JP3614147B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用者の使用状況を学習し、学習した結果に基づき、お湯の温調制御を自動的に行う電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気湯沸かし器において、使用者があらかじめ曜日、時刻に対する所望温度を設定した上で、自動温度制御を行うものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術では、商用電源を一旦オフすると再度機器を使用する際、使用者が其の都度温度設定を行う必要があるという煩わしさがあり、また設定忘れや設定間違いなどで自動温度制御が使用者の所望するもとと相違する可能性があった。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、商用電源の有無にかかわらず、使用者の使用実態を継続して学習し、短期間で学習デ−タに基づく精度よい省エネ自動加熱運転ができる電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の電気湯沸かし器は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、使用状態を検出する使用検知手段と、前記使用検知手段の出力を記憶する記憶手段と、所定日数の間、1日24時間の使用の有無を、所定時間単位毎に相対的に前記記憶手段に記憶させる第1制御手段と、前記所定時間単位毎の使用日数を累積加算し、前記累積使用日数が所定しきい値以上であれば当該時間帯の間は使用者が設定した保温温度となるように、所定しきい値より小であれば当該時間帯の間は使 用者が設定した保温温度より低くなるように前記加熱手段を1日24時間単位で自動制御する第2制御手段と、前記所定時間を含む時間の計時を行なう計時手段を備え、商用電源が供給されない時、バックアップ電源により、前記計時手段の動作及び第1制御手段の動作及び記憶手段の記憶内容の保持を行なうようにしたものである。
【0006】
これにより、バックアップ電源によって、商用電源オフ時も継続して計時動作、第1制御手段の動作等の学習動作を行ない、短期間で学習デ−タに基づく精度よい省エネ自動加熱運転ができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、使用状態を検出する使用検知手段と、前記使用検知手段の出力を記憶する記憶手段と、所定日数の間、1日24時間の使用の有無を、所定時間単位毎に相対的に前記記憶手段に記憶させる第1制御手段と、前記所定時間単位毎の使用日数を累積加算し、前記累積使用日数が所定しきい値以上であれば当該時間帯の間は使用者が設定した保温温度となるように、所定しきい値より小であれば当該時間帯の間は使用者が設定した保温温度より低くなるように前記加熱手段を1日24時間単位で自動制御する第2制御手段と、前記所定時間を含む時間の計時を行なう計時手段を備え、商用電源が供給されない時、バックアップ電源により、前記計時手段の動作及び第1制御手段の動作及び記憶手段の記憶内容の保持を行なうようにしたことで、商用電源オフ時も継続して学習動作が行なえ、短期間で学習デ−タに基づく精度よい省エネ自動加熱運転ができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、計時手段は、第1周波数を生成する第1発振回路と第1周波数より低い第2周波数を生成する第2発振回路を有し、商用電源が供給されない時、計時手段は第2周波数を基本単位として時間の計時動作を行うことで、商用電源オフ時も継続して学習動作が行なえ、短期間で学習デ−タに基づく精度よい省エネ自動加熱運転ができる。また、商用電源オフ時は低周波数で計時動作を行なうため、バックアップ電源のエネルギー消耗を低く抑えることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、計時手段は、第1周波数を生成する第1発振回路と第1周波数より低い第2周波数を生成する第2発振回路を有し、商用電源が供給されない時、計時手段は基本単位を第1周波数と第2周波数とで切り替えて時間の計時動作を行うことで、商用電源オフ時も継続して学習動作が行なえ、短期間で学習デ−タに基づく精度よい省エネ自動加熱運転ができる。