JP3613826B2 - 衛星ネットワークにおける通信チャネルの割り当て方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、一般に、衛星を介した送受地球局間の通信に関する。
【0002】
【従来の技術】
より正確には、本発明は、発呼局によって制御局(SC)へ伝送された呼設定要求に応答した周波数再利用を行う衛星通信ネットワークにおける発呼局及び被呼局への通信チャネルの割り当て方法に関する。図1に示すように、衛星通信ネットワークは、通常、複数N=9の送受地球局S1〜S9、制御局SC、及び衛星SAによって定義される。複数の局のうちの局S3のごとき発呼局と局S6のごとき被呼局との間の呼設定は、チャネル又は周波数帯B3の発呼局S3への及びチャネルB6の被呼局S6への割り当てを伴う。これらチャネルB3及びB6の各々は、所与のビームに付属している。局S3で生成された伝送されるべきデータは、アップリンクチャネルB3により衛星SAへ伝送され、ダウンリンクチャネルB6により衛星SAから被呼局S6へ再伝送される。
【0003】
呼設定フェーズは、衛星SAを介して制御局SCへ向けた呼設定要求メッセージを生成する発呼局S3の先導でスタートする。この呼設定要求メッセージは、アップリンク信号チャネルBSにより発呼局から衛星へ伝送され、ダウンリンク信号チャネルBSにより衛星から制御局SCへ再伝送される。制御局SCは、2つのチャネル(この例ではチャネルB3及びB6)が局S3及びS6にそれぞれ割り当て可能となると直ちに呼設定メッセージを発呼局S3へ返送する。
【0004】
従来技術では、低電力衛星SAに関連する衛星ネットワークにおいて無線ビームのカバレッジを管理する2つの方法が提供される。
【0005】
第1の方法において、ネットワークは所定数のチャネルを有しており、トラフィックレベルに応じた可変数のチャネルが各ビームに割り当てられる。このためには、当該無線ビームに対するトラフィックデマンドに応じて、衛星SAのペイロードチャネルのダイナミック再割り当てが無線ビーム間でなされる。この種の方法ではビームは固定である。即ち、そのチャネルの各々についての各ビームのカバレッジは、アンテナ利得により最小利得より低く規定される一定の大きさを有している。一方、与えられた1つのビームに対するチャネル数は時間に従って変化する。1つのビーム内のチャネル数を1つ減少させると、他のビーム内のチャネル数が1つ増加する。この方法を実施している衛星は、容量の再割り当てマトリクス衛星と称される。
【0006】
第2の方法は、1994年10月11日に発行された米国特許第5,355,138号に記載されている。その内容については、以下の記載に参照することによって説明される。この方法では、衛星ネットワークが、カバレッジ再構築によって管理される。この第2の方法においては、上述した第1の方法と異なり、各無線ビーム内のチャネル数は固定であり、各ビームのカバレッジがネットワーク内で生じる呼設定要求に応じてカバレッジエリアを減少又は増大することにより時間に応じて変化せしめられる。実際には、各ビーム内のチャネル数は一定であるが、ビーム間でチャネルの交換を行う用意がある。第1のビームのチャネルを第2のビームに割り当てることは、第2のビームのチャネルを第1のビームに割り当てることを伴う。従って、1つのビームのチャネルの組による「帯域幅」は一定のままである。ビームカバレッジのサイズは、以下の方法によって再構築される。
【0007】
ネットワークの発呼局と被呼局との間で衛星SAを介して呼、即ちリンク、を設定するために、発呼局は最初に呼設定要求メッセージを衛星SAの信号チャネルBSを介して制御局SCへ送る。発呼局及び被呼局に関するネットワークの構成における発展は、制御局でもシミュレートされる。発呼局及び被呼局の両方についてシミュレートされた許可が制御局SCによって発生せしめられると、呼設定許可メッセージが制御局SCによって発呼局へ伝送される。これらシミュレートされた許可の各々は、発呼局及び被呼局それぞれについての空きチャネルの起こり得る割り当てに対応している。
【0008】
制御局におけるシミュレーションの2つの主なるプランが各局について用意されている。これら2つのプランの各々は、衛星SAの制約されている電力に直接的に関係している。
【0009】
着呼局又は被呼局がいかなる無線ビームカバレッジにも属していないという状況に関する第1のプラン(米国特許第5,355,138号の図5)では、その局に最も近いカバレッジが最初に選択される。選択されたカバレッジの他のカバレッジは、これら他のビームについての衛星SAの電力出力の一部を解放するべくカバレッジのサイズが減少せしめられる。この解放された一部電力は、その局を選択されたカバレッジ内に含めるべくそのカバレッジの表面(フットプリント)を広げるのに用いられる。制御局において、選択されたカバレッジの表面が広げられることによってその局がそのカバレッジ内に含まれ得ると共に選択されたビームカバレッジにおいてチャネルが空きとなると直ちにシミュレートされた許可が得られる。
【0010】
着呼局又は被呼局が、ある無線ビームカバレッジに含まれているという状況に関する第2のプラン(米国特許第5,355,138号の図11)には、2つのサブプランがある。即ち、このカバレッジを伴うビームが空きチャネルを有している(この場合、この空きチャネルはその局に割り当てられている)か、又はその局を含むカバレッジのビーム内に空きチャネルがない(この場合、このカバレッジに最も近い、空きチャネルを有するカバレッジが捜される)かである。後者の場合、空きチャネルを有する最も近いカバレッジとその局を含むカバレッジとの間で負荷の転送(引渡し)が行われる。この負荷転送は、その局がその最も近いカバレッジ内に含まれるようにそのカバレッジの表面を広げること、及びこれに相応した量だけ、局を含むカバレッジの表面を狭めることを伴う。その局が隣り合うカバレッジ内に含まれ得ると共にその隣り合うカバレッジにおいてチャネルが空きであると直ちにその局に対してシミュレートによる許可が出される。
