JP3614467B2

JP3614467B2 - 噴流ポンプ

Info

Publication number: JP3614467B2
Application number: JP17613294A
Authority: JP
Inventors: 博文鎌田
Original assignee: 鎌田バイオ・エンジニアリング株式会社
Priority date: 1994-07-06
Filing date: 1994-07-06
Publication date: 2005-01-26
Anticipated expiration: 2020-01-26
Also published as: JPH0821400A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明は、ジェットポンプ等と称せられる噴流ポンプ、詳しくは、ノズル体の側方における負圧の発生を防止するようにした噴流ポンプに関する。
【０００２】
【従来の技術】
噴流ポンプは、周知のように、エネルギを付与された噴出する流体（噴流）によって他の低エネルギ流体を吸い込んで吐出する。このような噴流ポンプは、通常、吸込管内の吸込通路に略Ｕ字状に屈曲させて高圧管を一体的に設け、この高圧管の先端に固定されたノズル体を吸込通路内に同芯状に配設し、高圧管内の高圧水（駆動流体）をノズル体から噴射して噴流を生じさせ、この噴流によって吸込管内の吸込水（被動流体）にポンプ作用を及ぼさしめるとともに、また、吸込管にノズル体の側方に開口する小径の孔を形成して大気に開放し、ノズル体の側方に発生する負圧を防止している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した噴流ポンプにあっては、高圧管をＵ字状に屈曲させて吸込通路内に設けるため、高圧水の流動抵抗が大きく水頭の損失が避けられないという問題があり、また、吸込通路の構造、形状も複雑化して吸込水中の夾雑物等がノズル体に絡みついて詰まりを生じやすいという問題がある。
さらに、上述した噴流ポンプにあっては、ノズル体の側方を大気に開放してキャビテーション等の原因となる負圧の発生を防止するため、吐出する水への空気の混入が避けられないという問題もあった。
【０００４】
この発明は、上記各問題に鑑みてなされたもので、高圧水の流動抵抗を低減して高い効率が得られ、また、夾雑物等の詰まりも有効に防止でき、さらに、吐出する水への空気の混入の防止とキャビテーションの防止とを両立させることができる噴流ポンプを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１記載の発明に係る噴流ポンプは、内部にノズル体が設けられたポンプ管と、中間部に吸入部が開口した吸入管とを軸方向直列に分離可能に接続するとともに、前記ノズル体を前記ポンプ管に着脱自在に取付け、前記吸入管が前記ポンプ管より大きな内径を有し、前記吸入管と前記吸入部との合流部が一様な断面形状の流路を形成し、前記吸入管内の該合流部に、前記吸入部から流入する吸入水を吐出口に向けて案内する、案内羽根によるガイド部材を設け、前記ポンプ管内の前記ノズル体外周部にバルブを介して大気に開放可能な分岐管を接続し、前記分岐管にバルブを備える連通管を接続して前記吸入管内の前記吸入部より下流側部分に接続したものである。
【０００６】
そして、請求項２記載の発明に係る噴流ポンプは、請求項１の構成に加え、前記吸入管の吐出口にゲート弁を設けたものである。
【０００８】
【作用】
請求項１記載の発明に係る噴流ポンプによれば、ノズル本体が固定されたポンプ管と中間の管壁に吸入口（吸入部）が形成された吸入管とを直列に分離可能に接続するため、高圧水の抵抗を小さくできるのみならず、吸入管内の流路構造が簡素化され吸入水の抵抗も小さくなり高い効率が得られ、かつ、夾雑物の詰まりも有効に防止でき、また、ポンプ管を吸入管から分離してノズル体のみを容易に交換することができるため、ポンプの特性の変更、例えば用途に応じたノズル形状の変更等も容易であり、高い汎用性が得られる。
また、吸入管の吸入口に吸入管内に流入する吸入水の流れを吐出口側へ向けて案内する案内羽根によるガイド部材を設けることで、吸込水の流動抵抗を小さくでき、より高い効率を得られる。
また、ポンプ管のノズル体の外周部分は分岐管と連通管とで吸入管に接続され、吸入管から連通管を経て導入される水で負圧の発生が防止されるため、吐出する水に空気が混入することもなく、キャビテーションの発生も有効に防止できる。
