JP3614033B2 - 劇場ホール用椅子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は劇場ホール用椅子に関し、椅子の意匠に影響を与えることなく吸音力の周波数特性や吸音力の大きさを任意に設定、調節し、劇場ホールの残響特性を制御できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
劇場、コンサートホール等の劇場ホールに設置されている椅子は観客の座り心地の良さを考慮して、背もたれや座部等、人体と接触する部分には、通常、クッションが使用されている。しかしながら、クッションは音を吸収する吸音力が大きいために、椅子に設けられているクッションの大きさ、厚さ等によって吸音力が変化し、劇場ホールの残響特性に大きな影響を与えるという問題があった。したがって、劇場ホールで使用される椅子には、観客の座り心地の良さやデザインの良さだけではなく、吸音力の大きさやその周波数特性等も適切に制御されたものであることが求められる。そこで、クッションをはじめとして、座部、背もたれ部等の形状や材質等に工夫をこらして劇場ホール用椅子の吸音力を制御することが試みられてきた。
【0003】
椅子の吸音力を小さく制御するには、使用するクッションの厚さや面積を小さくする方法がある。また、単に椅子の吸音力の大きさを制御するだけでなく、観客の数にかかわらず劇場ホール全体の吸音力がほぼ一定に保たれるような工夫が劇場ホール用椅子になされてきた。一般に、多くの観客が着席した場合には、空席が多い場合よりも劇場ホール全体としての吸音力が大きくなることが知られている。
そこで例えば、背もたれ部等に孔を設け、観客が座っている場合には孔が塞がれて椅子自体の吸音力が小さくなり、空席の場合は孔が開放され吸音力が大きくなるようにする等して、劇場ホール全体としての吸音力が常にほぼ一定になるように椅子の形状等が検討されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように椅子に使用するクッションの大きさを変化させたり、座部、背もたれ部等の形状や材質等に工夫をこらして吸音力を変化させ残響特性を制御しようとすると、椅子のデザインや観客の座り心地等の意匠に大きな影響を与える場合が多かった。また、製造工程も増えて製造コストがかかった。したがって、意匠とともに残響特性を満足する劇場ホール用椅子を容易に得ることは非常に困難であった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、椅子の意匠に影響を与えることなく吸音力の周波数特性や吸音力の大きさ等の吸音力特性を任意に設定、調節し、残響特性を制御できるような劇場ホール用椅子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題は、吸音性を有するクッション体と、該クッション体を覆う外装織物とを備えた劇場ホール用椅子において、前記外装織物にはフィルムが接合され、前記フィルムは、当該劇場ホール用椅子に要求される吸音力特性に応じて決定された厚さを有し、かつ、大気と接している面の外装織物の裏側の少なくとも一部に接合されていることを特徴とする劇場ホール用椅子によって解決される。
上記フィルムはポリ塩化ビニルフィルムまたはポリウレタンフィルムであることが望ましい。
上記フィルムの厚さは、当該劇場ホール用椅子が500Hz〜4kHzの音域の吸音力を低減する場合には50μm以下で、125Hz〜4kHzの音域の吸音力を低減する場合には60〜80μmであることが望ましい。
また、かかる課題は、吸音性を有するクッション体と、該クッション体を覆う外装織物とを備えた劇場ホール用椅子の吸音力特性を制御する方法であって、当該劇場ホール用椅子に要求される吸音力特性に応じて決定された厚さのフィルムを、大気と接している外装織物の裏側の少なくとも一部に接合することを特徴とする吸音力特性の制御方法により解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の劇場ホール用椅子10の一例を示す図である。
劇場ホール用椅子10は、床面に直立設置された一対の側板12と、これら側板12の後側縁に掛け渡された背面板13と、各側板12の中央部間に略水平に固定された下面板14とから概略構成され、各側板12の上端にはひじ掛け部11が形成されている。
背面板13の前面および下面板14の上面には、硬質ポリウレタン、軟質ポリウレタン等のポリウレタンフォーム、グラスウール、牛毛フェルト等、弾力性と吸音性を有する材料からなるクッション体である背クッション15および座クッション16がそれぞれ固定されている。背クッション15と座クッション16の表面は、少なくとも一部にフィルム18が接合された外装用の織物17で覆われ、背もたれ部、座部がそれぞれ形成されている。
【0008】
