JP3614457B2 - 多次元音響回路及びその方法 - Google Patents

多次元音響回路及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3614457B2
JP3614457B2 JP00218794A JP218794A JP3614457B2 JP 3614457 B2 JP3614457 B2 JP 3614457B2 JP 00218794 A JP00218794 A JP 00218794A JP 218794 A JP218794 A JP 218794A JP 3614457 B2 JP3614457 B2 JP 3614457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
level
channel stereo
dynamic change
dominant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP00218794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06319199A (ja
Inventor
ジェームズ・ケイ・ウォーラー,ジュニアー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rocktron Corp
Original Assignee
Rocktron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rocktron Corp filed Critical Rocktron Corp
Publication of JPH06319199A publication Critical patent/JPH06319199A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3614457B2 publication Critical patent/JP3614457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S3/00Systems employing more than two channels, e.g. quadraphonic
    • H04S3/02Systems employing more than two channels, e.g. quadraphonic of the matrix type, i.e. in which input signals are combined algebraically, e.g. after having been phase shifted with respect to each other

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、一般的に可聴オーディオシステムに関し、特に2チャンネルステレオ音響から、「サラウンド」音と一般的に呼ばれている少なくとも4チャンネルの音響にデコードする可聴オーディオシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サラウンドシステムとは、一般的に4つの個別チャンネル信号を1つのステレオ信号に符号化し、それをマトリクス構成によって別個の4チャンネル信号に復号できるようにするものである。これら4つの復号された信号は、聴取者の周りの前方、左側、右側及び後方に配置されたラウドスピーカを通じて再生される。この原理は、ピーター・シャイバーの米国特許第3,632,886号によって具体的にはオーディオの用途に適用された。4つの別個の信号を2つの信号に符号化し、再生時に4つの信号に復号する方法は、一般的に「クォドラホニック」音として知られつつある。シャイバーのサラウンドシステムは、隣接チャンネル間に限られた分離度を生ずるのみであり、それ故、方向性情報を増強するには、動的方向性制御(dynamic steering)を更に必要とする。この基本的原理は、左前方、前方中央、右前方及び後方サラウンドに配置される映画の用途に適用されて非常に成功しており、一般的に「ドルビーステレオ(登録商標)」として知られている。前方中央スピーカは、特に映画のスクリーンから会話が発するようにする目的のために、映画スクリーンの背後に配置するように設計されている。左前方及び右前方のチャンネルは効果音を出し、後方即ちサラウンドチャンネルはアンビエンス情報(ambient information)並びに音響効果を発生する。ドルビープロロジック(Dolby Pro Logic(登録商標))システム、即ち家庭で使用するために改造されたドルビーステレオシステムは、チャンネル分離度を更に高めるために、驚くべき量の動的方向性制御を行っており、信号を4つのスピーカのいずれかに独立信号として配置するのに非常に効果的である。しかしながら、同時の複合信号を用いる場合、ドルビーシステムで得られるチャンネル分離度には限度がある。
【0003】
ドルビープロロジック(登録商標)システムはオーディオ/ビデオの用途には非常に効果的ではあるが、オーディオ専用の用途に最も望ましいものではない。後方サラウンドチャンネルは7KHzに制限されるので、許容可能な量の低周波数情報を得ることができない。モノラルの中央チャンネルは、劇場において会話に用いるのには完璧にふさわしいものであるが、オーディオ専用には望ましくない。中央チャンネルはモノーラルの前方音像を与える効果しかない。
【0004】
高品質音の生成に用いるために特に設計された4つの方向性チャンネル情報を生成することができる多チャンネル構成を提供することが望ましい。また、システムが、標準の2チャンネルステレオで記録された信号から4つの方向性信号を直接発生する能力を有し、符号化処理の必要性をなくすことができることも望ましいことである。
【0005】
このようなシステムにとって最も望ましい応用の1つは、左右の前及び左右の後として構成される自動車用音響システムである。現行の自動車用音響システムは、前方に供給されたのと同じ左右の情報を後方にも送出している。このようにすると、人間の耳が前方からの信号に対して後方からの信号とは異なる周波数応答を有するという事実により、4チャンネル音響の心理的音響錯覚を生じる。このため、自動車の用途に用いられている現行の4スピーカステレオシステムは、ドルビープロロジックシステム(登録商標)のような現行のサラウンドシステムを自動車の用途に適合させる試みよりも、はるかに望ましい音を発生する。更に、ドルビーのようなシステムを適用するには、いくつかの大きな欠点がある。後方スピーカには差情報のみが供給されるので、後方チャンネルには僅か7KHzの帯域しかなく、聴取者の背後で知覚される方向性情報がないという点でモノーラルになってしまう。結果として、ドルビープロロジック(登録商標)の改造版を従来の4スピーカステレオと比較すれば、多くの聴取者は、従来の4スピーカステレオシステムの音像を好むであろう。
【0006】
情報の方向性を高めるために考案された方向性制御装置の多数は、ドルビープロロジックシステム(登録商標)と同様の方法で左、右、中央及びサラウンドの情報の方向性を高めるように設計されている。例えば、ピーター・シュライバーによって開示されたような装置を用いて、先に符号化された信号から更に方向性音像形成を増強するために、米国特許第4,589,239号においては、個別の左右後方及び中央のサラウンドチャンネルシステムを提供している。このシステムは、更に米国特許第4,680,796号において符号化の観点から更に改善されているが、これはビデオの用途に特定して考案されたものである。米国特許第4,589,129号には、符号化及び復号化用の非常に洗練された圧縮/伸長装置が雑音低減の目的で開示されている。しかしながら、この装置では、方向性制御過程が広帯域で行われ、優勢な方向性制御情報(steering information)が存在する場合、好ましくないポンピング効果が聴取者に知覚されるという重大な欠点がある。また、このシステムは、左右のサラウンド情報が櫛型フィルタで処理されるという事実により、高品質音響への応用では、重大なインパクトが殆どない。信号が左または右のサラウンドチャンネルによって処理されると、当該信号の基本周波数がそれらの櫛型フィルタの1つのノッチに該当するので、当該信号の左または右出力に現れるいかなるインパクトをも低下させてしまう。更に、櫛型フィルタを用いると、後方信号がもはや前方信号と同一位相特性を有していないので、共通信号がいずれかの側の前方及び後方において現れるシステムから側方音像形成(side−imaging)の可能性を消滅させてしまう。加えて、櫛型フィルタは時間遅れを発生する場合、同じ時間領域特性を有さない。
【0007】
このシステムの更に他の欠点は、サラウンド情報が厳密に左右の差によって発生され、差情報信号には通常低周波数エネルギがないので、このシステム自体自動車の用途にはふさわしくないことである。自動車用音響システムでは、後方スピーカのほうが通常は大きく、スピーカを容れる音響キャビティが更に大きいために良好な低音応答が得られるので、低音の大部分は後方チャンネルから得られる。
【0008】
ドルビープロロジック(登録商標)は、その成功によって商用のオーディオ/ビデオ受信機の標準機構となったので、多くの製造者はオーディオに特定して応用できる別のサラウンド構成を提供しようとしている。特筆すべきは、これらの構成には聴取者の背後に人工的な遅延及び/又はアンビエンス情報が加えられたことである。信号がDSP即ちデジタル信号処理によって処理される一層精巧で洗練されたシステムが考案され実施されている。原信号にない情報を付加するのは望ましいことではない。これは、知覚される音楽は元の意図された音を正確に反映するものではないからである。
【0009】
