JP5690200B2 - 基地局 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のアンテナを用いて通信端末と通信する基地局に関する。
従来から無線通信に関して様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、LTE(Long Term Evolution)に関する技術が開示されている。LTEは、「E−UTRA」とも呼ばれている。
特開2008−099079号公報
LTE等の通信システムの基地局においては、複数のアンテナでの指向性を適応的に制御するアダプティブアレイアンテナ方式が採用されることがある。
一方で、基地局においては送信性能の向上が望まれている。
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、複数のアンテナでの送信指向性を制御して通信端末と通信する基地局の送信性能を向上することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る基地局は、通信端末と通信する基地局であって、複数のアンテナを用いて通信端末と通信を行い、通信端末と下り通信を行う際には当該複数のアンテナでの送信指向性を制御する通信部と、下り通信を行う通信端末を決定するとともに、当該通信端末に対して、前記通信部が当該通信端末との下り通信で使用する使用下り無線リソースを割り当てるスケジューリング実行部とを備え、通信端末が既知信号を送信する際に使用することが可能な既知信号用上り無線リソースと、当該既知信号用上り無線リソースと対応付けられた、前記通信部が通信端末と下り通信を行う際に使用することが可能な下り無線リソースとが定められており、前記スケジューリング実行部は、既知信号用上り無線リソースの少なくとも一部を用いて既知信号を送信する通信端末に対して、当該既知信号の送信周波数帯域に含まれる周波数帯域を周波数方向に含む前記使用下り無線リソースを割り当てる際には、当該既知信号用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソースから前記使用下り無線リソースを当該通信端末に対して割り当てる割り当て処理を実行し、前記スケジューリング実行部が、既知信号用上り無線リソースの少なくとも一部を用いて既知信号を送信する通信端末について前記割り当て処理を実行する場合には、前記通信部は、前記使用下り無線リソースを用いて当該通信端末と下り通信を行う際に、当該既知信号用上り無線リソースの少なくとも一部で受信する、当該既知信号を所望波成分として含む受信信号に基づいて前記複数のアンテナでの送信指向性を制御し、前記スケジューリング実行部が、既知信号用上り無線リソースで既知信号が受信されない周波数帯域を周波数方向に含む前記使用下り無線リソースを、当該既知信号用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソースから通信端末に割り当てる場合には、前記通信部は、当該使用下り無線リソースを用いて当該通信端末と下り通信を行う際に、当該使用下り無線リソースの周波数帯域で当該通信端末から受信する既知信号を擬似的に生成し、この擬似的な既知信号を、所望波成分として、当該既知信号用上り無線リソースにおいて当該使用下り無線リソースの周波数帯域で受信する受信信号に対して加算して得られる新たな受信信号に基づいて前記複数のアンテナでの送信指向性を制御する。
また、本発明に係る基地局の一態様では、前記スケジューリング実行部は、既知信号用上り無線リソースで既知信号が受信されない周波数帯域を周波数方向に含む前記使用下り無線リソースを、当該既知信号用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソースから通信端末に割り当てる際には、当該使用下り無線リソースを割り当てる通信端末を、前記基地局と通信端末との間の下り通信の通信状態に基づいて決定する。
また、本発明に係る基地局の一態様では、前記スケジューリング実行部は、既知信号用上り無線リソースで既知信号が受信されない周波数帯域を周波数方向に含む前記使用下り無線リソースを、当該既知信号用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソースから通信端末に割り当てる際には、当該使用下り無線リソースを割り当てる通信端末を、前記基地局と通信端末との間の下り通信についてのプロポーショナルフェアネスに基づいて決定する。
本発明によれば、基地局の送信性能を向上することができる。
実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。 実施の形態に係る基地局の構成を示す図である。 実施の形態に係るTDDフレームの構成を示す図である。 実施の形態に係るTDDフレームの構成の種類を示す図である。 実施の形態に係るTDDフレームの構成の詳細を示す図である。 SRS送信帯域が周波数ホッピングされる様子の一例を示す図である。 SRS0とSRS1を示す図である。 複数のSRS用上り無線リソースを示す図である。 実施の形態に係る通信システムの動作を示す図である。 実施の形態に係る対応付け単位期間を示す図である。 SRS用上り無線リソースと下り無線リソースとの対応付けを示す図である。 紐付け対応下り無線リソースの割り当て例を示す図である。 第1送信制御を説明するための図である。 第1送信制御を説明するための図である。 紐付け対応下り無線リソースの割り当て例を示す図である。 紐付け非対応下り無線リソースの割り当て例を示す図である。 第2アレイ送信制御を説明するための図である。 第2送信制御を説明するための図である。 実施の形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。 第2送信制御を説明するための図である。
図1は本実施の形態に係る通信システム100の構成を示す図である。通信システム100は、例えば、複信方式としてTDD(Time Division Duplexing)方式が採用されたLTEであって、複数の基地局1を備えている。各基地局1は、複数の通信端末2と通信を行う。LTEでは、下り通信ではOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式が使用され、上り通信ではSC−FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)方式が使用される。したがって、基地局1から通信端末2への送信にはOFDMA方式が使用され、通信端末2から基地局1への送信にはSC−FDMA方式が使用される。OFDMA方式では、互いに直交する複数のサブキャリアが合成されたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号が使用される。
図1に示されるように、各基地局1のサービスエリア10は、周辺基地局1のサービスエリア10と部分的に重なっている。図1では、4つの基地局1だけしか示されていないため、1つの基地局1に対して周辺基地局1が2つあるいは3つだけしか存在していないが、実際には、1つの基地局1に対して例えば6つの周辺基地局1が存在することがある。
複数の基地局1は、図示しないネットワークに接続されており、当該ネットワークを通じて互いに通信可能となっている。また、ネットワークには図示しないサーバ装置が接続されており、各基地局1は、ネットワークを通じてサーバ装置と通信可能となっている。
図2は各基地局1の構成を示す図である。基地局1は、時間軸と周波数軸とからなる2次元で特定される無線リソースを複数の通信端末2のそれぞれに個別に割り当てることによって、当該複数の通信端末2と同時に通信することが可能となっている。基地局1は、送受信アンテナとしてアレイアンテナを有し、アダプティブアレイアンテナ方式を用いてアレイアンテナの指向性を制御することが可能である。
図2に示されるように、基地局1は、無線処理部11と、当該無線処理部11を制御する制御部12とを備えている。無線処理部11は、複数のアンテナ110aから成るアレイアンテナ110を有している。無線処理部11は、アレイアンテナ110で受信される複数の受信信号のそれぞれに対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの複数の受信信号を生成して出力する。
また、無線処理部11は、制御部12で生成されるベースバンドの複数の送信信号のそれぞれに対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の複数の送信信号を生成する。そして、無線処理部11は、生成した搬送帯域の複数の送信信号を、アレイアンテナ110を構成する複数のアンテナ110aにそれぞれ入力する。これにより、各アンテナ110aから送信信号が無線送信される。
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)及びメモリなどで構成されている。制御部12は、機能ブロックとして、送信信号生成部120、受信データ取得部121、スケジューリング実行部122、送信ウェイト処理部123、受信ウェイト処理部124及び送信態様決定部125を備えている。
送信信号生成部120は、通信対象の通信端末2に送信する送信データを生成する。送信データには制御データ及びユーザデータが含まれる。そして、送信信号生成部120は、生成した送信データを含むベースバンドの送信信号を生成する。この送信信号は、アレイアンテナ110を構成する複数のアンテナ110aの数だけ生成される。
送信ウェイト処理部123は、送信信号生成部120で生成された複数の送信信号に対して、アレイアンテナ110での送信指向性を制御するための複数の送信ウェイトをそれぞれ設定する。そして、送信ウェイト処理部123は、複数の送信ウェイトがそれぞれ設定された複数の送信信号に対して逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)等を行った後に、当該複数の送信信号を無線処理部11に出力する。
受信ウェイト処理部124は、無線処理部11から入力される複数の受信信号に対して、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)を行った後に、アレイアンテナ110での受信指向性を制御するための複数の受信ウェイトをそれぞれ設定する。そして、受信ウェイト処理部124は、複数の受信ウェイトがそれぞれ設定された複数の受信信号を合成して新たな受信信号(以後、「合成受信信号」と呼ぶ)を生成する。
受信データ取得部121は、受信ウェイト処理部124で生成された合成受信信号に対して、逆離散フーリエ変換や復調処理等を行って、当該合成受信信号に含まれる制御データ及びユーザデータを取得する。
本実施の形態に係る基地局1では、無線処理部11、送信ウェイト処理部123及び受信ウェイト処理部124によって、アレイアンテナ110の指向性を適応的に制御しながら複数の通信端末2と通信を行う通信部13が構成されている。通信部13は、通信端末2と通信する際に、アレイアンテナ110の受信指向性及び送信指向性のそれぞれを制御する。具体的には、通信部13は、受信ウェイト処理部124において、受信信号に乗算する受信ウェイトを調整することより、アレイアンテナ110での受信指向性のビーム及びヌルを様々な方向に設定することができる。また、通信部13は、送信ウェイト処理部123において、送信信号に乗算する送信ウェイトを調整することより、アレイアンテナ110での送信指向性のビーム及びヌルを様々な方向に設定することができる。送信ウェイトは受信ウェイトから求めることができ、受信ウェイトは通信端末2からの既知信号に基づいて求めることができる。
スケジューリング実行部122は、データの下り通信を行う通信端末2を決定するとともに、当該通信端末2に対して、当該通信端末2とのデータの下り通信で使用する下り無線リソース(以後、「使用下り無線リソース」と呼ぶ)を割り当てる。送信信号生成部120は、スケジューリング実行部122が通信端末2に割り当てた使用下り無線リソースに基づいて、当該通信端末2に送信すべきデータを含む送信信号を生成するとともに、当該使用下り無線リソースに基づいたタイミングで当該送信信号を送信ウェイト処理部123に入力する。これにより、通信端末2に送信すべきデータを含む送信信号が、当該通信端末2に割り当てられた使用下り無線リソースを用いて通信部13から送信される。送信信号生成部120は、スケジューリング実行部122が通信端末2に割り当てた使用下り無線リソースを当該通信端末2に通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、通信端末2は、自装置宛てのデータの送信で使用される使用下り無線リソースを知ることができ、基地局1からの自装置宛てのデータを適切に受信することができる。