フィルム18には通常、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、アルミニウム等の金属フィルム、紙等の単体フィルムや、これらの単体フィルムを2種類以上貼合したラミネーションフィルムが用いられ、好ましくはポリ塩化ビニル、ポリウレタンが用いられる。
ラミネーションフィルムは、例えば、接着剤を介して複数のフィルムを積層させるグルーラミネーション法や、溶融樹脂同志、あるいは溶融樹脂と紙、アルミニウム箔、樹脂フィルムなどの基材とを圧着して積層させる押出ラミネーション法等によって得られるものであって、その製法には特に制限はない。
また、フィルム18の厚さも特に制限はないが、通常1〜500μm、好ましくは10〜200μmの厚さのフィルム18が使用される。
【0009】
これらの単体フィルムやラミネーションフィルムを、背クッション15や座クッション16を覆う織物17の少なくとも一部に接合することによって、織物17の通気性を制御し、椅子の吸音力特性を任意に調節、設定できる。また、使用するフィルム18の種類、フィルム18の厚さ等は椅子に要求される吸音力特性に応じて適宜選択できる。
例えば、接合するフィルム18の厚さが薄いほど、高音域の吸音力のみを低減でき、好ましくは厚さが50μm以下のフィルム18を使用すると500Hz〜4kHz程度の中高音域の吸音力を低減できる。また、接合するフィルム18の厚さが厚いほど、低音域の吸音力を低減できる。 125Hz〜4kHz程度の全音域で、吸音力を小さくする場合には、60〜80μm程度の中程度の厚さのフィルム18を使用することが好ましい。
また、フィルム18の通気性が大きいほど吸音力を低下させる効果は小さく、通気性が小さいほど吸音力を大きく低下させる。
【0010】
フィルム18は、背クッション15や座クッション16を覆う織物17、任意の大きさで接合させることができる。フィルム18を接合する場所やその面積は、椅子に要求される吸音力特性に応じて適宜選択できるが、フィルム18は織物17の通気性を制御するものであるので、直接大気と接触している面の織物17に接合される
背クッション15の面のうち後面は、背面板13に接しているので通常、織物17で被われていない。また、織物17で被われている場合においても、後面は直接大気と接触していないので、通気性を有していない。したがって、背クッション15を覆う織物17にフィルム18を接合する場合には、通常、前面、上面、下面、左右の側面の少なくともいずれかの面を覆う織物17に接合される
また、座クッション16の面のうち下面と後面は、それぞれ下面板14、背面板13に接しているので、通常、織物17で被われていない。また、織物17で被われている場合においても、下面と後面は直接大気と接触していないので、通気性を有していない。したがって、座クッション16を覆う織物17にフィルム18を接合する場合には、通常、前面、上面、左右の側面の少なくともいずれかの面を覆う織物17に接合される
【0011】
背クッション15と座クッション16を覆う織物17のうちフィルム18が接合される部分の、織物17の総面積に対する割合は特に制限はなく、フィルムの種類や、要求される吸音力特性によって適宜選択できる。
例えば、フィルム18を接合する面積が大きいほど、特に中高音域の吸音力を大きく低減でき、好ましくは織物17の総面積の50%以上の面積にフィルム18を接合すると500Hz〜4kHzの中高音域の吸音力を大きく低減できる。
ここで、織物17の総面積とは、背クッション15および座クッション16の面のうち、直接大気と接触している面の総面積であって、通常、背クッション15の前面、上面、下面、左右の側面と、座クッション16の前面、上面、左右の側面の総面積である。
フィルム18は、椅子の意匠に影響を与えないことから織物17の裏側に接合することが好ましい。
【0012】
フィルム18の織物17への接合方法は、通常使用される接着剤を用いて接着する方法や、熱融着法、圧着法、縫着法等によって行なわれる。接着剤を用いて接着する方法は、フィルムの全面に接着剤をつける方法でもよいし、点状につける方法でもよい。接合方法はフィルムの種類によって異なり、特に制限はない。
【0013】
以上のように、フィルム18の種類や厚さ、その接合面積等は、要求される吸音力の周波数特性や吸音力の大きさによって適宜選択される。
ここで、接合するフィルム18の厚さおよびその接合面積と、得られる椅子10の吸音力の周波数特性との相関関係を表1にまとめる。すなわち、接合するフィルム18の厚さが薄いほど、高音域の吸音力のみを低減でき、厚さが厚いほど、低音域の吸音力を低減できる。また、フィルム18の接合面積が大きいほど、特に中高音域の吸音力を大きく低減できるので、薄いフィルム18を広い面積に接合させることによって、中高音域の吸音力をより大きく低減できる。一方、厚いフィルム18を狭い面積に接合させることによって、低音域の吸音力をより大きく低減できる。さらに、厚いフィルム18を広い面積に接合させることによって、全音域で吸音力を低減させることもできる。