DSPは将来非常に有望であるが、今日の標準ではとても高価なシステムであるので、DSPにおいて実施されるようなシステムのおそらく1/10程のコストで、開示された利点を組み込んでおり、しかも集積することができるシステムを提供することが望ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術及び従来技術による任意のシステムを特に自動車の用途に適用させる試みの欠点に鑑み、本発明の主要な目的は、自動車用音響システムにおいて一般的に用いられている従来の4スピーカステレオシステムを大幅に改善する4チャンネル音響システムを提供することである。また、本発明の別の目的は、従来のステレオ信号から入力を受け取るようにして全てのステレオ記録データと互換性を保持すると共に、少なくとも左/右前方及び左/右後方に配置された4つのスピーカを組み込んだ可聴音システムのための信号を2チャンネルステレオ信号から復号するシステムであって、高品質可聴音システムに用いるために復号のみを行えばよいシステムを提供することである。特に、聴取者の背後で知覚されるアンビエンスを改善できることが望ましい。また、元の音源データにはない遅延、残響、位相補正または高調波発生のような人工的情報を付加する必要性なく、後方方向性情報を提供することも、本発明の目的である。また、方向性制御機能を設けて、単一帯域システムで知覚される煩わしいポンピングを生じることなく、聴取者の背後への左/右方向性音像形成を増強することも望ましい。更に、方向性を高めるために、一方の側にエンファシスを与えると共に、他方の側にはディエンファシス量を増加させることも、本発明の目的である。更に、櫛型フィルタは高品質音響用途において音楽的に満足できると思われる結果をもたらさないという事実から、櫛形フィルタをオーディオ経路内に配置する必要なく、左/右の個別の音像を形成することも、本発明の目的である。また、本発明の他の目的は、後方スピーカに同時に音像を配置する可能性を提供すること、即ち、所与の信号が左から来て同時に他の信号が右から来るように知覚することを可能にすることである。本発明の他の目的は、自動車音響において送出される低音の大部分が後方から発生されるので、自動車音響システムの後方スピーカに十分な低音情報を供給することである。本発明の更に他の目的は、本発明の基本構想を更に強化することができる将来のDSPの応用にも役立つことができるシステムを定義することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る可聴音システムは、符号化されていない2チャンネルステレオから少なくとも4チャンネルの音を復号する。後方チャンネル情報を得るには、左と右との差を取り、この差を複数の帯域に分割する。簡略化した実施例では、少なくとも1つの帯域の方向性が動的に制御され、他の帯域は変化させない。これは、左/右への過渡情報を提供し方向性の増強を行いながら、知覚し得るポンピング効果を回避するためである。一好適実施例では、聴取者の背後への方向性情報を増強するように、複数の帯域の方向性が動的に左または右に制御される。両方の構成においては、左と右との入力の和に低域通過フィルタ処理を施した出力を方向性を高められた情報と組み合せ、もって、複合的な左後方及び右後方の出力を提供する。
【0012】
従来技術のサラウンドシステムの事実上全てにおいて、中央チャンネル情報は復号マトリクスからの左及び右信号の和として得られ、別個かつ個別のチャンネルとして印加される。この結果、中央情報が従来の4スピーカシステムの4つのチャンネル全てに同等に分配されるので、中央チャンネル情報の喪失が知覚されることになる。本発明の好適実施例では中央チャンネル情報は別個のラウドスピーカを必ずしも必要としない。この中央チャンネル情報は、低周波数情報を後方チャンネルに印加し、中央チャンネルからの中域周波数及び高周波数の情報が左前方及び右前方のチャンネルに印加されて中央チャンネル情報の喪失を保証することができるように分割される。
【0013】
本発明のその他の目的及び利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによって明白となろう。
【0014】
【実施例】
本発明を以下に好適実施例について説明するが、本発明をその実施例に限定する意図はない。逆に、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内に含まれ得るようなの代替案、変更及び均等物を全て包含することを意図するものである。
【0015】
まず図1において、通常の左及び右のステレオ情報が左及び右の入力9L、9Rに印加される。左及び右の入力信号は、バッファ増幅器10L、10Rによってバッファされ、残りの回路を駆動するためのバッファされた信号となる。これらのバッファされた出力は加算増幅器11L、11Rに印加される。これらの増幅器は、複合信号の大部分を左前方及び右前方の出力12L、12Rに供給する。バッファ増幅器10L、10Rからの出力は加算増幅器20にも供給され、ここで左及び右の信号が加算された出力が発生される。この出力は更に高域通過フィルタ21によって処理されて加算増幅器11L、11Rに供給される。加算増幅器11L、11Rは、左前方及び右前方のチャンネルに付加的情報を供給する。フィルタ処理された加算信号を付加することは、自動車の用途において、主として差信号が後方チャンネルに供給されるという事実のために生じる中央チャンネル情報の減少を補償するために役立つが、このようにフィルタ処理された加算信号の付加は、用途によっては不要なこともある。また、前方チャンネルには無変化の左/右信号情報を供給するほうが望ましい場合もある。
【0016】
入力バッファ10L、10Rからの出力は差動増幅器30にも印加され、その出力に左信号と右信号との間の差を発生する。増幅器10L、10Rの左及び右のバッファされた出力はそれぞれ高域通過フィルタ13L、13Rにも印加され、バッファされた左、右の入力信号から低音成分が除去される。これが好ましいのは、方向性情報はいずれも左及び右の信号内にある中域及び高域の情報から厳密に得られるからである。
【0017】
高域通過フィルタ13L、13Rの出力は次にそれぞれレベルセンサ14L、14Rに供給される。これらのセンサは高域通過フィルタ13L、13Rからのフィルタ処理された出力の絶対値の対数を与え、センサ14L、14Rの出力に実質的にDC信号を供給することが好ましい。センサ14L、14RからのDC出力は差動増幅器50に印加される。差動増幅器50の出力は、左及び右の信号の中域情報と高域情報との振幅比の対数に実質的に比例する。ピークや平均化等の他のレベル感知方法も公知であり、ここに開示されるものの代わりに用いることができるが、恐らく最適な結果は得られないであろう。左チャンネルにおいてエネルギレベルが優勢な場合、差動増幅器50の出力は正になる。右チャンネルにおいてエネルギレベルが優勢な場合、差動増幅器50の出力は負となる。レベルセンサ14R、14Lは比較的速い時定数に設定され、差動増幅器50の出力に、非常に正確な瞬時の左/右方向性情報が得られる。方向性制御信号発生器60にはもっと穏やかな時定数が用いられている。これについては、図2に関連して後に詳細に論ずる。差動増幅器50からの出力信号は方向性制御信号発生器60に印加され、この差信号からDC方向性制御信号が復号される。このDC方向性制御信号は、左及び右の後方チャンネルのために信号経路内に設けられた電圧制御増幅器34R、35Lを制御するために必要である。これについて以下に説明する。
【0018】
差動増幅器30の出力は左と右との差であるオーディオ差情報を含んでおり、固定定位(fixed localization)EQ23を通じて供給される。この固定定位EQ23は、聴取者の後方及び側方に付加的な知覚される定位を与えるようにシステムを増強する。固定定位EQ23は、聴取者のいずれかの側からの音に応答する際の人間の耳の周波数応答に似た周波数応答を与える。相互聴覚差(interaural difference)の分野では多くの研究がなされており、これらの研究は、「Audio Engineering Handbook」(第1章、「Principles of Sound and Hearing」)及び雑誌「Audio」(「Frequency Contouring for Image Enhancement」、1985年2月)のような刊行物において文書化されている。動作において、本発明の左及び右の後方スピーカは聴取者の背後に配置されるべきであるが、前方及び後方のチャンネル間の分離度も固定定位EQ23を設けることによって達成することができる。固定定位EQ23の回路は90°または135°からの周波数応答を近似した周波数応答を与える。能動フィルタの設計は一般的に公知であり、本技術の通常の知識を有するものであれば、前述の周波数応答特性を有するフィルタを設計することができる。更に、固定定位EQ23は、特定の車両または聴取環境の周波数応答特性を補正するために用いることもできる。このような固定定位回路の付加は多くの用途に恩恵を与え得るが、本発明の所望の目的を達成するためには、この回路を設けることは必ずしも必要ない。
【0019】
固定定位EQ23の出力は次に高域通過フィルタ31及び低域通過フィルタ32を供給され、音響スペクトルは2つの帯域に分割される。低域通過フィルタ32の出力に得られる低域部分は加算増幅器40L、40Rに印加される。高域通過フィルタ31の出力は実質的に高い側の中域(uppre mid band)及び高域の情報を含んでおり、VCA34R、35Lに印加される。VCA34R、35Lは、それぞれ右及び左の出力の高域信号の利得を制御する。VCA34R、35Lの出力は、それぞれ加算増幅器40R、40Lに印加される。VCA34R、35Lはロックトロン製の集積回路HUSH(登録商標)2050の基本ブロックである。電圧制御増幅器は一般的に公知で利用されており、VCA34L、35Rには多くの代替物を用いることもできる。
【0020】
加算増幅器20の出力は、低域通過フィルタ22によって処理された後、加算増幅器40L、増幅器41Rに印加されて、加算されたチャンネルの低音応答を左後方及び右後方の出力43L、43Rにそれぞれ供給される。
【0021】
レベルセンサ42は高域通過フィルタ31からの出力を受信する。これは、高域通過フィルタ31の出力における信号エネルギが40dBu未満に低下したときにレベルセンサ42の出力にDC電圧が増加するように構成されている。尚、0dBu=0.775VRMSである。レベルセンサ42は本発明に対して雑音低減効果をもたらす。これが望ましいのは、動作において、後方チャンネルに供給される昇圧された差情報は、典型的にはオーディオ信号内に存在する高周波数情報の多くを含んでいるという事実のためであり、そのため、聴取者によって知覚される雑音が増大するからである。このように、レベルセンサ42はVCA34R、35Lに利得低減または低レベルの下方伸長をもたらし、雑音低減効果が得られる。