またスケジューリング実行部122は、データの上り通信を行う通信端末2を決定するとともに、当該通信端末2に対して、当該通信端末2とのデータの上り通信で使用する上り無線リソース(以後、「使用上り無線リソース」と呼ぶ)を割り当てる。送信信号生成部120は、スケジューリング実行部122が通信端末2に割り当てた使用上り無線リソースを当該通信端末2に通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、通信端末2は、基地局1へのデータの送信に使用する使用上り無線リソースを知ることができ、当該使用上り無線リソースを用いて基地局1にデータを無線送信する。
送信態様決定部125は、通信端末2が送信する既知信号である後述のサウンディング基準信号(SRS)の送信態様(送信周波数帯域及び送信周期など)を決定する。送信信号生成部120は、送信態様決定部125で決定された、通信端末2が送信するSRSの送信態様を当該通信端末2に通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、当該通信端末2は、自身が送信するSRSについての送信態様(送信周波数帯域及び送信周期等)を知ることができ、当該送信態様に基づいてSRSを基地局1に送信する。
<TDDフレームの構成>
次に基地局1と通信端末2との間で使用されるTDDフレーム300について説明する。TDDフレーム300は、時間軸と周波数軸とからなる2次元で特定される。TDDフレーム300の周波数帯域幅(システム帯域幅)は例えば10MHzであって、TDDフレーム300の時間長は10msである。基地局1は、TDDフレーム300から、各通信端末2に対して割り当てる使用上り無線リソース及び使用下り無線リソースを決定する。
図3はTDDフレーム300の構成を示す図である。図3に示されるように、TDDフレーム300は、2つのハーフフレーム301で構成されている。各ハーフフレーム301は、5個のサブフレーム302で構成されている。つまり、TDDフレーム300は10個のサブフレーム302で構成されている。サブフレーム302の時間長は1msである。以後、TDDフレーム300を構成する10個のサブフレーム302を、先頭から順に第0〜第9サブフレーム302とそれぞれ呼ぶことがある。
各サブフレーム302は、時間方向に2つのスロット303を含んで構成されている。各スロット303は、7個のシンボル期間304で構成されている。したがって、各サブフレーム302は、時間方向に14個のシンボル期間304を含んでいる。このシンボル期間304は、OFDMA方式の下り通信では、OFDMシンボルの1シンボル期間となり、SC−FDMA方式の上り通信では、DFTS(Discrete Fourier Transform Spread)−OFDMシンボルの1シンボル期間となる。
以上のように構成されるTDDフレーム300には、上り通信専用のサブフレーム302と下り通信専用のサブフレーム302とが含められる。以後、上り通信専用のサブフレーム302を「上りサブフレーム302」と呼び、下り通信専用のサブフレーム302を「下りサブフレーム302」と呼ぶ。通信端末2は、上りサブフレーム302で基地局1にデータを送信し、基地局1は、下りサブフレーム302で通信端末2にデータを送信する。
LTEでは、TDDフレーム300において、周波数方向に180kHzの周波数帯域幅を含み、時間方向に7シンボル期間304(1スロット303)を含む領域(無線リソース)が「リソースブロック(RB)」と呼ばれている。リソースブロックには、12個のサブキャリアが含まれる。スケジューリング実行部122は、通信端末2に対して使用上り無線リソースを割り当てる場合、あるいは通信端末2に対して使用下り無線リソースを割り当てる場合には、時間方向においては連続する2つのリソースブロック単位、つまり1つのサブフレーム302単位で、周波数方向においては1つのリソースブロック単位で、当該通信端末2に対して使用上り無線リソースあるいは使用下り無線リソースを割り当てる。なお、上り通信ではSC−FDMA方式が使用されていることから、上りサブフレーム302において、ある通信端末2に対して周波数方向において複数のリソースブロックが割り当てられる際には、周波数方向に連続した複数のリソースブロックが当該通信端末2に割り当てられる。
また、LTEでは、TDDフレーム300の構成については、上りサブフレーム302と下りサブフレーム302の組み合わせが異なる7種類の構成が規定されている。図4は当該7種類の構成を示す図である。
図4に示されるように、LTEでは、0番〜6番までのTDDフレーム300の構成が規定されている。本通信システム100では、この7種類の構成のうちの1つの構成が使用される。図4では、「D」で示されるサブフレーム302は、下りサブフレーム302を意味し、「U」で示されるサブフレーム302は、上りサブフレーム302を意味している。また、「S」で示されるサブフレーム302は、通信システム100において、下り通信から上り通信への切り替えが行われるサブフレーム302を意味している。このサブフレーム302を「スペシャルサブフレーム302」と呼ぶ。
例えば、0番の構成を有するTDDフレーム300では、第0及び第5サブフレーム302が下りサブフレーム302となっており、第2〜第4サブフレーム302及び第7〜第9サブフレーム302が上りサブフレーム302となっており、第1及び第6サブフレーム302がスペシャルサブフレーム302となっている。また、4番の構成を有するTDDフレーム300では、第0サブフレーム302及び第4〜第9サブフレーム302が下りサブフレーム302となっており、第2及び第3サブフレーム302が上りサブフレーム302となっており、第1サブフレーム302がスペシャルサブフレーム302となっている。
図5は、1番の構成を有するTDDフレーム300の構成を詳細に示す図である。図5に示されるように、スペシャルサブフレーム302は、時間方向に、下りパイロットタイムスロット(DwPTS)351と、ガードタイム(GP)350と、上りパイロットタイムスロット(UpPTS)352とを含んでいる。ガードタイム350は、下り通信から上り通信に切り替えるために必要な無信号期間であって、通信には使用されない。以下の説明では、通信システム100では、1番の構成を有するTDDフレーム300が使用されるものとする。
LTEでは、下りパイロットタイムスロット351、ガードタイム350及び上りパイロットタイムスロット352の時間長の組み合わせについて、複数種類の組み合わせが規定されている。図5の例では、下りパイロットタイムスロット351の時間長は11シンボル期間304に設定されており、上りパイロットタイムスロット352の時間長は2シンボル期間304に設定されている。
本実施の形態に係る通信システム100では、下りサブフレーム302だけではなく、スペシャルサブフレーム302の下りパイロットタイムスロット351においても下り通信を行うことが可能である。また、本通信システム100では、上りサブフレーム302だけではなく、スペシャルサブフレーム302の上りパイロットタイムスロット352においても上り通信を行うことが可能である。
本実施の形態では、基地局1は、下りパイロットタイムスロット351の各シンボル期間304においてデータを通信端末2に送信する。また、各通信端末2は、上りパイロットタイムスロット352の2つのシンボル期間304のうちのどちらか一方においてSRSと呼ばれる既知信号を送信する。SRSは、複数のサブキャリアを変調する複数の複素シンボルで構成されている。以後、SRSに含まれる複素シンボルを「SRSシンボル」と呼ぶ。本実施の形態では、上りパイロットタイムスロット352において送信されるSRSを、送信ウェイトを算出するために使用する。つまり、基地局1の通信部13は、通信端末2が上りパイロットタイムスロット352で送信するSRSに基づいてアレイアンテナ110の送信指向性の制御を行うことが可能となっている。以後、アレイアンテナ110の送信指向性の制御を「アレイ送信制御」と呼ぶ。
なお、SRSは、上りサブフレーム302の最後のシンボル期間304においても送信可能である。つまり、通信端末2は、上りサブフレーム302において、最後のシンボル期間304を除く各シンボル期間304ではデータを送信可能であり、最後のシンボル期間304ではSRSを送信可能である。アレイ送信制御には、上りサブフレーム302の最後のシンボル期間304で送信されるSRSを使用することも可能であるが、本実施の形態では、上りパイロットタイムスロット352で送信されるSRSを使用するものとする。以後、特に断らない限り、SRSと言えば、上りパイロットタイムスロット352を使用して送信されるSRSを意味するものとする。また、通信端末2がSRSを送信することが可能な上りパイロットタイムスロット352に含まれる前方のシンボル期間304及び後方のシンボル期間304を「第1SRS用上り通信期間370a」及び「第2SRS用上り通信期間370b」とそれぞれ呼ぶ。また、第1SRS用上り通信期間370aと第2SRS用上り通信期間370bを特に区別する必要が無い場合には、それぞれを「SRS用上り通信期間」と呼ぶ。
各通信端末2はSRSを周期的に送信する。SRSの送信周期の長さ(送信間隔)は変更することが可能である。以後、SRSの送信周期を「SRS送信周期360」と呼ぶ。図5の例では、各通信端末2についてのSRS送信周期360の長さ(送信間隔)が5msに設定されている。したがって、図5の例では、各通信端末2は、上りスペシャルサブフレーム302の上りパイロットタイムスロット352ごとにSRSを送信する。
<SRSの送信周波数帯域>
本通信システム100では、各通信端末2に関して、当該通信端末2がSRSの送信に使用可能な周波数帯域400(以後、「SRS送信可能帯域400」と呼ぶ)が、当該通信端末2についてのSRS送信周期360ごとに、システム帯域の高周波側及び低周波側に交互に配置されているようになっている。図5では、SRS送信周期360の長さが5msで、第1SRS用上り通信期間370aでSRSを送信する通信端末2についてのSRS送信可能帯域400が右上がりの斜線で示されており、SRS送信周期360の長さが5msで、第2SRS用上り通信期間370bでSRSを送信する通信端末2についてのSRS送信可能帯域400が右下がりの斜線で示されている。システム帯域幅が10MHzの場合には、SRS送信可能帯域400は、40個のリソースブロック分の周波数帯域(180kHz×40)となる。本実施の形態では、例えば、1つのスペシャルサブフレーム302の上りパイロットタイムスロット352でSRSを送信する複数の通信端末2の間では、システム帯域においてSRS送信可能帯域400が配置される場所は同じとなっている。つまり、1つのスペシャルサブフレーム302の上りパイロットタイムスロット352でSRSを送信する複数の通信端末2に対しては同じ帯域のSRS送信可能帯域400が設定される。
また、本実施の形態に係る通信システム100では、1つの通信端末2がSRSの1回の送信に使用する周波数帯域(以後、「SRS送信帯域」と呼ぶ)を、SRS送信可能帯域400の全範囲内あるいは一部の範囲内において、SRS送信周期360ごとに変化させることが可能である。この制御は「周波数ホッピング」と呼ばれている。また、本通信システム100では、SRS送信帯域450の帯域幅(以後、「SRS送信帯域幅」と呼ぶ)は変更可能となっている。
図6は、ある通信端末2が使用するSRS送信帯域450がSRS送信可能帯域400の全範囲内で周波数ホッピングする様子の一例を示す図である。以後、説明対象の通信端末2を「対象通信端末2」と呼ぶ。図6の例では、対象通信端末2についてのSRS送信周期360の長さが5msに設定されており、SRS送信可能帯域400が第1及び第2周波数帯域に分割されている。そして、SRS送信可能帯域400の帯域幅の2分の1の帯域幅を有するSRS送信帯域450が、SRS送信周期360ごとに、第1及び第2周波数帯域の間で交互に変化している。
