向及び鉛直方向に対して45度をなす方向)に取り付けられており、この巻き掛け部材軸14には下端側ほど径が大きくなるテーパーをつけられた円筒状の方向変換用巻き掛け部材15が回転可能に嵌合されている。
【0019】
前記ベルト収容体3内には、錘体16がベルト収容体3に対して昇降可能に収容されている。図8は、前記錘体16を単独で示したもので、この錘体16の上端部付近には、ベルト取付軸17および巻き掛け部材軸18が横方向に取り付けられている。前記巻き掛け部材軸18には、錘体側巻き掛け部材19が回転可能に嵌合されている。図10および12によく示されるように、前記錘体16には、布または軟質プラスチック等の柔軟な材料からなるベルト10の一端部がベルト取付軸17を介して連結されており、これにより錘体16はベルト10に吊り下げられている。前記ベルト10は、図11および12に示されるように、ベルト収容体側巻き掛け部材13および錘体側巻き掛け部材19に巻き掛けられることにより、ベルト収容体3内で2回上下方向に折り返されている。図13は、理解を容易にするために、ベルト10の折り返し状態を簡略化して示した概念図である。前記錘体16の底部には、ゴム等からなる緩衝材23が取り付けられている。
【0020】
前記ベルト10は、ベルト収容体側巻き掛け部材13および錘体側巻き掛け部材19を経由した後、図9および11に示されるように、方向変換用巻き掛け部材15に巻き掛けられて上下方向から横方向に方向を変換された上、ベルト引き出し口9からベルト収容体3外に引き出されている。前記ベルトの他端部には、留め具20が取り付けられており、この留め具20はベルト引き出し口9を通過できない大きさとされている。
【0021】
この仕切装置においては、留め具20を持ってベルト10を引っ張ると、図1および4に示されるようにベルト10がベルト収容体3外に引き出されて行き、これとともに図4の一点鎖線で示されるように、錘体16が重力に抗して上昇されて行く。したがって、留め具20を適当な場所に留めることにより、該ベルト10を横方向に張り渡して、所望の場所に仕切りを形成することができる。図14は、ベルト収容体3に留め具係止手段21を設けておき、1つの仕切装置の留め具20を他の仕切装置の留め具係止具21に係止することにより、ベルト10を2つの仕切装置間に張り渡した例を示している。
【0022】
使用終了後は、留め具20ひいてはベルト10に対する拘束を解除すると、重力によりベルト収容体3内において錘体16が落下し、図4の実線位置で示されるように、留め具20がベルト引き出し口9に当接するまでベルト10がベルト収容体3内に引き込まれ、該ベルト収容体3内に収容される。
【0023】
この仕切装置は、上述のように重力によりベルト10を収納するようになっており、ベルト10を巻き取る回転体および該回転体を付勢するばねが不要であるので、構造を簡単にすることができ、製造コストを安くすることができる。
【0024】
また、ベルト10がベルト収容体3内で上下方向に折り返されているので、ベルト10の最大引き出し長さを長くすることができる。そして、ベルト収容体3内に収容されたベルト10は、ベルト収容体3内でそのまま垂れ下がらしておけばよいので、ベルト収容体3を横断面扁平な形状としてベルト収容体3を薄型にすることができる。なお、本実施例では、ベルト10がベルト収容体3内で2回のみ上下方向に折り返されているが、より多くの回数、ベルト10がベルト収容体3内で上下方向に折り返されるようにしてもよい。
【0025】
また、上述のようにベルト収容体3を横断面扁平な形状とすることができるので、ベルト収容体3の外面に文字、記号等22を描いたとき、その視認性を非常に良好にすることができる。
【0026】
また、図15および16に示されるように、保管時には、複数個の仕切装置の基台2を、下側の仕切装置のベルト収容体3に上側の仕切装置の凹部1を嵌合した状態で重ね合わせることにより、保管に必要なスペースを非常に小さくすることができる。
【0027】
なお、方向変換用巻き掛け部材15を全長に渡って径が均一な円筒状とすると、ベルト10が引き出されたり、引き込まれたりするときに、下方に寄ってしまい、ベルト10の引き出しおよび収納が円滑に行われなくなるが、本発明では、方向変換用巻き掛け部材15が、下方側の方が径が大きくなるテーパーをつけられているので、そのような不都合を防止できる。