【0011】
発呼局及び被呼局の両方についてシミュレートによる許可が制御局SCで発生せしめられると直ちにこの制御局は、関係するカバレッジの(即ち、実行されるシミュレーションによって発呼局及び被呼局を含むカバレッジの)形態を変更すべく電力及び位相シフトの制御値を衛星SAへ伝送する。発呼局及び被呼局間の通信フェーズが介しされるように、呼設定許可メッセージも衛星SAを介して発呼局へ伝送される。
【0012】
局がいかなるカバレッジにも含まれないという状況に関する第1のプランの変更例においては、最も近いカバレッジのみならずネットワーク内の最狭表面を有するカバレッジをも選択し、この最も近いカバレッジか又は最狭表面を有するカバレッジのどちらかである選択されたカバレッジ内にその局が含まれるように、これら2つのカバレッジの各々について他のカバレッジ表面を狭めることが行われる。この変更例において、最も近いカバレッジ又は最狭表面を有するカバレッジのどちらにその局が含まれるかに応じてそれぞれ決まる、その局の2つの利得が、制御局SCのシミュレーションで計算される。局Sを含むカバレッジとしては、最も高い利得のカバレッジが選ばれる。これにより、衛星アンテナの放射素子用の電力及び位相シフトの制御値が、制御局SCによって衛星SAへ伝送される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べた第1及び第2の従来技術方法は、ネットワーク内の周波数再利用を考慮しないので、異なるビーム内の同一周波数帯についてのチャネル管理に問題が生じる。衛星において得られる周波数帯域幅の制約上、異なるビーム内で同一のチャネル又は周波数帯を再利用することが有益である。
【0014】
それにもかかわらず、異なるビームにおいて同一周波数帯をこのように再利用することは、それら異なるビーム間の角度の隔たりに応じて干渉が生じると思われる。
【0015】
本発明の目的は、同一周波数帯である異なる無線ビームのチャネルが特別の最大レベルより大きな干渉を引き起こさないことを保証する、局へのチャネル割り当て管理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の態様において、本発明は、カバレッジ再構築を利用した衛星ネットワークに関する。
【0017】
即ち、本発明によれば、制御局と、該制御局の制御下の無線チャネルのビームを形成する衛星と、該衛星へビームチャネルを送信しかつ該衛星からビームチャネルを受信する複数の地球局とを備えており、異なるビーム内で同一のチャネルが再利用される衛星通信ネットワークにおける、発呼局から発せられた呼設定要求メッセージを前記衛星の信号チャネルを介して前記制御局で受信することに応答して、該制御局により空きビームチャネルを発呼局及び被呼局へ割り当てる第1の方法が提供される。
【0018】
この第1の方法は、前記発呼局及び被呼局の各々について独立した、第1及び第2の選択肢の1つの前記制御局におけるシミュレーションと最終ステップとを伴っている。
【0019】
(a)少なくとも1つの空きチャネルが前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジを形成するビームに属する場合の前記第1の選択肢は、前記少なくとも1つの空きチャネルを前記発呼局及び被呼局の各々に割り当てるステップを備えている。
【0020】
(b)空きチャネルが前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジを形成するビームに存在しない場合の前記第2の選択肢は、
(b1)前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジを形成する前記ビームに最も近いものから最も遠いものまでの隣り合うビームの各々内の空きチャネルを捜しこれによって空きチャネルを識別するステップ、及び
(b2)前記隣り合うビームの各々内で識別された前記空きチャネルに応答して、シミュレート法により、前記発呼局及び被呼局の各々を含む前記カバレッジの表面を減少させかつ前記発呼局及び被呼局の各々が前記隣り合うカバレッジ内に含まれるように該隣り合うカバレッジの表面を増大させて前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジと前記隣り合うビームの各々に伴う隣り合うカバレッジとの間で負荷の転送を行うことによって前記隣り合うビームの各々内で識別された前記空きチャネルの1つを前記発呼局及び被呼局の各々に割り当て、各々が同一チャネルを再利用可能なビームを備えた、ビームの最適なサブセットを決定し、前記隣り合うビームの各々内で識別された前記空きチャネルの前記1つを、前記隣り合うビームの各々を含むビームの前記最適なサブセットの1つにおいて少なくとも利用されるものとして選択するステップ、
からなる繰返しステップを備えている。
【0021】
(c)前記最終ステップは、識別された前記空きチャネルの前記1つが前記発呼局及び被呼局の各々に割り当てられると直ちに、呼設定許可メッセージを前記制御局から前記発呼局へ出力するステップを備えている。
【0022】
好ましくは、ビームの最適なサブセットを決定する前記ステップが、
Tを2から始まりIまで前記繰返しステップ毎に1づつインクリメントされる整数とすると、前記ネットワークのI個のビームからT個のビームの
【数7】
Figure 0003613826
個の隔離されたサブセットを構成するステップ、及び
T個のビームの前記