【0022】
ここで図2を参照する。方向性制御信号発生器60は差動増幅器50から実質的にDCの出力レベルを受け取る。差動増幅器50からの出力は反転増幅器61とダイオード62Lとに印加される。反転増幅器61の出力は差動増幅器50とは逆極性の信号を発生するので、左チャンネルが優勢な信号エネルギを有するとき、反転増幅器61の出力は負になる。右チャンネルが優勢な信号エネルギを有するとき、反転増幅器61の出力は正になる。反転増幅器61の出力は別のダイオード65Rに印加される。このように、ダイオード62L、65Rは差動増幅器50の出力からピークを検出し、左チャンネルにおいて優勢な信号エネルギがあるときには第1のダイオード62Lのカソードに正方向電圧を供給し、右チャンネル信号が優勢なときには他方のダイオード65Rのカソードに正方向電圧を供給する。コンデンサ63、66はフィルタ処理を行い、抵抗器64、67は正ピーク検出に解放特性(release characteristics)を与える。方向性制御用復号器の時定数は、典型的にはレベルセンサ14R、14Lにおける時定数の少なくとも2倍に設定され、復号された方向性信号におけるジッタやポンピング効果を回避する。バッファ増幅器69L、70Rはピーク検出器を絶縁すると共に、別の方向性制御回路を駆動するための駆動信号を供給する。一方のバッファ増幅器69Lの出力は左チャンネル信号が優勢な場合に正のDC電圧を発生し、他方のバッファ増幅器70Rの出力は右チャンネル信号が優勢な場合に正のDC電圧を発生する。バッファ増幅器69L、70Rの出力は、それぞれリミッタ72L、73Rに印加され、電圧制御増幅器34R、35Lを駆動するために可能な最大電圧を制限する。リミッタ72L、73Rは1つの象限に出力信号を供給する伸長器制御増幅器としてHUSH2050(登録商標)ICの内部に含まれる。これらの増幅器は正方向のみに振れ、0ボルトDCで飽和するように設計されている。また、リミッタ72L、73Rが最大の負方向変化即ち0ボルトDCに所望の点で達するように回路が構成されているので、VCA34R、35Lに望ましい最大利得を与えることができる。実際には、リミッタ72L、73Rは3dB〜18dBの間でVCA34R、35Lからの最大出力利得を制限する。リミッタ72L、73Rの出力は、それぞれ抵抗器74R、75Lを介してVCA35L、34Rの制御ポートに接続される。第1のバッファ増幅器69Lの出力も反転増幅器68Lによって反転され、抵抗器74Rを介して右チャンネルのリミッタ又は制御増幅器73Rに交差結合され、右チャンネルに印加される信号の雑音低減を行う。逆に、反転増幅器71Rはバッファ増幅器70Rの出力を反転し、負電圧を供給すると共に、右のVCA34Rでの利得を低下させ、左のVCA35Lによってエンファシスされている信号エネルギのディエンファシスを行う。動作において、左チャンネルに優勢な高周波数エネルギがある場合、左のレベルセンサ14Lの出力におけるDC電圧は、右のレベルセンサ13Rの出力におけるDC電圧より大きい。したがって、差動増幅器50の出力は正となり、左のバッファ増幅器69Lの出力も正となるので、左右間の振幅差に基づく利得が得られる。左のリミッタ72Lは左のVCA35Lによって供給される最大利得量を決定し、加算増幅器40Lを通じて左後方チャンネルを強める。しかしながら、左のバッファ増幅器69Lが正のとき、左の反転増幅器68Lは負となり、負のDC信号を抵抗器74Rを介して印加して右のリミッタ73Rを制御する。右のリミッタ73Rは、右の加算増幅器40Rを通じて右後方チャンネルを弱めるように、右のVCA34Rを制御する。右チャンネルの信号エネルギが優勢となる場合、右のレベルセンサ14Rの出力における電圧が正となり、差動増幅器50の出力を負にすると共に、反転増幅器61によって反転されるので、上述の逆となる。次いで、右のダイオード65Rは導電状態となり、右のバッファ増幅器70Rの出力は正となる。最大利得量は右のリミッタ73Rによって決定され、この時のDC電圧が右のVCA34Rの制御ポートに印加される。これにより、右のVCA34Rは右の加算増幅器40Rを通じて右後方チャンネルを強める。次に、左前方チャンネルと左後方チャンネルとの間並びに右前方チャンネルと右後方チャンネルとの間の位相コヒーレンシーを保持するように、右の加算増幅器40Rの出力を反転増幅器41Rによって反転する。このコヒーレンシーによって、システムが側方音像形成(side−imaging)の可能性を保つことができる。
【0023】
逆に、右のバッファ増幅器70Rの正出力は右の反転増幅器71Rによって反転される。この負電圧は左リミッタ72Lに印加され、抵抗器77を介して左のVCA35Lを制御し、左チャンネルを弱める。この場合、差動増幅器50の出力が負なので、左のダイオード62Lは導電状態にない。VCA34R、35Lの利得が3dB〜18dBの間に制限されるので、反対のチャンネルに与えられるディエンファシスは典型的には15dB〜30dBである。
【0024】
差信号が空間情報の大部分を含むという事実のため、後方アンビエンスは聴取者による一層自然な知覚のために大幅に改善される。また、VCA34R、35Lによって動的に方向性を制御される差情報は、高域通過フィルタ31によって処理される高い側の中域及び高域の周波数情報のみであり、低域通過フィルタ32を通過する低い側の中域(lower mid band)の情報は無変化であるという事実から、聴取者の後方からの知覚される方向性情報が存在する。このシステムは、過渡情報の強化を許容するように、非常に高速なアタック時間を設ける。しかしながら、方向性制御が広帯域な手段によって行われるのではないという事実のため、知覚されるポンピング効果はない。低い側の中域信号に含まれる方向性情報は少ないので、主観的に優れた結果を得るための方向性制御を必要としない。
【0025】
制御線SAはDC電圧を抵抗器78L、79Rに同時に供給する。抵抗器78L、79Rは、それぞれリミッタ72L、73Rに負入力を供給すると共に、右及び左の制御線SR、SLを通じてVCA34R、35LのDC制御を行う。これは、高域通過フィルタ31の出力における信号レベルが約−40dBu未満に低下したときに高域雑音低減を行う手段である。図2に示す構成要素の値を次の表1に例示する。
【0026】
【表1】
Figure 0003614457
図6は、本発明の別の実施例を示している。これは、後方チャンネルが位相コヒーレンシーである、即ち位相ずれがないように、後方中央における音像形成を改善するものである。右後方と右前方との間の位相誤差を補償するために、全通過(all−pass)位相シフト回路が挿入される。全通過位相シフト回路27は固定定位EQ23の出力にある差情報の位相をシフトし、位相シフトされた信号を左後方及び右後方の出力43L、43Rに印加する。全通過位相シフト回路又はフィルタ26L、26Rは左前方及び右前方のチャンネルの位相をシフトさせ、左前方の出力12Lと左後方の出力43Lとの間の差を90°とし、右前方の出力12Rと右後方の出力43Rとの間の差も90°とする。これは、図1に示す増幅器41Rによって得られる位相反転のない右後方出力43Rに現れる、180°の位相シフトを補償する。本発明のこの実施例では、右後方及び左後方のチャンネルは100パーセント位相コヒーレンシーであるという事実により、後方中央における安定性が大きく改善される。図6に開示されたような全通過位相シフト回路は当技術では一般的に公知であり、当業者であれば、全通過位相シフト回路26L、26R、27によって得られる前方及び後方のチャンネル間の差の90°位相シフトを得ることができる全通過位相シフト回路を設計することができる。
【0027】
図1と図6とを比較すると、全通過位相シフト回路又はフィルタ26L、26R、27が挿入され、右の反転増幅器41Rが除去されている。右の反転増幅器41Rは、図1における右後方43Rと右前方12Rとの間の位相誤差を補正するが、左及び右の後方チャンネル43L,43Rは位相コヒーレンシーを取り戻すという事実により、安定した後方中央での音像を回復するので、図6では除去されている。図6に示す代替方法は、全通過位相シフト回路26L、26R、27を挿入することにより右後方43Rと右前方12Rとの間に生じる180°の位相誤差を補償する。低域通過フィルタ22から後方チャンネルに供給される低音信号は、単に加算増幅器40L、40Rの入力に供給される。
【0028】
図7は、図6に開示されたものに類似した本発明の実施例を示す。共通な機能を果たすものには、共通のブロック番号が用いられている。本実施例では、バッファ増幅器10L、10Rのバッファされた出力信号が差動増幅器30に供給される。差動増幅器30の差出力は次に固定定位EQ23に供給され、更に全通過位相シフト回路27に供給される。全通過位相シフト回路27の出力はVCA34R、35Lに供給される。したがって、VCA34R、35Lは広帯域な後方チャンネル方向性制御を行う。低域通過フィルタ22の加算された低域通過出力は加算増幅器40R、40Lに供給され、低音情報を後方チャンネルに供給する。この低周波数情報は、後方チャンネルにおいて知覚される任意の音像遊走(image−wandering)、及び、広帯域信号の方向性を制御する時に起こり得るポンピング効果を防止するのに役立つ。
【0029】
図8は、低周波数情報を後方チャンネルに供給する別の手段を有する本発明の更に別の実施例を開示する。共通の機能を果たすものには、共通のブロック番号が用いられている。この実施例では、バッファ増幅器10L、10Rのバッファされた出力は個々に低域通過フィルタ22L、22Rに供給されると共に、加算増幅器40L、40Rに直接供給される。個々のバッファされた入力の低域通過フィルタ処理を行うことにより、後方チャンネルの低音成分のステレオ分離度が維持される。また、低域通過フィルタ22L、22Rのコーナー周波数(corner frequency)を上昇させて低い側の中域の情報を含ませることにより、更に改善することができる。これは、聴取者が知覚できるステレオ分離度を高めると共に、後方チャンネルで知覚される音像遊走またはポンピング効果をも防止するのに役立つ。