【0028】
また、本実施例では、錘体16の底部に緩衝材23が取り付けられているので、錘体16が急激に落下されてベルトが伸び、錘体16の底部が基板2に衝突してしまっても、緩衝材23によりその衝撃が吸収される。
【0029】
また、本実施例では、錘体側巻き掛け部材19が回転可能とされているが、ベルト10とこの巻き掛け部材19との間に作用する摩擦力を十分小さくできる場合は、この巻き掛け部材19を回転可能としなくてもよい。
【0030】
図17〜22は本発明の他の実施例を示している。本実施例においては、留め具20は、そのどの部分も同一の横断面形をなす柱状体とされている。この留め具20の横断面の両側辺20a,20bはベルト引き出し方向に末広がりとなるように傾斜されている。
【0031】
上部材5の一方の側端部には、留め具収容凹部25が設けられている。この留め具収容凹部25は上方と下方のみを閉鎖されており、両側方(図18における紙面と垂直な方向)は開放されている。図20に示されるように、前記留め具収容凹部25の底部には、ベルト引き出し口9が設けられている。また、前記上部材5の両面のうちの留め具収容凹部25付近は、該凹部25に近付くほど落ち込んで行く傾斜面5a,5bとされている。
【0032】
前記上部材5の他方の側端部付近には、留め具20の横断面形およびベルト10に対応する横断面形を有する留め具係止穴26が上下方向に設けられており、この留め具係止穴26は上部材5の上面に開口している。他の構成は、前記実施例と同様である。
【0033】
本実施例において、ベルト10がベルト収容体3内に完全に収容された状態では、図21の破線および図22の実線で示されるように、留め具20が留め具収容凹部25内に収容された状態となり、留め具20がベルト収容体3外に突出しないので、外観上の体裁が良くなる。
【0034】
また、留め具収容凹部25の両側方(図18における紙面と垂直な方向)は開放されているので、留め具20が留め具収容凹部25内に収容された状態からベルト10を引き出すときは、両側方から留め具20を指で摘んでベルト10を引き出すことができる。なお、この際、上部材5の両面に傾斜面5a,5bが設けられているとともに、留め具20の横断面の両側辺20a,20bがベルト引き出し方向に末広がりとなるように傾斜されているので、留め具20を指で非常に摘みやすい。
【0035】
また、引き出した留め具20は、図21の実線および図22の破線で示されるように、他の仕切装置の留め具係止穴26に上方から嵌合することにより、体裁良く他の仕切装置に係止することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明による仕切装置は、
(イ)構造を簡単にすることができ、製造コストを安くすることができる、
(ロ)ベルトの最大引き出し長さを長くすることができる、
(ハ)ベルト収容体を横断面扁平な形状としてベルト収容体を薄型にすることができる、
(ニ)ベルト収容体を横断面扁平な形状として、ベルト収容体の外面に文字、記号等を描いたとき、その視認性を非常に良好にすることができる、
(ホ)ベルト収容体を基台上に立設し、この基台に、他の仕切装置のベルト収容体に横方向から嵌合可能な凹部を設けることにより、不使用時には、複数個の仕切装置の基台を、下側の仕切装置のベルト収容体に上側の仕切装置の凹部を嵌合した状態で重ね合わせることによって、保管に必要なスペースを小さくすることができる、
等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による仕切装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】前記実施例を示す平面図である。
【図3】前記実施例を示す左側面図である。
【図4】前記実施例を、ベルト収容体の筒状部および基台のみを断面して示す断面図である。
【図5】前記実施例のベルト収容体の筒状体(筒状部分)を示す拡大横断面図である。
【図6】前記実施例における上部材を示す正面図である。
【図7】前記実施例における上部材を示す底面図である。
【図8】前記実施例における錘体を示す正面図である。