【０００９】
また、請求項２記載の発明に係る噴流ポンプは、前記吸入管の吐出口にゲート弁を設けられており、吐出口からの吐出水量を調整することができる。
【００１１】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図１はこの発明の一実施例にかかる噴流ポンプを示し、その模式断面図である。
図中、１０は高圧管（ポンプ管）、２０は吸込管、３０は吐出水量調整用のゲート弁、４０は送水管である。高圧管１０は、両端が開口した所定長さの真直な管からなり、両端外周部にフランジ継手１１，１２が溶接等で固着されている。この高圧管１０は、図中下端部がフランジ継手１１により接続する連絡管等を介して図外の高圧水供給源と連絡され、図中上端がフランジ継手１２により吸込管２０の図中下端と接続されている。
【００１２】
また、高圧管１０内には、入口から出口に向かって（図中上方に向かって）縮径する略円錐形状のノズル体１３が収容され図中上方の吸込管２０内を指向する周知のノズルを構成している。ノズル体１３は、大径側端部外周にフランジ継手１９が溶接等で固着され、このフランジ継手１９を高圧管１０のフランジ継手１１等とボルト、ナットにより締着することで取り付けられる。すなわち、このノズル体１３は、高圧管１０内にその入口から挿入され、フランジ継手１９を高圧管１０のフランジ継手１１および上述した連絡管のフランジ継手と一体に締着して高圧管１０に取り付けられる。周知のように、このノズル体１３は高圧水供給源から供給される高圧水を吸込管２０内に噴流として噴射する。
【００１３】
さらに、高圧管１０には、軸方向中間の外周部にノズル体１３の側方に開口するニップル部１４が一体形成されている。ニップル部１４は先端部にフランジ継手１５が溶接等で固着され、このニップル部１４にフランジ継手１５により分岐管５０が接続される。分岐管５０は、３つの分岐部５１，５２，５３をＴ字状に備え、分岐部５１が端部にフランジ継手５４を固着されて上記ニップル部１４と接続され、分岐部５２がバルブ５５を介して大気に開放され、分岐部５３がバルブ５６を介して連通管６０と接続する。
【００１４】
吸込管２０は、スロート部２１、吐出部２２および吸込部２３が略Ｔ字状に連通し、スロート部２１と吐出部２２が一直線状に位置して開口し、吸込部２３がスロート部２１と吐出部２２との間で直角方向に開口する。スロート部２１は開口端に向かって縮径するテーパ形状をなし、吐出部２２および吸込部２３は上記高圧管１０よりも均一かつ大きな内径を有して一直線状に延在し、これらスロート部２１、吐出部２２および吸込部２３には開口端外周にそれぞれフランジ継手２１ａ，２２ａ，２３ａが溶接等で固着される。
【００１５】
そして、スロート部２１はフランジ継手２１ａが高圧管１０のフランジ継手１２とボルト、ナットにより締着されて高圧管１０と接続され、吐出部２２はフランジ継手２２ａが送水管４０のフランジ継手４１と締着されて上記ゲート弁３０を介し送水管４０と接続され、吸込部２３はフランジ継手２３ａが図示しない吸水管のフランジ継手と締着されて吸水管と接続される。上述した吐出部２２は吐出口に相当し、また、吸込部２３は吸込口に相当する。
【００１６】
また、吸込管２０には、内部に吸込部２３の合流位置で案内羽根（ガイド部材）２４が固着され、さらに、吐出部２２外周部に吐出部２２内に開口するニップル部２５が設けられる。案内羽根２４は、一端側が吸込部２３の中心に沿って延在し、他端側が吐出部２２の略中心を指向して湾曲する板状部材から構成される。この案内羽根２４は、吸込部２３から流入する水を図中矢印で示すように吐出部２２内に向けて案内する。
【００１７】
ニップル部２５は、先端にフランジ継手２６が設けられ、このフランジ継手２６を連通管６０のフランジ部６１と締着させて連通管６０に接続される。連通管６０は、略鉤型状をなし、上述したようにバルブ５６を介して分岐管５０の分岐部５３と接続される。
【００１８】
この実施例にあっては、高圧水をノズル体１３が噴流として吸込管２０のスロート部２１内に噴射し、このノズル体１３が噴射する噴流で吸込部２３から水を吸い込んで吐出部２２に送り出す。すなわち、噴流の運動量を吸込部２３内の水に与えてポンプ作用を営む。ここで、この実施例では、高圧管１０は真っ直ぐであり、また、吸込部２３から流入する水は案内羽根２４により吐出部２２に向けて案内され、吸込水は小さな抵抗で円滑に吐出部２２に導かれる。このため、高い効率が達成される。