なお、SRS送信帯域450については、周波数ホッピングせずに一定の周波数帯域に固定することも可能である。つまり、通信端末2は、送信周波数帯域が一定のSRSを周期的に送信することも可能である。
<SRSの構成>
本実施の形態に係る通信システム100では、“transmissionComb”と呼ばれるパラメータkTCで識別される2種類のSRSが規定されている。各通信端末2は、この2種類のSRSのうちのどちらか一方のSRSを、第1SRS用上り通信期間370a及び第2SRS用上り通信期間370bのどちらか一方で送信する。
パラメータkTCは“0”あるいは“1”の値をとることが可能である。パラメータkTC=0で特定されるSRS(以後、「SRS0」と呼ぶ)の送信に使用される複数のサブキャリアSC0は、周波数方向において、連続的に配置されているのではなく、櫛歯状に配置されている。言い換えれば、SRS0のキャリア周波数は周波数方向において櫛歯状に配置されている。同様にして、パラメータkTC=1で特定されるSRS(以後、「SRS1」と呼ぶ)の送信に使用される複数のサブキャリアSC1は、周波数方向において櫛歯状に配置されている。そして、SRS0とSRS1とが同じ周波数帯域で送信される場合には、当該SRS0の送信に使用される複数のサブキャリアSC0と、当該SRS1の送信に使用される複数のサブキャリアSC1は、周波数方向において交互に配置される。したがって、SRS0のキャリア周波数とSRS1のキャリア周波数とは周波数方向において互いに重なることはない。
図7は、ある周波数帯域470において、SRS0とSRS1との両方が送信される様子を示している。図7に示されるように、SRS0の送信に使用される複数のサブキャリアSC0は、周波数方向において、1サブキャリア置きに配置されている。同様に、SRS1の送信に使用される複数のサブキャリアSC1は、周波数方向において、1サブキャリア置きに配置されている。そして、同じ周波数帯域470に含まれる、複数のサブキャリアSC0と複数のサブキャリアSC1とは、周波数方向において交互に配置されている。
このように、1つの通信端末2がSRSの送信に使用する複数のサブキャリアは周波数方向において櫛歯状に配置されていることから、当該通信端末2が使用するSRS送信帯域450でのすべてのサブキャリアがSRSの送信に使用されるわけではない。そして、同じ周波数帯域に含まれる、複数のサブキャリアSC0と複数のサブキャリアSC1とは交互に配置されることから、SRS0を送信する通信端末2と、SRS1を送信する通信端末2とは、同じSRS用上り通信期間において同じSRS送信帯域450を使用することができる。基地局1側から見れば、基地局1は、同じSRS用上り通信期間において同じSRS送信帯域450で送信されるSRS0及びSRS1を区別することができる。
さらに、本通信システム100においては、SRSを構成する複数のSRSシンボルから成る符号パターンが8種類規定されている。この8種類の符号パターンには、互いに直交する8種類の符号系列がそれぞれ採用されている。通信端末2は、8種類の符号パターンのいずれか1つをSRSとして送信する。
このように、SRSにおいては、互いに直交する8種類の符号系列が採用された8種類の符号パターンが規定されていることから、最大で8つの通信端末2が、同じSRS用上り通信期間において同じSRS送信帯域450を用いてSRS0を送信することが可能である。さらに、最大で8つの通信端末2が、同じSRS用上り通信期間において同じSRS送信帯域450を用いてSRS1を送信することが可能である。
本実施の形態では、各通信端末2は、第1SRS用上り通信期間370aにおいてSRS0を送信するか、第2SRS用上り通信期間370bにおいてSRS0を送信するか、第2SRS用上り通信期間370bにおいてSRS1を送信するかのいずれかとなっている。LTEにおいては、各通信端末2に、第1SRS用上り通信期間370aにおいてSRS1を送信させることは可能であるが、本実施の形態では、各通信端末2は、第1SRS用上り通信期間370aにおいてSRS1を送信しないようになっている。
以後、第1SRS用上り通信期間370aと、スペシャルサブフレーム302の周波数帯域に含まれる、SRS0の送信に使用することが可能な櫛歯状の複数のサブキャリアSC0とで特定される上り無線リソースを「第1SRS用上り無線リソース500a」と呼ぶ。また、第2SRS用上り通信期間370bと、スペシャルサブフレーム302の周波数帯域に含まれる、SRS0の送信に使用することが可能な櫛歯状の複数のサブキャリアSC0とで特定される上り無線リソースを「第2SRS用上り無線リソース500b」と呼ぶ。そして、第2SRS用上り通信期間370bと、スペシャルサブフレーム302の周波数帯域に含まれる、SRS1の送信にすることが可能な櫛歯状の複数のサブキャリアSC1とで特性される上り無線リソースを「第3SRS用上り無線リソース500c」と呼ぶ。
図8は、第1SRS用上り無線リソース500a、第2SRS用上り無線リソース500b及び第3SRS用上り無線リソース500cを示す図である。図8に示されるように、第1SRS用上り無線リソース500a、第2SRS用上り無線リソース500b及び第3SRS用上り無線リソース500cは、時間方向及び周波数方向の少なくとも一方で互いに異なっている。以後、これらの上り無線リソースを区別する必要がない場合には、それぞれを「SRS用上り無線リソース」と呼ぶ。
本実施の形態では、SRSの送信態様を決定する送信態様決定部125は、基地局1と通信する各通信端末2について、使用するSRS用上り通信期間、SRS送信帯域幅、SRS送信帯域450の先頭位置、SRS送信周期360、パラメータkTCの値及びSRSの符号パターンの種類を決定する。これにより、送信態様決定部125では、基地局1と通信する各通信端末2について、第1SRS用上り無線リソース500aに含まれる上り無線リソース、第2SRS用上り無線リソース500bに含まれる上り無線リソース及び第3SRS用上り無線リソース500cに含まれる上り無線リソースのうちのいずれをSRSの送信用として使用するかが決定される。SRS送信帯域450の先頭位置がSRS送信周期360ごとに変化すると、SRS送信帯域450が周波数ホッピングするようになるため、送信態様決定部125は、通信端末2についてのSRS送信帯域幅とSRS送信帯域450の先頭位置を決定することによって、当該通信端末2についてのSRS送信帯域450を決定することができる。また、LTEにおいては、SRS送信帯域幅として設定することが可能な帯域幅として、互いに大きさが異なる複数の帯域幅が定められている。例えば、システム帯域幅が10MHzの場合には、40個のリソースブロック分の帯域幅(180kHz×40)と、20個のリソースブロック分の帯域幅(180kHz×20)と、4個のリソースブロック分の帯域幅(180kHz×4)の3種類の帯域幅が定められている。送信態様決定部125は、この複数の帯域幅の1つをSRS送信帯域幅として決定する。
送信信号生成部120は、送信態様決定部125で決定された、通信端末2が送信するSRSの送信態様を当該通信端末2に通知するための制御データ(以後、「SRS制御データ」と呼ぶ)を含む送信信号を生成する。この送信信号は、下りサブフレーム302が使用されて通信部13から当該通信端末2に送信される。これにより、各通信端末2にはSRS制御データが送信され、各通信端末2は、自身が送信するSRSの送信態様を知ることができる。つまり、各通信端末2は、自身が送信するSRSの符号パターンの種類、SRSの送信に使用する上り無線リソース及びSRS送信周期360を認識することができる。各通信端末2は、基地局1で決定された送信態様に基づいてSRSを周期的に送信する。
なお、SRS制御データには、SRSの送信開始を指示するための送信開始データあるいはSRSの送信停止を指示するための送信停止データも含められる。SRSを送信していない通信端末2が、送信開始データを含むSRS制御データを受信すると、当該SRS制御データで指示される送信態様に基づいてSRSの周期的な送信を開始する。また、SRSを周期的に送信する通信端末2が、送信停止データを含むSRS制御データを受信すると、SRSの送信を停止する。通信端末2が送信するSRSの送信態様を変更する場合には、変更後の送信態様を指示するためのSRS制御データが当該通信端末2に通知される。このようなSRS制御データは、LTEでは、“RRCConnectionReconfiguration message”と呼ばれている。
<SRSの送信を制御する際の通信システムの基本動作>
次に、通信端末2がSRS制御データを受信してから、当該通信端末2が当該SRS制御データによって通知される送信態様に基づいてSRSを送信するまでの通信システム100の動作について説明する。図9は当該動作を示す図である。以後、説明の対象となる通信端末2を「対象通信端末2」と呼ぶことがある。
図9に示されるように、例えば、(N−2)番目のTDDフレーム300の末尾に位置する下りサブフレーム302において、基地局1から対象通信端末2にSRS制御データを含む送信信号が送信されると、その次の(N−1)番目のTDDフレーム300の先頭から8番目の上りサブフレーム302(第7サブフレーム302)において、対象通信端末2は、SRS制御データを正常に受信した旨を通知するための応答データを含む送信信号を基地局1に送信する。この応答データは“RRCConnectionReconfigurationComplete message”と呼ばれている。
応答データを送信した対象通信端末2は、次のN番目のTDDフレーム300以降において、受信したSRS制御データで指示される送信態様でSRSを送信する。図9の例では、SRS送信周期360の長さは5msに設定されている。
なお、図9の例では、(N−1)番目のTDDフレーム300で対象通信端末2が応答データを送信しているが、それよりも後のTDDフレーム300で対象通信端末2が応答データを送信することもある。
また、SRSを送信している通信端末2が、変更後の送信態様を通知するためのSRS制御データを受信した場合には、当該SRS制御データによって通知される変更後の送信態様でSRSを送信するまでは(図9の例では、(N−1)番目のTDDフレーム300の2つ目のスペシャルサブフレーム302まで)、それまでの送信態様でSRSを送信することになる。
このように、基地局1が、あるTDDフレーム300において、対象通信端末2に対してSRS制御データを送信すると、そのTDDフレーム300よりも少なくとも2つ後のTDDフレーム300以降において、対象通信端末2は、当該SRS制御データに基づいたSRSの送信を行うようになる。したがって、基地局1が、対象通信端末2にSRSの送信開始を指示する際、あるいは対象通信端末2にSRSの送信態様の変更を指示する際には、対象通信端末2にSRS制御データを送信してから、そのSRS制御データに基づいて対象通信端末2から送信されるSRSを受信するまでに、ある程度の時間がかかることになる。なお、基地局1は、自装置と新たに接続されるようになった通信端末2や、自装置と接続されている通信端末2であって、データ送信を開始することになった通信端末2に対して、SRS制御データを送信してSRSの送信開始を指示する。これにより、基地局1とデータの下り通信を行う各通信端末2は、当該基地局1に対してSRSを送信するようになる。以後、SRSを送信している通信端末2を「通信対象端末2」と呼ぶことがある。
基地局1がSRSを周期的に送信している通信端末2に対してSRSの送信停止を指示する場合についても、通信システム100は同様に動作する。例えば、(N−2)番目のTDDフレーム300の末尾に位置する下りサブフレーム302において、送信停止データを含むSRS制御データが基地局1から対象通信端末2に対して送信されると、その次の(N−1)番目のTDDフレーム300の先頭から8番目の上りサブフレーム302(第7サブフレーム302)において、対象通信端末2は、SRS制御データを正常に受信した旨を通知するための応答データを基地局1に送信する。応答データを送信した対象通信端末2は、次のN番目のTDDフレーム300になるとSRSの送信を停止する。