【数8】
Figure 0003613826
個のサブセットの少なくとも1つについて計算されるT個のアイソレーションレベルが所定のスレッショルドより大きいことを確立する条件付の関係が
満足される場合に、T個のビームの前記
【数9】
Figure 0003613826
個のサブセットの各々について、T個のビームの前記
【数10】
Figure 0003613826
個のサブセットの各々内の前記ビームのそれぞれ1つの主ローブのアンテナ
利得とT個のビームの前記
【数11】
Figure 0003613826
個のサブセットの各々内の他のビームの第2ローブの最大アンテナ利得それぞれの和との比に各々が等しいT個のアイソレーションレベルを計算するステップ、
からなる繰返しステップを備えている。
【0023】
ビームの前記最適なサブセットが、T を前記条件付の関係が満足されないTと仮定された整数値とすると、各々のサブセットについて、計算された[T −1]個のアイソレーションレベルが前記スレッショルドより大きい
【数12】
Figure 0003613826
個のサブセットからのビームのサブセットで形成されている。
【0024】
第1の方法が、前記制御局で実行されるシミュレーション内に、前記発呼局及び被呼局の各々がいかなるビームカバレッジにも含まれていない場合の第3の選択肢を含むことが有利である。該第3の選択肢は、
前記ネットワーク内に存在するビームカバレッジから前記発呼局及び被呼局の各々に最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジを決定するステップ、
最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジの各々について、繰返しにより、該最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジの各々と異なる前記カバレッジの各々のサイズを、前記呼設定要求メッセージを受け取る前に活性化される局を該カバレッジ内に維持させつつ該最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジの各々がその内部にそれぞれのアンテナ利得を有する前記発呼局及び被呼局の各々を含むように増大されるまで、減少させるステップ、及び
前記最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジの1つを、該最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジについて前記発呼局及び被呼局の各々が選択されたカバレッジに含まれるようにそれぞれ計算された2つのアンテナ利得の高い方の関数として該選択されたカバレッジに選択するステップ、
を備えており、
前記選択するステップの次に前記第1及び第2の選択肢並びに前記最終ステップの1つが続く。
【0025】
さらに、ネットワーク内のビームに話中無線チャネルを均等に配分するために、第1の方法は、前記ネットワーク内に存在するビームの1つ内の話中無線チャネルの数が前記ネットワーク内に存在するビームの数に対する該ネットワーク内の話中無線チャネルの数の比の整数部より大きいことに応答して、ビームの前記1つ内の話中無線チャネルの数が前記整数部より大きいときに、ビームの前記1つのカバレッジに属する各局がビームの前記1つにおける1つの無線チャネルを空きにするためにビームの該1つに隣り合うビームの無線チャネルに割り当てられるように、ビームの該1つによってカバーされる該各局について前記第2の選択肢を実行する。
【0026】
第2の態様において、本発明は、容量再割り当てを利用した衛星ネットワークに関する。
【0027】
即ち、本発明によれば、制御局と、該制御局の制御下の無線チャネルのビームを形成する衛星と、該衛星へビームチャネルを送信しかつ該衛星からビームチャネルを受信する複数の地球局とを備えており、異なるビーム内で同一のチャネルが再利用される衛星通信ネットワークにおける、発呼局から発せられた呼設定要求メッセージを前記衛星の信号チャネルを介して前記制御局で受信することに応答して、該制御局により空きビームチャネルを発呼局及び被呼局へ割り当てる第2の方法が提供される。第2の方法は、前記発呼局及び被呼局の各々について独立した、第1及び第2の選択肢の1つの前記制御局におけるシミュレーションと最終ステップとを伴っている。第1及び第2の方法において、第1の選択肢、第2の選択肢における第1のサブステップ(b1)、及び最終ステップは、互いに同じである。
【0028】
第2の方法は、第2のサブステップ(b2)が第1の方法と異なっている。この第2のサブステップは、前記空きチャネルの1つと同一のチャネルを利用する全てのビームを備えたビームの最適なサブセット内において、該最適なサブセット内の前記全てのビームからのそれぞれのビームの主ローブのアンテナ利得と該最適なサブセット内の他のビームの第2ローブの最大アンテナ利得の和との比に等しい各アイソレーションレベルが所与のスレッショルドより大きい場合に直ちに、前記隣り合うビームの各々内で識別された前記空きチャネルの前記1つを前記発呼局及び被呼局の各々に割り当てるステップからなる繰返しステップを備えている。
【0029】
【実施例】
本発明の他の構成及び効果は、対応する添付図面を参照した本発明の数個の実施例の以下の説明によってより明らかとなるであろう。
【0030】
