JP3614578B2 - ウェザストリップの型成形部 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、乗用車等のドア周りに装着されるウェザストリップに関し、特に、サッシレスドアの端末部に対する装着性を改良したウェザストリップの型成形部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車のサッシレスドアは、所謂サッシ部を有せずに、ドアパネルのみから成り、その上方端縁が略ベルトラインの高さに設定されている。
前記サッシレスドアの上方端縁の左右端末部に装着されるウェザストリップは、比較的複雑な形状で且つ約90°に折曲した隅部を形成するため金属性薄板あるいは硬質合成樹脂板から成るインサートパネルを芯材とする型成形部から成り、しかる後、比較的単純で長手の押出成形部と熱溶着、接着剤等により接合されてサッシレスドア周辺のシールが構成されている。
なお、前記押出成形部と芯材を有する型成形部とを、型成形時に加硫と同時に一体にしても良い。
【0003】
図4は、従来のサッシレスドア用ウェザストリップの型成形部10を示す斜視図であり、該型成形部10は、サッシレスドアのドアパネルDPの隅部に沿って立ち下げられる柱状部11を中心に、その上方端部に互いに約90°の角度で左右に第1の組付用フラップ部15及び第2の組付用フラップ部16を突設して成っている。
【0004】
前記柱状部11における要部の横断面は、破線で示したように、中空状躯体部12と該中空状躯体部12の外壁面から左右に突設した各シールリップ部13,14 によって画成されている。
一方、前記第1の組付用フラップ部15の下方端縁は前記シールリップ部13に連続するように、又、前記第2の組付用フラップ部16の下方端縁は前記シールリップ部14に連続するように夫々配設され、しかも前記ドアパネルDPに対する組付け位置精度を維持させるために約90°に折曲したインサートパネルIPを芯材にして型成形されている。
【0005】
前記第1の組付用フラップ部15は、透設した通孔17に図6及び図7に示したようなクリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの車内側表面に組付けられ、且つドアガラスWGの内面に摺接可能に固定されている。
前記第2の組付用フラップ部16も、透設した各通孔17に図6に示したようなクリップCLを挿入して、その裏面を前記ドアパネルDPの側面に組付け、固定されている。
【0006】
なお、前記通孔17に関連した構成を、前記第2の組付用フラップ部16に例をとって詳述すると以下の通りであった。
即ち、図5から明らかなように、前記第2の組付用フラップ部16に透設した前記通孔17の中心に対して、前記インサートパネルIPに前記通孔17と同心円状に且つ該通孔17よりも大きな口径を以て透設した通孔18を連通状態に保ち、図5のA−A 線に沿って切断した図6のように前記各通孔17,18 に前記クリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの側面に組付け、固定されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の型成形部10は、前記ドアパネルDPに対する組付け中あるいは組付け後に車輛下方向に向けた外力Fを受けると、その要部が比較的可撓性に富む例えば、エチレン− プロピレン− ジエン三元共重合体スポンジ材等から型成形されているので、図7及び図8に示したように、前記クリップCLのステム部19が前記インサートパネルIPに透設した前記通孔18の内周面に干渉する方向へ型成形部10が前記ドアパネルDPに対し前記型成形部10の車輛上下方向のずれdが生じ易く、その結果、外観が著しく損なわれるとともに密封性も低下する欠点があった。
【0008】
この欠点を解消するために、前記インサートパネルIPに前記通孔17に対して同心円状に透設した前記通孔18の口径を前記通孔17のそれと合致するように小口径にすると、前記クリップCLの前記型成形部10に対する挿入性が低下すると言う別の問題点を招来させた。
【0009】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解消し、乗用車のサッシレスドアの端末部に対する装着性及び装着位置精度が改良されたウェザストリップの型成形部を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、サッシレスドアのドアパネルの隅部に沿って立ち下げられる柱状部を中心に、その上方端部に所望の角度に折曲したインサートパネルを芯材にして互いに左右に第1の組付用フラップ部及び第2の組付用フラップ部を突設して成るウェザストリップの型成形部において、前記第1及び第2の各組付用フラップ部に各通孔を透設し、前記インサートパネルに前記通孔よりも大きな口径を有する各通孔を透設し、少なくとも前記第2の組付用フラップ部の前記各通孔の各中心に対して前記インサートパネルの前記各通孔の各中心を予め車輛下方向に所定の偏倚量を以て偏倚させ、偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形されたことを特徴とするウェザストリップの型成形部によって達成される。