また、商用電源オフ時は低周波数で計時動作を行なうため、バックアップ電源のエネルギー消耗を低く抑えることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、温度検知手段を有し、商用電源が供給されない時、計時手段で生成した第2所定時間毎に温度検知を行なう動作を付加することで、商用電源オフ時も継続して学習動作が行なえ、短期間で学習デ−タに基づく精度よい省エネ自動加熱運転ができる。また、商用電源オフ時にバックアップ電源のエネルギー消耗を低く抑えつつ温度検知することができる。
【0011】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1に示すように、本体1内には上面開口の水を収容する容器2があり、容器2の上部にはこれを覆う蓋3が配置されている。また、容器2内の水を加熱する加熱手段4と、容器2内の水温を検知する温度検知手段5と、容器2内のお湯を、吐出口21から外部に導くための電動ポンプ7と、電動ポンプ7の駆動源となるモ−タ−6とが容器2の下方に配置されている。また、商用電源が供給されない時、機器に電源を供給するバックアップ電源14と、商用電源を入力する電源コンセント20とが本体1の側方に配置されている。さらに、使用者が容易に操作できる操作部8が本体1の上方に配置されている。ここで、操作部8は、お湯を出湯するための出湯スイッチ9と、出湯動作の動作を許可するための出湯ロック解除スイッチ10と、保温状態にあるお湯を再度沸き上がらせるための再沸騰スイッチ11と、保温温度を設定するための保温温度設定選択スイッチ12と、学習デ−タに基づく省エネ自動加熱運転を行なうか否かを選択する学習保温スイッチ22と、省エネ自動加熱運転による省エネ効果を表示させるための省エネ効果表示スイッチ23と、前記省エネ効果に加えて、湯温と保温温度設定と省エネ自動加熱動作の設定状態を表示する表示素子13(図では湯温98℃、98保温設定、省エネ自動加熱動作オンの状態を表示(▲は設定された保温温度を示し、“自動”は省エネ自動加熱動作オンを意味する))から構成されており、また、加熱手段4は、容器2内の水を沸騰させる大きな出力をもつもの、例えば1000Wの主ヒ−タ−と、容器2内の水を保温する比較的小さな出力をもつもの、例えば75Wの補助ヒ−タ−とで構成されている。
【0013】
次に、15は操作部8からの信号を入力とし、記憶手段18へ信号出力する使用検出手段であり、16は商用周波数計時回路16a、第1周波数を生成する第1発振回路16b、第2周波数を生成する第2発振回路16cを有し、第1制御手段17と第2制御手段19へ信号出力する計時手段である。第1制御手段17は計時手段16からの信号を入力とし記憶手段18へ信号出力するであり、記憶手段18は使用検出手段15と第1制御手段17からの信号を入力とし第2制御手段19へ信号出力する。第2制御手段19は計時手段16と記憶手段18と温度検知手段5からの信号を入力とし加熱手段4へ信号を出力するものである。
【0014】
電源コンセント20を介して商用電源が供給されると、第1制御手段17により、あらかじめ設定された所定時間単位(ここでは1.5時間とする)で使用検出手段15からの出力を記憶手段18に記憶していく。ここで所定時間単位1.5時間は、計時手段16内の商用周波数計時回路16aにより50Hzもしくは60Hzを基本周波数として生成される。
【0015】
使用検出手段15の出力は、使用者が出湯ロック解除し、出湯スイッチ9を入力する実際の吐出操作が行なわれたか否かによって発生し、また記憶手段18では第1制御手段17により所定時間単位の累積時間も記憶するようにしているため、1日24時間の中の相対時間帯とその使用、不使用を対応させながら記憶手段18に蓄積できる。そして、前記の動作を所定日数間行い、所定日数経過時点で第2制御手段19により各時間帯毎の累積加算を行ない、使用日数が所定日以上の時間帯を使用時間帯、所定日未満の時間帯を不使用時間帯と識別する。この識別を行なった後は、やはり第2制御手段19で使用時間帯は使用者が所望する保温温度(ここでは98℃とする)、不使用時間帯は使用者が所望する保温温度より低い温度(ここでは60℃とする)となるよう、加熱手段4を1日周期で自動制御する。