図2には2つのアンテナの放射特性がそれぞれ実線及び破線で示されている。図2は、角度θの関数として利得Gをプロットしたものである。これら2つの放射特性は、図1に示す衛星ネットワーク内のそれぞれのビームF1及びF2を伴っており、異なるビームにおける同一周波数帯のチャネル間の干渉の原因を示している。2つの放射特性の各々は、それぞれの主ローブLP1、LP2と、主ローブに対するサイドローブであるそれぞれの第2ローブLL1、LL2を有している。同一周波数帯の2つのそれぞれのチャネルを使用しておりここではF1及びF2として示す2つのビームが空間的に充分にアイソレートされていない場合、当該チャネルについて一方のビームの第2ローブLL1、LL2と他方のビームの主ローブLP2、LP1との間でチャネル干渉が生じる。その結果、一方のビームのそのチャネル上を伝送するデータは、他方のビームのそのチャネル上を伝送するデータによって乱される。実際には、他のビームの主ローブへの妨害を計算する際に考慮しなければならないため、ビームは、その第2ローブについてのみ対となって空間的に充分にアイソレートされていると仮定されている。
【0031】
もちろん、このような干渉は、データを地球局から衛星SAへ伝送するアップリンクチャネルのみならず、データを衛星SAから地球局へ伝送するダウンリンクチャネルについても影響を及ぼす。2つのビームF1及びF2が同一周波数帯の2つのそれぞれのチャネルを伴っている場合、2つのチャネルの一方上で衛星により受信されたアップリンクデータは、2つのチャネルの他方上で受信されたデータにより、2つのビームF1及びF2のそれぞれのチャネル上で送信を行う2つの局の地理的な位置に応じて乱される。2つのビームが同一周波数帯の2つのそれぞれのチャネルを伴っている場合、ビームの一方によってカバーされる局により2つのチャネルの一方上で衛星SAから受信されたダウンリンクデータは、ビームの他方によってカバーされる局により2つのチャネルの他方上で衛星から受信されたデータにより、2つの局の地理的な位置に応じて乱される。
【0032】
図2に示すように、同一周波数帯のそれぞれのチャネルを伴う2つのビームについて、実際には2つのアイソレーションレベルが存在する。2つのチャネルのリンクの最低品質をそれぞれ表わすこれら2つのアイソレーションレベルの各々を計算するために、局の位置には無関係に、2つのビームF1及びF2における2つのチャネルの各々が、妨害されるチャネル及び妨害するチャネルとして順次考慮される。図2において、ビームF1のチャネルに対するビームF2のチャネルのアイソレーションについての第1のアイソレーションレベルは、最小利得GLP2 と呼ばれるビームF2のカバレッジの境界における主ローブLP2のアンテナ利得と、ビームF1の第2ローブLL1の最大アンテナ利得GLL1 との比に等しい。ビームF2のチャネルに対するビームF1のチャネルのアイソレーションについての第2のアイソレーションレベルは、最小利得GLP1 と呼ばれるビームF1のカバレッジの境界における主ローブLP1のアンテナ利得と、ビームF2の第2ローブLL2の最大アンテナ利得GLL2 との比に等しい。より一般的には、同一周波数帯のN個のそれぞれのチャネルを伴うN個のビームの場合、1つのビームのN個のチャネルの1つに対して他のビームの(N−1)個のチャネルによってなされる妨害を順次計算することによって、N個のアイソレーションレベルが決定される。N個のアイソレーションレベルの各々は、他のビームの第2ローブの最大アンテナ利得の和と、当該ビームの境界におけるビームの1つの主ローブの最小アンテナ利得との比に等しい。
【0033】
上述した考えに基づくビームの最適なサブセットを決定するための一般的なアルゴリズムについて、図3を参照して以下に説明する。本発明を実施するためのこのアルゴリズムの2つの変形実施態様又はこのアルゴリズムのステップが、容量の再割り当てを利用した固定カバレッジを有する衛星ネットワークとカバレッジ再構築を利用した衛星ネットワークとのそれぞれについて、図4及び図5を参照して順次説明される。制御局SC内のシミュレーションで用いられるこの種のアルゴリズムの目的は、ビームの最適なサブセットを決定すること、即ち各々がビーム間で干渉を生じさせることなく同一周波数帯のチャネルを再利用できかつ最大数のビームを含んでいるビーム群を決定することにある。このアルゴリズムは、これら最適なサブセットを相互作用によって決定する。
【0034】
以下の記載では、ビーム間のアイソレーションレベルの計算がアップリンク及びダウンリンクについて「対称性」を有するタイプであることに注意すべきである。これは、アップリンク及びダウンリンクのそれぞれについて、複数の妨害するビームチャネルに対する妨害されたビームチャネルの2つのアイソレーションレベルが等しいことを意味している。この「対称性」タイプは、制御局において実行されるべき計算を簡易化する。
【0035】
実際に、同一周波数帯の2つのチャネルを再利用する2つの局について1つのビームの他のビームに関するアイソレーションレベルを正確に計算するには、それによってアンテナ利得を減少するために、2つのビームのカバレッジ内にそれぞれある2つの局の地理的な位置に関する知識を必要するであろう。単純化すると、最小アイソレーションレベルは第1のビームの境界においてその第1のビームについての主ローブ利得Gの関数として計算され、1つの第2のビームの最大第2ローブ利得G又は複数の第2のビームについての複数の最大第2ローブ利得Gの和として計算される。
【0036】
図3の初期化ステップEI0及び主ステップE1に示すように、アルゴリズムは、衛星ネットワークのI個の無線チャネルビームから形成可能な、サイズT=2の、即ち2つのビームの全てのサブセットを決定することによってスタートする。組み合わせ論理によれば、2つのビームを備えた
【数13】
Figure 0003613826
個のサブセットは、次のごとく決定される。
【数14】
Figure 0003613826
この方法で決定されたM個のサブセットは、このアルゴリズムでは、
【数15】
Figure 0003613826
として示される。