【0030】
図3は、図1に示されたものよりも洗練された本発明の実施例を開示する。図1と共通のブロック番号は、共通な機能が行われる部分に用いられている。
【0031】
左及び右の入力9L、9Rは、それぞれバッファ増幅器10L、10Rによってバッファされる。加算増幅器11L、11Rはバッファ増幅器10L、10Rからバッファされた出力を受け取る。加算増幅器20もバッファ増幅器10L、10Rから出力を受け取り、左右の和を発生する。加算増幅器20からの加算された信号は高域通過フィルタ21によってフィルタ処理され、更に加算増幅器11L、11Rによって、バッファされた左チャンネル及び右チャンネルの情報と加算されて左前方及び右前方の複合出力12L,12Rを発生する。バッファ増幅器10L、10Rからの出力は差動増幅器30に供給され、左と右との差に等しい信号を発生する。この差信号は、図1で開示されかつ論じられたものと同一の固定局在化EQ23に供給される。固定局在化EQ23の出力は次に高域通過フィルタ31、帯域通過フィルタ33及び低域通過フィルタ32によって別個の3帯域に分割される。バッファ増幅器10L、10Rからの出力も各々別個の3帯域に分割される。左チャンネルのバッファされた信号は高域通過フィルタ101L、帯域通過フィルタ102L及び低域通過フィルタ103Lに供給される。同様に、右チャンネルのバッファされた信号は高域通過フィルタ101R、帯域通過フィルタ102R及び低域通過フィルタ103Rに供給される。左のフィルタ101L−103L及び右のフィルタ101R−103Rからの出力は、次に左及び右のレベルセンサ104L−106L、104R−106Rにそれぞれ供給される。これらのレベルセンサは、各個別の帯域に現れるエネルギの対数の絶対値に等しい、実質的にDCの出力を発生する。
【0032】
図4は、図3のブロック100に含まれている回路を一部はブロックで、一部は概略的に示す図により、左または右のいずれかのチャンネルに対するフィルタ101−103及びレベルセンサ104−106を示している。フィルタ101、102、103は当技術では一般的に公知であり、高域通過フィルタ101は出力に2極高域通過フィルタを、低域通過フィルタ103は出力に2極低域通過フィルタを備えている。高域通過フィルタ101及び低域通過フィルタ103の出力は、差動増幅器102の負入力において加算される。直接の入力が差動増幅器102の正入力に供給される。この差出力は入力信号に存在する中域情報に等しい。高域通過フィルタ101は約4KHzより高い周波数を出力し、低域通過フィルタ103は約500Hz未満の周波数を出力し、帯域通過フィルタ102は高域通過フィルタ101と低域通過フィルタ103との間の周波数を出力する。ここに開示したものの代りに他の周波数を用いてもよい。各フィルタからの出力はレベルセンサによって処理される。レベルセンサ104を高域通過フィルタ101のために詳細に開示するが、他のレベルセンサ105、106も事実上同一である。レベルセンサ104の機能は、カスタム集積回路HUSH2050(登録商標)によって実行される。HUSH2050(登録商標)ICは図4に示す回路104を含む。高域通過フィルタ101の出力はコンデンサC1を介して対数検出器の入力に結合される。対数検出器は入力信号の絶対値の対数を発生する。対数検出器の出力は増幅器A1の正入力に印加される。増幅器A1は、フィードバック抵抗器R3及び利得決定抵抗器R1により、全波整流された対数検出器出力信号の利得を設定する。別の抵抗器R2はDCオフセットを発生し、増幅器A1の出力は適当なDC範囲内で動作する。増幅器A1の出力は次にダイオードD1によってピーク検出され、コンデンサC2によってフィルタ処理される。フィルタ用のコンデンサC2及び抵抗器R4は、レベルセンサ104の解放特性に対する時定数を決定する。このフィルタ処理後の信号は次にバッファ増幅器A2によってバッファされ、利得が1の反転増幅器A3によって反転される。反転増幅器A3の出力は入力抵抗器R8を介して演算増幅器A4の負入力に供給される。帰還抵抗器R9は演算増幅器A4に負帰還を与える。演算増幅器A4の出力は正のDC電圧であり、ボルト対デシベルの関係において線型でああって、レベルセンサ104の入力に印加される入力信号レベルに比例する。図4に開示する回路は図1のレベルセンサ13L、13Rの回路と事実上同一である。時定数は変更してもよい。図4に示す構成要素に対する値を表2に例示する。
【0033】
【表2】
Figure 0003614457
再び図3において、全てのレベルセンサ104L−106L、104R−106Rの出力はフィルタ101L−103L、101R−103Rの出力における出力信号エネルギに比例する正のDC電圧である。差動増幅器50は、左チャンネルの高域部分において信号エネルギが優勢な場合に正の出力を発生し、右チャンネルの高域部分において信号エネルギが優勢な場合に負の出力を発生する。また、差動増幅器51は左チャンネルの中域部分において信号エネルギが優勢な場合に正の出力を発生し、右チャンネルの中域部分において信号エネルギが優勢な場合に負の出力を発生する。同様に、差動増幅器52は、左チャンネルの低域部分において信号エネルギが優勢な場合に正の出力を発生し、右チャンネルの低域部分において信号エネルギが優勢な場合に負の出力を発生する。差動増幅器50、51、52の出力は、それぞれ方向性制御用復号器80の方向性制御信号発生器60H、60B、60Lに供給される。方向性制御信号発生器60H、60B、60Lは図2に開示された方向性制御信号発生器60と事実上同一である。高域方向性制御信号発生器60Hは音響スペクトルの高域部分の左/右方向性制御特性を決定し、中域方向性制御信号発生器60Bは中域の左/右方向性制御特性を決定し、低域方向性制御信号発生器60Lは低域の左/右方向性制御特性を決定する。これら方向性制御信号発生器の各々の出力は、右及び左の後方出力に対して音響信号経路に配置されたVCA34−39を制御するための適切なDC電圧となる。これらのVCAは、左及び右の後方出力43L,43Rに対する方向性情報を高めるように、音響スペクトルの高域、中域、低域の部分を制御する。高域VCA34、35へのオーディオ入力は高域フィルタ31から供給され、中域VCA36、38へのオーディオ入力は帯域通過フィルタ33から供給され、低域VCA37、39へのオーディオ入力は低域通過フィルタ32から供給される。右のVCA34、36、37の出力は増幅器40Rによって加算され、フィルタ31、32、33によって複数の帯域に分割された差情報の全スペクトルの複合出力を発生する。同様に、加算増幅器41Lは左のVCA35、38、39のオーディオ出力を結合し、フィルタ31、32、33によって処理された差情報の全スペクトルの複合出力を発生する。
【0034】
また、加算増幅器20において加算された信号は低域通過フィルタ22によって低域通過フィルタ処理を受け、左の加算増幅器40Lの入力に供給されて、左の後方出力43Lの信号の一部として低音成分を供給する。低域通過フィルタ22の出力は差動増幅器41Rの正入力にも供給され、右後方出力43Rの信号の一部として低音成分を供給する。差動増幅器41Rは、低域通過フィルタ22の低域通過フィルタ処理を受けた出力と右の加算増幅器40Rの出力との差を取り、右後方チャンネル43Rと右前方チャンネル12Rとの間の適当な位相コヒーレンシーを保持する。
【0035】
動作において、バッファ増幅器10L、10Rからの左及び右のバッファされた出力は、各々高域通過、低域通過及び帯域通過のフィルタによって処理されて3つの帯域スペクトルに分割される。これらのフィルタの出力を受けるレベルセンサ104L−106L、104R−106Rは、各チャンネルの各帯域におけるスペクトルエネルギを表わすDC信号レベルを発生する。これらのDC信号レベルは差動増幅器50、51、52に供給される。差動増幅器50、51、52は、スペクトルの各部分に含まれる優勢な信号エネルギに基づいて、正または負の方向性制御情報を供給する。次に、方向性制御用復号器80は右及び左の後方出力43R、43Lに対して信号経路に配置されたVCAに、適切なDC方向性制御信号を供給する。
【0036】
バッファ増幅器10L、10Rによってバッファされた左及び右の入力信号は、それぞれフィルタ31、32、33によって高域、中域及び低域に分割される。これらのフィルタの出力は次にVCA34−39の入力に印加される。VCA34−39は、各チャンネル内の各帯域に適切なエンファシスまたはディエンファシスを与える。図3に開示したような複合システムにおいては、左高域VCA35によって左チャンネルにおける優勢な高周波数信号がエンファシスされると共に、左高域VCA35によって右チャンネルはディエンファシスされる。同時に、右中域VCA36によって右チャンネルにおける優勢な中域周波数信号をエンファシスすると共に、左中域VCA38によって左チャンネルにおける当該中域周波数信号をディエンファシスする。このように、本実施例では、音響スペクトルの種々の部分における信号エネルギに基づいて、左及び右の後方チャンネル43L,43Rに瞬時的なエンファシスを付与することができる。
【0037】
図5は、復号されたオーディオ信号の定位を改善するために増強手段を組み込んだ本発明の更に別の実施例を示している。他の図と共通する回路機能を示すために、共通な番号が用いられている。
【0038】