【0016】
前述の動作中に、商用電源がオフされると、バックアップ電源14を電源として、第1制御手段17により、1.5時間単位で使用検出手段15からの出力を記憶手段18に記憶していく。この時、所定時間単位1.5時間は、計時手段16内の第2発振回路16cから得られる第2周波数(ここでは32.678kHz)を基本周波数として生成される。記憶手段18では、商用電源オン時と同様に、第1制御手段17により所定時間単位の累積時間も記憶するようにしているため、1日24時間の中の相対時間帯とその使用、不使用を対応させながら記憶手段18に蓄積できる。なお、バックアップ電源14は、すでに明らかなように、計時手段16の動作、第1制御手段17の動作、第2制御手段19の動作、又は記憶手段18の記憶内容の保持、のいずれか、あるいはそれらの全部のバックアップを行なうものである。
【0017】
また、商用電源オン時は、温度検知手段5による水温検知動作を第1発振回路16bで生成された第1周波数(ここでは4MHz)に同期して行い、商用電源オフ時は第2所定時間(ここでは30秒とする)毎に間欠的に行なう。第2所定時間30秒は第1周波数4MHzより低い第2周波数32.768kHzを基本周波数としている。前述の検知動作を行なうことで、商用電源オン時は、容器2内の水がないことを検知する空焚き検知や、容器2内のお湯の沸きあがりを検知する沸騰検知を行なうため、高速で精度のよい温度検知ができ、商用電源オフ時は低消費電流となりバックアップ電源の消耗を低く抑えることができる。また、商用電源オフ時はヒーターオフであり、水温の温度変化は特に主ヒーターオン時に比べると緩やかであり、温度検知を商用電源オン時よりも遅くしても、本実施例にあるように30秒程度であれば検知精度に優位差はほとんどない。
【0018】
次に、本実施例の商用電源継続オン時の加熱手段自動制御方法について、図2を参照しながら更に詳細に説明する。
【0019】
所定単位時間は1.5時間、所定日数を3日間、使用時間帯と不使用時間帯の判定日数は2日として、以後説明する。図2(a)(b)(c)にあるように、学習3日間の1.5時間毎の出湯頻度が図示のようであった場合、記憶手段18へは1.5時間内に1度でも出湯操作があれば“1”、1度も出湯操作がなければ“0”として、1日あたり16の異なる領域にデ−タが書き込まれる。1.5時間の時間経過とともに、1から16に向かって書き込み対象デ−タ領域は順次移行していくため、デ−タ領域の添え数字1は0〜1.5時間、2は1.5時間〜3時間という形で1日24時間中の相対時間帯を意味するものとなる。また、1.5時間の単位時間は商用電源50又は60Hzを基本周波数とすることで生成する。
【0020】
そして、所定学習日数の3日間(72時間)記憶手段18へのデ−タ書き込みを終えた後、各時間帯毎の累積加算を行い、結果が“2”以上なら使用時間帯、“2”未満なら不使用時間帯と24時間分区分する。そして、3日の学習経過後は、使用時間帯は98℃保温、不使用時間帯は60℃保温となるよう加熱手段4を自動動作させる。図2(d)は、図2(a)(b)(c)の使用実態があった場合の、自動湯温コントロ−ルの一例を図示したものである。
【0021】
すなわち、(1)の時間帯では、補助ヒーターによる98℃維持動作、(2)の時間帯では主ヒーター、補助ヒーターともオフし60℃に向かわせている動作、(3)の時間帯では補助ヒーターによる60℃維持動作、(4)の時間帯では60℃から98℃の絶対温度まで主ヒーターで温度上昇させる動作を行っている。不使用時間帯は、通常保温より低い温度で保温しているため省エネとなる。
【0022】
次に、本実施例の商用電源断続オン時の加熱手段自動制御方法について図3を参照しながら説明する。
【0023】