【0037】
mを1に初期化するステップEI2及びこのmを1ずつインクリメントするステップEI5で示すように、mを
【数16】
Figure 0003613826
とするとこれらサブセットSE(m)の各々について、T個のアイソレーションレベルの計算CNIが行われる。T=2個のビームのサブセットの各SE(m)について、T=2個のアイソレーションレベルN(1)及びN(2)の各々がスレッショルドTHと比較される(ステップET0)。1≦t≦T=2であるアイソレーションレベルN(t)の各々は、サブセットSE(m)内のビームのうちのそれぞれ1つのこのビームのカバレッジの境界における主ローブの利得GP(t)と、他のk(k≠t及びk<T)個のビームの第2ローブのそれぞれの最大利得
【数17】
Figure 0003613826
の和との比に等しい。T=2の場合、上述の和はただ1つの利得値からなる。
【0038】
繰返しの判別ステップET0及びET1並びにインクリメントステップET4により示されているように、サブセットSE(m)について計算される、1≦t≦TであるT個のアイソレーションレベルN(t)がスレッショルドTHより大きい場合、同一周波数帯のT=2個のそれぞれのチャネルはサブセットSE(m)を構成する2つのビーム内で再利用可能である(ステップE3)。一方、少なくとも1つのアイソレーションレベルN(t)がスレッショルドTHより小さい場合、そのサブセットSE(m)のビーム内における同一周波数帯のチャネルの再利用は許可されない(ステップE4)。ステップE3からの出口側のステップET2及びEI5並びにステップE4からの出口側のステップET3及びEI7により示されているように、2つのアイソレーションレベルの計算CNIはネットワークのT=2個のビームの
【数18】
Figure 0003613826
個のサブセットの各々について行われる。同一周波数帯のチャネルを再利用できるサブセットの特性は記憶される。
【0039】
他の変数NSは、このアルゴリズムのスタート時にステップEI1でゼロに初期化されるものであり、同一のチャネルを利用できるサイズT=2のサブセットの数を表わしている。この変数は、ステップE3からの出口のステップEI4において1つインクリメントされる。
【0040】
サイズT=2の全てのサブセットが、同一周波数帯のそれぞれのチャネルの再利用を許可されたビームをこれらサブセットのどれが含んでいるかの決定を行うべく処理された後、2者のうちの一方が選択されねばならない。その一方においては(ステップET5でYES)、同一周波数帯の2つのそれぞれのチャネルを利用することができるT=2個のビームを含む少なくとも1つのサブセット及びM個のサブセットの大部分が決定されており、サイズT=T+1=3のサブセットについての前述のステップ(ステップEI8=ステップEI6)はビームを含むサイズ3のサブセットのうちどれが同一周波数帯のそれぞれのチャネルを利用することができるかを決定するために繰返される。これは、サイズT=T+1(T≦I)のサブセットの繰返しによって行われる。その他方では(ステップET5でNO)、同一周波数帯を再利用できるビームを含むサイズTのいかなるサブセットも決定されず、この場合(ステップEF)、チャネル再利用についての条件は同一チャネルを再利用できるサイズt=(T−1)のサブセットに制限される。これは、同一周波数帯のそれぞれのチャネルを再利用できる最大サイズの(T−1)個のビームのグループを構成するという意味で「最適な」サブセットを決定する。実際には、サブセット間の共通部分は必ずしも空きでなく、従って、サイズ(T−1)のサブセット内で利用可能な同一のそれぞれのチャネルは隔離されている。
【0041】
図3のアルゴリズムは、本発明を実施するための一般的なアルゴリズムである。衛星ネットワークが容量再割り当てを用いるかカバレッジ再構築を用いるかにそれぞれ応じてこのアルゴリズムの一部又は全部が適用される。
【0042】
図4のアルゴリズムは、容量再割り当てを利用する衛星ネットワークに関している。この種のネットワークにおいては、ビームが固定されており従ってビームは一定のサイズを有している。ネットワーク管理は、当該ビームカバレッジ内のトラフィックと共に変化する数のチャネルを各々が含んでいるビーム間でのチャネルのダイナミック再割り当てからなっている。この図4のアルゴリズムは、S で示す被呼局への呼を設定したい発呼局(S で示す)からの呼設定要求メッセージの受け取りに応じて、制御局SCにおいて実施される。局S 及び局S 間に設定されるべき呼について、局がその中に位置しているカバレッジを定義するビーム内の各局にチャネルが割り当てされねばならない。その結果、ステップE10に示すように、図4のアルゴリズムは、このアルゴリズムの残りの部分では共にSで示されている発呼局S 及び被呼局S の両方に関係する。
【0043】
第1の判別ステップET10は、局Sがその内側に位置しているカバレッジを規定するビームF内の少なくとも1つの空きチャネルが存在するか判別する。空きチャネルがある場合は、それが局Sに割り当てられる(ステップEF1)。空きチャネルがない場合、局Sを含むビームFのカバレッジに最も近いカバレッジから最も遠いカバレッジまでの一連のカバレッジをそれぞれ規定するビームFaが、少なくとも1つの空きチャネルが存在するかどうかチェックされる(ステップE11及びET11)。局Sを含むカバレッジを規定するビームFに最も近いものから最も遠いものまでの一連のビームFaのどれにも空きチャネルが存在しない場合、アルゴリズムが次のビームについて繰返される。
【0044】