【0011】
本発明のウェザストリップの型成形部は、サッシレスドアのドアパネルの隅部に沿って立ち下げられる柱状部を中心に、その上方端部に所望の角度に折曲したインサートパネルを芯材にして互いに左右に第1の組付用フラップ部及び第2の組付用フラップ部を突設して成るウェザストリップの型成形部において、前記第1及び第2の各組付用フラップ部に各通孔を透設し、前記インサートパネルに前記通孔よりも大きな口径を有する各通孔を透設し、少なくとも前記第2の組付用フラップ部の前記各通孔の各中心に対して前記インサートパネルの前記各通孔の各中心を予め車輛下方向に所定の偏倚量を以て偏倚させ、偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形されるので、前記ドアパネルに対する前記ウェザストリップの型成形部の組付け中あるいは組付け後において車輛下方向に向けた外力が作用しても、前記各通孔に挿入した前記クリップのステム部が組付け当初から前記インサートパネルの前記通孔の車輛上方内周面に対する干渉度合いが増強され、前記ドアパネルに対する前記ウェザストリップの型成形部の相対位置関係にずれが生じない。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のウェザストリップの型成形部の一実施態様について、添付した図面に基づき以下に詳述する。
図1は、本発明のウェザストリップの型成形部20を示す斜視図、図2は前記型成形部20の一部を示す平面図、図3は図2のA−A 線に沿って切断した断面図である。
【0013】
前記サッシレスドアの上方端縁の左右端末部に装着される本発明のウェザストリップの型成形部20は、比較的複雑な形状で且つ前記サッシレスドアのドアパネルDPの隅部に合わせて約90°に折曲した金属性薄板あるいは硬質合成樹脂板から成るインサートパネルIPを芯材として型成形され、しかる後、比較的単純で長手の押出成形部と熱溶着、接着剤等により接合されて前記サッシレスドア周辺のシールが構成される。
【0014】
図1に示したように、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記ドアパネルDPの隅部に沿って立ち下げられる柱状部21を中心に、その上方端部に互いに約90°の角度で左右に第1の組付用フラップ部25及び第2の組付用フラップ部26を突設して成っている。
【0015】
前記柱状部21における要部の横断面は、破線で示したように、中空状躯体部22と該中空状躯体部22の外壁面から左右に突設した各シールリップ部23,24 によって画成されている。
一方、前記第1の組付用フラップ部25の下方端縁は前記シールリップ部23に連続するように、又、前記第2の組付用フラップ部26の下方端縁は前記シールリップ部24に連続するように夫々配設され、しかも前記ドアパネルDPに対する組付け位置精度を維持させるために約90°に折曲した前記インサートパネルIPを芯材にして型成形される。
【0016】
前記第1の組付用フラップ部25は、透設した通孔27に図3に示したようなクリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの車内側表面に組付けられ、且つドアガラスWGの内面に摺接可能に固定される。
前記第2の組付用フラップ部26も、透設した各通孔27に図3に示したようなクリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの側面に組付け、固定される。
【0017】
なお、前記通孔27に関連した構成を、前記第2の組付用フラップ部26に例をとって詳述すると以下の通りである。
即ち、図2から明らかなように、前記第2の組付用フラップ部26に透設した前記通孔27の中心に対して、前記インサートパネルIPに該通孔27よりも大きな口径を以て透設した通孔28の中心を予め車輛上方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させ、偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形され、図2のA−A 線に沿って切断した図3のように前記各通孔27,28 に前記クリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの側面に組付け、固定される。