商用電源継続オン時と同様に所定単位時間は1.5時間、所定日数を3日間、使用時間帯と不使用時間帯の判定日数は2日として、以後説明する。図3(a)(b)(c)にあるように、商用電源オン時、つまりは、通電スタートから累積42時間までと累積51時間から累積72時間までの期間は、商用電源継続オン時と同様に、1.5時間単位で書き込み対象デ−タ領域を順次移行させながら出湯動作の有無を記憶させる。ここで、1.5時間を生成する基本周波数は、やはり同様に50又は60Hzである。商用電源オフ時、つまりは、累積42時間から累積51時間までの間は、1.5時間単位の順次移行で出湯動作の有無の記憶は同様に行なう(図3では商用電源オフ時出湯動作なし)が、1.5時間を生成する基本周波数を32.678kHzとしている所が相違する。商用電源オフ時は50又は60Hzといった商用周波数が得られないため、計時手段16内にある第2発振回路16cから得られる周波数をベースとして計時動作を継続している。商用電源が再度オンし通電スタート後4日目になると、図3(d)のように、1〜3日目までの累積データに基づき、商用電源継続オン時と同様に省エネ自動加熱動作を行なう。図3のように、商用電源がオフ時も、記憶手段18への1.5時間単位での使用実態の書き込みを行い、また商用電源オフ以前の記憶手段18の記憶内容もバックアップ電源14により保持しているため、通電スタートから途中商用電源のオフがあったとしても、通電スタートから所定日数3日後には、学習データに基づく省エネ自動加熱制御が行なえる。
【0024】
また、商用電源オフ時の計時基本周波数32.768kHzは、商用電源オン時の温度検知等の基本周波数4MHzより低くしているため、消費電流が抑えられバックアップ電源14の消耗を小さくすることができる。
【0025】
以上のように本実施例においては、バックアップ電源14によって、商用電源オフ時も継続して学習動作を行なうことで、短期間で学習デ−タに基づく精度よい省エネ自動加熱運転ができ、且つ商用電源オフ時は低周波数で学習のための計時動作を行なうため、バックアップ電源14のエネルギー消耗を低く抑えることができる。
【0026】
また、商用電源オフ時は低周波数を基本周波数として間欠的に温度検知を行なうことで、商用電源オフ時も、バックアップ電源14のエネルギー消耗を低く抑えつつ精度のよい温度検知を行なうことができる。
【0027】
また、本実施例では、24時間タイマの相対時間認識により学習を行なっているため、時計機能、カレンダ−機能を保持する必要のない安価な構成となっている。
【0028】
また、不使用時間帯においても保温動作を行なっているため、自動運転中でもお湯の雑菌等の繁殖を防ぐことができることに加えて、不使用と判断した時間帯に使用者が所望のお湯が必要な際、再沸騰動作を行なうことで比較的短時間に所望するお湯を得ることができる。
【0029】
また、学習保温スイッチ22により、学習データに基づく省エネ自動加熱運転をオンオフできることで、例えば、使用者が非日常的な使用を所望する場合、保温温度設定は使用者が設定した固定値とすることができ使い勝手がよい。
【0030】
また、省エネ効果表示スイッチ23をオンすると、1日24時間中の省エネ自動加熱運転で60設定となっていた時間(例えば図3の4日目は16.5時間((2)(3)の異計))が表示手段13に表示でき、省エネ効果を使用者に知らしめることができる。
【0031】
なお、本実施例では、商用電源オフ時は第2周波数32.768kHzを学習のための計時基本周波数として説明したが、第1周波数4MHzと第2周波数32.768kHzを切り替えて学習のための計時基本周波数としたとしても本実施例と同等の効果が得られる。
【0032】
また、本実施例における記憶手段18への記憶方法を、使用検出手段15の出力があった時間帯の、所定単位時間の整数倍分前あるいは後あるいは前後の時間帯も使用検出手段15の出力があったとして記憶するように置き換えることで、実際の不使用時間帯から使用時間帯に移行の前に加熱手段4を動作させたり、実際の使用時間帯から不使用時間帯に移行の後に加熱手段4がオフされたりし、不使用時間帯から使用時間帯に移行時の温度上昇時間や使用時間帯から使用時間帯に移行時の温度低下を考慮した精度良い省エネ自動加熱運転ができる。
【0033】