【図9】図4の上部材付近を示す拡大断面図である。
【図10】前記実施例におけるベルトと錘体との連結部を示す拡大正面図である。
【図11】図9のXI−XI線における断面図である。
【図12】図10のXII−XII線における断面図である。
【図13】本実施例におけるベルトの折り返し状態を簡略化して示す概念図である。
【図14】前記実施例の2つの仕切装置間にベルトを張り渡した例を示す正面図である。
【図15】前記実施例の仕切装置を多数重ね合わせた状態を示す側面図である。
【図16】図15に対応する平面図である。
【図17】本発明による仕切装置の他の実施例におけるベルト収容体を示す平面図である。
【図18】前記他の実施例のベルト収容体の上端部付近を示す正面図である。
【図19】前記他の実施例のベルト収容体の上端部付近を示す側面図である。
【図20】図18のXX−XX線における上部材5の断面図である。
【図21】前記他の実施例において、留め具を他の仕切装置の留め具係止穴に嵌合した状態を示す平面図である。
【図22】図21に対応する正面図である。
【符号の説明】
1 凹部
2 基台
3 ベルト収容体
4 筒状体(ベルト収容体の筒状部分)
9 ベルト引き出し口
10 ベルト
12 巻き掛け部材軸
13 ベルト収容体側巻き掛け部材
14 巻き掛け部材軸
15 方向変換用巻き掛け部材
16 錘体
19 錘体側巻き掛け部材
20 留め具
25 留め具収容凹部
Claims (4)
- 横断面を扁平な形状とされた筒状部分を有し、上下方向に延びるベルト収容体と、このベルト収容体内に設けられた、軸方向が横方向に延びるとともに軸回りに回転可能とされたベルト収容体側巻き掛け部材と、前記ベルト収容体内に設けられた、軸方向が斜め方向に延びるとともに軸回りに回転可能とされており、かつ下方側の方が径が大きくなるテーパーをつけられている円筒状の方向変換用巻き掛け部材と、前記ベルト収容体内の前記筒状部分内に昇降可能に収容された錘体と、この錘体に設けられた錘体側巻き掛け部材と、一端部を前記錘体に連結されて該錘体を吊り下げており、かつ前記ベルト収容体側巻き掛け部材および前記錘体側巻き掛け部材に巻き掛けられることにより前記ベルト収容体内で2回以上、上下方向に折り返された上、前記方向変換用巻き掛け部材に巻き掛けられることにより上下方向から横方向へ方向を変換されて、他端側から前記ベルト収容体外に引き出されるベルトとを有してなる仕切装置。
- 他の仕切装置の前記ベルト収容体に横方向から嵌合可能な凹部を備えた基台をさらに有し、この基台に前記ベルト収容体が立設されている請求項1記載の仕切装置。
- 前記ベルトの先端部に取り付けられた留め具と、前記ベルト収容体に設けられた留め具収容凹部とを有し、前記ベルトが前記ベルト収容体内に完全に収容された状態では、前記留め具が前記留め具収容凹部内に収容される請求項1または2記載の仕切装置。
- 前記留め具収容凹部は、両側方を開放されており、前記留め具が前記留め具収容凹部内に収容された状態において両側方から前記留め具を指で摘むことができるようになっている請求項3記載の仕切装置。
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JP05610498A JP3615652B2 (ja) | 1998-02-21 | 1998-02-21 | 仕切装置 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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JP05610498A Expired - Lifetime JP3615652B2 (ja) | 1998-02-21 | 1998-02-21 | 仕切装置 |
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1998
- 1998-02-21 JP JP05610498A patent/JP3615652B2/ja not_active Expired - Lifetime
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