【００１９】
また、この実施例では、吸込管２０の吐出部２３内部と高圧管１０内のノズル体１３外周部とが連通管６０等を介して連通している。このため、ノズル体１３から噴流を噴射することでノズル体１３の外周の圧力が低下すると、吐出部２３内の水が連通管６０等を経て高圧管１０内のノズル体１３外周部に還流し、負圧の発生を防止する。したがって、吐出する水に空気が混入すること無く、キャビテーション現象を有効に防止できる。
【００２０】
さらに、この実施例の噴流ポンプは、高圧管１０と吸入管２０とが直列に配置され、吸入管２０内の吸入部２３の合流部には一様な断面形状で比較的大きな流路が画成される。このため、水中の夾雑物等が詰まりを生じることがなく、高い信頼性が得られる。
【００２１】
そして、この噴流ポンプは、高圧管１０と吸入管２０とはフランジ継手１２，２１ａの締着により接続され、高圧管１０はフランジ継手１２，２１ａの締着およびフランジ継手１１と連結管のフランジ継手との締着を外すことで着脱交換できる。このため、ノズル体１３を異なる特性のものへ変更することも容易に行える。
【００２２】
特に、この実施例は、ノズル体１３自体にフランジ継手１９を固着し、このフランジ継手１９を高圧管１０のフランジ継手１１等に締着することでノズル体１３を高圧管１０に取り付けるため、ノズル体１３の交換等がより容易である。すなわち、ノズル体１３は、高圧管１０内にフランジ継手１１側開口から挿入した後、そのフランジ継手１９を高圧管１０のフランジ継手１１に締着することで取り付けられ、また、その取外しが逆の手順で行え、交換等に伴う着脱が極めて容易である。
【００２３】
なお、上述した実施例では、ノズル体１３にフランジ継手１９を固着し、このフランジ継手１９を高圧管１０のフランジ継手１１等に締着してノズル体１３を高圧管１０に固定するが、ノズル体１３自体を溶接等で高圧管１０内に固着することも可能である。そして、ノズル体１３自体を高圧管１０に溶接等で固着した場合は、高圧管１０の交換でノズル体１３を交換する。
【００２４】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１記載の発明に係る噴流ポンプによれば、ノズル体が固設されたポンプ管と中間の管壁に吸入口が形成された吸入管とを直列に直脱自在に接続するため、吸入管内の流路構造を真直で簡単な構造とでき、抵抗を小さくして効率が改善でき、また、夾雑物等の詰まりが防止でき、さらに、ノズル体の交換も容易で用途に応じたノズル形状の変更も簡単に行えるという効果が得られる。
また、ポンプ管のノズル体の側方部分を連通管で吸込管と接続して吸込管から連通管と分岐管とを経て導入される水で負圧の発生が防止できるため、吐出する水に空気が混入すること無く、キャビテーション現象の発生を防止できるという効果が得られる。
また、吸入水を吐出方向に向けて案内する案内羽根によるガイド部材を設けたため、吸入水の流れの抵抗が小さく、効率をより改善することができるという効果が得られる。
【００２５】
また、請求項２記載の発明に係る噴流ポンプによれば、前記吸入管の吐出口にゲート弁を設けられており、吐出水量を調整することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施例にかかる噴流ポンプの模式断面図である。
【符号の説明】
１０高圧管（ポンプ管）
１１，１２フランジ継手
１３ノズル体
１４ニップル部
１９フランジ継手
２０吸込管
２１スロート部
２１ａフランジ継手
２２吐出部
２２ａフランジ継手
２３吸込部（吸込口）
２３ａフランジ継手
２４案内羽根（ガイド部材）
２５ニップル部
５０分岐管
６０連通管

Claims

内部にノズル体が設けられたポンプ管と、中間部に吸入部が開口した吸入管とを軸方向直列に分離可能に接続するとともに、前記ノズル体を前記ポンプ管に着脱自在に取付け、前記吸入管が前記ポンプ管より大きな内径を有し、前記吸入管と前記吸入部との合流部が一様な断面形状の流路を形成し、前記吸入管内の該合流部に、前記吸入部から流入する吸入水を吐出口に向けて案内する、案内羽根によるガイド部材を設け、前記ポンプ管内の前記ノズル体外周部にバルブを介して大気に開放可能な分岐管を接続し、前記分岐管にバルブを備える連通管を接続して前記吸入管内の前記吸入部より下流側部分に接続したことを特徴とする噴流ポンプ。
前記吸入管の吐出口にゲート弁を設けたことを特徴とする請求項１に記載の噴流ポンプ。