また、本実施例における加熱動作の制御を、使用時間帯と識別した時間帯の、所定単位時間の整数倍分前あるいは後あるいは前後の時間帯も、使用時間帯と同じ保温温度設定とするように置き換えることで、実際の不使用時間帯から使用時間帯に移行の前に加熱手段4を動作させたり、実際の使用時間帯から不使用時間帯に移行の後に加熱手段4をオフさせたりし、不使用時間帯から使用時間帯に移行時の温度上昇時間や使用時間帯から使用時間帯に移行時の温度低下を考慮した精度良い省エネ自動加熱運転ができる。
【0034】
また、本実施例では、商用電源オフ時の間欠温度検知の検知周期である第2所定時間を、第2周波数32.768kHzを基本周波数として生成するとして説明したが、第1周波数4MHzと第2周波数32.768kHzを切り替えて基本周波数としたとしても本実施例と同等の効果が得られる。
【0035】
また、本実施例では、商用電源オフ時は、学習のための計時動作、及び間欠温度検知動作の基本周波数を第2周波数32.768kHzとして説明したが、これを第1周波数4MHzとしたとしても、バックアップ電源のエネルギー消耗低減を除けば同等の効果が得られ、更には、第2発振回路16cを削除できるため安価な構成となる。
【0036】
また、本実施例では、商用電源オフ時の出湯動作は特筆していないが、商用電源オフ時もバックアップ電源14により出湯でき、其の出湯動作を使用実績として所定のアドレスの記憶手段18に格納し、学習データとすることで本実施例と同等の効果が得られ且つ省エネ自動加熱運転の精度を高め、使用者が使用する際所望の湯温になっていない確率を小さくすることができる。
【0037】
また、本実施例では、商用電源オフ時にも第1制御手段17を動作させ、使用実態、つまりは出湯動作を記憶蓄積するとしているが、商用電源オフ時は計時動作を動作させ第1制御手段17による使用実態、つまりは出湯動作の記憶蓄積を行なわないとしても、商用電源オフ時の使用実態が未収集となる以外は本実施例と同等の効果が得られ、更には制御方式が簡素化できる。
【0038】
また、本実施例では、バックアップ電源14の具体例は特筆していないが、バックアップ電源が1次電池であっても2次電池あってもコンデンサであっても本実施例と同等の効果が得られる。
【0039】
また、本実施例では、記憶手段18の具体例は特筆していないが、揮発性メモリであっても同等の効果が得られ、不揮発性メモリであれば同等の効果が得られることに加えてバックアップ電源を供給する必要がないため、簡素で安価な構成となる。
【0040】
また、本実施例では、24時間タイマによる学習の説明をしたが、時計機能、カレンガ−機能を有し、使用実態と絶対時刻を合わせて記憶するものとすれば、例えば、昼と夜で不使用時間帯の保温温度設定を切り替えたり平日と土日の学習は切り分け、平日用休日用それぞれ異なるパターンの自動運転ができ、自動運転による省エネ効果をより高くすることができる。
【0041】
また、本実施例では、判定値2日で使用時間帯と不使用時間帯のいずれかに分類したが、使用日数によって時間帯の分類を複数増加させ、例えば2日以上使用は98保温(使用者の所望温度)、1日以上2日未満は70℃保温、0日は60℃保温とすることで、より使用者の使用実態を勘案した使い勝手のよい省エネ自動加熱運転ができる。
【0042】
また、本実施例では使用時間帯の保温温度は98℃として説明したが、保温温度設定選択スイッチ12によって、98℃ないし85℃に切り替えられるものとすれば、使用者の使い勝手は更に向上する。
【0043】
また、本実施例では、使用時間帯と不使用時間帯の判定日数は固定日数であるとして説明したが、例えば、操作部8に判定日数切り替えスイッチを設け、使用者が自在に自動運転時の省エネ度合いを切り替えられるものとすれば、使用者の使い勝手は更に向上する。
【0044】
また、本実施例では、使用検出手段15は出湯操作であるとして説明したが、使用検出手段は出湯ロック解除スイッチ操作であるとしても、また再沸騰スイッチ11による湯沸しが行なわれた間であったとしても、また給水による湯沸し動作を行なった間であるとしても、前記4種類の操作の任意組み合わせであるとしたとしても、本実施例と同等の効果が得られる。
【0045】