左/右のオーディオ入力9L、9Rはバッファ増幅器10L、10Rによってバッファされる。バッファされた出力信号は次に高域通過フィルタ処理を受け、高域通過フィルタ13L、13Rの出力において、実質的に高い側の中域及び高域の周波数情報を供給する。復号マトリクスはマトリクス回路15L、16L、16R、15Rを含み、この中で、15Lは高域通過フィルタ処理を受けた利得1の左信号に含まれる情報を、15Rは高域通過フィルタ処理を受けた利得1の右信号に含まれる情報を、16Lは(左×0.891)+(右×0.316)を、16Rは(右×0.891)+(左×0.316)をそれぞれ発生する。復号マトリクスからの出力は各々レベルセンサ17L、17LR、17RL、17Rに供給され、これらレベルセンは、復号マトリクスの出力に含まれる信号エネルギの絶対値の対数に比例する実質的にDCの出力を発生する。レベルセンサ17Lの出力は厳密に左信号情報を反映し、差動増幅器50Lの正入力に供給する。一方、差動増幅器50Lの負入力には、レベルセンサ17LRによって、左信号情報の方が右信号情報よりも多く含まれた信号が供給される。レベルセンサ17L、17Rからの左及び右のみの出力は、図1に開示されたものと事実上同一の差動増幅器50の正及び負の入力にそれぞれ供給される。差動増幅器50の出力は、左チャンネルにおける信号エネルギが優勢な場合は正に、右チャンネルにおける信号エネルギが優勢な場合は負となる。レベルセンサ17RLの出力には、右信号情報の方が左信号情報よりも多く含まれた信号を表わすDC信号が発生され、差動増幅器50Rの負入力に供給される。一方、厳密に右チャンネル情報を表わすレベルセンサ17Rの出力は増幅器50Rの正入力に供給される。復号マトリクス、レベルセンサ及び差動増幅器は一体的に動作し、差動増幅器50にDC出力を供給する。このDC出力は、優勢な信号エネルギが左チャンネルにある時は正となり、優勢な信号エネルギが右チャンネルにあるときは負となる。差動増幅器50Lは、左の信号エネルギが右チャンネル入力の信号エネルギよりも10dB以上優勢なときにのみ正となるDC出力を発生する。逆に、差動増幅器50Rは、右の信号エネルギが左チャンネル入力の信号エネルギよりも10dB以上優勢な時にのみ正となるDC出力を発生する。
【0039】
方向性制御信号発生器160は図2に開示されたものと同様である。しかしながら、ここでは、リミッタ又は制御増幅器172L、173Rが後方チャンネルVCA34R、35Lに1の利得を供給するように、即ち、左及び右の入力の間の信号エネルギの差が10dBより少ないときに左後方チャンネル又は右後方チャンネルに上方への伸長即ちエンファシスを与えないように構成されている。しかしながら、優勢な信号エネルギ(10dB未満)が一方のチャンネルで検出されたとき、反対のチャンネルのディエンファシスが反転増幅器168、171によって達成される。例えば、優勢な信号エネルギが左チャンネルにおいて検出されたとき(右よりも大きいが10dB未満)、出力SLには制御電圧が現れないが、出力SRには制御信号が現れて右チャンネルのスペクトルの高域部分内の信号を減衰させる。逆に、優勢な信号エネルギが右チャンネルにおいて検出された場合(左よりも大きいが10dB未満)、出力SRには制御信号は現れないが、出力SLには制御電圧が現れて左チャンネルのスペクトルの高域部分内の信号を減衰させる。
【0040】
動作において、左のリミッタ172Lは10dB未満の差情報を0dBと+3dBとの間の所定の最大VCA利得に制限する。信号エネルギが左で優勢で10dBより大きいときのみ、ダイオードD101によって処理された差動増幅器50Lの出力が左のリミッタ72の制限点を上昇させ、左チャンネルのエンファシスを増加させる。逆に、右のリミッタ73Rも、VCAの利得を0dBと+3dBとの間に制限するように構成されている。信号エネルギが右で優勢で10dBより大きいときのみ、ダイオードD102によって処理された差動増幅器50Rの出力が右のリミッタ73Rの制限点を上昇させ、右チャンネルのVCA34Rによる右チャンネルのエンファシスを増加させる。
【0041】
図5に開示された実施例は、与えられた信号が左または右の入力にパン(pan)される量に応じて、与えられた個々の信号を聴取者の360°以内の任意の位置に定位させることを可能にする。複合入力信号は、一方のチャンネルにおけるエネルギレベルが少なくとも10dB他方のチャンネルよりも大きくなってから後方チャンネル情報にエンファシスが与えられ始めることを要求する。
【0042】
図9は、後方チャンネルにおける広帯域信号及び帯域制限信号の方向性制御を更に改善する、図1、5−8の高域通過フィルタ13R、13L典型的な周波数応答特性をグラフである。図示のように、曲線は約18KHzのコーナー周波数Fcを有するが、特定の用途の要件にしたがって、約6KHzから20KHzまでの範囲にわたることができる。重要な要因は、レベルセンサ14R、14Lが特に高域周波数に鋭敏となるように、又は中域周波数情報よりも高域周波数情報に一層感応するように、レベルセンサ14R、14Lの周波数応答を重み付けすることである。このような周波数応答は、高域情報のみを左及び右の後方チャンネルに対して方向性制御するように、例えば図1に示したような実施例に適用できる。この方法を図1のような実施例に適用することによって、信号が左及び右の後方チャンネルに対して方向性制御するときに生じるジッタや音像遊走のような望ましくない副作用を除去することができる。
【0043】
しかしながら、図10に開示されている本発明の別の実施例では、図9に示した周波数応答特性を有する高域通過フィルタ13LH、13RHがレベルセンサ14R、14Lに接続されている。レベルセンサ14R、14Lをこのように方向性制御検出器に対して重み付けすることによって、左及び右の方向性制御は、主として高域周波数情報を基づいて行われるようになる。例えば、優勢な中域情報があって左または右の方向性制御を必要とし、僅かな高周波数情報が突然チャンネル9Lまたは9Rに現われた場合、この僅かな高周波数情報が信号の方向性をその方向に制御する主要な要因となる。このようにレベルセンサ14R、14Lを重み付けすることにより、広帯域な信号の方向性を制御する時に生じる前述の望ましくない副作用を大幅に改善することができる。
【0044】
レベルセンサの重み付けの原理を、前述の帯域分割の実施例の回路に応用する場合が、図11に示されている。差増幅器30の出力は固定定位EQ(等化回路)23によって増強され、主信号が生成される。この主信号は、高域通過フィルタ31及び低域通過フィルタ32によって高域及び低域に分割される。高域通過フィルタ31の出力信号は次に右高域VCA34及び左高域VCA35によって動的に変更される。一方、低域通過フィルタ32の出力は右低域VCA37及び左低域VCA39によって動的に変更される。VCAによって付与される利得を制御するために、一方のステレオ入力信号9Rが高域通過フィルタ101R及び低域通過フィルタ103Rに供給されると共に、他方のステレオ入力信号9Lが高域通過フィルタ101L及び低域通過フィルタ103Lに供給される。前述のように、これらのフィルタの出力の各々はレベル感知され、レベル感知された高域通過出力の間の差を用いて第1の制御信号が発生される。一方、レベル感知された低域通過出力の間の差を用いて第2の制御信号が得られる。感知された高域通過出力の差は高域VCAを制御するために方向性制御用復号器80によって用いられ、感知された低域通過信号から得られた制御信号は低域VCAを制御するために用いられる。高域通過フィルタ101R、101Lは、図9に示した周波数応答曲線のように、中域周波数情報よりも高域周波数情報に応答する周波数応答を与えるように選択される。これらの信号の中域周波数成分ではなく高域周波数成分に対する空間感度は、システムの可聴方向性において予想外に望ましい改善をもたらす。
【0045】
多数の実施例を、本発明の基本的概念を増強するための種々の構成と共に開示したが、本発明は、DSPソフトウエアアルゴリズムとしての実施に適するものである。DSPとして実施する場合、音響スペクトルを一層多くの周波数帯域に分割して更に良好な周波数解像度を得ることによって、音響スペクトル内の特定の周波数帯域において良好な定位を得ることができる。当業者には、DSPとして実施することによって更に改善が可能であることは明白であり、これも本発明の範囲以内である。
【0046】
ここに開示された発明は、回路機能の多くがカスタム集積回路HUSH2050(登録商標)によって実行される実例に限定されている。2050ICはロックトロン社が開発し特許権を有するICであり、対数を基本とした検出回路、電圧制御増幅器及びVCA制御回路を含んでいる。2050ICの全体的なブロックの基本機能は当業者には公知である。多くの代替品が大多数のIC製造業者から標準製品ICとして及びディスクリートな回路設計として提供されている。
【0047】
本発明は、当業者には明白なそのような修正物及び代替物全てを包含することを意図している。開示された本発明の範囲から逸脱することなく、上述の装置において多くの変更を行うことができるので、上述の説明及び添付図面に含まれる全ての事項は、例示の意味で解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の簡略化した実施例を一部はブロックで、一部は概略的に示す図。
【図2】図1の方向性制御信号発生器を一部はブロックで、一部は概略的に示す図。
【図3】本発明の3帯域分割構成を一部はブロックで、一部は概略的に示す図。
【図4】図3の複数帯域レベルセンサを一部はブロックで一部は概略的に示す図。
【図5】復号された音響信号の定位を改善するために増強手段を組み込んだ本発明の別の実施例を一部はブロックで、一部は概略的に示す図。
【図6】位相コヒーレンシーを実現する本発明の実施例を一部はブロックで、一部は概略的に示す図。
【図7】位相コヒーレンシーの本発明の別の実施態様を一部はブロックで、一部は概略的に示す図。
【図8】位相コヒーレンシーの本発明の更に別の実施例を一部はブロックで、一部は概略的に示す図。
【図9】中域周波数情報よりも高域周波数情報に感応する本発明の実施例の周波数応答曲線を示す図。
【図10】図9の周波数応答を利用した本発明の実施例を一部はブロックで、一部は概略的に示す図。
【図11】図9の周波数応答を利用する帯域分割の実施例を一部はブロックで、一部は概略的に示す図。
【符号の説明】
10L、10R...バッファ増幅器
11L、11R、20...加算増幅器
13L、13R...高域通過フィルタ
14L、14R...レベルセンサ
21...高域通過フィルタ
23...固定定位EQ
30、50...差動増幅器
31...高域通過フィルタ
32...低域通過フィルタ
34R、35L...VCA
40L、40R...加算増幅器
42...レベルセンサ
60...方向性制御信号発生器
61...反転増幅器
69L、70R...バッファ増幅器
72L、73R...リミッタ