本発明によれば、これらビームの1つ内で少なくとも1つの空きチャネルが見つかると、直ちに、図3を参照して既に述べたアイソレーションレベルの計算CNIを含むステップが実行される。図4ではE12で示されるこのステップは、局Sを含むカバレッジを規定するビームFに隣り合うビームFaの1つ内で見つけられた空きチャネルと同一周波数帯のチャネルを利用するビームを結合するサブセットSE(m)に適用される。この結果得られた例えばT個のビームを含むサブセットSE(m)について、T個のアイソレーションレベルN(t)が計算される。ただし、1≦t≦Tである。図3のブロックCNI内に示されているように、これらT個のアイソレーションレベルN(t)の各々は、そのビームのカバレッジの境界において取り込まれたサブセットのそれぞれの1つのビームにおける主ローブのアンテナ利得と、得られたサブセットSE(m)内の他のビームの第2ローブのそれぞれの最大アンテナ利得の和との比に等しい。これらT個のアイソレーションレベルN(t)の各々がスレッショルドTHより大きい場合、隣り合うビームの上述した1つ内で見つけられた空きチャネルが局Sを含むカバレッジを規定するビームに割り当てられる(ステップEF2)。これらT個のアイソレーションレベルN(t)の各々がスレッショルドTHより小さい場合、隣り合う次のビームについて繰返して行われる空きチャネルの捜索が続けられる。空きチャネルが見つかると、直ちに、アイソレーションレベルを計算するステップE12が実行され、図4のステップE12及びE11間の結合で示されているように、見つけられた空きチャネルと同一周波数帯を利用するビームを含むサブセットについて計算したアイソレーションレベルが全て前記スレッショルドTHより大きくない限りは、同様の処理が繰返して実行される。
【0045】
容量の再割り当てを利用した衛星ネットワークに関する本発明の上述した実施態様においては、ビームのカバレッジが固定であるとみなされている。カバレッジ再構築を利用したネットワークにおいては、各ビーム内のチャネルの数は一定であるが、カバレッジの形状は可変である。次に、カバレッジ再構築を利用したこの種の衛星ネットワークに関する本発明の実施態様についてのチャネル割り当て方法の使用について、図5を参照して説明する。
【0046】
上述したように、容量の再割り当てを利用した衛星ネットワークに関する本発明の実施態様について、図5のアルゴリズムは、発呼局S 及び被呼局S の両方に関しており、制御局SC内にで実施される。このアルゴリズムのステップE20以下の部分において、発呼局S 及び被呼局S は共にSとして示される。ステップET20では、局SがビームFのカバレッジCに属するか又は属しないかをまず判別する。
【0047】
局SがビームカバレッジCに属する場合、ステップET21では、このカバレッジを伴うビームが少なくとも1つの空きチャネルを含んでいるかどうか判別する。1つの空きチャネルが存在する場合、この空きチャネルが局Sに割り当てられる。局Sを含むカバレッジを有するビーム内において複数の空きチャネルが見つかった場合、これら空きチャネルのうちの、カバレッジが局Sを含んでいるビームを包含する最適なサブセット内で少なくとも利用される1つの空きチャネルがその局Sに割り当てられる(ステップE23)。最適なサブセットが図3のアルゴリズムで決定されることを思い起こすべきである。
【0048】
局Sを含むカバレッジが空きチャネルを有していない場合、局Sを含むカバレッジCに最も近いものから最も遠いものまでのこれに続くビームカバレッジが、これらカバレッジのどれが空きチャネルを有するビームで構成されているか判別するべく検査される(ステップE21及びET22)。局Sを含むカバレッジCと隣り合うこれらカバレッジの1つが識別されると直ちに、局Sを含むカバレッジを伴うビームF及び空きチャネルを含むビームFa間で負荷転送(ステップE22)が行われる。前述した米国特許第5,355,138号の図11を参照して説明したように、この転送は、局Sを含むビームFのカバレッジのサイズを減少させ、これに釣り合わせて、空きチャネルを含むビームFaによるカバレッジのサイズをこの後者のカバレッジが局Sを含むことができるように増大させることからなる。前にも述べたように、隣り合うカバレッジ内でただ1つの空きチャネルが見つけられた場合、この空きチャネルは局Sに割り当てられる。隣り合うカバレッジ内で複数の空きチャネルが見つけられた場合、これら空きチャネルのうちの、隣り合うビームを含む最適なサブセット内で少なくとも利用される1つの空きチャネルがその局Sに割り当てられる(ステップE23)。
【0049】
定義により、最適なサブセットは、ビームカバレッジの形状に、従ってビームの形態に依存する。ステップE22を参照して記載した負荷転送は、カバレッジの形状を変更する。その結果、負荷転送(ステップE22)と隣り合うビーム内で少なくとも利用される空きチャネルの局Sへの割り当てとの間に、図3に示すアルゴリズムを利用する最適なサブセットを決定するステップEDが存在する。負荷転送(ステップE22)の次に、ステップEDは、局Sを含みかつ空きチャネルを有する隣り合うビームに伴ったそれぞれのカバレッジに関連する変更に従って最適なサブセットを再定義する。
【0050】
ステップET20の他の選択肢に戻ると、局Sがいかなるビームカバレッジにも含まれない場合、本発明はステップE24に示すようなカバレッジ再構築ステップを提供する。前述した米国特許第5,355,138号の図5を参照して説明したように、この再構築は、局Sに最も近いカバレッジか又は地面の最も低い表面のカバレッジを選択することからなる。制御局SCは、これら2つのカバレッジの各々について、衛星SAの電力の一部をシミュレーションによって免除しこれによってカバレッジ内に部局Sが含まれるようにその各々のカバレッジのサイズを増大させるべく、当該各々のカバレッジと異なるカバレッジの表面を減少させるようにシミュレーションを実行する。局Sを含むことができるこれら2つのカバレッジのどちらかは、より高いアンテナ利得を有しており、従ってこれが選択される(ステップET23)。次いで、上述したステップET21、E21、ET22、E22、ED及びE23が、局Sを現在含むカバレッジについて実行される。