【0018】
前述した本発明の型成形部20は、前記ドアパネルDPに対する組付け中あるいは組付け後において、比較的可撓性に富む、例えば、エチレン− プロピレン− ジエン三元共重合体スポンジ材等から型成形されているその要部が下方に向けた外力を受けても、前記クリップCLのステム部19が比較的硬質の前記インサートパネルIPに透設した前記通孔28の車輛上方向内周面に干渉するように前記通孔27に対して前記インサートパネルIPの通孔28を前記所定の偏倚量d′を以て車輛下側に偏倚させ、偏心円状態に保たれているので、仮にずれd″が生じても僅少な値に止めることが可能になり、即ち、従来のウェザストリップの型成形部10における前記ずれdに対し、本発明のウェザストリップの型成形部20のずれd″は、d≫d″の関係にあり、且つこのずれd″は前記ドアパネルDPへの組付外観あるいは密封性を実質的に損なう迄には至らないものである。
【0019】
なお、前記第2の組付用フラップ部26に透設した前記通孔27の開口部周辺の凹部と前記クリップCLの頭部の嵌装状態を、実際には、図1〜図3に示したように前記第2の組付用フラップ部26に透設した前記通孔27と前記開口部周辺の凹部の各中心を同心円状に配設し、該通孔27の中心に対し前記インサートパネルIPに透設した前記通孔28の中心を車輛下方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させ、前記両通孔27,28 の各中心が偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形することが望ましい。
【0020】
更に、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記第1の取付用フラップ部25及び前記第2の組付用フラップ部26の折曲角度を90°に限定するものでなく、前記ドアパネルDPの形態に応じ任意の角度を以てインサート成形することが可能である。
又、前記インサートパネルIPは、アルミニウム合金板材、亜鉛メッキ鋼板等の金属製薄板あるいはナイロン、ポリエステル等の合成樹脂板材が好ましい。
なお、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記第2の組付用フラップ部26の前記通孔27の中心に対し前記インサートパネルIPの前記通孔28の中心を車輛下方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させるだけでなく、前記第1の取付用フラップ部25の前記通孔27の中心に対しても、前記インサートパネルIPの前記通孔28の中心を車輛下方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させることが好ましい。
【0021】
【発明の効果】
以上、記述した本発明のウェザストリップの型成形部20は、次に記すような新規な効果を奏するものである。
即ち、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記サッシレスドアのドアパネルDPの隅部に沿って立ち下げられる前記柱状部21を中心に、その上方端部に所望の角度に折曲した前記インサートパネルIPを芯材にして互いに左右に第1の組付用フラップ部25及び第2の組付用フラップ部26を突設して成る前記ウェザストリップの型成形部20において、前記第1及び第2の各組付用フラップ部25,26 に各通孔27を透設し、前記インサートパネルIPに前記通孔27よりも大きな口径を有する各通孔28を透設し、少なくとも前記第2の組付用フラップ部26の前記各通孔27の各中心に対して前記インサートパネルIPの前記各通孔28の各中心を予め車輛下方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させ、偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形されるので、前記ドアパネルDPに対する前記ウェザストリップの型成形部20の組付け中あるいは組付け後において車輛下方向に向けた外力Fが作用しても、前記各通孔27,28 に挿入した前記クリップのステム部19が、組付け当初から前記インサートパネルIPの前記通孔28の車輛上方内周面に対する干渉度合いを増強され、前記ドアパネルDPにに対する前記ウェザストリップの型成形部20の相対位置関係に前記ずれdに相当する変位が発生することを抑制可能になった。
【0022】