例えば、背クッション15および座クッション16としてポリウレタンフォームを使用し、座クッション16を覆う織物17の左右両方の側面に、厚さ70μmのポリ塩化ビニルフィルム18を接着剤を用いて圧着し、織物17の総面積の約30%以上の面積にフィルム18を接合したものとすると、フィルム18を圧着しない場合と比較して、125Hz〜4kHzの全音域にわたって吸音力の小さな劇場ホール用椅子10を得ることができる。
また、背クッション15および座クッション16としてポリウレタンフォームを使用し、背クッション15の前面、上面、下面、左右の側面および座クッション16の前面、上面、下面、左右の側面に厚さ30μmのポリウレタンフィルム18を熱融着し、織物17総面積の100%の面積にフィルム18を接合したものとすると、フィルム18を圧着しない場合と比較して、1〜4kHzの高音域の吸音力のみが特に小さく制御された劇場ホール用椅子10を得ることができる。この場合ポリウレタンフィルム18の接合面積を小さくするにしたがって、得られる劇場ホール用椅子10の吸音力の周波数特性は、フィルム18を圧着しない椅子10の特性に近づいていく。
【0014】
【表1】
Figure 0003614033
【0015】
このように背クッション15や座クッション16を覆う織物17のうち、大気と接している面の裏側における少なくとも一部にポリ塩化ビニル、ポリウレタン等のフィルム18を接合することによって、織物17の通気性を制御することができる。よって、背クッション15や座クッション16の大きさを変化させたり、下面板14等の座部、背面板13等の背もたれ部の形状や材質等に工夫をこらしたりすることなく、劇場ホール用椅子10の吸音力の周波数特性や吸音力の大きさを変化させて、劇場ホールの残響特性を制御することができる。
したがって、観客の座り心地やデザイン等の椅子の意匠にほとんど影響を与えることなく、劇場ホールへの設置に最適な劇場ホール用椅子10を任意に、かつ、容易に得ることができる。
【0016】
以下本発明を実施例を示して具体的に説明する。
[実施例1]
軟質ポリウレタンフォームからなる背クッション15および座クッション16を、背面板13上および下面板14上に設けた椅子10を製造し、背クッション15および座クッション16を、合成繊維と毛、綿等を混紡した繊維からなる織物17で覆った。この際、織物17は、その内側に厚さ70μmのポリ塩化ビニル樹脂製フィルム18を接着剤で接合し、熱定着させたものを使用した。フィルム18の接合面積は、織物17の総面積に対して100%の面積であった。
この椅子10を容積が267.55m 、温度20.6℃、湿度90.3%の残響室に8脚設置し、PLD/Deep−well法で125Hz〜4kHzの周波数における残響室の吸音率を測定した。その結果を図2に示す。
また、得られた残響室の吸音率を用いて、この椅子10を容積8739m 、表面積3764m の劇場ホールに618脚設置した場合の、劇場ホールの平均吸音率αと残響時間RTを計算して求めた。その結果を図3(a)および(b)に示す。
【0017】
ここでPLD/Deep−well法とは、特開平3−276031号公報で報告されている吸音率測定法であり、面積効果と音の拡散不足に起因する吸音率測定の誤差を除去し、高精度な吸音率が測定できる測定方法である。面積効果は、反射性囲い(側壁:Deep−well)を椅子等の試験体の周囲に設けることで回避でき、音の拡散不足は、完全拡散音場を想定して吸音率の計算式の残響時間を修正することで補正(PLD補正)できる。
また、劇場ホールの平均吸音率αは下記式(I)を用いて求めた。
α=A/S…(I)
(式中Aは椅子10、天井等劇場ホール内のすべての建築材料(吸音要素)の吸音率の総和で、Sは劇場ホールの表面積(m )である。)
また、劇場ホールの残響時間RT(秒)は、下記式(II)を用いて求めた。
RT=KV/−S・ln(1−α)…(II)
(式中、Kは定数でありMKS単位系で0.161である。また、Vは室の容積(m )、Sは室の表面積(m )、αは式(I)で得られた平均吸音力である。なお、lnは自然対数である。)
【0018】
[比較例1]
織物17の内側にフィルム18を接合しない以外は実施例1と同様にして、椅子10を製造し、実施例1と同様にして、残響室の吸音率を測定した。その結果を図2に示す。
また、実施例1と同様にして劇場ホールの平均吸音率αと残響時間RTを計算して求めた。その結果を図3に示す。
【0019】
図2から明らかなように、椅子10のクッション15、16を覆う外装織物に厚さ70μmのポリ塩化ビニルフィルムを、100%の面積で接合することにより、125Hz〜4kHzの全音域で吸音力が小さな椅子10を得ることができた。
また、図3から明らかなように、この椅子10を劇場ホールに設置すると、125Hz〜4kHzの全音域で吸音力が小さく、残響時間が長い劇場ホールにすることができる。
【0020】
[実施例2]
軟質ポリウレタンフォームからなる背クッション15および座クッション16を、背面板13上および下面板14上に設けた椅子10を製造し、背クッション15および座クッション16を、合成繊維と毛、綿等を混紡した繊維からなる織物17で覆った。この際、織物17は、その内側に厚さ30μmのポリウレタン樹脂製フィルム18を接着剤で接合し、熱定着させたものを使用した。フィルム18の接合面積は、織物17の総面積に対して100%の面積であった。