また、本実施例では、1日24時間中の省エネ自動加熱運転で60設定となっていた時間を省エネ効果として表示するものとしたが、これを1日24時間中の省エネ自動加熱運転で60設定となっていた割合もしくは1日24時間中の省エネ金額としたとしても本実施例と同等の効果が得られる。
【0046】
また、本実施例では、通電スタート時は省エネ自動加熱動作を行なうとしているが、通電スタート時は省エネ自動加熱動作を行なわず、学習保温スイッチ22をオンすると、省エネ自動加熱動作を行なうとしたとしても、本実施例と同等の効果が得られる。
【0047】
また、本実施例では、図2、図3で説明した省エネ自動加熱動作のすべてを、学習保温スイッチ22により実行あるいは非実行するとしたが、省エネ自動加熱動作オフ時でも使用実績の記憶手段18への蓄積(図2(a)(b)(c)あるいは図3(a)(b)(c)の動作)を行なうものとしたとしても、本実施例と同等の効果が得られる。
【0048】
また、本実施例では、学習保温スイッチ22と省エネ表示効果スイッチ23を独立して有する構成といているが、これらスイッチを単一のスイッチとしオン時間によって2つのスイッチの機能を切り替え(例えば1秒未満の信号入力で学習保温スイッチ、1秒以上の信号入力で省エネ表示効果スイッチとして受け付ける)るとしても、本実施例と同等の効果が得られ、且つ安価な構成となる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、バックアップ電源によって、商用電源オフ時も継続して学習動作を行なうことで、短期間で学習デ−タに基づく精度よい省エネ自動加熱運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す電気湯沸かし器の構成図
【図2】(a)〜(d)同電気湯沸かし器における商用電源継続オン時の加熱手段自動制御を示す図
【図3】(a)〜(d)同電気湯沸かし器における商用電源断続オン時の加熱手段自動制御を示す図
【符号の説明】
2 容器
4 加熱手段
5 温度検知手段
14 バックアップ電源
15 使用検出手段
16 計時手段
16b 第1発振回路
16c 第2発振回路
17 第1制御手段
18 記憶手段
19 第2制御手段

Claims (4)

  1. 液体を収容する容器と、前記容器内の液体を加熱する加熱手段と、使用状態を検出する使用検知手段と、前記使用検知手段の出力を記憶する記憶手段と、所定日数の間、1日24時間の使用の有無を、所定時間単位毎に相対的に前記記憶手段に記憶させる第1制御手段と、前記所定時間単位毎の使用日数を累積加算し、前記累積使用日数が所定しきい値以上であれば当該時間帯の間は使用者が設定した保温温度となるように、所定しきい値より小であれば当該時間帯の間は使用者が設定した保温温度より低くなるように前記加熱手段を1日24時間単位で自動制御する第2制御手段と、前記所定時間を含む時間の計時を行なう計時手段を備え、商用電源が供給されない時、バックアップ電源により、前記計時手段の動作及び第1制御手段の動作及び記憶手段の記憶内容の保持を行なう電気湯沸かし器。
  2. 計時手段は、第1周波数を生成する第1発振回路と第1周波数より低い第2周波数を生成する第2発振回路を有し、商用電源が供給されない時、計時手段は第2周波数を基本単位として時間の計時動作を行うことを特徴とした請求項1に記載の電気湯沸かし器。
  3. 計時手段は、第1周波数を生成する第1発振回路と第1周波数より低い第2周波数を生成する第2発振回路を有し、商用電源が供給されない時、計時手段は基本単位を第1周波数と第2周波数とで切り替えて時間の計時動作を行うことを特徴とした請求項1に記載の電気湯沸かし器。
  4. 容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、商用電源が供給されない時、計時手段で生成した第2所定時間毎に温度検知を行なう動作を付加した請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気湯沸かし器。
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