更に、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記各通孔28の口径サイズを変更することなく、両通孔27,28 のインサート成形位置を予め偏倚させて対処しているので、前記クリップCLの挿入性を良好に維持することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のウェザストリップの型成形部を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明のウェザストリップの型成形部の一部を示す平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A 線に沿って切断した断面図である。
【図4】図4は、従来のウェザストリップの型成形部を示す斜視図である。
【図5】図5は、従来のウェザストリップの型成形部の一部を示す平面図である。
【図6】図6は、図5のA−A 線に沿って切断した断面図である。
【図7】図7は、従来のウェザストリップの型成形部をドアパネルに取付後に、ウェザストリップが車輛下方向に位置ずれした状態での図5のA−A 線に沿って切断した断面図である。
【図8】図8は、従来のウェザストリップの型成形部をドアパネルに取付後に、ウェザストリップが車輛下方向に位置ずれした状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 従来のウェザストリップの型成形部
11 柱状部
12 中空状躯体部
13 シールリップ部
14 シールリップ部
15 第1の組付用フラップ部
16 第2の組付用フラップ部
17 通孔
18 通孔
19 ステム部
DP ドアパネル
IP インサートパネル
CL クリップ
d ずれ
20 本発明のウェザストリップの型成形部
21 柱状部
22 中空状躯体部
23 シールリップ部
24 シールリップ部
25 第1の組付用フラップ部
26 第2の組付用フラップ部
27 通孔
28 通孔
d′偏倚量
d″ずれ
WG ドアガラス
F 外力
【発明が属する技術分野】
本発明は、乗用車等のドア周りに装着されるウェザストリップに関し、特に、サッシレスドアの端末部に対する装着性を改良したウェザストリップの型成形部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車のサッシレスドアは、所謂サッシ部を有せずに、ドアパネルのみから成り、その上方端縁が略ベルトラインの高さに設定されている。
前記サッシレスドアの上方端縁の左右端末部に装着されるウェザストリップは、比較的複雑な形状で且つ約90°に折曲した隅部を形成するため金属性薄板あるいは硬質合成樹脂板から成るインサートパネルを芯材とする型成形部から成り、しかる後、比較的単純で長手の押出成形部と熱溶着、接着剤等により接合されてサッシレスドア周辺のシールが構成されている。
なお、前記押出成形部と芯材を有する型成形部とを、型成形時に加硫と同時に一体にしても良い。
【0003】
図4は、従来のサッシレスドア用ウェザストリップの型成形部10を示す斜視図であり、該型成形部10は、サッシレスドアのドアパネルDPの隅部に沿って立ち下げられる柱状部11を中心に、その上方端部に互いに約90°の角度で左右に第1の組付用フラップ部15及び第2の組付用フラップ部16を突設して成っている。
【0004】
前記柱状部11における要部の横断面は、破線で示したように、中空状躯体部12と該中空状躯体部12の外壁面から左右に突設した各シールリップ部13,14 によって画成されている。
一方、前記第1の組付用フラップ部15の下方端縁は前記シールリップ部13に連続するように、又、前記第2の組付用フラップ部16の下方端縁は前記シールリップ部14に連続するように夫々配設され、しかも前記ドアパネルDPに対する組付け位置精度を維持させるために約90°に折曲したインサートパネルIPを芯材にして型成形されている。
【0005】
前記第1の組付用フラップ部15は、透設した通孔17に図6及び図7に示したようなクリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの車内側表面に組付けられ、且つドアガラスWGの内面に摺接可能に固定されている。
前記第2の組付用フラップ部16も、透設した各通孔17に図6に示したようなクリップCLを挿入して、その裏面を前記ドアパネルDPの側面に組付け、固定されている。
【0006】
なお、前記通孔17に関連した構成を、前記第2の組付用フラップ部16に例をとって詳述すると以下の通りであった。