このように、基地局1が、対象通信端末2にSRSの送信停止を指示する際には、対象通信端末2にSRS制御データを送信してから、対象通信端末2でのSRSの送信が停止するまでに、ある程度の時間がかかることになる。なお、基地局1は、ハンドオーバによって周辺基地局1と接続されるようになった通信端末2や、自装置と接続されている通信端末2であって、データ送信が終了した通信端末2に対して、SRS制御データを送信してSRSの送信停止を指示する。これにより、基地局1とデータの下り通信を行う必要が無くなった各通信端末2は当該基地局1に対してSRSを送信しないようになる。
<SRS用上り無線リソースと下り無線リソースとの対応付けについて>
本実施の形態では、図10に示される、スペシャルサブフレーム302の上りパイロットタイムスロット352の先頭から次のスペシャルサブフレーム302の上りパイロットタイムスロット352の先頭までの期間550に関して、当該期間550に含まれる、第1SRS用上り無線リソース500a及び前方の下りサブフレーム302が互いに対応付けられている。また、当該期間550に含まれる、第2SRS用上り無線リソース500b及び2つ目の下りサブフレーム302が互いに対応付けられている。そして、当該期間550に含まれる第3SRS用上り無線リソース500cと当該期間550に含まれるスペシャルサブフレーム302における下りパイロットタイムスロット351を含む部分とが互いに対応付けられている。
以後、当該期間550を「対応付け単位期間550」と呼ぶ。また、対応付け単位期間550に含まれる2つの下りサブフレーム302について、前方の下りサブフレーム302を「第1下り無線リソース560a」と呼び、後方の下りサブフレーム302を「第2下り無線リソース560b」と呼ぶ。また、対応付け単位期間550に含まれる、スペシャルサブフレーム302における下りパイロットタイムスロット351を含む部分を「第3下り無線リソース560c」と呼ぶ。そして、第1下り無線リソース560a、第2下り無線リソース560b及び第3下り無線リソース560cの間において特に区別する必要が無い場合には、それぞれを「下り無線リソース560」と呼ぶ。
図11は、ある対応付け単位期間550でのSRS用上り無線リソースと下り無線リソース560との対応付けの様子を示す図である。図11では、TDDフレーム300の最初のスペシャルサブフレーム302の上りパイロットタイムスロット352を含む対応付け単位期間550について示されているが、TDDフレーム300の2つ目のスペシャルサブフレーム302の上りパイロットタイムスロット352を含む対応付け単位期間550についても同様である。
スケジューリング実行部122は、各対応付け単位期間550についてSRS用上り無線リソースの少なくとも一部を用いてSRSを送信する通信端末2に対して、当該SRSの送信周波数帯域に含まれる周波数帯域を周波数方向に含む使用下り無線リソースを割り当てる際には、当該使用下り無線リソースを、当該SRS用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソース560から決定する。
以後、対応付け単位期間550において、SRS用上り無線リソースの少なくとも一部を用いてSRSを送信する通信端末2に対して、当該SRS用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソース560から割り当てられる、当該SRSの送信周波数帯域に含まれる周波数帯域を周波数方向に含む使用下り無線リソースを「紐付け対応下り無線リソース」と呼ぶ。また、SRS用上り無線リソースにおいて、通信端末2がSRSの送信に使用している部分を、当該通信端末2についての「SRS使用上り無線リソース」と呼ぶ。また、対応付け単位期間550において下り通信を行う通信端末2のうち、当該対応付け単位期間550に含まれるSRS用上り無線リソースを用いてSRSを送信する通信端末2を「SRS直近送信端末2」と呼ぶ。
図12は、ある対応付け単位期間550において基地局1が下り通信を行う端末番号1〜3のSRS直近送信端末2に対する紐付け対応下り無線リソースの割り当て例を示す図である。以後、説明の対象となる対応付け単位期間550を「対象対応付け単位期間550」と呼ぶ。
図12に示される例では、端末番号1のSRS直近送信端末2は、第1SRS用上り無線リソース500aの一部を用いてSRSを送信しており、端末番号2のSRS直近送信端末2は、第2SRS用上り無線リソース500bの一部を用いてSRSを送信しており、端末番号3のSRS直近送信端末2は、第3SRS用上り無線リソース500cの一部を用いてSRSを送信している。言い換えれば、端末番号1のSRS直近送信端末2についてのSRS使用上り無線リソース600aは、第1SRS用上り無線リソース500aの一部となっており、端末番号2のSRS直近送信端末2についてのSRS使用上り無線リソース600bは、第2SRS用上り無線リソース500bの一部となっており、端末番号3のSRS直近送信端末2についてのSRS使用上り無線リソース600cは、第3SRS用上り無線リソース500cの一部となっている。
また、図12に示される例では、端末番号1のSRS直近送信端末2に対しては、当該通信端末2が送信するSRSについてのSRS送信帯域450a(SRS使用上り無線リソース600aの周波数帯域)と一致する周波数帯域を周波数方向に含む紐付け対応下り無線リソース650aが、第1下り無線リソース560aから割り当てられている。端末番号2のSRS直近送信端末2に対しては、当該通信端末2が送信するSRSについてのSRS送信帯域450b(SRS使用上り無線リソース600bの周波数帯域)と一致する周波数帯域を周波数方向に含む紐付け対応下り無線リソース650bが、第2下り無線リソース560bから割り当てられている。そして、端末番号3のSRS直近送信端末2に対しては、当該通信端末2が送信するSRSについてのSRS送信帯域450c(SRSSRS使用上り無線リソース600cの周波数帯域)と一致する周波数帯域を周波数方向に含む紐付け対応下り無線リソース650cが、第3下り無線リソース560cから割り当てられている。
なお、図12の例では、SRS直近送信端末2が送信するSRSについてのSRS送信帯域450と一致する周波数帯域を周波数方向に含む紐付け対応下り無線リソースを当該SRS直近送信端末2に割り当てていたが、当該SRS送信帯域450の一部と一致する周波数帯域を周波数方向に含む紐付け対応下り無線リソースを当該SRS直近送信端末2に割り当てても良い。
また、本実施の形態では、スケジューリング実行部122が、対応付け単位期間550について、SRS用上り無線リソースの少なくとも一部を用いてSRSを送信するSRS直近送信端末2に対して紐付け対応下り無線リソースを割り当てる場合には、通信部13は、当該紐付け対応下り無線リソースを用いて当該SRS直近送信端末2と下り通信を行う際に、当該SRS用上り無線リソースにおいて当該紐付け対応下り無線リソースの周波数帯域で受信する受信信号に基づいてアレイ送信制御を行う。この受信信号には、当該SRS直近送信端末2が送信するSRSが所望波成分として含まれている。以後、このアレイ送信制御を「第1アレイ送信制御」と呼ぶ。また、第1アレイ送信制御を行うための前提となっている、SRS直近送信端末2に対して紐付け対応下り無線リソースを割り当てるスケジューリングを「紐付け対応スケジューリング」と呼ぶ。そして、対となる第1アレイ送信制御及び紐付け対応スケジューリングを合わせて「第1送信制御」と呼ぶ。本実施の形態では、後述するように、この第1送信制御とは別の第2送信制御が存在する。以下に、上述の図12を参照して、端末番号1のSRS直近送信端末2を例に挙げて、第1アレイ送信制御について詳細に説明する。
図12の例において、通信部13が、端末番号1のSRS直近送信端末2に対して、それに割り当てられた紐付け対応下り無線リソース650aを用いてデータを送信する際には、第1SRS用上り無線リソース500aにおいて紐付け対応下り無線リソース650aの周波数帯域で受信する受信信号に基づいて送信ウェイトを算出する。言い換えれば、通信部13が、端末番号1のSRS直近送信端末2に対して、それに割り当てられた紐付け対応下り無線リソース650aを用いてデータを送信する際には、SRS使用上り無線リソース600aにおいて、紐付け対応下り無線リソース650aの周波数帯域と一致する周波数帯域で受信する受信信号に基づいて送信ウェイトを算出する。この受信信号には、端末番号1のSRS直近送信端末2がSRS使用上り無線リソース600aを用いて送信するSRSが所望波成分として含まれている。
ここで、本実施の形態に係るアレイ送信制御では、ヌルステアリング及びビームフォーミングが同時に行われる。通信部13では、例えば、RLS(Recursive Least-Squares)アルゴリズム等の逐次更新アルゴリズムを用いて受信ウェイトを複数回更新し、更新終了後の受信ウェイトに基づいて送信ウェイトを求めることによって、ヌルステアリングとビームフォーミングの両方を同時に行う。
端末番号1のSRS直近送信端末2について、通信部13は、当該SRS直近送信端末2についてのSRS使用上り無線リソース600aにおいて当該紐付け対応下り無線リソース650aの周波数帯域で受信された受信信号(より正確には、複数のアンテナ110aにおいて当該周波数帯域でそれぞれ受信された複数の受信信号から受信ウェイト処理部124で得られる合成受信信号)を構成する複数の複素シンボルに基づいて受信ウェイトを複数回更新し、更新終了後の受信ウェイトに基づいて送信ウェイトを求める。そして、通信部13は、算出した送信ウェイトを、紐付け対応下り無線リソース650aを用いて送信する、制御データ及びユーザデータを含む送信信号に設定する。このようにして、SRS直近送信端末2についての第1アレイ送信制御が行われる。
また、本実施の形態に係るアレイ送信制御では、送信ウェイトが、例えば、1リソースブロックの周波数帯域ごとに求められる。以後、1リソースブロックの周波数帯域を「RB帯域」と呼ぶ。例えば、端末番号1のSRS直近送信端末2に割り当てられた紐付け対応下り無線リソース650aの周波数帯域が4つのRB帯域で構成されているとすると、当該SRS直近送信端末2についての第1アレイ送信制御では、当該4つのRB帯域のそれぞれについて送信ウェイトが求められる。紐付け対応下り無線リソース650aに含まれるあるRB帯域を用いて端末番号1のSRS直近送信端末2に送信される信号に対して適用する送信ウェイトは、SRS使用上り無線リソース600aにおいて紐付け対応下り無線リソース650aの周波数帯域で受信された受信信号を構成する複数の複素シンボルのうち、当該あるRB帯域で受信された6個の複素シンボルに基づいて受信ウェイトが6回更新されて、更新終了後の受信ウェイトに基づいて送信ウェイトが求められる。ここで、1リソースブロックには12個のサブキャリアが含まれることから、1つのRB帯域を用いて12個の複素シンボルを送信することが可能である。一方で、上述のように、1つの通信端末2がSRSの送信に使用する複数のサブキャリアは周波数方向において櫛歯状に配置されている。受信ウェイト処理部124は、SRS使用上り無線リソース600aにおいて紐付け対応下り無線リソース650aの周波数帯域に含まれる当該あるRB帯域で受信された12個の複素シンボルのうち、端末番号1のSRS直近送信端末2がSRSの送信に使用する6個のサブキャリアにそれぞれ対応する6個の複素シンボルを用いて受信ウェイトを6回更新する。
以上のような第1送信制御を行うことによって、各基地局1においては、通信対象のSRS直近送信端末2に対して下り通信を行う際に、当該SRS直近送信端末2に対してアレイアンテナ110の送信指向性に関するビームを向けることができるとともに、当該下り通信で使用する下り無線リソースと同じ下り無線リソースを使用して周辺基地局1が通信する通信端末2に対してアレイアンテナ110の送信指向性に関するヌルを向けることが可能となる。これにより、各基地局1は、各対応付け単位期間550において、SRS直近送信端末2に対して信号を確実に届けることができるとともに、周辺基地局1と通信する通信端末2に干渉を与えることを抑制できる。以下にこの点について詳細に説明する。
図13,14は第1送信制御の利点を説明するための図である。図13には、対象対応付け単位期間550における、2つの基地局1a,1bに関するSRS使用上り無線リソースと紐付け対応下り無線リソースが示されている。また図14には、対象対応付け単位期間550における、基地局1a,1bでの送信指向性に関するビーム及びヌルが示されている。