この椅子10を容積が267.55m 、温度25.1℃、湿度94.5%の残響室に8脚設置し、実施例1と同様にして125Hz〜4kHzの周波数における残響室の吸音率を測定した。その結果を図4に示す。
また、残響室の吸音率を用いて、この椅子10を容積8739m 、表面積3765m の劇場ホールに618席設置した場合の劇場ホールの平均吸音率αと残響時間RTを計算して求めた。その結果を図5(a)および(b)に示す。
【0021】
[比較例2]
織物17の内側にフィルム18を接合しない以外は実施例2と同様にして、椅子10を製造し、実施例2と同様にして、残響室の吸音率を測定した。その結果を図4に示す。
また、実施例2と同様にして劇場ホールの平均吸音率αと残響時間RTを計算して求めた。その結果を図5に示す。
【0022】
図4から明らかなように、椅子10のクッション15、16を覆う外装織物に厚さ30μmのポリウレタンフィルムを、100%の面積で接合することにより、1〜4kHzの高音域で特に吸音力が小さな椅子10を得ることができた。
また、図5から明らかなように、この椅子10を劇場ホールに設置すると、1〜4kHzの高音域で吸音力が小さく、残響時間が長い劇場ホールにすることができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明の劇場ホール用椅子は、吸音性を有するクッション体と、該クッション体を覆う外装織物とを備えた劇場ホール用椅子において、前記外装織物にはフィルムが接合され、前記フィルムは、当該劇場ホール用椅子に要求される吸音力特性に応じて決定された厚さを有し、かつ、大気と接している外装織物の裏側の少なくとも一部に接合されていることを特徴とする。また、本発明の吸音力特性の制御方法は、吸音性を有するクッション体と、該クッション体を覆う外装織物とを備えた劇場ホール用椅子の吸音力特性を制御する方法であって、当該劇場ホール用椅子に要求される吸音力特性に応じて決定された厚さのフィルムを、大気と接している外装織物の裏側の少なくとも一部に接合することを特徴とする。よって、外装織物の通気性を制御することができ、椅子のデザインや観客の座り心地等の意匠に影響を与えることなく、吸音力の周波数特性や吸音力の大きさ等の吸音力特性を任意に調節、設定することができる。このような劇場ホール用椅子を使用することによって、劇場ホールの残響特性を最適に制御することができる。
また、本発明の劇場ホール用椅子は、上記フィルムをポリ塩化ビニルまたはポリウレタンフィルムとすることができるので、特に効果的に吸音力特性を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の劇場用ホール椅子の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施例の残響室の吸音率を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例の劇場ホールの平均吸音率および残響時間の計算値を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例の残響室の吸音率を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例の劇場ホールの平均吸音率および残響時間の計算値を示すグラフである。
【符号の説明】
10…劇場ホール用椅子、15…背クッション、16…座クッション、17…織物、18…フィルム

Claims (4)

  1. 吸音性を有するクッション体と、該クッション体を覆う外装織物とを備えた劇場ホール用椅子において、
    前記外装織物にはフィルムが接合され、
    前記フィルムは、当該劇場ホール用椅子に要求される吸音力特性に応じて決定された厚さを有し、かつ、大気と接している外装織物の裏側の少なくとも一部に接合されていることを特徴とする劇場ホール用椅子。
  2. 前記フィルムが、ポリ塩化ビニルフィルムまたはポリウレタンフィルムである請求項1に記載の劇場ホール用椅子。
  3. 前記フィルムの厚さは、当該劇場ホール用椅子が500Hz〜4kHzの音域の吸音力を低減する場合には50μm以下で、125Hz〜4kHzの音域の吸音力を低減する場合には60〜80μmとする請求項1または2に記載の劇場ホール用椅子。
  4. 吸音性を有するクッション体と、該クッション体を覆う外装織物とを備えた劇場ホール用椅子の吸音力特性を制御する方法であって、
    当該劇場ホール用椅子に要求される吸音力特性に応じて決定された厚さのフィルムを、大気と接している外装織物の裏側の少なくとも一部に接合することを特徴とする吸音力特性の制御方法。
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