即ち、図5から明らかなように、前記第2の組付用フラップ部16に透設した前記通孔17の中心に対して、前記インサートパネルIPに前記通孔17と同心円状に且つ該通孔17よりも大きな口径を以て透設した通孔18を連通状態に保ち、図5のA−A 線に沿って切断した図6のように前記各通孔17,18 に前記クリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの側面に組付け、固定されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の型成形部10は、前記ドアパネルDPに対する組付け中あるいは組付け後に車輛下方向に向けた外力Fを受けると、その要部が比較的可撓性に富む例えば、エチレン− プロピレン− ジエン三元共重合体スポンジ材等から型成形されているので、図7及び図8に示したように、前記クリップCLのステム部19が前記インサートパネルIPに透設した前記通孔18の内周面に干渉する方向へ型成形部10が前記ドアパネルDPに対し前記型成形部10の車輛上下方向のずれdが生じ易く、その結果、外観が著しく損なわれるとともに密封性も低下する欠点があった。
【0008】
この欠点を解消するために、前記インサートパネルIPに前記通孔17に対して同心円状に透設した前記通孔18の口径を前記通孔17のそれと合致するように小口径にすると、前記クリップCLの前記型成形部10に対する挿入性が低下すると言う別の問題点を招来させた。
【0009】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解消し、乗用車のサッシレスドアの端末部に対する装着性及び装着位置精度が改良されたウェザストリップの型成形部を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、サッシレスドアのドアパネルの隅部に沿って立ち下げられる柱状部を中心に、その上方端部に所望の角度に折曲したインサートパネルを芯材にして互いに左右に第1の組付用フラップ部及び第2の組付用フラップ部を突設して成るウェザストリップの型成形部において、前記第1及び第2の各組付用フラップ部に各通孔を透設し、前記インサートパネルに前記通孔よりも大きな口径を有する各通孔を透設し、少なくとも前記第2の組付用フラップ部の前記各通孔の各中心に対して前記インサートパネルの前記各通孔の各中心を予め車輛下方向に所定の偏倚量を以て偏倚させ、偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形されたことを特徴とするウェザストリップの型成形部によって達成される。
【0011】
本発明のウェザストリップの型成形部は、サッシレスドアのドアパネルの隅部に沿って立ち下げられる柱状部を中心に、その上方端部に所望の角度に折曲したインサートパネルを芯材にして互いに左右に第1の組付用フラップ部及び第2の組付用フラップ部を突設して成るウェザストリップの型成形部において、前記第1及び第2の各組付用フラップ部に各通孔を透設し、前記インサートパネルに前記通孔よりも大きな口径を有する各通孔を透設し、少なくとも前記第2の組付用フラップ部の前記各通孔の各中心に対して前記インサートパネルの前記各通孔の各中心を予め車輛下方向に所定の偏倚量を以て偏倚させ、偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形されるので、前記ドアパネルに対する前記ウェザストリップの型成形部の組付け中あるいは組付け後において車輛下方向に向けた外力が作用しても、前記各通孔に挿入した前記クリップのステム部が組付け当初から前記インサートパネルの前記通孔の車輛上方内周面に対する干渉度合いが増強され、前記ドアパネルに対する前記ウェザストリップの型成形部の相対位置関係にずれが生じない。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のウェザストリップの型成形部の一実施態様について、添付した図面に基づき以下に詳述する。
図1は、本発明のウェザストリップの型成形部20を示す斜視図、図2は前記型成形部20の一部を示す平面図、図3は図2のA−A 線に沿って切断した断面図である。
【0013】
前記サッシレスドアの上方端縁の左右端末部に装着される本発明のウェザストリップの型成形部20は、比較的複雑な形状で且つ前記サッシレスドアのドアパネルDPの隅部に合わせて約90°に折曲した金属性薄板あるいは硬質合成樹脂板から成るインサートパネルIPを芯材として型成形され、しかる後、比較的単純で長手の押出成形部と熱溶着、接着剤等により接合されて前記サッシレスドア周辺のシールが構成される。
【0014】
図1に示したように、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記ドアパネルDPの隅部に沿って立ち下げられる柱状部21を中心に、その上方端部に互いに約90°の角度で左右に第1の組付用フラップ部25及び第2の組付用フラップ部26を突設して成っている。
【0015】