【0051】
最も近いカバレッジ及び最も低い表面のカバレッジのいずれも局Sを含むことができない場合、発呼局からの呼設定要求は待ちとなる(ステップEF)。
【0052】
ステップE30に示すように、各ビームが同一数の話中チャネルを含むように、ビーム内の話中チャネルを再配分する方法もある。この再配分は、全てのチャネルが話中であるビームの数を減少させることにより、ネットワーク管理を容易にする。このため、所与のビーム内の話中チャネルの数Fがビーム毎の話中チャネルのほぼ平均数、例えばE(CO/I)、より大きい場合(ただし、Eは整数部関数、COはネットワーク内の話中チャネル数、Iはネットワーク内の無線ビーム数)、ステップE21、ET22、E22、ED及びE23がこの所与のビームに適用され、その所与のビーム内の幾つかの局がそのビーム内の1つのチャネルを空きとすべくその所与のビームに隣り合うビームのチャネルに割り当てられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1つの衛星及び複数の地球局を含む衛星ネットワーク設備を示す図である。
【図2】2つのビームのチャネル間の干渉現象を説明する2つのアンテナの放射特性図である。
【図3】許容できる干渉を有した、ビームの最適サブセットを決定するための一般的なアルゴリズムを示す図である。
【図4】ビーム間の再割り当て容量を用いた周波数再利用を行う衛星ネットワークにおいてチャネルを割り当てするためのアルゴリズムを示す図である。
【図5】周波数再利用を用いたカバレッジ再構築を行う衛星ネットワークにおいてチャネルを割り当てするためのアルゴリズムを示す図である。
【符号の説明】
B1〜7 チャネル
BS 信号チャネル
F1、F2 ビーム
S1〜S9 送受地球局
SA 衛星
SC 制御局

Claims (5)

  1. 制御局と、該制御局の制御下の無線チャネルのビームを形成する衛星と、該衛星へビームチャネルを送信しかつ該衛星からビームチャネルを受信する複数の地球局とを備えており、異なるビーム内で同一のチャネルが再利用される衛星通信ネットワークにおける、
    発呼局から発せられた呼設定要求メッセージを前記衛星の信号チャネルを介して前記制御局で受信することに応答して、該制御局により空きビームチャネルを発呼局及び被呼局へ割り当てる方法であって、
    前記方法が、前記発呼局及び被呼局の各々について独立した、第1及び第2の選択肢の1つの前記制御局におけるシミュレーションと最終ステップとを伴っており、
    (a)少なくとも1つの空きチャネルが前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジを形成するビームに属する場合の前記第1の選択肢が、前記少なくとも1つの空きチャネルを前記発呼局及び被呼局の各々に割り当てるステップを備えており、
    (b)空きチャネルが前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジを形成するビームに存在しない場合の前記第2の選択肢が、
    (b1)前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジを形成する前記ビームに最も近いものから最も遠いものまでの隣り合うビームの各々内の空きチャネルを捜しこれによって空きチャネルを識別するステップ、及び
    (b2)前記隣り合うビームの各々内で識別された前記空きチャネルに応答して、シミュレート法により、前記発呼局及び被呼局の各々を含む前記カバレッジの表面を減少させかつ前記発呼局及び被呼局の各々が前記隣り合うカバレッジ内に含まれるように該隣り合うカバレッジの表面を増大させて前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジと前記隣り合うビームの各々に伴う隣り合うカバレッジとの間で負荷の転送を行うことによって前記隣り合うビームの各々内で識別された前記空きチャネルの1つを前記発呼局及び被呼局の各々に割り当て、各々が同一チャネルを再利用可能なビームを備えた、ビームの最適なサブセットを決定し、前記隣り合うビームの各々内で識別された前記空きチャネルの前記1つを、前記隣り合うビームの各々を含むビームの前記最適なサブセットの1つにおいて少なくとも利用されるものとして選択するステップ、
    からなる繰返しステップを備えており、
    (c)前記最終ステップが、識別された前記空きチャネルの前記1つが前記発呼局及び被呼局の各々に割り当てられると直ちに、呼設定許可メッセージを前記制御局から前記発呼局へ出力するステップを備えていることを特徴とする通信チャネルの割り当て方法。
  2. ビームの最適なサブセットを決定する前記ステップが、
    Tを2から始まりIまで前記繰返しステップ毎に1づつインクリメントされる整数とすると、前記ネットワークのI個のビームからT個のビームの
    Figure 0003613826
    個の隔離されたサブセットを構成するステップ、及び
    T個のビームの前記
    Figure 0003613826
    個のサブセットの少なくとも1つについて計算されるT個のアイソレーションレベルが所定のスレッショルドより大きいことを確立する条件付の関係が満足される場合に、T個のビームの前記
    Figure 0003613826
    個のサブセットの各々について、T個のビームの前記
    Figure 0003613826