図13,14の例では、対象対応付け単位期間550において、基地局1aは、第1送信制御を行って、SRS直近送信端末2である端末番号1の通信端末2と下り通信を行い、基地局1bは、第1送信制御を行って、SRS直近送信端末2である端末番号5の通信端末2と下り通信を行っている。また、図13,14の例では、端末番号1の通信端末2についてのSRS使用上り無線リソース601aと、端末番号5の通信端末2についてのSRS使用上り無線リソース601bとが一致しており、第1SRS用上り無線リソース500aの一部が、SRS使用上り無線リソース601a,601bとなっている。また、図13,14の例では、端末番号1の通信端末2に対して割り当てられた紐付け対応下り無線リソース651aの周波数帯域と、SRS使用上り無線リソース601aの周波数帯域とが一致しており、端末番号5の通信端末2に対して割り当てられた紐付け対応下り無線リソース651bの周波数帯域と、SRS使用上り無線リソース601bの周波数帯域とが一致している。
図13,14の例では、端末番号1の通信端末2についてのSRS使用上り無線リソース601aと、端末番号5の通信端末2についてのSRS使用上り無線リソース601bとが一致していることから、基地局1aが、SRS使用上り無線リソース601aで受信する受信信号には、端末番号1の通信端末2が送信するSRSが所望波成分として含まれるとともに、基地局1aの周辺に位置する基地局1bが通信する端末番号5の通信端末2が送信するSRSが干渉波成分として含まれるようになる。したがって、基地局1aが、当該受信信号に基づいて送信ウェイトを算出し、当該送信ウェイトを、紐付け対応下り無線リソース651aを用いて端末番号1の通信端末2に送信する送信信号に設定すると、図14に示されるように、基地局1aが紐付け対応下り無線リソース651aを用いて送信する際のアレイアンテナ110での送信指向性においては、ビーム700aが端末番号1の通信端末2に向くとともに、ヌル701aが基地局1bと通信する端末番号5の通信端末2に向くようになる。よって、基地局1aは、通信対象の通信端末2に対して送信信号を確実に届けることができるとともに、周辺の基地局1bが通信する通信端末2に対して干渉を与えることを抑制することができる。基地局1b側から見れば、その周辺に位置する基地局1aが通信端末2と通信する際に、基地局1bが通信する通信端末2に対してヌルを向けてくれるようになる。
一方で、基地局1bが、SRS使用上り無線リソース601bで受信する受信信号には、端末番号5の通信端末2が送信するSRSが所望波成分として含まれるとともに、基地局1bの周辺に位置する基地局1aが通信する端末番号1の通信端末2が送信するSRSが干渉波成分として含まれるようになる。したがって、基地局1bが、当該受信信号に基づいて送信ウェイトを算出し、当該送信ウェイトを、紐付け対応下り無線リソース651bを用いて端末番号5の通信端末2に送信する送信信号に設定すると、図14に示されるように、基地局1bが紐付け対応下り無線リソース651bを用いて送信信号を送信する際のアレイアンテナ110での送信指向性においては、ビーム700bが端末番号5の通信端末2に向くとともに、ヌル701bが基地局1aと通信する端末番号1の通信端末2に向くようになる。よって、基地局1bは、通信対象の通信端末2に対して送信信号を確実に届けることができるとともに、周辺の基地局1aが通信する通信端末2に対して干渉を与えることを抑制することができる。
このように、第1送信制御においては、通信対象の通信端末2にはビームを向けることができるとともに、通信対象ではない通信端末2にはヌルを向けることができることから、ビーム及びヌルを適切に制御することができる点においては有効な技術である。一方で、第1送信制御については、基地局1の送信スループットの向上という点においては不利な技術となる。以下にこの点について説明する。
上述のように、対象対応付け単位期間550での第1送信制御では、図12に示されるように、対象対応付け単位期間550において受信するSRSの送信周波数帯域に含まれる周波数帯域しか下り通信で使用することができない。また、対象対応付け単位期間550での第1送信制御では、対象対応付け単位期間550でのSRS用上り無線リソースでSRSを送信する通信端末2に対しては、当該SRS用上り無線リソースに対応する下り無線リソース560からしか使用下り無線リソースを割り当てることができない。
このように、第1送信制御においては、周波数方向及び時間方向において、通信端末2に対する下り無線リソースの割り当てのスケジューリングに制約があることから、下り無線リソースを有効利用することができない。特に、図12に示されるように、対象対応付け単位期間550においてSRSを送信する通信端末2が少ない場合には、対象対応付け単位期間550では、下り通信に使用可能な全下り無線リソース、つまり第1下り無線リソース560a、第2下り無線リソース560b及び第3下り無線リソース560cから成る下り無線リソースにおいては、下り通信で使用されない空きの下り無線リソースが多くなる。そして、対象対応付け単位期間550とは別の対応付け単位期間550においてSRSを送信する通信端末2と下り通信を行う必要があったとしても、対象対応付け単位期間550での空きの下り無線リソースは利用することができないことから、基地局1の送信スループットを向上させることが困難となる。
また、図15に示されるように、対象対応付け単位期間550において受信する各SRSの送信帯域幅(SRS送信帯域幅)が小さい場合にも、対象対応付け単位期間550では空きの下り無線リソースが多くなることから、基地局1の送信スループットを向上させることが困難となる。図15の例では、端末番号1〜5の通信端末2についてのSRS使用上り無線リソース602a〜602eと、端末番号1〜5の通信端末2にそれぞれ割り当てられた紐付け対応下り無線リソース652a〜652eが示されている。
なお、本実施の形態に係る基地局1では、通信端末2との間の距離が大きいなどの理由により、当該通信端末2との間の通信状態が悪い場合には、当該通信端末2についてのSRS送信帯域幅は小さくなるようになっている。これにより、当該通信端末2は、SRSを送信する際に電力集中を行うことが可能となり、基地局1は当該通信端末2からのSRSを受信しやすくなる。例えば、基地局1の送信態様決定部125は、通信端末2からの受信信号の受信レベルを算出し、当該受信レベルがしきい値よりも小さい場合には、当該通信端末2と基地局1との間の通信状態が悪いと判定し、当該通信端末2については、SRS送信帯域幅として設定することが可能な複数の種類の帯域幅のうちの最も小さい帯域幅をその通信端末2についてのSRS送信帯域幅として設定する。
このように、第1送信制御を使用するだけでは、基地局1の送信スループットを向上させることが困難である。
そこで、本実施の形態に係る基地局1では、アレイ送信制御を行いつつ、第1送信制御では使用することができない下り無線リソースを通信端末2との下り通信で使用する第2送信制御を行う。これにより、アレイ送信制御を行いつつ、基地局1の送信スループットを向上させることができる。以下にこの第2送信制御について詳細に説明する。
<第2送信制御について>
<第2送信制御でのスケジューリングについて>
本実施の形態に係る第2送信制御においては、基地局1のスケジューリング実行部122は、対応付け単位期間550の各SRS用上り無線リソースについて、当該SRS用上り無線リソースにおいてSRSを受信しない周波数帯域を周波数方向に含む使用下り無線リソースを、当該SRS用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソース560から、通信対象端末2、つまりSRSを送信している通信端末2に割り当てる。以後、この使用下り無線リソースの割り当てのスケジューリングを「紐付け非対応スケジューリング」と呼ぶ。また、SRS用上り無線リソースにおいて基地局1がSRSを受信しない周波数帯域を周波数方向に含み、当該SRS用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソース560から選択された使用下り無線リソースを「紐付け非対応下り無線リソース」と呼ぶ。
図16は、上述の図12の例において、紐付け非対応スケジューリングを行った際の紐付け非対応下り無線リソースの通信端末に対する割り当て例を示す図である。図16の例では、第1SRS用上り無線リソース500aにおいてSRSを受信しない周波数帯域、つまり、端末番号1の通信端末2についてのSRS送信帯域450a以外の周波数帯域を周波数方向に含み、当該第1SRS用上り無線リソース500aに対応付けられた第1下り無線リソース560aから選択された紐付け非対応下り無線リソース680aが、端末番号1の通信端末2に割り当てられている。
また、第2SRS用上り無線リソース500bにおいてSRSを受信しない周波数帯域、つまり、端末番号2の通信端末2についてのSRS送信帯域450b以外の周波数帯域を周波数方向に含み、当該第2SRS用上り無線リソース500bに対応付けられた第2下り無線リソース560bから選択された紐付け非対応下り無線リソース680bが、端末番号1の通信端末2に対して割り当てられている。
また、第3SRS用上り無線リソース500cにおいてSRSを受信しない周波数帯域、つまり、端末番号3の通信端末2についてのSRS送信帯域450c以外の周波数帯域を周波数方向に含み、当該第3SRS用上り無線リソース500cに対応付けられた第3下り無線リソース560cから選択された紐付け非対応下り無線リソース680c,680dが、端末番号4及び端末番号2の通信端末2に対してそれぞれ割り当てられている。なお、端末番号4の通信端末2は、SRSを送信しているものの、図16に示される対応付け単位期間550ではSRSを送信していない通信端末2である。
本実施の形態に係る第2送信制御では、対応付け単位期間550での紐付け非対応下り無線リソースの通信端末2に対する割り当てについては、例えば、1つのRB帯域(1つのリソースブロックの周波数帯域)ごとに行われる。つまり、紐付け非対応下り無線リソースの通信端末2に対する割り当てが行われる際には、1つのRB帯域ごとに、当該RB帯域を周波数方向に含む使用下り無線リソースを割り当てる通信端末2が決定される。
<第2送信制御でのアレイ送信制御について>
第2送信制御においては、通信部13は、スケジューリング実行部122において対象通信端末2に対して割り当てられる紐付け非対応下り無線リソースを用いて対象通信端末2と下り通信を行う際には、当該紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域において対象通信端末2から受信するSRSを擬似的に生成する。この擬似的なSRSを「疑似受信SRS」と呼ぶ。通信部13は、生成した擬似受信SRSを、所望波成分として、当該紐付け非対応下り無線リソースが属する下り無線リソース560に対応するSRS用上り無線リソースにおいて当該紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域で受信する受信信号に対して加算する。そして、通信部13は、この加算によって得られる新たな受信信号(以後、「疑似所望波含有受信信号」と呼ぶ)に基づいてアレイ送信制御を行う。以後、このアレイ送信制御を「第2アレイ送信制御」と呼ぶ。
図17は、図16の例での第2アレイ送信制御を説明するための図である。図17に示されるように、スケジューリング実行部122において、第1下り無線リソース560aに含まれる紐付け非対応下り無線リソース680aが端末番号1の通信端末2に割り当てられる場合には、通信部13の受信ウェイト処理部124は、紐付け非対応下り無線リソース680aの周波数帯域690aにおいて端末番号1の通信端末2から受信するSRSを擬似的に生成する。そして、受信ウェイト処理部124は、生成した擬似的なSRSを、所望波成分として、紐付け非対応下り無線リソース680aが属する第1下り無線リソース560aに対応する第1SRS用上り無線リソース500aにおいて紐付け非対応下り無線リソース680aの周波数帯域690aで受信される受信信号695aに対して加算して、疑似所望波含有受信信号を生成する。その後、受信ウェイト処理部124は、生成した疑似所望波含有受信信号に含まれる複数の複素シンボルに基づいて受信ウェイトを複数回更新し、送信ウェイト処理部123は更新終了後の受信ウェイトに基づいて送信ウェイトを求める。そして、送信ウェイト処理部123は、算出した送信ウェイトを、紐付け非対応下り無線リソース680aを用いて送信する送信信号に設定する。