前記柱状部21における要部の横断面は、破線で示したように、中空状躯体部22と該中空状躯体部22の外壁面から左右に突設した各シールリップ部23,24 によって画成されている。
一方、前記第1の組付用フラップ部25の下方端縁は前記シールリップ部23に連続するように、又、前記第2の組付用フラップ部26の下方端縁は前記シールリップ部24に連続するように夫々配設され、しかも前記ドアパネルDPに対する組付け位置精度を維持させるために約90°に折曲した前記インサートパネルIPを芯材にして型成形される。
【0016】
前記第1の組付用フラップ部25は、透設した通孔27に図3に示したようなクリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの車内側表面に組付けられ、且つドアガラスWGの内面に摺接可能に固定される。
前記第2の組付用フラップ部26も、透設した各通孔27に図3に示したようなクリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの側面に組付け、固定される。
【0017】
なお、前記通孔27に関連した構成を、前記第2の組付用フラップ部26に例をとって詳述すると以下の通りである。
即ち、図2から明らかなように、前記第2の組付用フラップ部26に透設した前記通孔27の中心に対して、前記インサートパネルIPに該通孔27よりも大きな口径を以て透設した通孔28の中心を予め車輛上方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させ、偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形され、図2のA−A 線に沿って切断した図3のように前記各通孔27,28 に前記クリップCLを挿入して、その裏面が前記ドアパネルDPの側面に組付け、固定される。
【0018】
前述した本発明の型成形部20は、前記ドアパネルDPに対する組付け中あるいは組付け後において、比較的可撓性に富む、例えば、エチレン− プロピレン− ジエン三元共重合体スポンジ材等から型成形されているその要部が下方に向けた外力を受けても、前記クリップCLのステム部19が比較的硬質の前記インサートパネルIPに透設した前記通孔28の車輛上方向内周面に干渉するように前記通孔27に対して前記インサートパネルIPの通孔28を前記所定の偏倚量d′を以て車輛下側に偏倚させ、偏心円状態に保たれているので、仮にずれd″が生じても僅少な値に止めることが可能になり、即ち、従来のウェザストリップの型成形部10における前記ずれdに対し、本発明のウェザストリップの型成形部20のずれd″は、d≫d″の関係にあり、且つこのずれd″は前記ドアパネルDPへの組付外観あるいは密封性を実質的に損なう迄には至らないものである。
【0019】
なお、前記第2の組付用フラップ部26に透設した前記通孔27の開口部周辺の凹部と前記クリップCLの頭部の嵌装状態を、実際には、図1〜図3に示したように前記第2の組付用フラップ部26に透設した前記通孔27と前記開口部周辺の凹部の各中心を同心円状に配設し、該通孔27の中心に対し前記インサートパネルIPに透設した前記通孔28の中心を車輛下方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させ、前記両通孔27,28 の各中心が偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形することが望ましい。
【0020】
更に、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記第1の取付用フラップ部25及び前記第2の組付用フラップ部26の折曲角度を90°に限定するものでなく、前記ドアパネルDPの形態に応じ任意の角度を以てインサート成形することが可能である。
又、前記インサートパネルIPは、アルミニウム合金板材、亜鉛メッキ鋼板等の金属製薄板あるいはナイロン、ポリエステル等の合成樹脂板材が好ましい。
なお、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記第2の組付用フラップ部26の前記通孔27の中心に対し前記インサートパネルIPの前記通孔28の中心を車輛下方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させるだけでなく、前記第1の取付用フラップ部25の前記通孔27の中心に対しても、前記インサートパネルIPの前記通孔28の中心を車輛下方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させることが好ましい。
【0021】
【発明の効果】
以上、記述した本発明のウェザストリップの型成形部20は、次に記すような新規な効果を奏するものである。