    個のサブセットの各々内の前記ビームのそれぞれ1つの主ローブのアンテナ利得とT個のビームの前記
    Figure 0003613826
    個のサブセットの各々内の他のビームの第2ローブの最大アンテナ利得それぞれの和との比に各々が等しいT個のアイソレーションレベルを計算するステップ、
    からなる繰返しステップを備えており、
    ビームの前記最適なサブセットが、T を前記条件付の関係が満足されないTと仮定された整数値とすると、各々のサブセットについて、計算された[T −1]個のアイソレーションレベルが前記スレッショルドより大きい
    Figure 0003613826
    個のサブセットからのビームのサブセットで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記制御局で実行されるシミュレーション内に、前記発呼局及び被呼局の各々がいかなるビームカバレッジにも含まれていない場合の第3の選択肢が含まれており、該第3の選択肢が、
    前記ネットワーク内に存在するビームカバレッジから前記発呼局及び被呼局の各々に最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジを決定するステップ、
    最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジの各々について、繰返しにより、該最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジの各々と異なる前記カバレッジの各々のサイズを、前記呼設定要求メッセージを受け取る前に活性化される局を該カバレッジ内に維持させつつ該最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジの各々がその内部にそれぞれのアンテナ利得を有する前記発呼局及び被呼局の各々を含むように増大されるまで、減少させるステップ、及び
    前記最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジの1つを、該最も近いカバレッジ及び最も低い表面カバレッジについて前記発呼局及び被呼局の各々が選択されたカバレッジに含まれるようにそれぞれ計算された2つのアンテナ利得の高い方の関数として該選択されたカバレッジに選択するステップ、
    を備えており、
    前記選択するステップの次に前記第1及び第2の選択肢並びに前記最終ステップの1つが続くことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記ネットワーク内に存在するビームの1つ内の話中無線チャネルの数が前記ネットワーク内に存在するビームの数に対する該ネットワーク内の話中無線チャネルの数の比の整数部より大きいことに応答して、ビームの前記1つ内の話中無線チャネルの数が前記整数部より大きいときに、ビームの前記1つのカバレッジに属する各局がビームの前記1つにおける1つの無線チャネルを空きにするためにビームの該1つに隣り合うビームの無線チャネルに割り当てられるように、ビームの該1つによってカバーされる該各局について前記第2の選択肢を実行することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 制御局と、該制御局の制御下の無線チャネルのビームを形成する衛星と、該衛星へビームチャネルを送信しかつ該衛星からビームチャネルを受信する複数の地球局とを備えており、異なるビーム内で同一のチャネルが再利用される衛星通信ネットワークにおける、
    発呼局から発せられた呼設定要求メッセージを前記衛星の信号チャネルを介して前記制御局で受信することに応答して、該制御局により空きビームチャネルを発呼局及び被呼局へ割り当てる方法であって、
    前記方法が、前記発呼局及び被呼局の各々について独立した、第1及び第2の選択肢の1つの前記制御局におけるシミュレーションと最終ステップとを伴っており、
    (a)少なくとも1つの空きチャネルが前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジを形成するビームに属する場合の前記第1の選択肢が、前記少なくとも1つの空きチャネルを前記発呼局及び被呼局の各々に割り当てるステップを備えており、
    (b)空きチャネルが前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジを形成する
    ビームに存在しない場合の前記第2の選択肢が、
    (b1)前記発呼局及び被呼局の各々を含むカバレッジを形成する前記ビームに最も近いものから最も遠いものまでの隣り合うビームの各々内の空きチャネルを捜しこれによって空きチャネルを識別するステップ、及び
    (b2)前記空きチャネルの1つと同一のチャネルを利用する全てのビームを備えたビームの最適なサブセット内において、該最適なサブセット内の前記全てのビームからのそれぞれのビームの主ローブのアンテナ利得と該最適なサブセット内の他のビームの第2ローブの最大アンテナ利得の和との比に等しい各アイソレーションレベルが所与のスレッショルドより大きい場合に直ちに、前記隣り合うビームの各々内で識別された前記空きチャネルの前記1つを前記発呼局及び被呼局の各々に割り当てるステップ、
    からなる繰返しステップを備えており、
    (c)前記最終ステップが、識別された前記空きチャネルの前記1つが前記発呼局及び被呼局の各々に割り当てられると直ちに、呼設定許可メッセージを前記制御局から前記発呼局へ出力するステップを備えていることを特徴とする通信チャネルの割り当て方法。
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