Claims (20)

  1. 2チャンネルステレオ信号を多チャンネル音響信号に復号するための回路であって、
    前記2チャンネルステレオ信号の差を取って主信号を発生するための手段と、前記主信号のレベルを動的に変化させて第1動的変化信号を生成するための第1変化手段と、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の一方のレベルが他方より高いときに前記第1動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方のレベルが前記一方より高いときに前記第1動的変化信号のレベルを低下させるように前記第1変化手段の利得を制御するための第1制御手段と、
    を具備することを特徴とする回路。
  2. 請求項1記載の回路において、前記第1制御手段は、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の一方に比例する第1DC信号を得るための手段と、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の他方に比例する第2DC信号を得るための手段と、
    前記第1DC信号と前記第2DC信号との差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方が優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方が優勢なときに負であるDC制御信号を発生するための手段と、
    前記DC制御信号の正及び負の状態に応答して前記第1変化手段に正及び負の利得を与えるための手段と、
    を含むことを特徴とする回路。
  3. 請求項1記載の回路であって、更に、
    前記主信号のレベルを動的に変化させて第2動的変化信号を生成するための第2変化手段と、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方のレベルが前記一方より高いときに前記第2動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方のレベルが前記他方より高いときに前記第2動的変化信号のレベルを低下させるように前記第2変化手段の利得を制御するための第2制御手段と、
    を含むことを特徴とする回路。
  4. 請求項1記載の回路であって、前記主信号を動的に変化させる前に前記主信号を増強するための増強手段を更に含むことを特徴とする回路。
  5. 請求項4記載の回路であって、前記増強手段は人間の耳の周波数応答特性を模擬した固定定位等化を行うための手段を含むことを特徴とする回路。
  6. 請求項3記載の回路において、前記第2制御手段は、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の一方に比例する第1DC信号を得るための手段と、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の他方に比例する第2DC信号を得るための手段と、
    前記第1DC信号と前記第2DC信号との差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方が優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方が優勢なときに負であるDC制御信号を発生するための手段と、
    前記DC制御信号が正のときに前記第1変化手段に正の利得を与えると共に前記第2変化手段に負の利得を与え、前記DC制御信号が負のときに前記第2変化手段に正の利得を与えると共に前記第1変化手段に負の利得を与えるための手段と、
    を含むことを特徴とする回路。
  7. 請求項2記載の回路において、前記第1DC信号を得るための手段は、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方に高域通過フィルタ処理を施して第1フィルタ済み信号を発生するための手段と、前記第1フィルタ済み信号のレベルを感知するための手段とを含み、
    前記第2DC信号を得るための手段は、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方に高域通過フィルタ処理を施して第2フィルタ済み信号を発生するための手段と、前記第2フィルタ済み信号のレベルを感知するための手段とを含むことを特徴とする回路。
  8. 請求項3記載の回路において、更に、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の一方に比例する第1DC信号を得るための手段と、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の他方に比例する第2DC信号を得るための手段と、
    前記第1DC信号と前記第2DC信号との差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方が優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方が優勢なときに負であるDC制御信号を発生するための手段と、
    前記2チャンネルステレオ信号の前記一方のレベルが前記他方より高いときに前記第1動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方のレベルが前記一方より高いときに前記第1動的変化信号のレベルを低下させるように前記第1変化手段の利得を制御すると共に、前記2チャンネル信号の前記他方のレベルが前記一方より高いときに前記第2動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネル信号の前記一方のレベルが前記他方より高いときに前記第2動的変化信号のレベルを低下させるように前記第2変化手段の利得を制御するための手段と、
    を含むことを特徴とする回路。
  9. 請求項8記載の回路において、前記第1DC信号を得るための手段は、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方に高域通過フィルタ処理を施して第1フィルタ済み信号を発生するための手段と、前記第1フィルタ済み信号のレベルを感知するための手段とを含み、
    前記第2DC信号を得るための手段は、
    中域より高い周波数の情報に感応する周波数特性を有し、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方に高域通過フィルタ処理を施して第2フィルタ済み信号を発生するための手段と、前記第2フィルタ済み信号のレベルを感知するための手段とを含むことを特徴とする回路。
  10. 2チャンネルステレオ信号を多チャンネル音響信号に復号するための回路であって、
    前記2チャンネルステレオ信号の差を取って主信号を発生するための手段と、
    前記主信号を低域及び高域に分割するための手段と、
    前記高域のレベルを動的に変化させて第1動的変化信号を発生するための第1手段と、
    前記高域のレベルを動的に変化させて第2動的変化信号を発生するための第2手段と、
    前記低域のレベルを動的に変化させて第3動的変化信号を発生するための第3手段と、
    前記低域のレベルを動的に変化させて第4動的変化信号を発生するための第4手段と、
    前記2チャンネルステレオ信号の一方の高周波数レベルに比例する第1感知信号を得るための手段と、
    前記2チャンネルステレオ信号の他方の高周波数レベルに比例する第2感知信号を得るための手段と、
    前記第1感知信号と前記第2感知信号との差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方の高周波数レベルが優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方の高周波数レベルが優勢なときに負である第1制御信号を発生するための手段と、
    前記2チャンネルステレオ信号の一方の低域レベルの振幅に比例する第3感知信号を得るための手段と、
    前記2チャンネルステレオ信号の他方の低域レベルの振幅に比例する第4感知信号を得るための手段と、
    前記第3感知信号と前記第4感知信号との差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方が優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方が優勢なときに負である第2制御信号を発生するための手段と、
    前記2チャンネルステレオ信号の前記一方の高周波数レベルが優勢なときに前記第1動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方の高周波数レベルが優勢なときに前記第2動的変化信号のレベルを低下させるように前記第1手段の利得を制御すると共に、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方の高周波数レベルが優勢なときに前記第2動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方の高周波数レベルが優勢なときに前記第1動的変化信号のレベルを低下させるように前記第2手段の利得を制御するための手段と、
    前記2チャンネルステレオ信号の前記一方のレベルが前記他方より高いときに前記第3動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方のレベルが前記他方より高いときに前記第4動的変化信号のレベルを低下させるように前記第3手段の利得を制御すると共に、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方のレベルが前記一方より高いときに前記第4動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方のレベルが前記一方より高いときに前記第3動的変化信号のレベルを低下させるように前記第4手段の利得を制御するための手段と、
    を具備することを特徴とする回路。
  11. 2チャンネルステレオ信号を多チャンネル音響信号に復号するための方法であって、
    前記2チャンネルステレオ信号の差を取って主信号を発生するステップと、
    前記主信号のレベルを動的に変化させて第1動的変化信号を生成するステップと、