また、スケジューリング実行部122において、第2下り無線リソース560bに含まれる紐付け非対応下り無線リソース680bが端末番号1の通信端末2に割り当てられる場合には、受信ウェイト処理部124は、紐付け非対応下り無線リソース680bの周波数帯域690bにおいて端末番号1の通信端末2から受信するSRSを擬似的に生成する。そして、受信ウェイト処理部124は、生成した擬似的なSRSを、所望波成分として、第2SRS用上り無線リソース500bにおいて紐付け非対応下り無線リソース680bの周波数帯域690bで受信される受信信号695bに対して加算して、疑似所望波含有受信信号を生成する。その後、通信部13は、上記と同様にして、生成した疑似所望波含有受信信号に基づいて送信ウェイトを生成し、紐付け非対応下り無線リソース680bを用いて送信する送信信号に当該送信ウェイトを設定する。
また、スケジューリング実行部122において、第3下り無線リソース560cに含まれる紐付け非対応下り無線リソース680cが端末番号4の通信端末2に割り当てられる場合には、受信ウェイト処理部124は、紐付け非対応下り無線リソース680cの周波数帯域690cにおいて端末番号4の通信端末2から受信するSRSを擬似的に生成する。そして、受信ウェイト処理部124は、生成した擬似的なSRSを、所望波成分として、第3SRS用上り無線リソース500cにおいて紐付け非対応下り無線リソース680cの周波数帯域690cで受信される受信信号695cに対して加算して、疑似所望波含有受信信号を生成する。その後、通信部13は、上記と同様にして、生成した疑似所望波含有受信信号に基づいて送信ウェイトを生成し、紐付け非対応下り無線リソース680cを用いて送信する送信信号に当該送信ウェイトを設定する。
また、スケジューリング実行部122において、第3下り無線リソース560cに含まれる紐付け非対応下り無線リソース680dが端末番号2の通信端末2に割り当てられる場合には、受信ウェイト処理部124は、紐付け非対応下り無線リソース680dの周波数帯域690dにおいて端末番号2の通信端末2から受信するSRSを擬似的に生成する。そして、受信ウェイト処理部124は、生成した擬似的なSRSを、所望波成分として、第3SRS用上り無線リソース500cにおいて紐付け非対応下り無線リソース680dの周波数帯域690dで受信される受信信号695dに対して加算して、疑似所望波含有受信信号を生成する。その後、通信部13は、上記と同様にして、生成した疑似所望波含有受信信号に基づいて送信ウェイトを生成し、紐付け非対応下り無線リソース680dを用いて送信する送信信号に当該送信ウェイトを設定する。
以上のように、第2送信制御での第2アレイ送信制御においては、紐付け非対応下り無線リソースを用いて対象通信端末2と下り通信を行う際には、当該紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域で受信されるSRSが擬似的に生成されて、この擬似的なSRSを所望波成分として含む疑似所望波含有受信信号に基づいてアレイ送信制御が行われることから、アレイアンテナ110の送信指向性に関するビームを対象通信端末2に向けることができる。
これに対して、紐付け非対応下り無線リソースを用いて対象通信端末2と下り通信を行う際に、当該紐付け非対応下り無線リソースが属する下り無線リソース560に対応するSRS用上り無線リソースにおいて当該紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域で受信される受信信号(図17の例では、受信信号695a〜695d)だけに基づいてアレイ送信制御を行うとすると、当該受信信号には、対象通信端末2からのSRSが所望波成分としては含まれていないことから、対象通信端末2に対してビームを向けることができない。よって、この場合には、紐付け非対応下り無線リソースを用いて送信する送信信号が対象通信端末2に届かない可能性がある。
本実施の形態に係る第2アレイ送信制御では、紐付け非対応下り無線リソースを用いて対象通信端末2に送信信号を送信する際に、当該紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域で対象通信端末2から受信されるSRSの疑似信号を含む疑似所望波含有受信信号に基づいてアレイ送信制御を行うため、対象通信端末2にビームを向けることができる。よって、紐付け非対応下り無線リソースを用いて送信する送信信号を対象通信端末2に確実に届けることができる。
また、基地局1では、第2送信制御を行って通信端末2と下り通信を行う場合には、周辺基地局1が第1送信制御を行って下り通信を行う通信端末2に対しては送信指向性に関するヌルを向けることができる。以下にこの点について説明する。
図18は、基地局1aとその周辺に位置する周辺基地局1bでの送信制御の一例を説明するための図である。図18の例では、基地局1aは、第2送信制御を使用して端末番号1の通信端末2と下り通信を行い、周辺基地局1bは、第1送信制御を使用して端末番号5の通信端末2と下り通信を行う。また図18の例では、基地局1aが、端末番号1の通信端末2に対して、第1下り無線リソース560aに含まれる紐付け非対応下り無線リソース681aを割り当て、周辺基地局1bは、端末番号5の通信端末2に対して、第1下り無線リソース560aに含まれる紐付け対応下り無線リソース653bを割り当てる。そして、図18の例では、紐付け非対応下り無線リソース681aと紐付け対応下り無線リソース653bとが、同じ周波数帯域及び同じ時間帯に設定されている。したがって、仮に基地局1aが端末番号1の通信端末2との下り通信でアレイ送信制御を行わない場合には、周辺基地局1bと通信する端末番号5の通信端末2は、周辺基地局1bからの送信信号を受信する際に、基地局1aが端末番号1の通信端末2に送信する送信信号が干渉波として受信されることになる。
このような場合において、基地局1aが、端末番号1の通信端末2に対して第2アレイ送信制御を行う際には、端末番号1の通信端末2に割り当てられる紐付け非対応下り無線リソース681aが属する第1下り無線リソース560aに対応する第1SRS送信用上り無線リソース500aにおいて、紐付け非対応下り無線リソース681aの周波数帯域691aで受信される受信信号696aが使用されることになる。
一方で、周辺基地局1bは、第1送信制御を使用して端末番号5の通信端末2と下り通信を行うことから、端末番号5の通信端末2は、紐付け対応下り無線リソース653aの周波数帯域654bを含む周波数帯域をSRS送信帯域450bbとするSRSを、紐付け対応下り無線リソース653aが属する第1下り無線リソース560aに対応する第1SRS用上り無線リソース500aで送信することになる。そして、紐付け非対応下り無線リソース681aの周波数帯域691aは、SRS送信帯域450bbに含まれる紐付け対応下り無線リソース653aの周波数帯域654bと一致することから、基地局1aは、端末番号5の通信端末2がSRSを送信する際に使用する第1SRS用上り無線リソース500aにおいて、当該SRSについてのSRS送信帯域450bbに含まれる周波数帯域691aで受信信号696aを受信することになる。したがって、基地局1aでの第2アレイ送信制御に使用される受信信号696aには、周辺基地局1bと通信する端末番号5の通信端末2が送信するSRSが干渉波成分として含まれることになる。よって、基地局1aでは、疑似受信SRSが加算された受信信号696aに基づいてアレイ送信制御を行うことによって、周辺基地局1bが第1送信制御を使用して通信する端末番号5の通信端末2に対してヌルを向けることができる。その結果、端末番号5の通信端末2が、周辺基地局1bからの送信信号を受信する際に、基地局1aが端末番号1の通信端末2に送信する送信信号が干渉波として受信されることを抑制することができる。
このように、第2送信制御を行う基地局1では、通信対象の通信端末2にビームを向けることができるとともに、周辺基地局1が第1送信制御を使用して下り通信を行う通信端末2に対してヌルを向けることができる。
なお、図18の例において、周辺基地局1bが第2送信制御を使用して端末番号5の通信端末2と下り通信を行う場合であって、図18に示される紐付け対応下り無線リソース653bと同じ位置の下り無線リソースが紐付け非対応下り無線リソースとして当該通信端末2に割り当てられる場合には、第1SRS送信用上り無線リソース500aにおいて当該通信端末2はSRSを送信していないことになる。したがって、基地局1aが第1SRS送信用上り無線リソース500aで受信する受信信号696aには、端末番号5の通信端末2が送信するSRSが干渉波成分として含まれないことになる。よって、この場合には、基地局1aでは、周辺基地局1bと通信する端末番号5の通信端末2に偶然にヌルが向くことはあっても、ヌルを意図的に向けることができない。よって、端末番号5の通信端末2が、周辺基地局1bからの送信信号を受信する際に、基地局1aが端末番号1の通信端末2に送信する送信信号が干渉波として受信される可能性がある。
<疑似受信SRSの生成方法>
次に疑似受信SRSの生成方法について説明する。本実施の形態では、対象対応付け単位期間550での対象通信端末2に対する第2アレイ送信制御で使用される疑似受信SRSについては、対象対応付け単位期間550よりも前において対象通信端末2が送信するSRSを所望波成分として含む受信信号に基づいて求められた、当該所望波成分についてのアレイ応答ベクトルに基づいて生成される。以下に、疑似受信SRSの生成方法について詳細に説明する。最初に対象通信端末2についてのアレイ応答ベクトルの算出方法について説明する。
アレイアンテナ110を構成する複数のアンテナ110aで受信される、対象通信端末2が送信するSRSを所望波成分として含む1サブキャリアあたりの受信信号から成る受信信号ベクトルXは以下の式(1)で表される。
Figure 0005690200
ここで、Sは、複数のアンテナ110aで受信される、対象通信端末2が送信する1サブキャリアあたりのSRS(SRSシンボル)から成る所望波成分の信号ベクトルであって、Ul(1≦l≦M)は、複数のアンテナ110aで受信される、周辺基地局1が通信する通信端末2が送信する1サブキャリアあたりのSRS(SRSシンボル)から成る干渉波成分の信号ベクトルを示している。また、Nは内部雑音成分の信号ベクトルを示している。また、htは所望波成分についてのアレイ応答ベクトルを示しており、hlは干渉波成分についてアレイ応答ベクトルを示している。
基地局1の受信ウェイト処理部124は、無線処理部11の出力信号から得られる、1サブキャリアあたりの受信信号ベクトルXと、所望波成分の信号ベクトルSとの間の相関値を求める。受信ウェイト処理部124は、この相関値を、1つのRB帯域に含まれる、SRSの送信に使用される6個のサブキャリアのそれぞれについて求める。そして、受信ウェイト処理部124は、得られた6個の相関値の平均値を算出する。この平均値を「相関平均値」と呼ぶ。
ここで、1つのRB帯域に含まれる12個のサブキャリアの周波数は互いに隣接していることから、当該12個のサブキャリアのうち、SRSの送信に使用される6個のサブキャリアについての受信信号ベクトルXでの応答ベクトルht,hlは、互いに同じであると考えることができる。また、LTEにおいては、基地局1と通信する通信端末2が送信するSRSと、その周辺基地局1と通信する通信端末2が送信するSRSとの間の相関は低くなるようになっていることから、干渉波成分の信号ベクトルUlと所望波成分の信号ベクトルSとの間の相関は低くなる。また、内部雑音成分の信号ベクトルNと所望波成分の信号ベクトルSとの間の相関も低くなる。そして、所望波成分の信号ベクトルSと所望波成分の信号ベクトルSとの間の相関値ではベクトル要素がすべて“1”となるようになっている。よって、相関平均値はアレイ応答ベクトルhtと等しくなる。このようにして、受信ウェイト処理部124では、1つのRB帯域についてのアレイ応答ベクトルhtが求められる。受信ウェイト処理部124は、SRSを送信している各通信端末2について、当該通信端末2がSRSを送信している全周波数帯域、つまり、当該通信端末2についてのSRS送信帯域450が一周期、周波数ホッピングする間に占める周波数帯域に含まれるすべてのRB帯域についてのアレイ応答ベクトルhtを求める。