即ち、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記サッシレスドアのドアパネルDPの隅部に沿って立ち下げられる前記柱状部21を中心に、その上方端部に所望の角度に折曲した前記インサートパネルIPを芯材にして互いに左右に第1の組付用フラップ部25及び第2の組付用フラップ部26を突設して成る前記ウェザストリップの型成形部20において、前記第1及び第2の各組付用フラップ部25,26 に各通孔27を透設し、前記インサートパネルIPに前記通孔27よりも大きな口径を有する各通孔28を透設し、少なくとも前記第2の組付用フラップ部26の前記各通孔27の各中心に対して前記インサートパネルIPの前記各通孔28の各中心を予め車輛下方向に所定の偏倚量d′を以て偏倚させ、偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形されるので、前記ドアパネルDPに対する前記ウェザストリップの型成形部20の組付け中あるいは組付け後において車輛下方向に向けた外力Fが作用しても、前記各通孔27,28 に挿入した前記クリップのステム部19が、組付け当初から前記インサートパネルIPの前記通孔28の車輛上方内周面に対する干渉度合いを増強され、前記ドアパネルDPにに対する前記ウェザストリップの型成形部20の相対位置関係に前記ずれdに相当する変位が発生することを抑制可能になった。
【0022】
更に、本発明のウェザストリップの型成形部20は、前記各通孔28の口径サイズを変更することなく、両通孔27,28 のインサート成形位置を予め偏倚させて対処しているので、前記クリップCLの挿入性を良好に維持することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のウェザストリップの型成形部を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明のウェザストリップの型成形部の一部を示す平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A 線に沿って切断した断面図である。
【図4】図4は、従来のウェザストリップの型成形部を示す斜視図である。
【図5】図5は、従来のウェザストリップの型成形部の一部を示す平面図である。
【図6】図6は、図5のA−A 線に沿って切断した断面図である。
【図7】図7は、従来のウェザストリップの型成形部をドアパネルに取付後に、ウェザストリップが車輛下方向に位置ずれした状態での図5のA−A 線に沿って切断した断面図である。
【図8】図8は、従来のウェザストリップの型成形部をドアパネルに取付後に、ウェザストリップが車輛下方向に位置ずれした状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 従来のウェザストリップの型成形部
11 柱状部
12 中空状躯体部
13 シールリップ部
14 シールリップ部
15 第1の組付用フラップ部
16 第2の組付用フラップ部
17 通孔
18 通孔
19 ステム部
DP ドアパネル
IP インサートパネル
CL クリップ
d ずれ
20 本発明のウェザストリップの型成形部
21 柱状部
22 中空状躯体部
23 シールリップ部
24 シールリップ部
25 第1の組付用フラップ部
26 第2の組付用フラップ部
27 通孔
28 通孔
d′偏倚量
d″ずれ
WG ドアガラス
F 外力
Claims (1)
- サッシレスドアのドアパネル(DP)の隅部に沿って立ち下げられる柱状部(21)を中心に、その上方端部に所望の角度に折曲したインサートパネル(IP)を芯材にして互いに左右に第1の組付用フラップ部(25)及び第2の組付用フラップ部(26)を突設して成るウェザストリップの型成形部(20)において、
前記第1及び第2の各組付用フラップ部(25,26 )に各通孔(27)を透設し、
前記インサートパネル(IP)に前記通孔(27)よりも大きな口径を有する各通孔(28)を透設し、
少なくとも前記第2の組付用フラップ部(26)の前記各通孔(27)の各中心に対して前記インサートパネル(IP)の前記各通孔(28)の各中心を予め車輛下方向に所定の偏倚量(d′)を以て偏倚させ、互いに偏心円状に連通、維持されるようにインサート成形されたことを特徴とするウェザストリップの型成形部(20)。
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- 1996-08-27 JP JP22546696A patent/JP3614578B2/ja not_active Expired - Fee Related
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