    前記2チャンネルステレオ信号の一方の高周波数レベルが優勢なときに前記第1動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の他方の高周波数レベルが優勢なときに前記第1動的変化信号のレベルを低下させるように制御するステップと、
    を具備することを特徴とする方法。
  12. 請求項11記載の方法において、前記制御するステップは、
    前記2チャンネルステレオ信号の一方に比例する第1DC信号を得るステップと、
    前記2チャンネルステレオ信号の他方に比例する第2DC信号を得るステップと、
    前記第1DC信号と前記第2DC信号の差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方の高周波数レベルが優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方の高周波数レベルが優勢なときに負であるDC制御信号を発生するステップと、
    前記DC制御信号の正及び負の状態に応答して、前記生成するステップに正及び負の利得を与えるステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  13. 請求項11記載の方法であって、更に、
    前記主信号のレベルを動的に変化させて第2動的変化信号を生成するステップと、
    前記第2動的変化信号を生成する手段の利得を、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方の高周波数レベルが優勢なときに第2動的変化信号のレベルを増加させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方の高周波数レベルが優勢なときに前記第2動的変化信号のレベルを低下させるように制御するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  14. 請求項11記載の方法であって、前記主信号を動的に変化させる前に前記主信号を増強するステップを更に含むことを特徴とする方法。
  15. 請求項14記載の方法であって、前記増強するステップは人間の耳の周波数応答特性を模擬した固定定位等化を得るステップを含むことを特徴とする方法。
  16. 請求項13記載の方法において、前記制御するステップは、
    前記2チャンネルステレオ信号の一方に比例する第1DC信号を得るステップと、
    前記2チャンネルステレオ信号の他方に比例する第2DC信号を得るステップと、
    前記第1DC信号と前記第2DC信号との差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方の高周波数レベルが優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方の高周波数レベルが優勢なときに負であるDC制御信号を発生するステップと、
    前記DC制御信号が正のときに、前記第1動的変化信号を生成する手段に正の利得を与えると共に前記第2動的変化信号を生成する手段に負の利得を与え、前記DC制御信号が負のときに、前記第2動的変化信号を生成する手段に正の利得を与えると共に前記第1動的変化信号を生成する手段に負の利得を与えるステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  17. 請求項12記載の方法において、前記第1DC信号を得るステップは、
    前記2チャンネルステレオ信号の前記一方に高域通過フィルタ処理を施して第1フィルタ済み信号を発生するステップと、前記第1フィルタ済み信号のレベルを感知するステップとを含み、
    前記第2DC信号を得るステップは、
    前記2チャンネルステレオ信号の前記他方に高域通過フィルタ処理を施して第2フィルタ済み信号を発生するステップと、前記第2フィルタ済み信号のレベルを感知するステップとを含むことを特徴とする方法。
  18. 請求項13記載の方法において、更に、
    前記2チャンネルステレオ信号の一方に比例する第1DC信号を得るステップと、
    前記2チャンネルステレオ信号の他方に比例する第2DC信号を得るステップと、
    前記第1DC信号と前記第2DC信号との差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方の高周波数レベルが優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方の高周波数レベルが優勢なときに負であるDC制御信号を発生するステップと、
    前記第1動的変化信号を生成する手段の利得を、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方の高周波数レベルが優勢なときに前記第1動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方の高周波数レベルが優勢なときに前記第1動的変化信号のレベルを低下させるように制御すると共に、前記第2動的変化信号を生成する手段の利得を、前記2チャンネル信号の前記他方の高周波数レベルが優勢なときに前記第2動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネル信号の前記一方のレベルが優勢なときに前記第2動的変化信号の高周波数レベルを低下させるように制御するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  19. 請求項18記載の方法において、前記第1DC信号を得るステップは、
    前記2チャンネルステレオ信号の前記一方に高域通過フィルタ処理を施して第1フィルタ済み信号を発生するステップと、前記第1フィルタ済み信号のレベルを感知するステップとを含み、
    前記第2DC信号を得るステップは、
    前記2チャンネルステレオ信号の前記他方に高域通過フィルタ処理を施して第2フィルタ済み信号を発生するステップと、前記第2フィルタ済み信号のレベルを感知するステップとを含むことを特徴とする方法。
  20. 2チャンネルステレオ信号を多チャンネル音響信号に復号するための方法であって、
    前記2チャンネルステレオ信号の差を取って主信号を発生するステップと、
    前記主信号を低域及び高域に分割するステップと、
    前記高域のレベルを動的に変化させて第1動的変化信号を発生するステップと、
    前記高域のレベルを動的に変化させて第2動的変化信号を発生するステップと、
    前記低域のレベルを動的に変化させて第3動的変化信号を発生するステップと、
    前記低域のレベルを動的に変化させて第4動的変化信号を発生するステップと、
    前記2チャンネルステレオ信号の一方の高周波数レベルに比例する第1感知信号を得るステップと、
    前記2チャンネルステレオ信号の他方の高周波数レベルに比例する第2感知信号を得るステップと、
    前記第1感知信号と前記第2感知信号との差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方の高周波数レベルが優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方の高周波数レベルが優勢なときに負である第1制御信号を発生するステップと、
    前記2チャンネルステレオ信号の一方の低域レベルの振幅に比例する第3感知信号を得るステップと、
    前記2チャンネルステレオ信号の他方の低域レベルの振幅に比例する第4感知信号を得るステップと、
    前記第3感知信号と前記第4感知信号との差を取り、前記2チャンネルステレオ信号の一方が優勢なときに正であり、前記2チャンネルステレオ信号の他方が優勢なときに負である第2制御信号を発生するステップと、
    前記第1動的変化信号を生成するステップの利得を、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方の高周波数レベルが優勢なときに前記第1動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方の高周波数レベルが優勢なときに前記第2動的変化信号のレベルを低下させるように制御すると共に、前記第2動的変化信号を生成するステップの利得を、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方の高周波数レベルが優勢なときに前記第2動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方の高周波数レベルが優勢なときに前記第1動的変化信号のレベルを低下させるように制御するステップと、
    前記第3動的変化信号を生成するステップの利得を、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方のレベルが前記他方より高いときに前記第3動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記一方のレベルが前記他方より高いときに前記第4動的変化信号のレベルを低下させるように制御すると共に、前記第4動的変化信号を生成するステップの利得を、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方のレベルが前記一方より高いときに前記第4動的変化信号のレベルを上昇させ、前記2チャンネルステレオ信号の前記他方のレベルが前記一方より高いときに前記第3動的変化信号のレベルを低下させるように制御するステップと、
    を具備することを特徴とする方法。
JP00218794A 1993-01-14 1994-01-13 多次元音響回路及びその方法 Expired - Lifetime JP3614457B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/004,591 US5333201A (en) 1992-11-12 1993-01-14 Multi dimensional sound circuit
US004591 1993-01-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06319199A JPH06319199A (ja) 1994-11-15
JP3614457B2 true JP3614457B2 (ja) 2005-01-26