なお、LTEでは、システム帯域の大きさや周波数ホッピングの態様によって、通信端末2はシステム帯域の全領域にわたってSRSを送信することができないことがある。この場合には、通信端末2がSRSを送信していない周波数帯域についてのアレイ応答ベクトルhtは求められない。
受信ウェイト処理部124は、対象通信端末2がSRS送信周期360でSRSを送信するたびに、対象通信端末2についてのアレイ応答ベクトルhtを求める。受信ウェイト処理部124は、対象通信端末2がSRSの送信に使用するSRS使用上り無線リソースにおいて通信部13が受信する、当該SRSを所望波成分として含む受信信号に基づいて、当該受信信号の周波数帯域(当該SRSについてのSRS送信帯域450)に含まれる各RB帯域についてアレイ応答ベクトルhtを求める。そして、受信ウェイト処理部124は、新たに求めたアレイ応答ベクトルhtに関して、同じRB帯域のアレイ応答ベクトルhtがすでに存在する場合には、その古いアレイ応答ベクトルhtの代わりに新たに求めたアレイ応答ベクトルhtを記憶する。このようにして、通信部13には、常に新しいアレイ応答ベクトルhtが記憶される。
次にアレイ応答ベクトルhtから疑似受信SRSを生成する方法について説明する。対象通信端末2に割り当てられる紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域での疑似受信SRSについては、当該周波数帯域に含まれる各RB帯域についてのアレイ応答ベクトルhtと、複数の複素シンボルから成る既知信号に基づいて生成される。この既知信号を「疑似信号生成用既知信号」と呼ぶ。
紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域での疑似受信SRSを生成する際に使用される疑似信号生成用既知信号は、当該周波数帯域に含まれる複数のサブキャリアにそれぞれ対応する複数の複素シンボルで構成される。また、疑似受信SRSを生成する際には、複数のアンテナ110aにそれぞれ対応する同一の複数の疑似信号生成用既知信号が使用される。
疑似信号生成用既知信号を構成する複数の複素シンボルについての符号系列は、例えば、SRSと同様にZC(Zadoff-Chu)系列が採用される。疑似信号生成用既知信号についての符号系列はSRSとは異なる符号系列としても良い。
ここで、対象通信端末2に割り当てられる紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域での疑似受信SRSは、当該周波数帯域に含まれる複数のサブキャリアのそれぞれについての疑似受信信号ベクトルで構成される。紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域に含まれるあるサブキャリアについての疑似受信信号ベクトルは、複数のアンテナ110aで受信される、対象通信端末2が当該サブキャリアで送信するSRSシンボル(1サブキャリアあたりのSRS)から成る複素信号ベクトルを疑似的に生成したものである。紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域に含まれるあるサブキャリアjについての疑似受信信号ベクトルQjは、以下の式(2)で表される。
Figure 0005690200
ここで、ht,jは、サブキャリアjが属するRB帯域についてのアレイ応答ベクトルhtである。また、Pjは、複数のアンテナ110aにそれぞれ対応する複数の疑似信号生成用既知信号における、サブキャリアjに対応する複素シンボルから成る複素信号ベクトルである。
受信ウェイト処理部124は、式(2)を使用して、紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域に含まれる複数のサブキャリアのそれぞれについての疑似受信信号ベクトルを生成することによって、当該周波数帯域での疑似受信SRSを生成する。
このようにして、受信ウェイト処理部124は、対応付け単位期間550での各紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域での疑似受信SRSを生成する。
受信ウェイト処理部124は、紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域での疑似受信SRSを生成すると、当該疑似受信SRSを、所望波成分として、当該紐付け非対応下り無線リソースが属する下り無線リソース560に対応するSRS用上り無線リソースにおいて、当該紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域で受信される受信信号(以後、「所望波非含有受信信号」と呼ぶ)に対して加算して、疑似所望波含有受信信号を生成する。
所望波非含有受信信号は、紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域に含まれる複数のサブキャリアのそれぞれについての受信信号ベクトルR1で構成される。あるサブキャリアについての受信信号ベクトルR1は、複数のアンテナ110aで受信される、当該サブキャリアに対応する受信シンボルから成る複素信号ベクトルである。以後、あるサブキャリアjについての受信信号ベクトルR1を「R1,j」と表す。受信シンボルは、アンテナ110aで受信される受信信号に含まれる、1つのサブキャリアを変調する複素シンボルである。
また、疑似所望波含有受信信号は、紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域に含まれる複数のサブキャリアのそれぞれに対応する受信信号ベクトルR2で構成される。あるサブキャリアjについての受信信号ベクトルR2を「R2,j」とすると、受信信号ベクトルR2,jは以下の式(3)で表される。
Figure 0005690200
受信ウェイト処理部124は、式(3)を使用して、紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域に含まれる複数のサブキャリアのそれぞれについての受信信号ベクトルR2を生成することによって、疑似所望波含有受信信号を生成する。受信ウェイト処理部124は、紐付け非対応下り無線リソースについての疑似所望波含有受信信号を生成すると、それに基づいて受信ウェイトを算出する。そして、送信ウェイト処理部123が、当該受信ウェイトに基づいて、当該紐付け非対応下り無線リソースを用いて送信する送信信号に適用する送信ウェイトを算出する。
なお、以上の説明から理解できるように、対象通信端末2に対して紐付け非対応下り無線リソースを用いて送信する送信信号に適用する送信ウェイトについては、当該紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域で対象通信端末2が送信する過去のSRSが必要となる。言い換えれば、対象通信端末2に対して紐付け非対応下り無線リソースを割り当てたとしても、当該紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域で対象通信端末2がSRSを送信していない場合には、当該紐付け非対応下り無線リソースを用いて送信する際にアレイ送信制御ができなくなる。したがって、スケジューリング実行部122は、対象通信端末2がSRSを送信していない周波数帯域を周波数方向に含む紐付け非対応下り無線リソースを対象通信端末2に割り当てないようにする。
<基地局1での下り無線リソースのスケジューリング動作>
次に、基地局1が通信端末2に対して下り無線リソースを割り当てるスケジューリングを行い、そのスケジューリング結果に基づいて下り通信を行うまでの当該基地局1の一連の動作について説明する。図19は当該一連の動作を示すフローチャートである。基地局1のスケジューリング実行部122は、下り無線リソース560ごとに、当該下り無線リソース560から使用下り無線リソースを通信端末2に割り当てるスケジューリングを行う。図19は、ある下り無線リソース560についてのスケジューリングを行い、そのスケジューリング結果に基づいて下り通信を行うまでの基地局1の一連の動作が示されている。ある下り無線リソース560についてのスケジューリングは、例えば、当該ある下り無線リソース560が含まれる対応付け単位期間550よりも1つ前の対応付け単位期間550で行われる。
図19に示されるように、ステップs1において、スケジューリング実行部122は、スケジューリング対象の下り無線リソース560(以後、「対象下り無線リソース560」と呼ぶ)から、当該下り無線リソース560が含まれる対応付け単位期間550においてSRSを送信する各通信端末2、つまり各SRS直近送信端末2に対して紐付け対応下り無線リソースを割り当てる。
次にステップs2において、スケジューリング実行部122は、対象下り無線リソース560において、紐付け非対応下り無線リソースとして使用できる下り無線リソースが存在するか否かを判定する。ステップs2において、紐付け非対応下り無線リソースとして使用できる下り無線リソースが存在しないと判定されると、後述のステップs5が実行される。対象下り無線リソース560に対応するSRS用上り無線リソースの全周波数帯域がSRSの送信に使用されている場合には、紐付け非対応下り無線リソースとして使用できる下り無線リソースは存在しないことになる。
一方で、ステップs2において、紐付け非対応下り無線リソースとして使用できる下り無線リソースが存在すると判定されると、ステップs3において、スケジューリング実行部122は、SRSを送信する通信端末2から、紐付け非対応下り無線リソースを割り当てる通信端末2を割り当て端末として決定し、当該割り当て端末に対して紐付け非対応下り無線リソースを割り当てる。ステップs3において、スケジューリング実行部122は、割り当て端末を、基地局1と通信端末2との間の通信状態に基づいて決定する。例えば、スケジューリング実行部122は、割り当て端末を、基地局1と通信端末2との間の下り通信についてのプロポーショナルフェアネス(PF)に基づいて決定する。以下に、本実施の形態での割り当て端末の決定方法について詳細に説明する。
スケジューリング実行部122は、各通信対象端末2について、下り通信の優先度である下り優先度をプロポーショナルフェアネスに基づいて決定する。スケジューリング実行部122は、各通信対象端末2についての下り優先度を決定する際には、RB帯域ごとに下り優先度を決定する。第n番目の対応付け単位期間550におけるあるRB帯域(対象RB帯域)での対象通信端末2についての下り優先度DM(n)は以下の式(4)で表すことができる。
Figure 0005690200
ここで、RD(n)は、第n番目の対応付け単位期間550における対象RB帯域での可用転送速度であって、第n番目の対応付け単位期間550における対象RB帯域で基地局1が対象通信端末2に送信可能なデータ量の期待値を示している。RD(n)は、例えば、対象RB帯域での下り通信で使用されるMCS(Modulation and Coding Scheme)に基づいて決定される。MCSは、変調方式と誤り訂正符号の符号化率との組み合わせを示しており、MCSによって伝送レートが決定する。MCSは、通信端末2が基地局1に通知する、当該通信端末2での基地局1からの受信信号についてのSINR(信号対干渉雑音電力比:Signal to Interference plus Noise power Ratio)によって決定される。通信端末2は、求めたSINRをCQI(Channel Quality Indicator)情報として基地局1に通知する。
また、TD(n)は、第n番目の対応付け単位期間550までの対象RB帯域での対象通信端末2に対する基地局1の平均送信スループットを示しており、以下の式(5)で表される。
Figure 0005690200
ここで、Tcは忘却係数と呼ばれる定数である。
式(4),(5)から理解できるように、対象通信端末2についての下り優先度は、その時点での送信能力が高いほど高くなり、それまでの下り通信データ量が少ないほど高くなる。これにより、複数の通信端末2の間での下り通信データ量の公平性を維持しつつ、基地局1の送信スループットを向上させることができる。
このようにして、スケジューリング実行部122は、各通信対象端末2についての下り優先度をRB帯域ごとに決定する。