Family

ID=21711524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00218794A Expired - Lifetime JP3614457B2 (ja) 1993-01-14 1994-01-13 多次元音響回路及びその方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5333201A (ja)
EP (1) EP0606968B1 (ja)
JP (1) JP3614457B2 (ja)
DE (1) DE69420982T2 (ja)

Families Citing this family (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5872851A (en) * 1995-09-18 1999-02-16 Harman Motive Incorporated Dynamic stereophonic enchancement signal processing system
US5771295A (en) 1995-12-26 1998-06-23 Rocktron Corporation 5-2-5 matrix system
US5748745A (en) * 1996-02-26 1998-05-05 Bedini Electronics, Inc. Analog vector processor and method for producing a binaural signal
KR100370413B1 (ko) * 1996-06-30 2003-04-10 삼성전자 주식회사 다채널 오디오 데이타의 재현시 채널수 변환방법 및 장치
US6252965B1 (en) * 1996-09-19 2001-06-26 Terry D. Beard Multichannel spectral mapping audio apparatus and method
JP3663461B2 (ja) * 1997-03-13 2005-06-22 スリーエス テック カンパニー リミテッド 周波数選択的空間感向上システム
US6801630B1 (en) * 1997-08-22 2004-10-05 Yamaha Corporation Device for and method of mixing audio signals
WO1999034643A1 (en) * 1997-11-03 1999-07-08 Creative Technology Ltd. Pc surround sound circuit
US6807280B1 (en) * 1998-01-26 2004-10-19 Delphi Technologies, Inc. Audio signal processing circuit for reducing noise in an audio signal
US6285767B1 (en) 1998-09-04 2001-09-04 Srs Labs, Inc. Low-frequency audio enhancement system
US6590983B1 (en) 1998-10-13 2003-07-08 Srs Labs, Inc. Apparatus and method for synthesizing pseudo-stereophonic outputs from a monophonic input
US6993480B1 (en) 1998-11-03 2006-01-31 Srs Labs, Inc. Voice intelligibility enhancement system
US6694027B1 (en) 1999-03-09 2004-02-17 Smart Devices, Inc. Discrete multi-channel/5-2-5 matrix system
US6522758B1 (en) 1999-08-18 2003-02-18 Sound Advance Systems, Inc. Compensation system for planar loudspeakers
US7031474B1 (en) * 1999-10-04 2006-04-18 Srs Labs, Inc. Acoustic correction apparatus
US7277767B2 (en) 1999-12-10 2007-10-02 Srs Labs, Inc. System and method for enhanced streaming audio
US7035413B1 (en) 2000-04-06 2006-04-25 James K. Waller, Jr. Dynamic spectral matrix surround system
US7382888B2 (en) * 2000-12-12 2008-06-03 Bose Corporation Phase shifting audio signal combining
KR100909971B1 (ko) 2000-12-22 2009-07-29 코닌클리케 필립스 일렉트로닉스 엔.브이. 다중-채널 오디오 변환기
DE10113087B4 (de) * 2001-03-17 2004-08-05 Harman Becker Automotive Systems (Becker Division) Gmbh Anordnung zur Signalverarbeitung in einem Kraftfahrzeug
US7447321B2 (en) 2001-05-07 2008-11-04 Harman International Industries, Incorporated Sound processing system for configuration of audio signals in a vehicle
US7451006B2 (en) * 2001-05-07 2008-11-11 Harman International Industries, Incorporated Sound processing system using distortion limiting techniques
US6804565B2 (en) * 2001-05-07 2004-10-12 Harman International Industries, Incorporated Data-driven software architecture for digital sound processing and equalization
US7630507B2 (en) * 2002-01-28 2009-12-08 Gn Resound A/S Binaural compression system
EP1585947B1 (en) * 2002-05-03 2020-01-01 Harman International Industries, Incorporated Sound detection and localization system
KR20040048104A (ko) * 2002-12-02 2004-06-07 주식회사 쓰리에스테크놀로지 휴대 기기용 입체 사운드 구현 시스템
US7542815B1 (en) * 2003-09-04 2009-06-02 Akita Blue, Inc. Extraction of left/center/right information from two-channel stereo sources
US7522733B2 (en) * 2003-12-12 2009-04-21 Srs Labs, Inc. Systems and methods of spatial image enhancement of a sound source
TW200627999A (en) 2005-01-05 2006-08-01 Srs Labs Inc Phase compensation techniques to adjust for speaker deficiencies
WO2007033150A1 (en) 2005-09-13 2007-03-22 Srs Labs, Inc. Systems and methods for audio processing
EP2005787B1 (en) * 2006-04-03 2012-01-25 Srs Labs, Inc. Audio signal processing
JP4841324B2 (ja) * 2006-06-14 2011-12-21 アルパイン株式会社 サラウンド生成装置
JP4835298B2 (ja) * 2006-07-21 2011-12-14 ソニー株式会社 オーディオ信号処理装置、オーディオ信号処理方法およびプログラム
US8050434B1 (en) 2006-12-21 2011-11-01 Srs Labs, Inc. Multi-channel audio enhancement system
EP2122489B1 (en) * 2007-03-09 2012-06-06 Srs Labs, Inc. Frequency-warped audio equalizer
US8705748B2 (en) * 2007-05-04 2014-04-22 Creative Technology Ltd Method for spatially processing multichannel signals, processing module, and virtual surround-sound systems
KR100889478B1 (ko) * 2007-11-23 2009-03-19 정원섭 다중 음상을 갖는 음향 장치
US9014396B2 (en) * 2008-01-31 2015-04-21 Qualcomm Incorporated System and method of reducing click and pop noise in audio playback devices
JP5368576B2 (ja) 2008-11-14 2013-12-18 ザット コーポレーション 動的音量制御及び複数空間処理防止
US9380385B1 (en) 2008-11-14 2016-06-28 That Corporation Compressor based dynamic bass enhancement with EQ
US8660271B2 (en) 2010-10-20 2014-02-25 Dts Llc Stereo image widening system
CN103329571B (zh) 2011-01-04 2016-08-10 Dts有限责任公司 沉浸式音频呈现系统
EP2523472A1 (en) 2011-05-13 2012-11-14 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Apparatus and method and computer program for generating a stereo output signal for providing additional output channels
US9164724B2 (en) 2011-08-26 2015-10-20 Dts Llc Audio adjustment system
PL2798737T3 (pl) 2011-12-27 2019-05-31 Dts Inc System wzbogacania niskich tonów
WO2014190140A1 (en) 2013-05-23 2014-11-27 Alan Kraemer Headphone audio enhancement system
US10312920B2 (en) * 2017-09-29 2019-06-04 Cavium, Llc Baseline wander compensation

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5235282B2 (ja) * 1972-09-09 1977-09-08
US4799260A (en) * 1985-03-07 1989-01-17 Dolby Laboratories Licensing Corporation Variable matrix decoder
US4680796A (en) * 1986-04-11 1987-07-14 Kintek, Inc. Sound encoding system
US5216718A (en) * 1990-04-26 1993-06-01 Sanyo Electric Co., Ltd. Method and apparatus for processing audio signals
US5172415A (en) * 1990-06-08 1992-12-15 Fosgate James W Surround processor

Also Published As

Publication number Publication date
DE69420982D1 (de) 1999-11-11
DE69420982T2 (de) 2000-05-18
JPH06319199A (ja) 1994-11-15
EP0606968A1 (en) 1994-07-20
EP0606968B1 (en) 1999-10-06
US5333201A (en) 1994-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3614457B2 (ja) 多次元音響回路及びその方法
US5319713A (en) Multi dimensional sound circuit
US7177431B2 (en) Dynamic decorrelator for audio signals
JP3964459B2 (ja) ステレオ増強システム
EP0966865B1 (en) Multidirectional audio decoding
US6002775A (en) Method and apparatus for electronically embedding directional cues in two channels of sound
JPH05219600A (ja) ステレオ強調および指向性サーボを備えたオージオサラウンドシステム
CN108632714B (zh) 扬声器的声音处理方法、装置及移动终端
SG171324A1 (en) Surround sound virtualizer and method with dynamic range compression
KR19990041134A (ko) 머리 관련 전달 함수를 이용한 3차원 사운드 시스템 및 3차원 사운드 구현 방법
JP4480335B2 (ja) 複数チャンネル音声信号の処理回路、処理プログラム及び再生装置
WO2002015637A1 (en) Method and system for recording and reproduction of binaural sound
EP0687129B1 (en) Generating a common bass signal
JP2645731B2 (ja) 音像定位再生方式
JPH01500159A (ja) 音響符号化システム
EP2510709A1 (en) Improved matrix decoder for surround sound
US7035413B1 (en) Dynamic spectral matrix surround system
EP0630168B1 (en) Improved Dolby prologic decoder
KR100454012B1 (ko) 5-2-5 매트릭스 인코더 및 디코더 시스템
JPH06269097A (ja) 音響装置
JP3382249B2 (ja) サラウンド・プロセッサ
JP2006319803A (ja) デジタルバスブースト装置及びバーチャルサラウンドデコーダ装置
JP2006319804A (ja) デジタルバスブースト装置及びバーチャルサラウンドデコーダ装置
AU751831C (en) Method and system for recording and reproduction of binaural sound
JPS5937800A (ja) 心理的音響効果を向上するための装置と方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040305

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20040604

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20040609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041005

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071112

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111112

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111112

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121112

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121112

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term