次にスケジューリング実行部122は、対象下り無線リソース560において、紐付け非対応下り無線リソースとして使用できる全下り無線リソースに含まれる各RB帯域について、当該RB帯域での下り優先度が最も高い通信対象端末2を特定する。そして、スケジューリング実行部122は、対象下り無線リソース560において、紐付け非対応下り無線リソースとして使用できる全下り無線リソースに含まれる各RB帯域について、当該RB帯域での下り優先度が最も高い通信対象端末2に対して、当該RB帯域を周波数方向に含む紐付け非対応下り無線リソースを対象下り無線リソース560から割り当てる。ただし、ある通信対象端末2についてのRB帯域での下り優先度が最も高い場合であっても、当該通信対象端末2が当該RB帯域でSRSを全く送信していない場合には、上述のように、当該通信対象端末2には、当該RB帯域を周波数方向に含む紐付け非対応下り無線リソースを割り当てないことにする。これにより、対象下り無線リソース560に関して、紐付け非対応下り無線リソースの割り当て端末が決定されるとともに、当該割り当て端末に対して紐付け非対応下り無線リソースが割り当てられる。
なお、上記の例では、紐付け非対応下り無線リソースの割り当て端末をプロポーショナルフェアネスに基づく下り優先度で決定したが、通信端末2と基地局1との間の通信状態を示す他の指標を使用して決定しても良い。例えば、紐付け非対応下り無線リソースの割り当て端末を、各通信端末2から通知される、当該通信端末2での基地局1からの受信信号についてのRB帯域ごとのSINRを使用して決定しても良いし、RB帯域ごとに各通信端末2に割り当てられるMCSを使用して決定しても良い。
ステップs3の後に、対象下り無線リソース560が含まれる対応付け単位期間550が現れると、ステップs4において、受信ウェイト処理部124は、ステップs3において紐付け非対応下り無線リソースが割り当てられた各通信対象端末2について、当該通信対象端末2に割り当てられた紐付け非対応下り無線リソースの周波数帯域での疑似所望波含有受信信号を上述のようにして生成する。
次にステップs5において、通信部13は、ステップs2及びステップs3において使用下り無線リソースが割り当てられた各通信端末2について、当該通信端末2に対して送信する送信信号に設定する送信ウェイトを算出する。通信部13は、紐付け対応下り無線リソースが割り当てられた通信端末2については、上述のように、当該紐付け対応下り無線リソースが属する下り無線リソース560に対応するSRS用上り無線リソースにおいて当該紐付け対応下り無線リソースの周波数帯域で受信される、当該通信端末2からのSRSが所望波成分として含まれる受信信号に基づいて送信ウェイトを生成する。
一方で、通信部13は、紐付け非対応下り無線リソースが割り当てられた通信端末2については、ステップs4で求められた、当該紐付け対応下り無線リソースの周波数帯域での疑似所望波含有受信信号に基づいて送信ウェイトを生成する。
次にステップs6において、通信部13は、ステップs2,s3で使用下り無線リソースが割り当てられた各通信端末2に対して、ステップs5で生成した、当該通信端末2についての送信ウェイトに基づいてアレイ送信制御を行って、当該通信端末2に割り当てられた使用無線リソースを用いてデータを送信する。
以上ように、本実施の形態に係る基地局1では、紐付け非対応下り無線リソースを用いて対象通信端末2に送信信号を送信する際に、疑似所望波含有受信信号に基づいてアレイ送信制御を行うため、対象通信端末2にビームを向けることができる。よって、紐付け非対応下り無線リソースを用いて送信する送信信号を対象通信端末2に確実に届けることができる。さらに、基地局1では、第2送信制御を行って通信端末2と下り通信を行う場合には、上述のように、周辺基地局1が第1送信制御を行って下り通信を行う通信端末2に対しては送信指向性に関するヌルを向けることができる。よって、基地局1では、通信端末2との下り通信に紐付け非対応下り無線リソースを使用しながらも当該通信端末2にビームを向けることができるとともに、周辺基地局1が第1送信制御を使用して下り通信を行う通信端末2に対してヌルを向けることができる。その結果、ビームフォーミング及びヌルステアリングを行いつつ、より多くの下り無線リソースを使用することが可能となり、基地局1の送信性能が向上する。
また、本実施の形態に係る第2送信制御では、通信端末2と基地局1との間の通信状態に基づいて、紐付け非対応下り無線リソースを割り当てる通信端末2を決定しているため、基地局1との通信状態が良好な通信端末2に対して紐付け非対応下り無線リソースを割り当てることが可能となる。その結果、基地局1が、紐付け非対応下り無線リソースを用いて通信端末2に信号を送信する際に、周辺基地局1が第2送信制御で通信する通信端末2に対して意図的にヌルを向けることができないとしても、当該通信端末2に対して干渉を与えることを抑制できる。以下にこの点について図20を参照して説明する。
図20には、基地局1aと、その周辺に位置する周辺基地局1bでの送信指向性に関するビームが示されている。図20の例では、基地局1aは、第2送信制御を使用して端末番号1の通信端末2と下り通信を行い、周辺基地局1bは、第2送信制御を使用して端末番号5の通信端末2と下り通信を行っている。また、基地局1aと端末番号1の通信端末2との間の通信状態は良好となっている。
図20の例では、基地局1aと端末番号1の通信端末2との間の通信状態は良好となっていることから、端末番号1の通信端末2は、周辺基地局1bと通信する各通信端末2からの干渉を受けにくい位置、つまり、周辺基地局1bと通信する各通信端末2とは離れた位置に存在している可能性が高い。したがって、端末番号1の通信端末2は、周辺基地局1bが第2送信制御で下り通信を行う端末番号5の通信端末2と離れた位置に存在する可能性が高い。よって、基地局1aが端末番号1の通信端末2に信号を送信する際に、周辺基地局1bが通信する端末番号5の通信端末2に対して基地局1aの送信指向性に関するヌルが向かないとしても、図20に示されるように、基地局1aの送信指向性に関するビーム700aが端末番号5の通信端末2に届かない可能性が高くなる。よって、基地局1aは、端末番号1の通信端末2との下り通信を行う際に、周辺基地局1bが通信する端末番号5の通信端末2に対してヌルを向けることができない場合であっても、当該端末番号5の通信端末2に干渉を与えることを抑制できる。
<変形例>
上記の例では、第1SRS用上り無線リソース500a、第2SRS用上り無線リソース500b及び第3SRS用上り無線リソース500bの3つのSRS用上り無線リソースをSRSの送信に使用したが、それらのうちの2つのSRS用上り無線リソースだけをSRSの送信に使用しても良い。この場合には、SRSの送信に使用する一方のSRS用上り無線リソースと、第1下り無線リソース560a、第2下り無線リソース560b及び第3下り無線リソース560cのうちの1つの下り無線リソース560とが対応付けられ、SRSの送信に使用する他方のSRS用上り無線リソースと、残りの2つの下り無線リソース560から成る下り無線リソースとが対応付けられる。
また、第1SRS用上り無線リソース500a、第2SRS用上り無線リソース500b及び第3SRS用上り無線リソース500bのうちの1つのSRS用上り無線リソースだけをSRSの送信に使用しても良い。この場合には、SRSの送信に使用する1つのSRS用上り無線リソースと、第1下り無線リソース560a、第2下り無線リソース560b及び第3下り無線リソース560cから成る下り無線リソースとが対応付けられることになる。
また、上記の例では、アレイ送信制御に、スペシャルサブフレーム302の上りパイロットタイムスロット352で送信されるSRSを使用したが、そのSRSに代わりに、あるいはそのSRSと一緒に、上りサブフレーム302の最後のシンボル期間304で送信されるSRSを使用しても良い。この場合には、上りサブフレーム302において、最後のシンボル期間304と、SRS0の送信に使用することが可能な櫛歯状の複数のサブキャリアSC0とで特定される上り無線リソースをSRS用上り無線リソースとすれば、上記と同様にして、第1及び第2送信制御を行うことができる。また、上りサブフレーム302において、最後のシンボル期間304と、SRS1の送信に使用することが可能な櫛歯状の複数のサブキャリアSC0とで特定される上り無線リソースをSRS用上り無線リソースとすれば、上記と同様にして、第1及び第2送信制御を行うことができる。
また、上記の例では、本願発明をLTEに適用する場合について説明したが、本願発明は他の通信システムにも適用することができる。
1 基地局
2 通信端末
13 通信部
110a アンテナ
122 スケジューリング実行部
500a 第1SRS用上り無線リソース
500b 第2SRS用上り無線リソース
500c 第3SRS用上り無線リソース
560a 第1下り無線リソース
560b 第2下り無線リソース
560c 第3下り無線リソース

Claims (3)

  1. 通信端末と通信する基地局であって、
    複数のアンテナを用いて通信端末と通信を行い、通信端末と下り通信を行う際には当該複数のアンテナでの送信指向性を制御する通信部と、
    下り通信を行う通信端末を決定するとともに、当該通信端末に対して、前記通信部が当該通信端末との下り通信で使用する使用下り無線リソースを割り当てるスケジューリング実行部と
    を備え、
    通信端末が既知信号を送信する際に使用することが可能な既知信号用上り無線リソースと、当該既知信号用上り無線リソースと対応付けられた、前記通信部が通信端末と下り通信を行う際に使用することが可能な下り無線リソースとが定められており、
    前記スケジューリング実行部は、既知信号用上り無線リソースの少なくとも一部を用いて既知信号を送信する通信端末に対して、当該既知信号の送信周波数帯域に含まれる周波数帯域を周波数方向に含む前記使用下り無線リソースを割り当てる際には、当該既知信号用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソースから前記使用下り無線リソースを当該通信端末に対して割り当てる割り当て処理を実行し、
    前記スケジューリング実行部が、既知信号用上り無線リソースの少なくとも一部を用いて既知信号を送信する通信端末について前記割り当て処理を実行する場合には、前記通信部は、前記使用下り無線リソースを用いて当該通信端末と下り通信を行う際に、当該既知信号用上り無線リソースの少なくとも一部で受信する、当該既知信号を所望波成分として含む受信信号に基づいて前記複数のアンテナでの送信指向性を制御し、
    前記スケジューリング実行部が、既知信号用上り無線リソースで既知信号が受信されない周波数帯域を周波数方向に含む前記使用下り無線リソースを、当該既知信号用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソースから通信端末に割り当てる場合には、前記通信部は、当該使用下り無線リソースを用いて当該通信端末と下り通信を行う際に、当該使用下り無線リソースの周波数帯域で当該通信端末から受信する既知信号を擬似的に生成し、この擬似的な既知信号を、所望波成分として、当該既知信号用上り無線リソースにおいて当該使用下り無線リソースの周波数帯域で受信する受信信号に対して加算して得られる新たな受信信号に基づいて前記複数のアンテナでの送信指向性を制御する、基地局。
  2. 請求項1に記載の基地局であって、
    前記スケジューリング実行部は、既知信号用上り無線リソースで既知信号が受信されない周波数帯域を周波数方向に含む前記使用下り無線リソースを、当該既知信号用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソースから通信端末に割り当てる際には、当該使用下り無線リソースを割り当てる通信端末を、前記基地局と通信端末との間の下り通信の通信状態に基づいて決定する、基地局。
  3. 請求項2に記載の基地局であって、
    前記スケジューリング実行部は、既知信号用上り無線リソースで既知信号が受信されない周波数帯域を周波数方向に含む前記使用下り無線リソースを、当該既知信号用上り無線リソースに対応付けられた下り無線リソースから通信端末に割り当てる際には、当該使用下り無線リソースを割り当てる通信端末を、前記基地局と通信端末との間の下り通信についてのプロポーショナルフェアネスに基づいて決定する、基地局。
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